JP3185216B2 - 車両の挙動制御装置 - Google Patents

車両の挙動制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両の挙動制御装置、特に制動を利用して車
両挙動を制御する装置に関する。
(従来の技術) 車両の制動時、制動力を制御する装置として、実開昭
59−155264号公報に記載の如きものがある。このもの
は、制動時、旋回方向外側車輪のブレーキ込めタイミン
グを遅らせることにより制動力差を発生させ、これによ
り車両の回頭性を向上させようとしている。
(発明が解決しようとする課題) しかして、上記公報記載の制動力制御装置にあって
は、上述のような車両挙動制御のための制動力制御はこ
れを舵角に応じてのみ行うこととしている。舵角のみに
依存して制御時の旋回方向外側車輪の液圧上昇を遅らせ
て制動力差を発生させる方式の制御の場合、路面の摩擦
係数μが異なれば車両挙動はそれによって左右される。
特に、低μ路では操舵力が軽く、かつ又車両は直進状態
から旋回しにくいため、舵を必要以上に多くきる傾向に
ある一方、回頭が一旦始まると回頭が収束しにくく、そ
れ故舵角の情報のみで制御をすると回頭しすぎる場合が
ある。
本発明の目的は、路面μの高低にも対応し得て回頭性
の向上が図れると共に過度の回頭をも防止でき、車両の
安定性を確保しつつ適切な挙動制御を行うことのできる
車両の挙動制御装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明によれば、この目的のため、第1図に概念を示
す如く、下記の挙動制御装置が提供される。
即ち、左右の車輪の制動力を独立に制御可能な制御力
制御手段を備える車両において、左右の車輪の輪荷重差
を求める輪荷重差検出手段と、該手段からの出力に応じ
て該車輪間で制動力に差をつける車輪制動力設定手段と
を具備する構成を基礎として(第1図(a))、更に、
以下に示す内容をも含んだ車両の挙動制御装置を提供す
るものである。即ち、 左右の車輪の制動力を独立に制御可能な制動力制御手
段を備える車両において、 第1の手段として、左右の車輪の輪荷重差を求める輪
荷重差検出手段と、 第2の手段として、操舵角を検出する操舵角検出手段
と、 これら両手段からの出力に応じて旋回方向外側車輪の
制動力を旋回方向内側車輪の制動力よりも低い値となる
よう、かつ制動力差は輪荷重差及び操舵角が大きくなる
ほど大きな値に設定されるように旋回方向内外側で制動
力に差をつける車輪制動力設定手段であって、その制動
力差設定では、輪荷重差が小さくなるほど、第1及び第
2の手段のうちその第2の手段による操舵角のみに応じ
た制動力差設定によったとしたなら設定されるであろう
大きさの制動力差より小さい制動力差を生成させるよう
に制動力差を設定すると共に、輪荷重差が大きくなるほ
ど大きな制動力差を設定する、車輪制動力設定手段とを
具備してなる車両の挙動制御装置である(同図
(b))。
(作用) 上記の如くの各手段それぞれを有して、車輪制動力設
定手段は、輪荷重差検出手段及び操舵角検出手段の両手
段からの出力に応じて旋回方向外側車輪の制動力を旋回
方向内側車輪の制動力よりも低い値となるよう、かつ制
動力差は輪荷重差及び操舵角が大きくなるほど大きな値
に設定されるように旋回方向内外側で制動力に差をつ
け、その制動力差設定では、輪荷重差が小さくなるほ
ど、輪荷重差と操舵角のうちその操舵角のみに応じた制
動力差設定によったとしたなら設定されるであろう大き
さの制動力差より小さい制動力差を生成させるように制
動力差を設定すると共に、輪荷重差が大きくなるほど大
きな制動力差を設定する。
これにより、制動力差は路面μの高低に応じて設定さ
れ、そのときの路面μに対応した適切な制御が可能で、
低μ路でも制動力差による回頭性制御において回頭性は
過大とならず、安定性が確保され、かつ又、路面μに対
応した制動力差の設定にあたり、操舵角によっても制動
力差設定が行え、操舵角が大きくなるほど大きな値に設
定される制動力差のその値に対し、輪荷重差が小さくな
るほど制動力差を小さくすると共に、輪荷重差が大きく
なるほど制動力差を大きくし得て、きめの細かい制御を
可能とする。よって、路面μに対応させた過不足のない
適切な制御が可能で、低μ路でも回頭性が過大になるの
を防止し得て安定性を確保しつつ回頭性の向上を図るこ
とができ、もって、前記目的達成のための車両の挙動制
御装置を提供することを可能ならしめる。
ここに、本発明においては、後述もするように、 前記制動力制御手段により左右の制動力を独立に制御
可能な車輪は、前輪側のみ又は後輪側のみを対象とする
ことも、前輪及び後輪をともに対象とすることもでき
る。
本発明は又、好ましくは、 前記車両の旋回時、前記輪荷重差(ΔW)と操舵角
(θ)との両者で生成制動力差の調整をするようにし、 前記輪荷重差(ΔW)及び操舵角(θ)がともに小さ
い第1の領域ほど小さな制動力差がつけられ、 前記輪荷重差(ΔW)及び操舵角(θ)がともに大き
