JPH0783949A - 車両のヨーレート検出装置 - Google Patents

車両のヨーレート検出装置

Info

Publication number
JPH0783949A
JPH0783949A JP23035493A JP23035493A JPH0783949A JP H0783949 A JPH0783949 A JP H0783949A JP 23035493 A JP23035493 A JP 23035493A JP 23035493 A JP23035493 A JP 23035493A JP H0783949 A JPH0783949 A JP H0783949A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yaw rate
tire
vehicle
tire pressure
average
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23035493A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Ohashi
秀樹 大橋
Shinsuke Sato
伸介 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP23035493A priority Critical patent/JPH0783949A/ja
Publication of JPH0783949A publication Critical patent/JPH0783949A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤのコーナリングパワーを推定してその
推定値と車両の走行速度および舵角とに基づいて車両の
ヨーレートを検出する装置の検出精度を高める。 【構成】 各輪のタイヤの空気圧をタイヤ圧検出部3で
検出し、左右前輪の平均タイヤ圧と左右後輪の平均タイ
ヤ圧とをそれぞれ各平均タイヤ圧演算部4で演算する。
タイヤ圧とコーナリングパワーとの間の関係に従い、演
算された各平均タイヤ圧に応じて各平均コーナリングパ
ワーを各平均コーナリングパワー演算部5で演算する。
演算された各平均コーナリングパワーと走行速度検出部
1で検出された走行速度および実舵角検出部2で検出さ
れた実舵角とに基づき、車両の平面2自由度線形モデル
を想定することにより、車両の目標ヨーレートをヨーレ
ート演算部6で演算する。タイヤ圧の変動を考慮してコ
ーナリングパワーが推定されて目標ヨーレートが検出さ
れるから、検出精度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の走行速度,舵角
およびタイヤのコーナリングパワーに基づいて車両のヨ
ーレートを検出する装置に関するものであり、特に、そ
の検出の精度の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平2−70561号公報には、車両
の目標ヨーレートと実ヨーレートとをそれぞれ検出し、
それら検出値相互の関係から車両の旋回特性を判定する
技術が開示されている。この技術においては、目標ヨー
レートは、タイヤのコーナリングパワーを推定してそれ
と走行速度および舵角とに基づいて検出され、一方、実
ヨーレートは、車両の前端部における横方向速度と後端
部における横方向速度との差に基づいて検出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の目
標ヨーレート検出技術では、目標ヨーレートを正確に検
出し得ないことがある。タイヤのコーナリングパワー
は、常に一定ではなく、例えば図10にグラフで示すよ
うに、タイヤの空気圧に応じて変化する。しかし、この
従来の目標ヨーレート検出技術は、標準的なタイヤ空気
圧を想定し、その下に、コーナリングパワーを唯一の固
定値として推定する。そのため、この従来の目標ヨーレ
ート検出技術には、タイヤ空気圧の変動が生じると目標
ヨーレートの検出精度が低下することを避け得ないとい
う問題があったのである。
【0004】本発明は、以上の事情を背景として、車両
の走行速度,舵角およびタイヤのコーナリングパワーに
基づいて車両のヨーレートを検出する装置の精度を向上
させることを課題としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題は、車両の走行
速度,舵角およびタイヤのコーナリングパワーに基づい
て車両のヨーレートを検出する装置を、図1に示すよう
に、(a) 車両の走行速度を検出する走行速度検出手段M
1と、(b) その車両の舵角を検出する舵角検出手段M2
