JP5352769B2 - ローラークラッチ - Google Patents

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本発明はトルクの伝達装置に関する。
機械装置の駆動力を断続又は調節する装置の特許 2903325号の流体摩擦伝達力制限装置の、内輪、外輪の円すい軌道面間に軸心に対して3次元に傾斜したローラーを配置し、接触面に潤滑油が高圧で閉じ込められて固化転移し、そのせん断抵抗で、トルクの伝達量の増減を図る装置に関する。
根拠はDowson & Higginson V.Whitaker:J.Mech.Eng,4,2(1962)121.等の論文に拠る、転がり接触のような高圧接触面には潤滑油が高圧で閉じ込められて、強固な弾性固化膜に転移する論証と近時の車両の無段変速機CVTの転がり接触下では停止後も1週間に亘り油膜が残存する、とした産業技術総合研究所の観測結果による。
当該閉じ込め油膜によるトルク伝達によれば、微小トルクから巨大トルクまでを、トルクの大小に関らず略等速度の、ビスカスカップリング及び遠心ガバナの調速機能に類した機能を有し接続の際に、ローラーの曲面同士の弾性変形による高強度、高品質のばね特性と、転がり面の油膜が、高粘性流体から塑性、弾性体に遷移する過程で、衝撃を吸収しながら強固な締結に至 る機能を備え、又近時の転がり接触の疲労強度が、2.5GPaの面圧以下で使用すれば、寿命は永久であるとした経験則から、磨耗の無い、簡素で高強度の電磁力などの付勢圧の要らない自己保持形の極めて強力な断続クラッチが得られる ことが知られている
当技術については、特許番号2903325を元に、当出願人による多くの発明がある。
当出願人による、特許願平2第177047号の、転動体を微小角度の円すい形にして、その転動時の差動でポケット内でスキュウ角度を自発させるもの。
同、特開平6−109038 図1のローラーの両端を遊星歯車と係合しその公転位相でローラーの傾斜角度(スキュウ)を変えて粘性スベリ速度を可変にするもの。 同、特開平6−137344図2のローラーの両端を摩擦部材に係合してその摩擦抵抗で遅れ進み力を発生させてスキュウ角を可変にするもの。 同、特開平7−71485の図2のローラーを周上に細分割したケースに収容しケースの両端を位相させてローラのスキュウ角を変化させて速度を可変にするもの。
同、特開2003−184910の請求項1図1の軌道からはみ出たニードルの端を掴んで外からスキュウ角を変えて速度を可変。 同、特開2003−184910の請求項3の図5に示す軌道輪の軸方向相対変位にボールのヘルツ弾性ばねで対抗し、油膜を厚くして粘性を増す。 同、特開2004−183883の図2電磁クラッチの代替で電磁コイル並びに電力を不要にするもの、その他がある。 同、特許2903325、の実施上の課題であった、ローラーの咬み合いを妨げる軸方向の摺接キー(スプライン)を排除し、代わりに中間環を設け、トルクを4面で受けることで、その接面の閉じ込め油膜の相対粘性すべり速度を倍増し、中間環の軸方向弾性変位で衝撃吸収能を倍増するものがある。
参考文献1
兼田禎宏・鈴木裕・西川宏志・松田健次、“EHL下における表面粗さと潤滑油の粘弾性および固化特性との動的相互作用”、平成2年度科学研究費補助金(一般研究(B))研究成果報告書、(1991)
参考文献2
平成15年度(第16期)助成事業分 EMTAF研究助成成果報告書No.16「t−CVT停止時の損傷防止法の確立」:内容、転がり接触下の閉じ込め油が1週間残留の観測。
