JP3701774B2 - 無段変速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動回転部材及び従動回転部材を変速回転部材に接触させるとともに、その接触部を移動させることにより駆動回転部材から従動回転部材への動力伝達と変速とを行う無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる無段変速機は、例えば特公昭47−447号公報に記載されているように既に知られている。この種の無段変速機は、駆動回転部材が接触する円錐状の第1摩擦伝達面及び従動回転部材が接触する円錐状の第2摩擦伝達面から構成された変速回転部材を備えてなり、駆動回転部材の接触部を第1摩擦伝達面の底面側に移動させるとともに従動回転部材の接触部を第2摩擦伝達面の頂点側に移動させることにより変速比をLOW側に変化させ、また駆動回転部材の接触部を第1摩擦伝達面の頂点側に移動させるとともに従動回転部材の接触部を第2摩擦伝達面の底面側に移動させることにより変速比をTOP側に変化させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような無段変速機では変速比のレンジに制限があり、充分な変速比のレンジを確保することが難しく、そのために自動発進クラッチを別途設ける必要があった。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、無段変速機の変速比のレンジを拡大し、自動発進機能まで実現することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、ケーシングと、ケーシング内に設けた変速機主軸に回転自在に支持された駆動回転部材と、変速機主軸に支持された従動回転部材と、変速機主軸に沿って移動自在なキャリアと、変速機主軸の軸線を中心線とする円錐母線に沿うようにキャリアに支持された支持軸と、前記支持軸に回転自在に支持され、該支持軸の軸線に対して傾斜し且つ互いに傾斜方向を反対にした第1、第2母線を該軸線回りに回転させて形成した第1摩擦伝達面及び第2摩擦伝達面が、それぞれ前記駆動回転部材及び従動回転部材に接触する変速回転部材とを備えてなり、それら接触部を前記第1、第2母線に沿って移動させることにより変速を行う無段変速機において、ケーシングに対するキャリアの変速機主軸回りの回転速度を制御するキャリア回転制御手段を設けたことを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、キャリアをケーシングに固定して回転速度をゼロに設定すると、変速回転部材と駆動回転部材及び従動回転部材との接触部の移動による通常の変速が行われる。またキャリアの自由回転が可能な状態、キャリアの自由回転に制動力を加えた状態、キャリアを積極的に回転駆動する状態を切り換えることにより、接触部の移動による変速比の制御に加えて更にきめ細かい変速比の制御が可能となり、変速比のレンジを拡大することができる。このことは自動発進機能を実現できることを意味する。つまりキャリアが自由回転可能な状態から徐々に回転を止めていけば自動発進が可能となる。
【0007】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記キャリア回転制御手段が、キャリアからケーシングへのトルク伝達を制御するブレーキであることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、キャリアを所定速度で自由回転させて無段変速機の変速比のレンジを増加方向に向けて拡大することができる。
【0009】
また請求項3に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記キャリア回転制御手段が、ケーシングに対してキャリアを回転駆動するアクチュエータであることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、キャリアを積極的に回転させて無段変速機の変速比のレンジを増加方向及び減少方向に向けて拡大することができるだけでなく、キャリア回転制御手段の駆動力で従動回転部材を駆動することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1〜図5は本発明の第1実施例を示すもので、図1は車両用パワーユニットの縦断面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図2の要部拡大図(LOWレシオ)、図4は図2の要部拡大図(TOPレシオ)、図5は図2の5−5線断面図である。
【0013】
