JP3328533B2 - タイヤ空気圧異常判定装置 - Google Patents

タイヤ空気圧異常判定装置

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JP3328533B2
JP3328533B2 JP01342097A JP1342097A JP3328533B2 JP 3328533 B2 JP3328533 B2 JP 3328533B2 JP 01342097 A JP01342097 A JP 01342097A JP 1342097 A JP1342097 A JP 1342097A JP 3328533 B2 JP3328533 B2 JP 3328533B2
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秀樹 大橋
薫 大橋
弘義 小島
健康 田口
祐一 井上
孝治 梅野
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Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等のタイヤの空
気圧の異常を判定するタイヤ空気圧異常判定装置に係
り、更に詳細には車輪速の如き車輪の運動状態量に基づ
きタイヤ空気圧の異常を判定するタイヤ空気圧異常判定
装置に係る。
【0002】
【従来の技術】タイヤの空気圧とタイヤのばね定数との
間には一定の関係があり、またタイヤのばね定数とタイ
ヤの共振周波数との間には一定の関係があることを利用
し、車輪速信号よりタイヤの振動に起因する車輪速の振
動成分を抽出し、その振動成分に基づきタイヤの上下方
向又は前後方向の共振周波数又はタイヤのばね定数を求
め、これよりタイヤの空気圧を推定しその異常を判定す
るタイヤ空気圧異常判定装置は従来より種々の構成のも
のが提案されている。
【0003】例えば本願出願人の出願にかかる特開平8
−15069号公報には、各輪の車輪速を検出し、路面
よりタイヤに入力される振動入力の大きさが所定の範囲
内にあるときの車輪速信号に基づき車輪に対する路面よ
りの外乱及びタイヤのばね定数の変化を表すパラメータ
をオブザーバにより求め、これらの外乱及びパラメータ
よりタイヤ空気圧(タイヤのばね定数)を推定しタイヤ
空気圧の異常を判定するよう構成されたタイヤ空気圧異
常判定装置が記載されている。
【0004】かかるタイヤ空気圧異常判定装置によれ
ば、各輪の車輪速が検出され、路面よりタイヤに入力さ
れる振動入力の大きさが所定の範囲内にあるときの車輪
速信号に基づきタイヤの空気圧の異常が判定されるの
で、圧力センサの如くタイヤの空気圧を直接検出する手
段を要することなくタイヤ空気圧の異常を判定すること
ができ、また路面よりタイヤに入力される振動入力の大
きさに拘らずタイヤ空気圧の異常が判定される場合に比
して高精度にタイヤ空気圧の異常を判定することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の如き従来
のタイヤ空気圧異常判定装置に於いては、車速が低車速
域にあるときにはタイヤ空気圧が正常であるにも拘らず
異常に低い圧力であると誤って判定される場合がある。
本願発明者はこの点について種々の実験的研究を行った
結果、車輪のヨー方向の振動、即ち車輪の上下軸周りの
振動の共振点がタイヤの共振点よりも低い周波数域に存
在し、また車速が低車速域にあるときにはタイヤの共振
レベルが低いので、車輪のヨー方向の共振ノイズの影響
が相対的に高くなり、そのため実際のタイヤ空気圧は正
常であるにも拘らずタイヤ空気圧の異常判定に誤りが生
じることを究明した。
【0006】本発明は、従来のタイヤ空気圧推定装置に
於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本
発明の主要な課題は、車輪のヨー方向の共振ノイズの影
響を排除することにより、タイヤ空気圧の異常判定の精
度を更に一層向上させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の如き主要な課題
は、本発明によれば、車輪の運動状態量を検出する手段
と、車輪の運動状態量の検出値より車輪に対する外乱及
びタイヤのばね定数の変化を表すパラメータを推定する
オブザーバと、前記車輪の運動状態量の検出値に基づき
車輪のヨー方向共振について前記オブザーバによる推定
外乱に対する補正量を演算する手段と、前記補正量にて
前記推定外乱を補正する手段と、前記補正された推定外
乱及び前記パラメータに基づきタイヤ空気圧が異常であ
るか否かを判定する手段とを有するタイヤ空気圧異常判
定装置(請求項1の構成)、車輪の運動状態量を検出す
る手段と、車輪の運動状態量の検出値より車輪に対す
乱及びタイヤのばね定数の変化を表すパラメータを推
定するオブザーバと、前記車輪の運動状態量の検出値に
基づき車輪のヨー方向共振についてタイヤのばね定数に
対する補正量を演算する手段と、前記推定外乱及び前記
パラメータに基づきタイヤのばね定数を演算する手段
と、前記補正量にて前記ばね定数を補正する手段と、前
記補正されたばね定数に基づきタイヤ空気圧が異常であ
るか否かを判定する手段とを有するタイヤ空気圧異常判
定装置(請求項2の構成)、又は車輪の運動状態量を検
出する手段と、車輪の運動状態量の検出値の信号より車
輪のヨー方向共振周波数帯域の信号を除去処理する手段