い第2の領域ほど大きな制動力差がつけられ、 該第1の領域と該第2の領域との間の領域として、該
第1の領域の場合より大きく該第2の領域の場合より小
さい制動力差がつけられる第3の領域が設定され、該第
3の領域において、前記操舵角(θ)が同じ場合は、前
記輪荷重差(ΔW)が小さければ生成させる制動力差を
小さくするように、前記輪荷重差(ΔW)が同じ場合
は、前記操舵角(θ)が大きければ生成させる制動力差
を大きくするように、制動力差がつけられる構成とし
て、好適に実施でき(例えば、後記第10図の輪荷重差Δ
W及び操舵角θによるA,B,C,D,Eの各領域、第11図の制
御パターン等参照)、同様にして、上記のことを実現す
ることを可能ならしめる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第2図は本発明挙動制御装置の一実施例の構成を示
す。
第2図中1L,1Rは左右前輪、2L,2Rは左右後輪、3はブ
レーキペダル、4はタンデムマスターシリンダを夫々示
す。各車輪1L,1R,2L,2Rをホイールシリンダ5L,5R,6L,6R
を備え、これらホイールシリンダにマスターシリンダ4
からの液圧を供給される時、各車輪は個々に制動される
ものとする。
ここで、ブレーキ液圧系を説明するに、マスターシリ
ンダ4からの前輪ブレーキ系7Fは、圧力応答切換弁8F、
パイロットシリンダ9Fの出力室9a、管路10F,11F,12F、
液圧制御弁13F,14Fを経て左右前輪ホイールシリンダ5L,
5Rに至らしめ、マスターシリンダ4からの後輪ブレーキ
系7Rは、圧力応答切換弁8R、パイロットシリンダ9Rの出
力室9a、管路10R,11R,12R、液圧制御弁13R,14Rを経て左
右後輪ホイールシリンダ6L,6Rに至らしめる。
パイロットシリンダ9F,9Rの入力室9bに関連して、ポ
ンプ15、リザーバ16及びアキュムレータ17を含む自動ブ
レーキ用液圧源を設け、これとパイロットシリンダ入力
室9bとの間に電磁切換弁18を介挿する。この弁18は、常
態でパイロットシリンダ入力室9bをリザーバ16に通じる
ことによりパイロットシリンダ9F,9Rを図示の非作動位
置にし、ON時パイロットシリンダ入力室9bを、ポンプ15
の適宜駆動で一定圧内に保たれたアキューレータ17に通
じてこれからの液圧によりパイロットシリンダ9F,9Rの
ピストン9cを内蔵ばね9dに抗しストロークさせ、出力室
9a内の液を吐出するものとする。
又、圧力応答切換弁8F,8Rは、常態で対応する系7F,7R
を図示の如くに開通し、電磁切換弁18のONでパイロット
シリンダ9F,9Rを作動させる時これへの圧力で切換わ
り、系7F,7Rを逆止(マスターシリンダ4に向かう液流
を阻止)する状態になるものとする。
上記電磁切換弁18の制御は、後述するコントローラか
ら制御信号として出力される当該弁のソレノイドへの電
流i5によって行われるものであり、電流i5が0Aの場合
(フーキブレーキ時も含む)に切換弁18はOFF(即ち常
態)、電流i5が2AのときONとなるものとする。更に、そ
のON時には、上述の如く系7F,7Rが逆止され、又パイロ
ットシリンダ9F,9Rの出力室9a内の液が吐出される結
果、管路10F,10R以降の系は、ブレーキペダル3の踏込
みによらずして、自動ブレーキ液圧源に基づいて液圧が
高められ、従って車輪1L,1R,2L,2Rは、その夫々の液圧
制御弁13F,14F,13R,14Rのうち制御の対象とされるもの
と対応する該当車輪について、自動的に制動が行われる
(自動ブレーキ)。
液圧制御弁13F,14F,13R,14Rは、夫々対応する車輪の
ホイールシリンダ5L,5R,6L,6Rへ向かうブレーキ液圧を
個々に制御して、アンチスキッド及び本発明挙動制御の
用に供するもので、OFF時図示の増圧位置にあってブレ
ーキ液圧を元圧に向けて増圧し、第1段ON時ブレーキ液
圧を増減しない保圧位置となり、第2段ON時ブレーキ液
圧を一部リザーバ19F,19Rへ逃がして低下させる減圧位
置になるものとする。
これら液圧制御弁の制御も後述するコントローラから
の該当する弁のソレノイドへの電流(制御弁駆動電流)
i1〜i4によって行われ、電流i1〜i4が0Aの時には上記増
圧位置、電流i1〜i4が2Aの時には上記保圧位置、電流i1
〜i4が5Aの時には上記減圧位置になるものとする。
なお、リザーバ19F,19R内のブレーキは上記の保圧時
及び減圧時駆動されるポンプ20F,20Rにより管路10F,10R
に戻し、これら管路にアキュムレータ21F,21Rを接続し
て設ける。アキュムレータ21F,21Rは、自動ブレーキ時
パイロットシリンダのピストン9Cのストロークによる液
圧を蓄圧する。
液圧制御弁13F,14F,13R,14R及び電磁切換弁18は夫々
コントローラ22により、ON,OFF制御し、このコントロー
ラ22には操舵角θを検出する操舵角センサ23からの信
号、及びブレーキペダル3の踏込み時ONするブレーキス
