JP3255985B2 - 厚膜正特性サーミスタ組成物、その製造方法および厚膜正特性サーミスタ - Google Patents

厚膜正特性サーミスタ組成物、その製造方法および厚膜正特性サーミスタ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、正の抵抗温度係数を示
す厚膜正特性サーミスタ組成物、その製造方法および厚
膜正特性サーミスタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、正の温度係数を有する抵抗器とし
ては、例えばニッケル(Ni)または、ニッケル(N
i)−クロム(Cr)などをアルミナ基板上に着膜し、
エッチングなどの技術により回路パターンを形成する薄
膜方式の構成が知られている。
【0003】しかしながら、上記従来の抵抗器では、薄
膜方式により製造されるため、その製造方法は煩雑で、
しかも厳しい条件が要求されている。
【0004】このため、より簡便かつ低廉で量産可能な
抵抗器およびその製造方法が望まれている。
【0005】一方、加熱焼成する厚膜方式の構成も知ら
れているが、この厚膜方式では空気中で加熱焼成するた
め、酸化しやすいニッケル(Ni)または、ニッケル
(Ni)−クロム(Cr)などの金属類を使用すること
ができない。
【0006】ところで、金属は一般に酸化物になると半
導体または絶縁体となるが、この酸化物のうち、酸化ル
テニウム(RuO)は金属的伝導を示す酸化物として
知られている。この酸化ルテニウムは、温度係数が約+
3000ppm/℃であるが、ガラス粉末と混合して加
熱焼成すると、+800ppm/℃程度まで低下する。
【0007】最近では、これに添加物を加え、約±10
0ppm/℃程度になるように調製されている。
【0008】そして、この温度係数を調整する添加物と
しては、抵抗温度係数(TCR:Temperature Coeffici
ent of Resistance)を減少させるもの、すなわち負の
TCR駆動体(ドライバ)として、酸化ニオブ(Nb
)、酸化チタン(TiO)、酸化マンガン(Mn
)、酸化ニッケル(NiO)、酸化アンチモン
(Sb)など、抵抗温度係数を増大させるもの、
すなわち正のTCR駆動体として、酸化銅(CuO)が
知られている。
【0009】しかしながら、これらの添加物は、酸化ル
テニウムを主体とする抵抗ペーストの抵抗温度係数をあ
る限られた範囲、例えば±100ppm/℃内に設定す
るために微量添加されるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、薄膜
方式では、製造性が煩雑で所定の正の温度係数を得るた
めには製造の際の条件が厳しい。また、厚膜方式では、
加熱焼成するため、半導体または絶縁体となる酸化物に
酸化しやすい金属などを使用することができない問題が
ある。
【0011】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、大きな正の抵抗温度係数が得られる厚膜正特性サー
ミスタ組成物、その製造方法および厚膜正特性サーミス
タを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の厚膜正特
性サーミスタ組成物は、ルテニウム酸銅(CuRu
)およびガラスを含有するものである。
【0013】請求項2記載の厚膜正特性サーミスタ組成
物は、請求項1記載の厚膜正特性サーミスタ組成物にお
いて、ルテニウム酸銅(CuRuO)は、銅(Cu)
の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュウ酸塩の少なく
ともいずれか1種と、ルテニウム(Ru)の酸化物、水
酸化物、炭酸塩およびシュウ酸塩の少なくともいずれか
1種と、銅(Cu)−ルテニウム(Ru)の酸化物、水
酸化物、炭酸塩およびシュウ酸塩の少なくともいずれか
1種との少なくともいずれか2種が混合され加熱焼成さ
れて調整されたものである。
【0014】請求項3記載の厚膜正特性サーミスタ組成
物は、請求項1記載の厚膜正特性サーミスタ組成物にお
いて、ルテニウム酸銅(CuRuO )は、銅(Cu)
の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュウ酸塩の少なく
ともいずれか1種と、ルテニウム(Ru)の酸化物、水
酸化物、炭酸塩およびシュウ酸塩の少なくともいずれか
1種とが1:1のモル比で混合され加熱焼成されて調整
されたものである。