前記特許2903325の構成では、トルクを負荷するとローラーを中心にして内外輪が軸方向に相対変位する。そのため、伝達経路上に摺接のスプライン嵌合を要する。しかし、摺接面の摩滅、ばらつき、異物、発錆、及び静摩擦から動摩擦に移行の際の、引っ掛かりなどで、相対変位が阻害されて、クラッチが働かないと言った致命的課題を生じた。その対策に、スプライン摺接を排除した特開2007−162926が発明された。また断続クラッチとして用いる場合、正逆回転に対応するため、上記特開2007−162926の出願に記載の図5の如く、正転用と逆転用でスキュウ方向を逆にしたローラー列を別個に要した。更にフリー側に高速回転する一方クラッチの場合は、ローラーは遠心力で、図3の外輪の内周円すい面に沿って大径側に抜け出すと同時にスキュウローラーが軌道面に遠心力で押し付けられて右方に転がり出るため符号1の如く押し出される。
又 遠心力で、図2の保持器のポケット穴のローラーの脱落防止の爪のエッジ、符号3、にローラーが食い込んで自転出来ず滑ってしまい偏磨耗する。更にトルクを負荷して連続粘性回転した場合、ローラーは、内外転走面の粗さ、油膜の厚さで摩擦係数に差が生じて、軌道面の幅方向の左右何れかに偏るか、又は内輪の小径側を下にするとローラーと保持器が重力で小径側に偏り、図5の 38の如く鍔があると、図6の如くローラーのエッジが鍔の角部に斜めに衝突し転がらずにスリップして粘性トルク伝達が得られない。
当該構成の特許2903325の実施上の課題を列記すると、正逆両方向にトルク伝達するには、第一に、軌道輪の回転方向に応じて、素早く全ローラーを一斉に同じ角度だけロックする側にスキュウさせること。
第二に、正転と逆転時に、スキュウ方向反転させる際は、両軌道面に接拘束のローラーを一旦軌道から離して解放し、スキュウ角度を反転させ、その後に再度挟接させる、軌道輪軸方向変位操作手段を要する。
第三に、ローラーによる、閉じ込め油膜のトラクションの軸方向成分で、軌道 の吸い込みを開始する初期段階において、相対変位を阻害する軌道輪のスライド摺接箇所の起動摩擦抵抗の静摩擦から動摩擦への移行時の変動抵抗、並びに摺接面の異物の混入、錆び、段付き摩滅による抵抗などの要因に勝る推力を生じさせて、ローラーの噛み合いをアシストする手段を設ける。更に噛み合い開始の初期段階で、常に最適位置にローラーを規制する。
第四に、過剰入力、衝撃入力などの異常入力に備え、トルクを遮断又は緩和する安全策を要する。
第五に、実施上不可避の取り付け部入力軸のたわみ、動的弾性変形、芯ずれ、角度誤差、ひずみ、による入出力軸間の取り付け誤差を緩和する、自在接手機能を要する。
本発明は背景技術に対して以下の進歩性と効果がある。
当発明は、転がり接触下に3千〜5万気圧の超高圧で閉じ込められて僅か0.0003ミリの薄い油膜が存在し、高粘度油では静止中も1週間の長期に渡り凍結し残存するといった近時の観測結果を踏まえ、その凍結固化膜のせん断抵抗と塑性変形抵抗とで、正逆両方向のトルクをゼロから直結まで、衝撃を弾性と粘性で吸収しながら同期して強固に締結する応答性の優れた電磁力などの補助力を要しない自己保持形で、軽量且つ高トルクで、磨耗の無い、正、逆両方向の省エネのクラッチ、並びに粘性自在接手を提供する。
当発明の基本構成の断面略視図 ローラーの遠心力の保持器穴への作用説明図 ローラーの遠心力作用説明図 遊星ローラーの公転差動説明図 ローラーの端面と鍔の干渉説明図 ローラーの端面と鍔の干渉説明図 請求項1,2,3の実施例断面略視図 遊星ローラー実施例略視図 遊星ローラー実施例略視図 請求項2のトルクを推力変換カムの実施例略視図 積層式での軌道面への同時圧着実施例図 積層式の内外ローラーの軸方向弾性変位曲線 積層式の中間環分割の同時接触実施例 遊星ローラー配置実施例 遊星ローラーによるスキュウ付与実施例、外観略図 積層式の正逆両方向クラッチ実施例 球面ころによる粘性自在接手、作用説明図 球面ころの粘性自在接手、実施例略視図 自在接手における遊星ローラーのスキュウ付与実施例
