JP3168402B2 - 射出成形金型装置 - Google Patents

射出成形金型装置

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JP3168402B2 JP04322996A JP4322996A JP3168402B2 JP 3168402 B2 JP3168402 B2 JP 3168402B2 JP 04322996 A JP04322996 A JP 04322996A JP 4322996 A JP4322996 A JP 4322996A JP 3168402 B2 JP3168402 B2 JP 3168402B2
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一彦 向後
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形金型装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】射出成形金型装置において成形品を射出
成形する場合、射出成形機に取り付けられ、型締め状態
にある射出成形金型装置のキャビティへ流動状態にした
プラスチック材料を加圧注入し、金型内で固化させるこ
とによってキャビティに相当する成形品を造る。
【0003】ここで、成形品の良否に影響を与える成形
条件の一つとして、射出速度および射出圧力が挙げられ
る。そして、一般に射出圧力および射出速度は大きくす
ることが望ましい。射出速度および射出圧力を大きくす
ることは、特に薄肉製品の成形において重要であって、
キャビティ内での樹脂温度がほとんど均一となり、成形
品の強度、密度を均一にすることが可能であり、光沢が
良くなり、成形収縮を小さくして成形品のソリの発生を
防ぎ、かつ圧力降下が小さくなるので大型キャビティに
対しても十分な充填が可能となる。
【0004】また、金型は全体の重量が小さい方が、運
搬、成形機への取り付け・取り外し、熱容量等の点で都
合がよい。そこで、金型を薄く構成することができれば
軽量化を図ることが可能となる。
【0005】しかしながら、金型を構成するプレートの
中で、キャビティが形成されている可動側型板におい
て、一般にその裏面側にはエジェクタ機構を設けるため
に空間が形成されており、可動側型板を薄く形成してい
る場合、成形時に射出速度および射出圧力を大きく設定
すると、それに負けて可動側型板にたわみが発生してし
まう。可動側型板にたわみが発生すると、固定側型板と
可動側型板とによって形成されているキャビティの両型
板の当接面に隙間が生じて成形品にバリができてしま
う。
【0006】そこで、可動側型板にたわみが発生しない
ように、可動側型板はその強度を考慮して厚いプレート
を用いて構成されていたり、可動側型板を補強するため
のサポートピラーと称される補助部材を可動側型板の裏
面側のエジェクタ機構が設けられている空間に設けて補
強したりしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の構成の射出成形
金型装置にあっては、成形条件において射出圧力および
射出速度を大きく設定する場合に、射出成形時に成形品
にバリが発生しないように、つまり、可動側型板にたわ
みが発生しないように、可動側型板に厚いプレートを用
いて構成したり、あるいは可動側型板の裏面側に補助部
材を設けて補強したりしているため、全体として金型の
重量が大きくなってしまい、運搬、成形機への取り付け
・取り外し、熱容量等の点で問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明では、可動側ダイプレートの裏面側に可
動側ダイプレート、可動側取付板を貫通して可動側型板
の裏面側に当接して可動側型板の変形を阻止するサポー
トロッドを設けている。サポートロッドは、成形樹脂の
射出工程、保圧工程、冷却工程にかけて可動側型板の裏
面側に当接させ、それ以外は、可動側ダイプレートの表
面側から引き込んだ状態にさせることとする。そして、
サポートロッドによる可動側型板の変形の阻止によっ
て、成形品にバリが発生することを防止することができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、成形機の固定側ダイプ
レートには固定側取付板と固定側型板とからなる固定側
金型、または、固定側取付板とランナーストリッパープ
レートと固定側型板とからなる固定側金型が取り付けら
れ、成形機の可動側ダイプレートには固定側型板と対向
