JP3364603B2 - 摩擦クラッチ及びこれを用いた自動車の自動変速機及び自動車の無段変速機並びに自動車の動力分配装置及び自動二輪車の動力伝達装置 - Google Patents

摩擦クラッチ及びこれを用いた自動車の自動変速機及び自動車の無段変速機並びに自動車の動力分配装置及び自動二輪車の動力伝達装置

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    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種機械の動力伝
達用に用いられる摩擦クラッチ及びこれを用いた自動車
の自動変速機及び自動車の無段変速機並びに自動車の動
力分配装置及び自動二輪車の動力伝達装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、各種動力伝達機構に用いられるク
ラッチとしては、入力側の部材と一体に回転する多数の
クラッチ板と、出力側の部材と一体に回転する多数のク
ラッチ板とを交互に配置し、各クラッチ板を互いに押し
付け合うことにより、各クラッチ板の摩擦力によって入
力側の回転力を出力側に伝達するようにした、いわゆる
多板クラッチが知られている。
【0003】この多板クラッチは、各クラッチ板同士を
適度に滑らせながら接続することができるため、自動車
の自動変速機、自動車の無段変速機、自動車の動力分配
装置及び自動二輪車の動力伝達装置等に広く用いられて
いる。
【0004】例えば、自動車の一般的な自動変速機で
は、動力伝達経路をなす多数の歯車の組合わせを変えて
入力軸に対する出力軸の回転比を段階的に変化させるよ
うにしているため、変速時に所定の歯車の回転を任意に
規制する機構として複数の多板クラッチを用いることに
より、各多板クラッチの接続時の滑りを利用して変速シ
ョックを緩和するようにしている。
【0005】また、一部の自動車に実用化されている無
段変速機では、一対の可変径プーリとVベルトを用いて
無段階に変速するように構成されている。この場合、発
進用クラッチに多板クラッチを用いることにより、多板
クラッチの滑りを利用し、発進時に有効なクリープ(ア
クセルを踏まなくても駆動輪側に僅かな動力が伝わって
いる状態)を発生させるようにしている。
【0006】更に、自動車の動力分配装置として、通常
は前輪側または後輪側の駆動軸にエンジンの動力を伝え
て二輪駆動を行い、走行状態等に応じて駆動力を前輪側
及び後輪側の各駆動軸にそれぞれ伝達して四輪駆動を行
うようにしたものが知られている。この場合、四輪駆動
時に前輪側及び後輪側の各駆動軸を多板クラッチにより
接続し、多板クラッチの滑りを利用して前輪側または後
輪側へのトルク配分を制御するようにしている。
【0007】また、自動二輪車の動力伝達装置では、エ
ンジンの最大出力に対して車体の重量が軽いため、いわ
ゆる湿式多板クラッチを用いることにより、各クラッチ
板同士の滑りによって発進時の急激な動力の伝達を防止
するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記多
板クラッチでは各クラッチ板を滑らせながら使用する場
合が多いため、滑り状態では各クラッチ板間の油膜が切
れてクラッチ板が摩耗し易く、耐久性において不利であ
る。このため、歯車を用いた自動変速機では、変速時の
クラッチ接続においてクラッチ板の滑り状態を少なくす
るようにしているが、滑り状態を少なくした分だけ急激
にトルクが伝わるため、変速ショックを十分に緩和する
ことができないという問題点があった。また、発進用に
多板クラッチを用いた無段変速機では、クラッチ板の摩
耗を少なくするためにクリープ発生時のクラッチ板同士
の押圧力を小さくしているため、トルクコンバータを用
いた自動変速機に比べると、現状ではその半分程度のク
リープ力を発生させるのが限界であり、実用上不利であ
った。更に、自動車の動力分配装置においてもトルク配
分を制御する際にクラッチ板を連続的に滑らせる必要性
があるため、クラッチ板の摩耗が生じやすいという問題
点があった。また、自動二輪車の動力伝達装置では、ク
ラッチ操作が人為的行われるため、半クラッチが頻繁
に行われるような状況ではクラッチ板の寿命が短くな
り、交換や修理の頻度が増えるという問題点があった。
【0009】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、滑り状態での摩耗を
少なくすることのできる摩擦クラッチ及びこれを用いた
自動車の自動変速機及び自動車の無段変速機並びに自動
車の動力分配装置及び自動二輪車の動力伝達装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項1では、互いに周面を径方向に対向
させて同軸状に相対的に回転可能に配置され、それぞれ
の対向面を軸方向一端側から他端側に向かって傾斜する
ように形成した一対のクラッチ部材と、各クラッチ部材
の対向面間に配置された多数のローラと、各ローラを互
いに各クラッチ部材の周方向に間隔をおいて転動自在に
保持する保持体と、各クラッチ部材の対向面が互いに接
近する方向に各クラッチ部材の少なくとも一方を軸方向
に押圧可能な押圧手段とを備え、各ローラの転動軸をク
ラッチ部材の回転軸に対して所定 の角度をなすように傾
斜させるとともに、その傾斜角を3°よりも大きく20
°よりも小さくし、各ローラの転動軸をクラッチ部材の
回転軸を含む平面に対して所定の角度をなすように所定
の個数ずつ反対方向に傾斜させるとともに、その傾斜角
を25°よりも大きく90°よりも小さくしている。
れにより、押圧手段によって各クラッチ部材に軸方向の
荷重を加え、各クラッチ部材を各ローラに接触させなが
ら相対的に回転させると、各ローラがクラッチ部材の回
転軌道に対して傾斜した方向に転動しようとするのを保
持体によって拘束されながらクラッチ部材の回転軌道に
沿って転動するため、各ローラと各クラッチ部材との間
に各ローラの滑りと転動による摩擦力が発生する。その
際、クラッチ部材を任意の方向に回転させると、互いに
同一方向に傾斜した一部のローラがクラッチ部材の軸方
向一方に転動しようとし、他の方向に傾斜したローラが
クラッチ部材の軸方向他方に転動しようとすることか
ら、互いに反対方向に傾斜するローラの個数により、ク
ラッチ部材の各回転方向における摩擦力の大きさを任意
に設定することが可能である。この場合、各ローラの転
動軸がクラッチ部材の回転軸に対してなす傾斜角を3°
よりも大きく20°よりも小さくし、各ローラの転動軸
がクラッチ部材の回転軸を含む平面に対してなす傾斜角
を25°よりも大きく90°よりも小さくすることによ