と、前記除去処理された車輪の運動状態量の検出値より
車輪に対する外乱及びタイヤのばね定数の変化を表すパ
ラメータを推定するオブザーバと、前記推定外乱及び前
記パラメータに基づきタイヤ空気圧が異常であるか否か
を判定する手段とを有するタイヤ空気圧異常判定装置
(請求項3の構成)によって達成される。
【0008】上述の請求項1の構成によれば、オブザー
バにより車輪の運動状態量の検出値より車輪に対する外
乱及びタイヤのばね定数の変化を表すパラメータが推定
され、車輪の運動状態量の検出値に基づき車輪のヨー方
向共振についてオブザーバによる推定外乱に対する補正
量が演算され、該補正量にて推定外乱が補正され、その
補正された推定外乱及びパラメータに基づきタイヤ空気
圧が異常であるか否かが判定されるので、タイヤの共振
レベルが低く車輪の運動状態量の検出値に含まれる車輪
のヨー方向共振ノイズの影響を受け易い状況に於いて
も、実質的にヨー方向共振ノイズの影響のない推定外乱
及びパラメータに基づきタイヤ空気圧の異常判定が行わ
れ、従ってタイヤ空気圧の異常判定の精度が更に一層向
上される。
【0009】また請求項2の構成によれば、オブザーバ
により車輪の運動状態量の検出値より車輪に対する外乱
及びタイヤのばね定数の変化を表すパラメータが推定さ
れ、車輪の運動状態量の検出値に基づき車輪のヨー方向
共振についてタイヤのばね定数に対する補正量が演算さ
れ、推定外乱及びパラメータに基づきタイヤのばね定数
が演算され、前記補正量にてばね定数が補正され、その
補正されたばね定数に基づきタイヤ空気圧が異常である
か否かが判定されるので、タイヤの共振レベルが低く車
輪の運動状態量の検出値に含まれる車輪のヨー方向共振
ノイズの影響を受け易い状況に於いても、実質的にヨー
方向共振ノイズの影響のないタイヤのばね定数に基づき
タイヤ空気圧の異常判定が行われ、従ってタイヤ空気圧
の異常判定の精度が更に一層向上される。
【0010】また請求項3の構成によれば、車輪の運動
状態量の検出値の信号より車輪のヨー方向共振周波数帯
域の信号が除去処理され、その除去処理された車輪の運
動状態量の検出値より車輪に対する外乱及びタイヤのば
ね定数の変化を表すパラメータがオブザーバにより推定
され、推定外乱及びパラメータに基づきタイヤ空気圧が
異常であるか否かが判定されるので、タイヤの共振レベ
ルが低く車輪の運動状態量の検出値に含まれる車輪のヨ
ー方向共振ノイズの影響を受け易い状況に於いても、実
質的にヨー方向共振ノイズの影響のない車輪の運動状態
量の検出値より外乱及びパラメータがオブザーバにより
推定され、従ってヨー方向共振ノイズの影響を受けるこ
となくタイヤ空気圧の異常判定が行われ、これによりタ
イヤ空気圧の異常判定の精度が更に一層向上される。ま
た本発明によれば、上記請求項1乃至3の何れかの構成
に於いて、車輪の運動状態量は車輪速である。従ってオ
ブザーバは車輪速の検出値より車輪に対する路面よりの
外乱及びタイヤのばね定数の変化を表すパラメータを推
定する。本発明に於ける「車輪の運動状態量」は車輪速
に限定されず、タイヤの振動に起因する振動成分を抽出
し、その振動成分に基づきタイヤの上下方向又は前後方
向の共振周波数を求め得る車輪の運動状態量であればよ
い。
【0011】
【課題を解決するための手段の好ましい態様】本発明の
一つの好ましい態様によれば、請求項1乃至3の何れか
の構成に於いて、オブザーバは車輪の運動状態量として
の車輪速に基づき車輪に対する外乱、タイヤのばね定数
の変化を表すパラメータとしてのタイヤのベルト側部分
の角速度及びタイヤのリム側部分とベルト側部分との間
のねじり角を推定するよう構成される(好ましい態様
1)。
【0012】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様1の構成に於いて、タイヤ空気圧
が異常であるか否かを判定する手段はオブザーバにより
推定された外乱、ベルト側部分の角速度、リム側部分と
ベルト側部分との間のねじり角に基づきタイヤのばね定
数の変化量を演算し、該変化量に基づきタイヤ空気圧が
異常であるか否かを判定するよう構成される(好ましい
態様2)。
【0013】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様1又は2の構成に於いて、オブザ
ーバによる推定外乱に対する補正量は車輪速に基づいて
演算されるよう構成される(好ましい態様3)。
【0014】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様2の構成に於いて、タイヤのばね
定数に対する補正量は車輪速に基づいてタイヤのばね定
数の変化量に対する補正量として演算されるよう構成さ
れる(好ましい態様4)。
【0015】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様1又は2の構成に於いて、前記信
号除去処理手段は車輪の運動状態量の検出値の信号より
車輪のヨー方向共振周波数帯域を含む所定の周波数帯域
の信号を除去処理し、前記所定の周波数帯域は車輪速に
基づいて可変設定されるよう構成される(好ましい態様
5)。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を幾つかの実施形態について詳細に説明する。
【0017】第一の実施形態 図1は本発明によるタイヤ空気圧異常判定装置の第一の
