JP3199598B2 - (メタ)アクリロイルオキシル基含有オルガノポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリロイルオキシル基含有オルガノポリシロキサンの製造方法

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JP3199598B2
JP3199598B2 JP08472395A JP8472395A JP3199598B2 JP 3199598 B2 JP3199598 B2 JP 3199598B2 JP 08472395 A JP08472395 A JP 08472395A JP 8472395 A JP8472395 A JP 8472395A JP 3199598 B2 JP3199598 B2 JP 3199598B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、保存安定性に優れかつ
高純度化が容易な、例えば、電子線硬化性樹脂組成物、
熱硬化性樹脂組成物、或いは光硬化性樹脂組成物のベー
スポリマーとして有用な(メタ)アクリロイルオキシル
基含有オルガノポリシロキサンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来知られているアクリロイルオキシル
基含有オルガノポリシロキサンは、比較的、分子量の低
いポリマーである(例えば、GPCによるポリスチレン
換算値で2,000以下)。これに対し、分子量をより
大きくすることができれば、高速硬化が可能で、しか
も、例えば、半導体回路等に用いるパターン形成が可能
な熱硬化性樹脂組成物、電子線硬化性樹脂組成物、光硬
化性樹脂組成物等のベースポリマーとして極めて有用で
ある。しかし、分子量が3,000以上(GPCによる
ポリスチレン換算値)のアクリロイルオキシル基含有オ
ルガノポリシロキサンは未だ前記ベースポリマーとして
使用されていない。
【0003】従来公知の方法を応用してこのような高分
子量のアクリロイルオキシル基含有オルガノポリシロキ
サンを得るには、例えば、目的とする分子構造に応じて
アクリロイルオキシル基含有アルコキシシランとその他
のアルコキシシランとを共加水分解に供した後、加熱に
より縮重合させる方法が考えられる。しかし、この方法
により得られる高重合度のアクリロイルオキシル基含有
オルガノポリシロキサンは、多数のシラノール基を有し
ているため不安定で、経時とともに増粘してゲル化す
る。また、こうして得られる高重合度のアクリロイルオ
キシル基含有オルガノポリシロキサンは親水性を有する
ため、有機溶媒と水を用いる溶媒抽出法では水溶性不純
物を除去することができず、精製が困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、保存
安定性に優れ、水洗により容易に精製することができ、
高重合度の(メタ)アクリロイルオキシル基含有オルガ
ノポリシロキサンを簡単な工程で得ることができる製造
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A) 下記一般
式(1): CH2=CR1COO−C36−SiR2 a(OR33-a (1) (式中、R1 は水素原子又はメチル基であり、R2 は非
置換又は置換の一価炭化水素基であり、R3 はアルキル
基であり、aは0〜2の整数である)で示される(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルアルコキシシランと;
下記一般式(2): R4 4-nSi(OR5n (2) (式中、R4は非置換又は置換の一価炭化水素基であ
り、R5はアルキル基であり、nは1〜4の整数であ
る)で示されるアルコキシシランとを塩酸の存在下で
加水分解し、次いで縮重合させてシラノール基を有する
共加水分解縮重合物を得る工程、及び (B) 該共加水分解縮重合物をシリル化剤と反応させて前
記のシラノール基をシリル化する工程とを含む、平均分
子量3,000以上(GPCによるポリスチレン換算
値)の固形状の(メタ)アクリロイルオキシル基含有オ
ルガノポリシロキサンの製造方法である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。 (A) 共加水分解・縮重合工程 本発明の製造方法は、先ず、前記一般式(1)で示され
る(メタ)アクリロイルオキシプロピルアルコキシシラ
ンと、前記一般式(2)で示されるアルコキシシランと
塩酸の存在下で共加水分解し、次いで縮重合させてシ
ラノール基を有する共加水分解縮重合物を得る。
【0007】前記一般式(1)のR2 で表される非置換
又は置換の一価炭化水素基としては、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオ
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の
シクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル
基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、
ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基;
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフ
ェニル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル
基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラル
キル基;並びにこれらの基の炭素原子に結合している水
素原子の一部又は全部がフッ素、塩素、臭素等のハロゲ
ン原子、シアノ基などで置換された基、例えば、クロロ
メチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル
基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェ
ニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,
3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシ
ル基などの炭素原子数が1〜12の非置換もしくは置換
の1価炭化水素基が挙げられる。
【0008】前記一般式(1)のR3 で表されるアルキ
ル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−
ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシ
ル基等が挙げられる。
【0009】前記一般式(1)で示される(メタ)アク
リロイルオキシプロピルアルコキシシランの具体例とし
ては、例えば、アクリロイルオキシプロピルジメチルモ
ノメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルジメチ
ルモノエトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルジ
フェニルモノメトキシシラン、アクリロイルオキシプロ
ピルジフェニルモノエトキシシラン、(2−メチル)ア
クリロイルオキシプロピルジメチルモノエトキシシラン
等の(メタ)アクリロイルオキシプロピルジカルビルモ
ノアルコキシシラン;アクリロイルオキシプロピルモノ
メチルジメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピル
モノメチルジエトキシシラン、アクリロイルオキシプロ
ピルモノフェニルジメトキシシラン、アクリロイルオキ
シプロピルモノフェニルジエトキシシラン、(2−メチ
ル)アクリロイルオキシプロピルモノメチルジエトキシ
シラン等の(メタ)アクリロイルオキシプロピルモノカ
ルビルジアルコキシシラン;アクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルト
リエトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルトリプ
ロポキシシラン、(2−メチル)アクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルトリアルコキシシランなどが挙げられる。
これらは1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0010】前記一般式(2)のR4 で表される非置換
又は置換の一価炭化水素基としては、前記R2 と同様の
ものが挙げられ、R5 で表されるアルキル基としては、
前記R3 と同様のものが挙げられる。前記一般式(2)
で示されるアルコキシシランの具体例としては、例え
ば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキ
シシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニル
ジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエ
チルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、ト
リメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、
トリフェニルエトキシシラン等が挙げられる。特に好適
なアルコキシシランとしては、一般式(2)のnが2又
は3のアルコキシシランである。
【0011】前記一般式(1)及び(2)のアルコキシ
シランの共加水分解は、触としての塩酸の存在下に行
う。
【0012】触媒である塩酸の使用量は、前記一般式
(1)及び(2)のアルコキシシランの合計量100重
量部に対し、通常0.001〜1.0重量部である。共
