JP2572860B2 - 車両の旋回挙動制御装置 - Google Patents

車両の旋回挙動制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両の旋回挙動、特に旋回中の制動を利用し
て旋回挙動を制御する装置に関するものである。
(従来の技術) 一般に、通常の車両(例えば乗用車など)では、その
旋回特性はアンダーステアに設定されることが多い。
かかるアンダーステア傾向の車両にあっては、彎曲路
に突入した場合、走行軌跡が旋回方向外側へふくらむ
が、そのふくらみの程度はアンダーステアの度合いに依
存すると共に、アンダーステアの度合いは当該旋回時の
車両速度などによって異なるものである。
彎曲路の走破にあたり、運転者がステアリングホイー
ルを切った場合、上述のようなアンダーステアの度合い
に応じて走行軌跡が予想のものより外側へふくらむよう
なときは、ステアリングホイールを切増するなど操舵量
の修正を行って、オーバーステアの場合のものに比し容
易に車両を操縦することができ、更に上記修正で足りな
ければ、運転者はブレーキペダルの踏込みによる制動操
作を併用して車両を操縦することとなる。
ここで、車両用のブレーキシステムの一つとして、特
開昭63−13851号公報などに記載の技術が提案されてい
る。そのブレーキシステムは、荷重移動に応じて制動力
を配分するように制御するものであって、具体的には、
制動中の前後の荷重移動や旋回中の左右の荷重移動に応
じて前後及び左右輪の制動力配分を適正化するように各
輪のホイールシリンダ圧を制御している。
(発明が解決しようとする課題) しかして、このような車両用ブレーキシステムを搭載
した車両において、運転者が前述の如き旋回走行時の制
動操作を行ったとき、これが旋回時の旋回性等車両の運
転性能を左右する要因となる場合がある。即ち、上述の
ブレーキシステムは、制動力を荷重移動に応じて配分す
るものであることから、これにより、旋回時には常に旋
回方向内輪側の制動力配分を減少させるようになってお
り、従って、この場合、車両は通常の制動時に比べアン
ダーステア傾向となることはあっても、即ち走行軌跡が
旋回方向外側へふくらむ傾向とはなっても、それに留ま
り、かかる制動力制御が、より高い旋回性、回頭性をも
たらすということは期待できない。
本発明は旋回中の制動時における制動力を車両の旋回
性、回頭性の向上に活用し、旋回制動時に、前輪では旋
回方向内外輪の制動力に差をつけて旋回を助長するヨー
モーメントを生ぜしめると共に、後輪側での制動力はこ
れを減ずるようにし、もって適切な旋回性、回頭性が得
られると共に、より運転者の感覚に適合するようにした
旋回挙動制御装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この目的のため本発明の旋回挙動制御装置は第1図に
概念を示す如く、車両の旋回状態を検出する旋回状態検
出手段と、 上記旋回状態検出手段からの信号に基づき、車両制動
時に、前記旋回状態に応じて、前輪の旋回方向外輪側の
制動力を前輪の旋回方向内輪側の制動力より減じ、及び
後輪の旋回方向内輪側の制動力を後輪の旋回方向外輪側
の制動力より減じることにより、この旋回を助長するヨ
ーモーメントは生ずるよう前記車両の前輪の旋回方向内
外側間で車輪制動力を異ならせると共に、後輪側の制動
力を減ずるよう後輪に対する車輪制動力を制限する制動
力設定手段とを具備してなるものである。
(作用) 旋回中の制動時、制動力設定手段は、旋回状態検出手
段が検出した車両の旋回状態に応じ、前輪の旋回方向外
輪側の制動力を前輪の旋回方向内輪側の制動力より減
じ、及び後輪の旋回方向内輪側の制動力を後輪の旋回方
向外輪側の制動力より減じることにより、この旋回を助
長するヨーモーメントを生ぜしめるべく前輪の旋回方向
内外側間でその旋回方向外輪側の制動力をその旋回方向
内輪側の制動力より減じて車輪制動力を異ならせ、他
方、後輪側についてはその旋回方向内輪側の制動力をそ
の旋回方向外輪側の制動力より減少させる。
これにより、旋回制動時の制動力差を利用して回頭性
を増し、旋回性を高めることができ、かつ又、この場合
の上記前輪側での制動力制御に組合わせてなされる後輪
側に対する制御は、ヨーモーメントの大きさを適宜量の
ものとすることに役立ち、より適切に調整することを可
能ならしめ、運転者が希望する旋回軌跡を車両にトレー
スさせることができる。又、制動により回頭性が向上し
