JP3278212B2 - 振れ補正装置 - Google Patents

振れ補正装置

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JP3278212B2 JP31208992A JP31208992A JP3278212B2 JP 3278212 B2 JP3278212 B2 JP 3278212B2 JP 31208992 A JP31208992 A JP 31208992A JP 31208992 A JP31208992 A JP 31208992A JP 3278212 B2 JP3278212 B2 JP 3278212B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラ等の撮影装置に
用いて好適な揺れ補正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりカメラ等の撮影装置の分野で
は、露出設定、焦点調節等あらゆる点で自動化,多機能
化が図られ、撮影環境にかかわらず常に良好な撮影を行
うことができるようになつている。
【0003】しかしながら実際に撮影画像の品位を著し
く低下させているのはカメラ振れであることが多く、近
年ではこのカメラ振れを補正する振れ補正装置が種々提
案され、注目を集めているところである。
【0004】振れ補正装置は、補正系では光学的に補正
するもの、画像処理によつて電気的に補正するものに大
別され、また検出系では物理的に振動を検出するもの、
画像の動きベクトル等を画像処理によつて検出するもの
に大別され、多くの形態が考えられる。
【0005】図19に従来の振れ補正装置の構成の一例
を示す。
【0006】同図において、1は例えば振動ジャイロ等
の角速度センサからなる角速度検出器であり、カメラ等
の撮影装置に取り付けられている。2は角速度検出器1
から出力される速度信号の直流成分を遮断して交流成分
すなわち振動成分のみを通過させるDCカツトフイルタ
である。このDCカツトフイルタは、任意の帯域で信号
を遮断するハイパスフイルタ(以下HPFと称す)を用
いてもよい。3はDCカツトフイルタより出力された角
速度信号を適当な感度に増幅するアンプである。
【0007】4はアンプ3より出力された角速度信号を
デジタル信号に変換するA/D変換器、5はA/D変換
器4の出力を積分して角変位信号を出力する積分器、6
は積分回路5より出力された角速度信号の積分信号すな
わち角変位信号からパンニング,チルテイングの判定を
行うパン・チルト判定回路、7はパン・チルト判定回路
の出力をアナログ信号あるいはPWM等のパルス出力に
変換して出力するD/A変換器である。そしてA/D変
換器4、積分器5、パン・チルト判定回路6、D/A変
換器7は、例えばマイクロコンピュータ(以下マイコン
と称す)COM1によつて構成される。8はマイコンよ
り出力された変位信号に基づいて、後段の画像補正手段
を、振れを抑制するように駆動する駆動回路、9は画像
補正手段で、たとえば光学的光軸を変位させて振れを相
殺する光学的補正手段、あるいは画像を記憶したメモリ
より電子的に画像の読み出し位置をシフトして振れを相
殺する電子的補正手段が用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
述の振れ補正装置では、以下に示すような問題点があ
る。
【0009】図4は既存の角速度センサを使用した振れ
補正装置を搭載したカメラ等の装置に一定振幅の加振を
行つたとき、画像補正手段9において得られる振動成分
信号の周波数特性である。
【0010】図4の周波数特性において、10Hzでの
特性に注目すると、利得特性はほぼ0dBとなつている
が、位相は約7.5degのずれを生じている。そして
この位相ずれを主要因として、加えられた振動に対し
て、3Hzでは1/100以下の振動に抑えられている
ものが、10Hzでは約1/8程度の振動にしか抑える
ことができなくなつている。
【0011】このような、この特性における振れ補正の
効果を考えた場合、通常の撮影においては十分な効果が
期待できるとしても、10Hz付近の周波数の振動が連
続してカメラ等の装置に加わつているときには、その周
期的振動が目につきやすくなる。
【0012】このように、角速度センサを用いた上述し
たような現状の振れ補正装置では、十分な振動抑制効果
の期待できない周波数帯域で、連続した振動が加わり続
けた場合、加わっている振動の大きさによっては、補正
残りが目立つことが問題であった。
【0013】そこで、本出願人は、振れ補正機構を含む
撮影装置に加わつている振れ、つまり補正すべき振れの
中心周波数を検知し、その出力に応じて利得特性及び位
相特性を変化させ、振れの中心周波数の利得ずれ、位相
ずれを補正しようとする提案を行つた(特願平4−24
3485号)が、振れの周波数検出手段は、外部に独立
して用意されていたため、構成及び調整の簡略化の点で
は、まだ改良の余地のあるものであつた。
【0014】そこで、本発明の課題は上述した問題点を
解決するとともに、本出願人による先願をさらに改良す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、機器の振動を検出する第1の検出手段と、
前記振動による画像の動きを補正する補正手段と、前記
第1の検出手段の出力に基づいて前記補正手段を制御
し、前記画像の動きを補正する方向に前記補正手段を駆
動する第1の制御手段と、前記第1の検出手段の出力か
ら前記振動の変位を検出する第2の検出手段と、前記第
2の検出手段の出力に基づいて前記第1の制御手段の特
性を制御する第2の制御手段とを有し、前記第2の検出
手段は、前記第1の検出手段の出力を積分演算する積分
手段と、該積分手段の出力信号から振動の周波数を検出
する周波数検出手段とを有する振れ補正装置とするもの