【0015】請求項記載の厚膜正特性サーミス組成
物の製造方法は、銅(Cu)の酸化物、水酸化物、炭酸
塩およびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、ルテ
ニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュ
ウ酸塩の少なくともいずれか1種と、銅(Cu)−ルテ
ニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュ
ウ酸塩の少なくともいずれか1種との少なくともいずれ
か2種を混合して加熱焼成してルテニウム酸銅(CuR
uO )を生成し、このルテニウム酸銅(CuRu
)を粉砕し、この粉砕したルテニウム酸銅(CuR
uO と、ガラス粉末とを混合して厚膜ペーストを調
製し、この厚膜ペーストを加熱焼成するものである。
【0016】請求項5記載の厚膜正特性サーミスタ組成
物の製造方法は、銅(Cu)の酸化物、水酸化物、炭酸
塩およびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、ルテ
ニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュ
ウ酸塩の少なくともいずれか1種とを1:1のモル比で
混合して加熱焼成してルテニウム酸銅(CuRuO
を生成し、このルテニウム酸銅(CuRuO )を粉砕
し、この粉砕したルテニウム酸銅(CuRuO )と、
ガラス粉末とを混合して厚膜ペーストを調製し、この厚
膜ペーストを加熱焼成するものである。
【0017】請求項記載の厚膜正特性サーミスタは、
電気絶縁性を有する基板と、この基板の少なくとも対向
する端部に設けられた一対の電極と、これら電極間に跨
って形成された請求項1、2または3のいずれかに記載
の厚膜正特性サーミスタ組成物と、この厚膜正特性サー
ミスタ組成物および前記一対の電極の少なくとも一部を
被覆する保護膜とを具備したものである。
【0018】
【作用】請求項1記載の厚膜正特性サーミスタ組成物
は、金属的伝導を示す酸化ルテニウムと正の抵抗温度係
数の駆動体となる酸化銅との固溶体であるルテニウム酸
銅(CuRuO)およびガラスを含有するので、低抵
抗でかつ大きな抵抗温度係数が得られるとともに良好な
抵抗温度特性が得られる。
【0019】請求項2記載の厚膜正特性サーミスタ組成
物は、請求項1記載の厚膜正特性サーミスタ組成物にお
いて、銅(Cu)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシ
ュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、ルテニウム(R
u)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュウ酸塩の少
なくともいずれか1種と、銅(Cu)−ルテニウム(R
u)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュウ酸塩の少
なくともいずれか1種との少なくともいずれか2種との
混合物を加熱焼成してルテニウム酸銅(CuRuO
を調整するため、容易に低抵抗でかつ大きな抵抗温度係
数が得られるとともに良好な抵抗温度特性が得られる。
【0020】請求項3記載の厚膜正特性サーミスタ組成
物は、請求項1記載の厚膜正特性サーミスタ組成物にお
いて、銅(Cu)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシ
ュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、ルテニウム(R
u)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュウ酸塩の少
なくともいずれか1種とが1:1のモル比で混合された
混合物を加熱焼成してルテニウム酸銅(CuRuO
を調整するため、容易に低抵抗でかつ大きな抵抗温度係
数が得られるとともに良好な抵抗温度特性が得られる。
【0021】請求項記載の厚膜正特性サーミスタ組成
物の製造方法は、銅(Cu)の酸化物、水酸化物、炭酸
塩およびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、ルテ
ニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュ
ウ酸塩の少なくともいずれか1種と、銅(Cu)−ルテ
ニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュ
ウ酸塩の少なくともいずれか1種との少なくともいずれ
か2種を加熱焼成して生成したルテニウム酸銅(CuR
uO と、ガラス粉末とを混合して調製した厚膜ペー
ストを加熱焼成するため、低抵抗でかつ大きな抵抗温度
係数が得られるとともに良好な抵抗温度特性が得られる
厚膜正特性サーミスタが容易に得られる。
【0022】請求項5記載の厚膜正特性サーミスタ組成
物の製造方法は、銅(Cu)の酸化物、水酸化物、炭酸
塩およびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、ルテ
ニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュ
ウ酸塩の少なくともいずれか 1種とを1:1のモル比で
混合して加熱焼成して生成されたルテニウム酸銅(Cu
RuO )と、ガラス粉末とを混合して調製した厚膜ペ
ーストを加熱焼成するため、低抵抗でかつ大きな抵抗温
度係数が得られるとともに良好な抵抗温度特性が得られ
る厚膜正特性サーミスタが容易に得られる。
【0023】請求項記載の厚膜正特性サーミスタは、
基板の少なくとも対向する端部に設けた一対の電極間に
跨って、請求項1、2または3のいずれかに記載のルテ
ニウム酸銅(CuRuO )を含む厚膜正特性サーミス
タ組成物を形成し、この厚膜正特性サーミスタ組成物お
よび一対の電極の少なくとも一部を保護膜にて被覆する
ため、容易に低抵抗でかつ大きな抵抗温度係数が得られ
るとともに良好な抵抗温度特性が得られる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の厚膜正特性サーミスタを示す
一実施例を図面を参照して説明する。
【0025】図1および図2において、1は電気絶縁性
を有する基板である例えばアルミナ基板で、このアルミ
ナ基板1は略直方体形状に形成されている。そして、こ
のアルミナ基板1には、長手方向の両端面から両端部の
上下面に亘って断面略コ字状に、例えば銀(Ag)−パ
ラジウム(Pd)系の電極2,2が印刷焼成にてそれぞ
れ設けられている。
【0026】また、アルミナ基板1の一面には、対向す
る両端部に設けられた一対の電極2,2間に跨って厚膜
正特性サーミスタ体3が帯状に形成されている。この厚
膜正特性サーミスタは、ルテニウム酸銅(CuRu
)およびガラスを含有するもので、例えば銅(C
u)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュウ酸塩の少
なくともいずれか1種と、ルテニウム(Ru)の酸化
物、水酸化物、炭酸塩およびシュウ酸塩の少なくともい
ずれか1種と、銅(Cu)−ルテニウム(Ru)の酸化
物、水酸化物、炭酸塩およびシュウ酸塩の少なくともい
ずれか1種との少なくともいずれか2種を混合し加熱焼
成して得られた酸化物と、ガラス粉末とを混合して調製
した厚膜ペーストを、印刷形成して加熱焼成により形成
される。
【0027】そして、この厚膜正特性サーミスタ体3に
は、電極2,2の対向方向に沿った一縁からアルミナ基
板1の幅方向に沿って切欠形成されたトリミング4が設
けられ、抵抗値が調整されている。
【0028】また、アルミナ基板1には、厚膜正特性サ
ーミスタ体3およびトリミング4の全面と、一対の電極
2,2の上面に位置する一部とを被覆する電気絶縁性の
例えばエポキシ樹脂などの保護膜5が塗布や印刷により
設けられている。なお、保護膜5は、ガラスなどでもよ
い。
【0029】さらに、保護膜5にて被覆されていない電
極2,2の表面には、例えばニッケル(Ni)、錫(S
n)などの表面電極6,6がメッキやスパッタリングな
どによりそれぞれ設けられ、厚膜正特性サーミスタ7が
構成されている。
【0030】次に、上記実施例の製造工程について説明
する。
【0031】まず、銅の酸化物である酸化銅(CuO)
と、ルテニウムの酸化物である酸化ルテニウム(RuO
)とを1:1のモル比で混合する。そして、この酸化
銅と酸化ルテニウムとの混合粉末を成形した後、磁性る
つぼに入れて900℃で1時間加熱焼成し、固相反応
る。この加熱焼成により得られた酸化物をボールミル
にかけて粉末にする。なお、この粉末をX線回折により
分析した結果、ルテニウム酸銅(CuRuO)が同定
された。
【0032】次に、この粉末を例えば45重量%と、硼
珪酸鉛ガラス粉末55重量%とを秤量し、自動混合機ま
たはボールミルにより混合して混合物を調製する。ここ