り、常に有効で安定した摩擦力が発生する。
【0011】また、請求項では、請求項記載の摩擦
クラッチにおいて、前記クラッチ部材の回転軸を含む平
面に対して互いに反対方向に傾斜するローラをクラッチ
部材の周方向に同数ずつ交互に配置している。これによ
り、請求項の作用に加え、クラッチ部材を何れの方向
に回転させた場合でも等しい摩擦力が発生する。
【0012】また、請求項では、請求項1または2
載の摩擦クラッチにおいて、前記各クラッチ部材を軸方
向に複数ずつ備えている。これにより、請求項1または
記載の作用に加え、各クラッチ部材の数に応じて摩擦
力の大きさを任意に設定することが可能である。
【0013】また、請求項では、請求項1、2または
記載の摩擦クラッチにおいて、前記各クラッチ部材に
おけるローラとの接触面を、ローラの転動軸を含む断面
においてそれぞれローラの外周面に対して凸状をなすよ
うに形成している。これにより、請求項1、2または3
の作用に加え、各ローラの軸方向両端側の接触圧を減少
させることが可能である。
【0014】また、請求項では、請求項1、2または
記載の摩擦クラッチにおいて、前記各クラッチ部材に
接触するローラの外周面を、ローラの転動軸を含む断面
においてそれぞれ各クラッチ部材の接触面に対して凸状
をなすように形成している。これにより、請求項1、2
または3の作用に加え、請求項と同様、各ローラの軸
方向両端側の接触圧を減少させることが可能である。
【0015】また、請求項では、互いに同軸状に配置
された入力軸及び出力軸と、入力軸とエンジンとの間に
配置されたトルクコンバータと、入力軸及び出力軸と同
軸状に配置された少なくとも一つの中心歯車と、入力軸
及び出力軸を中心に回転可能な支持体に回転自在に支持
され、中心歯車に噛み合う少なくとも一組の遊星歯車
と、遊星歯車に噛み合う少なくとも一つの内歯歯車と、
前記中心歯車、遊星歯車の支持体、内歯歯車及び変速機
本体のうち所定の部材間の相対的な回転を規制可能な複
数のクラッチと、各クラッチの断続を変速に応じてそれ
ぞれ制御する制御手段とを備えた自動車の自動変速機に
おいて、前記各クラッチとして請求項1、2、3、4
たは5記載の複数の摩擦クラッチを備え、各摩擦クラッ
チの各クラッチ部材を前記中心歯車、遊星歯車の支持
体、内歯歯車及び変速機本体のうち所定の部材にそれぞ
れ連結し、各摩擦クラッチの押圧手段をそれぞれ前記制
御手段によって制御するようにしている。これにより、
変速の際に前記クラッチを接続すると、各ローラが滑り
ながら転動することによって摩擦力を発生する。
【0016】また、請求項では、入力軸と一体に回転
する第1の可変径プーリと、出力軸と一体に回転する第
2の可変径プーリと、各プーリに巻き掛けられたベルト
と、出力軸と駆動輪側との間に配置された発進用クラッ
チと、クラッチの断続を制御する制御手段とを備えた自
動車の無段変速機において、前記クラッチとして請求項
1、2、3、4または5記載の摩擦クラッチを備え、摩
擦クラッチの一方のクラッチ部材をエンジン側に連結す
るとともに、摩擦クラッチの他方のクラッチ部材を入力
軸側に連結し、摩擦クラッチの押圧手段を前記制御手段
によって制御するようにしている。これにより、出力軸
の動力を駆動輪側に伝える際に前記クラッチを接続する
と、各ローラが滑りながら転動することによって摩擦力
を発生する。
【0017】また、請求項では、自動車の前輪側の駆
動軸と後輪側の駆動軸との間に配置されたクラッチと、
クラッチの断続を制御する制御手段とを備え、前輪側ま
たは後輪側の駆動軸に伝達されるエンジンの動力を前記
クラッチの接続により前輪側及び後輪側の両方の駆動軸
に伝達するようにした自動車の動力分配装置において、
前記クラッチとして請求項1、2、3、4または5記載
の摩擦クラッチを備え、摩擦クラッチの一方のクラッチ
部材を前輪側及び後輪側のうち一方の駆動軸に連結する
とともに、摩擦クラッチの他方のクラッチ部材を前輪側
及び後輪側のうち他方の駆動軸に連結し、摩擦クラッチ
の押圧手段を前記制御手段によって制御するようにして
いる。これにより、前輪側及び後輪側の両方の駆動軸に
動力を伝える際に前記クラッチを接続すると、各ローラ
が滑りながら転動することによって摩擦力を発生する。
【0018】また、請求項では、クラッチレバーの操
作によりエンジンの動力を駆動輪側に断続して伝えるク
ラッチを備えた自動二輪車の動力伝達装置において、前
記クラッチとして請求項1、2、3、4または5記載の
摩擦クラッチを備え、摩擦クラッチの一方のクラッチ部
材をエンジン側に連結するとともに、摩擦クラッチの他
方のクラッチ部材を駆動輪側に連結し、摩擦クラッチの
押圧手段を前記クラッチレバーによって制御するように
している。これにより、エンジンの動力を駆動輪側に伝
える際に前記クラッチを接続すると、各ローラが滑りな
がら転動することによって摩擦力を発生する。
【0019】
【発明の実施の形態】図1乃至図は本発明の実施形
態を示すもので、図1は摩擦クラッチの正面断面図、図
2はその要部側面断面図、図3はローラ及びケージの平
面図、図4はローラの傾斜角を示す概略図、図5は摩擦
クラッチの動作説明図、図6はローラの傾斜角と摩擦ト
ルクとの関係を示す図である。
【0020】この摩擦クラッチは、軸心を中心に回転す
る一方のクラッチ部材1と、クラッチ部材1の回転軌道
に沿って配列された多数のローラ2と、各ローラ2を間
にして一方のクラッチ部材1に径方向に対向する他方の
クラッチ部材3と、各ローラ2を互いに間隔をおいて転
動自在に保持するケージ4と、図示しない押圧手段とか
ら構成されている。尚、これらは摩擦クラッチを構成す
る最小限の部品であり、実際には各クラッチ部材1,3
はそれぞれ他の伝達部材等に連結される。
【0021】一方のクラッチ部材1はその回転軸を中心
に環状に形成され、その外周面には他方のクラッチ部材
3と対向する内側軌道面1aが形成されている。内側軌
道面1aはクラッチ部材1の回転軸を中心とするテーパ
状をなすとともに、図2に示すようにクラッチ部材1の
回転軸に平行な断面で凹状の曲線をなすように形成され
ている。
【0022】各ローラ2は外周面が軸方向に一様に延び
る円柱形状をなし、クラッチ部材1の周方向に等間隔で
配列されている。
【0023】他方のクラッチ部材3は一方のクラッチ部
材1の回転軸を中心に環状に形成され、その内周面には
一方のクラッチ部材1と対向する外側軌道面3aが形成
されている。外側軌道面3aは一方のクラッチ部材1の
回転軸を中心とするテーパ状をなすとともに、図2に示
すように一方のクラッチ部材1の回転軸に平行な断面で
は凸状の曲線をなすように形成されている。
