JP3268126B2 - 光記録媒体 - Google Patents
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Description
予め記録再生トラックのアドレス情報が記録された光磁
気ディスク等の光記録媒体とその再生方法に関するもの
である。
ディスクとして研究開発が進められており、一部の光磁
気ディスクは、コンピュータ用の外部メモリとして既に
実用化されている。
化膜を用い、光を用いて記録再生を行うため、面内磁化
膜を用いたフロッピィディスクあるいはハードディスク
に比べて記録容量が大きいことが特徴である。
成されたグルーブ51・51間のランド52上には、情
報の記録再生が行われるトラックのアドレス情報が凹凸
のピット列53によって記録されており、光スポット5
5が走査しているランド52に一致するトラックのアド
レス情報を求めることができるようになっている。
度に設定されており、光スポット55の直径は、レーザ
光の波長と、レーザ光を光スポット55として集光する
対物レンズの開口数とによって決まっている。レーザ光
の波長は、通常780〜830nmであり、対物レンズ
の開口数は0.4 5〜0.6である。したがって、光スポッ
ト55の直径は1.2〜1.4μmとなり、トラックピッチ
もまた1.4〜1.6μmに設定されている。このため、磁
化が上向きまたは下向きの記録ドメイン54の大きさ
は、最小0.8μm程度となる。
膜の磁性層を多層化し、磁気的超解像により、光スポッ
ト55のサイズより遥かに小さな記録ビットを再生でき
るようにして、記録密度を向上させる方式が提案されて
いる(例えば、特開平5−81717号公報および日本
応用磁気学会誌、vol.15, No.5,1991, pp. 838 〜84
5 参照)。これらの提案によれば、上記のほぼ1/2の
サイズの記録ビットを再生できるため、トラックピッチ
もほぼ1/2の0.8μm程度にすることができる。
とランド57とにそれぞれ記録ドメイン58を形成した
相変化型光ディスクにおいて、隣接トラックからの雑音
混入である記録信号のクロストークを低減させる方法も
提案されている(例えば、第53回応用物理学会学術
講演会講演予稿集 No.3, 18a-T-2, 1992 p.948および
Improvement of track density by land and groove r
ecording on phase c-hange optical disk; CONFERENCE
DIGEST July, 1993 pp.57〜58; JOINT INTER-NATIONAL
SYMPOSIUM ON OPTICAL MEMORY AND OPTICAL DATA STOR
AGE)。
来の構成では、例えばトラックピッチを1/2にする
と、隣合うトラックのピット53同士の距離が1/2に
なるため、隣のトラックのピット列53のアドレス信号
が混入するクロストークが大きくなり、正確なアドレス
情報が得られないという問題点を有している。
れぞれにアドレス情報を与えるピット列53を形成する
と、光ディスクの製造工程が煩雑になるという問題点も
有している。
形成されたピット列から得られるトラックのアドレス情
報に、隣のピット列から得られるアドレス情報が混入す
るクロストークを防止することができる光記録媒体およ
びその再生方法を提供すると共に、製造工程の簡素化を
可能とする光記録媒体を提供することにある。
は、上記の課題を解決するために、記録再生トラックと
なるグルーブとランドとが交互に繰り返し設けられ、グ
ルーブおよびランドのそれぞれに記録ビット列を形成す
る光記録媒体において、上記グルーブの幅とランドの幅
とがほぼ等しく、また、記録再生トラックのアドレス情
報を示す凹凸状のピット列が、隣接するグルーブとラン
ドとの境界上に形成され、かつ、上記のピット列の形成
間隔が、上記記録再生トラックを横切る方向に、トラッ
クピッチのほぼ2倍の間隔となっており、さらに、各グ
ルーブ上または各ランド上のいずれか一方に光の反射率
が特異なマーク部が形成されていることを特徴としてい