である。 また、本発明は上記目的を達成するために、機
器の振動を検出する第1の検出手段と、前記振動による
画像の動きを補正する補正手段と、前記第1の検出手段
の出力に基づいて前記補正手段を制御し、前記画像の動
きを補正する方向に前記補正手段を駆動する第1の制御
手段と、前記第1の検出手段の出力から前記振動の変位
を検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段の出
力に基づいて前記第1の制御手段の特性を制御する第2
の制御手段とを有し、前記第2の検出手段は、前記第1
の検出手段の出力の離散値の信号の増減により、周波数
を検知する振れ補正装置とするものである。
【0016】
【作用】これによって、種々の周波数の振れに対して適
切な振れ補正が可能となる。
【0017】
【0018】
【実施例】以下、本発明を各図を参照しながらその実施
例について詳細に説明する。
【0019】(第1の実施例)図1は本発明における振
れ補正装置の第1の実施例の主たる構成を示すブロツク
図である。同図において、上述の第19図に示す先行例
と同一構成部分については同一の符号を付し、詳細な説
明は省略する。
【0020】同図において、カメラ等の撮影装置に取り
付けられた振動ジャイロ等の角速度センサからなる角速
度検出手段1、角速度検出手段1から出力される速度信
号の直流成分を遮断するDCカツトフイルタ(あるいは
HPF)、角速度信号を所定感度に増幅するアンプ3、
駆動回路8、画像補正手段9については、上述の第19
図に示す先行例と同一構成のものを用いることができる
ものであり、本発明において異なるのは、装置全体の制
御を行うマイクロコンピユータCOM2の内部構成であ
る。なお本実施例においては、画像補正手段9としてた
とえば後述の可変頂角プリズム(VAP)あるいはメモ
リ制御方式が用いられている。
【0021】マイコンCOM2内の構成を見ると、アン
プ3より出力された角速度信号をデジタル信号に変換す
るA/D変換器4、任意の帯域で特性を可変し得る機能
を有するHPF10、HPF10によつて抽出された所
定の周波数成分の信号を積分してその周波数成分におけ
る角変位信号を求める積分回路5、積分回路5より出力
された積分出力信号すなわち角変位信号の位相及び利得
を後述の周波数検出手段にしたがつて補正する位相及び
利得補正回路11、位相及び利得補正回路11の出力信
号をアナログ信号あるいはPWM等のパルス出力に変換
して出力するD/A変換器7が配されている。
【0022】また12はA/D変換器3より出力された
角速度信号及び積分回路5より出力された変位信号から
パンニング,チルテイング及び撮影状態の判別を行い、
その判定結果に応じてHPFの特性を変更するパン/チ
ルト判定回路である。
【0023】このパン/チルト判定回路の具体的動作
は、A/D変換器4より出力された角速度信号の振動の
有無及び積分回路5より出力された角変位信号を入力
し、角速度が一定で、角速度信号を積分した角変位信号
が単調増加を示す場合に、パンニングあるいはチルテイ
ングであると判定し、このようなときには、HPF10
の低域カツトオフ周波数を高くなる方へと変移させ、低
域の周波数に対して振れ補正系が応答しないように特性
を変更するものである。
【0024】パンニング/チルテイングが検出された場
合には、VAPを序々に移動範囲中心へとセンタリング
する。この間も角速度信号及び角変位信号の検出は行わ
れており、パンニング/チルテイングが終了した場合に
は、再び低域のカツトオフ周波数を低下して振れ補正範
囲を拡張する動作が行われる。
【0025】13はA/D変換器3より出力された角速
度信号から装置に加わつている振動を検出し、その振動
周波数に応じて位相及び利得補正回路11の特性を制御
する周波数検出手段である。
【0026】ここでマイコンCOM2より出力される制
御信号に応じて画像の振れを実際に補正する駆動回路
8,画像補正手段9について、例を上げて説明すると、
例えば図8,10,14に示すようなものが挙げられ
る。
【0027】図8は、可変頂角プリズム(以下VAP:
Varriable angle prisumと称す)306を用いるととも
に駆動系にはボイス・コイルを使用し、角変位をエンコ
ーダ検出して駆動系にフイードバツクして駆動量を制御
するような閉ループを構成する制御系としたものであ
る。
【0028】まず、VAPについて詳しく述べると、図
12に示すように、可変頂角プリズム306は、対向し
た2枚の透明平行板340a、340bの間に透明な高
屈折率(屈折率n)の弾性体または不活性液体342を
狭持した形で充填するとともにその外周を樹脂フィルム
等の封止材341にて弾力的に封止し、透明平行板34
0a、340bを揺動可能とした構造のものであり、透
明平行板340a、340bを揺動することにより、光
軸を変位させ、振れを補正するものである。
【0029】図13は、図12の可変頂角プリズム30
6の一方の透明平行板340aを揺動軸301(31
1)の回りに角度σだけ回動させたときの入射光束34
4の通過状態を示した図であり、同図に示すように、光
軸343に沿って入射してきた光束344は楔形プリズ
ムと同じ原理により、角度φ=(n−1)σだけ偏向さ
れて出射する。即ち、光軸343は角度φだけ偏心(偏
向)される。
【0030】図8の説明に戻ると、以上説明したVAP
306は保持枠307を介して301,311を軸とし
て回動し得るよう、鏡筒302に固定されている。
【0031】313はヨーク、315はマグネツト、3
12はコイルであり、コイル312に電流を流すことに
より311を中心としてVAPの頂角を可変し得る、ボ
イスコイル型のアクチユエータが構成されている。31
0はVAPの変位検出用のスリツトであり、回転軸31
1と同軸に保持枠307すなわちVAP306とともに