【0024】ケージ4は一方のクラッチ部材1の回転軸
を中心に環状に形成され、各軌道面1a,3aに沿って
湾曲したテーパ状をなすとともに、その厚さは各ローラ
2の外径よりも小さく形成されている。ケージ4には各
ローラ2を転動自在に収容する多数の孔4aが設けら
れ、各孔4aはケージ4の周方向に等間隔で配置されて
いる。また、各孔4aは、図3に示すように各ローラ2
の転動軸が一つずつ交互に反対方向に傾斜するように形
成されている。
【0025】図4(a) に示すように各ローラ2の転動軸
2aはクラッチ部材1の回転軸1bに対してそれぞれ所
定の傾斜角α1 をなすとともに、図4(b) に示すように
クラッチ部材1の回転軸1bを含む平面に対してそれぞ
れ所定の傾斜角β1 をなす。この場合、各ローラ2の傾
斜角α1 は°よりも大きく20°よりも小さく設定さ
れ、傾斜角β1 は25°よりも大きく、90°よりも小
さく設定されている。尚、傾斜角β1 はローラ2の転動
軸2aに直交する方向から見た角度である。
【0026】以上のように構成された摩擦クラッチにお
いては、図5に示すように図示しない押圧手段(スプリ
ング,油圧装置等)によってクラッチ部材1に軸方向の
荷重Fを加え、クラッチ部材1を回転させると、各ロー
ラ2がクラッチ部材1及びクラッチ部材3に接しながら
転動し、これに追従してケージ4も回転する。
【0027】その際、図5(a) に示すようにクラッチ部
材1を一方向に回転させると(以下、正回転という)、
クラッチ部材1の軸方向一方、即ち図中破線矢印で示す
ように回転軌道に対して角度β1 だけ傾斜した方向(ク
ラッチ部材1の径の小さくなる方向)に転動しようとす
ローラ2がケージ4で規制されながら図中実線矢印で
示すようにクラッチ部材1の回転軌道に沿って滑りなが
ら転動するため、各ローラ2と各クラッチ部材1,3と
の間に軸方向の荷重Fに比例した摩擦力が発生する。ま
た、図5(b) に示すようにクラッチ部材1を他方向に回
転させると(以下、逆回転という)、前記ローラ2はク
ラッチ部材1の軸方向他方、即ち図中破線矢印で示すよ
うに回転軌道に対して角度β1 だけ傾斜した方向(クラ
ッチ部材1の径の大きくなる方向)に転動しようとする
のをケージ4で規制されながら図中実線矢印で示すよう
にクラッチ部材1の回転軌道に沿って転動するため、各
ローラ2と各クラッチ部材1,3との間に軸方向の荷重
Fに比例した摩擦力が発生する。
【0028】これにより、各ローラ2の転動により一方
のクラッチ部材1の回転力が他方のクラッチ部材3側に
徐々に伝達されるとともに、荷重Fが所定の押圧力より
も大きい場合は各ローラ2の転動が停止して一方のクラ
ッチ部材1の回転力が他方のクラッチ部材3側に完全に
伝達されるようになる。また、クラッチ部材1への荷重
Fを解除すれば、一方のクラッチ部材1の回転力は他方
のクラッチ部材3側に伝達されなくなる。
【0029】その際、各ローラ2は転動しながら滑り摩
擦を発生させるので、静摩擦は発生せずに常に動摩擦に
よる安定した抵抗力が得られ、仮に初期の段階で静摩擦
が発生したとしてもローラ2の転動によって瞬時に動摩
擦に移行する。
【0030】また、クラッチ部材1の正回転では各ロー
ラ2がクラッチ部材1の径の小さくなる方向に転動し、
逆回転では各ローラ2がクラッチ部材1の径の大きくな
る方向に転動することから、荷重Fが等しい場合でもク
ラッチ部材1の回転方向によって発生する摩擦力の大き
さはそれぞれ異なるが、各ローラ2はクラッチ部材1の
回転軸を含む平面に対して一つずつ交互に反対方向に傾
斜しているので、クラッチ部材1の何れの回転方向にお
いても等しい摩擦力が発生する。
【0031】本実施形態において、出願人は各ローラの
傾斜角α1,β1 と摩擦トルクPとの関係を、傾斜角α1
は3°から40°、傾斜角β1 は5°から85°の範囲
について実験によって確認した。
【0032】即ち、図6に示すように各ローラの傾斜角
α1 が何れの場合も傾斜角β1 が小さくなると摩擦トル
クPが一様に減少する特性を示すが、傾斜角α1 が20
°以上になると、傾斜角β1 の大きさに拘わらず、実用
上有効な値以上の摩擦トルクPが得られなくなる。ま
た、傾斜角α1 が20°より小さい場合でも、傾斜角β
1 が25°以下では実用上有効な値以上の摩擦トルクP
が得られなくなる。尚、傾斜角β1 が85°よりも大き
い場合については実際に確認していないが、前記実験デ
ータによれば傾斜角β1 が90°までの摩擦トルクPは
85°の場合とほぼ等しくなると推測される。
【0033】このように、本実施形態の摩擦クラッチに
よれば、各クラッチ部材1,3を複数のローラ2を間に
して径方向に対向させた構成において、各ローラ2の転
動軸がクラッチ部材1の回転軸に対してなす角度α1 を
°よりも大きく20°よりも小さくするとともに、各
ローラ2の転動軸がクラッチ部材1の回転軸を含む平面
に対してなす角度β1 を25°よりも大きく90°より
も小さくすることにより、常に安定した摩擦力を発生さ
せることができる。この場合、クラッチ部材1に荷重F
を加えると各ローラ2が転動しながら滑り摩擦を発生さ
せることから、多板クラッチのように各クラッチ板同士
を面接触させる構造に比べて摩耗が極めて少なく、耐久
性を格段に向上させることができる。
【0034】尚、前記実施形態では各ローラ2をクラッ
チ部材1の回転軸を含む平面に対して同数ずつ交互に反
対方向に傾斜させた場合を示したが、各ローラ2を互い
に異なった個数ずつ反対方向に傾斜させるようにしても
よい。
【0035】また、前記実施形態の構成では、図3のI
−I線矢視方向断面図、即ちローラ2の転動軸2aを含
む断面において、図7に示すように内側軌道面1a及び
外側軌道面3aをローラ2の外周面に軸方向に均一に接
触させた場合、ローラ2の軸方向両端側の接触圧が中央
側よりも大きくなる。そこで、図に示すようにローラ
2の転動軸を含む断面における内側軌道面1a及び外側
軌道面3aをそれぞれローラ2の外周面に対して凸状を
なすような曲線形状にすれば、ローラ2の軸方向両端側
の接触圧を減少させることができる。従って、各軌道面
1a,3aの曲線形状をローラ2の軸方向の接触圧が均
等になるように形成することにより、各ローラ2に軸方
向に偏った摩耗を生ずることがなく、各ローラ2の耐久
性を向上させることができる。また、に示すように
ローラ2の転動軸を含む断面において内側軌道面1a及
び外側軌道面3aを直線状に形成した場合でも、ローラ
2の外周面を各軌道面1a,3aに対して凸状をなすよ
うな曲線形状にすることにより、前述と同等の効果を得
ることができる。
【0036】図10及び図11は本発明の摩擦クラッチ
を備えた自動車の自動変速機を示すもので、図10は自