イッチ24からの信号、並びに車輪1L,1R,2L,2Rの回転周
速VW1〜VW4を検出する車輪速センサ25〜28からの信号、
車体の横加速度gを検出する横加速度センサ(横Gセン
サ)29からの信号、輪荷重を検出する輪荷重検出手段30
からの信号等を夫々入力する。車輪速センサからの信号
はアンチスキッドやトラクション制御に用いられる。ト
ラクション制御のためには、コントローラ22からエンジ
ン出力調整器への制御信号が送出されるものとする。
ここで、第3図は輪荷重検出手段の一例を示す。図示
例では、歪みゲージ型荷重センサ302を輪荷重センサと
して用い、ストラット320〜車体間に該歪みゲージ型セ
ンサを配することにより輪荷重(図では左前輪側での輪
荷重)を検知するものとする。
なお、図中330はスプリングを示し、又本実施例では
輪荷重センサは各輪毎に取付けられ、左前輪用のセンサ
301と同様、右前輪用のセンサ(302)、左後輪用のセン
サ(303)、及び右後輪用のセンサ(304)で検知した同
各車輪の輪荷重W1,W2,W3及びW4を示す信号を第2図のコ
ントローラ22へ供給する。これら情報は、輪荷重に応じ
て左右の制動力に差をつけるよう制御する場合の制御パ
ラメータとして後述の制御プログラムにおいて適用され
る。
又、第2図に示すようにコントローラ22には各輪のホ
イールシリンダ5L,5R,6L,6Rの液圧P1〜P4を検出する液
圧センサ31R,31L,32L,32Rからの信号が入力される。各
車輪用の液圧センサの出力は、ホイールシリンダ液圧の
目標値を設定して該目標値と実際のホイールシリンダ液
圧との偏差が零となるように(即ちホイールシリンダ液
圧をその目標値に一致させるように)ブレーキ液圧をフ
ィードバック制御する場合の制御信号として用いられ
る。
上記実施例システムにおいて、通常ブレーキ時には、
制動は次のようにしてなされる。
ブレーキペダル3を踏込む通常ブレーキ時、これに応
動して閉じるブレーキスイッチ24からの信号を受けてコ
ントローラ22は電磁切換弁18をOFF(i5=0)のままと
する。これによりパイロットシリンダ9F,9Rは、入力室9
bをリザーバ16に接続されて図示位置を保ち、圧力応答
切換弁8F,8Rも図示位置を保ち、前後輪ブレーキ系7F,7R
を開通している。又、コントローラ22は、車輪1L,1R,2
L,2Rが制動ロックを生じない限り液圧制御弁13F,14F,13
R,14RをOFF(i1〜i4=0)して図示の状態に保つ。
よって、ブレーキペダル3の踏込みによりマスターシ
リンダ4からの前後輪ブレーキ系7F,7Rへ同時に出力さ
れた同じ液圧(マスターシリンダ液圧)は、夫々圧力応
答切換弁8F,8R、パイロットシリンダ9F,9Rの出力室9a,
管路10F,10R及び液圧制御弁13F,14F,13R,14Rを通り、ブ
レーキ液圧としてホイールシリンダ5L,5R,6L,6Rに至
り、各車輪1L,1R,2L,2Rを個々に制動する。
この間コントローラ22は、センサ25〜28で検出した車
輪1L,1R,2L,2Rの回転周速(車輪速)VW1〜VW4から周知
の演算により疑似車速を求め、これと個々の車輪速とか
ら各車輪の制動スリップ率を演算する。そして、コント
ローラ22はこのスリップ率から各車輪の制動ロックを判
定し、ロックしそうになる時該当車輪の液圧制御弁13F,
14F,13R又は14Rを1段階ONして保圧位置となすことによ
り該当車輪のそれ以上のブレーキ液圧の上昇を阻止す
る。これにもかかわらず制動ロックを生ずると、コント
ローラ22は該当車輪の液圧制御弁を2段階ONとして減圧
位置となすことにより、該当車輪のブレーキ液圧を低下
させて制動ロックを防止する。これにより該当車輪が回
転を回復(スピンナップ)し始めたところで、コントロ
ーラ22は該当車輪の液圧制御弁を保圧位置にしてブレー
キ液圧のそれ以上の低下を中止する。そして車輪の回転
が回復するにつれ、コントローラ22は該当車輪の液圧制
御弁をOFFして増圧位置にすることにより、ブレーキ液
圧をマスターシリンダ液圧に向け上昇させる。以上のス
キッドサイクルの繰り返しにより各車輪のブレーキ液圧
は最大制動効率が達成される値に制御され、通常のアン
チスキッド制御がなされる。
第4図はコントローラ22により実行される輪荷重に応
じた制動力差設定処理を含む本挙動制御のための一例
(フートブレーキ中の挙動制御)を示す制御プログラム
である。この処理は図示せざるオペレーティングシステ
ムで一定時間毎の定時割り込みで遂行される。
先ずステップ101では、本プログラム例では、各輪荷
重センサからの信号に基づき各輪の輪荷重W1〜W4を夫々
読込む。次のステップ102では、ブレーキスイッチ24がO
Nか否かにより、運転者によってブレーキペダル3が踏
まれているか否かを判断する。その結果、NOならば即ち
ブレーキペダル3を踏込んでいなければ、本プログラム
例では、本挙動制御が不要であることから、ステップ10
6へ進んで後述するブレーキ液圧差指令値としてのΔP