と、(c) その車両のタイヤの空気圧を検出するタイヤ空
気圧検出手段M3と、(d) 検出されたタイヤ空気圧に基
づいて前記タイヤのコーナリングパワーを推定し、推定
したコーナリングパワーと前記検出された走行速度およ
び舵角とに基づいて前記車両のヨーレートを検出するヨ
ーレート検出手段M4とを含むものとすることにより解
決される。
【0006】
【作用】このように構成したヨーレート検出装置におい
ては、走行速度検出手段M1により車両の走行速度が検
出され、舵角検出手段M2により車両の舵角が検出さ
れ、タイヤ空気圧検出手段M3によりタイヤの空気圧が
検出される。さらに、ヨーレート検出手段M4により、
タイヤ空気圧の検出値に基づいてタイヤのコーナリング
パワーが推定され、その推定されたコーナリングパワー
と上記検出された走行速度および舵角とに基づいてヨー
レートが検出される。その結果、タイヤ空気圧の変動を
考慮してヨーレートが検出されることとなる。
【0007】このヨーレート検出装置により検出される
ヨーレートは、一般に、車両に対する外乱を想定せず、
走行速度および舵角に理論上対応するヨーレートを意味
するから、このヨーレート検出装置は、目標ヨーレート
と実ヨーレートとの関係から車両の旋回特性を判定する
技術において目標ヨーレート検出装置として使用するこ
とができる。ただし、例えば、実ヨーレートは常に実質
的に目標ヨーレートと一致するとの前提を採用する場合
には、本発明に係るヨーレート検出装置を実ヨーレート
検出装置として使用することもできる。
【0008】本発明における舵角検出手段M2は、運転
者により操作されるステアリングホイールの操作角であ
る操舵角を検出するものとしたり、操舵車輪(操向車輪
ともいう)の実際の舵角である実舵角を検出するものと
することができる。
【0009】本発明におけるタイヤ空気圧検出手段M3
は、空気圧センサにより実際にタイヤ空気圧を検出する
ものでも、タイヤ空気圧と関連した量を検出してその結
果から実際のタイヤ空気圧を推定するものでもよい。例
えば、実開昭59−72530号公報に記載されている
ように、車輪回転速度の変動の共振周波数をFFT等に
より演算し、その共振周波数の変動値によりタイヤ空気
圧を推定したり、特開昭62−14902号公報に記載
されているように、タイヤが路面上の突起を乗り越える
などして、タイヤに対する外力が変化したときにおける
車輪回転速度の変化率がタイヤ空気圧に対応して変化す
ることを利用してタイヤ空気圧を推定したり、本出願人
の特願平5−198429号明細書に記載されているよ
うに、車輪の角速度等を入力とする外乱オブザーバによ
り推定してもよい。タイヤ空気圧を外乱オブザーバによ
り推定する手法の一例を実施例において詳述する。
【0010】本発明におけるヨーレート検出手段M4
は、走行速度,舵角およびコーナリングパワーから直接
ヨーレートを演算し、あるいはテーブルを用いて検出す
るものでもよく、また、車輪の標準的なタイヤ空気圧と
検出されたタイヤ空気圧との差、すなわちタイヤ空気圧
の変動量に基づき、標準的なコーナリングパワーを補正
するものでもよい。もちろん、標準的なコーナリングパ
ワーと検出された走行速度および舵角とに基づいて標準
的なヨーレートを検出し、それをタイヤ空気圧の変動量
に基づいて補正するものでもよい。
【0011】本発明におけるヨーレート検出手段M4は
また、タイヤ特性、すなわち車輪の横スリップ角に対す
るコーナリングフォースの関係であって線形領域と非線
形領域とからなるものをすべて線形領域からなるものと
みなして(すなわち、本来の線形領域の延長上に非線形
領域があるものとみなして)、コーナリングパワーを推
定して目標ヨーレートまたは実ヨーレートを検出するも
のとすることも、タイヤ特性の非線形性を考慮し、タイ
ヤ空気圧のみならず車輪の横スリップ角にも基づいてコ
ーナリングパワーを推定して目標ヨーレートまたは実ヨ
ーレートを検出するものとすることもできる。
【0012】本発明におけるヨーレート検出手段M4は
さらに、タイヤ空気圧のみならず車輪荷重をも入力信号
とし、それら双方に基づいてコーナリングパワーを推定
するものとすることもできる。コーナリングパワーは、
例えば図11にグラフで示すように、タイヤ空気圧のみ
ならず車輪荷重によっても変化するからである。
【0013】
【発明の効果】このように、本発明によれば、少なくと
もタイヤ空気圧の変動を考慮してコーナリングパワーが
推定されて車両のヨーレートが検出されるから、その精
度が向上するという効果が得られる。
【0014】特に、タイヤ空気圧のみならず車輪荷重に
も基づいてコーナリングパワーを推定する態様で本発明
を実施する場合には、タイヤ空気圧の変動のみならず車