動変速機の概略側面図、図11は自動変速機に用いるク
ラッチの部分側面断面図である。
【0037】この自動変速機は、互いに同軸状に配置さ
れた入力軸10、中間軸11及び出力軸12と、図示し
ないエンジンと入力軸10との間に配置されたトルクコ
ンバータ13と、入力軸10を中心に回転する第1のサ
ンギヤ14と、第1のサンギヤ14と噛合する第1のプ
ラネタリーギヤ15と、第1のプラネタリーギヤ15を
回転自在に支持し、入力軸10と一体に回転する第1の
プラネタリーキャリア16と、第1のプラネタリーギヤ
15と噛合し、中間軸11と一体に回転する第1のイン
ターナルギヤ17と、第1のサンギヤ14と一体に回転
する第1のクラッチハブ18と、第1のクラッチハブ1
8の回転を規制可能な第1のブレーキバンド19と、中
間軸11に対する第1のクラッチハブ18の回転を規制
可能な第1のクラッチ20と、出力軸12を中心に回転
する第2のサンギヤ21と、第2のサンギヤ21の一端
側と噛合する第2のプラネタリーギヤ22と、第2のプ
ラネタリーギヤ22を回転自在に支持し、出力軸12と
一体に回転する第2のプラネタリーキャリア23と、第
2のプラネタリーギヤ22と噛合する第2のインターナ
ルギヤ24と、第2のサンギヤ21と一体に回転する第
2のクラッチハブ25と、第2のクラッチハブ25の回
転を規制可能な第2のブレーキバンド26と、中間軸1
1に対する第2のクラッチハブ25の回転を規制可能な
第2のクラッチ27と、中間軸11に対する第2のイン
ターナルギヤ24の回転を規制可能な第3のクラッチ2
8と、第2のサンギヤ21の他端側と噛合する第3のプ
ラネタリーギヤ29と、第3のプラネタリーギヤ29を
回転自在に支持する第3のプラネタリーキャリア30
と、第3のプラネタリーギヤ29と噛合し、出力軸12
と一体に回転する第3のインターナルギヤ31と、第3
のインターナルギヤ31の回転を一方向に規制するワン
ウェイクラッチ32と、第3のインターナルギヤ31の
回転を規制可能な第4のクラッチ33と、第1、第2,
第3及び第4のクラッチ20,27,28,33及び各
ブレーキバンド19,26を制御する制御部34とから
構成されている。
【0038】第1、第2,第3及び第4のクラッチ2
0,27,28,33は、図11に示すように一対のク
ラッチ部材35,36と、各クラッチ部材35,36間
に配置された多数のローラ37と、各ローラ37を転動
自在に保持するケージ38と、一方のクラッチ部材35
を押圧する押圧部材39とからなり、前記実施形態に示
した摩擦クラッチと同等の構成を有するものである。
【0039】即ち、一方のクラッチ部材35は変速機本
体の回転軸を中心に環状に形成され、その外周面は他方
のクラッチ部材36と対向している。クラッチ部材36
の外周面はクラッチ部材35の回転軸を中心とするテー
パ状をなすとともに、クラッチ部材35の回転軸に平行
な断面で凹状の曲線をなすように形成されている。ま
た、クラッチ部材35は内周面側にスプライン状の多数
の突部35aを有し、クラッチ部材35と一体に回転す
る部材側に設けた多数の溝35bに各突部35aを嵌合
することにより、軸方向に移動自在に設けられている。
【0040】他方のクラッチ部材36は変速機本体の回
転軸を中心に環状に形成され、その内周面は一方のクラ
ッチ部材35と対向している。クラッチ部材36の内周
面はクラッチ部材36の回転軸を中心とするテーパ状を
なすとともに、クラッチ部材36の回転軸に平行な断面
では凸状の曲線をなすように形成されている。また、ク
ラッチ部材36は外周面側にスプライン状の多数の突部
36aを有し、クラッチ部材36と一体に回転する部材
側に設けた多数の溝36bに各突部36aを嵌合するこ
とにより、軸方向に移動自在に設けられている。この場
合、溝36bにはクラッチ部材36を係止するストッパ
36cが取付られている。
【0041】各ローラ37は外周面が軸方向に一様に延
びる円柱形状をなし、各クラッチ部材35,36の周方
向に等間隔で配列されている。
【0042】ケージ38は各クラッチ部材35,36の
回転軸を中心に環状に形成され、各クラッチ部材35,
36の軌道面に沿って湾曲したテーパ状をなすととも
に、その厚さは各ローラ37の外径よりも小さく形成さ
れている。ケージ38には各ローラ37を転動自在に収
容する多数の孔が設けられ、各孔は図3に示す孔4aと
同様、ケージ38の周方向に等間隔で配置されるととも
に、各ローラ37の転動軸が同数ずつ交互に反対方向
傾斜するように形成されている。
【0043】押圧部材39は各クラッチ部材35,36
の回転軸を中心に環状に形成され、軸方向に移動自在に
設けられている。即ち、押圧部材39は一端側を一方の
クラッチ部材35に当接しており、その他端側の油圧室
39a内に油圧ポンプ39bから供給される作動油の圧
力により、一方のクラッチ部材35を押圧するようにな
っている。
【0044】制御部34はマイクロコンピュータからな
り、図示しない変速レバー、車速センサ、アクセルの開
度センサ等に接続され、これらの情報に基づいて第1、
第2,第3及び第4のクラッチ20,27,28,33
の押圧部材39の油圧ポンプ39bを制御するようにな
っている。
【0045】以上のように構成された自動変速機におい
ては、エンジンの動力がトルクコンバータ13を介して
入力軸10に伝わり、図示しない変速レバーの操作また
は車速に応じた電子制御により、第1乃至第4のクラッ
チ20,27,28,33及び各ブレーキバンド19,
26がそれぞれ接続または非接続状態となり、各サンギ
ヤ14,21、各プラネタリーギヤ15,22,29、
各プラネタリーキャリア16,23,30及び各インタ
ーナルギヤ17,24,31が各変速位置に応じた動力
伝達経路をなすようにそれぞれ回転または非回転状態と
なる。その際、各クラッチ20,27,28,33の接
続時にクラッチ部材36に押圧部材39の押圧力が加わ
ると、前記実施形態と同様、各ローラ37が転動しなが
ら滑り摩擦を発生することから、多板クラッチのように
各クラッチ板同士を面接触させる構造に比べて摩耗が極
めて少なく、耐久性を格段に向上させることができる。
従って、変速時に各クラッチ20,27,28,33の
滑り状態を長く継続させた後に接続することができ、変
速ショックを大幅に軽減することができる。
【0046】尚、本実施形態の自動変速機における変速
機構は周知のものであり、各変速位置ごとの歯車の組み
合わせについては説明を省略する。また、本実施形態の
自動変速機の歯車の配列は一例であり、変速段数等に応
じて歯車の配列の異なる他の自動変速機についても本発
明の摩擦クラッチを適用することができる。