を値0とする。なお、この場合は、ステップ104,105を
経て本プログラムを終了するが、各液圧制御弁駆動電流
i1〜i4は0Aのままとされ、各液圧制御弁は常態の第2図
のOFF位置を維持する。
一方、ステップ102の答がYesでブレーキペダル3の踏
込みが判別された場合ステップ103以下へ進んで本発明
が狙いとする挙動制御を行う。即ち、輪荷重に応じて前
輪側及び/又は後輪側の左右の制動力に差を生じさせ、
輪荷重の大きい車輪の制動力を輪荷重の小さい車輪の制
動力よりも低い値となるように制御するための処理を実
行する。
ステップ103では、輪荷重Wj(j=1〜4)を基に制
動力差を生成するためのブレーキ液圧差指令値としての
ΔP値を演算する(ΔP=f(Wj))。
具体的には、ステップ101で検出した輪荷重W1〜W4
用いて輪荷重差ΔWを次式、 ΔW=|(W1+W3)−(W2+W4)| …(1) により求め、これに応じてΔP値を決定するものとし、
第5図に輪荷重差ΔWに応じて設定すべき液圧差ΔPを
算出するための特性の一例を示す。
同図に示す如く、液圧差ΔPは、輪荷重差ΔWが所定
値ΔW0以下の範囲ではΔP=0となるように、又所定値
ΔW0を超え所定値ΔW1未満の範囲では輪荷重差ΔWが大
きいほど大なる値となるように(換言すれば、ΔWが小
さければ小さな値をとるように)、かつ所定値ΔW1以上
の範囲では一定値に抑えられるように、輪荷重差ΔWに
対応して図示のような特性に設定されている。
ここで、車両旋回時に出現する左右の輪荷重差は、後
記でも触れるように、路面μの高低に応じてその大きさ
を異にするもので、例えば同一の操舵量をもってコーナ
ーを走り抜ける場合でも、路面μが低い低μ路では輪荷
重差は小さく、他方高μ路では輪荷重差は大きい。それ
故、上記特性は、制動力配分制御により制御時の制動力
を利用して回頭性を向上させる車両挙動制御を行うにあ
たり、当該路面のμの状態がどのようなものであるかに
対応して、自動的に設定ブレーキ液圧差ΔP、従って生
成制動力差を修正する機能を有し、後述するヨーモーメ
ントが過大となるおそれがある低μ路ほどブレーキ液圧
差(従って制動力差)は小さくするようになされること
になる。
しかして、ステップ103では上述の関係からブレーキ
液圧差ΔPを算出、決定する。
次にステップ104,105では、上記で決定した液圧差Δ
Pを用いて、輪荷重の大きい車輪と輪荷重の小さい車輪
間でそれらのブレーキ液圧の差が値ΔPとなるようにブ
レーキ液圧Pj(j=1〜4)を設定し、対応する液圧制
御弁駆動電流iをルックアップし出力する。決定した液
圧差になるようにするには、例えば、液圧差ΔPが該左
右輪間で生ずるよう輪荷重の大きい車輪(旋回方向外側
車輪)1R,2R(左旋回時)又は1L,2L(右旋回時)の液圧
P2,P4(左旋回時)又はP1,P3(右旋回時)を下げるよう
にする。この場合に、本実施例では各輪に液圧センサ31
L,31R,32L,32Rが設けられているので、輪荷重Wjの大小
について比較、判断した結果、例えば右車輪側が左車輪
側より輪荷重が大である(左旋回)と判断されたなら
ば、次のようにして右前車輪1Rについての設定ブレーキ
液圧P2及び/又は右後車輪2Rについての設定ブレーキ液
圧P4を求め、その目標値に一致するようにフィードバッ
ク制御することができる。
P2=P1−ΔP ……(2) P4=P3−ΔP ……(3) ここに、上記各式中の右辺第1項は、夫々左側前車輪
1L及び後車輪2Lのブレーキペダル踏込力によるホイール
シリンダ5L,6Lの実際の液圧、即ち液圧センサ31L,32Lに
より検出されたブレーキ液圧(マスターシリンダ液圧)
である。本例ではこれを基準として輪荷重の大きい車輪
側での液圧がΔP分だけ低目のものとなるように設定さ
れることとなる。かくして、輪荷重の小さい車輪1L,2L
の制動力はブレーキペダル踏込力によるものとすべく
(まかせるべく)それらの液圧制御弁13F,13Rの駆動電
流i1,i3はこれを0Aのままにする一方、輪荷重の大きい
車輪1R,2Rについてはその制動力を制限する(減圧す
る)ように、即ちブレーキ液圧が前記(2),(3)式
によるものとなるように液圧制御弁14F,14Rを作動させ
るべくその駆動電流i2,i4のパターン(制御弁の制御パ
ターン)を決定して出力すればよい。
以上の制御により、ブレーキペダル3の踏込みによる
制動時、輪荷重に基づき、輪荷重の大きい車輪の制動力
(旋回方向外側車輪の制動力)はブレーキペダル3の踏
力に対応した値より小さくされることから、車両は旋回
方向のヨーモーメントを受けて旋回を助長され、しか
も、この場合、輪荷重で差をつける結果、路面μの高低
にも自動的に対応でき、低μ路での旋回時には差圧が小
となるように、即ち制動力差が小さくなって上記ヨーモ
ーメントが小となるように路面による液圧自動補正も行
われる。
第6図は、上記第4図の制御プログラムに従って制動
力制御を実行した場合の制御内容の理解に供するための
タイムチャートの一例であって、具体的には、制動中に