図1に示すように、このパワーユニットPは自動二輪車に搭載されるものであって、エンジンE及び無段変速機Tを収納するケーシング1を備える。ケーシング1は、センターケーシング2と、センターケーシング2の左側面に結合される左ケーシング3と、センターケーシング2の右側面に結合される右ケーシング4とに3分割される。センターケーシング2及び左ケーシング3に一対のボールベアリング5,5を介して支持されたクランクシャフト6は、同じくセンターケーシング2及び左ケーシング3に支持されたシリンダブロック7に摺動自在に嵌合するピストン8にコネクティングロッド9を介して連接される。
【0014】
クランクシャフト6の左端には発電機10が設けられており、この発電機10は左ケーシング3の左側面に結合された発電機カバー11により覆われる。右ケーシング4の内部に延出するクランクシャフト6の右端にドライブギヤ12が固定される。
【0015】
図2を併せて参照すると明らかなように、無段変速機Tの変速機主軸21には前記ドライブギヤ12に噛合するドリブンギヤ25が固定される。ドリブンギヤ25は変速機主軸21にスプライン結合された内側ギヤ半体26と、この内側ギヤ半体26に複数個のゴムダンパー28…を介して僅かに相対回転し得るように結合されて前記ドライブギヤ12に噛合する外側ギヤ半体27とから構成される。ドライブギヤ12からドリブンギヤ25を経て変速機主軸21に伝達されるエンジントルクが変動したとき、前記ゴムダンパー28…の変形によりショックの発生が軽減される。
【0016】
変速機主軸21の外周には、半径方向外側を向く摩擦接触面を備えた駆動回転部材29がスプライン結合されるとともに、半径方向内側を向く摩擦接触面を備えた従動回転部材30がニードルベアリング22を介して相対回転自在に支持される。概略円錐状に形成されたキャリア第1半体31が変速機主軸21の外周にニードルベアリング23を介して相対回転可能且つ軸方向摺動可能に支持され、このキャリア第1半体31に概略カップ状のキャリア第2半体32が結合される。キャリア第2半体32の外周にはギヤ321 が形成される。
【0017】
図1及び図2から明らかなように、センターケーシング2に固定したカバー部材50に電磁ブレーキよりなるキャリア回転制御手段35が支持される。センターケーシング2及びカバー部材50間に支持した増速軸42に第1増速ギヤ43及び第2増速ギヤ44が設けられており、キャリア第2半体32のギヤ321 が第1増速ギヤ43に噛み合うとともに、キャリア回転制御手段35の回転軸に設けた第3増速ギヤ45が第2増速ギヤ44に噛み合っている。このように、キャリア第2半体32のギヤ321 の回転を増速してキャリア回転制御手段35に伝達するので、小容量のキャリア回転制御手段35によって大きな制動力を発生させることができる。
【0018】
而して、キャリア回転制御手段35に対する通電を遮断して回転軸36の制動を解除すると、両キャリア半体31,32は変速機主軸21回りに自由に回転することができる。またキャリア回転制御手段35に通電して回転軸36を制動すると、両キャリア半体31,32の変速機主軸21回りの回転に制動力を与え、或いは両キャリア半体31,32をケーシング1に対して回転不能に固定することができる。尚、両キャリア半体31,32の回転が制動或いは拘束されても、その軸線L方向の移動は可能である。
【0019】
図3及び図4から明らかなように、キャリア第1半体31に形成された複数の窓孔311 …を横切るように複数の支持軸37…が架設されており、各支持軸37にニードルベアリング38,38を介して変速回転部材39が回転自在且つ軸方向摺動自在に支持される。支持軸37…は変速機主軸21の軸線Lを中心線とする円錐母線上に配置されている。各変速回転部材39は底面を共有する円錐状の第1摩擦伝達面40及び第2摩擦伝達面41から構成されており、第1摩擦伝達面40は駆動回転部材29に第1接触部P1 において当接するとともに、第2摩擦伝達面41は従動回転部材30に第2接触部P2 において当接する。
【0020】
図2に示すように、キャリア第2半体32の内部に、変速機主軸21の回転数に応じて両キャリア半体31,32を軸方向に摺動させて無段変速機Tの変速比を変更する遠心機構51が設けられる。遠心機構51は、変速機主軸21に固定された固定カム部材52と、変速機主軸21に軸方向摺動自在に支持されて前記固定カム部材52と一体に回転する可動カム部材53と、固定カム部材52のカム面521 及び可動カム部材53のカム面531 間に配置された複数の遠心ウエイト54…とから構成される。可動カム部材53とキャリア第2半体32とをボールベアリング55で結合することにより、両者は相対回転を許容された状態で軸方向に一体に移動する。
【0021】