た分、ステアリングホイールの修正操舵量を少なくし、
運転者の負担が小さくなると共に、旋回挙動の乱れを修
正する操舵にも余裕が出て、安全上大いに有益である。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基き詳細に説明する。
第2図は本発明旋回挙動制御装置の一実施例で、1L,1
Rは左右前輪、2L,2Rは左右後輪、3L,3Rは前輪ホイール
シリンダ、4L,4Rは後輪ホイールシリンダを夫々示す。
又5はブレーキペダル、6はブレーキペダルの踏込みで
前2輪用の系統7及び後2輪用の系統8に同時に同じ液
圧を出力するマスターシリンダで、系7のマスターシリ
ンダ液圧は分岐した系7L,7Rを経てホイールシリンダ3L,
3Rに至り前輪1L,1Rを制動し、系8のマスターシリンダ
液圧は分岐した系8L,8Rを経てホイールシリンダ4L,4Rに
至り後輪2L,2Rを制動する。
かかる通常の前後スプリット式2系統液圧ブレーキ装
置に対し、本例では系7L,7R,8L,8Rに夫々、常態でこれ
ら系を開通してマスターシリンダ液圧をホイールシリン
ダに向かわせる図示の増圧位置を保つ電磁弁11L,11R,12
L,12Rを挿入する。これら弁は全て同様な3位置電磁弁
とし、対応するソレノイドへの電流(電磁弁駆動電流)
i1〜i4が0の時上記の増圧位置となり、電流i1〜i4が2A
の時全てのポートを遮断してホイールシリンダ内の液圧
を不変に保つ保圧位置となり、電流i1〜i4が5Aの時ホイ
ールシリンダを対応するリザーバタンク13,14に通じて
ホイールシリンダ内の液圧を低下させる減圧位置になる
ものとする。
リザーバタンク13,14は夫々、共通なモータ15により
適宜駆動されるポンプ16,17の吸入ポートに接続し、上
記の減圧中リザーバタンク13,14に一時蓄えられるブレ
ーキ液をアキュムレータ19,20に戻して系7,8での再利用
に供する。
電磁弁駆動電流i1〜i4はコントローラ21により個々に
決定し、このコントローラには車輪1L,1R,2L,2Rの回転
数ω〜ωを夫々検出する車輪速センサ22〜25からの
信号、車体の横方向加速度を検知するセンサ即ち左右加
速度センサ26からの信号及びステアリングホイール30
(第4図に単体で示す)の操舵角θを検出する操舵角セ
ンサ27からの信号等を夫々入力する。
コントローラ21はこれら入力情報を基に第3図の制御
プログラムを実行して本発明が目的とする旋回挙動制御
を実現する。
同図(a)において、先ずステップ31,32では、各車
輪1L,1R,2L,2Rの回転数ω〜ω、操舵角θ及び左右
加速度yを夫々、読込む。
続くステップ33では、操舵角θの変化率Δθを算出す
る。この変化率Δθは、左又は右旋回時のステアリング
操作における既述したようなステアリングホイールの切
増し、あるいは切戻しの発生をみるために算出されるも
のであって、読込んだ操舵角±θ(+は左操舵、−は右
操舵を表す)を用い、Δθ=d|θ|/dtに基づいて求める
ことができる。本例においては、算出変化率Δθは、後
述するような車両制動時の制動力設定処理に適用され、
Δθの正負に応じ、Δθ>0はステアリングホイールの
切増しを、またΔθ<0は切戻しを意味する。
次のステップ34では、車輪回転数ω〜ωから車速
Vを演算する。この演算に当っては、ブレーキペダル5
を踏込まない非制動中は非駆動輪である前輪の回転数ω
,ωが車速Vにほぼ対応することから、前輪半径を
Raとした時 V=Ra(ω+ω)/2 の演算により車速Vを求める。しかして制動中は、前輪
の回転数が必ずしも車速に対応しないことから、アンチ
スキッド制御で通常行われている手法により疑似車速を
求め、これを車速Vとして用いる。
ステップ35では、制動時の車輪制動力の設定処理を実
行する。かかるステップ35での処理には、旋回走行中の
制動時には、前記した操舵角θなどの車両走行状態を示
す情報に基づいて、旋回方向外側前輪の制動力および後
輪の制動力を減少させるように制御するための処理を含
んでおり、これは第3図(b)に示すような内容のもの
とすることができる。
同図(b)のプログラムでは、先ずステップ351にお
いて旋回状態の領域判定処理を行っている。
即ち、旋回方向外側前車輪の制動力はこれを減じて、
内側前車輪との制動力差により旋回方向のヨーモーメン
トを生じさせるために、ステップ351で旋回状態をチエ
ックしてどの領域での旋回状態かを判定する。本実施例