輪荷重の変動をも考慮してコーナリングパワーが推定さ
れるから、ヨーレートの検出精度が一層向上するという
効果が得られる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を2WS車(左右前輪のみが操
舵車輪である4輪車両)の目標ヨーレート検出装置に適
用した場合を例として図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】本実施例の目標ヨーレート検出装置は、図
2に示すように、走行速度検出部1と、実舵角検出部2
と、各車輪について個々に設けられたタイヤ圧検出部3
と、左右前輪と左右後輪とについて個々に設けられた平
均タイヤ圧演算部4および平均コーナリングパワー演算
部5と、ヨーレート演算部6とを備えている。以下、各
部について順次説明する。なお、タイヤ圧検出部3につ
いては全車輪間で同じであり、また、平均タイヤ圧演算
部4および平均コーナリングパワー演算部5について
は、左右前輪用と左右後輪用とで同じである。
【0017】走行速度検出部1は、車両の走行速度Vを
逐次検出してヨーレート演算部6に供給する。実舵角検
出部2は、左右前輪の実舵角δを逐次検出してヨーレー
ト演算部6に供給する。
【0018】各タイヤ圧検出部3は、図3の機能ブロッ
ク図および図4の構成ブロック図で示すように構成され
ている。図4において10はロータ、12は電磁ピック
アップである。ロータ10は図5に示す車輪14と共に
回転するものであり、外周に多数の歯16を備えてい
る。電磁ピックアップ12はそれらの歯16の通過に応
じて周期的に変化する電圧を発生する。この電圧は波形
整形器18によって矩形波に整形され、コンピュータ2
0のI/Oポート22に供給される。
【0019】車輪14は図5に示すように、ホイール2
4の外周にタイヤ26が取り付けられたタイヤ付ホイー
ルであるが、図6に示すように、相対回転可能なリム側
部28とベルト側部30とがねじりばね32によって連
結されたものと考えることができる。上記ロータ10は
ホイール24と一体的に回転するように取り付けられる
ため、電磁ピックアップ12は厳密にはリム側部28の
角速度を検出することになる。
【0020】前記コンピュータ20は図4に示すように
CPU40,ROM42およびRAM44を備えてお
り、ROM42に図示しない角速度演算ルーチンが格納
されることによって、上記ロータ10,電磁ピックアッ
プ12および波形整形器18と共に図3の角速度検出部
46を構成している。
【0021】このコンピュータ20は図4に示すように
別のコンピュータ47と接続されている。このコンピュ
ータ47もCPU48,ROM49,RAM50および
I/Oポート51を備えており、ROM49に後述の式
等の演算を行うためのルーチンや図7のフローチャート
で表される相関演算ルーチン等、種々の制御プログラム
が格納されることによって、図3に示す外乱オブザーバ
52,相関演算部56,正規化部58,タイヤ圧演算部
60を構成している。そして、これら各部と前記角速度
検出部46とによって図2のタイヤ圧検出部3が構成さ
れている。
【0022】コンピュータ20は電磁ピックアップ12
および波形整形器18から供給される信号に基づいて車
輪14のリム側部28の回転速度を算出する。回転速度
は、予め定められた一定のサンプリング時間内における
波形整形器18からの矩形波の立上がりの時間間隔の平
均から演算される。
【0023】まず、予め定められたサンプリング時間内
における矩形波の最初と最後の立上がりの時期とサンプ
リング時間内における立上がりの回数とが検出される。
立上がりが生じる毎に割込みルーチンにより、コンピュ
ータ20に内蔵のタイマの示す時間が読み込まれるとと
もに、立上がりの数がカウントされるのである。続い
て、サンプリング時間内における車輪14の平均回転速
度が演算される。サンプリング時間内における全ての立
上がり間の平均時間間隔が演算され、それからリム側部
28の角速度ωR が演算され、RAM44の角速度メモ
リに格納されるのである。
【0024】外乱オブザーバ52は、車輪14の図6に
示すモデルに基づいて構成されている。以下、この外乱
オブザーバ52の構成について説明する。車輪14を、
リム側部28の慣性モーメントJR とベルト側部30の
慣性モーメントJB とがばね定数Kのねじりばね32に
より接続されたものとモデル化すれば、次の状態方程式
(1) 〜(3) が成立する。 JR ωR ′=−K(θR −θB )+T1 ・・・(1) JB ωB ′=K(θR −θB )−Td ・・・(2) θRB=θR −θB ・・・(3)