加水分解は、通常、0〜50℃で行えばよい。共加水分
解に供される各反応成分の量は、前記一般式(1)で示
される(メタ)アクリロイルオキシプロピルアルコキシ
シラン1モル当たり、前記一般式(2)で示されるアル
コキシシランを、好ましくは、0.1〜20モル、さら
に好ましくは0.5〜5.0モルとなるようにすればよ
い。
【0013】また、前記一般式(1)で示される(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルアルコキシシランとし
て、(メタ)アクリロイルオキシプロピルジカルビルモ
ノアルコキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルモノカルビルジアルコキシシラン及び(メタ)アク
リロイルオキシプロピルトリアルコキシシランから2種
以上を選択して使用する場合のこれらアルコキシシラン
の割合は、目的とする高重合度の(メタ)アクリロイル
オキシル基含有オルガノポリシロキサンの分子構造に応
じて選択すればよく、まったく制限されない。なお、前
記(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリアルコキシ
シランは3官能性であるので、該シランの使用量が多い
とそれだけ分子内の分岐が多くなる。
【0014】前記一般式(1)及び(2)のアルコキシ
シランを共加水分解し、次いで縮重合するが、加水分解
反応とこれに続く縮重合反応は明確に区別できる異なる
段階として進行する訳ではない。一般式(1)及び
(2)のアルコキシシランを共加水分解することにより
生じたシラノール基を有するシランの一部は生成と同時
に縮合するし、また縮重合反応の段階でも残存するアル
コキシ基はなお加水分解を受けるからである。また、シ
ラノール基を有するシランは生成と同時に縮重合するの
で、共加水分解して得られた反応生成物を、そのまま次
のシリル化工程に供しても分子量3,000以上(GP
Cによるポリスチレン換算値)の目的とするオルガノポ
リシロキサンを得ることができる場合があるが、このよ
うなオルガノポリシロキサンを確実に得るには、本発明
のように、共加水分解後の反応生成物を縮重合に供した
後にシリル化工程に供する必要がある。
【0015】本発明における共加水分解は、通常、0〜
50℃で反応させることにより行われる。次の縮重合
は、このようにして得られた反応生成物を50〜100
℃でさらに反応させることにより行われる。その結果、
得られる共加水分解縮重合物中には、アルコキシ基は殆
ど残っていないが、一部のシラノール基は未反応のまま
残っている。本発明の製造方法においては、本発明の目
的物である(メタ)アクリロイルオキシル基含有オルガ
ノポリシロキサン中にシラノール基が残らないようにす
るために、該共加水分解縮重合物を次のシリル化工程に
供する。
【0016】(B) 共加水分解縮重合物のシリル化工程 この工程では、前記共加水分解縮重合物をシリル化剤と
反応させて該共加水分解縮重合物中に残っているシラノ
ール基をシリル化する。前記シリル化剤としては、例え
ば、一般式(3): R6 3Si−NH−SiR6 3 (3) (式中、R6 は独立にアルキル基である)で表されるヘ
キサアルキルジシラザンが挙げられる。前記一般式
(3)のR6 で表されるアルキル基としては、前記R3
と同様のものが挙げられる。
【0017】前記一般式(3)で表されるヘキサアルキ
ルジシラザンの具体例としては、例えば、ヘキサメチル
ジシラザン、テトラメチルジブチルジシラザン、ヘキサ
エチルジシラザン等が挙げられ、中でもヘキサメチルジ
シラザンが好ましい。前記一般式(3)のヘキサアルキ
ルジシラザン以外のシリル化剤としては、例えば、N−
トリメチルシリルアセトアミド、N,O−ビス(トリメ
チルシリル)アセトアミド、N−トリメチルシリルイミ
ダゾール等が挙げられる。前記シリル化剤の中でも好ま
しいのはヘキサアルキルジシラザンである。このシリル
化反応は、通常有機溶媒中で行われ、このような有機溶
媒としては、例えば、メチルトリブチルケトン、トルエ
ン、キシレン等が挙げられる。該シリル化により、前記
共加水分解縮重合物中に残っているシラノール基の活性
水素原子が不活性なトリオルガノシリル基で置換され
る。即ち、シリル化剤がヘキサメチルジシラザンの場合
には、シラノール基はトリメチルシロキシ基に転化され
る。
【0018】シリル化剤の使用量は、共加水分解縮重合
物中に残っているシラノール基の量により一概に決定で
きないが、通常、前記共加水分解縮重合物に対して5重
量%以上が好ましい。前記シリル化反応の温度は、80
℃以上が好ましく、反応時間は、0.5〜3時間程度で
よい。このシリル化工程により、共加水分解縮重合物中
に残っているシラノール基はほぼ完全にトリオルガノシ
ロキシ基に転化され不活性になる。
【0019】このように前記共加水分解縮重合物をシリ
ル化工程に供して得られた(メタ)アクリロイルオキシ
ル基含有オルガノポリシロキサンは、平均分子量が、通
常、3,000以上(GPCによるポリスチレン換算