【0047】図12及び13は本発明の摩擦クラッチ
を備えた自動車の無段変速機を示すもので、図12は無
段変速機の概略側面図、図13は無段変速機に用いるク
ラッチの側面断面図である。
【0048】この無段変速機は、互いに平行に配置され
た入力軸40、中間軸41及び出力軸42と、入力軸4
0と同軸状に配置され、入力軸40によって回転する第
1の可変径プーリ43と、第1の可変径プーリ43の回
転を正転及び逆転に切り換える前後進切換機構44と、
中間軸41と一体に回転する第2の可変径プーリ45
と、各プーリ43,45に巻き掛けられたベルト46
と、中間軸41の動力を出力軸42に伝達する発進用ク
ラッチ47と、クラッチ47の断続を制御する図示しな
い制御部とから構成されている。
【0049】クラッチ47は、図13に示すように一対
のクラッチ部材48,49と、各クラッチ部材48,4
9間に配置された多数のローラ50と、各ローラ50を
転動自在に保持するケージ51と、一方のクラッチ部材
48を押圧する押圧部材52とを備えている。また、こ
のクラッチ47は前記実施形態に示した摩擦クラッチと
同等の構成を有するものを軸方向に二つずつ設けたもの
である。
【0050】即ち、一方の各クラッチ部材48はその回
転軸を中心に環状に形成され、その内周面は他方のクラ
ッチ部材49と対向している。クラッチ部材48の内周
面はクラッチ部材48の回転軸を中心とするテーパ状を
なすとともに、クラッチ部材48の回転軸に平行な断面
で凸状の曲線をなすように形成されている。また、クラ
ッチ部材48は外周面側にスプライン状の多数の突部4
8aを有し、クラッチ部材48と一体に回転する回転部
材53に設けた多数の溝53aに各突部48aを嵌合す
ることにより、軸方向に移動自在に設けられている。こ
の場合、溝53aには軸方向一端側のクラッチ部材48
を係止するストッパ53bが取付られている。また、回
転部材53には中間軸41と結合する連結部53cが設
けられている。
【0051】他方の各クラッチ部材49はその回転軸を
中心に環状に形成され、その外周面は一方のクラッチ部
材48と対向している。クラッチ部材49の外周面はク
ラッチ部材49の回転軸を中心とするテーパ状をなすと
ともに、クラッチ部材49の回転軸に平行な断面では凹
状の曲線をなすように形成されている。また、クラッチ
部材49は内周面側にスプライン状の多数の突部49a
を有し、クラッチ部材49と一体に回転する回転部材5
4に設けた多数の溝54aに各突部49aを嵌合するこ
とにより、軸方向に移動自在に設けられている。また、
回転部材54には出力軸42の歯車42aと噛合する歯
車54bが設けられている。
【0052】各ローラ50は外周面が軸方向に一様に延
びる円柱形状をなし、各クラッチ部材48,49の周方
向に等間隔で配列されている。
【0053】各ケージ51は各クラッチ部材48,49
の回転軸を中心に環状に形成され、各クラッチ部材4
8,49の対向面に沿って湾曲したテーパ状をなすとと
もに、その厚さは各ローラ50の外径よりも小さく形成
されている。各ケージ51には各ローラ50を転動自在
に収容する多数の孔51aが設けられ、各孔51aはケ
ージ51の周方向に等間隔で配置されている。また、各
孔51aは各ローラ50の転動軸が同数ずつ交互に反対
方向に傾斜するように形成されている。
【0054】押圧部材52は各クラッチ部材48,49
の回転軸を中心に環状に形成され、軸方向に移動自在に
設けられている。即ち、押圧部材52は一端側を軸方向
他端側のクラッチ部材48に当接しており、その他端側
に配置された可動部材55と一方の回転部材53との間
に設けられた油圧室52a内に供給される作動油の圧力
により、一方のクラッチ部材48を押圧するようになっ
ている。この場合、可動部材55はスプリング56によ
って前記押圧方向の反対側に付勢されている。
【0055】以上のように構成された無段変速機におい
ては、図示しないエンジンの動力が入力軸40に伝達さ
れると、入力軸40の回転力が前後進切換機構44を介
して第1の可変径プーリ43に伝達され、第1の可変径
プーリ43の回転力がベルト46を介して第2の可変径
プーリ45に伝達される。その際、第1の可変径プーリ
43の可動部43a及び第2の可変径プーリ45の可動
部45aをそれぞれ軸方向に移動することにより、各プ
ーリ43,45の径(ベルト46が接触している部分の
径)が変化し、入力軸40に対する中間軸41の回転速
度が無段階に変速される。また、クラッチ47を接続す
ることにより、中間軸41の回転力が出力軸42に伝達
され、出力軸42の動力は図示しない駆動輪側に伝達さ
れる。その際、クラッチ47の押圧部材52によって一
方のクラッチ部材48に所定の押圧力を加えることによ
り、前記実施形態と同様、各ローラ50が転動しながら
滑り摩擦を発生させることから、多板クラッチのように
各クラッチ板同士を面接触させる構造に比べて摩耗が極
めて少なく、耐久性を格段に向上させることができる。
従って、クリープ発生時にクラッチ47の滑り摩擦を大
きくすることができ、トルクコンバータと同等の十分な
クリープ力を得ることができる。
【0056】また、実施形態では、各クラッチ部材4
9の間に任意の厚さのスペーサ57を介装し、このスペ
ーサ57の厚さを任意に設定することにより、各ケージ
51同士の軸方向の当接位置を調整することができる。
更に、実施形態では各クラッチ部材49の軸方向の対
向面にそれぞれ径方向に貫通して延びる複数の溝49c
が周方向に間隔をおいて設けられており、他方の回転部
材54に設けた孔54c及び各溝49cを介して各ロー
ラ50に潤滑油を確実に供給することができる。
【0057】図14及び図15は本発明の摩擦クラッチ
を備えた自動車の動力分配装置を示すもので、図14
動力分配装置の概略側面図、図15は動力分配装置に用
いるクラッチの側面断面図である。
【0058】この動力分配装置は、図示しないエンジン
によって回転する第1の駆動軸60と、第1の駆動軸6
0によって回転する第2の駆動軸61と、第2の駆動軸
61によって回転する前輪側駆動軸62と、第2の駆動
軸61と後輪側駆動軸63との間に配置されたクラッチ
64と、クラッチ64を制御する制御部65とから構成
されている。
【0059】クラッチ64は、図15に示すように一対
のクラッチ部材66,67と、各クラッチ部材66,6
7間に配置された多数のローラ68と、各ローラ68を
転動自在に保持するケージ69と、一方のクラッチ部材
66を押圧する押圧部材70とを備えている。また、こ
のクラッチ64は前記実施形態に示した摩擦クラッチと
同等の構成を有するものを軸方向に二つずつ設けたもの
である。