ステアリングホイールを左にきった場合の輪荷重の大き
な右側車輪(本例では前輪側で制動力差を生成せしめる
ようにしたケースでの右前輪1R)のブレーキ液圧P2その
他の諸量の変化を示す。即ち、第6図(a)が操舵角
θ、同図(b)がヨーレイト、同図(c)が輪荷重差Δ
W、同図(d)が右前輪のブレーキ液圧P2の夫々の変化
である。
又、同図(b)のヨーレイトの特性を示すもののう
ち、l(D)bはμの高いドライ路での本発明に従う制
動力制御の場合の特性、l(I)bはμの低い氷上路で
の同じく本制御による場合の特性を夫々示し、更に同図
(C)の輪荷重差ΔWの特性l(D)cはドライ路にお
いて生ずる左右の輪荷重の差の変化を、又l(I)cは
氷上路において生ずる輪荷重差の変化を夫々表してい
る。更に又、右車輪のブレーキ液圧(ホイールシリンダ
液圧)P2の変化を示すもののうち、特性l(D)dはド
ライ路での本制御による場合の液圧変化を、又特性l
(I)dは氷上路での本制御による場合の液圧変化を夫
々示している。
図において、時刻t0でブレーキペダルが踏まれ、その
後時刻t1で運転者がステアリングホイールを左にきって
いる。この時刻t0から時刻t1までの間、同図(c)に示
すように輪荷重差は生じておらず、従って制動中であっ
ても前記液圧差指令値ΔPは値0である。よって、同図
(d)に示す如く、右前輪のブレーキ液圧P2を含め各輪
のブレーキ液圧は共にマスターシリンダ液圧PMに等し
く、左右の制動力に差をつけない状態で制動が行われて
いる。
しかして、時刻t1で左操舵が開始されると、これに伴
い、輪荷重差が生じ、左右で車輪は輪荷重に関し、輪荷
重の大きい車輪と輪荷重の小さい車輪となり、従ってΔ
W値は同図(c)に示す如きの変化で推移し、しかも路
面μに応じてその大きさは異なり、ドライ路の特性l
(D)cに対し、特性l(I)cのように、低μ路の氷
上路では左右の輪荷重差は小さい。本制御は、かような
輪荷重変化に着目している。
高μ路であるドライ路の場合、輪荷重差が特性l
(D)cで示される如くに左右の輪荷重が変化し、その
結果、輪荷重の大きい車輪である右前輪1Rのブレーキ液
圧P2は、同図(d)に示すように、輪荷重の小さい車輪
である左前輪のブレーキ液圧(P1=PM)に対し低下せし
められ(時刻t2で制動力差のための減圧制御が開始さ
れ、ΔW値がΔW1を超えるようなら、減圧は所定量に抑
えられる(時刻t4以後))、これにより制動力に差が付
けられ、一方、低μ路の氷上路であった場合には、輪荷
重差が特性l(I)cで示される如く左右の輪荷重は変
化する結果、輪荷重が大きな車輪1Rの制動力を輪荷重の
小さな車輪の制動力よりも低いものとなるように制動力
に差をつけられるものは同様であるが、この場合の減圧
制御開始(時刻t3)後のその差の程度は高μ路の場合の
状態のものよりは小さくなるのである。
上述のような路面μの高低に応じた制動力制御が行わ
れることとなり、本制御では路面によりこのように液圧
が変化する。即ち、特性l(D)d、l(I)dに示す
ように、そのときの路面μの状態に合わせて、μが高け
ればブレーキ液圧P2は大きく下げられ、μが低ければ小
さく下げられる。これにより、同図(b)に示すよう
に、ヨーレイトは、ドライ路の場合及び氷上路の場合に
夫々特性l(D)d、l(I)bに示すものとなる。同
図(b)には、比較例として、通常のブレーキの場合
(制動力差による制御は行わず、同図(d)に一点鎖線
で示す如く、各輪の液圧がPMである場合)におけるドラ
イ路、氷上路での特性(イ)、(ロ)を示してあるが、
これら(イ)、(ロ)によるものに対し、本制御では回
頭性を高められるし、更に又、比較例として特性(ハ)
を示してあるが、氷上路でも、ヨーレイトがこのような
特性(ハ)(輪荷重を考慮しない場合)となることがな
い。
一般に、或る車速V0の時、前輪スリップ角β(又
は、ステアリングホイールの操舵角(ハンドル角)θ)
と、タイヤが発生する横力Y(又は横加速度)との関係
は、路面μの状態で異なる。第7図は、横軸に操舵角θ
をとった場合の横力Yとθとの関係を示し、高μ路(ド
ライ路)と低μ路(氷上路)とでは夫々図示のような関
係となる。
上記は、所定の横力Y0を発生させるのに、高μ路で
は、操舵角θはθであるのに対し、低μ路ではθ
(θ>θ)を要することを意味する。即ち、低μ
路の場合、運転者は一生懸命ステアリングホイールを切
っているのになかなか曲がらないのであり、従って、車
速度V0で或るコーナーを走り抜けるのに必要な横力Y0
発生するために、低μ路の場合にはより大きな操舵角θ
が必要となる。よって、制動力差によりヨーモーメン
トを発生させて回頭性を高めようとする場合において、
操舵角θのみに依存した第8図のような特性では、低μ
路において制動力差(ΔB)が大きくなりすぎ、発生ヨ
ーレイトが大き過ぎ、これにより安定性が損なわれるこ
ととなってしまう。
しかるに、輪荷重に応じて左右の制動力に差をつける
方式によれば、第6図(d)の特性l(D)d、l