る。
ト列が、ほぼ同じ幅である具グルーブの幅とランドの幅
とを合わせた距離だけ離れて形成されているので、隣合
うピッチ列同士は、上記記録再生トラックを横切る方向
に、トラックピッチのほぼ2倍の間隔だけ離れている。
つまり、境界にピット列が形成されたグルーブまたはラ
ンドの中心から隣りの境界上に形成されたピット列列の
中心までの距離が、グルーブまたはランドの幅の約2.0
倍の距離だけ離れている。
に記録ビットを形成してトラックピッチを1/2に狭小
化した光記録媒体において、従来の大きさの光スポット
でグルーブまたはランドを照射し前述の磁気的超解像に
より記録ビットを読み出す場合であっても、隣の境界上
に形成されたピット列が光スポットの範囲内に位置する
ことはない。この結果、あるピット列からアドレス情報
を読み出すときに、隣のピット列のアドレス情報が混入
するクロストークを防止し、正確なアドレス情報を得る
ことができる。
ピッチTが、記録再生トラックに集光される光の波長を
λ、記録再生トラックに光を集光する対物レンズの開口
数をNAとするとき、 T≧0.3 5×λ/NA を満足し、上記ピットの幅Pwが、 0.4T≦Pw≦1.2T を満足しているので、記録密度を大幅に向上させること
ができるとともに、クロストークを防止してより正確な
アドレス情報を得ることができる。
いることで、ピット幅の変化に対するクロストーク量の
変化が小さくなる。さらに、ピット列がグルーブとラン
ドとの境界上に形成されていることで、光スポットの中
心がグルーブまたはランドの中心に位置しているとき、
ピット列は光スポットの外周部分で照射される結果、ピ
ット列から得られる信号強度のピット幅依存性もまた小
さくなる。これらの結果、ピット形状に求められる精度
が緩和されるので、光記録媒体の形成が容易になる。
グルーブとランドのそれぞれに形成する必要が無いの
で、ピット列の形成総数を大幅に減らすことができるの
で、光記録媒体の形成がさらに容易になる。
士が十分に離れていることに加えて、各グループ上また
は各ランド上のいずれか一方に光の反射率が特異なマー
ク部が形成されているので、このマーク部を反射光の強
度変化によって検出することにより、クロストークを防
止した上で、光スポットで照射中の記録再生トラックが
グルーブなのかランドなのかを容易に識別することがで
きる。
ンドの双方を記録再生トラックとした場合に、グルーブ
の記録再生トラックもランドの記録再生トラックも、そ
の境界上の同じピット列から同じアドレスが与えられて
いることになるが、請求項1の構成によれば、同じアド
レスが与えられたグルーブとランドとを容易に識別する
ことができる。
いて説明すれば、以下のとおりである。
すように、グルーブ1とグルーブ1・1間のランド2と
がスパイラル状または同心円状に形成されている。情報
は、グルーブ1とランド2とのそれぞれに記録ビット列
4として記録されるので、グルーブ1およびランド2の
それぞれの一周が、記録再生のためのトラックとなる。
さらに、グルーブ1に記録された記録ビット列4の再生
信号品質と、ランド2に記録された記録ビット列4の再
生信号品質とがほぼ同じになるように、グルーブ1の幅
とランド2の幅とは互いにほぼ等しくなるように設定さ
れている。
は、後で詳述する凹凸状のピット列3が形成され、しか
も、ピット列3は1境界置きに形成されている。各記録
再生トラックの光磁気ディスク上の番地を示すアドレス
情報は、このピット列3によって記録されている。
ーブ1に順番に〔G1、G2、G3〕という副記号を付
し、各ランド2および各ピット列3にも、それぞれ順番
に〔L1、L2、L3〕、〔P1、P2、P3〕という
副記号を付し、以下の説明で各グルーブ1の識別が必要
な場合には、副記号を用いることにする。ランド2、ピ
ット列3についても同様とする。
2をひと組と考える。すなわち、隣接するグルーブG1
とランドL1、隣接するグルーブG2とランドL2、隣
接するグルーブG3とランドL3とをそれぞれひと組と
考える。
3は、グルーブ1およびランド2のひと組毎に形成され
ている。すなわち、グルーブG1とランドL1との境界