【0025】ただし、 ωR :リム側部28の角速度 ωR ′:リム側部28の角加速度 ωB :ベルト側部30の角速度 ωB ′:ベルト側部30の角加速度 θRB :リム側部28とベルト側部30とのねじり角
(リム側部回転角θR とベルト側部回転角θB との差) T1 :リム側部28に加えられる駆動・制動トルク Td :路面からのトルク(外乱トルクと回転負荷トル
クとの和) なお、実際にはリム側部28の慣性モーメントJR とベ
ルト側部30の慣性モーメントJB との間にはダンパが
存在するが、その影響は比較的小さいため無視できる。
【0026】上記状態方程式をベクトルおよび行列を用
いて表せば次の(4) 式となる。
【0027】
【数1】
【0028】ここで、タイヤ26の空気圧が変化し、ね
じりばね32のばね定数がKからK+ΔKに変化したと
きの車輪14の運動は次の(5) 式で表される。
【0029】
【数2】
【0030】すなわち、ばね定数KがΔKだけ変化する
ことは正常なタイヤ26に(5) 式の最終項で表される外
乱トルクが加えられたのと等価である。この外乱トルク
にはばね定数Kの変化量ΔKの情報が含まれており、か
つ、タイヤ26の空気圧に応じて変化するので、この外
乱トルクを推定することによってタイヤ26の空気圧の
変化量を推定することができる。この外乱トルクの推定
に外乱オブザーバの手法を用いるのであり、推定すべき
外乱トルクは次の(6) 式で表される。
【0031】
【数3】
【0032】しかし、理論上ベクトル[w]の中の一つ
の要素しか推定できないため、第2要素であるw2 を推
定することとする。外乱トルクを次の(7) 式 w2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θRB・・・(7) で定義すれば、車輪14の状態方程式は次の(8) 式のよ
うになるため、この式に基づいて外乱オブザーバ52を
構成する。
【0033】
【数4】
【0034】外乱オブザーバ52は外乱トルクをシステ
ムの状態変数の一つとして推定するものである。そこ
で、上記(7) 式の外乱トルクw2 をシステムの状態に含
めるために、外乱トルクw2 のダイナミクスを次の(9)
式で近似する。 w2 ′=0・・・(9) これは図8に示すように連続して変化する外乱トルクを
階段状に近似(零次近似)することを意味し、外乱オブ
ザーバ52の外乱推定速度を推定すべき外乱トルクの変
化に比べて十分速くすれば、この近似は十分に許容され
る。上記(9) 式より、外乱トルクをシステムの状態に含
めると次の(10)式の拡張系が構成される。
【0035】
【数5】
【0036】上記(10)式において[ωB θRB2
T が検出できない状態となる。したがって、このシステ
ムに基づいて外乱オブザーバ52を構成すれば、外乱ト
ルクw2 と検出できない状態変数ωB ,θRBとを推定す
ることができる。記述を簡単にするために、(10)式のベ
クトルおよび行列を分解して次のように表すこととす
る。
【0037】
【数6】
【0038】このとき、状態[z]=[ωR θRB
2T を推定する最小次元オブザーバの構成は次の(11)
式で表される。 [zp ′]=[A21][xa ]+[A22][zp ]+[B2 ][u]+[G]{ [xa ′]−([A11][xa ]+[A12][zp ]+[B1 ][u])}=( [A21]−[G][A11])[xa ]+([A22]−[G][A12])[zp ] +[G][xa ′]+([B2 ]−[G][B1 ])[u]・・・(11) ただし、 [zp ] :[z]の推定値 [zp ′]:推定値[zp ]の変化率 [G] :外乱オブザーバ52の推定速度を決めるゲ
イン [u] :駆動・制動トルクT1 [B1 ] :1/JR [B2 ] :[0 0 0]T これをブロック線図で表わすと図9のようになる。
【0039】また、真値と推定値との誤差[e]を
[e]=[z]−[zp ]とおき、誤差[e]の変化率
を[e′]とすると、次の(12)式の関係を得る。 [e′]=([A22]−[G][A12])[e]・・・(12) これは外乱オブザーバ52の推定特性を表しており、行
列([A22]−[G][A12])の固有値がすなわち外
乱オブザーバ52の極となる。したがって、この固有値
がs平面の左半面において原点から離れるほど外乱オブ
ザーバ52の推定速度が速くなる。オブザーバゲイン
[G]は希望の推定速度になるように決定すればよい。
【0040】以上のように構成された外乱オブザーバ5
2においては、角速度検出部46において演算されたリ
ム側部28の角速度ωR を入力として、ねじりばね32
のばね定数KがΔK変化した場合の前記(7) 式で表され
る外乱トルクw2 が推定され、外乱トルク推定値w2p