(I)dの如く、路面により液圧が変化する(従来制御
によるときは、かように路面によっては変化しない)の
であり、制動力差をそのときの路面μに応じた適切なも
のとすることができ、路面μの高低にも自動的に対応し
得て、回頭性の向上が図れると共に、過度の回頭をも防
止できるのである。本制御で着目したΔW値とY値との
間では、Y∽ΔWなる関係があることから、必要横力Y
をみるのに(合わせるのに)ΔWは適しており、むしろ
θのみで一律に差を決定する手法に比べれば、前記第5
図のような輪荷重のみを制御パラメータとする制御が有
効で、高い効果を発揮し、対応性に優れた挙動制御を実
現できる。
かくして、本制御の場合は、制動力差を操舵角のみで
決定するときのような低μ路でヨーモーメント過大とな
ることが避けられ、制動力差は、輪荷重の大きさに応じ
て輪荷重の大きい車輪(旋回方向外側車輪)の制動力を
輪荷重の小さい車輪(内側車輪)の制動力よりも小さく
することによって生成できる結果、適切に制動力差が設
定され、車両の回頭性を向上しつつ回り過ぎにより車両
が不安定となるのを防ぐことが可能である。これによ
り、回頭性の不足を招くことなく、一般に制動時に発生
する回頭性の悪さ、舵の効きの悪さ(ステアリングホイ
ールを切っているのに車両はその走行軌跡が旋回方向外
側へふくらもうとする傾向)を解消できると共に、低μ
路等において運転者の操舵量以上に回頭してしまう事態
を回避し得、過不足のない制御が実現される。
なお、上記ではブレーキ液圧差ΔPを輪荷重差ΔWで
求めたが、更にこれに加えて車速に応じて液圧差を変化
させてもよい。
被駆動輪の回転数より車速を推定する等の車速検出手
段によって車速を得、そのときの車速によってもブレー
キ液圧差ΔPが決定されるようにすることによって、一
層きめの細かい制御が可能である。
第9図は本発明挙動制御のためのプログラムの他の例
を示す。
本プログラムは、輪荷重と旋回状態を示す情報を用
い、これら両者で生成制動力差を調整できるようにし、
もってより一層きめの細かい制御を可能とする例を示し
ている。具体的には、輪荷重検出手段30と旋回状態検出
手段、例えば操舵角センサ23とからの出力に応じて旋回
方向外側車輪の制動力を旋回方向内側車輪の制動力より
も低い値に制御するようになす。
なお、本プログラムも後記第12図のプログラムも一定
時間毎の定時割込みで実行されるものとする。
第9図において、ステップ101で操舵角θの読込みが
追加されると共に、前記第4図のステップ103の処理に
代え、輪荷重差ΔW及び操舵角θに応じた旋回方向内外
輪のブレーキ液圧差ΔP設定処理(ステップ103a)が実
行されるようになされている。該ステップ103aでの処理
には、予め輪荷重差ΔW値及び操舵角θ値に対応して設
定された領域線図(マップ)に基づく領域検索を含み、
領域判定がなされたならば該当する領域毎に予め設定さ
れた旋回方向外側車輪用の液圧制御弁駆動電流の制御パ
ターンを決定して制動力制御を実行する。
第10図は上記領域線図の一例で、同図に示す如く、輪
荷重差ΔWについてはこれを3分割すると共に、操舵角
θについても3分割されている。領域検索は、これら分
割された輪荷重差域と操舵角域との組合せにより定めた
同図に示す如きA,B,C,D,E領域のうち、現時点の輪荷重
差ΔW及び操舵角θがどの領域に該当するかを判断する
ことによって行う。ここで、各領域設定は、ΔW及びθ
がともに小なるときA領域、ΔW及びθがともに大きい
ときE領域となるように設定されている。
しかして、このようにして検索された領域に応じ、ヨ
ーモーメントを得るための旋回方向外側車輪の制動力制
御程度、即ち当該車輪用液圧制御弁駆動電流i2及び/又
はi4(左旋回時)もしくはi1及び/又はi3(右旋回時)
のパターンを第11図のテーブルデータで設定する。該テ
ーブルデータは、上記判定領域毎に駆動電流を何m sec
間2A(1段階ON)にして外側車輪の液圧制御弁を保圧位
置にし、何m sec間5A(2段階ON)にして同制御弁を減
圧位置にするサイクルを繰り返すかのパターン(減圧制
御パターン)を定めたもので、減圧位置の時間(tON2
割合が保圧位置の時間(tON1)割合に比べ高いほど、外
側車輪の制動力が大きく低減されて、即ち大きな制動力
差がつけられて大きな旋回方向ヨーモーメントを生ずる
パターンとなっている。具体的には、ここでは、領域A
についてはtON1A=0m sec,tON2A=0m secとし(従っ
て、増圧位置を維持させた非制御領域)、他の領域B〜
Eに関しては、tON1B=80>tON1C=60>tON1D=40>t
ON1E=20(いずれもm sec)、及びtON2B=20<tON2C=4
0<tON2D=60<tON2E=80(同m sec)とすることができ
る。
従って、前記第6図の場合と同様の条件(制動中での
左旋回)を想定していえば、θが中程度の領域でΔWが
中程度の領域であることにより領域Cに該当すると判断
されたときは、旋回方向外側前輪用の液圧制御弁駆動電