では、この判定は操舵角θ、左右加速度y及び車速Vに
基いて行う。具体的には、操舵角θが予め定めた一定操
舵角θ(θ)を越えた場合において適用される領域線
図(マップ)を用いて実行することができ、第5図に示
す如く、左右加速度yについてはこれを±y1未満の小加
速度域と、±y1以上、±y2未満の中加速度域と、±y2
上の大加速度域とに3分割し、車速Vについてはこれは
V1未満の低車速域と、V1以上、V2未満の中車速域と、V2
以上の高車速域とに3分割する。上記の判定は、これら
加速度域と車速域との組合せにより定めた同図に示す如
きa,b,c,d領域のうちどの領域での旋回状態であるかを
判断することによって行う。
次にステップ352,353では、前輪1L,1R用、及び後輪2
L,2R用の電磁弁駆動電流のパターンの決定を行う。
即ち、ステップ352においては、前輪の旋回方向内側
車輪の電磁弁駆動電流i1(左旋回時)またはi2(右旋回
時)を0、従って電磁弁11L又は11Rを常時既述の増圧位
置になるようにし、内側前車輪の制動力(ホイールシリ
ンダ液圧)を通常のブレーキペダルの踏込みによる制動
時と同様のものとする。また、前輪の旋回方向外側車輪
の電磁弁駆動電流i2(左旋回時)又はi1(右旋回時)に
ついては、上述のようにして判定した領域(旋回状態)
に応じ、ヨーモーメント(旋回方向への挙動補正)を得
るための旋回方向外側車輪の制動力制限程度、つまり当
該車輪用電磁弁駆動電流i2又はi1のパターンを第6図の
テーブルデータからルックアップする。このテーブルデ
ータは、例えば、ステップ351で判定した領域(旋回状
態)毎に車輪用電磁弁駆動電流i2又はi1を何msec間0Aに
して外側車輪の電磁弁11L又は11Rを増圧位置にし、何ms
ec間2Aにして同電磁弁を保圧位置にするサイクルを繰返
すかのパターンを定めたもので、増圧位置と保圧位置と
を使用する場合の態様では、保圧位置の時間割合が高い
程、外側車輪の制動力が大きく制限されて大きな旋回方
向ヨーモーメントを生ずる。そして、このヨーモーメン
トが、要求される旋回挙動補正量に対応するよう上記保
圧位置の時間割合を決定する。第5図に示す如く、車速
をV0、左右加速度をy0にしたx点での旋回状態を例にと
って説明すると、この旋回状態はc領域に相当する。
従って、今、車速をV0、操舵角が±θ、左右加速度
y0で左旋回走行中に制動を行った場合、操舵量が既述し
た所定操舵角|θ|を超えて操舵された状態、即ち|
θ|>|θの状態が成立するときには、左前輪1L用
の電磁弁駆動電流i1は常時0となるように設定されると
共に、右前輪1R用の電磁弁駆動電流i2は、第6図から明
らかなように、5msecの間0Aにし、30msecの間2Aにする
サイクルを繰返すパターン(c領域に対応するパター
ン)に決定されることになる。
なお、操舵角θが所定操舵角θ以下のときは、ヨ
ーモーメントによる旋回挙動補正を行わず、従って、こ
の場合は、車速V及び左右加速度yの値の如何にかかわ
らず、外側車輪用電磁弁をも、即ち各電磁弁を夫々常時
増圧位置とするパターン(a領域に対応するパターン)
を採用する制御であってよい。
電磁弁駆動電流i1,i2を含めて各電磁弁電流i1〜i4
全て0とし、これを後述するステップ354で出力すると
きは、電磁弁11L,11R,12L,12Rは夫々図示の増圧位置と
なって、各車輪のホイールシリンダ液圧をマスターシリ
ンダ6よりの液圧に依存させることができ、通常の制動
が可能である。
次にステップ353では、前記ステップ352が前述の如く
の前輪ホイールシリンダ液圧に対する増圧制御のための
電磁弁駆動電流のパターン設定を行ったのに対し、後輪
ホイールシリンダ液圧に対する制御のためのパターン設
定処理を実行する。本実施例では、増圧制御のみなら
ず、一定条件下での減圧をも含む増減圧制御のための電
磁弁駆動電流の設定を行う。
具体的には、後輪2L,2Rのうち旋回方向外側車輪の電
磁弁駆動電流i4(左旋回時)またはi3(右旋回時)につ
いては、これを前述の旋回方向内側前車輪の場合と同様
に0とする。このように設定すれば、前記でも触れたよ
うに、旋回方向外側後車輪につき、通常の制動時の制動
力と同様のものとすることができる。
一方、後輪の旋回方向内側車輪の電磁弁駆動電流i
3(左旋回時)又はi4(右旋回時)は、当該車輪用ホイ
ールシリンダ液圧を緩増圧、及び減圧できるように出力
すべき駆動電流を設定し、しかもこれをステアリングホ