する可動側型板を有し固定側金型に対して進退可能に設
けてある可動側金型が取り付けられ、型締めによって両
金型間にキャビティが形成される射出成形金型装置であ
って、可動側ダイプレートの裏面側には、可動側型板の
裏面側に当接して成形樹脂の射出時に可動側型板にかか
る射出圧力による可動側型板の変形を阻止するサポート
ロッドが可動側ダイプレートおよび可動側取付板を貫通
して設けられているものである。
【0010】また、サポートロッドは、さらに可動側金
型内に設けられているキャビティに成形される成形品を
突き出すエジェクターピンが立設されているエジェクタ
ープレートを貫通して設けられていることが好ましい。
【0011】またさらに、サポートロッドは、サポート
プレートに任意の本数を任意の位置に立設することによ
って設けているものである。
【0012】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。第
1の実施例として、図1に2プレートタイプの射出成形
金型装置を示す。図1に示す2プレートタイプの金型
は、2プレートタイプの標準的な金型構造であり、パー
ティングライン面Lを境界に固定側金型Pと可動側金型
Qとの2つに分割される構造の金型であるである。この
構造の金型装置では、ランナーと成形品(製品)とが結
合された形で成形される。固定側金型Pは固定側ダイプ
レート(図示せず)に固定され、可動側金型Qは可動側
ダイプレートDに固定されている。
【0013】固定側金型Pについて説明する。固定側金
型Pは、固定側取付板1と固定側型板2とから構成され
ており、固定側取付板1の前面に固定側型板2が固定さ
れている。
【0014】固定側取付板1にはスプルー7aが形成さ
れたスプルーブッシュ7がロケートリング8を介して取
り付けてあり、スプルーブッシュ7には成形機のノズル
(図示せず)が嵌合して成形樹脂を射出可能である。固
定側型板2には、4個のガイドピンブッシュ9(1個だ
け図示)が貫設されており、4個のガイドピンブッシュ
9は、後述する可動側型板6に固着されている4個のガ
イドピン16(1個だけ図示)の各々と嵌合可能であ
る。そして、固定側型板2には後述する可動側型板6と
によって形成されるキャビティ部2aが形成されてい
る。
【0015】次に、可動側金型Qについて説明する。可
動側金型Qは、可動側取付板3、スペーサーブロック
4、受板5および可動側型板6とから構成されており、
可動側取付板3の前面にスペーサーブロック4が固定さ
れ、スペーサーブロック4の前面に受板5が固定され、
受板5の前面に可動側型板6が固定されている。
【0016】可動側型板6には先述した固定側型板2の
キャビティ部2aとによって成形品の形状をしたキャビ
ティCを形成する部分にコア10が嵌め込められてい
る。可動側金型Qの可動側取付板3と受板5との間でス
ペーサーブロック4によって設けられた空間4aには、
エジェクタプレート11が配設されている。エジェクタ
プレート11は2枚のプレート11a,11bから構成
されており、エジェクタピン12、スプルーエジェクタ
ーピン13およびリターンピン14が立設されている。
これらの各ピン12,13,14は、それぞれ受板5に
設けられた透孔5aを貫通し、エジェクターピン12は
コア10の軸受部10aに軸支され、スプルーエジェク
ターピン13およびリターンピン14は可動側型板6の
軸受部6aに各々軸支され、可動側型板6を貫通してパ
ーティングライン面Lに突出可能に設けられている。可
動側型板6のスプルーエジェクターピン13の先端位置
には、型開き時に成形品およびランナーを可動側型板6
の方に保持するためのランナーロック部6bが形成され
ている。
【0017】リターンピン14には、スペーサーブロッ
ク4によって設けられた空間においてエジェクタープレ
ート11と受板5との間に圧縮コイルばねからなるスプ
リング15が巻回されている。可動側取付板3の中央部
には、成形機のエジェクターロッドEが通過可能な透孔
3aが設けられており、成形機のエジェクターロッドE
が突き出すことによりエジェクタープレート11を前進
させることが可能である。成形機のエジェクターロッド
Eが突き出してエジェクタープレート11が前進した状
態で、リターンピン14に巻回されているスプリング1
5は圧縮状態となり、成形機のエジェクターロッドEが
引き込んだ状態でスプリング15はエジェクタープレー
ト11を後退する方向へ付勢してエジェクタープレート
11を原位置に復帰させるようになっている。
【0018】可動側型板6には、ガイドピン16が立設
してあり、型締めの際に、ガイドピン16の先端部16