請求項1の形態について説明する。空転時にローラー位置が転動することで偏ってしまう不具合を防ぐためには、その偏らせる力は、無負荷で且つ油膜に浮上して転動する際のローラーのスキュウ転動による推力成で 軽微であるのでその変位を防ぐにはソフトな弾性ストッパー(図7では、皿ばね4、で示す)を保持器6、の側面に当てて且つ、保持器のポケット内側をローラーの自転を妨げないようにローラーの中心凸部に当てて図5に示す鍔38、から遠ざかる側に押し返せば足りる。高速フリー回転では、ローラーには図3のように外輪軌道との遠心力によって生ずる面圧でスキュウ角に応じた推力成分と、ローラー自体 の遠心力で円錐斜面に沿って抜け出す力とで符号1の大きな抜け力を生ずる、これにより保持器には、ローラー個数倍の推力が発生するので、保持器の側面は 平滑面、又は、図7のスラスト玉軸受 39、で支える必要がある。即ち保持器は小端側を弾性部材で、大端側をスラスト軸受で挟み、保持器の軸方向の位置を厳格に規制する。
請求項2の形態について詳述する。
先ず、前提となるスキュウ方向が反転する作用を図19、で説明する。
図19、に示す円すい軌道の少径側に設けた環状の部材6、と円すい軌道の大径側に設けた環上部材5、に、それぞれローラー37(円筒又は球面)の端部が遊嵌する溝57a、57bを備え、該溝57a,57bローラーの両端が係合して転動する。遊星ローラーは内外軌道輪に挟まれて、図4、の円すいローラーの旋回運動の原理に沿って、軌道輪が回転するに従い図19、の矢印77aの方向に旋回する。逆回転では77bの方向に旋回する、旋回範囲は環上部材5、に設けた舌部の突起8,9の範囲に規制される。遊星ローラー57a,58a,の旋回に連れて環上部材5,6は公転上を変位し、これに係合するローラー37、の両端は変位して、図19、に示すようにスキュウ角+、−θがローラーに与えられる。以上のように正転でロックするスキュウ角と、逆転でロックするスキュ角の両者に対応出来るように、軸心に対して傾斜した二面で成るカム手段で正逆両方向の噛み合いで軸方向変位をアシストする。
例えば図7に示すように、内輪内径と入力軸を図9の傾斜カム73で嵌合した場合、内輪側面には既に皿ばね56による摺接抵抗があるので、トルクを負荷すると先ずその摩擦抵抗トルクで、螺旋カム73、によって僅かに推力74、を生じ、それに皿ばね56の本来の押し付け力とスキュウローラーの接触面圧による吸い込み力とが加わり、そこにトルクが入力されると図9の螺旋カム73で更に強い軸力74に変換され、例え嵌合面に錆びを生じていても、カムによるアシストでクラッチは強固にロックする。外輪に内輪が吸い込まれてロックに至る軸方向の弾性の相対変位量は5ミリ以上を要するのでその変位量を許容するよう、円周方向に換算した値の図9のアソビ76を設ける。またカムの摺接面73には、フッ素樹脂などを被覆してスベリ摩擦係数μを0.03以下にする。
請求項3、の形態について詳述する。ローラーのスキュウ方向を反転させる手段は、既に軌道輪との摺接摩擦で駆動する特開平6− 137344(当発明者)が開示されている。しかし、これには、軌道輪と摺接する摩擦部材が、長期の使用で摩滅、摩擦が消滅する恐れがあり、且つ空転時には摩擦損失を伴なう。又スキュウを素早く反転させるため、一旦ローラーを軌道から解放して、つまり反転を容易にするための軌道間隔を広げる作用が無い。これに対し、本願の図4の引き出し線に示すところの、円すいローラーを転がすと、ローラーは円すいの頂点 77を中心に差動で旋回する原理を用いて、軌道面の両端に前記円すいローラーを大径側と小径側とに分割して、それぞれを弾性体で成る、例えばコイルばね製の図4に示す遊星ローラー 57、 58、にして軌道上を公転させると、公転距離は、図4の円弧で表した 59、と 60、の長さの差のようになる。