JP3224138B2 - 漢字フォント生成方式 - Google Patents

漢字フォント生成方式

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JP3224138B2 JP35363991A JP35363991A JP3224138B2 JP 3224138 B2 JP3224138 B2 JP 3224138B2 JP 35363991 A JP35363991 A JP 35363991A JP 35363991 A JP35363991 A JP 35363991A JP 3224138 B2 JP3224138 B2 JP 3224138B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、漢字フォントの生成方
式に係り、より詳しくは、画(カク)の幾何的パラメー
タを与えることによって画のアウトラインを関数的に生
成し、画アウトラインの集合として漢字フォントを生成
する方式に関する。
【0002】
【従来の技術】漢字は、膨大な文字種があるうえに複雑
なパターンを持つので、そのデザインの作業量が極めて
大きく、また漢字のパターンをビットマップデータとし
て記憶しようとすると極めて大きなメモリ量を必要とす
る。特に、高品質の漢字フォントを得ようとすると、必
要なメモリ量は膨大となる。
【0003】そこで従来、高品質の漢字フォントを必要
とする場合には、漢字の原字をビットマップ化したの
ち、一般的な2値画像処理によって輪郭ベクトル化する
アウトライン方式が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のアウト
ライン方式は、ビットマップデータの記憶に必要な非現
実的なメモリ量を削減するための次善的手段に過ぎない
ものであって、改善の余地が多い。
【0005】漢字のパターンは、画と呼ばれる単位要素
の集合として表現されるという特徴があるが、従来のア
ウトライン方式では、輪郭ベクトル化の際に、画相互の
干渉(交差、接触)によって線分が細分化されることに
より、アウトラインデータに冗長、有害なベクトルを多
く含んでおり、データ量及びメモリ量の削減にも限度が
あった。また、従来のアウトライン方式は、漢字フォン
トの部分的修正が実際上不可能で、編集性に欠けてい
た。
【0006】よって本発明の一つの目的は、漢字フォン
ト生成のためのデータ量を大幅に削減でき、かつ編集性
に優れた漢字フォント生成方式を提供することにある。
【0007】漢字は単なる画の集合ではなく、画の部分
集合である偏旁要素を単位として構成される。この偏旁
−画の階層構造を利用することによって、大幅なメモリ
削減とフォント編集の操作性向上を期待できる。しか
し、偏旁と画を単位としてフォントを構成する方式にも
問題がある。例えば、漢字を合成する場合にパターンの
要素のアフィン変換が必要となるが、偏旁に単純にアフ
ィン変換を施すと、垂直、水平度による歪みが生じ、バ
ランスの良好な自然なフォントを合成できないという問
題がある。
【0008】図19は、偏旁の「我」を用いて「義」を
合成する例を示している。400はもとになる「我」の
パターン、401はパターン400の全体に単純にアフ
ィン変換を行なったパターン、402は目標とすべき
「義」のパターンである。401のパターンでは、「た
すき」に見られるように、上が太く下が細く、というよ
うように水平、垂直度による歪みが生じる。
【0009】このようなパターンの歪みを減らし402
のようなフォントパターンを合成するためには、「我」
の個々の画のアウトラインを独立に修正できればよい。
しかし、従来のアウトライン方式では、このような修正
は困難である。したがって、従来のアウトライン方式
は、全ての漢字の原字をデザインしなければならないの
が実情である。
【0010】本発明の他の目的は、偏旁−画の階層構造
を効果的に利用できる漢字フォント生成方式を提供する
こと、漢字フォントのパラメトリックな編集が可能な漢
字フォント生成方式を提供することである。本発明のも
う一つの目的は、基準書体のデータを用いて、様々なス
タイル、書体、サイズの漢字フォントパターンを容易に
生成できる漢字フォント生成方式を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の特徴
は、画のアウトラインを1個の閉ループとして、4種の
幾何的パラメータ、すなわち、運筆上の始点、屈曲点ま
たは終点に対応するストローク端点の位置、運筆上の力
点のアウトライン部分に対応するアクセントエッジ、ア