回動してその位置を変位する。308はスリツト310
の位置を検出する発光ダイオード、309はPSD(Po
sition Sensing Detector )であり、発光ダイオード3
08とともにスリツト310の変位を検出することによ
り、VAP頂角の角変位を検出するエンコーダを構成し
ている。
【0032】そしてVAP306によって入射角度が変
えられた光束は撮影レンズユニツト303によつてCC
D等の撮像素子304の撮像面上に結像される。
【0033】なお305は保持枠307の軸301及び
311からなる回転軸と直交するもう片方の回転軸中心
を示している。
【0034】次にVAPを駆動制御する制御回路の基本
的な構成及び動作について図9のブロツク図を用いて説
明する。
【0035】同図において、306はVAP、322は
アンプ、323はアクチユエータを駆動するドライバ
ー、324は上述したVAP306駆動用のボイス・コ
イル型アクチユエータ、326はVAPの頂角変位を検
出するエンコーダ、325はマイクロコンピユータCO
M2から出力される振れ補正用の制御信号320と角変
位エンコーダ326の出力信号とを逆極性で加算する加
算器であり、マイクロコンピユータCOM2から出力さ
れる振れ補正用の制御信号320と角変位エンコーダ3
26の出力信号とが等しくなるように制御系が動作する
ので、結果として制御信号320がエンコーダ326の
出力と一致するようにVAP306が駆動されることに
より、マイクロコンピユータCOM2の指示された位置
にVAPが制御されるものである。
【0036】図10は他の画像補正手段の例を示すもの
であり、前述のVAPをボイス・コイル型アクチユエー
タでなく、ステツピングモータを使用して駆動するよう
構成したものである。
【0037】これは、回転軸301を回動中心として、
ステツピングモータ401により、保持枠307を介し
て、VAPを駆動する構成となっている。すなわち鏡筒
302に取り付けられた支持枠403にその回転軸にリ
ードスクリユー401aを配されたステツピングモータ
401を取り付けるとともに、前記支持枠403のガイ
ド軸405によつて光軸方向に移動可能に案内されるキ
ヤリア404を前記リードスクリユー401aに常時噛
合させ、且つキヤリア404を支持枠307に固定され
た連結杆407と回動軸406をもつて回動自在に連結
することにより、ステツプモータ401を回転してキヤ
リア404を光軸方向に移動し、連結杆407を介して
保持枠を回動軸301,311を中心に回動させ、VA
Pを駆動するものである。また402はVAPの基準位
置を検出するリセツトセンサである。なお、これと同様
のVAP駆動機構が、軸305についても設けられてい
るが、それについては説明を省略する。
【0038】そして、図10のシステムを駆動制御する
ための回路構成は図11に示すブロツク図のようになつ
ている。
【0039】図11において、マイクロコンピユータC
OM2より出力される制御信号320を、駆動演算回路
410において駆動演算してVAPの駆動信号に変換
し、ドライバー・IC411に出力してする。そしてド
ライバー・ICによりステツピング・モータ401を駆
動し、VAPの頂角を変化させるものである。
【0040】また図14は画像振れ補正手段の第3の例
を示すものであり、メモリに画像情報を記憶し、メモリ
からの画像の切り出し範囲を記憶されている画像より小
さめに設定するとともに、画像の動きを相殺する方向に
メモリからの画像切り出し位置をシフトすることによつ
て振れを補正し、さらに切り出した画像信号を拡大処理
して画面サイズを補正してから出力するように構成され
たメモリ制御方式の画像振れ補正手段を示すものであ
る。この方式はVAP等の光学的補正機構を用いること
なく電子的に振れ補正を行うことができるところに特徴
がある。
【0041】同図において、100はズームレンズ、1
01は光学像を電気信号に変換する撮像素子(CCDイ
メージセンサ等)、102はA/D変換器、103は、
マイコンCOM2より入力される制御信号(振れ信号)
110に基づいて撮像信号中の振れ成分を低減するよう
に、フイールドメモリ106より所定の画像情報の切り
出し位置をシフトして画像の振れを補正する振れ補正処
理及びフイールドメモリ106より読み出した画像に拡
大処理を行つて所謂電子ズームを行い、通常の画面サイ
ズに変換する画角補正処理手段を構成する画像処理回路
であり、マイクロコンピユータによつて実現される。
【0042】104はフイールドメモリより読み出した
画像を通常の画角に補正するための電子ズームを行う
際、ズーム情報により2つ以上の隣接する画素の画像情
報から一つの画素信号を補間する補間処理手段である。
この補間方法については、周知の手段を用いればよく、
たとえば隣接画素間の平均値で画素間を補間するように
すればよい。また105はD/A変換器、107はズー
ムレンズ100のズーム倍率比を検出するエンコーダで
ある。
【0043】次に動作を説明すると、ズームレンズ10
0を通過した光学像は、撮像素子101により電気信号
に変換され撮像信号として出力される。その撮像信号を
A/D変換器102でデジタル信号に変換し、103の
メモリ制御部を介して1フィールド分の画像情報をメモ
リ106に書き込む。ここで、マイコンCOM2より入
力される振れ信号とエンコーダ107からのズーム情報
により、フイールドメモリ106からの画像信号の切り
出し位置すなわち読みだす範囲及びその読み出し位置を
決定する。
【0044】次に、フイールドメモリ106から読みだ
した信号を、切り出しサイズに応じて出力画像の走査幅
すなわち画角を元の大きさに変換するために、通常の一
画素の出力期間に何画素出力するかを求め、画素情報の
無い画素について補間処理を補間処理回路104にて行
う。そして、この信号をD/A変換器105によつてア