aが先述の固定側型板2に貫設されているガイドピンブ
ッシュ9に嵌合することによって、固定側型板2と可動
側型板6とを正確に位置決めして当接可能である。
【0019】可動側ダイプレートDの裏面側には、可動
側ダイプレートD、可動側取付板3およびエジェクター
プレート11を貫通して可動側型板6の裏面側に固定さ
れている受板5に当接可能なサポートロッド17(1本
だけ図示)が設けられている。サポートロッド17は、
2枚のプレート18a,18bから構成されるサポート
プレート18に立設されており、可動側金型Qを構成す
る各部材と干渉しない範囲で、可動側ダイプレートDに
設けられた透孔Da、可動側取付板3に設けられた透孔
3bおよびエジェクタープレート11に設けられた透孔
11cを貫通し、可動側型板6の裏面側に固定されてい
る受板5の任意の位置で当接可能であり、1本あるいは
必要に応じて複数本設けることが可能である。サポート
プレート18には上述の成形機のエジェクターロッドE
とは別の独立した駆動ロッドSがジョイント19を介し
て連結されており、サポートプレート18を進退させる
ことによって突き出し・引き込み可能である。
【0020】ここで、可動側型板6の裏面側に固定され
ている受板5へのサポートロッド17の当接は、上述の
成形機のノズルの成形樹脂の射出圧力に可動側型板6が
負けてたわみが発生しないように支えるものであり、サ
ポートロッド17は可動側型板6を押し出すものではな
い。また、サポートロッド17の受板5への当接のタイ
ミングは、成形樹脂の射出工程、保圧工程、冷却工程に
かけて当接させるものであり、それ以外は、可動側ダイ
プレートDの表面側から引き込んだ状態にさせておく。
【0021】固定側金型Pと可動側金型Qとが型締めさ
れると、成形品の形状をしたキャビティCがパーティン
グライン面Lのキャビティ部2aとコア10とにより形
成され、成形機のノズルから射出される溶融樹脂は、ス
プルー7a、ランナー部6cそしてゲート部6dを通っ
てキャビティCに至ることになる。
【0022】本実施例における射出成形金型装置には、
上述した各構成要素の他、図示しないが温調装置等のそ
の他の構成要素を備えている。
【0023】次に、第1の実施例における射出成形金型
装置の動作について説明する。図1に示す型締め状態に
おいて、成形機のノズルがスプルーブッシュ7に嵌合し
て成形樹脂を射出する(射出工程)。成形樹脂は、スプ
ルー7a、ランナー部6c、ゲート部6dを通ってキャ
ビティCに供給される(この時、成形樹脂はランナーロ
ック部6bにも供給される。)。この射出工程では、駆
動ロッドSが突き出されてサポートプレート18が前進
し、サポートロッド17が突き出されて可動側型板6の
裏面側に固定されている受板5に当接した状態となって
いる。したがって、サポートロッド17が可動側型板6
を支えているため成形樹脂の射出圧力に可動側型板6が
負けてたわみが発生したりすることはない。
【0024】射出工程の終了後、所定の保圧工程を経
て、キャビティC内の成形樹脂の固化を待つ冷却工程が
もたれる。冷却工程の終了後、駆動ロッドSが引き込ま
れてサポートプレート18が後退し、サポートロッド1
7が引き込む。次に可動側金型Qを後退させ、型開き状
態へと移行する際、キャビティCの成形品とランナー部
6c内のランナーは、ランナーロック部6bによって、
可動側型板6の表面に付着した状態で固定側型板2から
離れる。
【0025】この時、駆動ロッドSが引き込まれてサポ
ートプレート18が後退することによってサポートロッ
ド17が引き込まれるタイミングは、上述に限らず冷却
工程の途中であっても、可動側型板6にたわみが発生し
なければ構わない。
【0026】型開き状態において、これと連続して突き
出し工程が行なわれる。すなわち、可動側金型Qが固定
側金型Pから所定の間隔になるまで離れた位置に後退す
ると、成形機のエジェクターロッドEが突き出して、リ
ターンピン14に巻回されているスプリング15の付勢
力に抗してエジェクタープレート11を前進させる。エ
ジェクタープレート11の前進によりエジェクターピン
12、スプルーエジェクターピン13およびリターンピ
ン14が突き出して、可動側型板6に付着していた成形
品およびランナーが突き落とされる。なお、成形品およ
びランナーは図示しない回収手段に回収される。
【0027】これらの突き出し工程の終了後、成形機の
エジェクターロッドEが引き込まれる。すると、エジェ
クタープレート11は、リターンピン14に巻回されて
いるスプリング15の付勢力によって後退し、原位置に
