JP3198120B2 - ガラス状カーボン板の製造方法 - Google Patents

ガラス状カーボン板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、均一組織で材質強度に
優れるガラス状カーボン板を量産性よく製造するための
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス状カーボン材は、ガラス質の材質
組織を備える異質なカーボン材料であり、その性状を利
用して多様の分野で各種部材に汎用されているが、近
時、均質で緻密な材質組織が半導体のプラズマエッチン
グ用電極やEPROM製造用治具材として好適であるこ
とが解明され、実用段階に入っている。
【0003】ガラス状カーボン材を製造する基本技術
は、フェノール樹脂またはフルフリルアルコール樹脂の
初期縮合物を成形型の外面に重ね塗りする多重成形法や
型に流し込んで硬化する注型成形法を用いて成形し、こ
れを炭化焼成する方法(特公昭39−20061 号公報) であ
る。この方法によると極めて均質なガラス状カーボン組
織を形成することができるが、成形工程の面で工業的な
量産性には程遠く、また大型材の製造ができない欠点が
あった。
【0004】その後多くの改良技術が重ねられてきた
が、最近では大型板材を効率よく製造する技術として熱
硬化性樹脂に他の原料成分を複合化した原料系を用いる
方法が多く提案されている。例えば、熱硬化性樹脂とカ
ーボン粉を混練して押出および圧延成形したのち焼成炭
化する方法(特公平1−27967 号公報) 、セルロース質
シートに熱硬化性樹脂を含浸したのち積層成形し、これ
を焼成炭化する方法(特開昭60−145952号公報) などが
該当する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の複合原料系によ
る方法を用いる場合には成形性が改善されて、大型板状
材の製造が極めて有利となる。ところが、複合原料系の
欠陥として組織の均一性が低下し、前記した半導体用途
で最も問題とされる材質組織から微粉が脱離発生する現
象を避けることができない難点がある。
【0006】本発明の目的は、熱硬化性樹脂による単一
物質系の原料を用い、均一で材質強度が高く、微粉発生
のない緻密組織の大型ガラス状カーボン板を生産性よく
製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるガラス状カーボン板の製造方法は、熱
硬化性樹脂原料系として、非熱溶融性の未硬化粉末 100
重量部、熱溶融性の未硬化粉末30〜90重量部、初期縮合
状態の樹脂液40〜90重量部を配合した組成とし、該混合
原料系を真空下で脱気処理を施しながら混練および押出
成形し、成形体を引き続き板状の圧延成形して加熱硬化
したのち、非酸化性雰囲気下で800 ℃以上の温度に加熱
して焼成炭化処理することを構成上の特徴とする。
【0008】本発明に用いられる熱硬化性樹脂の種類
は、炭素化によってガラス状カーボンに転化する樹脂材
料であれば制約はないが、最も好ましい樹脂はフェノー
ル系およびフラン系に属するものである。熱硬化性樹脂
原料系において、非熱溶融性の未硬化粉末とは、加熱し
ても軟化や溶融せずにそのままの状態で硬化する性質の
樹脂粉末を指し、これは熱溶融性の未硬化粉末あるいは
初期縮合状態の樹脂液を酸溶液中に浸漬または撹拌分散
させて部分的に硬化を進行させる等の方法によって製造
することができる。熱溶融性の未硬化粉末は、加熱硬化
時に一旦、軟化溶融する性質の熱硬化性樹脂粉で、通
常、成形用の粉末原料として多用されているものであ
る。本発明の目的には特に60〜100 ℃の温度域で軟化溶
融する性状が好ましい。初期縮合状態の樹脂液は、室温
下で流動性を示す未硬化状の熱硬化性樹脂液で、好まし
くは粘度1〜100 ポイズのものを選択使用する。
【0009】原料系の組成は、非熱溶融性の未硬化粉末
100重量部に対し、熱溶融性の未硬化粉末30〜90重量部
および初期縮合状態の樹脂液40〜90重量部を配合する。
熱溶融性の未硬化粉末が30重量部未満であると、粉末間
の空隙充填化が不十分となって組織にポアが残留し、ガ
ス不透過性の確保ができなくなる。逆にこの配合量が90
重量部を越えると、圧延成形に必要とされる粘りが喪失
し、板状に成形することが著しく困難となる。この場
合、加熱して粘度を下げることも考えられるが、こうす
ると全体が融液化して圧延成形ができなくなる。初期縮
合状態の樹脂液が40重量部を下廻る場合には、混練が不
十分となって圧延形成が困難となり、90重量部を越える
と硬化時の成形体が脆弱化する。なお、原料系には混練
性を改善するための成分として、適量のカルボキシメチ
ルセルロース、グリセリン等を添加することができる。
【0010】上記の原料系は混合したのち、真空下で脱
気処理を施しながら混練および押出成形して一次成形体
を形成する。この処理は、真空脱気室とこれに連通する
混練スクリューを備え先端部に押出ノズルを設置した構
造の2軸スクリュー型混練押出成形装置を用いると効果
的におこなうことができる。
【0011】一次成形体は、ついでロール成形装置を用
い所望厚さの板状に圧延成形する。ロール成形装置には