ナログ信号に変換して出力する。
【0045】以上、振れを補正するための画像補正手段
について、その具体例について説明した。
【0046】次に、図1に示す本実施例におけるマイコ
ンCOM2の処理動作について、図2のフローチャート
により説明する。同図において、制御をスタートする
と、ステツプS201において、DCカツトフイルタ
2,アンプ3を介して直流分を除去されるとともに所定
のレベルに増幅された角速度検出手段1からの角速度信
号が、A/D変換器4によつてデジタル信号に変換され
てマイコンCOM2へと取り込まれる。
【0047】続いてステップS202において、角速度
信号及びHPF10によつて角速度信号中から抽出した
所定の高域成分を積分回路5によつて積分して得た角変
位信号により、パンニング/チルテイング及び撮影状態
の判断を行う。
【0048】ステップS203では、その判定結果に応
じて、上述したようにHPF10の特性を設定するため
の係数を予めマイコンCOM2内に用意されている図示
しないテーブルから読み出す。すなわちHPF10をデ
ジタルフイルタによつて構成すれば、その係数を記憶し
たテーブルより所定の係数を読み出して設定することに
より、HPF10の特性を自由に可変することができ
る。これらのパンニング/チルテイング及び撮影状態に
応じた係数は経験上求められたものである。
【0049】ステップS204では、前記特性設定用の
係数によりHPF10の演算を行つてその特性を設定
し、ステップS205では、HPF10の出力した信号
を積分回路5によつて積分演算し、角変位信号(振れ信
号)に変換する。
【0050】ステップS206では、周波数検出手段1
3によつてA/D変換器4より出力された角速度信号を
演算してその振れの中心周波数を検出し、ステップS2
07で、ステップS206において求められた振れの中
心周波数に応じた位相及び利得補正回路11の補正係数
を予めマイコンCOM2内に用意されている図示しない
テーブルから読み出す。
【0051】位相及び利得補正回路11は、振れ補正系
の位相遅れによる振れ補正特性の劣化を補償するための
もので、位相進み要素を持ち、後述するように、例えば
デジタルフイルタで構成されており、このデジタルフイ
ルタこの補正係数を読み出して、その振れ周波数に対応
した位相及び利得補正特性を設定するものである。
【0052】ステップS208では、ステップS207
で得られた係数で補正演算を行い、ステップS209に
おいて得られた演算結果すなわち補正が施された角変位
信号を、D/A変換器7によりアナログ信号に変換し、
あるいはPWM等のパルス出力としてマイコンCOM2
より出力する。
【0053】なお、HPF10,積分回路5,位相及び
利得補正回路11は、デジタルフイルタ等を使用してい
るので、サンプリング時間が比較的高くなければならな
い(例えば1kHz程度)が、パンニング/チルテイン
グ及び撮影状態の判断を行う判定回路12、周波数検出
手段13は比較的遅い周期(例えば100Hz)の処理
でよい。つまり、状況に応じての変更が可能である。
【0054】なお、図1の角速度信号を用いた周波数検
出手段13としては、例えば、信号中心付近にしきい値
を設け、この中心と交差する時間、あるいは一定時間に
交差する回数等で検出が可能であるが、この方法では、
直流的な信号の安定性に依存してしまう。つまり手持ち
での撮影などでは、低い周波数成分もかなり入るので正
確な振れ周波数検出が難しくなってしまう。
【0055】そこで、本実施例では、各サンプリング毎
の信号の増減に着目し、周波数の検出を行う。すなわち
信号の増加・減少の1組で1つの振れとし、所定時間内
に何組検出したかで周波数を割り出す。この方式では、
1秒で1Hz毎の、2秒で0.5Hz毎の検出が可能で
ある。
【0056】ここで本実施例における周波数検出手段1
3の手法及び動作の一例について、図3に示すフローチ
ャートを用いて説明する。尚、この処理は、一定時間毎
に1回の割合で繰り返し行われるものとする。
【0057】ステップS301では、周波数検出時間T
の読みだし(ロード)を、ステップS302で時計機能
用カウンタtの読みだしすなわちカウンタのカウント動
作を開始し、ステツプS303で周波数検出時間Tと時
計カウンタtとの比較を行い、時計カウンタのカウント
値tが所定時間Tに達したか否かの判定を行い、時計カ
ウンタtがTに到達していれば、ステツプS319へ、
達していなければステツプS304へと移行する。
【0058】ステップS304においては、時計カウン
タに「1」を加算する。したがつてこの「1」カウント
アツプは図3のフローチヤートに示す処理を1回実行す
る際の処理時間と一致している。
【0059】ステップS305では角速度信号の増加が
前回までに起きているかを確認するための増加フラグ1
をロードする。この増加フラグは、前回までに増加が生
じているときには「H」がセツトされ、過去に増加が生
じていなければ「L」がセツトされている。
【0060】ステップS306では、角速度信号の増加
が前回までに起きているか否かをフラグ1により判断
し、フラグ1=「H」であれば、増加が過去に生じてい
ると判定してステップS307へ進み、フラグ1=
「L」であれば、増加が過去生じていないと判定してス
テップS312へと進む。
【0061】ステップS306において、角速度信号の
増加が前回までに起きていた場合には、ステップS30
7において、減少が前回までに起きているかを確認する
ための、減少フラグ2をロードする。減少フラグ2は、
前回までに減少が起きている場合には「H」がセツトさ
れ、過去に減少が生じていない場合には「L」がセツト
されている。
【0062】ステツプS308では、減少が前回までに
起きているか否かをフラグ2により判断し、フラグ2=
「H」すなわち減少が過去生じている場合にはステップ
S309へ、フラグ2=「L」すなわち減少が過去生じ