クセントエッジを除いた運筆上の軌跡に対応するアウト
ライン部分であるストロークエッジ、及び、ストローク
エッジの始端及び終端における間隔に対応する線径によ
り定義し、これら4種の幾何的パラメータに基づき関数
的に画のアウトラインを生成し、画のアウトラインの集
合として漢字のフォントを得ることである。
【0012】請求項2の発明の特徴は、請求項1の発明
による漢字フォント生成方式において、一定種類のアク
セントエッジのパターンを用意し、それぞれに付与され
たインデックス番号によりアクセントエッジを指定する
ことである。
【0013】請求項3の発明の特徴は、請求項1の発明
による漢字フォント生成方式において、一定種類のスト
ロークエッジのパターンを用意し、それぞれに付与され
たインデックス番号によりストロークエッジを指定する
ことである。
【0014】請求項4の発明の特徴は、請求項1の発明
による漢字フォント生成方式において、ストロークエッ
ジの一方のエッジを他方のエッジから関数的に生成する
ことである。
【0015】請求項5の発明の特徴は、請求項1の発明
による漢字フォント生成方式において、基準書体につい
てのみストローク端点の座標を定義し、この座標に対す
る変位ベクトルとして他の書体のストローク端点の座標
を定義することである。
【0016】請求項6の発明の特徴は、請求項1の発明
による漢字フォント生成方式において、画のアウトライ
ンの集合として偏旁要素を合成し、この合成の際に、画
アウトラインのストローク端点のみにアフイン変換を施
すことである。
【0017】
【作用】請求項1の発明 画アウトラインのパラメトリックな生成が可能になる。
そして、画を定義する4種の幾何的パラメータはそれぞ
れ独立しているので、あるパラメータを他のパラメータ
と相互干渉を起こさせずに修正できるため、例えば、ス
トロークの位置、大きさを変えずに、線径のみを修正す
るというようなことが可能であり、漢字フォントの編
集、加工が容易である。これに対し、ストロークループ
を幾何学的な点列と曲線種で表わすようなノンパラメト
リックな方式では、ストロークの位置の変更を行なうべ
き点列を特定することが困難である。
【0018】また、1個の画を1個のデータセットと1
個の描画ルーチンの組み合わせで表現することができる
が、これは描画ルーチンによって書体を設定できること
を意味する。そして、4種の幾何的パラメータのそれぞ
れの意味は、書体の違いに拘らず共通である。したがっ
て、パラメータの解釈、すなわち画の関数を変更するこ
とによって、パラメータを変更することなく、図20に
例示するようなスタイルの異なる漢字フォントを生成す
ることができる。
【0019】請求項2,3の発明 画アウトラインのアクセントエッジは、毛筆の運筆上に
おける端点、節点における紙に垂直な動きの痕跡の様式
化であり、ストロークエッジのように大きな動作範囲
(大きな分解能)を要せず、エッジを形成するベクトル
のビット数を減らすことができる。さらに、同タイプの
アクセント(例えば横線のウロコ)は、すべての文字の
すべてのパターンで定量的に近似しているので、少数の
ランクのパターンを用意し、その中から必要なパターン
を選択して用いることができる。よって、予め用意した
パターンのインデックス番号によってアクセントエッジ
を指定する方式によれば、アクセントエッジに関するデ
ータ量を効果的に削減できる。
【0020】ストロークエッジについても同様で、予め
用意した一定種類のパターンからインデックス番号によ
ってパターンを選び、ストローク端点の位置を基準にし
て選択されたパターンのストロークエッジを関数的に生
成することができる。これによって、ストロークエッジ
に関するデータ量を削減できる。
【0021】請求項4の発明 画アウトラインのストロークエッジは、リアルな運筆の
軌跡を表現するもので、そのベクトルの分解能も全領域
をカバーできる必要がある。しかし、ストロークエッジ
は、筆の上下運動を伴わない水平運動の様式化であり、
一様な間隔の、つまり間隔が一定または、なだらなに変
化する2本のエッジで表現できる。したがって、ストロ
ークエッジの一方のエッジを実ベクトルで定義し、他方
のエッジを関数的に生成することは容易である。
【0022】このようにストロークエッジの一方を他方
のエッジより関数的に生成する方式によれば、データ量
を削減できるとともに、2本のエッジの双方を実ベクト
ルで定義した場合に心配されるような両エッジの一様性
を損なう危険も排除できる。
【0023】請求項5の発明 1個の文字種は1個の定性的な画の構造で定義される。
スタイルの違いは、この画構造についての定量化の相違