取得されるが、それとともに検出が不可能であるベルト
側部30の角速度ωB ,リム側部−ベルト側部間のねじ
り角θRBも推定され、それぞれ推定値ωBp,θRBp が取
得される。
【0041】上記外乱トルクおよびねじり角の推定値w
2p,θRBp を用いて相関演算部56において相関演算が
行われ、正規化部58で正規化が行われて、ねじりばね
32のばね定数Kの変化が求められる。
【0042】まず、相関演算部56において、図7のフ
ローチャートで表される相関演算ルーチンが実行され
る。ステップS21(以下、単にS21で表す。他のス
テップについても同じ)の初期設定において、整数iが
1にリセットされ、前記(7) 式で表される外乱トルクw
2 の推定値w2pとねじり角推定値θRBp との相互相関値
C(w2p,θRBp )とねじり角推定値θRBp の自己相関
値C(θRBp ,θRBp )とが0にリセットされる。相互
相関値メモリおよび自己相関値メモリの内容が0にされ
るのである。
【0043】続いて、S22で現時点の外乱推定値w
2pi およびねじり角推定値θRBpiが読み込まれ、S23
で外乱推定値w2pi とねじり角推定値θRBpiとの積が演
算され、相互相関値C(w2p,θRBp )に加算される。
ただし、最初にS23が実行される際には相互相関値C
(w2p,θRBp )が0であるため、相互相関値メモリに
外乱推定値w2pi とねじり角推定値θRBpiとの積が格納
されるのみである。同様にS24でねじり角推定値θ
RBpiの2乗が演算され、自己相関値メモリの自己相関値
C(θRBp ,θRBp )に加算される。
【0044】S25において整数iが予め定められた整
数M以上になったか否かが判定されるが、当初は判定が
NOであるため、S26で整数iが1増加させられ、再
びS22〜S24が実行される。この実行がM回繰り返
されたときS25の判定がYESとなり、ばね定数変化
取得用の相関演算ルーチンの1回の実行が終了する。
【0045】相関演算部56において以上のようにして
相互相関値C(w2p,θRBp )と自己相関値C
(θRBp ,θRBp )とが求められた後、正規化部58に
おいて次の(13)式 Lk =C(w2p,θRBp )/C(θRBp ,θRBp )・・・(13) によりLK 値が求められ、RAM50のLK 値メモリに
格納される。このLK 値は次の(14) 式 Lk =(−1/JB )C0 +ΔK/JB ・・・(14) ただし、C0 はC(Tdp,θRBp )/C(θRBp ,θ
RBp )で表される値であり、ばね定数Kの変化とは無関
係であるので、タイヤ圧pが正常の状態で予め求めてお
くことによって補償できる。
【0046】タイヤ圧演算部60においては、以上のよ
うにして取得され、LK 値メモリに格納されているLK
値に基づいてねじりばね32のばね定数Kの変化量ΔK
が演算される。LK 値は前述のように(−1/JB )・
0 +ΔK/JB に対応する値であるため、LK 値とば
ね定数変化量ΔKとの間には一定の関係があり、さらに
このばね定数変化量ΔKとタイヤ圧変化量Δpとの間に
も一定の関係があるため、結局、LK 値とタイヤ圧変化
量Δpとの間に一定の関係がある。この関係が予めタイ
ヤ圧変化量テーブルとしてROM49に格納されてお
り、このテーブルに基づいてLK 値からタイヤ圧変化量
Δpが求められるのである。このタイヤ圧変化量Δpは
正規のタイヤ圧p0 からの変化量であるから、正規のタ
イヤ圧p0 からこのタイヤ圧変化量Δpを引いた値p=
0 −Δpが現在のタイヤ圧pとして演算され、RAM
50のタイヤ圧メモリに格納される。すなわち、各タイ
ヤ圧検出部3においては、左前輪タイヤ圧pfl,右前輪
タイヤ圧pfr,左後輪タイヤ圧prlおよび右後輪タイヤ
圧prrが車輪に関連付けてタイヤ圧メモリに格納される
のである。
【0047】タイヤ圧検出部3において以上のようにし
て検出(推定)されたタイヤ圧pは図2の平均タイヤ圧
演算部4に供給される。左右前輪のタイヤ圧pflおよび
frは左右前輪用の平均タイヤ圧演算部4に、左右後輪
のタイヤ圧prlおよびprrは左右後輪用の平均タイヤ圧
演算部4にそれぞれ供給されるのである。左右前輪用の
平均タイヤ圧演算部4においては、左右前輪のタイヤ圧
flおよびpfrの平均値が左右前輪の平均タイヤ圧pfM
として演算され、一方、左右後輪用の平均タイヤ圧演算
部4においては、左右後輪のタイヤ圧prlおよびprr
平均値が左右後輪用の平均タイヤ圧prMとして演算され
る。
【0048】演算された左右前輪の平均タイヤ圧pfM
左右前輪用の平均コーナリングパワー演算部5に、左右
後輪の平均タイヤ圧prMは左右後輪用の平均コーナリン