【0060】即ち、一方の各クラッチ部材66はその回
転軸を中心に環状に形成され、その内周面は他方のクラ
ッチ部材67と対向している。クラッチ部材66の内周
面はクラッチ部材66の回転軸を中心とするテーパ状を
なすとともに、クラッチ部材66の回転軸に平行な断面
で凸状の曲線をなすように形成されている。また、クラ
ッチ部材66は外周面側にスプライン状の多数の突部6
6aを有し、クラッチ部材66と一体に回転する回転部
材71に設けた多数の溝71aに各突部66aを嵌合す
ることにより、軸方向に移動自在に設けられている。こ
の場合、溝71aには軸方向一端側のクラッチ部材66
を係止するストッパ71bが取付られている。
【0061】他方の各クラッチ部材67はその回転軸を
中心に環状に形成され、その外周面は一方のクラッチ部
材66と対向している。クラッチ部材67の外周面はク
ラッチ部材67の回転軸を中心とするテーパ状をなすと
ともに、クラッチ部材67の回転軸に平行な断面では凹
状の曲線をなすように形成されている。また、クラッチ
部材67は内周面側にスプライン状の多数の突部67a
を有し、クラッチ部材67と一体に回転する回転部材7
2に設けた多数の溝72aに各突部67aを嵌合するこ
とにより、軸方向に移動自在に設けられている。また、
回転部材72には第2の駆動軸61の歯車61aと噛合
する歯車72bが設けられている。
【0062】各ローラ68は外周面が軸方向に一様に延
びる円柱形状をなし、各クラッチ部材66,67の周方
向に等間隔で配列されている。
【0063】各ケージ69は各クラッチ部材66,67
の回転軸を中心に環状に形成され、各クラッチ部材6
6,67の対向面に沿って湾曲したテーパ状をなすとと
もに、その厚さは各ローラ68の外径よりも小さく形成
されている。各ケージ69には各ローラ68を転動自在
に収容する多数の孔が設けられ、各孔は図3に示す孔4
aと同様、ケージ69の周方向に等間隔で配置されると
ともに、各ローラ68の転動軸が同数ずつ交互に反対方
に傾斜するように形成されている。
【0064】押圧部材70は各クラッチ部材66,67
の回転軸を中心に環状に形成され、軸方向に移動自在に
設けられている。即ち、押圧部材70は一端側を軸方向
他端側のクラッチ部材66に当接しており、その他端側
に設けられた油圧室70a内に油圧ポンプ70bから供
給される作動油の圧力により、一方のクラッチ部材66
を押圧するようになっている。この場合、押圧部材70
はスプリング73によって前記押圧方向の反対側に付勢
されている。
【0065】制御部65はマイクロコンピュータからな
り、自動車の各車輪の速度を検出するセンサや、自動車
の前後及び左右方向の加速度を検出するセンサ等、自動
車の走行状態に関する情報が入力され、これらの情報に
基づいて油圧ポンプ70bを制御するようになってい
る。
【0066】以上のように構成された動力分配装置にお
いては、エンジンの動力によって第1の駆動軸60が回
転すると、第1の駆動軸60の動力が歯車60a,61
bを介して第2の駆動軸61に伝達され、第2の駆動軸
61の動力が歯車61c,62aを介して前輪側駆動軸
62に伝達される。ここで、クラッチ64を接続するこ
とにより、第2の駆動軸61の動力が後輪側駆動軸63
に伝達され、エンジンの動力が前輪側駆動軸62及び後
輪側駆動軸63にそれぞれ分配される。その際、制御部
65によって押圧部材70の押圧力を制御することによ
り、クラッチ64の滑りを利用して後輪側駆動軸63へ
のトルク配分比が任意に制御される。この場合、前記実
施形態と同様、各ローラ68が転動しながら滑り摩擦を
発生させることから、多板クラッチのように各クラッチ
板同士を面接触させる構造に比べて摩耗が極めて少な
く、耐久性を格段に向上させることができる。
【0067】また、前記実施形態では互いに接触する各
クラッチ部材66の間にスペーサ74が介装されてお
り、このスペーサ74の厚さを任意に設定することによ
り、各ケージ69同士の軸方向の当接位置を調整するこ
とができる。更に、前記実施形態では各クラッチ部材6
7の軸方向の対向面にそれぞれ径方向に貫通して延びる
複数の溝67cが周方向に間隔をおいて設けられてお
り、各溝67cを介して各ローラ68に潤滑油を確実に
供給することができる。
【0068】尚、前記実施形態では前輪側を常時駆動す
るようにしたものを示したが、後輪側を常時駆動し、動
力分配時に前輪側に駆動力を伝達するようにしたもので
あってもよい。
【0069】図16及び図17は本発明の摩擦クラッチ
を備えた自動二輪車の動力伝達装置を示すもので、図
は動力伝達装置の概略側面図、図17は動力伝達装置
に用いるクラッチの側面断面図である。
【0070】この動力伝達装置は、エンジンEの動力に
よって回転するエンジン側駆動軸80と、図示しない変
速レバーによって操作される変速機81と、エンジン側
駆動軸80と変速機81との間に配置されたクラッチ8
2とから構成されている。
【0071】クラッチ82は、図17に示すように一対
のクラッチ部材83,84と、各クラッチ部材83,8
4間に配置された多数のローラ85と、各ローラ85を
転動自在に保持するケージ86と、一方のクラッチ部材
83を押圧する押圧部材87とを備えている。また、こ
のクラッチ82は前記実施形態に示した摩擦クラッチと
同等の構成を有するものを軸方向に二つずつ設けたもの
である。
【0072】即ち、一方の各クラッチ部材83はその回
転軸を中心に環状に形成され、その外周面は他方のクラ
ッチ部材84と対向している。クラッチ部材83の外周
面はクラッチ部材83の回転軸を中心とするテーパ状を
なすとともに、クラッチ部材83の回転軸に平行な断面
で凹状の曲線をなすように形成されている。また、クラ
ッチ部材83は内周面側にスプライン状の多数の突部8
3aを有し、クラッチ部材83と一体に回転する回転部
材88に設けた多数の溝88aに各突部83aを嵌合す
ることにより、軸方向に移動自在に設けられている。こ
の場合、溝88aの一端側には軸方向一端側のクラッチ
部材83を係止する係止部88bが設けられている。
【0073】他方の各クラッチ部材84はその回転軸を
中心に環状に形成され、その内周面は一方のクラッチ部
材83と対向している。クラッチ部材83の内周面はク
ラッチ部材84の回転軸を中心とするテーパ状をなすと
ともに、クラッチ部材84の回転軸に平行な断面では凸
状の曲線をなすように形成されている。また、クラッチ
部材84は外周面側にスプライン状の多数の突部84a
を有し、クラッチ部材84と一体に回転する回転部材8
9に設けた多数の溝89aに各突部84aを嵌合するこ
とにより、軸方向に移動自在に設けられている。また、