流i2は、100m sec周期で60m secの間2Aにし、40m secの
間5Aにするサイクルを繰り返す制御パターンに選定さ
れ、又そのときの路面μが低くてC領域ではなくB領域
(θは中程度の領域であるが、ΔWが小程度の領域であ
る場合)と判定されたならば、、同駆動電流i2は、80m
secの間2Aとし、20m secの間5Aとする制御パターンが選
定されることとなり、本例の場合にも、低μ路での旋回
時には制動力差が小さくなって回頭性が過大とならない
よう路面による液圧自動補正が行われる。
以上のようにして、本制御でも制動力差をそのときの
路面μに応じた適切なものとすることができ、しかもこ
れに加えて操舵角θによっても制動力差設定を行うこと
ができるため、より一層きめ細かく制御することができ
る。
なお、上記例では旋回状態の検出について操舵角θを
使用したが、操舵角の代わりに横加速度、ヨーレイト等
を旋回状態の検出に用いてもよい。又、前記例と同様、
更に車速に応じて液圧差を変化させてもよい。
第12図は本発明の更に他の例を示す制御プログラム
で、前記各プログラムがブレーキペダルを踏んでいる時
のみ制御する方式であったのに対し、非フートブレーキ
時の旋回挙動制御をも行うようにしたものである。
ステップ101〜105bの処理は第4図のステップ101〜10
5の場合に準じたものであるが、ステップ102でブレーキ
ペダル3が踏まれていないと判別された場合には、ステ
ップ106aにおいて自動ブレーキペダルONタイミングか否
かを判別する。これは、例えば、所定の旋回状態にある
かどうかをみるなどして判断することができる。
ステップ106aの答がYesの場合は、ステップ106bで自
動ブレーキ用液圧源による制動を行わせるべくi5=2Aの
状態、即ち切換弁18をONとするための電流に切換え設定
し、次のステップ106cでステップ103と同様に第5図に
基づき液圧差ΔP演算処理を実行する。しかして、ステ
ップ106dで輪荷重の小さい車輪(旋回方向内側車輪)の
ブレーキ液圧PWL(左旋回時の場合はP1及び/又はP3
右旋回時の場合はP2及び/又はP4)を上記ΔP値に設定
すると共に、輪荷重の大きい車輪(外側車輪)のブレー
キ液圧PWHについてはこれを0に設定し、ステップ105a,
105bを実行して本プログラムを終了する。この場合に
は、輪荷重の小さい車輪に対応する制御弁駆動電流i1
び/又はi3(左旋回時)もしくはi2及び/又はi4(右旋
回時)は、対応する車輪のホイールシリンダ液圧が自動
ブレーキ系によって元圧に向けて上昇するとき前記ΔP
値となるように該当する制御弁を作動させるべくそのパ
ターン(制御弁のON−OFFパターン)が設定される一
方、輪荷重の大きい車輪については、当該車輪用液圧制
御弁駆動電流を2Aとして保圧位置に切換え保持されるよ
うにする。このようにして各電流i1〜i4,i5を設定し出
力して電磁切換弁18、液圧制御弁13F,14F,13R,14Rを制
御することにより、自動ブレーキ系が作動し、旋回方向
内側車輪のブレーキ液圧がΔP値に制御され、他方外側
車輪についてはそのブレーキ液圧の上昇は阻止されるこ
ととなり、両者間に制動力差を自動的に生成してヨーモ
ーメントを発生させることができると共に、制動力差を
そのときの路面μに応じた適切なものにすることができ
る。
なお、ステップ106aの答がNOの場合には、ステップ10
6eでΔPを値0とし、又自動ブレーキ系も非作動のまま
とする。
以上のようにして、非制動時(非フートブレーキ時)
も本制御、即ち旋回時に自動ブレーキをかけ、しかも、
その場合に路面μの大きさに応じて制動力差が生ずるよ
うに内側車輪のブレーキ液圧を高くするような制御を行
ってもよい。
なお、本実施例は前記第9図による方式のものにも適
用できる。
又本発明は、前輪及び後輪をともに対象として制御す
ることも、前輪側のみ又は後輪側のみを対象として制動
力差が生ずるようにしてもよい。又、液圧差ΔPについ
ては、時間の関数としてもよく、例えば一旦決定した
後、時間の経過に伴って漸減し所定時間後ΔP=0とな
るようにしてもよい。更に、制動力差をもたせるため車
輪のブレーキ液圧を制御するのに、液圧センサを用いそ
の検出値を利用したが、予め液圧制御弁のON−OFF操作
と液圧値とを対応させるようにしておけば、液圧センサ
は不要であり、又ON−OFF型の制御弁ではなく比例弁を
用いれば、電流指令により液圧が決定されるので、この
場合も液圧センサは不要であり、そのような構成で実施
してもよい。
(発明の効果) かくして本発明挙動制御装置は上述の如く、請求項1
記載の如く構成したから、路面μに対応させた過不足の
ない適切な制御が可能で、低μ路でも回頭性が過大にな
るのを防止し得て安定性を確保しつつ回頭性の向上を図
ることができ、もって、路面μの高低にも対応し得て回
頭性の向上が図れると共に過度の回頭をも防止でき、車
両の安定性を確保しつつ適切な挙動制御を行うことので