実施形態を示す概略構成図であり、図2は車輪の力学モ
デルを示す説明図であり、図3は図1に示されたタイヤ
空気圧判定装置のブロック線図である。
【0018】図1に於いて、左前輪10FL、右前輪10
FR、左後輪10RL、右後輪10RRにはそれぞれ車輪速セ
ンサ12FL、12FR、12RL、12RRが設けられてお
り、これらの車輪速センサは周知の如く対応する車輪の
車輪速に対応するパルス信号を出力するようになってい
る。一般に車輪はホイールの外周にタイヤが取付けられ
たタイヤ付きホイールであり、従って図2に示されてい
る如く、車輪10は相対回転可能なリム側部分20とベ
ルト側部分22とがねじりばね24によって連結された
ものと考えられてよいので、各車輪速センサは厳密には
対応する車輪のリム側部分20の角速度を検出する。
【0019】また各車輪12FL〜12RRにはそのホイー
ルの軸部に作用する制駆動トルクTd を検出するトルク
センサ14FL〜14RRが設けられている。各車輪速セン
サよりのパルス信号及び各トルクセンサよりの制駆動ト
ルク信号はタイヤ空気圧判定装置16へ入力され、判定
装置16はこれらの信号に基づき後述の如く各輪のタイ
ヤ空気圧(タイヤのばね定数)を推定により演算すると
共に、車輪のタイヤ空気圧が異常であるか否かを判定
し、タイヤ空気圧が異常であるときには警報装置18へ
制御信号を出力することにより車輌の乗員に警報を発す
るようになっている。
【0020】図3に示されている如く、タイヤ空気圧判
定装置16は各車輪速センサよりパルス信号を受ける車
輪速演算ブロック26と、前処理フィルタブロック28
と、各トルクセンサより制駆動トルク信号を受ける外乱
オブザーバ30と、相関演算ブロック32と、正規化ブ
ロック34と、タイヤ空気圧が異常であるか否かを判定
する異常判定ブロック36とを有している。またこの実
施形態のタイヤ空気圧判定装置16は外乱補正値演算ブ
ロック38と外乱補正ブロック40とを有している。
【0021】尚タイヤ空気圧判定装置16は実際には例
えば中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモ
リ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)
と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコ
モンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータ
であってよく、このことは後述の他の実施形態について
も同様である。
【0022】車輪速演算ブロック26は車輪速センサ1
2FL〜12RRより供給されるパルス信号に基づき車輪速
(リム側部分の回転速度)を演算し、前処理フィルタブ
ロック28は車輪速演算ブロック26により演算された
車輪速のうちタイヤ空気圧の判定に適した所定の周波数
範囲内にあるものを抽出する。
【0023】外乱オブザーバ30は図2に示された車輪
10のモデルに基づいて構成されている。車輪10は慣
性モーメントJR のリム側部分20と慣性モーメントJ
B のベルト側部分22とがばね定数Kのねじりばね24
により接続されたものとして車輪をモデル化すれば、下
記の(1)〜(3)の状態方程式が成立し、これによっ
て線形システムが構成される。
【数1】JR ωR ′=−KθRB+T1 ・・・(1) JB ωB ′= KθRB−Td ・・・(2) θRB′=ωR −ωB ・・・(3) ただし、 ωR :リム側部分20の角速度 ωR ′:リム側部分20の角加速度 ωB :ベルト側部分22の角速度 ωB ′:ベルト側部分22の角加速度 θRB :リム側部分20とベルト側部分22との間のね
じり角 T1 :トルクセンサ14により検出される制駆動トル
ク Td :路面からの外乱トルク
【0024】尚実際の車輪にはリム側部分20とベルト
側部分22との間にダンパが存在するが、その影響は比
較的小さいので、この実施形態に於てはその存在が無視
されている。
【0025】上記状態方程式をベクトル及び行列を用い
て表せば下記の(4)式となる。
【数2】
【0026】ここでタイヤの空気圧が変化し、ねじりば
ね24のばね定数がKからK+ΔKに変化したとする
と、車輪10の運動は下記の(5)式にて表される。
【数3】
【0027】即ちばね定数KがΔKだけ変化することは
正常なタイヤに(5)式の右辺の最終項にて表される外
乱が加えられるのと等価である。この外乱にはばね定数
Kの変化量ΔKの情報が含まれており、またばね定数K
はタイヤの空気圧に応じて変化するので、この外乱を推
定することによってタイヤの空気圧の変化量を推定する
ことができる。この外乱の推定に外乱オブザーバの手法
が用いられるのであり、今路面からのトルクTd をも外
乱として扱うことにすれば、推定されるべき外乱wは下
記の(6)式にて表される。
【数4】
【0028】しかし理論上外乱[w]の中の一つの要素
しか推定することができないため、(6)式の第二要素
を外乱w2 とし、この外乱w2 を下記の(7)式にて定
義すれば、車輪10の状態方程式は下記の(8)式の如
くになり、従って外乱オブザーバはこの(8)式に基づ
いて構成される。
【0029】
【数5】 w2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θRB・・・(7)