変速機主軸21の右端近傍はセンターケーシング2に固定したカバー部材50にボールベアリング56を介して支持されており、そのカバー部材50とキャリア第2半体32との間に縮設したスプリング57の弾発力で、キャリア第1半体31及びキャリア第2半体32は左方向に付勢される。従って、変速機主軸21の回転数が増加すると遠心力で遠心ウエイト54…が半径方向外側に移動して両カム面521 ,531 を押圧するため、可動カム部材53がスプリング57の弾発力に抗して右方向に移動し、この可動カム部材53にボールベアリング55を介して接続されたキャリア第2半体32がキャリア第1半体31と共に右方向に移動する。
【0022】
図3及び図4に示すように、変速比が何れの状態でも変速機主軸21の軸線Lから測った駆動回転部材29の第1接触部P1 の距離Aは一定値となり、支持軸37から測った駆動回転部材29の第1接触部P1 の距離Bは可変値(BL ,BT )となる。また、支持軸37から測った従動回転部材30の第2接触部P2 の距離Cは可変値(CL ,CT )となり、変速機主軸21の軸線Lから測った従動回転部材30の第2接触部P2 の距離Dは一定値となる。
【0023】
駆動回転部材29の回転数をNDRとし、従動回転部材30の回転数をNDNとして変速比RをR=NDR/NDNで定義すると、変速比Rは、
R=NDR/NDN=(B/A)×(D/C)
により与えられる。
【0024】
図1及び図2から明らかなように、変速機主軸21の外周にボールベアリング58を介して相対回転自在に支持された出力ギヤ59の右端と、前記従動回転部材30の左端との間に調圧カム機構60が設けられる。図5から明らかなように、調圧カム機構60は、出力ギヤ59の右端に形成した複数の凹部591 …と従動回転部材30の左端に形成した複数の凹部301 …との間にボール61…を挟持したものであり、出力ギヤ59と従動回転部材30とに間には従動回転部材30を右方向に付勢する予荷重を与えるように皿バネ62が介装される。従動回転部材30にトルクが作用して出力ギヤ59との間に相対回転が生じると、調圧カム機構60により従動回転部材30が出力ギヤ59から離反する方向(右方向)に付勢される。
【0025】
第3減速ギヤ63が、左ケーシング3との間に配置したボールベアリング64、変速機主軸21との間に配置したニードルベアリング65及び出力ギヤ59との間に配置したボールベアリング66によって回転自在に支持される。左ケーシング3及び中央ケーシング2にボールベアリング67及びニードルベアリング68を介して減速軸69が支持されており、減速軸69に設けた第1減速ギヤ70及び第2減速ギヤ71がそれぞれ前記出力ギヤ59及び第3減速ギヤ63に噛合する。左ケーシング3から外部に突出する第3減速ギヤ63の軸部先端に、無端チェーン72を巻き掛けた駆動スプロケット73が設けられる。従って、変速機主軸21の回転は出力ギヤ59、第1減速ギヤ70、第2減速ギヤ71、第3減速ギヤ63、駆動スプロケット73及び無端チェーン72を介して駆動輪に伝達される。
【0026】
次に、キャリア回転制御手段35により両キャリア半体31,32の回転を拘束したときの作用を説明する。
【0027】
図3に示すように、エンジンEの低速回転時にはドライブギヤ12により駆動されるドリブンギヤ25の回転数が低いため、遠心機構51の遠心ウエイト54…に作用する遠心力も小さくなり、両キャリア半体31,32はスプリング57の弾発力で左方向に移動する。キャリア第1半体31が左方向に移動すると、駆動回転部材29の第1接触部P1 が第1摩擦伝達部材40の底面側に移動して距離Bは最大値BL に増加するとともに、従動回転部材30の第2接触部P2 が第2摩擦伝達面41の頂点側に移動して距離Cが最小値CL に減少する。
【0028】
このとき、前記距離A,Dは一定値であるため、距離Bが最大値BL に増加し、距離Cが最小値CL に減少すると、前記変速比Rが大きくなってLOWレシオに変速される。
【0029】
一方、図4に示すように、エンジンEの高速回転時にはドライブギヤ12により駆動されるドリブンギヤ25の回転数が高いため、遠心機構51の遠心ウエイト54…に作用する遠心力も大きくなり、両キャリア半体31,32は遠心力で半径方向外側に移動する遠心ウエイト54…の作用でスプリング57の弾発力に抗して右方向に移動する。キャリア第1半体31が右方向に移動すると、駆動回転部材29の第1接触部P1 が第1摩擦伝達面40の頂点側に移動して距離Bが最小値BT に減少するとともに、従動回転部材30の第2接触部P2 が第2摩擦伝達面41の底面側に移動して距離Cが最大値CT に増加する。
【0030】
このとき、前記距離A,Dは一定値であるため、距離Bが最小値BT に減少し、距離Cが最大値CT に増加すると、前記変速比Rが小さくなってTOPレシオに変速される。
【0031】