にすぎない。ストローク端点パラメータのように画構造
を表現するパラメータを持てば、ある文字のある画の1
個のストローク端点の位置は、異なるスタイルの文字間
で限られた範囲内に分散する。図21は、このストロー
ク端点位置の分散の様子を示している。
【0024】したがって、基準となるある書体について
ストローク端点を実ベクトルで定義すれば、他の書体の
ストローク端点を、基準書体のストローク端点に対する
変位ベクトルで定義できる。この変位ベクトルの分解能
は実ベクトルに比べ分解能は小さくでよい。よって、多
くの種類の書体のフォントを必要とする場合にも、デー
タ量及びメモリ量をかなり少なくできる。
【0025】請求項6の発明 漢字が偏旁−画の階層構造を持つので、画のアウトライ
ンの集合として偏旁要素を合成することができる。この
場合、例えば図7〜図9に示すような28種の画アウト
ラインを組み合わせることにより、一般的な漢字を全て
合成可能と考えられる。
【0026】具体的には、この28種の画アウトライン
を拡張し、すべての偏旁(120種程度)を用意し、こ
れにサイズと位置を指定してフォントを構成すれば、デ
ータ量、メモリ量は劇的に減少する。そして、この合成
の際に、画アウトラインの全体にアフィン変換を施さ
ず、ストローク端点のみにアフィン変換を施すことによ
って、図19により説明したようなフォント品質上無視
できないようなパターンの歪みを除去できる。
【0027】なお、アフィン変換をストローク端点のみ
に限定することにより形状の自由度が制限される(例え
ば、すべての言偏は位置、サイズの自由度があるが、す
べて相似形となる)。しかし、これをデザイン・アイテ
ムの一種と考えれば、格別の不利益となるものではな
く、むしろフォント作成の手間やメモリ量を激減できる
利益が大きい。
【0028】
【実施例】以下、図面を用い、本発明を実施例により具
体的に説明する。
【0029】まず、画アウトラインの構造と用語につい
て、図1により具体的に説明する。 (a)に示す「左払い」の画のアウトラインは、一対の
ストロークエッジ100,101と、一つのアクセント
エッジ102から構成される。100をストロークエッ
ジの主辺と呼び、101を副辺と呼ぶ。103と104
はストローク端点の始点と終点である。105は主辺1
00及びアクセントエッジ102の始点、106はアク
セントエッジ102の終点であるが、同時に副辺101
の始点でもある。wは線径である。
【0030】(b)に示す「縦線」の画のアウトライン
は、アクセントエッジの主辺110及び副辺111と、
アクセントエッジ112からなる。113と114はス
トローク端点たる始点と終点、115は主辺110及び
アクセントエッジ112の始点、116は副辺の始点で
あると同時にアクセントエッジ112の終点である。
【0031】(c)に示す「かぎ」の画のアウトライン
は、第1のストロークエッジの主辺120と副辺12
1、第2のストロークエッジの主辺122と副辺12
3、第1のアクセントエッジ124及び第2のアクセン
トエッジ125から構成される。この場合、ストローク
端点として、始点126と終点127のほかに中点(屈
曲点)128がある。
【0032】次に、図2に示した「議」に用いられてい
る「左払い」の画(黒塗りされたもの)を例にして、画
パラメータについて説明する。図2から理解されるよう
に、同じ「左払い」であっても、その傾き、長さ、太さ
等が微妙に異なっているため、本発明では、次に説明す
るような4種の幾何的パラメータを用いて、画アウトラ
インを定義する。図3、図4はその説明図である。
【0033】図3において、P0はストローク始点、P
2はストローク終点、P1は主辺及びアクセントエッジ
の始点、P3は副辺の始点及びアクセントエッジの終点
であることは、上述の通りである。CはP0,P2を結
ぶ直線の中点から時計回り方向に延ばした垂線が主辺と
交わるまでの距離で、これは主辺の曲率に相当する。w
は線径である。
【0034】実際的には後述のように、ストロークエッ
ジのパターン(関数)を一定種類用意しておき、そのパ
ターンを指定し、また曲率Cを指定することによって
(曲率Cの指定を省くことも可能)、別に指定されたス
トローク端点P0,P2及びアクセントエッジの高さ
(下記)より、主辺を関数的に生成することができる。
また副辺は、主辺及び別に指定された線径wから関数的
に生成することができる。
【0035】そのような予め用意されるストロークエッ
ジパターンの例を図5に示す。ここに示すS1〜S8の
パターンを用いることによって、一般的な漢字に用いら