回転部材89にはエンジン側駆動軸80の歯車80aと
噛合する歯車89bが設けられている。
【0074】各ローラ85は外周面が軸方向に一様に延
びる円柱形状をなし、各クラッチ部材83,84の周方
向に等間隔で配列されている。
【0075】各ケージ86は各クラッチ部材83,84
の回転軸を中心に環状に形成され、各クラッチ部材8
3,84の対向面に沿って湾曲したテーパ状をなすとと
もに、その厚さは各ローラ85の外径よりも小さく形成
されている。各ケージ86には各ローラ85を転動自在
に収容する多数の孔が設けられ、各孔は図3に示すもの
と同様、ケージ86の周方向に等間隔で配置されるとと
もに、各ローラ85の転動軸が同数ずつ交互に反対方向
に傾斜するように形成されている。
【0076】押圧部材87は一方のクラッチ部材83の
軸方向他端側に配置され、軸方向に移動自在に設けられ
ている。即ち、押圧部材87は一端側を軸方向他端側の
クラッチ部材83に当接しており、一方の回転部材88
に係止するスプリング90によって一方のクラッチ部材
83を押圧するようになっている。また、押圧部材87
には自動二輪車のハンドル(図示せず)に取付けられた
クラッチレバー82aの操作に連動する当接部材87b
が軸方向一端側から当接しており、クラッチレバー82
aの操作により、当接部材87bが押圧部材87をスプ
リング90の付勢力に抗して軸方向他端側に移動させる
ようになっている。
【0077】以上のように構成された自動二輪車の動力
伝達装置においては、エンジンEの動力によってエンジ
ン側駆動軸80が回転すると、エンジン側駆動軸80の
動力がクラッチ82を介して変速機81に伝達され、変
速機81の出力軸81aの動力がチェーン91を介して
図示しない駆動輪に伝達される。また、発進及び停止時
や変速時にクラッチレバー82aを操作することにより
クラッチ82の断続が行われる。その際、半クラッチの
状態では、前記実施形態と同様、各ローラ85が転動し
ながら滑り摩擦を発生させることから、発進時や変速時
に半クラッチを多用した場合でも、多板クラッチのよう
に各クラッチ板同士を面接触させる構造に比べて摩耗が
極めて少なく、耐久性を格段に向上させることができ
る。この場合、加速側の回転方向が減速側よりも摩擦力
が大きくなるように設定することにより、減速時におけ
る摩擦力を小さくすることができるので、例えば4サイ
クルエンジンの過剰なエンジンブレーキを緩和すること
ができ、実用上極めて有利である。
【0078】また、前記実施形態では互いに接触する各
クラッチ部材84の間にスペーサ92が介装されてお
り、このスペーサ92の厚さを任意に設定することによ
り、各ケージ86同士の軸方向の当接位置を調整するこ
とができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の摩擦ク
ラッチによれば、常に安定した摩擦力を発生させること
ができ、しかも多板クラッチのように各クラッチ板同士
を面接触させる構造に比べて摩耗を極めて少なくするこ
とができ、耐久性を格段に向上させることができる。こ
の場合、クラッチ部材の各回転方向における摩擦力の大
きさを任意に設定することができるので、用途に応じて
広範囲に適用することができる。
【0080】また、請求項の摩擦クラッチによれば、
請求項の効果に加え、クラッチ部材を何れの方向に回
転させた場合でも等しい摩擦力を発生させることができ
るので、このような動作を目的とする場合に極めて有利
である。
【0081】また、請求項の摩擦クラッチによれば、
請求項1または2の効果に加え、各クラッチ部材の数に
応じて摩擦力の大きさを任意に設定することができるの
で、目的に応じた摩擦力を得ることができる。
【0082】また、請求項4または5の摩擦クラッチに
よれば、請求項1、2または3の効果に加え、各クラッ
チ部材に対するローラの軸方向両端側の接触圧を減少さ
せることができるので、各ローラに軸方向に偏った摩耗
を生ずることがなく、各ローラの耐久性を向上させるこ
とができる。
【0083】また、請求項の自動車の自動変速機によ
れば、各クラッチの摩耗を極めて少なくすることができ
るので、変速時に各クラッチの滑り状態を長く継続させ
た後に接続することができ、変速ショックを大幅に軽減
することができる。
【0084】また、請求項の自動車の無段変速機によ
れば、クラッチの摩耗を極めて少なくすることができる
ので、クリープ発生時にクラッチの滑り摩擦を大きくす
ることができ、実用上十分なクリープ力を得ることがで
きる。
【0085】また、請求項の自動車の動力分配装置に
よれば、前輪側または後輪側の駆動輪に動力を分配する
際、クラッチの滑りを利用してトルク配分比を任意に制
御する場合においても、クラッチの摩耗を極めて少なく
することができるので、耐久性の向上を図ることができ
る。
【0086】また、請求項の自動二輪車の動力伝達装
置によれば、発進時や変速時に半クラッチを多用した場
合でも、クラッチの摩耗を極めて少なくすることができ
るので、耐久性の向上を図ることができる。この場合、
加速側の回転方向が減速側よりも摩擦力が大きくなるよ
うに設定することにより、減速時における摩擦力を小さ
くすることができるので、例えば4サイクルエンジンの
過剰なエンジンブレーキを緩和することができ、実用上
極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す摩擦クラッチの正面
断面図
【図2】摩擦クラッチの要部側面断面図
【図3】ローラ及びケージの平面図
【図4】ローラの傾斜角を示す概略図
【図5】摩擦クラッチの動作説明図
【図6】ローラの傾斜角と摩擦トルクとの関係を示す図
【図7】各軌道面及びローラの外周面を直線状に形成し
た場合を示す図3のI−I線矢視方向断面図
【図8】各軌道面を曲線状に形成した例を示す図3のI
−I線矢視方向断面図
【図9】ローラの外周面を曲線状に形成した例を示す図
3のI−I線矢視方向断面図
【図10】本発明の摩擦クラッチを備えた自動車の自動
変速機の概略側面図
【図11】自動変速機に用いるクラッチの部分側面断面
【図12】本発明の摩擦クラッチを備えた自動車の無段
変速機の概略側面図
【図13】無段変速機に用いるクラッチの側面断面図
【図14】本発明の摩擦クラッチを備えた自動車の動力
分配装置の概略側面図
【図15】動力分配装置に用いるクラッチの側面断面図
【図16】本発明の摩擦クラッチを備えた自動二輪車の
動力伝達装置の概略側面図
【図17】動力伝達装置に用いるクラッチの側面断面図
【符号の説明】
1…クラッチ部材、2…ローラ、3…クラッチ部材、4
…ケージ、10…入力軸、12…出力軸、13…トルク
コンバータ、14…第1のサンギヤ、15…第1のプラ