ていなければステップS312へと移行する。
【0063】ステップS309では、振れ(振動)の回
数をカウントする振れ回数カウンタN1をロードし、ス
テップS310で、振れ回数カウンタN1に「1」を加
算した後、ステツプS311へと移行して増加フラグ
1,減少フラグ2をリセットして処理を終了する。
【0064】一方、ステツプS306で増加フラグ1が
「H」でないと判定された場合及びステツプS308で
減少フラグ1が「H」でないと判定された場合、すなわ
ち過去に増加も減少も生じていない場合には、ステツプ
S312へと移行して1サンプリング前(前回の処理)
での角速度データω-1をロードし、続いてステップS3
13へと進み、角速度検出手段1で検出された今回の角
速度データωのロードを行う。
【0065】ステップS314においては、1サンプリ
ング期間内における角速度データの増加あるいは減少が
生じたと判断する変化分のしきい値レベルaをロードす
る。このしきい値レベルaとサンプリング時間により、
周波数と振幅に応じた値に設定することができる。
【0066】ステップS315では、1サンプリング期
間内での角速度データの変化量の絶対値をしきい値レベ
ルaと比較し、それに達していなければステップS32
4へと移行して処理を終了し、達していれば(変化量の
絶対値がしきい値レベルa以上であれば)ステップS3
16へと進み、1サンプリング期間での角速度の変化量
が正(増加)であるか負(減少)であるかを判定し、正
であればステップS317へと進んで増加フラグ1を
「H」にセットし、正でなければ(減少であれば)ステ
ップS318の処理へと移行して減少フラグ2を「H」
にセットしてからステツプS324へと移行して処理を
終了する。
【0067】ところで、上述のステツプS303におい
て、時計カウンタtのカウント値が周波数検出時間Tに
達していた場合には、ステツプS319へと移行し、振
れ回数カウンタN1をロードし、ステツプS320にお
いて、振れ回数N1を検出時間Tで除算し、単位時間
(1秒間)の振れ回数(振れ周波数F)を求める。
【0068】続いてステップS321で振れ回数カウン
タN1をクリアし、ステップS322で時計カウンタt
をクリアし、ステツプS323で振れ周波数Fを所定の
記憶領域にストアを行い、ステツプS304へと移行す
る。以後の動作は上述の通りである。
【0069】このように、角速度信号の増加・減少の一
組で一つの振動とみなすことにより、低周波数域(例え
ば1Hz以下)での揺れを取り除いての検出が容易であ
り、しきい値レベルaの設定によりノイズ成分の影響を
除去することができる。またマイコンを用いて処理を行
うことにより、容易に実現することができる等の利点が
ある。
【0070】なお、この方式では周波数検出時間Tの設
定により検出精度を可変することができ、例えば、1秒
間であるなら1Hzの分解能で、2秒間であるなら0.
5Hzの分解能となる。
【0071】よって、検出された振れ周波数Fに応じ
て、周波数検出時間Tを変更することで、検出周波数に
応じた検出精度が実現できる。例えば、検出周波数Fが
〜10Hzの時はT=2[SEC] として、0.5Hzの精
度で検出し、F=10Hz〜の時はT=1[SEC] とし
て、1Hzの精度として検出することで振れ周波数の検
出に要する時間を短縮することができる。
【0072】この方式だと、低い周波数の揺れと、高い
周波数の揺れが同時に起こっているときには高い振れの
周波数が取り出せる。
【0073】通常、このような振れ補正装置における補
正周波数範囲は、手振れでは1〜15Hz程度である
が、撮影状態により、例えば静止撮影では3〜5Hz程
度の振幅が、乗り物の上なら6〜10Hzの振幅が大き
いというように、撮影者の熟練度、撮影状態により、比
較的大きな振幅の振れは、周波数がある程度狭い範囲
(帯域)に分布することがわかっている。また、三脚を
使用した場合には高い周波数の振れが気になり、成分的
には、20〜30Hz以上にまで分布する。
【0074】ここで以上の実施例における効果を述べる
と、まず第1に振れの中心周波数を検知しているので、
前述のように、撮影状態の判断の1項目として有効であ
る。
【0075】また、先に位相及び利得の補正手段と組み
合わせることにより、撮影者の熟練度、撮影状態などに
応じて最適の補正が可能である。
【0076】仮に、振れ補正の十分な効果を得られるの
が、加わった振れに対して残留振れ成分を−30dB以
下に出来れば、十分な振れ補正状態であるとする。この
仮定は、振れの補正効果に対しては撮影装置の焦点距離
が大きく作用しているので、例えば、単純には焦点距離
が2倍であれば、2倍の抑制効果がないと得られる画像
において同一の効果が得られないからである。
【0077】しかし、振れを検知する振れセンサ、画像
補正系を含めた総合的な振れ抑制効果において、現状で
は、振れに対して振れ補正後の残留振れ量を−30dB
に抑えることのできる範囲は、前述の補正対象の振れの
帯域(例えば、1〜15Hz)に比べて狭い範囲でしか
得られない。
【0078】具体的に例を示すため、現状の角速度セン
サと図8に示す画像補正手段によって得られる周波数特
性が図4のようなものであるとする。
【0079】これは、図1の角速度検出手段である振れ
センサ1に加える正弦波状の振れの入力に対する、画像
補正系の周波数特性を示したものである。上図が利得特
性を表し、下図が位相特性を表している。縦軸がそれぞ
れ利得(上図)、位相(下図)を示し、横軸が周波数
(1〜50Hz)を表している。
【0080】これのレンジを拡大してみたのが図5の特
性1である。この特性1について、位相に着目してみる
と、3Hzで位相が一致しており、その前後の周波数で
は、低周波側に向かうに従い、HPF5(ここでは、遮
断周波数0.06Hzとしている。)あるいは積分回路
6(遮断周波数0.07Hzとしている。)の影響によ