れる画のほぼ全てのストロークエッジ(主辺)を生成で
きると考えられる。
【0036】また、図4はアクセントエッジのパターン
を示しているが、その向きを正規化してある。P0とP
3はアクセントエッジの始点と終点であり、これは図3
のP1,P3に対応する。また、P1は図3のP0に対
応する。P2はアクセントエッジの始点P1から最も遠
い点である。
【0037】アクセントパターンに高度の自由度を認め
る場合、アクセントエッジの高さm、線径w、P3から
P2へのベクトルv(dx,dy)の3個の数値パラメ
ータでアクセントエッジのパターンを定義する。
【0038】実際的には後述のように、アクセントエッ
ジのパターン(関数)を予め一定種類用意しておき、パ
ターンを選択し、ストロークエッジと正しく連続するよ
うにパターンの拡大縮小と回転を行なうことにより、必
要なアクセントエッジを生成することができる。
【0039】そのような予め用意されるアクセントエッ
ジパターンの例を図6に示す。ここに示すA1〜A8の
パターンを用いることによって、一般的な漢字に用いら
れる画のほぼ全てのアクセントエッジを生成できると考
えられる。
【0040】図5の8種のストロークエッジパターンと
図6に示すアクセントエッジパターンの組み合わせによ
り生成できる28種の画アウトラインを、図7〜図9に
示す。図中のSi,Aiは図5または図6のパターン番
号(名)と同じである。Kiは画パターン番号(名)で
ある。また、破線はストロークエッジのうちの副辺であ
る。あるフォントの場合、上記28種の画アウトライン
パターンによって全ての漢字フォントを生成できる。
【0041】本発明により画アウトラインを生成するア
ウトラインジェネレータの例を図10に示す。200は
ストロークジェネレータ、201はアクセントジェネレ
ータ、203はアフィン変換部である。
【0042】ストロークジェネレータ200は、図5に
示す8種のストロークエッジ(線分ベクトル)を関数的
に生成するルーチンの集合である。これは、ストローク
エッジの主辺より副辺を関数的に生成する際に参照する
太さ関数表204(内容は後述する)を持つ。
【0043】アクセントジェネレータ201は、図6に
示す8種のアクセントエッジ(線分ベクトル)を関数的
に生成するルーチンの集合である。
【0044】各ジェネレータ200,201により生成
されるパターンは、アウトラインパターンを描くのに必
要な点の集合で、例えば図11のP0〜P4の5点また
は、これらをスプライン曲線で補間した結果の点群であ
る。重要な点は、これらのアウトライン配列は文字座標
から独立した座標系を持ち、始点(図11のP0)を原
点(0,0)とし、与えられたパラメータ(ストローク
端点、アクセント、線径)によって、回転、拡大縮小
(縦横)、位置の移動というアフィン変換を経て、画の
パターンを描くことである。
【0045】各ジェネレータ200,201のルーチン
(パターン)の選択は、目的の画に応じて外部より指定
する。例えば、「縦止め」(k1)のアウトラインを生
成する場合、アクセントエッジについてはA1,A4
ルーチンを、ストロークエッジとしてS3のルーチンを
それぞれ選択させる。
【0046】アフィン変換部203は、画アウトライン
より偏旁または文字を合成する際に、必要に応じてスト
ローク端点の位置についてアフィン変換を行なうために
用意されている。
【0047】次に、「左払い」(K20)を例として、
画アウトラインの生成プロセスについて具体的に説明す
る。図12はその説明図である。
【0048】この画アウトラインは、図9から分かるよ
うに、S5のストロークエッジパターンとA1のアクセ
ントエッジパターンより構成されるので、以下のような
パラメータが外部より指定される。
【0049】まずストローク生成に関するパラメータと
して、パターン番号(名)すなわちルーチン番号(名)
S5と、図12に示すP0,P1の位置(ストローク端
点)がある。この位置は文字座標(例えば256×25
6)上の絶対座標として指定される。また曲率Cが指定
される。ただし、ストロークエッジの形状の自由度、自
然さを犠牲にしても構わない場合は、Cをデフォルトと
し、外部から指定しないことも不可能ではない。
【0050】アクセントエッジ生成に関するパラメータ
として、パターン番号(名)すなわちルーチン番号
(名)A1と、パターンの高さm、終点から最遠近点へ
のベクトルvがある。なお、曲率と同様に、mとvをデ
フォルトとすることも不可能ではない。線径wはアクセ
ントエッジ生成にも用いられるので、アクセントジェネ
レータ201にも入力する。アウトラインの生成は、次