上述のようにして、車両の走行中に駆動回転部材29の回転は変速回転部材39…を介して従動回転部材30に所定の変速比Rで伝達され、更に従動回転部材30の回転は調圧カム機構60を介して出力ギヤ59に伝達される。このとき、従動回転部材30に作用するトルクで出力ギヤ59との間に相対回転が生じると、調圧カム機構60により従動回転部材30が出力ギヤ59から離反する方向に付勢される。この付勢力は皿バネ62による付勢力と協働して、駆動回転部材29の第1接触部P1 を第1摩擦伝達面40に圧接する面圧と、従動回転部材30の第2接触部P2 を第2摩擦伝達面41に圧接する面圧とを発生させる。
【0032】
次に、キャリア回転制御手段35に対する通電を解除或いは弱めて両キャリア半体31,32を回転可能にしたときの作用を説明する。
【0033】
車両の発進時に予めキャリア回転制御手段35に対する通電を解除しておき、両キャリア半体31,32がケーシング1に対して自由に回転できる状態にしておく。エンジンEのクランクシャフト6の回転がドライブギヤ12及びドリブンギヤ25を介して変速機主軸21に伝達されたとき、仮に両キャリア半体31,32が回転不能に固定されていれば、変速機主軸21のトルクは駆動回転部材29、変速回転部材39及び従動回転部材30を経て車輪に伝達されるが、実際にはキャリア回転制御手段35に対する通電が解除されているため、両キャリア半体31,32が空転して従動回転部材30にトルクが伝達されることはない。即ち、無段変速機Tの変速比は無限大の状態になる。
【0034】
この状態からキャリア回転制御手段35に対する通電量を次第に増加させ、両キャリア半体31,32の回転に制動力を加えていくと、その回転数の低下に伴って変速比が無限大から減少する。そして両キャリア半体31,32がケーシング1に回転不能に固定されたとき、変速比は図3に示すLOWの状態になる。このように、車両の発進時に両キャリア半体31,32を自由に回転し得る状態からケーシング1に回転不能に固定された状態へと移行させることにより、変速比を無限大からからLOWまで変化させてスムーズな発進を可能にすることができる。両キャリア半体31,32の回転を上述のように制御することにより、自動発進クラッチを廃止しても発進が可能になる。またキャリア回転制御手段35による制動力を予め所定値に設定しておけば、無段変速機Tに過剰なトルクが入力したときに両キャリア半体31,32をケーシング1に対してスリップさせ、トルクリミッターとして機能させることもできる。
【0035】
本実施例では自動遠心クラッチよりなる自動発進クラッチを用いていないので、エンジンブレーキを作動させたときにエンジン回転数がアイドル回転数に近づいてもエンジンEと車輪との接続が保たれる。従って、自動遠心クラッチが係合解除した後に継続してエンジンブレーキを作動させるために従来必要であった一方向クラッチを廃止することができる。
【0036】
次に、本発明の第2実施例を説明する。
【0037】
第1実施例のキャリア回転制御手段35は、キャリア第1半体31及びキャリア第2半体32の回転を制動する電磁ブレーキから構成されているのに対し、第2実施例のキャリア回転制御手段35は、キャリア第1半体31及びキャリア第2半体32を回転駆動する電気モータ等のアクチュエータから構成されている。キャリア回転制御手段35に通電すると回転軸36が回転し、その回転がギヤ361 ,321 を介してキャリア第2半体32に伝達され、キャリア第2半体32をキャリア第1半体31と一体で回転させる。キャリア回転制御手段35にはブレーキ装置が付設されており、両キャリア半体31,32をケーシング1に回転不能に拘束することもできる。
【0038】
而して、キャリア回転制御手段35で両キャリア半体31,32を従動回転部材32と同方向に駆動してやれば、従動回転部材32の回転数が増加して変速比が小さい側にシフトし、逆にキャリア回転制御手段35で両キャリア半体31,32を従動回転部材32と逆方向に駆動してやれば、従動回転部材32の回転数が減少して変速比が大きい側にシフトする。このように、遠心機構51による変速制御にキャリア回転制御手段35による変速制御を組み合わせることにより、無段変速機Tの変速比を一層きめ細かく制御することができる。勿論、両キャリア半体31,32をケーシング1に拘束すれば、遠心機構51による前記LOW状態とTOP状態との間の通常の変速が可能である。
【0039】
またエンジンEが停止した状態でも、キャリア回転制御手段35で両キャリア半体31,32を正転方向又は逆転方向に駆動すれば、車両を前進走行又は後進走行させることができるため、車両を押して移動させる際の取り回しが容易になる。
【0040】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0041】