【数6】
【0030】外乱オブザーバは外乱をシステムの状態変
数の一つとして推定するものである。そこで(7)式の
外乱w2 をシステムの状態に含めるために、推定される
べき外乱のダイナミックスを下記の(9)式にて近似す
る。
【数7】w2 ′=0・・・(9)
【0031】この近似は外乱の連続的な滑らかな変化を
それに沿う階段状の変化に近似(零次近似)することを
意味し、外乱オブザーバ30の外乱推定速度を推定され
るべき外乱の変化に比べて十分早くすればこの近似は十
分に許容される。上記(9)式より、外乱w2 をシステ
ムの状態変数に含めると下記の(10)式の拡張系が構
成される。
【数8】
【0032】この(11)式に於て[ωB θRB
2 T が検出することができない状態変数である。従
ってこのシステムに基づいて外乱オブザーバ30を構成
すれば、外乱w2 と元々測定できない状態変数ωB 、θ
RBとを推定することができる。
【0033】記述を簡単にするために(10)式のベク
トル及び行列を分解して次のように表すこととする。
【数9】
【0034】このとき、状態[z]=[ωB θRB
2 T を推定する最小次元オブザーバの構成は下記の
(11)式にて表される。
【0035】
【数10】 [zp ′]=[A21][xa ]+[A22][zp ]+[B2 ][u]+[G]{ [xa ′]−([A11][xa ]+[A12][zp ]+[B1 ][u])}=( [A21]−[G][A11])[xa ]+([A22]−[G][A12])[zp ] +[G][xa ′]+([B2 ]−[G][B1 ])[u]・・・(11) ただし、 [zp ] :[z]の推定値 [zp ′]:推定値[zp ]の変化率 [G] :外乱オブザーバ30の推定速度を決めるゲ
イン
【0036】また、真値[z]と推定値[zp ]との誤
差[e]を[e]=[z]−[zp]とおき、誤差
[e]の変化率を[e′]とすると、下記の(12)式
の関係が得られる。
【数11】 [e′]=([A22]−[G][A12])[e]・・・(12)
【0037】これは外乱オブザーバ30の推定特性を表
しており、行列([A22]−[G][A12])の固有値
が外乱オブザーバ30の極となる。オブザーバゲイン
[G]は推定速度が所定の速度になるように決定されれ
ばよい。
【0038】尚以上に於ては外乱w2 が前記(7)式、
即ちw2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θRB
て表されるものとして、外乱オブザーバ30のうちねじ
りばね24のばね定数KがΔK変化した場合の外乱w2
を推定する部分の構成について説明したが、外乱オブザ
ーバ30のうちベルト側部分22の慣性モーメントJB
がJB +ΔJB に変化した場合の外乱や、外乱オブザー
バ30のうちリム側部分20の慣性モーメントJR がJ
R +ΔJR に変化した場合の外乱を推定する部分も同様
にして構成することができる。
【0039】相関演算ブロック32は、外乱オブザーバ
30により推定された外乱w2 の推定値w2p及びねじり
角θRBの推定値θRBp に基づき、後述の如く外乱w2
推定値w2pとねじり角推定値θRBp との相互相関C(w
2p,θRBp )及びねじり角推定値θRBp の自己相関C
(θRBp ,θRBp )を演算する。
【0040】正規化ブロック34は、正規化処理、即ち
下記の(13)式に従って自己相関C(θRBp
θRBp )に対する相互相関C(w2p,θRBp )の比とし
てLK 値を演算し、RAMのLK 値メモリに格納する。
【数12】 LK =C(w2p,θRBp )/C(θRBp ,θRBp )・・・(13)
【0041】異常判定ブロック36は、LK 値メモリに
格納されているLK 値に基づきばね定数の変化量ΔKを
演算し、この変化量に基づきタイヤの空気圧が異常であ
るか否かを判定する。
【0042】即ちLK 値とばね定数の変化量ΔKとの間
には前記(8)式に基づき求められる下記の(14)式
にて表される関係がある。
【数13】 LK =(−1/JB )C0 +ΔK/JB ・・・(14) ただし、C0 はC(Tdp,θRBp )/C(θRBp ,θ
RBp )にて表される値であり、ばね定数Kの変化とは無
関係であるので、タイヤ空気圧が正常の状態で予め求め
ておくことによって補償することができる。また、C
(Tdp,θRBp )は外乱トルクTd の推定値とねじり角
θRBの推定値との相互相関を表している。
【0043】ROMには予めLK とΔKとの関係がばね
定数変化テーブルとしてROMに格納されており、従っ
てL K 値メモリに格納されているLK =C(w2p,θ
RBp )/C(θRBp ,θRBp )に基づいてねじりばね2
4のばね定数Kの変化量ΔKが演算される。そして変化
量ΔKがROMに格納されている基準値ΔK0 と比較さ
れ、変化量ΔKが負の定数である基準値ΔK0 より小さ
い場合にはタイヤの空気圧が異常に低いと判定されて警
報装置18により警報が発せられる。
【0044】更に外乱補正値演算ブロック38は、車輪
のヨー方向共振ノイズの影響を排除すべく、後述の如く
前処理フィルタ処理後の車輪速に基づき外乱補正値Ka
を演算し、外乱補正ブロック40は外乱オブザーバ30
により推定された外乱w2pを後述の如く外乱補正値Ka
に基づき補正する。
【0045】以上の説明より解る如く、車輪速センサ1