上にピット列P1が、グルーブG2とランドL2との境
界上にピット列P2が、グルーブG3とランドL3との
境界上にピット列P3が形成されている。したがって、
換言すれば、ピット列3は隣接するグルーブ1およびラ
ンド2の境界上に1境界置きに形成されている。
のアドレス情報は、ピット列P1によって記録されてい
るので、グルーブG1とランドL1には、同じアドレス
が与えられている。同様に、グルーブG2とランドL2
にも、ピット列P2によって同じアドレスが与えられ、
グルーブG3とランドL3にもピット列P3によって同
じアドレスが与えられている。
の境界にピット列3が形成された基板7のA−A線矢視
断面を示している。図10(a)では、ピット列3は、
ランド2の上面の片隅部を穿設し、さらにグルーブ1の
底面の片隅部を続けて穿設することにより、グルーブ1
とランド2との境界に形成されていることがわかる。
ット5を用いて記録ビット列4を形成し、光磁気ディス
クに情報を記録するとき、およびローパワーの光スポッ
ト5で記録ビット列4を走査することにより、光磁気デ
ィスクから情報を再生するとき、グルーブ1に対するト
ラッキング制御、またはランド2に対するトラッキング
制御が行われる。
ト5がグルーブG2の記録再生トラックを走査している
とき、アドレス情報はグルーブG2とランドL2との境
界上に形成されたピット列P2から得られる。このと
き、本実施例では、隣接するグルーブ1およびランド2
の境界上にひとつ置きにピット列3を配置したので、隣
合うピット列3の間隔は、トラックを横切る方向に、ト
ラックピッチの2倍になっている。さらに光スポット5
の照射中心とピット列3との関係で説明すれば、光スポ
ット5の照射中心に一致するグルーブG2の中心と隣の
ピット列P1との距離は、トラックピッチの1.5倍にな
っており、グルーブG2の中心と反対隣のピット列P3
との距離は、トラックピッチの2.5倍になっている。
ピッチより小さいので、光スポット5が例えばピット列
P2を走査しているときに、隣のピット列P1やピット
列P3は光スポット5の照射範囲からかなりの隔たりを
持つことになる。したがって、グルーブとランドのそれ
ぞれにピット列を形成する場合に比べて、隣のピット列
からのクロストークが非常に小さくなり、正確なアドレ
ス情報を得ることができる。
トラックを走査しているときにも、、正確なアドレス情
報を同じピット列P2から得ることができる。
クとランドL2の記録再生トラックとの判別は、光スポ
ット5がグルーブ1を照射しているときと、ランド2を
照射しているときとでトラッキング信号の極性が反転す
るように構成すれば、その極性を検出することにより容
易になされる。トラッキング信号は、例えばプッシュプ
ル法によって得ることができる。また、トラッキング信
号の極性の検出は、例えばトラックジャンプ時に光スポ
ットがトラックを横切った回数をカウントするために、
トラッキング信号をしきい値と比較する構成を適用すれ
ばよい。
2を記録再生トラックとする記録再生にあたって、同じ
ピット列P2から同じアドレス情報を得ても、トラッキ
ング信号の極性を考慮することによってグルーブG2お
よびランドL2のいずれの記録再生トラックが記録再生
中なのかを容易に特定することができる。
別の方法として、図2に示すように、各グルーブ1上ま
たは各ランド2上のいずれか一方に判別用ピット11を
予め形成しておき、判別用ピット11からの再生信号を
用いて判別することもできる。なお、判別用ピット11
の形成位置は、ピット列3の前でも後でもよい。図2に
示すように、判別用ピット11を各ランド2上に形成し
た場合、基板の屈折率をn、トラックピッチをT、光ス
ポット5の波長をλとすると、深さ約λ/4n、幅0.3
T〜0.4Tの判別用ピット11を形成すると好適であ
る。なぜなら、この場合、判別用ピット11の再生信号
が最大になる上に、隣接の判別用ピット11からのクロ
ストークが小さく抑えられるからである。
ているときには、その再生信号強度は、ピット列3から
得られる信号の強度と異なっており、明確に区別でき
る。一方、光スポット5がグルーブ1上を走査している