内外軌道輪間にこれを挟んで相対回転すると軌道面に対してローラーの小径側が遅れて、大径側が先行して転動する。これにより両軌道間に挟接されたコイルバネローラー自体が軌道面との差動でもってスキュウ力を自発する。図 14に示す分割した左右の保持器の円環部材5, 6のポケット溝内に前記の遊星ローラー57,58を入れて転動させ、その左右の遅れ進みにトルク伝達用のローラー 37を連動させてクサビ作用の生ずる側にスキュウさせる。軌道輪が逆転を開始する時点では遊星ローラーはまだ元のスキュウ方向のままなので軌道輪は遊星ローラーのトラクションの軸方向成分で一旦引き離される側に変位し、これでトルク伝達用のローラーは軌道の拘束から一旦開放される。次に軌道の逆転が進むに連れスキュウ方向が反転し今度は遊星ローラーは軌道間距離を狭まくする側の推力を生じてトルク伝達ローラーの噛み合いをアシストする。
上述の構成を、前記特許番号第2903325号、を元に実施した場合を図7に示す。正逆何れの方向に回転しても、先ずコイルばね57,58の弾性接触圧とスキュウ角度とその差動による遅れ進みで、軌道間隔は引き離されて回転が進むに連れ57,58のスキュウ方向が反転して、吸い込み力に転じて軌道間隔が狭まり同時に、トルク負荷ローラーを噛みあう側にスキュウさせてロックする。 図7のロッド20を右に押すと内輪35が右に後退してローラーと軌道は離されてクラッチは遮断される。20の附勢を省くと、内輪はばね 56で左に押し戻されて、ローラー吸い込まれる従って面圧は上昇しヘルツ弾性のばね効果で、内外輪の回転速度の差で生ずる噛み合いショックを吸収つつ、その後、面圧上昇と共に閉じ込め油膜は固化して油膜のトラクションで強固に締結に至る。
入力トルクが消滅するとローラーは、軌道の弾性復元力(スプリングバック)と油膜の解凍とで軌道から吐き出される。遊星ローラーは ロッド20、が作用している間は軌道から離れて、転動せず、正逆回転の瞬間のみ転動する。衝撃、過剰な入力があると中間環35、は左方向に弾性変位し、ストッパー94に衝突して、ローラーは滑って過負荷を逃がす。
図 14の実施例の軌道の両端の遊星ローラー(弾性転動体)40,79の連結軸は保持器 6の舌部 46の穴と係合しており、舌部 46は、反対側の保持器5から伸びた突起8、9の側面間で移動量が制限されており、遊星ローラーはこの範囲内で公転軌道面上を遅れ進みを伴って転走する。遊星ローラー40、79、によるローラーへのスキュウ付与力はコイルばねの径方向の弾性接触圧と摩擦係数の積で決まるので安定する。またその必要切線力(トラクション)は、軌道から浮遊した状態のトルク負荷ローラーをスキュウさせるだけで小さい、またトルク負荷状態のローラーは、高面圧で且つ停止か又は微速度で転動するので遊星ローラーの転動摩擦抵抗は影響しない。
当構成を、中間環を用いた積層形の特開2007−162926での実施を図15で説明する。
図15の軸11、と中間環12の間にローラー14が介在し、その軌道の両端には遊星ローラーのコイルばね製の転動体7、と10が公転すべく配置する。同様に中間環12、と外輪15、との間にもローラ 37が介在し、その両端には遊星ローラーのコイルばね転動体、17,18が公転すべく配置する。 その機序は、内輪11が回ると皿ばね 13の摩擦抵抗で中間環が連れ回りし、外輪15が静止しているので外側の遊星ローラー 17、 18が中間環に連れて転動し、 18は 17よりも先行して公転する。それによって外側のローラー37にスキュウが与えられ、中間環 12と外輪 15が噛みあって締結して一体になる。すると軸 11に対して中間環12と外輪 15の一体品が相対回転し始め、内側の遊星ローラー7が先行して公転し、その差動で内側のローラー14にもロック方向のスキュウが与えられて今度は軸 11と中間環 12が一体化する。その結果、軸 11は中間環を介して外輪 15と一体化しトルクが伝わる。逆転すると、遊星ローラー自体のスキュウによるトラクションの軸方向分力で、中間環が皿ばねに対抗して一度押し返えされて、軌道間隔が広げられ、介在するローラーは解放されてスキュウ反転を素早く、容易にする。