復帰する。エジェクタープレート11の原位置への復帰
にともなってエジェクターピン12、スプルーエジェク
ターピン13およびリターンピン14も原位置に復帰
し、1サイクルの工程が終了する。
【0028】再び、可動側金型Qが固定側金型Pへ前進
し型締め状態となり、同様に所定の生産数が達成される
まで成形作業が行なわれる。
【0029】次に、第2の実施例として、図2に3プレ
ートタイプの射出成形金型装置を示す。図2に示す3プ
レートタイプの金型は、3プレートタイプの標準的な金
型構造であり、型開きの際に3つに分割される構造の金
型である。この構造の金型装置では、成形後、ランナー
と成形品(製品)とを分離して回収可能である。固定側
金型Xは固定側ダイプレート(図示せず)に固定され、
可動側金型Yは可動側ダイプレートDに固定されてい
る。
【0030】固定側金型Xについて説明する。固定側取
付板51の前面にはランナーストリッパープレート70
が配設されおり、ランナーストリッパープレート70の
前面には固定側型板52が配設されている。
【0031】固定側取付板51には、スプルー57aが
形成されたスプルーブッシュ57がロケートリング58
を介して取り付けてあり、スプルーブッシュ57には成
形機のノズル(図示せず)が嵌合して成形樹脂を射出可
能である。また、固定側取付板51には4本のサポート
ピン71が固着してあり(1個だけ図示)、ランナース
トリッパープレート70および固定側型板52の各々に
設けられている4個のサポートピンブッシュ72,73
(各々1個だけ図示)に挿通していることによって、ラ
ンナーストリッパープレート70および固定側型板52
は固定側取付板51に対してスライド自在に軸支された
状態にある。さらに、固定側取付板51にはその先端部
74aがアンダーカット状に形成されていて、ランナー
ストリッパープレート70を貫通し後述する固定側型板
52のランナー部52bに至るランナーロックピン74
が取り付けてある。
【0032】固定側型板52には、4個のガイドピンブ
ッシュ59(1個だけ図示)が貫設されており、4個の
ガイドピンブッシュ59は、後述する可動側型板56に
固着されている4個のガイドピン66(1個だけ図示)
の各々と嵌合可能である。また、固定側型板52には、
ランナーストリッパープレート70との当接面にスプル
ーブッシュ57のスプルー57aと連通するランナー部
52bが形成されており、ランナー部52bはパーティ
ングライン面Tに向けて伸び、その先端部にゲート部5
2cが形成され、さらにランナー部56a、ゲート部5
6bを介して、後述する可動側型板56とによってキャ
ビティVを形成するキャビティ部52aに通じている。
【0033】ランナーストリッパープレート70と固定
側型板52の間は、数本のプラーボルト75(1個だけ
図示)が設けられており、プラーボルト75とそのプラ
ーボルト75をランナーストリッパープレート70に固
定するように取り付けてあるストップボルト76(1本
だけ図示)とによって固定側型板52とランナーストリ
ッパープレート70との型開きストロークが制限されて
いる。また、ランナーストリッパープレート70と固定
側型板52との間にはこのプラーボルト75を軸に圧縮
コイルばねからなるスプリング77が挿置されている。
このスプリング77は、金型装置が型締め状態から型開
きしていく際に、固定側型板52とランナーストリッパ
ープレート70との間が優先的に最初に開き始めるよう
に付勢しているものである。
【0034】固定側金型Xの固定側型板52と後述する
可動側金型Yの可動側型板55とはリンク78により連
結されている。リンク78は、型締め状態から型開きし
ていく際に、上述のランナーストリッパープレート70
と固定側型板52との間がプラーボルト75の制限する
範囲まで開ききって、固定側型板52と可動側型板55
との間がこのリンク78の制限する範囲まで開ききった
ときに可動側金型Yの移動(固定側金型Xから離れる方
向)を固定側金型Xに伝えて、ランナーストリッパープ
レート70を最後に移動させるものである。
【0035】次に、可動側金型Yについて説明する。可
動側金型Yは、可動側取付板53、スペーサブロック5
4、受板55および可動側型板56とから構成されてお
り、可動側取付板53の前面にスペーサーブロック54
が固定され、スペーサーブロック54の前面に受板55
が固定され、受板55の前面に可動側型板56が固定さ
れている。
【0036】可動側型板56には先述した固定側型板5
2のキャビティ部52aとによって成形品の形状をした
キャビティVを形成する部分にコア60が嵌め込められ