ネタリーギヤ、16…第1のプラネタリーキャリア、1
7…第1のインターナルギヤ、20…第1のクラッチ2
0と、21…第2のサンギヤ、22…第2のプラネタリ
ーギヤ、23…第2のプラネタリーキャリア、24…第
2のインターナルギヤ、27…第2のクラッチ、28…
第3のクラッチ、29…第3のプラネタリーギヤ、30
…第3のプラネタリーキャリア、31…第3のインター
ナルギヤ、33…第4のクラッチ、34…制御部、3
5,36…クラッチ部材、37…ローラ、38…ケー
ジ、39…押圧部材、43…第1の可変径プーリ、45
…第2の可変径プーリ、46…ベルト、47…クラッ
チ、48,49…クラッチ部材、50…ローラ、51…
ケージ、52…押圧部材、60…第1の駆動軸、61…
第2の駆動軸、62…前輪側駆動軸、63…後輪側駆動
軸、64…クラッチ、65…制御部、65,67…クラ
ッチ部材、68…ローラ、69…ケージ、70…押圧部
材、82…クラッチ、82a…クラッチレバー、83,
84…クラッチ部材、85…ローラ、86…ケージ、8
7…押圧部材、E…エンジン。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに周面を径方向に対向させて同軸状
    に相対的に回転可能に配置され、それぞれの対向面を軸
    方向一端側から他端側に向かって傾斜するように形成し
    た一対のクラッチ部材と、 各クラッチ部材の対向面間に配置された多数のローラ
    と、 各ローラを互いに各クラッチ部材の周方向に間隔をおい
    て転動自在に保持する保持体と、 各クラッチ部材の対向面が互いに接近する方向に各クラ
    ッチ部材の少なくとも一方を軸方向に押圧可能な押圧手
    段とを備え、 各ローラの転動軸をクラッチ部材の回転軸に対して所定
    の角度をなすように傾斜させるとともに、その傾斜角を
    3°よりも大きく20°よりも小さくし、 各ローラの転動軸をクラッチ部材の回転軸を含む平面に
    対して所定の角度をなすように所定の個数ずつ反対方向
    に傾斜させるとともに、その傾斜角を25°よりも大き
    く90°よりも小さくしたことを特徴とする摩擦クラッ
    チ。
  2. 【請求項2】 前記クラッチ部材の回転軸を含む平面に
    対して互いに反対方向に傾斜するローラをクラッチ部材
    の周方向に同数ずつ交互に配置したことを特徴とする請
    求項記載の摩擦クラッチ。
  3. 【請求項3】 前記各クラッチ部材を軸方向に複数ずつ
    備えたことを特徴とする請求項1または2記載の摩擦ク
    ラッチ。
  4. 【請求項4】 前記各クラッチ部材におけるローラとの
    接触面を、ローラの転動軸を含む断面においてそれぞれ
    ローラの外周面に対して凸状をなすように形成したこと
    を特徴とする請求項1、2または3記載の摩擦クラッ
    チ。
  5. 【請求項5】 前記各クラッチ部材に接触するローラの
    外周面を、ローラの転動軸を含む断面においてそれぞれ
    各クラッチ部材の接触面に対して凸状をなすように形成
    したことを特徴とする請求項1、2または3記載の摩擦
    クラッチ。
  6. 【請求項6】 互いに同軸状に配置された入力軸及び出
    力軸と、入力軸とエンジンとの間に配置されたトルクコ
    ンバータと、入力軸及び出力軸と同軸状に配置された少
    なくとも一つの中心歯車と、入力軸及び出力軸を中心に
    回転可能な支持体に回転自在に支持され、中心歯車に噛
    み合う少なくとも一組の遊星歯車と、遊星歯車に噛み合
    う少なくとも一つの内歯歯車と、前記中心歯車、遊星歯
    車の支持体、内歯歯車及び変速機本体のうち所定の部材
    間の相対的な回転を規制可能な複数のクラッチと、各ク
    ラッチの断続を変速に応じてそれぞれ制御する制御手段
    とを備えた自動車の自動変速機において、 前記各クラッチとして請求項1、2、3、4または5
    載の複数の摩擦クラッチを備え、 各摩擦クラッチの各クラッチ部材を前記中心歯車、遊星
    歯車の支持体、内歯歯車及び変速機本体のうち所定の部
    材にそれぞれ連結し、各摩擦クラッチの押圧手段をそれ
    ぞれ前記制御手段によって制御するようにしたことを特
    徴とする自動車の自動変速機。
  7. 【請求項7】 入力軸と一体に回転する第1の可変径プ
    ーリと、出力軸と一体に回転する第2の可変径プーリ
    と、各プーリに巻き掛けられたベルトと、出力軸と駆動
    輪側との間に配置された発進用クラッチと、クラッチの
    断続を制御する制御手段とを備えた自動車の無段変速機
    において、 前記クラッチとして請求項1、2、3、4または5記載
    の摩擦クラッチを備え、 摩擦クラッチの一方のクラッチ部材をエンジン側に連結
    するとともに、摩擦クラッチの他方のクラッチ部材を入
    力軸側に連結し、摩擦クラッチの押圧手段を前記制御手
    段によって制御するようにしたことを特徴とする自動車
    の無段変速機。
  8. 【請求項8】 自動車の前輪側の駆動軸と後輪側の駆動
    軸との間に配置されたクラッチと、クラッチの断続を制
    御する制御手段とを備え、前輪側または後輪側の駆動軸
    に伝達されるエンジンの動力を前記クラッチの接続によ
    り前輪側及び後輪側の両方の駆動軸に伝達するようにし
    た自動車の動力分配装置において、 前記クラッチとして請求項1、2、3、4または5記載
    の摩擦クラッチを備え、 摩擦クラッチの一方のクラッチ部材を前輪側及び後輪側
    のうち一方の駆動軸に連結するとともに、摩擦クラッチ
    の他方のクラッチ部材を前輪側及び後輪側のうち他方の
    駆動軸に連結し、摩擦クラッチの押圧手段を前記制御手
    段によって制御するようにしたことを特徴とする自動車
    の動力分配装置。
  9. 【請求項9】 クラッチレバーの操作によりエンジンの
    動力を駆動輪側に断続して伝えるクラッチを備えた自動
    二輪車の動力伝達装置において、 前記クラッチとして請求項1、2、3、4または5記載
    の摩擦クラッチを備え、 摩擦クラッチの一方のクラッチ部材をエンジン側に連結
    するとともに、摩擦クラッチの他方のクラッチ部材を駆
    動輪側に連結し、摩擦クラッチの押圧手段を前記クラッ
    チレバーによって制御するようにしたことを特徴とする
    自動二輪車の動力伝達装置。
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