図15のソレノイドコイル19に印加すると、ロッド20が、左方に変位し、中間環12は皿ばね13に逆らって左方に押し出されて、内外軌道面から離れてOFFになる。このとき、図11のグラフの横軸を軸方向の弾性変位量δ、縦軸を負荷トルクとしたとき、内輪側のローラーの変位曲線を21、外輪側ローラーの変位曲線を22とした場合に、変位量に差が生じた点80、で滑りを発生し、それ以上は伝達しなくなる。内輪はローラーの噛み合い面圧で収縮し、外輪は膨張する、中間環は内外周面から高面圧で圧縮されて然程変形しない。従って、内、外、で軸方向の弾性変位量さえ揃えておけば高トルク下でも、自動的に釣り合い滑ることは無い。内側と外側の弾性変位は、ローラーの本数増減で調節する。
又 中間環の内外径の一葉双曲線で出来た曲面は、ローラー16を介して相手側軌道面とトルクの無負荷の段階から接触しいていなければならず、そのためには例えば中間環に図12の62の如くスリットを入れても良いし、更に図10の64のように中間環を64の如く2分割してスプラインで連結しそれぞれを軸方向にバネ81、82、で軌道に圧着しておく、または、テーパーゲージで予め調節しても解決する。
請求項4の、閉じ込め油膜に拠る粘性自在接手を詳述する。
当発明は、前記特許2903325の、油膜を破断しない範囲内で、塑性体の油膜をねじれ変形させながら、せん断抵抗でトルクを伝達するもので、図 16に示すように、ローラー 27を球面ころにして、外輪の軌道を回転一葉双曲面と、円曲率との合成の曲面として、内輪外径は、外輪よりも直線に近い大きな曲率での合成凹曲面にしてある。トルクを負荷したときの円周上の全ローラーの、噛み合い(くさび)角度が1°〜5°の範囲にあれば、一方クラッチとして成立する。その噛み合いの原理を図 16の右示す平面モデルに置き換えて説明する
上下 2枚の曲面の勾配の付いた帯板の間に球面コロを板の長さ方向にスキュウさせて、斜めの方向に転動するように配置した場合、 板25,26を矢印28,30の方に変位させると、ころ27,32、は矢印35の方向の板の肉厚側のつまり、板23、と25、の間隔が狭くなる側に転がるのでころは板の間に食い込む。前述の帯板を円環に丸めると16の左の図になる。内輪の回転軸 70に対して外輪の回転軸、68、の如く傾いた状態を示す。
ローラー接点は、外周の凸球面と、軌道の凹曲面とで点接触に近いので交叉角度68、が2°以下であればクサビ効果を生じ、高圧の閉じ込め油膜を生じて、その塑性体に遷移した油膜のねじれ変形範囲で、粘性伝達可能な自在接手を得る。
従って、図17の中間環34、の内側ローラー 51と外側ローラー50内輪と外輪の軸心の交叉角度が左右それぞれ2 °であれば、接手ユニット全体では複列なので交角は倍の4 °まで許容でき、自在接ぎ手として成立する。通常駆動用伝達軸(プロペラシャフト)には、取り付け誤差を伴うので自在継手としてボール式等速接手、又はフック式ジョイントが併用される。ところがこれらの自在継手には転動体にニードルローラーが使用されており、交叉角度が小さいと、転動体の揺動量が極端に小く高面圧で微小振幅の高速揺動で 、しかもグリース潤滑のため早期に致命的疑似圧痕の不具合を招く。そのため交叉角2 °以下でのは使用は不可能とされている。
請求項1,2,3の実施例を図7に示す。