のようにして行なわれる。
【0051】S5のストロークパターンを選ぶ。図12
(a)に示されるように、P0,P1を結ぶ直線の中点
P2の位置を計算する。次に、P2から時計回り方向に
垂線を出し、曲率Cだけ離れた点P2’を計算する。そ
して、P0,P2’,P1の3点についてスプライン補
間を行ない、P0−P1の点群を生成する。この点群
は、アクセントエッジの一部と主辺を構成するものであ
る。
【0052】A1のアクセントエッジパターンを選ぶ。
図12(b)に示すように、高さがm、始点P3と終点
P4の間隔が線径wと一致するようにA1のパターンの
大きさを調節する。パターンの膨らみの程度は、ベクト
ルvによって決められる。
【0053】次に、図12(c)に示すように、(a)
で得られた点列上のP0からmだけ離れた点P0’を主
辺の始点とし、P0,P0’の水平、垂直方向の差分d
x,dyから主辺の傾きを計算する。(d)に示すよう
に、アクセントエッジパターンを、主辺の傾きと同量だ
傾かせる。次に(e)に示すように、アクセントエッ
ジパターンの始点P3を主辺の始点P0’に移動させ、
アクセントエッジパターンと主辺を接続する。
【0054】次に、図12(f)に示すように、主辺P
0’−P1までの間を4等分(あるいは3等分)し、各
分割点から時計回り方向に垂線を出す。各垂線の長さw
1,w2,w3は、パターンS5に対応した太さ関数表
(図13参照)に従って計算する。そして、各垂線の先
端位置、アクセントエッジの終点P4(副辺の始点)、
主辺の終点P1(副辺の終点)を結ぶ点群をスプライン
補間によって求めることによって、副辺を生成する。
【0055】ここで太さ関数表は、ストロークエッジ上
の各点における太さを、線径Wに対する比として表わし
た数列である。ここで例に挙げた「左払い」や、「右払
い」、「右留め」等の太さは、ストローク進行に沿って
非線形的に変化する。したがって、デザインアイテムに
適した「太さ関数表」を作成することによって、太さを
容易にコントロールできる。また、関数により太さを定
義する方法に比べ、太さコントロールの自由度がある。
【0056】以上のように画のアウトラインを生成する
ことができるので、これを一つの文字座標上に合成する
ことによって偏旁または漢字のアウトラインを得ること
ができる。この場合に、画アウトラインジェネレータを
用いて漢字フォントを生成するためのデータの形式とし
て二つのタイプが考えられる。
【0057】第1の形式は、個々の文字を、それを構成
する一連の画の集合として表現する形式である。この場
合、例えば「我」についてのデータは、図14に示すよ
うな内容となる。この形式は、個々の文字を単位とし
て、それぞれの画のパラメータを指定できるので、アウ
トラインの微妙な相違を表現できる。しかし、データ保
存のためのメモリ量の削減という見地からは、次に述べ
る第2の形式に比べ不利である。
【0058】第2の形式は、予め選んだ偏旁または文字
を単位とし、画の集合として定義しておき、目的の文字
を構成する偏旁または文字をアフィン変換して組み合わ
せ、目的のアウトラインを得るものである。このデータ
形式は、既定義の偏旁または文字の画配列と、アフィン
変換パラメータ(位置及びサイズ)を読み出して画アウ
トラインジェネレータに与えればよいから、データ保存
に必要なメモリ量は極めて少なくできる。
【0059】図7〜図9に示した画を拡張した例えば1
20種程度の「偏旁」を用意しておけば、実用的には全
ての漢字のフォントを生成することができるようにな
る。
【0060】図15(a)は、「義」を生成するための
第2の形式によるデータを示す。アフィンパラメータと
しては、図15(b)に示すように、各偏旁の位置P、
高さV、幅Hが指定される。
【0061】第2の形式による場合、画アウトラインジ
ェネレータに対し、目的の漢字の一部たる偏旁または文
字の画パラメータとともにアフィンパラメータが入力さ
れる。画アウトラインジェネレータにおいては、アフィ
ン変換部203により、アフィンパラメータに従い画の
パラメータ中のストローク端点にアフィン変換を施し、
この変換後のストローク端点をストロークジェネレータ
200で用いる。これ以外は前述の通りである。
【0062】このようにストローク端点にのみアフィン
変換が適用され、他のパラメータは影響されないため、
図19により前述したようなストロークの水平度、垂直
度による歪みの発生を回避できる。すなわち、図19の
「我」のパターン400の画ストロークの端点のみにア
フィン変換を施すことによって、目標とするパターン4
02に非常に近い歪みのないパターンを得られるという
