JP3156562B2 - 車両用通信装置及び走行車両監視システム - Google Patents

車両用通信装置及び走行車両監視システム

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JP3156562B2
JP3156562B2 JP27121995A JP27121995A JP3156562B2 JP 3156562 B2 JP3156562 B2 JP 3156562B2 JP 27121995 A JP27121995 A JP 27121995A JP 27121995 A JP27121995 A JP 27121995A JP 3156562 B2 JP3156562 B2 JP 3156562B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の走行路付近
に配置された路上機との間で暗号化データを用いたデー
タ通信を行う車両用通信装置、及び該装置と路上機とに
より構成されて路上機付近を走行する車両を監視する走
行車両監視システムに関し、特に有料道路を走行する車
両から通行料金を自動徴収するのに好適な装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、有料道路において通行料金を
走行中の車両から自動徴収する課金システムが知られて
いる。この課金システムは、有料道路の入り口や出口に
通信装置(路上機)を設置すると共に、有料道路を通行
する車両に、路上機からの問い合わせに応答して乗員固
有のデータや料金の支払方法を表わすデータ等を送信す
る通信装置(車載機)を設けて、路上機側で車載機から
の送信データに基づき通行料金を自動徴収するものであ
る。
【0003】ところで、こうしたシステムでは、車載機
と路上機との間で、料金データ、車両データ、乗員デー
タ等のプライベートな情報が無線通信されるため、その
データが第三者に傍受されて悪用される虞がある。例え
ば料金の支払にキャッシュカードを用いるような場合に
は、そのカードの情報が読み取られて、不正に使用され
る虞がある。
【0004】そこで、こうした問題を解決するために、
従来では、例えば特開平6−60237号公報に開示さ
れているように、車載機と路上機との間のデータ通信
を、送信すべきデータを暗号化した暗号化データを用い
て行うことにより、第三者に傍受されても、そのデータ
内容が容易に読み取られないようにすることが提案され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記提案の
システムでは、送信データを暗号化するのに、ICカー
ド等に情報の読み書きを行うのに規格化された周知のデ
ータ暗号化標準(DES)アルゴリズムが使用されるた
め、車載機−路上機間の通信データが傍受されて解析さ
れると、比較的容易に復号化され、機密性が悪いといっ
た問題があった。また、こうしたDESアルゴリズム
は、データの暗号化に時間がかかり、暗号化の高速度化
を図り難いアルゴリズムであるため、車載機が路上機の
通信エリア内に侵入してから、車載機及び路上機におい
て、送信データの暗号化及び受信データの復号化を行う
ようにしていると、その暗号化及び復号化に時間がかか
り、車両の速度が高い場合に、データ通信が完了してい
ない状態で車載機が路上機の通信エリアを脱出してしま
うといった問題もあった。
【0006】例えば、上記のような課金システムにおい
て、車載機がキャッシュカード等への情報書込(料金徴
収)行い、完了後にその情報を暗号化して路上機に送信
する場合、車載機は、まず、料金徴収のために路上機か
ら送信されてきたデータを復号化し、次にこの復号化し
たデータに従いキャッシュカード等へ情報を書き込み、
その後、書き込んだ結果を暗号化して、路上機側に送信
することになるが、車載機が路上機からのデータの復号
化と路上機に送信すべきデータの暗号化を行うためには
時間を要する。つまり、例えば、暗号化及び復号化に要
する時間を夫々30msec.とし、車両の走行速度が12
0km/hとすると、車載機が暗号化又は復号化を1回行う
たびに車両は1m走行することになる。一方、路上機の
通信エリアは、複数の車両が同時に侵入しないように、
通常、車両の大きさ程度に設定されることから、通信エ
リア内での車両の走行距離は数m程度である。従って、
車両が120km/h程度で走行する高速道路において、路
上機と車載機とのデータ通信を正常に行うようにするに
は、一方向の通信だけでも車載機側及び路上機側での暗
号化及び復号化処理が必要であるため、路上機と車載機
との間のデータ通信回数(往復通信)は1〜2回が限界
であり、通信回数をそれ以上多くすると、車載機は通信
エリアを脱出してしまい、正常なデータ通信を行うこと
ができなくなる。
【0007】一方、こうした問題を解決するには、車両
の走行速度を制限するとか、DESアルゴリズムに従っ
て暗号化を行う暗号化装置を、高速処理可能な装置に変
更すればよいが、車両の走行速度を制限すると、路上機
付近で交通渋滞が発生するようになって、無線通信にて
通行料金の自動徴収することにより得られる交通渋滞の
低減効果を充分発揮できなくなり、逆に暗号化装置を高
速にするには、高価な暗号化装置を用いる必要があり、
路上機側では対応できても、車載機に高価な暗号化装置
を搭載するには、使用者個人の負担が大きくなるため、
実現は難しい。
【0008】また、暗号化アルゴリズムを、DESアル