2FL〜12RR及び車輪速演算ブロック26により車輪の
運動状態量を検出する手段の機能が達成され、外乱オブ
ザーバ30によりオブザーバの機能が達成され、相関演
算ブロック32、正規化ブロック34、及び異常判定ブ
ロック36によりタイヤ空気圧が異常であるか否かを判
定する手段の機能が達成される。更に外乱補正値演算ブ
ロック38及び外乱補正ブロック40により車輪のヨー
方向共振についてオブザーバによる推定外乱に対する補
正量を演算する手段の機能が達成され、外乱補正ブロッ
ク40により推定外乱を補正する手段の機能が達成され
る。
【0046】図4はこの第一の実施形態のタイヤ空気圧
判定装置16により実行されるタイヤ空気圧異常判定ル
ーチンを示すゼネラルフローチャートである。尚図4に
示されたフローチャートによるタイヤ空気圧の異常判定
は例えば左前輪、右前輪、左後輪、右後輪の順に繰り返
し実行され、このことは後述の他の実施形態についても
同様である。
【0047】まずステップ10に於いてはタイヤ空気圧
の異常判定が行われるべき車輪の車輪速を示すパルス信
号及び制駆動トルクを示す信号の読み込みが行われ、ス
テップ20に於いては車輪速を示すパルス信号に基づき
車輪速Vwiが演算され、ステップ30に於いては車輪速
信号に対し前処理フィルタ処理、即ち所定の上限及び下
限カットオフ周波数にてバンドパスフィルタ処理が行わ
れる。
【0048】ステップ40に於いてはiが1インクリメ
ントされ、ステップ50に於いてはiが基準値Na (1
00〜1000程度の正の一定の整数)であるか否かの
判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ1
0へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ60に
於いてiが0にリセットされる。
【0049】ステップ70に於いては車輪速Vwi及び対
応する制駆動トルクに基づき外乱オブザーバ30につい
て上述した外乱オブザーバの処理が行われ、これにより
外乱w2 の推定値w2p、タイヤのばね定数の変化を表す
パラメータとしてのベルト側部分22の角速度ωB の推
定値ωBp及びねじり角θRBの推定値θRBp が求められ
る。
【0050】ステップ80に於いては外乱補正値演算ブ
ロック38について上述した外乱補正値Ka が前処理フ
ィルタ処理後の車輪速、即ちタイヤのリム側部分の角速
度ωR に基づき下記の(15)式に従って演算され、ス
テップ90に於いては外乱補正ブロック40について上
述した如く推定外乱w2pが下記の(16)式に従って補
正演算される。尚(15)式の関数f(ωR )は実験的
に求められてよく、また外乱補正値Ka はマップ演算に
より求められてもよい。
【0051】
【数14】Ka =f(ωR )・・・(15)
【数15】w2p=w2p+Ka ・θRBp ・・・(16)
【0052】ステップ100に於いては相関演算ブロッ
ク32について上述した相関演算が図5に示されたフロ
ーチャートに従って行われ、これにより外乱w2 の推定
値w2pとねじり角推定値θRBp との相互相関C(w2p
θRBp )及びねじり角推定値θRBp の自己相関C(θ
RBp ,θRBp )が演算される。
【0053】ステップ110に於いては正規化ブロック
36について上述した正規化処理が行われ、これにより
自己相関C(θRBp ,θRBp )に対する相互相関C(w
2p,θRBp )の比としてLK 値が演算されると共に、L
K 値に基づきタイヤのばね定数の変化量ΔKが演算され
る。
【0054】ステップ120に於いてはばね定数の変化
量ΔKがその基準値ΔK0 (負の定数)未満であるか否
かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのま
まステップ140へ進み、肯定判別が行われたときには
ステップ130に於いて警報装置18へ制御信号が出力
された後ステップ140へ進む。ステップ140に於い
ては以上の各ステップに於いて演算されたデータがクリ
アされた後ステップ10へ戻り、タイヤ空気圧の異常判
定が行われるべき次の車輪についてステップ10以降が
実行される。
【0055】また上述のステップ100の相関演算ルー
チンは図5に示されたフローチャートに従って以下の如
く実行される。
【0056】ステップ101に於いてはステップ70に
於いて演算された現時点の外乱推定値W2p(j) 及びねじ
り角推定値θRBp(j)が読込まれ、ステップ102に於い
ては下記の(17)式に従って相互相関C(w2p
θRB)が演算される。即ち外乱推定値w2p(j) とねじり
角推定値θRBp(j)との積が演算され、その積が相互相関
C(w2p,θRB)に加算される。ただし最初にステップ
102が実行される際には相互相関C(w2p,θRBp
が0であるため、相互相関メモリに外乱推定値w2p(j)
とねじり角推定値θRBp(j)との積が格納されるのみであ
る。
【数16】 C(w2p,θRB)=C(w2p,θRB)+w2p(j) ・θRBp(j)・・・(17)
【0057】同様にステップ103に於いては下記の
(18)式に従って自己相関C(θRBp ,θRBp )が演
算される。即ちねじり角推定値θRBp(j)の二乗が演算さ
れ、自己相関メモリの自己相関C(θRBp ,θRBp )に
加算される。
【数17】 C(θRBp ,θRBp )=C(θRBp ,θRBp )+θRBp(j) 2 ・・・(18)