例えば、実施例ではキャリア回転制御手段35として電磁ブレーキ及び電気モータを例示したが、それを油圧ブレーキ及び油圧アクチュエータに置き換えることも可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、ケーシングに対するキャリアの変速機主軸回りの回転速度を制御するキャリア回転制御手段を設けたので、キャリアをケーシングに固定して回転速度をゼロに設定して変速回転部材と駆動、受動回転部材との接触部の移動による通常の変速を行えるのは勿論のこと、キャリアに制動力や駆動力を加えて更にきめ細かい変速比の制御を行って変速比のレンジを拡大することができる。またキャリアが自由回転可能な状態から徐々に回転を止めていけば、変速比が無限大の状態から次第に減少するので車両の自動発進が可能となる。
【0043】
また請求項2に記載された発明によれば、前記キャリア回転制御手段が、キャリアからケーシングへのトルク伝達を制御するブレーキであるので、キャリアを所定速度で自由回転させて無段変速機の変速比のレンジを増加方向に向けて拡大することができる。
【0044】
また請求項3に記載された発明によれば前記キャリア回転制御手段が、ケーシングに対してキャリアを回転駆動するアクチュエータであるので、キャリアを積極的に回転させて無段変速機の変速比のレンジを増加方向及び減少方向に向けて拡大することができるだけでなく、キャリア回転制御手段の駆動力で従動回転部材を駆動することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用パワーユニットの縦断面図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】図2の要部拡大図(LOWレシオ)
【図4】図2の要部拡大図(TOPレシオ)
【図5】図2の5−5線断面図
【符号の説明】
1 ケーシング
21 変速機主軸
29 駆動回転部材
30 従動回転部材
31 キャリア第1半体(キャリア)
32 キャリア第2半体(キャリア)
35 キャリア回転制御手段
37 支持軸
39 変速回転部材
40 第1摩擦伝達面
41 第2摩擦伝達面
Claims (3)
- ケーシング(1)と、
ケーシング(1)内に設けた変速機主軸(21)に回転自在に支持された駆動回転部材(29)と、
変速機主軸(21)に支持された従動回転部材(30)と、
変速機主軸(21)に沿って移動自在なキャリア(31,32)と、
変速機主軸(21)の軸線を中心線とする円錐母線に沿うようにキャリア(31,32)に支持された支持軸(37)と、
前記支持軸(37)に回転自在に支持され、該支持軸(37)の軸線に対して傾斜し且つ互いに傾斜方向を反対にした第1、第2母線を該軸線回りに回転させて形成した第1摩擦伝達面(40)及び第2摩擦伝達面(41)が、それぞれ前記駆動回転部材(29)及び従動回転部材(30)に接触する変速回転部材(39)と、
を備えてなり、それら接触部を前記第1、第2母線に沿って移動させることにより変速を行う無段変速機において、
ケーシング(1)に対するキャリア(31,32)の変速機主軸(21)回りの回転速度を制御するキャリア回転制御手段(35)を設けたことを特徴とする無段変速機。 - 前記キャリア回転制御手段(35)が、キャリア(31,32)からケーシング(1)へのトルク伝達を制御するブレーキであることを特徴とする、請求項1に記載の無段変速機。
- 前記キャリア回転制御手段(35)が、ケーシング(1)に対してキャリア(31,32)を回転駆動するアクチュエータであることを特徴とする、請求項1に記載の無段変速機。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16258897A JP3701774B2 (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 無段変速機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH116552A JPH116552A (ja) | 1999-01-12 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16258897A Expired - Lifetime JP3701774B2 (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 無段変速機 |
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JP (1) | JP3701774B2 (ja) |
-
1997
- 1997-06-19 JP JP16258897A patent/JP3701774B2/ja not_active Expired - Lifetime
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