り位相が進み、高周波側に向かうと、角速度検出手段1
や画像補正手段9の影響で位相が遅れている。なお、利
得は1〜10Hz程度まで、ほぼ一定である。
【0081】このときの抑振特性を示したものが、図7
の特性6であり、同図は、周波数(横軸)に対する補正
の効果(縦軸、dBで表示)である。この図から解るよ
うに、位相の一致している3Hzにおいて最良の抑制が
でき、2〜4Hzでは−30dBの抑制をほぼ達成して
いるが、10Hzにおいては、−18dB程度の抑振効
果となつている。
【0082】すなわちこの位相のずれにより振れ抑制の
効果の悪化を招いている。
【0083】ここで、この特性1の位相遅れを補正する
ために、 H(S) = a (S + z) ・・・ (1) という伝達関数で表される位相進み要素を持った特性を
直列接続すれば、位相を所定の周波数で補正することが
できる。これは振れ抑制の範囲より高い周波数に設定
し、位相を進めるものである。これを位相及び利得補正
回路11で行う。
【0084】例えば、特性1の10Hzでの位相遅れに
注目すると、約7.5deg遅れている。よって、10
Hzで7.5deg位相を進ませればこの位相遅れを補
正することができ、結局十分な振動抑制効果を得ること
ができる。
【0085】すなわち特性1の位相ずれを10Hzにお
いて補正した(位相を一致させ、なおかつ利得も一致さ
せる)のが特性2である。これは式(1)のz(=0)
により設定できる。
【0086】また、利得も10Hzで0dBとなるよう
にaを調整する。これを位相及び利得補正回路11で実
現すれば、特性1を特性5に特性変更でき、これより抑
振効果を示す特性7が得られる。特性7より、このとき
に、10Hz付近で最良の抑振効果が得られることが解
る。なお、特性7は残留振れ成分を示すもので、 20Log(OUT/IN) ・・・ (2) OUT:振れ補正後の残留振れ成分 IN:振れ量 で表される。
【0087】20Hzにおいても同様に、特性1に対
し、特性4を位相及び利得補正手段11で実現すれば、
特性5を得ることができる。この特性より実現される抑
振効果としては特性8であり、20Hz付近で最良の抑
振効果が得られている。
【0088】なお、位相及び利得補正手段11において
式(1)の特性を実現するためには、デジタル・フイル
タを用いれば、その係数を変更するだけで所望の特性を
設定することができる(図1参照)ので、マイコンを用
いる制御には好適である。そしてこの時のデジタルフイ
ルタには、1次IIRフィルタを使用するなら、 u0 = a0 ・w0 + a1 ・w1 w0 = e0 + a2 ・w1 w1 = w0 (w1 は状態変数) e0 : 入力 u0 : 出力 a0 ,a1 ,a1 :フイルタ係数 の演算により実現でき、フイルタ係数a0 ,a1 ,a2
を変えることにより、周波数特性を設定できるので、振
れ周波数に対応したフイルタ係数a0 ,a1 ,a2 のデ
ータをテーブルとして用意し、そのテーブルから得られ
るフイルタ係数で上記のIIRフイルタの演算を行えば
よい。
【0089】すなわち、上述の実施例によれば、角速度
検出手段1より出力された角速度信号より、周波数検出
回路13によつて振れの中心周波数を検出し、その振れ
の中心周波数において制御系全体の位相,利得ともそれ
ぞれ0deg,0dBすなわち最良の抑振特性が得られ
るような位相進み補償を制御系に与えるべく、位相及び
利得制御回路11のデジタルフイルタのフイルタ特性を
可変するようにしたので、いかなる振れ周波数に対して
も、常に最良の抑振効果を得ることができる。
【0090】また具体的には位相及び利得制御回路11
を構成するデジタルフイルタの特性が、各振れ周波数に
応じた周波数特性となるように、マイコン内のデータテ
ーブルに予め記憶されたフイルタ係数を、その振れ周波
数に応じて読み出して設定するだけでよいので、構成,
制御が簡単であり、特にマイコンによる処理には好適で
ある。
【0091】例えば、ビデオムービー等を手持ちでの撮
影した場合、手振れとしては比較的広い周波数範囲に分
布するが、比較的振幅の大きな振れは撮影者の熟練度や
撮影状態などである程度狭い範囲に分布する。そこで、
このような振れの中心帯域に最良の補正効果を与えるよ
うに構成できれば、撮影者の熟練度、撮影状態(手持
ち、三脚に取り付けて、あるいは乗り物の上から等)に
応じて最適の補正が可能となる。
【0092】(第2の実施例)次に、本発明の第2実施
例について図15を用いて説明するが、この第2の実施
例における振れ補正装置の回路構成において、図1の構
成と異なる点はマイコン内部の処理であり、図15にお
けるマイコンCOM3内の積分回路5の出力信号を周波
数検出手段13に入力し、演算に使用している点であ
り、他の構成についてはマイコンの内外とも図1と同様
であり、説明は省略する。
【0093】すなわち本実施例は、角速度信号を考えた
場合に、低周波では利得が低くなってしまうことから感
度、精度とも低下するため、既存の積分回路5の積分出
力すなわち角変位信号を利用することで、低周波数域で
の検出能力を向上したものであり、第1の実施例の角速
度信号による周波数検出と同じ手法で、積分回路5より
出力される角変位信号を使って周波数検出を行う。
【0094】角速度信号においては、このままの系で使
用すると、取り込む信号のダイナミツクレンジの関係
で、低周波数域での検出能力が限られてしまう場合があ
る。そこで角変位信号による検出を行うことで低周波数
域での検出能力を高めるわけである。
【0095】つまり角速度信号は、振れが同一振幅であ
れば、周波数が高いほど信号が大きくなるが、系の構成
上、ゲインはある程度の値に限られる。そうすると、低
周波数域で十分な信号が得られず、検出能力が限られて
しまうことになる。
【0096】しかし角変位信号は積分信号であるため、