きる車両の挙動制御装置を提供することができる。又請
求項2の場合は、当該請求項記載の如くの構成として、
より一層きめ細かく制御することができ、同様にして、
上記のことを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明挙動制御装置の概念図、 第2図は本発明挙動制御装置の一実施例を示すシステム
図、 第3図は輪荷重を検出する手段の一例を示す図、 第4図は同例でのコントローラの制御プログラムの一例
を示すフローチャート、 第5図は同プログラムで適用される輪荷重差に応じたブ
レーキ液圧差ΔP1を設定するための特性の一例を示す
図、 第6図は同プログラムによる場合の制御内容の一例の説
明に供するタイムチャート、 第7図は操舵角と横力の関係の一例を示す図、 第8図は操舵角のみに依存して制動力差を設定する場合
の特性を示す図、 第9図はコントローラの制御プログラムの他の例を示す
フローチャート、 第10図は同プログラムで適用される領域線図の一例を示
す図、 第11図は同領域毎の旋回方向外側車輪用液圧制御弁駆動
電流のパターン図、 第12図はコントローラの制御プログラムの更に他の例を
示すフローチャートである。 1L,1R……前輪、2L,2R……後輪 3……ブレーキペダル 4……タンデムマスターシリンダ 5L,5R,6L,6R……ホイールシリンダ 7F……前輪ブレーキ系、7R……後輪ブレーキ系 8F,8R……圧力応答切換弁 9F,9R……パイロットシリンダ 10F,10R,11F,11R,12F,12R……管路 13F,13R,14F,14R……液圧制御弁 15,20F,20R……ポンプ 16,19F,19R……リザーバ 17,21F,21R……アキュムレータ 18……電磁切換弁、22……コントローラ 23……操舵角センサ、24……ブレーキスイッチ 25,26,27,28……車輪速センサ 29……横加速度センサ、30……輪荷重検出手段 31L,31R,32L,32R……液圧センサ 301〜304……歪ゲージ型荷重センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 真次 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 村上 秀人 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 井上 俊一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭49−103325(JP,A) 特開 平1−178061(JP,A) 特開 平2−70561(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/24 B60T 8/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】左右の車輪の制動力を独立に制御可能な制
    動力制御手段を備える車両において、 第1の手段として、左右の車輪の輪荷重差を求める輪荷
    重差検出手段と、 第2の手段として、操舵角を検出する操舵角検出手段
    と、 これら両手段からの出力に応じて旋回方向外側車輪の制
    動力を旋回方向内側車輪の制動力よりも低い値となるよ
    う、かつ制動力差は輪荷重差及び操舵角が大きくなるほ
    ど大きな値に設定されるように旋回方向内外側で制動力
    に差をつける車輪制動力設定手段であって、その制動力
    差設定では、輪荷重差が小さくなるほど、第1及び第2
    の手段のうちその第2の手段による操舵角のみに応じた
    制動力差設定によったとしたなら設定されるであろう大
    きさの制動力差より小さい制動力差を生成させるように
    制動力差を設定すると共に、輪荷重差が大きくなるほど
    大きな制動力差を設定する、車輪制動力設定手段とを具
    備してなることを特徴とする車両の挙動制御装置。
  2. 【請求項2】前記車両の旋回時、前記輪荷重差と操舵角
    との両者で生成制動力差の調整をするようにし、 前記輪荷重差及び操舵角がともに小さい第1の領域ほど
    小さな制動力差がつけられ、 前記輪荷重差及び操舵角がともに大きい第2の領域ほど
    大きな制動力差がつけられ、 該第1の領域と該第2の領域との間の領域として、該第
    1の領域の場合より大きく該第2の領域の場合より小さ
    い制動力差がつけられる第3の領域が設定され、該第3
    の領域において、前記操舵角が同じ場合は、前記輪荷重
    差が小さければ生成させる制動力差を小さくするよう
    に、前記輪荷重差が同じ場合は、前記操舵角が大きけれ
    ば生成させる制動力差を大きくするように、制動力差が
    つけられる、 ことを特徴とする請求項1に記載の車両の挙動制御装
    置。
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