図7略視図の、符号 35は入力軸の内輪で、 36が出力軸の外輪を示し、35と 36の5°程度の円すい面の一葉回転双曲面でなる曲面の軌道間に、角度8 °程にスキュウした円筒のローラー 37が線接触して介在する。ローラー37は左右の保持器5、6のポケット溝に収容されている。図 7の引き出し線上に示すローラーの押さえばね2、は、説明都合上コイルばねを記載したが、実施は皿ばねである。図7の皿ばね4でもって、ローラーエッジと鍔とのエッジ同士の片当たり、かじりを防ぎ、ローラーの自転を妨げない。
図7の三角カム73は、軸心に対して 5°程度の角度の三角形状とし軸外周上に複数個設ける。角度が大きいとトルク負荷中の推力成分が大きくなりトルクを負荷した状態でのクラッチの切り離し抵抗が大きく、つまり20のよる切り離し操作力が大きくなる。図7では内輪内径のカム嵌合例としたが、外輪の外径側にカムを設けても良い。
請求項3のスキュウ付与の実施例は、図 14の如く、ローラーの左右に大小のコイルばね製46、 79の遊星ローラーを設け、円環5、から左方向に腕状に伸びた舌状の突起8、9をストッパー37、 96、に衝突させてスキュウ量を規制する。コイルばねの代わりに図8の円筒 環41,42でも良い。分割した左右の保持器5、6には、ローラー外径と摺接するガイド面45、 84、を設ける。遊星ローラーの軌道面との接触圧を得るための接触弾性変形量は 1ミリ程度で、接触圧を 1kgf程度とすれば切線力(スキュウ付与力)は、一個あたり 0.15K kgfが得られ周上3箇所あれば0.45 kgfのスキュウ付与力になり十分である。付与力の強さは適宜コイルばねの線径で調節し、外周は研削加工で転動に適した精度とする。図15の実施例では内輪と外輪の回転双曲面を、ゲージで寸法合わせした後、4点接触の玉軸受67で、軸と外輪の相対位置を強固に固定する。全部品は、軸受鋼SUJ−2材で、熱処理でHRC62〜 65に硬化し、転がり軸受のJISに準じた精度で研削仕上げを施す。前述の実施説明以外に図8 、18の如くトルク負荷用のローラーの円筒ころ37、又は球面ころ(図省略)の両側に遊星ローラー41,42を配置すればトルク負荷ローラーの収容数が増えるのでトルク容量を大きくすることができる。遊星ローラー7、の数は、図 13のように円周上3箇所あれば足りる。
内側と外側にローラーを二重に積層した場合 の正逆両方向クラッチの実施例を図15に、また請求項4の球面コロを用いた自在継手の実施例を図16、図 17に示す。
図 16のボールソケット、ボールスタッド 47は、内外輪に交叉角を生ずる際のセンタリングガイドになる。これを特開2007−162926に記載の図5(図省略)の形態を元に球面ころを用いると図17になる。中間環34、 85は一体固定で、皿ばね48,49で右方向に押されるので、球面ローラー50,51は軌道に圧着する。球面ローラー 50, 51、の両端には、遊星ローラー52, 53、が配置され、前述の図 15同様に正逆両方向に対抗のスキュウが付与される。図14同様に図 19にローラーにスキュウを付与する分割保持器の展開図を示す。図17では外輪34と 86はセンタリング間座 71でホールドされて、 71は、バネ87で圧接の球面の調心間座72でつまり球面と球面の間に挟接されており同じくセンタリングされる。ローラー50、 51、は中心のボールブッシュ 88、 89、でセンタリングガイドされる。つまり入力軸と出力軸が折れ曲がる交点の位置は、球面間座71,72と、ボールブッシュ88、89との連携で常にボールブッシュ88、89の中間点になるので自在継手として成立する。慣性ウエイト33は、正転状態から急制動した時、ねじ 90で軸力に変換されて、中間環34は入力軸95に対して左に押し出されるこのとき入力軸95、と出力軸86、とは2個のボールブッシュ88,89、で連結されているので、中間環34だけがローラ50,51、から抜けて 瞬時にトルクが遮断されて差動制限が解除される。部品の精、材料はJIS球面コロ軸受に準じ遊星ローラーの外径精度は転がりJISの軸受の転動体に準ずる。保持器は、表面をカタサ HV500以上にする。