振れが同一振幅であれば、当然周波数によらず振幅は一
定である。よって、比較的低周波数の振れの周波数検出
には適している。しかしながら高周波数になるに従っ
て、振れは小さくなる傾向にあるので、高周波域での検
出が逆に困難になる。
【0097】このような両信号の特性を鑑み、両方の信
号の検出能力の優れた部分を用いて振れを検出すること
により低周波数域及び高周波数域の全域において精度を
向上させたものである。
【0098】なお積分回路5より出力された角変位信号
からの検出は低周波数域に絞り、信号のサンプリング周
期を、角速度信号における検出のサンプリング周期より
も遅く構成する。
【0099】なお最終的には、両方で検出されたものの
大きい方をとれば良い。
【0100】(第3の実施例)図16に、第3の実施例
を示す。これはパンニング時の処理手段と位相及び利得
補正回路11とをHPF10で兼ねたもので、特長とし
ては、利得及び位相補正回路11を単独で設ける必要が
なく、また振れの中心周波数より低い周波数を遮断する
ため、操作性が向上する(低域の抑振性能が低いほど、
カメラ等に対する像振れ補正装置の追従性が向上するの
で、操作性は遮断周波数が高周波側なほど良くなる)。
つまり振れの中心周波数は、十分に振れ補正を行い、な
お且つ振れの中心周波数が高ければ、HPFによる低周
波数の遮断周波数が上がり、操作性が向上することにな
る。
【0101】次に、この実施例におけるマイコンCOM
4の処理動作について、図17のフローチヤートにより
説明する。
【0102】同図において、処理を開始すると、ステツ
プS401においてDCカツトフイルタ2,アンプ3を
介する角速度検出手段1からの角速度信号をA/D変換
器4によつてデジタル信号に変換して取り込み、ステッ
プS402で角速度信号,角変位信号により、上述した
第1の実施例と同様に、パンニング/チルテイング及び
撮影状態の判断を行う。これは振れの変化から手持ち撮
影,乗り物上からの撮影等の判別を行うとともに、角速
度信号が一定で且つ角変位信号が単調に増加する場合に
パンニングあるいはチルテイングの判定を行うものであ
る。
【0103】ステップS403においては、角速度信号
を演算して振れの中心周波数を検出し、続いてステップ
S404にてパンニング/チルテイング及び撮影状態の
判断及び振れ中心周波数の検出結果から、HPF10の
特性を設定する特性係数を読みだす。
【0104】なお、この時の係数の定め方としては、両
方の値よりデータテーブルより検索する方法や、各々の
特性を比較し、遮断周波数がより高い周波数の係数を設
定する方法等、各種考えられるが、基本的には、振れ中
心周波数検出結果から得られるHPFの遮断周波数を基
準として、パンニング/チルテイング時にはHPFの遮
断周波数がより高周波側へ行くように制御を行う。
【0105】なお、これらのパンニング/チルテイング
及び撮影状態に応じた係数は経験上求められたものであ
る。
【0106】ステップS405においては、前記特性係
数に基づいて、HPF10の演算を行い、ステップS4
06でHPF10の出力信号を積分回路5にて積分演算
し角変位信号(振れ信号)に変換する。
【0107】ステップS407では、積分演算の結果、
つまり補正が施された角変位信号がD/A変換器7によ
りアナログ値に変換されて、あるいはPWM等のパルス
出力としてマイコンCOM4より出力され、駆動回路8
へと供給され、画像補正手段9を振れを補正する方向に
動作して防振動作を行うものである。
【0108】(第4の実施例)また、角速度検出手段、
画像補正系、またはそれらの組み合わせによっては、全
体の系の周波数特性を考慮した場合、周波数帯によって
は、例えば30Hz以上の振れで、振れ補正が逆効果に
なる領域が生じる。
【0109】これは角速度検出手段を構成する角速度セ
ンサの検出特性上の限界及び画像補正手段例えばVAP
の補正限界によつて決定まるものであり、振動周波数が
高くなると、振れの検出系、補正系が遅れなく追従する
ことができなくなり、位相遅れが大きくなる。そしてあ
る周波数においては、振動位相とVAPの駆動位相が同
相となり、逆に振れが大きく増幅された状態となる場合
がある。
【0110】そこで、先の周波数検出手段により、この
振れ補正が逆効果になる領域の周波数が連続して検知さ
れる場合には、画像補正系の動きを止めてしまうことに
より先の逆効果状態を回避することができる。
【0111】回路構成としては、図1に示す回路でよ
く、周波数検出手段で、上記のような周波数帯を検知し
た場合に、駆動回路8に対し、例えばVAPの補正系を
補正の中心状態で保持するように、マイコン内部で禁止
信号を演算し、これを駆動回路8へと出力するようにす
れば良い。
【0112】次に、この実施例におけるマイコン上の処
理動作について、図18のフローチヤートにより説明す
る。なお、前述の振れ補正が逆効果となる状態を、30
Hz以上としている。
【0113】同図において、制御を開始すると、ステッ
プS501でまずDCカツトフイルム2,アンプ3を介
して角速度検出手段1からの角速度信号をA/D変換器
4によつてデジタル信号に変換して取り込む。
【0114】ステップS502では、振れ周波数が30
Hzに達していればステップS511へ、達していなけ
ればステップS503へ進む。
【0115】ステップS503においては、角速度信
号,角変位信号により、パンニング/チルテイング及び
撮影状態の判断を行い、ステップS504でその結果に
応じてHPF10の特性を定める係数を読みだす。な
お、これらのパンニング/チルテイング及び撮影状態に
応じた係数は経験上求められたものである。
【0116】ステップS505では、前記特性係数によ
りHPFの演算を行い、ステップS506ではHPF1
0の出力した信号を積分回路5にて積分演算して角変位
信号(振れ信号)に変換し、ステツプS507では、角