イールの切増し、切戻しに対応させて行う。即ち、ステ
ップ353では、前記ステップ33で算出した操舵角変化率
△θを監視して旋回中のステアリングホイールの切増
し、切戻しをチェックするようにもしている。しかし
て、その変化率Δθについての判断の結果、ステアリン
グホイールを切増し中(Δθ>0)ならば、更に回頭性
を増すべく所定のパターン、例えば当該内側車輪用電磁
弁駆動電流を5msec間0Aにし、45msec間2Aにするサイク
ルを繰返すパターン(第6図の領域dに対応するdパタ
ーン)に設定する。又、切戻し中(Δθ<0)と判定さ
れたならば、運転者は当該旋回方向への操舵の修正は希
望しておらず、逆の方向への修正を欲しているとみて、
かかる場合は、それ以上の回頭性は必要ないと判断し、
上記dパターンで減圧するように電磁弁駆動電流を設定
する。
ここでd、パターンでの減圧は、電磁弁の保圧位置の
時間を45msecとし、減圧位置の時間(減圧時間)を5mse
cとするサイクルを繰返して行うものとし、具体的に
は、電磁弁駆動電流を45msec間2Aにし、5msec間5Aにす
るサイクルを繰返すような出力が得られるようにすれ
ば、該減圧を行わせることができる。
ステップ352,353で決定した電磁弁駆動電流i1〜i4
ステップ354で対応する電磁弁11L,11R,12L,12Rへ出力さ
れ、対応車輪を個々に制動する。ところで、上述した処
から明らかなように旋回方向内側前車輪の制動力(ホイ
ールシリンダ液圧)は通常の制動時と同様の大きさのも
のに対応した値となるが、旋回方向外側前車輪の制動力
(ホイールシリンダ液圧)はその大きさに対応した値よ
り小さくされることから、車両は旋回方向のヨーモーメ
ントを受けて旋回を助長され、制動により狙った通りの
旋回走行を行うことができる。
旋回方向内側前車輪については、そのホイールシリン
ダ液はこれを変動させても余りヨー方向の車両挙動に影
響を与えず、従って旋回性、回頭性の制御には不十分で
あるところ、前述のように、旋回中、前輪の旋回方向外
側車輪のホイールシリンダ液圧を減圧すると、車両には
大きなオーバーステア方向、即ち旋回方向のヨーモーメ
ントが発生し、回頭性が大きく向上する。かくして、旋
回性、回頭性の向上を図ることができる。
又、上記前輪側による制御に組合わせて行われる後輪
側に対する制御は、前輪側のみの場合のものに比べれ
ば、より一層の制御の適正化が図れ、きめ細かな旋回挙
動の制御が実現でき、容易に過不足のない制御も可能と
なる。
後輪、特に旋回方向内側後車輪のホイールシリンダ液
圧を減圧すると、前輪での旋回方向内外側での制動力差
によるヨーメーメントを小さくし、結局、回頭性につき
その向上分を適当に少なくするようにし、運転者が違和
感を感じることがなく、より人間の運転感覚に適合した
運転状態にすることも可能である。
以上により、本制御では、車両旋回時の回頭性を大き
く改善し得ると同時に、運転者の操舵フィーリングによ
り合うように調整することもでき、特にアンダーステア
傾向が強く回頭性がやや低いといわれているFF車や4WD
車において、より効果は大きく、優れた旋回性、回頭性
を実現することができる。
又、制動が直接ヨーモーメントの発生、つまり回頭性
を増すよう直接旋回方向の補正に寄与することから、高
速で彎曲路に突入した場合でもこれに対応でき、彎曲路
での走行をよりスムーズなものとすることが可能であ
る。
なお、車両の旋回状態を判定するに当り、第5図の如
く左右加速度yと車速Vとの組合せを用いる代りに、操
舵角θと車速Vとの組合せを用いる手法、あるいは操舵
角θと左右加速度yとの組合せを用いる手法によって領
域判定を行うこともできることは勿論であり、前者によ
る手法の場合は、左右加速度yを検知する必要のない制
御装置とすることができる。
更に、内外輪間での制動力の差を設定する等のための
パターンについては、路面の状態を考慮に入れてもよ
く、この場合には、路面状態(μ)を検知することによ
りその変化に応じて上記パターンを変えるように制御す
ることもできる。
又、例えば旋回方向内外前輪の制動力に差をつけるよ
うに制御する場合、各車輪のホイールシリンダ液圧を検
知する液圧検知手段を設けると共に、車両の旋回状態に
基づいて上記制動力差をもたせるための内外輪の夫々の
制動圧、即ち各ホイールシリンダ液圧についての目標値
を算出、設定し、内外輪のホイールシリンダ液圧を該目