車両の駆動系の自動変速機、差動制限装置、衝撃緩和のトルク伝達装置(トルクアブゾーバ)衝撃吸収の自己保持形フルシンクロのクラッチ装置、粘性流体接手、重量物の緩降装置など広汎な機械要素の省エネ化に供する。
4・・ばね
5、6・・分割保持器
7、10,17、18、40、41、42、79、52,53、57、58・・遊星ローラー
8、9位置決め突起
11、35、63・・内輪(軸) 12、34、85・・中間環
4、13、48、49、56、81、82、87、91・・ばね
14・・ローラー 15、25、26、36、86・・外輪 16・・連結軸
19・・ソレノイド 20・・プッシュロッド
21・・内側ローラーのみの軸方向弾性変位曲線
22・・外側ローラーのみの軸方向弾性変位曲線
23、24・・内輪 27、32、50,51・・球面ころ
28、29、30、31・・回転方向 38・・鍔
39、67・・軸受 46・・ストッパー
47、88、89、・・球面ブッシュ
59、60・・公転差 61・・軌道面 62・・スリット
64・・スプライン嵌合面 68・・交叉角度
71・・センタリング環 72・・センタリング補助環
73・・カム 74・・推力 75・・トルク作用方向
76・・バックラッシュ空間 33・・慣性ウエイト 90・・ねじ
94・・ストッパー

Claims (4)

  1. 回転軸に対して傾斜とローラーに面する曲面とを形成した軌道を有する外周面を備えた内輪(35)と回転軸に対して傾斜とローラーに面する曲面とを形成した軌道を有する内周面を備えた外輪(36)並び、前記軌道輪の小径側に位置する側面(6)と前記軌道輪の大径側に位置する側面(5)を有するローラーを保持する保持器(6,5)及び、該保持器の小径側を軸方向に押圧する弾性部材(4)を備えたローラークラッチにおいて、該ローラーは、回転軸心に対して揺動可能に傾斜して線接触しトルクを負荷したときにローラーが軌道間に食込むことで接触下に生ずる閉じ込め油膜の粘性で該内輪と該外輪との間のトルク伝達を増減するとともに、該弾性部材の附勢力で該保持器の小径側が押圧されて該保持器の位置が規制されていることを特徴とする該ローラークラッチ。
  2. 請求項1に記載のローラークラッチにおいて、トルク(75)を推力(74)に変換の軸心に対して傾斜した二面(73)を有するカム(35)を備えてローラーの噛み合いをアシストすることが特徴のローラークラッチ。
  3. 請求項1に記載のローラークラッッチにおいて、トルクを伝達するローラー(37)の回転軸に対する傾斜角度が、請求項1に記載の軌道輪の両端で公転する直径の異なる遊星ローラー(57,58)の旋回運動(77)に連動してローラー(37)の両端に生ずる遅れ進みで付与されることを特徴とするローラークラッチ。
  4. 請求項1に記載のローラークラッッチにおいて、該外輪の軌道曲面が、請求項1の外輪の軌道曲面と外輪軌道の中央点から回転軸上に設けたボールブッシュの中心までの長さを半径にして形成される球面とで合成された複合曲面で形成されるとともに、トルクを伝達するローラー(37)が、前記請求項1の外輪軌道の曲面中央と前記ボールブッシュ(47)の中心点を結ぶ長さを曲率半径にして形成される球面で成る球面ころであって、該両軌道輪と略線接触する粘性滑りと自在接手機能とを兼ね備えたローラークラッチ。
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