一本型、二本型、多段型など各種仕様のものがあるが、
サイズ、生産量などに応じて適宜に選定使用される。圧
延成形された板状体は、150 〜300 ℃の温度で加熱して
完全に硬化する。
【0012】次に、硬化後の板状体を非酸化性雰囲気に
保持された焼成炉に入れ、800 ℃以上の温度域で焼成炭
化処理をおこなう。更に必要に応じ3000℃までの温度で
黒鉛化処理を施してガラス状カーボン板を製造する。
【0013】
【作用】本発明によれば、まず非熱溶融性の未硬化粉
末、熱溶融性の未硬化粉末および初期縮合状態の樹脂液
からなる熱硬化性樹脂による特定配合組成の原料系が、
同一物質による均一組織の形成化、円滑な圧延成形性の
確保、高度のガス不透過性の付与などに有効機能する。
特に熱溶融性未硬化粉末の存在は、硬化時の加熱により
軟化溶融し非熱溶融性未硬化粉末の粒間に浸入して組織
の密着化を促し、硬化後の組織を緻密で均一な性状に転
化させる作用をなす。
【0014】混合原料系を真空下で脱気処理しながら混
練、押出成形する工程は、原料系に存在する空気等のガ
ス成分を排除し、ボイドのない材質を得るために機能す
る。このような作用、機能が相乗して、圧延成形が円滑
に進行し、最終的な焼成炭化処理を介して均一で材質強
度に優れ、微粉を発生することのない緻密組織のガラス
状カーボン板に転化する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0016】実施例1〜5、比較例1〜5 非熱溶融性のフェノール樹脂未硬化粉末と、熱溶融性の
フェノール樹脂未硬化粉末〔住友デュレズ(株)製、P
R311〕および粘度 4.0ポイズのフェノール樹脂初期
縮合物(液状樹脂)〔住友デュレズ(株)製、PR94
0〕を表1に示す配合組成(重量部)で混合した。非熱
溶融性のフェノール樹脂未硬化粉末は、前記のフェノー
ル樹脂初期縮合物を1%塩酸水溶液中で撹拌することに
よって作製した。
【0017】
【0018】混合原料を2軸スクリュー型混練押出成形
装置に投入し、真空脱気しながら混練・押出成形をおこ
なって幅150mm 、長さ180mm 、厚さ40mmの一次成形体に
成形した。なお、比較例1については真空脱気処理をお
こなわずに混練、押出成形した。
【0019】ついで、一次成形体を50℃の加温し、温水
流通により50℃に保持された直径300mm 、長さ1000mmの
2本ロール(表面テフロン被覆) 間を段階的に5回通過
させて、最終的に縦横900mm 、厚さ1.3mm の板状に圧延
成形した。引き続き、成形板をテフロン被覆したアルミ
板の間に挟み、180 ℃に加熱して樹脂を硬化した。
【0020】硬化処理した板状体を2枚の黒鉛板で挟み
つけて電気焼成炉に入れ、周囲をコークス粉粒で被包し
て空気を遮断した状態で昇温し、2000℃の温度で焼成炭
化処理をおこなった。
【0021】得られたガラス状カーボン板は縦横700mm
、厚さ1mmの寸法を有するものであった。これらの素
材組織を光学顕微鏡で観察したところ、実施例によるも
のは極めて均一でポアの存在も少なかったが、比較例の
ものはポアが多く介在し実施例品に比べて組織の均一性
は劣っていることが認められた。
【0022】各例によるガラス状カーボン板について測
定した物理特性を圧延成形性、硬化時の性状等とともに
表2に示した。
【0023】
【0024】表2の結果から、本発明の製造要件を満た
す実施例1〜5ではいずれも圧延成形性が良好で、材質
強度ならびにガス不透過性の高い緻密組織のガラス状カ
ーボン板が得られることが判明する。この材質では組織
的に微粉が離脱することはない。これに対し、真空脱気
処理を施していない比較例1では密度および強度特性が
減退する。原料配合組成が本発明要件を外れる比較例2
〜5では、圧延成形性、硬化性状、材質物理特性のいず
れかが実施例に比べて劣化する結果を示している。
【0025】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に従えば熱硬化性
樹脂による単一物質系の原料を用いて均一で材質強度に
優れ、微粉発生のない緻密組織の大型ガラス状カーボン
板を生産性よく製造することができる。したがって、特
に微粉発生を嫌う半導体のプラズマエッチング用電極や
EPROM製造用治具材などの素材を量産する手段とし
て有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 31/00 - 31/36 C04B 35/52 - 35/54

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂原料系として、非熱溶融性
    の未硬化粉末 100重量部、熱溶融性の未硬化粉末30〜90
    重量部、初期縮合状態の樹脂液40〜90重量部を配合した
    組成とし、該混合原料系を真空下で脱気処理を施しなが
    ら混練および押出成形し、成形体を引き続き板状に圧延
    成形して加熱硬化したのち、非酸化性雰囲気下で800 ℃
    以上の温度に加熱して焼成炭化処理することを特徴とす
    るガラス状カーボン板の製造方法。
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