標値に一致するように制御してもよい。
更に、上記ヨーモーメントをより大きく発生させたい
場合には、高くすべきホイールシリンダ液圧は、これを
別途設けた増圧手段によりマスターシリンダ液圧より高
くするようにして、一層大きなヨーモーメントを発生さ
せるようにすることもできる。
又、第2図に示した構成は、4チャンネルアンチスキ
ッド制御の構成を利用して実現することができ、アンチ
スキッドブレーキとしての機能を活用したまま本発明に
従う旋回挙動制御を行うことができる。又、アンチスキ
ッドブレーキシステムの構成を用いるようにすると、制
御内容を変更するだけであることから、コスト的にも有
利である。
更に、本発明において、制動は、勿論運転者によるブ
レーキペダルの踏込みに基づくものを対象とするが、例
えば湾曲路に突入し旋回するも曲がりきれないようなと
きに自動的にブレーキがかかり、しかして旋回、走破で
きるようにする場合に適用することを妨げるものではな
い。
(発明の効果) かくして本発明旋回挙動制御装置は上述の如く、旋回
制動時に、旋回状態に応じ、前輪の旋回方向外輪側の制
動力を前輪の旋回方向内輪側の制動力より減じ、及び後
輪の旋回方向内輪側の制動力を後輪の旋回方向外輪側の
制動力より減じることにより、この旋回を助長するヨー
モーメントを生ぜしめるべく前輪の旋回方向内外側間で
その旋回方向外輪側の制動力をその旋回方向内輪側の制
動力より減じて車輪制動力を異ならせると共に、他方、
後輪側についてはその旋回方向内輪側の制動力をその旋
回方向外輪側の制動力より減ずるようにする構成とした
から、上記制動力差を利用して回頭性を増すことがで
き、旋回性を高めることができる。しかも後輪側に対す
る制御によって旋回挙動を運転者の感覚に合ったより適
切なものとなるように調整することもできる。又、回頭
性の向上は、ステアリングホイールの修正操舵量を少な
くし得て、運転者の負担軽減に寄与すると共に、旋回挙
動の乱れを修正する操舵にも余裕が出て安全上大いに有
益である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明旋回挙動制御装置の概念図、 第2図は本発明装置の一実施例を示すシステム図、 第3図は同例におけるコントロールの制御プログラムを
示すフローチャート、 第4図は操舵角区分図、 第5図は旋回状態の領域線図、 第6図は領域毎の車輪用電磁弁駆動電流のパターン図で
ある。 1L,1R…前輪 2L,2R…後輪 3L,3R,4L,4R…ホイールシリンダ 5…ブレーキペダル 6…マスターシリンダ 11L,11R,12L,12R…電磁弁 13,14…リザーバタンク 15…モータ 16,17…ポンプ 19,20…アキュムレータ 21…コントローラ 22〜25…車輪速センサ 26…左右加速度センサ 27…操舵角センサ 30…ステリアングホイール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 真次 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−279976(JP,A) 特開 昭64−85862(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手
    段と、 上記旋回状態検出手段からの信号に基づき、車両制動時
    に、前記旋回状態に応じて、前輪の旋回方向外輪側の制
    動力を前輪の旋回方向内輪側の制動力より減じ、及び後
    輪の旋回方向内輪側の制動力を後輪の旋回方向外輪側の
    制動力より減じることにより、この旋回を助長するヨー
    モーメントが生ずるよう前記車両の前輪の旋回方向内外
    側間で車輪制動力を異ならせると共に、後輪側の制動力
    を減ずるよう後輪に対する車輪制動力を制限する制動力
    設定手段とを具備してなることを特徴とする車両の旋回
    挙動制御装置。
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WO2011108697A1 (ja) 2010-03-04 2011-09-09 本田技研工業株式会社 車両の旋回制御装置
WO2011108565A1 (ja) 2010-03-04 2011-09-09 本田技研工業株式会社 車両の旋回制御装置
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