ときには、ランド2上を走査しているときに比べ、判別
用ピット11から得られる信号は遥かに小さくなる。し
たがって、判別用ピット11から得られる信号強度の変
化によって、グルーブ1とランド2とを判別することが
できる。
ブG2とランドL2との境界に形成し、光スポット5が
グルーブG2を走査するときに、光スポット5の移動方
向に向かってピット列3が右側に配置される場合を示し
たが、ピット列3を例えばグルーブG2とランドL1と
の境界に形成し、光スポット5の上記移動方向に向かっ
てピット列3を左側に配置することもできる。ピット列
3から得られる信号量は、どちらであっても差が無い
が、光ディスク間の互換性を考慮した場合、グルーブ1
またはランド2とピット列3との相対位置を限定してお
く必要がある。
る。
に、境界にピット列3が形成されたグルーブとランドと
は、いずれも同じアドレスで管理される。この場合は、
ピット列3から読み出されたアドレスをそのまま用いる
ので、ピット列3から読み出されたアドレスをグルーブ
またはランドのアドレスに変換する方法に比べて、アド
レスの管理が容易になるというメリットがある。
ように、アドレスが2ずつ増加するように各ピット列3
を形成しておく。そして、グルーブおよびランドの一方
をピット列3のアドレスと同じアドレスに指定し、他方
をピット列3のアドレスに1を加えることにより変換し
て指定する。これにより、境界にピット列3が形成され
たグルーブとランドとは、異なるアドレスで管理され
る。この場合は、アドレスが光ディスクの半径方向に連
続することになるので、目標とするアドレスの記録再生
トラックにアクセスしやすいというメリットがある。
ように、第1の方法と同様にアドレスが1ずつ増加する
ように各ピット列3を形成しておく。そして、グルーブ
およびランドの一方をピット列3のアドレスと同じアド
レスに指定し、他方を(ピット列によるアドレス)+
(総トラック数)/2という式により変換して指定す
る。これにより、境界にピット列3が形成されたグルー
ブとランドとは、異なるアドレスで管理される。この場
合は、グルーブとランドのそれぞれでアドレスが連続し
ているので、連続したアドレスを検索して目標の記録再
生トラックにアクセスするときに、グルーブとランドの
サーボ切り換えが不要となるため、アクセス速度を高速
にすることができるというメリットがある。
すように、第1の方法と同様にアドレスが1ずつ増加す
るように各ピット列3を形成しておく。そして、グルー
ブおよびランドの一方をピット列3のアドレスと同じア
ドレスに指定し、他方を(総トラック数)−(ピット列
によるアドレス)+1という式により変換して指定す
る。これにより、境界にピット列3が形成されたグルー
ブとランドとは、異なるアドレスで管理される。この場
合は、連続したアドレスを検索して目標の記録再生トラ
ックにアクセスするときに、グルーブとランドのサーボ
切り換えが不要となる。さらに、ピット列の最終アドレ
スでは、(総トラック数)/2と(総トラック数)/2
+1が隣接したグルーブとランドのアドレスとなってい
るので、ピット列の最終アドレスに到達した後、そのま
ま折り返して次の目標トラックのアドレスをサーチすれ
ばよいので、アクセス速度をさらに高速にすることがで
きるというメリットがある。
ては、上記の方法に限定されるものではないが、光ディ
スク間の互換性を考慮した場合には、アドレスの管理方
法もいずれかの管理方法に限定しておく必要がある。
形状に関して以下に説明する。
の幅が各々0.8μm(すなわち、トラックピッチが0.8
μm)の場合に、光スポット5がランド2上を走査する
ときのピット列3による回折強度とピット列3のピット
形状との関係を求めた結果を示すグラフである。
58のポリカーボネイトを用い、グルーブを深さ55n
mで形成した。また、再生光の波長λは780nm、集
光用対物レンズの開口数NAは0.55である。なお、信
号強度は、基板の平坦部での反射強度に対する比として
求めた。
したとき、ピット幅の変化に対するピット信号強度の変
化を示している。なお、ピット長は2.4μm(長ピッ
ト)および0.7〜0.8μm(短ピット)の2通りで、ピ