ている。可動側金型Yの可動側取付板53と受板55と
の間でスペーサーブロック54によって設けられた空間
54aには、エジェクタプレート61が配設されてい
る。エジェクタプレート61は2枚のプレート61a,
61bから構成されており、エジェクタピン62、ラン
ナーエジェクターピン63およびリターンピン(図示せ
ず)が立設されている。これらの各ピンは、それぞれ受
板55に設けられた透孔55aを貫通し、エジェクター
ピン62はコア60の軸受部60aに軸支され、ランナ
ーエジェクターピン63は可動側型板56の軸受部56
aに各々軸支され、可動側型板56を貫通してパーティ
ングライン面Tに突出可能に設けられている。
【0037】リターンピンには、スペーサーブロック5
4によって設けられた空間においてエジェクタープレー
ト61と可動側型板56との間に圧縮コイルばねからな
るスプリング(図示せず)が巻回されている。可動側取
付板53の中央部には、成形機のエジェクターロッドE
が通過可能な透孔53aが設けられており、成形機のエ
ジェクターロッドEが突き出すことによりエジェクター
プレート61を前進させることが可能である。成形機の
エジェクターロッドEが突き出してエジェクタープレー
ト61が前進した状態で、リターンピンに巻回されてい
るスプリングは圧縮状態となり、成形機のエジェクター
ロッドEが引き込んだ状態でスプリングはエジェクター
プレート61を後退する方向へ付勢してエジェクタープ
レート61を原位置に復帰させるようになっている。
【0038】可動側型板56には、ガイドピン66が立
設してあり、型締めの際に、ガイドピン66の先端部6
6aが先述の固定側型板52に貫設されているガイドピ
ンブッシュ59に嵌合することによって、固定側型板5
2と可動側型板56とを正確に位置決めして当接可能で
ある。
【0039】可動側ダイプレートDの裏面側には、可動
側ダイプレートD、可動側取付板53およびエジェクタ
ープレート61を貫通して可動側型板56の裏面側に固
定されている受板55に当接可能なサポートロッド17
(1本だけ図示)が設けられている。サポートロッド1
7は、2枚のプレート18a,18bから構成されるサ
ポートプレート18に立設されており、可動側金型Yを
構成する各部材と干渉しない範囲で、可動側ダイプレー
トDに設けられた透孔Da、可動側取付板53に設けら
れた透孔53bおよびエジェクタープレート61に設け
られた透孔61cを貫通し、可動側型板56の裏面側に
固定されている受板55の任意の位置で当接可能であ
り、1本あるいは必要に応じて複数本設けることが可能
である。サポートプレート18には上述の成形機のエジ
ェクターロッドEとは別の独立した駆動ロッドSがジョ
イント19を介して連結されており、サポートプレート
18を進退させることによって突き出し・引き込み可能
である。
【0040】ここで、可動側型板56の裏面側に固定さ
れている受板55へのサポートロッド17の当接は、上
述の成形機のノズルの成形樹脂の射出圧力に可動側型板
56が負けてたわみが発生しないように支えるものであ
り、サポートロッド17は可動側型板56を押し出すも
のではない。また、サポートロッド17の受板55への
当接のタイミングは、成形樹脂の射出工程、保圧工程、
冷却工程にかけて当接させるものであり、それ以外は、
可動側ダイプレートDの表面側から引き込んだ状態にさ
せておく。
【0041】固定側金型Xと可動側金型Yとが型締めさ
れると、成形品の形状をしたキャビティVがパーティン
グライン面Tのキャビティ部52aとコア60とにより
形成され、成形機のノズルから射出される溶融樹脂は、
スプルー57a、ランナー部52bそしてゲート部52
c、さらにランナー部56a、ゲート部56bを通って
キャビティVに至ることになる。
【0042】本実施例における射出成形金型装置には、
上述した各構成要素の他、図示しないが温調装置等のそ
の他の構成要素を備えている。
【0043】次に、第2の実施例の動作について説明す
る。図2に示す型締め状態において、成形機のノズルが
スプルーブッシュ57に嵌合して成形樹脂を射出する
(射出工程)。成形樹脂は、スプルー57a、ランナー
部52b、ゲート部52c、さらにランナー部56a、
ゲート部56bを通ってキャビティVに供給される。こ
の射出工程では、駆動ロッドSが突き出されてサポート
プレート18が前進し、サポートロッド17が突き出さ
れて可動側型板56の裏面側に固定されている受板55
に当接した状態となっている。したがって、サポートロ
ッド17が可動側型板56を支えているため成形樹脂の