で、さらに例えば有機ビヒクルとして7重量%のエチル
セルロースを含むブチルカルビトールを混合物の25重
量%となるように加え、3本ロールなどで十分に混合
し、厚膜正特性サーミスタペーストを調製する。
【0033】そして、得られた厚膜正特性サーミスタペ
ーストを用いて、図1および図2に示すように、アルミ
ナ基板1の対向する端面近傍に印刷焼成により形成した
銀(Ag)−パラジウム(Pd)系の電極2,2を跨い
で電気的に接続するように印刷し、850℃で10分間
焼成して厚膜正特性サーミスタ体3を形成する。
【0034】この後、必要に応じて、厚膜正特性サーミ
スタ体3にトリミング4を設けて抵抗値を調整する。な
お、トリミング4を設けなくてもよい。
【0035】次に、この厚膜正特性サーミスタ体3およ
びトリミング4の全面と、電極2,2の一部とを例えば
エポキシ樹脂などを塗布または印刷して被覆し、乾燥し
て硬化させ、電気絶縁性の保護膜5を形成する。
【0036】この後、保護膜5に被覆されていない電極
2,2の表面上をニッケル(Ni)、錫(Sn)などで
さらにメッキまたはスパッタリングなどにより半田付け
可能な表面電極6,6を形成し、厚膜正特性サーミスタ
7を得る。
【0037】この得られた厚膜正特性サーミスタ7の抵
抗値は、面積1mm、膜厚10μmにおいて、91.
3Ω(25℃)、抵抗温度係数(TCR)は2852p
pm/℃(25℃/125℃)で安定した特性であっ
た。
【0038】次に、上記実施例の作用を説明する。
【0039】上述した製造工程に基づいて、ルテニウム
酸銅(CuRuO)とガラスとの組成比である酸化物
の粉末と硼珪酸鉛ガラス粉末との配合比を適宜設定し
作製した厚膜正特性サーミスタ7の試料の特性を表1に
示す。
【0040】
【表1】
【0041】この表1において、各試料の抵抗値は25
℃で、膜厚10μm、面積1mmの値であり、抵抗温
度係数(TCR)は数式1によって得られる。
【0042】
【数1】
【0043】この数式1によると、上記組成範囲では、
ガラスに対するルテニウム酸銅(CuRuO)の含有
量が増加するのに伴い、抵抗値が減少し抵抗温度係数が
増加する傾向にあることが分かる。
【0044】上述したように、上記実施例では、金属的
伝導を示す酸化ルテニウムと正の抵抗温度係数の駆動体
となる酸化銅との固溶体であるルテニウム酸銅(CuR
uO)を用いて厚膜正特性サーミスタ体3を形成した
ため、ガラス粉末と混合して加熱焼成しても抵抗温度係
数(TCR)が低下せず、低抵抗でかつ抵抗温度係数が
高い厚膜正特性サーミスタを得ることができるととも
に、抵抗温度特性の直線性が良好な厚膜正特性サーミス
タを得ることができる。
【0045】また、銅(Cu)の酸化物、水酸化物、炭
酸塩およびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、ル
テニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシ
ュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、銅(Cu)−ル
テニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシ
ュウ酸塩の少なくともいずれか1種との少なくともいず
れか2種との混合物を加熱焼成してルテニウム酸銅(C
uRuO)を調整するため、容易に低抵抗でかつ大き
な抵抗温度係数が得られ、良好な抵抗温度特性の直線性
が得られる。
【0046】さらに、厚膜正特性サーミスタ体3が通常
の厚膜形状であるため、チップ抵抗器と同様もしくは同
一の工程で製造でき、新たな工場設備が不要で、大量生
産に適し生産効率を向上でき、製造コストを低減でき
る。
【0047】また、混成集積回路(HIC:Hybrid Int
egrated Circuit)化の際には、その製造時に温度補償
回路を同時に形成できる。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の厚膜正特性サーミスタ組
成物によれば、金属的伝導を示す酸化ルテニウムと正の
抵抗温度係数の駆動体となる酸化銅との固溶体であるル
テニウム酸銅(CuRuO)を用いることにより、ガ
ラス粉末と混合して加熱焼成しても抵抗温度係数(TC
R)が低下せず、低抵抗でかつ大きな抵抗温度係数が得
られるとともに良好な抵抗温度特性を得ることができ
る。
【0049】請求項2記載の厚膜正特性サーミスタ組成
物によれば、請求項1記載の厚膜正特性サーミスタ組成