ことである。
【0063】次に、漢字の階層構造に基づいた具体的な
階層データ構造の例を説明する。図16は、このデータ
構造の説明図である。このデータ構造にあっては、文字
表300、偏旁表301、画(カク)表302によって
データが階層化されている。
【0064】画表302は、個々の偏旁(または文字)
を構成する画の集合であって、階層の最下層に位置する
ものである。偏旁表301は、文字を構成する偏旁の集
合で、階層の中間層に位置するものである。文字も、他
の文字の要素と成りえるので、偏旁表301から文字表
300を参照することもできる。文字表300は階層の
最上層に位置し、外部から選択された文字に対応する偏
旁集合または画集合を指し示す表である。
【0065】各表の内容を、「言」、「義」、「議」、
「我」の4文字を例に図17に示す。(a)は文字表3
00の内容、(b)は偏旁表301の内容、(c)は画
表302の内容である。
【0066】文字表300と偏旁表301の一つのレコ
ードは2バイト長で、図18に示す構造を持ち、その下
位13ビットは、上位3ビットで示された種類の表に対
するインデックスである。画表302の一つのレコード
は1バイト長で、一つの画の番号を表わす。
【0067】「我」のフォントを生成する場合、文字表
300の対応したアドレス89E4のレコードは画表3
02のアドレスrを指し示している。したがって、画表
301のアドレスrからNULLレコードの前までのレ
コードの内容に従って「我」を構成する各画のパラメー
タ(アフィンパラメータも含む)をパラメータメモリか
ら順次読み出して画アウトラインジェネレータへ入力
し、それぞれのアウトラインを生成し、これを同じ文字
座標上に合成することによって、目的のフォントを得る
ことができる。
【0068】「言」の場合も同様で、文字表300の対
応したアドレス8CBEのレコードが指し示す画表30
2のアドレスpからNULLレコードの前までの各レコ
ードの内容に従い画のパラメータを読み出し、アウトラ
インの生成を行なうことになる。
【0069】「義」の場合、文字表300の対応したア
ドレス8B60のレコードが指し示す偏旁表301のア
ドレスmからNULLレコードの前までのレコードを参
照する。まず、偏旁表301のアドレスmのレコードが
指す画表302のアドレスq以下のレコードの内容によ
って、上側の偏旁を構成する画のパラメータをパラメー
タメモリより読み出し画アウトラインジェネレータに与
え、そのアウトラインを生成する。次に、偏旁表301
のアドレスm+1のレコードが指し示す文字表300の
アドレス89E4のレコードを参照する。このレコード
は画表302のアドレスrを指しているので、このアド
レス以下のレコードの内容によって画のパラメータを読
み出し、画アウトラインジェネレータに与えることによ
って、「義」の下側の偏旁を構成する画のアウトライン
を生成する。「議」の場合も同様である。
【0070】なお、各ジェネレータ200,201の描
画ルーチンを変更することにより、同じ画パラメータを
用いて、図12に示すような書体の違った漢字フォント
を生成できることは前述のとおりである。
【0071】また、基準書体についてストローク端点を
実ベクトルとして用意しておき、他の書体については、
基準書体のストローク端点に対する変位ベクトルを用意
しておき、この変位ベクトルと基準書体のストローク端
点とから他書体のストローク端点の実ベクトルを求め、
これを画アウトラインジェネレータに与えることによっ
て、その画アウトラインを生成できることは、ここまで
の説明から理解できるであろう。そして、このようにす
るとメモリ量を減らす上で効果があることは、図21に
より既に述べたとおりである。
【0072】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、画アウトライ
ンのパラメトリックな生成が可能になり、ストロークの
位置、大きさを変えずに、線径のみを修正するというよ
うなことが可能で、漢字フォントの編集、加工が容易と
なるとともに、パラメータを変更することなくスタイル
の異なる漢字フォントを容易に生成できるという効果を
得られる。
【0073】請求項2,3の発明によれば、画アウトラ
インのアクセントエッジ,ストロークエッジに関するデ
ータ量を効果的に削減できる。
【0074】請求項4の発明によれば、ストロークエッ
ジに関するデータ量を削減できる効果を得られるととも
に、ペアをなす2本のストロークエッジの一様性を損な
う危険を排除できるという効果を得られる。
【0075】請求項5の発明によれば、多くの種類の書