射出圧力に可動側型板56が負けてたわみが発生したり
することはない。
【0044】射出工程の終了後、所定の保圧工程を経
て、キャビティV内の成形樹脂の固化を待つ冷却工程が
もたれる。冷却工程の終了後、駆動ロッドSが引き込ま
れてサポートプレート18が後退し、サポートロッド1
7が引き込む。次に可動側金型Yを後退させ、型開き状
態へと移行する際、金型の開く場所は、パーティングラ
イン面T(固定側型板52と可動側型板57の間)、固
定側型板52とランナーストリッパープレート70との
間、ランナーストリッパープレート70と固定側取付板
51との間の3ヶ所であるが、これらは順不同で開くの
ではなく、以下に述べる順序で開いていく。最初に開き
始めるのは、固定側型板52とランナーストリッパープ
レート70との間である。これは、固定側型板52とラ
ンナーストリッパープレート70との間に配設されてい
るプラーボルト75を軸としてスプリング77が型締め
状態において圧縮されて挿置されていて、両プレート5
2,70間を開く方向に付勢しているためである。固定
側型板52とランナーストリッパープレート70との間
が開くと、ランナー部52bのランナーはランナーロッ
クピン74により固持されているので最も弱いゲート部
52cで切断される。さらに型開きが進むと、次にパー
ティングライン面Tが開く。これは、ランナーロックピ
ン74が固定側型板52に形成されているランナー部5
2bのランナーをアンダーカット状に形成されている先
端部74aで係止してランナーストリッパープレート7
0を固定側取付板51側に保持しているが、パーティン
グライン面Tは閉じる方向にも開く方向にも付勢されて
いないからである。この時、成形品は固定側金型Xでは
なく可動側金型Yの側に残っている必要がある。ランナ
ー落下部(固定側型板52とランナーストリッパープレ
ート70との間)と成形品落下部(パーティングライン
面T)との開きが制限一杯になり、リンク78およびプ
ラーボルト75の両方が両端で引っ掛けている状態にな
ると、最後にランナーストリッパープレート70と固定
側型板52との間が開く。そして、ランナーストリッパ
ープレート70が開くことによって、ランナーロックピ
ン74の先端部74aとランナーとを強制的に離す。こ
の時、離された勢いでランナーはランナー落下部に弾き
出されて、ランナー落下部から落下していく。
【0045】この時、駆動ロッドSが引き込まれてサポ
ートプレート18が後退することによってサポートロッ
ド17が引き込むタイミングは、上述に限らず冷却工程
の途中であっても、可動側型板56にたわみが発生しな
ければ構わない。
【0046】型開き状態において、これと連続して突き
出し工程が行なわれる。すなわち、ランナー落下部(固
定側型板52とランナーストリッパープレート70との
間)と成形品落下部(パーティングライン面T)および
ランナーストリッパー用間隙とが全て制限いっぱいに開
くと、成形機のエジェクターロッドEが突き出して、リ
ターンピンに巻回されているスプリングの付勢力に抗し
てエジェクタープレート61を前進させる。エジェクタ
ープレート61の前進によりエジェクターピン62、ラ
ンナーエジェクターピン63およびリターンピンが突き
出して、可動側型板56に付着していた成形品が突き落
とされる。なお、成形品およびランナーは図示しない別
々の回収手段に各々回収される。
【0047】これらの突き出し工程の終了後、成形機の
エジェクターロッドEが引き込む。すると、エジェクタ
ープレート61は、リターンピンに巻回されているスプ
リングの付勢力によって後退し、原位置に復帰する。エ
ジェクタープレート61の原位置への復帰にともなって
エジェクターピン62、ランナーエジェクターピン63
およびリターンピンも原位置に復帰し、1サイクルの工
程が終了する。
【0048】再び、可動側金型Qが固定側金型Pへ前進
し型締め状態となり、同様に所定の生産数が達成される
まで成形作業が行なわれる。
【0049】以上のように、第1の実施例として2プレ
ートタイプ、第2の実施例として3プレートタイプの射
出成形金型装置に本発明の構成を適用したものを説明し
てきたが、成形機のエジェクタロッドEはもちろんのこ
と、駆動ロッドS、ジョイント19、サポートロッド1
7およびサポートプレート18からなる可動側型板の裏
面側に当接することによって可動側型板の変形を阻止す
るための構成は、それを使用する金型の設計を標準化し
ておくことによって共通に使用可能である。
【0050】また、形成されているキャビティの位置が
異なるため、成形樹脂の射出圧力のかかる位置が異なる