物の効果に加え、銅(Cu)の酸化物、水酸化物、炭酸
塩およびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、ルテ
ニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュ
ウ酸塩の少なくともいずれか1種と、銅(Cu)−ルテ
ニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュ
ウ酸塩の少なくともいずれか1種との少なくともいずれ
か2種との混合物を加熱焼成してルテニウム酸銅(Cu
RuO)を調整するため、容易に低抵抗でかつ大きな
抵抗温度係数で、良好な抵抗温度特性を得るこができ
る。
【0050】請求項3記載の厚膜正特性サーミスタ組成
物によれば、請求項1記載の厚膜正特性サーミスタ組成
物の効果に加え、銅(Cu)の酸化物、水酸化物、炭酸
塩およびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、ルテ
ニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュ
ウ酸塩の少なくともいずれか1種とが1:1のモル比で
混合された混合物を加熱焼成してルテニウム酸銅(Cu
RuO )を調整するため、容易に低抵抗でかつ大きな
抵抗温度係数で、良好な抵抗温度特性を得ることができ
る。
【0051】請求項記載の厚膜正特性サーミスタ組成
物の製造方法によれば、銅(Cu)の酸化物、水酸化
物、炭酸塩およびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種
と、ルテニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩お
よびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、銅(C
u)−ルテニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩
およびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種との少なく
ともいずれか2種を加熱焼成してルテニウム酸銅(Cu
RuO )を生成し、このルテニウム酸銅(CuRuO
)を粉砕し、この粉砕したルテニウム酸銅(CuRu
と、ガラス粉末とを混合して調製した厚膜ペース
トを加熱焼成するため、低抵抗でかつ大きな抵抗温度係
数で、良好な抵抗温度特性が得られる厚膜正特性サーミ
スタを容易に製造できる。
【0052】請求項5記載の厚膜正特性サーミスタ組成
物の製造方法によれば、銅(Cu)の酸化物、水酸化
物、炭酸塩およびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種
と、ルテニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩お
よびシュウ酸塩の少なくともい ずれか1種とを1:1の
モル比で混合して加熱焼成してルテニウム酸銅(CuR
uO )を生成し、このルテニウム酸銅(CuRu
)を粉砕し、この粉砕したルテニウム酸銅(CuR
uO )と、ガラス粉末とを混合して調製した厚膜ペー
ストを加熱焼成するため、低抵抗でかつ大きな抵抗温度
係数で、良好な抵抗温度特性が得られる厚膜正特性サー
ミスタを容易に製造できる。
【0053】請求項記載の厚膜正特性サーミスタによ
れば、基板に設けた一対の電極間に跨って、請求項1
2または3のいずれかに記載のルテニウム酸銅(CuR
uO )を含む厚膜正特性サーミスタ組成物を形成し、
この厚膜正特性サーミスタ組成物および一対の電極の少
なくとも一部を保護膜にて被覆するため、容易に低抵抗
でかつ大きな抵抗温度係数で、良好な抵抗温度特性を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す厚膜正特性サーミスタ
組成物を用いて形成された厚膜正特性サーミスタの平面
図である。
【図2】同上A−A線縦断面図である。
【図3】同上厚膜正特性サーミスタの試料番号1におけ
る抵抗値の温度特性図である。
【図4】同上厚膜正特性サーミスタの試料番号2におけ
る抵抗値の温度特性図である。
【図5】同上厚膜正特性サーミスタの試料番号3におけ
る抵抗値の温度特性図である。
【図6】同上厚膜正特性サーミスタにおける厚膜正特性
サーミスタ組成物の組成比と抵抗値との関係を示す特性
図である。