グパワー演算部5にそれぞれ供給される。左右前輪用の
平均コーナリングパワー演算部5は、左右前輪の車輪荷
重の平均値の標準的な値の下に成立するタイヤ圧pと左
右前輪の平均コーナリングパワーKfMとの関係(図10
参照)に従い、左右前輪の平均タイヤ圧pfMに応じて左
右前輪の平均コーナリングパワーKfMを演算するように
設計されている。一方、左右後輪用の平均コーナリング
パワー演算部5も同様にして左右後輪の平均コーナリン
グパワーKrMを演算するように設計されている。
【0049】車両を平面2自由度線形モデル化する場合
には、文献『自動車の運動と制御』の「第3章 車両運
動の基礎」に記載されているように、操舵応答の伝達関
数(以下、ヨーレート伝達関数という)として次式が得
られる。
【0050】
【数7】
【0051】ただし、 γ(s):目標ヨーレートγのラプラス変換 δ(s):実舵角δのラプラス変換 s:ラプラス演算子 G(0):ヨーレートゲイン定数
【0052】
【数8】
【0053】T:時定数
【0054】
【数9】
【0055】ζ:操舵に対する車両の応答の減衰比
【0056】
【数10】
【0057】ωn :操舵に対する車両の応答の固有振動
【0058】
【数11】
【0059】A:スタビリティファクタ
【0060】
【数12】
【0061】V:車両の走行速度 δ:前輪の実舵角 L:車両のホイールベース Lf :車両重心点と前輪車軸との距離 Lr :車両重心点と後輪車軸との距離 Kf :前輪1個当たりのタイヤコーナリングパワー Kr :後輪1個当たりのタイヤコーナリングパワー m:車両の慣性質量 I:車両のヨーイング慣性モーメント k:車両のヨー慣性半径
【0062】ヨーレート演算部6には、走行速度検出部
1からは走行速度V、実舵角検出部2からは実舵角δ、
左右前輪用の平均コーナリングパワー演算部5からは左
右前輪の平均コーナリングパワーKfM、左右後輪用の平
均コーナリングパワー演算部5からは左右後輪の平均コ
ーナリングパワーKrMがそれぞれ逐次入力される。ヨー
レート演算部6は、それら入力信号に基づき、上記ヨー
レート伝達関数に従い、現時点の目標ヨーレートγを逐
次演算して出力する。
【0063】したがって、本実施例においては、タイヤ
圧に応じてタイヤのコーナリングパワーが推定され、そ
れと走行速度および舵角とに基づいて目標ヨーレートが
演算されるから、タイヤ圧の変動とは無関係にコーナリ
ングパワーを一律に推定する場合に比較して、目標ヨー
レートの精度が向上するという効果が得られる。
【0064】さらに、本実施例においては、操舵に対す
る車両の過渡応答をも考慮して目標ヨーレートが演算さ
れるようになっているため、操舵に対する車両の応答が
定常状態にあると過渡状態にあるとを問わず常に正確に
目標ヨーレートが演算されるという効果も得られる。た
だし、定常円旋回状態でのみ成立する伝達関数を用いて
目標ヨーレートが演算される態様で本発明を実施するこ
とは可能である。
【0065】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、走行速度検出部1によって走行速度検出手
段が構成され、実舵角検出手段2によって舵角検出手段
が構成され、角速度検出部46,外乱オブザーバ52,
相関演算部56,正規化部58およびタイヤ圧演算部6
0により構成されたタイヤ圧検出部3によってタイヤ空
気圧検出手段が構成され、平均タイヤ圧演算部4,平均
コーナリングパワー演算部5およびヨーレート演算部6
によってヨーレート検出手段が構成されている。
【0066】なお付言すれば、上記実施例の目標ヨーレ
ート検出装置が車両の実ヨーレートを実際に検出するヨ
ーレートセンサと共に車両に搭載される場合には、この
目標ヨーレート検出装置を用いることにより、両検出値
相互の関係から前述のようにして車両の実際の旋回特性
を判定することができる。
【0067】また、上記実施例は、本発明を2WS車用
の目標ヨーレート検出装置に適用した場合の一例であっ
たが、4WS車用の目標ヨーレート検出装置に適用した
り、2WS車用であると4WS車用であるとを問わず、
実ヨーレート検出装置に適用することもできる。
【0068】そして、本発明を実ヨーレート検出装置に
適用する場合には、実ヨーレートを実際に検出するヨー
レートセンサなしでも実ヨーレートの検出が可能とな
り、一方、走行速度検出部1,実舵角検出部2およびタ
イヤ圧検出のための電磁ピックアップ12等はヨーレー
トセンサに比べて安価であるため、結局、実ヨーレート
の検出を安価に行い得ることとなる。すなわち、ヨーレ
ートセンサなしでも車両の挙動を安価にかつ精度よく把
握し得るのである。
【0069】また、本発明が適用された実ヨーレート検