値)である。前記の電子線硬化性樹脂組成物、熱硬化性
樹脂組成物、光硬化性樹脂組成物等のベースポリマーと
して用いる場合には、平均分子量3,000〜100,
000(GPCによるポリスチレン換算値)が好まし
く、さらに5,000〜50,000(GPCによるポ
リスチレン換算値)の範囲がより好ましいが、かかる分
子量のものを容易に製造することができる。
【0020】本発明の製造方法により得られる(メタ)
アクリロイルオキシル基含有オルガノポリシロキサン
は、水洗により容易に精製することができ、高純度の固
形状態として得ることができる。また、用途によって
は、例えば、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケ
トン、アセトン等の有機溶剤に溶解して使用することが
できる。
【0021】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を
更に具体的に説明する。なお、本例中、平均分子量はG
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)によるポ
リスチレン換算値である。実施例1 アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン468
重量部(2モル)、及びフェニルトリメトキシシラン5
94重量部(3モル)をフラスコに仕込み、これに水4
46重量部(25モル)、及び酸触媒としての塩酸(3
6%)1.2重量部を混合した溶液を滴下して加水分解
を行った。次に、得られた反応混合物を80℃に加熱
し、副生するメチルアルコールを留去しながら縮重合を
行い、平均分子量(MW )15,000の共加水分解縮
重合物を含む反応溶液を得た。この共加水分解縮重合物
を反応溶液から分離したのち、メチルイソブチルケトン
に溶解し、共加水分解縮重合物の固形分100重量部当
たり25重量部のヘキサメチルジシラザンを添加し、1
00℃で、1時間加熱した。次に、得られた反応混合物
を100℃、5mmHgで減圧ストリップ処理し、樹脂
状固形物として(メタ)アクリロイルオキシル基含有オ
ルガノポリシロキサンを得た。
【0022】得られた(メタ)アクリロイルオキシル基
含有オルガノポリシロキサンの平均分子量(M)は1
4,500であり、軟化点は55℃であり、収率は90
%であった。得られたシリル化前の前記共加水分解縮重
合物の赤外線分析チャートを図2に、これをシリル化し
た本発明の(メタ)アクリロイルオキシル基含有オルガ
ノポリシロキサンの赤外線分析チャートを図1に示す。
では、シラノール基に由来する吸収が900cm
−1及び3400〜3500cm−1付近に認められた
が、図ではこれらの吸収は完全に消失していることが
わかる。
【0023】実施例2 実施例1と同様にして合成した(メタ)アクリロイルオ
キシル基含有オルガノポリシロキサンをトルエンに不揮
発分の濃度が35重量%となるように溶解し、得られた
溶液100重量部を純水(電導度1μs/cm以下)2
00重量部で2回洗浄した。その結果、1回目の洗浄廃
水の電導度は13μs/cmであり、2回目の洗浄排水
の電導度は4μs/cmに低下していた。次に、洗浄し
た(メタ)アクリロイルオキシル基含有オルガノポリシ
ロキサンのトルエン溶液から水分を共沸脱水し、さらに
トルエンを留去して、平均分子量(MW )14,00
0、軟化点52℃の(メタ)アクリロイルオキシル基含
有オルガノポリシロキサンを固体として得た。収率は8
8%であった。
【0024】比較例1 反応成分を共加水分解に供し、さらに縮重合させるまで
は実施例1とまったく同様にして行い、平均分子量(M
W )15,000の共加水分解縮重合物含む反応溶液を
得た。次に、該反応溶液1509.2に酸触媒を中和す
るためプロピレンオキサイド2.4重量部を加え攪拌
し、100℃/5mmHgで減圧ストリップ処理し、樹
脂固形物として共加水分解縮重合物を得た。この共加水
分解縮重合物の平均分子量(MW )は15,500であ
り、軟化点は60℃であり、収率は91%であった。
【0025】比較例2 比較例1と同様にして合成した共加水分解縮重合物をメ
チルイソブチルケトンに不揮発分が35重量%となるよ
うに溶解し、得られた溶液100重量部を純水(電導度
1μs/cm以下)200重量部で2回洗浄した。その
結果、1回目の洗浄廃水の電導度は10μs/cmであ
り、2回の洗浄廃水の電導度は3μs/cmに低下して
いたが、洗浄後、有機相と水相とを分離するときにエマ
ルジョン相を形成していたため分離が極めて困難であり
共加水分解縮重合物の損失を伴った。次に、洗浄した共
加水分解縮重合物のメチルイソブチルケトン溶液から水
分を共沸脱水し、さらにメチルイソブチルケトンを留去
し、共加水分解縮重合物を固体として得た。この共加水
分解縮重合物の平均分子量(MW )は14,500であ
り、軟化点は52℃であり、収率は35%であった。
【0026】実施例1及び2で得られた本発明の(メ
タ)アクリロイルオキシル基含有オルガノポリシロキサ