場合には、サポートプレート18に立設するサポートロ
ッド17の位置を調整し、各プレートにもサポートロッ
ド17の位置に対応した透孔を設けて、その金型におい
て成形樹脂の射出圧力のかかる位置でサポートロッド1
7が可動側型板の裏面側に当接するように運用すればよ
い。
【0051】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0052】厚いプレートを用いた可動側型板でなく薄
いプレートを用いた可動側型板で金型を構成しても、可
動側型板の裏面側に当接して成形樹脂の射出時に当該可
動側型板にかかる射出圧力による当該可動側型板の変形
を阻止するサポートロッドを設けることにより、射出時
に射出速度および射出圧力を大きく設定しても、可動側
型板にたわみが発生して成形品にバリが発生することな
く成形可能となる。
【0053】また、サポートロッドは、可動側ダイプレ
ート、可動側取付板を貫通して設けられているのはもち
ろん、さらにエジェクタープレートを貫通して設けるこ
ととすれば、可動側金型を構成する各部材と干渉しない
範囲で可動側型板の任意の位置に当接させることが可能
となり、成形樹脂の射出圧力がかかる箇所に適切に当接
させることが可能である。
【0054】さらに、サポートロッドは、サポートプレ
ートに任意の本数を任意の位置に立設することによって
設けているので、任意の本数のサポートロッドを可動側
型板の複数箇所に当接させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサポートロッドを設けた第1の実施例
である2プレートタイプの射出成形金型装置を示す図で
ある。
【図2】本発明のサポートロッドを設けた第2の実施例
である3プレートタイプの射出成形金型装置を示す図で
ある。
【符号の説明】
1,51 固定側取付板 2,52 固定側型板 6,56 可動側型板 3,53 可動側取付板 11,61 エジェクタープレート 12,62 エジェクターピン 17 サポートロッド 70 ランナーストリッパープレート C,V キャビティ D 可動側ダイプレート P,X 固定側金型 Q,Y 可動側金型
フロントページの続き (72)発明者 三島 誠司 東京都墨田区太平四丁目1番1号 株式 会社精工舎内 (56)参考文献 特開 平7−186202(JP,A) 特開 平6−99464(JP,A) 特開 昭59−105326(JP,A) 実開 昭56−24225(JP,U) 実開 平3−71634(JP,U) 実開 昭64−22033(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/26 - 45/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形機の固定側ダイプレートには固定側
    取付板と固定側型板とからなる固定側金型、または、固
    定側取付板とランナーストリッパープレートと固定側型
    板とからなる固定側金型が取り付けられ、成形機の可動
    側ダイプレートには上記固定側型板と対向する可動側型
    板を有し上記固定側金型に対して進退可能に設けてある
    可動側金型が取り付けられ、型締めによって上記両金型
    間にキャビティが形成される射出成形金型装置であっ
    て、 上記可動側ダイプレートの裏面側には、上記可動側型板
    の裏面側に当接して成形樹脂の射出時に当該可動側型板
    にかかる射出圧力による当該可動側型板の変形を阻止す
    るサポートロッドが上記可動側ダイプレートおよび上記
    可動側取付板を貫通して設けられていることを特徴とす
    る射出成形金型装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の射出成形金型装置に
    は、上記キャビティに成形される成形品を突き出すエジ
    ェクターピンが立設されているエジェクタープレートが
    上記可動側金型内に設けられており、 上記サポートロッドは、さらに上記エジェクタープレー
    トを貫通して設けられていることを特徴とする射出成形
    金型装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のサポートロッ
    ドは、上記可動側ダイプレートの裏面側において、サポ
    ートプレートに複数本設けられていることを特徴とする
    射出成形金型装置。
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