【0058】ステップ104に於いては整数jが1イン
クリメントされ、ステップ105に於いては整数jがN
b(正の一定の整数)になったか否かの判定が行われ、
否定判別が行われたときにはステップ10へ戻り、肯定
判別が行われたときにはステップ106に於いてjが0
にリセットされることにより相関演算ルーチンを終了
し、次ぎのステップ110へ進む。
【0059】以上の説明より解る如く、ステップ10及
び20により図3の車輪速演算ブロック26の機能が達
成され、ステップ30により前処理フィルタブロック2
8の機能が達成され、ステップ70により外乱オブザー
バ30の機能が達成され、ステップ100により相関演
算ブロック32の機能が達成される。またステップ11
0により正規化ブロック34の機能が達成され、ステッ
プ120及び130により異常判定ブロック36の機能
が達成される。更にステップ80により外乱補正値演算
ブロック38の機能が達成され、ステップ90により外
乱補正ブロック40の機能が達成される。
【0060】かくして第一の実施形態によれば、ステッ
プ10〜70に於いて外乱オブザーバの処理により外乱
2 、ベルト側部分22の角速度ωB の推定値ωBp、
びねじり角θRBが推定され、ステップ80に於いて外乱
補正値Ka が演算され、ステップ90に於いて外乱推定
値w2Pが補正されることにより外乱推定値より車輪のヨ
ー方向共振ノイズの影響が除去され、ステップ100に
於いて補正後の外乱推定値w2p及びねじり角θRBの推定
値θRBp に基づき、外乱w2 の推定値w2pとねじり角推
定値θRBp との相互相関C(w2p,θRBp )及びねじり
角推定値θRBpの自己相関C(θRBp ,θRBp )が演算
され、ステップ110に於いて正規化が行われ、ステッ
プ120及び130のタイヤ空気圧の異常判定が行われ
る。
【0061】従ってこの実施形態によれば、車速が低く
タイヤの共振レベルが低いことにより、車輪速信号に含
まれる車輪のヨー方向共振ノイズの影響を受け易い状況
に於いても、実質的にヨー方向共振ノイズの影響のない
推定外乱等に基づきタイヤのばね定数の変化量ΔKを演
算し、ばね定数の変化量ΔKに基づきタイヤ空気圧の異
常判定を行うことができるので、車輪のヨー方向共振ノ
イズに起因してタイヤ空気圧が誤って異常であると判定
されることを防止し、タイヤ空気圧の異常判定を高精度
に行うことができる。
【0062】またこの実施形態によれば、従来のタイヤ
空気圧異常判定のルーチンにステップ0及び0を追
加するだけでよく、車輪のヨー方向共振ノイズの影響を
排除するための特別のセンサ等は不要であるので、車輪
のヨー方向共振ノイズの影響を受けることなくタイヤ空
気圧の異常判定を高精度に行う異常判定装置を低廉に構
成することができる。
【0063】第二の実施形態 図6は本発明によるタイヤ空気圧異常判定装置の第二の
実施形態のブロック線図であり、図7は第二の実施形態
に於けるタイヤ空気圧異常判定ルーチンを示すゼネラル
フローチャートである。尚図6に於いて図3に示された
部材に対応する部材には図3に於いて付された符号と同
一の符号が付されており、また図7に於いて図4に示さ
れたステップに対応するステップには図4に於いて付さ
れたステップ番号と同一のステップ番号が付されてい
る。
【0064】図6に示されている如く、この実施形態の
タイヤ空気圧判定装置16は車輪速演算ブロック26、
前処理フィルタブロック28、外乱オブザーバ30、相
関演算ブロック32、正規化ブロック34、異常判定ブ
ロック36に加えて、ばね定数補正量演算ブロック42
及びばね定数補正ブロック44を有している。
【0065】ばね定数補正量演算ブロック42は前処理
フィルタ処理された車輪速に基づき後述の如くタイヤの
ばね定数の変化量ΔKに対する補正量ΔKa を演算し、
ばね定数補正ブロック44は補正量ΔKa に基づき後述
の如くばね定数の変化量ΔKを補正し、これにより車輪
のヨー方向共振ノイズの影響を排除する。従ってばね定
数補正量演算ブロック42により車輪のヨー方向共振に
ついてタイヤのばね定数に対する補正量を演算する手段
の機能が達成され、ばね定数補正ブロック44により前
記補正量にてばね定数を補正する手段の機能が達成され
る。
【0066】またこの実施形態のステップ112及び1
14以外のステップ10〜70及びステップ100〜1
40はそれぞれ第一の実施形態の場合と同様に実行され
る。ステップ112に於いてはステップ30の前処理フ
ィルタ処理後の車輪速、即ちタイヤのリム側部分の角速
度ωR に基づき下記の(19)式に従ってばね定数補正
量ΔKa が演算され、ステップ114に於いては下記の
(20)式に従ってばね定数の変化量ΔKが補正量ΔK
a にて補正される。
【0067】
【数18】ΔKa =f(wR )・・・(19)
【0068】
【数19】ΔK=ΔK+ΔKa ・・・(20)かくして
第二の実施形態によれば、ステップ110に於ける正規
化により演算されたばね定数の変化量ΔKがステップ1
12及び114に於いて補正量ΔKaにて補正されるの
で、車輪速信号に含まれる車輪のヨー方向共振ノイズの
影響を受け易い状況に於いても、実質的にヨー方向共振
ノイズの影響のないばね定数の変化量ΔKに基づきタイ
ヤ空気圧の異常判定を行うことができ、従って車輪のヨ
ー方向共振ノイズに起因してタイヤ空気圧が誤って異常