体のフォントを必要とする場合にも、書体別に独立にデ
ータを容易する方式に比較し、データ量及びメモリ量を
かなり少なくできる。
【0076】請求項6の発明によれば、漢字の偏旁−画
の階層構造を利用しデータ量を減らす場合に必要なアフ
ィン変換によるアウトラインの歪みを減らすことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)「左払い」のアウトラインの説明図であ
る。(b)「縦線」のアウトラインの説明図である。
(c)「かぎ」のアウトラインの説明図である。
【図2】「議」に用いられている「左払い」の示す図で
ある。
【図3】「左払い」のストロークパラメータの説明図で
ある。
【図4】「左払い」のアクセントパラメータの説明図で
ある。
【図5】ストロークパターンを示す図である。
【図6】アクセントパターンを示す図である。
【図7】図5,図6のパターンを組み合わせた画アウト
ラインを示す。
【図8】図5,図6のパターンを組み合わせた画アウト
ラインを示す。
【図9】図5,図6のパターンを組み合わせた画アウト
ラインを示す。
【図10】画アウトラインジェネレータの例を示すブロ
ック図である。
【図11】ジェネレータの説明のためのパターンを示
す。
【図12】(a)主辺と生成の説明図である。(b)ア
クセントエッジパターンの大きさ調整の説明図である。
(c)主辺の始点での傾きの説明図である。(d)アク
セントエッジパターンの回転の説明図である。(e)ア
クセントエッジの主辺への接続を示す図である。(f)
副辺の生成の説明図である。
【図13】太さ関数表の説明図である。
【図14】「我」を生成するためのデータの一形式を示
す。
【図15】(a)「義」を生成するためのデータの一形
式を示す。(b)アフィンパラメータの説明図である。
【図16】階層データ構造の説明図である。
【図17】(a)文字表の内容を示す。(b)偏旁表の
内容を示す。(c)画表の内容を示す。
【図18】文字表及び偏旁表のデータ構造を示す図であ
る。
【図19】アフィン変換によるパターンの歪みを説明す
るための図である。
【図20】画関数による書体変換例を示す図である。
【図21】スタイルの違いによるストローク端点の位置
の分散を示す図である。
【符号の説明】
200 ストロークジェネレータ 201 アクセントジェネレータ 203 アフィン変換部 204 太さ関数表 300 文字表 301 偏旁表 302 画表

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画のアウトラインを1個の閉ループとし
    て、運筆上の始点、屈曲点または終点に対応するストロ
    ーク端点、運筆上の力点のアウトライン部分に対応する
    アクセントエッジ、アクセントエッジを除いた運筆上の
    軌跡に対応するアウトライン部分であるストロークエッ
    ジ、及び、ストロークエッジの始端または終端における
    間隔に対応する線径、という4種の幾何的パラメータに
    より定義し、これら4種の幾何的パラメータに基づき関
    数的に画のアウトラインを関数的に生成し、画のアウト
    ラインの集合として漢字のフォントを得ることを特徴と
    する漢字フォント生成方式。
  2. 【請求項2】 一定種類のアクセントエッジのパターン
    を用意し、それぞれに付与されたインデックス番号によ
    りアクセントエッジを指定することを特徴とする請求項
    1記載の漢字フォント生成方式。
  3. 【請求項3】 一定種類のストロークエッジのパターン
    を用意し、それぞれに付与されたインデックス番号によ
    りストロークエッジを指定することを特徴とする請求項
    1記載の漢字フォント生成方式。
  4. 【請求項4】 ストロークエッジの一方のエッジを他方
    のエッジから関数的に生成することを特徴とする請求項
    1記載の漢字フォント生成方式。
  5. 【請求項5】 基準書体についてストローク端点の座標
    を定義し、この座標に対する変位ベクトルとして他の書
    体のストローク端点の座標を定義することを特徴とする
    請求項1記載の漢字フォント生成方式。
  6. 【請求項6】 画のアウトラインの集合として偏旁要素
    を合成し、この合成の際に、画のアウトラインのストロ
    ーク端点のみにアフイン変換を施すことを特徴とする請
    求項1記載の漢字フォント生成方式。
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