ット深さは130nmにした。短ピット列は1.5 2μm
の周期で形成したので、隣の短ピットからの影響を若干
受け、信号強度は、1つの短ピットのみを光スポット5
で照射した場合に比べて小さくなっている。
を130nmにしたとき、ピット幅と隣のピット列3か
ら混入するクロストーク信号強度との関係を求めた結果
を示している。
ピット幅が約0.3〜0.7μmの範囲で、ピット信号強度
がほぼ0.2を上回り、しかも隣のピット列3からのクロ
ストークもほぼ0となって、十分なアドレス信号を得る
ことができる。
mとしたとき、ピット深さの変化に対するピット信号強
度の変化を求めたものである。なお、ピット長は、図3
の場合と同様に、2.4μm(長ピット)および0.7〜
0.8μm( 短ピット)の2通りで形成し、短ピット列を
1.5 2μmの周期で形成した。長ピットの結果を実線
で、短ピットの結果を破線で示した。
が約100〜160nmの範囲で、ピット信号強度がほ
ぼ0.2を上回り、十分なアドレス信号を得ることができ
る。
する場合にも、上記のようにランド2上を走査する場合
と同様の結果を得ることができる。
に、0.8μm幅のグルーブおよびランドのそれぞれにピ
ット列を形成し、ピット列による回折強度とピット列の
ピット形状との関係を求めた結果を示す。図4および図
11中にピット形状に関する数値を示しているとおり、
本発明と比較の従来例とで、各場合の条件を同じにして
いる。
は、ピット信号強度は大きいが、ピット幅が広くなるほ
ど隣のピット列からのクロクストーク量も増大するの
で、正確なアドレス信号を得ることは困難である。ま
た、図11の結果より、従来例では、特に長ピットのピ
ット信号強度において、ピット幅依存性が大きいことが
わかる。この結果、従来例では、ピット列を正確な形状
で形成しないと、アドレス信号の誤検出が発生したり、
クロストーク量が増大したりしやすくなる。
から明らかなように、本発明によれば、ピット信号強度
やクロストーク量のピット幅依存性が小さいので、ピッ
ト列3のピット形状に求められる精度が緩和され、ピッ
ト列3の形成が容易になる利点がある。
は、ピットによる光の回折の度合いに関係している。従
来例では、ピット列がグルーブまたはランドの中央に形
成され、各ピットが光スポットの中心部で照射されるた
め、ピットによる光の回折の度合いが大きくなる。一
方、本発明によれば、ピット列3は隣接するグルーブ1
とランド2との境界に形成されているため、ピット列3
はグルーブ1の中央を照射する光スポット5の外周部で
照射されることになる。ピット列3が光スポット5の外
周部で照射されると、光の回折強度が小さくなるので、
ピット信号強度は従来例より小さくならざるを得ない
が、その代わりにピット幅依存性を小さくすることがで
きる。
に、光スポット5がランド2上を走査するときのピット
列3による回折強度とピット列3のピット形状との関係
を求めた結果を表1および表2に示す。比較のために、
0.8μm幅のグルーブおよびランドのそれぞれにピット
列を形成した従来例における結果を同様に表1および表
2に示す。
ポリカーボネイト、グルーブ深さは55nmであり、再
生光の波長λは780nm、集光用対物レンズの開口数
NAは0.55、ピット深さは130nmである。
680nm、光ビーム半径r0 (中心強度の1/e2 )
を表1における0.60から0.55に変更した以外、表1
と同じである。
共に、各トラックピッチに対し長ピット信号が最大とな
るピット幅を選択し、そのときの隣の長ピット列から混
入するクロストーク信号の値に下線を付した。その下線
を付した値をトラックピッチに対してプロットして得た
グラフが図6である。
共に、各トラックピッチに対し長ピット信号が最大とな
るピット幅を選択し、そのときの隣の長ピット列から混
入するクロストーク信号の値に下線を付した。その下線
を付した値をトラックピッチに対してプロットして得た
グラフが図7である。
および短ピット信号の値から明らかなように、本発明に
よれば、トラックピッチを0.4μmとしても、0.2を上
回る十分な信号強度が得られる。また、表1および図6