ン、並びに比較例1及び2で得られた共加水分解縮重合
物について、下記の保存安定性試験並びに遊離クロル量
及び加水分解性クロル量の測定に基づく純度の評価を行
った。結果を表1に示す。
【0027】保存安定性試験 実施例1及び2で得られた(メタ)アクリロイルオキシ
ル基含有オルガノポリシロキサン又は比較例1及び2で
得られた共加水分解縮重合物をメチルイソブチルケトン
に不揮発分の濃度が45重量%となるように溶解した。
得られた溶液の25℃における初期の粘度はそれぞれ表
1に示す通りであった。さらに、これらの溶液を25℃
に1日〜最長75日まで放置して粘度の経時変化を測定
した。その結果も表1に示す。なお、表中の「ゲル化」
とは、溶液がゲル化し粘度が測定不能であったことを示
す。
【0028】純度の評価 (遊離クロル量の測定)実施例1及び2で得られた(メ
タ)アクリロイルオキシル基含有オルガノポリシロキサ
ン又は比較例1及び2で得られた共加水分解縮重合物1
0.0gをアセトン・メタノール混合溶液(2:1)6
0mlに加え、この溶液をマグネチックスターラーで3
0分間攪拌した後、指示薬としてBTB溶液を3滴加え
た。次に、この溶液が黄色になるまで硝酸を加え、さら
に上記指示薬を3滴加えた。この溶液について、自動滴
定装置(銀電極使用)を用いた硝酸銀水溶液による電位
差滴定を行い遊離クロル量を求めた。
【0029】(加水分解性クロル量)前記の遊離クロル
量の測定において、アセトン・メタノール混合溶液
(2:1)60mlを加えるところ、該アセトン・メタ
ノール混合溶液(2:1)60mlと、さらにCH3
Naの28重量%メタノール溶液2gを加えた以外は、
遊離クロル量の測定と同様にして電位差滴定を行い加水
分解性クロル量を求めた。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明によると、保存安定性に優れた
形状の(メタ)アクリロイルオキシル基含有オルガノポ
リシロキサンを、簡単な工程でしかも収率良く得ること
ができる。また、得られた(メタ)アクリロイルオキシ
ル基含有オルガノポリシロキサンは、例えば、トルエ
ン、キシレン等の水と混和しない有機溶剤に溶解した状
態で水洗することにより水溶性不純物を容易に除去、高
純度に精製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた本発明の(メタ)アクリ
ロイルオキシル基含有オルガノポリシロキサンの赤外線
分析チャートである。
【図2】 実施例1で得られたシリル化処理前の共加水
分解縮重合物の赤外線分析チャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 伸介 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平6−32903(JP,A) 特開 昭62−275132(JP,A) 特開 平6−329804(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 下記一般式(1): CH2=CR1COO−C36−SiR2 a(OR33-a (1) (式中、R1 は水素原子又はメチル基であり、R2 は非
    置換又は置換の一価炭化水素基であり、R3 はアルキル
    基であり、aは0〜2の整数である)で示される(メ
    タ)アクリロイルオキシプロピルアルコキシシランと; 下記一般式(2): R4 4-nSi(OR5n (2) (式中、R4は非置換又は置換の一価炭化水素基であ
    り、R5はアルキル基であり、nは1〜4の整数であ
    る)で示されるアルコキシシランとを塩酸の存在下で
    加水分解し、次いで縮重合させてシラノール基を有する
    共加水分解縮重合物を得る工程、及び (B) 該共加水分解縮重合物をシリル化剤と反応させて前
    記のシラノール基をシリル化する工程とを含む、平均分
    子量3,000以上(GPCによるポリスチレン換算
    値)の固形状の(メタ)アクリロイルオキシル基含有オ
    ルガノポリシロキサンの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記シリル化剤が、ヘキサアルキルジシ
    ラザンである請求項1に記載の固形状の(メタ)アクリ
    ロイルオキシル基含有オルガノポリシロキサンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記のシリル化する工程(B)の後、得ら
    れた固形状の(メタ)アクリロイルオキシル基含有オル
    ガノポリシロキサンを水と混和しない有機溶剤に溶解し
    た状態で水洗することにより水溶性不純物を除去する工
    程を有する、請求項1に記載の固形状の(メタ)アクリ
    ロイルオキシル基含有オルガノポリシロキサンの製造方
    法。
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