出装置をヨーレートセンサと共に車両に搭載する場合に
は、例えば、この実ヨーレート検出装置を用いてヨーレ
ートセンサの故障診断を行うこともできる。例えば、実
ヨーレート検出装置の検出値とヨーレートセンサの検出
値とが一定値以上異なる場合に、ヨーレートセンサが故
障したと診断することができるのである。
【0070】その他、いちいち例示することはしない
が、種々の改良,変形を加えた態様で本発明を実施する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を概念的に示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の一実施例である目標ヨーレート検出装
置の機能ブロック図である。
【図3】上記目標ヨーレート検出装置の一部であるタイ
ヤ圧検出部の詳細を示す機能ブロック図である。
【図4】上記タイヤ圧検出部の詳細を示す構成ブロック
図である。
【図5】車輪の一部を示す断面図である。
【図6】上記車輪の力学モデルを示す図である。
【図7】上記タイヤ圧検出部の一部を構成するためにコ
ンピュータに格納されている相関演算ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図8】上記タイヤ圧検出部の一部である外乱オブザー
バにおける外乱トルクのダイナミクスの近似を説明する
ための図である。
【図9】上記外乱オブザーバを示すブロック図である。
【図10】タイヤ空気圧とコーナリングパワーとの関係
の一例を示すグラフである。
【図11】タイヤ空気圧と車輪荷重とコーナリングパワ
ーとの関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 走行速度検出部 2 実舵角検出部 3 タイヤ圧検出部 4 平均タイヤ圧演算部 5 平均コーナリングパワー演算部 6 ヨーレート演算部 10 ロータ 12 電磁ピックアップ 14 車輪 20 コンピュータ 24 ホイール 26 タイヤ 28 リム側部 30 ベルト側部 32 ねじりばね 47 コンピュータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行速度,舵角およびタイヤのコ
    ーナリングパワーに基づいて車両のヨーレートを検出す
    る装置であって、 その車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、 その車両の舵角を検出する舵角検出手段と、 その車両のタイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧検出
    手段と、 検出されたタイヤ空気圧に基づいて前記タイヤのコーナ
    リングパワーを推定し、推定したコーナリングパワーと
    前記検出された走行速度および舵角とに基づいて前記車
    両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段とを含む
    ことを特徴とする車両のヨーレート検出装置。
JP23035493A 1993-09-16 1993-09-16 車両のヨーレート検出装置 Pending JPH0783949A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23035493A JPH0783949A (ja) 1993-09-16 1993-09-16 車両のヨーレート検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23035493A JPH0783949A (ja) 1993-09-16 1993-09-16 車両のヨーレート検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0783949A true JPH0783949A (ja) 1995-03-31

Family

ID=16906549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23035493A Pending JPH0783949A (ja) 1993-09-16 1993-09-16 車両のヨーレート検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0783949A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002370661A (ja) * 2001-06-15 2002-12-24 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 舵角中立点推定装置