【符号の説明】
1 基板としてのアルミナ基板 2 電極 5 保護膜 7 厚膜正特性サーミスタ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルテニウム酸銅(CuRuO)および
    ガラスを含有することを特徴とする厚膜正特性サーミス
    タ組成物。
  2. 【請求項2】 ルテニウム酸銅(CuRuO)は、 銅(Cu)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュウ酸
    塩の少なくともいずれか1種と、 ルテニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩および
    シュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、 銅(Cu)−ルテニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、
    炭酸塩およびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種との
    少なくともいずれか2種が混合され加熱焼成されて調整
    されたことを特徴とする請求項1記載の厚膜正特性サー
    ミスタ組成物。
  3. 【請求項3】 ルテニウム酸銅(CuRuO )は、 銅(Cu)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュウ酸
    塩の少なくともいずれか1種と、 ルテニウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩および
    シュウ酸塩の少なくともいずれか1種とが1:1のモル
    比で混合され加熱焼成されて調整された ことを特徴とす
    る請求項1記載の厚膜正特性サーミスタ組成物。
  4. 【請求項4】 銅(Cu)の酸化物、水酸化物、炭酸塩
    およびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、ルテニ
    ウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュウ
    酸塩の少なくともいずれか1種と、銅(Cu)−ルテニ
    ウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュウ
    酸塩の少なくともいずれか1種との少なくともいずれか
    2種を混合して加熱焼成してルテニウム酸銅(CuRu
    )を生成し、このルテニウム酸銅(CuRuO
    を粉砕し、この粉砕したルテニウム酸銅(CuRu
    と、ガラス粉末とを混合して厚膜ペーストを調製
    し、 この厚膜ペーストを加熱焼成することを特徴とする厚膜
    正特性サーミスタ組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 銅(Cu)の酸化物、水酸化物、炭酸塩
    およびシュウ酸塩の少なくともいずれか1種と、ルテニ
    ウム(Ru)の酸化物、水酸化物、炭酸塩およびシュウ
    酸塩の少なくともいずれか1種とを1:1のモル比で混
    合して加熱焼成してルテニウム酸銅(CuRuO )を
    生成し、このルテニウム酸銅(CuRuO )を粉砕
    し、この粉砕したルテニウム酸銅(CuRuO )と、
    ガラス粉末とを混合して厚膜ペーストを調製し、 この厚膜ペーストを加熱焼成する ことを特徴とする厚膜
    正特性サーミスタ組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 電気絶縁性を有する基板と、 この基板の少なくとも対向する端部に設けられた一対の
    電極と、 これら電極間に跨って形成された請求項1、2または3
    のいずれかに記載の厚膜正特性サーミスタ組成物と、 この厚膜正特性サーミスタ組成物および前記一対の電極
    の少なくとも一部を被覆する保護膜とを具備したことを
    特徴とする厚膜正特性サーミスタ。
JP25533792A 1992-08-11 1992-08-11 厚膜正特性サーミスタ組成物、その製造方法および厚膜正特性サーミスタ Expired - Fee Related JP3255985B2 (ja)

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