の結果から、波長λが780nmのときには、トラック
ピッチが0.6μm程度までは、隣のピット列からのクロ
ストーク信号強度が十分小さく、良好なピット信号が得
られるといえる。さらに、表2および図7の結果から、
波長λが680nmのときには、トラックピッチが0.5
μm程度までは、隣のピット列からのクロストーク信号
強度が十分小さく、良好なピット信号が得られるといえ
る。
チを詰めると、隣のピット列からのクロストーク信号強
度が急激に増大し、正確なピット信号を得ることは困難
となる。
び680nm、対物レンズの開口数NAが0.55、基板
の屈折率nが1.58の場合に適したピット形状を説明し
たが、より一般的に解釈すれば、トラックピッチをT
(本発明では、グルーブ1およびランド2の各幅に相
当)、ピット幅をPw、ピット深さをPd、波長をλ、
基板の屈折率をnとしたとき、トラックピッチTは、 T≧0.3 5×λ/NA まで詰めることが可能であり、このときピット幅Pw
は、 0.4T≦Pw≦1.2T であれば、十分良好なピット信号が得られる。
好ましい。また、ピット深さは、λ/6n≦Pd≦λ/
3nの範囲で十分良好なピット信号が得られる。
81717号公報に開示されているような磁気的超解像
記録媒体を用いた場合には、記録ビット4の大きさを
0.4μm程度と小さくできることに加えて、記録ビット
の再生時に隣接トラックからのクロストークが相当少な
くなり、トラックの幅(本実施例では、グルーブ1およ
びランド2の各幅)を0.8μm以下にしても容易に記録
再生を行えるので、本発明が特に適している。
適用すれば、トラックピッチを0.8μm以下にできるの
で、記録密度を大幅に向上させることができる。しか
も、本発明により、正確なアドレス情報を得ることがで
きる。
短くすれば、トラックピッチをさらに短くすることがで
きる。例えば、レーザ光の波長を830nmから458
nmに短縮すると、さらに約1/2のトラックピッチを
実現でき、記録密度をより高めることが可能になる。
マスタリングプロセスについて図9(a)〜(f)に基
づいて説明すれば、以下のとおりである。
スから成る基板7の片面にフォトレジスト8を塗布す
る。次に、レーザ光をフォトレジスト8上に集光し、フ
ォトレジスト8を所望のグルーブ1およびピット列3の
パターンで感光させる。このとき、グルーブ1のパター
ンを形成するときのレーザ光のパワーより、ピット列3
のパターンを形成するときのレーザ光のパワーを大きく
する。これを現像して不要のフォトレジスト8を除去す
ると、図9(b)に示すように、グルーブ1およびピッ
ト列3に対応するグルーブ部8bおよびピット部8aの
パターンを有するフォトレジスト8が基板7上に残る。
ジスト8をマスクとして、基板7をドライエッチングす
る。ドライエッチングの具体的な方法としては、例えば
CF4 のようなハロゲン化合物ガスをエッチングガスと
する反応性イオンエッチングが適している。エッチング
後、フォトレジスト8を除去すると、図9(d)に示す
ように、基板7上には、グルーブ部8bに対応してグル
ーブパターン7bが、ピット部8aに対応してピット列
パターン7aが形成され、隣合うグルーブパターン7b
同士の間にランドパターン7cが形成される。
ら成る金属層9を電鋳により形成する。これを剥離する
と、図9(f)に示すように、突起部9aを備えた金属
層9から成るスタンパが得られる。このスタンパを用い
てポリカーボネート等のプラスチックを成型することに
より、所望のグルーブ1およびピット列3を有する光磁
気ディスク用の基板が製造される。この基板上に記録媒
体層を設けると、本実施例の光磁気ディスクが得られ
る。
所望のグルーブ1およびピット列3のパターンで感光さ
せて後、例えば特公平4−2939号公報に開示されて
いるようにフォトマスクを製造し、フォトマスクを用い
た密着露光法とドライエッチング法とによりガラス基板
にグルーブ1およびピット列3を直接形成して光磁気デ
ィスクを製造してもよい。
3は、フォトレジスト8を例えばアルゴンレーザ光によ
って感光させるところから形成が始まる。アルゴンレー
ザ光によってフォトレジストを感光させる装置を通常カ