速度信号を演算して振れ中心周波数を検出する。
【0117】ステップS508では、ステップS507
において求められた振れ周波数に応じた、位相及び利得
補正の係数を読みだし、ステップS509において、ス
テツプS508で得られた係数に基づいて補正演算を行
う。
【0118】そしてステップS510では、得られた演
算結果すなわち補正が施された角変位信号が、D/A変
換器7によりアナログ値に変換されて、あるいは、PW
M等のパルス出力としてマイコンより出力し、駆動回路
8へと供給され、VAP等の画像補正手段9が駆動さ
れ、処理を終了する。
【0119】また上述のステップS502で振れ周波数
Fが30Hz以上の場合、すなわち振れ補正が逆効果と
なる周波数域であると判定された場合には、ステツプS
511へと移行して画像補正系のリセットを行い、その
振れ補正範囲の中点に補正系を保持し、ステツプS51
2で角速度信号から振れの中心周波数を検出して処理を
終了し、図18のフローチヤートの処理を1回終了す
る。
【0120】図18のフローチヤートは、1回の処理を
示したものであり、実際はこのフローチヤートの処理を
繰り返し行うものである。
【0121】尚、画像補正系のリセツト手段について述
べるに、画像補正系に図6に示すようなステツピング・
モータを使用する場合には、信号を送らなければ、その
状態で静止しているので、中心位置に戻し、そこで停止
させておく。
【0122】画像補正系に図4に示すようなボイスコイ
ル・モータを使用した場合には、コントロール信号32
0に中心信号を出力させれば良いが、VAP等の質量と
ボイスコイルのトルクの関係より、高周波数が加わった
場合、十分には中心位置に保持できない場合がある。そ
こで図示しないが、機械的にVAPを保持する、メカロ
ック機構を使用することが望ましい。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
種々の周波数の振れに対して適切な振れ補正が行える振
れ補正装置を提供できるものである。
【0124】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における振れ補正装置の第1の実施例を
示すブロツク図である。
【図2】第1の実施例における制御動作を説明するため
のフローチヤートである。
【図3】第1の実施例における振れ周波数検出動作を説
明するためのフローチヤートである。
【図4】角速度センサの利得及び位相の周波数特性図で
ある。
【図5】本発明における振れ補正装置の動作を説明する
ための利得及び位相の周波数特性図である。
【図6】本発明における振れ補正装置の動作を説明する
ための利得及び位相の周波数特性図である。
【図7】本発明における振れ補正装置の抑振特性を示す
周波数特性図である。
【図8】画像補正手段としてVAPを用いるとともに、
駆動系にボイス・コイル型アクチユエータを用いた例を
示す図である。
【図9】図8のVAPを用いた画像補正手段の駆動回路
を示すブロツク図である。
【図10】画像補正手段としてVAPを用いるととも
に、駆動系にステツプモータを用いた例を示す図であ
る。
【図11】図10のVAPを用いた画像補正手段の駆動
回路を示すブロツク図である。
【図12】VAPの構成及び動作を説明するための図で
ある。
【図13】VAPの構成及び動作を説明するための図で
ある。
【図14】画像補正手段として電子的に振れ補正を行う
メモリ制御方式を用いた例を示すブロツク図である。
【図15】本発明における振れ補正装置の第2の実施例
の構成を示すブロツク図である。
【図16】本発明における振れ補正装置の第3の実施例
の構成を示すブロツク図である。
【図17】図16に示す第3の実施例の動作を説明する
ためのフローチヤートである。
【図18】本発明における振れ補正装置の第4の実施例
を示すフローチヤートである。
【図19】従来の振れ補正装置の構成を示すブロツク図
である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機器の振動を検出する第1の検出手段
    と、 前記振動による画像の動きを補正する補正手段と、 前記第1の検出手段の出力に基づいて前記補正手段を制
    御し、前記画像の動きを補正する方向に前記補正手段を
    駆動する第1の制御手段と、 前記第1の検出手段の出力から前記振動の変位を検出す
    る第2の検出手段と、 前記第2の検出手段の出力に基づいて前記第1の制御手
    段の特性を制御する第2の制御手段とを有し、 前記第2の検出手段は、前記第1の検出手段の出力を積
    分演算する積分手段と、該積分手段の出力信号から振動
    の周波数を検出する周波数検出手段とを有する ことを特
    徴とする振れ補正装置。
  2. 【請求項2】 機器の振動を検出する第1の検出手段
    と、 前記振動による画像の動きを補正する補正手段と、 前記第1の検出手段の出力に基づいて前記補正手段を制
    御し、前記画像の動きを補正する方向に前記補正手段を
    駆動する第1の制御手段と、 前記第1の検出手段の出力から前記振動の変位を検出す
    る第2の検出手段と、 前記第2の検出手段の出力に基づいて前記第1の制御手
    段の特性を制御する第2の制御手段とを有し、 前記第2の検出手段は、前記第1の検出手段の出力の離
    散値の信号の増減により、周波数を検知する ことを特徴
    とする振れ補正装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の検出手段の出力と前記第2の
    検出手段の出力とで周波数検出用のサンプリング時間を
    変更することを特徴とする請求項1または2記載の振れ
    補正装置。
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