であると判定されることを防止し、タイヤ空気圧の異常
判定を高精度に行うことができる。
【0069】またこの実施形態の場合にも、従来のタイ
ヤ空気圧異常判定のルーチンにステップ112及び11
4を追加するだけでよく、車輪のヨー方向共振ノイズの
影響を排除するための特別のセンサ等は不要であるの
で、車輪のヨー方向共振ノイズの影響を受けることなく
タイヤ空気圧の異常判定を高精度に行う異常判定装置を
低廉に構成することができる。
【0070】第三の実施形態 図8は本発明によるタイヤ空気圧異常判定装置の第三の
実施形態のブロック線図であり、図9は第三の実施形態
に於けるタイヤ空気圧異常判定ルーチンを示すゼネラル
フローチャートである。尚図8に於いて図3に示された
部材に対応する部材には図3に於いて付された符号と同
一の符号が付されており、また図9に於いて図4に示さ
れたステップに対応するステップには図4に於いて付さ
れたステップ番号と同一のステップ番号が付されてい
る。
【0071】図8に示されている如く、この実施形態の
タイヤ空気圧判定装置16は車輪速演算ブロック26等
に加えて前処理フィルタ設定ブロック46を有してお
り、この前処理フィルタ設定ブロック46は車輪速演算
ブロック26により演算された車輪速に基づき後述の如
く前処理フィルタブロック28に於けるバンドパスフィ
ルタ処理の通過帯域を可変設定する。
【0072】またこの実施形態のステップ25以外のス
テップ10〜70及びステップ100〜140はそれぞ
れ第一の実施形態の場合と同様に実行され、ステップ2
5に於いてはステップ20により演算された車輪速、即
ちタイヤのリム側部分の角速度ωR が例えば図10に示
されている如く車輪のヨー方向の共振が生じるωRo以下
であるときには、ステップ30の前処理フィルタ処理に
於けるバンドパスフィルタの下限カットオフ周波数fcl
が高くなるよう前処理フィルタを設定する。
【0073】かくして第三の実施形態によれば、ステッ
プ20により演算された車輪速に基づき、ステップ25
に於いて車速が低く車輪のヨー方向の共振ノイズの影響
が高くなる状況に於いては、ステップ30の前処理フィ
ルタ処理に於けるバンドパスフィルタの下限カットオフ
周波数fclが高く設定されるので、車輪速信号に含まれ
る車輪のヨー方向共振ノイズの影響を排除してタイヤ空
気圧を高精度に判定することができ、また車速が高く車
輪のヨー方向の共振の影響が小さい状況に於いては、下
限カットオフ周波数fclが低く設定されるので、バンド
パスフィルタを通過する信号の量を多くし、タイヤ空気
圧の異常判定の頻度を高くすることができる。
【0074】またこの実施形態の場合にも、従来のタイ
ヤ空気圧異常判定のルーチンにステップ25を追加する
だけでよく、車輪のヨー方向共振ノイズの影響を排除す
るための特別のセンサ等は不要であるので、車輪のヨー
方向共振ノイズの影響を受けることなくタイヤ空気圧の
異常判定を高精度に行う異常判定装置を低廉に構成する
ことができる。
【0075】尚上述の第一乃至第三の実施形態に於いて
は、ステップ110に於いて演算されたタイヤのばね定
数の変化量ΔK又はステップ114に於いて補正された
タイヤのばね定数の変化量ΔKに基づきステップ120
に於いてタイヤ空気圧が異常であるか否かが判定される
ようになっているが、必要ならばばね定数の変化量ΔK
に基づきタイヤ空気圧の変化量ΔPが演算され、タイヤ
空気圧Pが正規のタイヤ空気圧Po と変化量ΔPと和と
して演算されてもよい。更にこの場合、タイヤ空気圧の
異常判定は演算されたタイヤ空気圧P又はその変化量Δ
Pに基づいて行われてもよい。
【0076】また上述の第三の実施形態に於いては、ス
テップ25に於いて前処理フィルタが設定されるのでは
なく、ステップ30に於ける前処理フィルタ処理前又は
処理後に車輪速信号より車輪のヨー方向共振周波数帯域
の信号を除去する処理が行われてもよく、この処理はソ
フト的な信号処理及びハード的な信号処理の何れにより
達成されてもよい。
【0077】更に上述の各実施形態に於いては、外乱オ
ブザーバ30は各車輪の制駆動トルクTd をも入力とす
るようになっているが、上記(1)式等に於ける制駆動
トルクT1 の項が省略されると共に、トルクセンサ14
FL〜14RRが省略されてもよい。
【0078】以上に於いては本発明を特定の実施形態に
ついて詳細に説明したが、本発明はこれらの実施形態に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々
の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかで
あろう。
【0079】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、上述
の請求項1の構成によれば、実質的にヨー方向共振ノイ
ズの影響のない推定外乱及びパラメータに基づいてタイ
ヤ空気圧の異常判定を行なうことができ、また請求項2
の構成によれば、実質的にヨー方向共振ノイズの影響の
ないタイヤのばね定数に基づいてタイヤ空気圧の異常判
定を行なうことができ、更に請求項3の構成によれば、
実質的にヨー方向共振ノイズの影響のない車輪の運動状
態量の検出値より外乱及びパラメータをオブザーバによ
り推定し、これによりヨー方向共振ノイズの影響を受け
ることなくタイヤ空気圧の異常判定を行なうことができ
るので、本発明によればタイヤの共振レベルが低く車輪