JP2005014657A (ja) * 2003-06-24 2005-01-20 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2009255910A (ja) * 2008-03-27 2009-11-05 Honda Motor Co Ltd 後輪トー角制御装置
JP2012159378A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Sumitomo Rubber Ind Ltd 自動車用タイヤのコーナリング性能の予測方法
WO2014136188A1 (ja) * 2013-03-04 2014-09-12 トヨタ自動車株式会社 車両の基準運動状態量の演算方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002370661A (ja) * 2001-06-15 2002-12-24 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 舵角中立点推定装置
JP2005014657A (ja) * 2003-06-24 2005-01-20 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2009255910A (ja) * 2008-03-27 2009-11-05 Honda Motor Co Ltd 後輪トー角制御装置
JP4633175B2 (ja) * 2008-03-27 2011-02-16 本田技研工業株式会社 後輪トー角制御装置
JP2012159378A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Sumitomo Rubber Ind Ltd 自動車用タイヤのコーナリング性能の予測方法
WO2014136188A1 (ja) * 2013-03-04 2014-09-12 トヨタ自動車株式会社 車両の基準運動状態量の演算方法
JP5958643B2 (ja) * 2013-03-04 2016-08-02 トヨタ自動車株式会社 車両の基準運動状態量の演算方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0808731B2 (en) Apparatus for estimating vehicle tire air pressure from not only tired wheel motion but also tire temperature
Liu et al. Road friction coefficient estimation for vehicle path prediction
JP2749784B2 (ja) 旋回半径計算方法および旋回半径計算装置
US6862512B2 (en) Method and system for controlling the performance of a motor vehicle
JPS62146754A (ja) 自動車の前進調整装置
JPH0789304A (ja) 車輪の外乱検出装置とその使用方法
JP2001334921A (ja) 車両の路面摩擦係数推定装置
JP2008522886A (ja) 車両の重心の高さを決定する装置及び方法
JP5206490B2 (ja) 車両接地面摩擦状態推定装置及びその方法
JP3271952B2 (ja) 車両の路面摩擦係数推定装置
JPH0783949A (ja) 車両のヨーレート検出装置
JPH06221968A (ja) 路面摩擦係数検出装置
JP3319989B2 (ja) 車両の運動制御装置におけるセンサ検出値補正装置
JP3217700B2 (ja) 車体横すべり角検出装置
JP2008087548A (ja) 旋回状態推定装置、自動車、及び旋回状態推定方法
JP3300572B2 (ja) タイヤ空気圧推定装置
JP2003054230A (ja) タイヤ空気圧低下検出方法および装置、ならびにタイヤ減圧判定しきい値の選択プログラム
JPH08332934A (ja) 車輌の横滑り状態量検出装置
JPH0561147B2 (ja)
JPH0755828A (ja) 車両のヨーレイト検出装置
JP3328533B2 (ja) タイヤ空気圧異常判定装置
JPH0752618A (ja) タイヤ圧に基づく走行可能量報知装置
JP3704939B2 (ja) 制動力制御装置
JPH0581468B2 (ja)
JP3801437B2 (ja) タイヤ特性判定装置