ッティング装置と呼び、1本のアルゴンレーザ光ビーム
でグルーブ1およびピット列3の双方を形成する方法を
1ビームカッティング法、2本のビームで形成する方法
を2ビーム法と呼んでいる。
の境界にピット列3を形成する場合、例えば3ビーム法
を用いてもよい。この場合、2ビームでグルーブ1を形
成し、残りの1ビームでピット列3を形成すればよい。
3ビーム法では、グルーブ幅は2ビームの間隔を変える
ことにより、グルーブ深さおよびピット深さは各ビーム
の強度を変えることにより制御可能である。
ト深さを一定としたが、必ずしも一定である必要は無
い。例えば、図10(b)に示すように、ピット列3の
深さがグルーブ1に属する部分とランド2に属する部分
とで異なっていて、ピット列3の底部に段差がついてい
ても構わない。この場合には、ピット列3のピット幅お
よびピット深さの限定範囲が、上記実施例の限定範囲よ
り広くなるというメリットがある上に、ピット深さの精
度が緩和され、ピット列3を形成しやすくなる、換言す
れば、光磁気ディスクの製造が容易になるというメリッ
トもある。
列3のピット深さとグルーブ1の深さとが同じであって
も構わない。この場合には、ピット列3およびグルーブ
1の深さを変える必要が無いため、上記実施例に比べ製
造が容易になるというメリットがある。
て説明したが、本発明はアドレス情報を凹凸のピットで
記録する光ディスク、例えば相変化型光ディスクにも広
く適用することができる。また、ライトワンス(追記
型)ディスクにおいても、将来、記録信号のクロストー
クキャンセル技術が開発されれば適用可能となる。さら
に、本発明はディスク形状の光記録媒体に限らず例えば
カード形状の光記録媒体にも適用することができる。
のように、上記グルーブの幅とランドの幅とがほぼ等し
く、また、記録再生トラックのアドレス情報を示す凹凸
状のピット列が、隣接するグルーブとランドとの境界上
に形成され、かつ、上記のピット列の形成間隔が、上記
記録再生トラックを横切る方向に、トラックピッチのほ
ぼ2倍の間隔となっており、さらに、各グルーブ上また
は各ランド上のいずれか一方に光の反射率が特異なマー
ク部が形成されている構成である。
加えて、このマーク部を反射光の強度変化によって検出
することにより、光スポットで照射中の記録再生トラッ
クがグルーブなのかランドなのかを容易に識別すること
ができるという効果を奏する。
に係る光磁気ディスクの構成を模式的に示す平面図であ
る。
た光磁気ディスクの構成を模式的に示す平面図である。
信号強度のピット幅に対する変化を示すグラフである。
を本発明と従来例とで比較して示すグラフである。
信号強度のピット深さに対する変化を示すグラフであ
る。
る変化を本発明と従来例とで比較して示すグラフであ
る。
に、クロストーク信号強度のトラックピッチに対する変
化を本発明と従来例とで比較して示すグラフである。
において、記録再生トラックのアドレスを管理する方法
を各々具体的に示す説明図である。
磁気ディスクの製造工程を順番に示す概略の縦断面図で
ある。
り得る形状をそれぞれ示す概略の縦断面図である。
て、アドレス情報を与えるピット列から得られるピット
信号強度のピット幅に対する変化を示すグラフである。
成を模式的に示す平面図である。
す斜視図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 記録再生トラックとなるグルーブとラン
ドとが交互に繰り返し設けられ、グルーブおよびランド
のそれぞれに記録ビット列を形成する光記録媒体におい
て、 上記グルーブの幅とランドの幅とがほぼ等しく、また、
記録再生トラックのアドレス情報を示す凹凸状のピット
列が、隣接するグルーブとランドとの境界上に形成さ
れ、かつ、上記のピット列の形成間隔が、上記記録再生
トラックを横切る方向に、トラックピッチのほぼ2倍の
間隔となっており、 さらに、各グルーブ上または各ランド上のいずれか一方
に光の反射率が特異なマーク部が形成されていることを
特徴とする光記録媒体。
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