の運動状態量の検出値に含まれる車輪のヨー方向共振ノ
イズの影響を受け易い状況に於いても、タイヤ空気圧の
異常判定の精度を更に一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタイヤ空気圧異常判定装置の第一
の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】車輪の力学モデルを示す説明図である。
【図3】図1に示されたタイヤ空気圧判定装置のブロッ
ク線図である。
【図4】第一の実施形態に於けるタイヤ空気圧異常判定
ルーチンを示すゼネラルフローチャートである。
【図5】図4に示されたフローチャートのステップ10
0に於ける相関演算ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図6】第二の実施形態のタイヤ空気圧判定装置のブロ
ック線図である。
【図7】第二の実施形態に於けるタイヤ空気圧異常判定
ルーチンを示すゼネラルフローチャートである。
【図8】第三の実施形態のタイヤ空気圧判定装置のブロ
ック線図である。
【図9】第三の実施形態に於けるタイヤ空気圧異常判定
ルーチンを示すゼネラルフローチャートである。
【図10】タイヤのリム側部分の角速度ωR と前処理フ
ィルタ処理に於けるバンドパスフィルタの下限カットオ
フ周波数fclとの間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
12FL〜12RR…車輪速センサ 16…タイヤ空気圧判定装置 18…警報装置 26…車輪速演算ブロック 28…前処理フィルタブロック 30…外乱オブザーバ 32…外乱補正値演算ブロック 34…外乱補正ブロック 36…相関演算ブロック 38…正規化ブロック 40…異常判定ブロック 42…ばね定数補正量演算ブロック 44…ばね定数補正ブロック 46…前処理フィルタブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 薫 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小島 弘義 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 田口 健康 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地株式会 社デンソー内 (72)発明者 井上 祐一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地株式会 社デンソー内 (72)発明者 梅野 孝治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 平7−89304(JP,A) 特開 平8−34215(JP,A) 特開 平8−15069(JP,A) 特開 平8−101085(JP,A) 特開 平7−137509(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 23/00 - 23/08 G01L 17/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪の運動状態量を検出する手段と、車輪
    の運動状態量の検出値より車輪に対する外乱及びタイヤ
    のばね定数の変化を表すパラメータを推定するオブザー
    バと、前記車輪の運動状態量の検出値に基づき車輪のヨ
    ー方向共振について前記オブザーバによる推定外乱に対
    する補正量を演算する手段と、前記補正量にて前記推定
    外乱を補正する手段と、前記補正された推定外乱及び前
    記パラメータに基づきタイヤ空気圧が異常であるか否か
    を判定する手段とを有するタイヤ空気圧異常判定装置。
  2. 【請求項2】車輪の運動状態量を検出する手段と、車輪
    の運動状態量の検出値より車輪に対する外乱及びタイヤ
    のばね定数の変化を表すパラメータを推定するオブザー
    バと、前記車輪の運動状態量の検出値に基づき車輪のヨ
    ー方向共振についてタイヤのばね定数に対する補正量を
    演算する手段と、前記推定外乱及び前記パラメータに基
    づきタイヤのばね定数を演算する手段と、前記補正量に
    て前記ばね定数を補正する手段と、前記補正されたばね
    定数に基づきタイヤ空気圧が異常であるか否かを判定す
    る手段とを有するタイヤ空気圧異常判定装置。
  3. 【請求項3】車輪の運動状態量を検出する手段と、車輪
    の運動状態量の検出値の信号より車輪のヨー方向共振周
    波数帯域の信号を除去処理する手段と、前記除去処理さ
    れた車輪の運動状態量の検出値より車輪に対する外乱及
    びタイヤのばね定数の変化を表すパラメータを推定する
    オブザーバと、前記推定外乱及び前記パラメータに基づ
    きタイヤ空気圧が異常であるか否かを判定する手段とを
    有するタイヤ空気圧異常判定装置。
  4. 【請求項4】前記車輪の運動状態量は車輪速であること
    を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のタイヤ空
    気圧異常判定装置。
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