ゴリズム以外のもの、例えば電子回路等のハード構成に
よるパイプライン処理にて暗号化が可能な暗号化アルゴ
リズム、に変更することにより、暗号化を高速に行うよ
うにすることも考えられるが、この場合にも、暗号化装
置を、CPUを用いたソフト処理ではなく、専用のハー
ド構成によるパイプライン処理にて暗号化を行うように
構成するには、暗号化装置自体が高価になるため、路上
機側では対応できても、車載機側にこうした暗号化装置
を設けることは困難である。
【0009】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、通信データの傍受等により生じる不正を良好に防
止でき、しかも、送信すべきデータの暗号化を効率良く
行うことによって狭い通信エリア内での通信を短時間で
行うことができる車両用通信装置、及びこの車両用通信
装置を用いた前記課金システム等の走行車両監視システ
ムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の車両用通信装置において
は、路上機に送信すべき所定データが格納されたICカ
ードに対するデータの読み出し及び書き込みを行うドラ
イブ手段が備えられ、暗号化手段が、このドライブ手段
を介してICカードから路上機に送信すべきデータを読
み出し、その読み出したデータを含む車両側データを暗
号化して、その暗号化データを路上機への送信データと
して記憶する。
【0011】そして、車両が路上機の通信エリアに入っ
て路上機からの送信信号を受信すると、通信手段が、路
上機との間のデータ通信を開始し、暗号化手段にて暗号
化され記憶された送信データを路上機側に送信すると共
に、路上機側から送信されてきた暗号化データを受信し
て記憶する。そしてその後、復号化手段が、通信手段に
て受信され記憶された路上機側からの暗号化データを復
号化すると共に、その復号化した受信データに基づきド
ライブ手段を介してICカードに通信結果を書き込む。
【0012】また、復号化手段がICカードへのデータ
の書き込みを行う際には、暗号化手段及び復号化手段に
おいて送信データの暗号化及び受信データの復号化に使
用される通信用暗号化アルゴリズムとは異なるカード用
暗号化アルゴリズムにて暗号化した暗号化データを用い
て行う。
【0013】つまり、従来より、ICカードへのデータ
の書き込みを行う際には、カードデータの不正な変更等
を防止するために、通常、前述のDESアルゴリズム等
を用いた暗号化データを用いて行うようにされている
が、この場合、ICカードへのデータの書き込みを行う
際の暗号化アルゴリズムと、路上機との通信に用いる暗
号化アルゴリズムとを同じにすると、路上機との間の通
信信号を復号化し易くなる。
【0014】そこで、本発明では、カード用暗号化アル
ゴリズムと通信用暗号化アルゴリズムとを異なるアルゴ
リズムにすることにより、通信信号が傍受されても送受
信データ,特にICカードから読み出したプライベート
情報を復号化し難くし、通信の機密性を向上しているの
である。
【0015】このため、本発明の車両用通信装置によれ
ば、ICカードから読み出され、路上機に送信される、
銀行口座やパスワード等のプライベート情報が、不正に
傍受・解読されて、ICカードが偽造されるのを未然に
防止し、こうした犯罪の発生を抑制できる。
【0016】次に請求項2記載の車両用通信装置におい
ては、ドライブ手段が、ICカードを着脱自在に装着可
能に構成されており、暗号化手段は、ドライブ手段にI
Cカードが装着されると、ドライブ手段を介してICカ
ードから前記路上機に送信すべきデータを読み出し、そ
のデータを含む車両側データを暗号化する。
【0017】つまり、本発明では、路上機に送信すべき
データの少なくとも一部(例えば運転者の識別コードや
銀行口座等を表わすプライベート情報等)や路上機との
通信結果を記憶するのにICカードが使用されるが、こ
のICカードからのデータの読み出し及び路上機に送信
すべき車両側データの暗号化を、ICカードがドライブ
手段に装着されたときに行い、また路上機から送信され
受信したデータの復号化及び復号化したデータから得ら
れる通信結果のICカードへの書き込みを、路上機との
間のデータ通信を完了してから行うことにより、車両が
路上機とのデータ通信を行う際には、データの暗号化及
び復号化を実行しないようにしている。
【0018】このため、本発明の車両用通信装置におい
ては、当該車両用通信装置が路上機との間でデータ通信
を行う際の通信時間を短縮でき、車両の走行速度を制限
したり、データの暗号化及び復号化を行う暗号化装置に
高価なものを使用することなく、路上機との間のデータ
通信を正確に行うことができる。
【0019】また、ICカードに対するデータの読み書
きには、通常、データをシリアル伝送するようにされて
おり、ドライブ手段によるICカードへのアクセス時間
が長くなるが、本発明の車両用通信装置では、こうした
ICカードに対するデータの読み書きも、路上機との間
のデータ通信を行っていないタイミングに行われるた
め、ICカードに対するデータの読み書きによって通信
時間が長くなることもなく、路上機との通信時間を短縮
できる。
【0020】なお、前述した課金システムのように、通
信結果(料金徴収に関する情報)をICカードに書き込
み、その結果を、再度路上機側に知らせる必要がある場
合には、ICカードに通信結果を書き込んだ後、車両が
次に路上機の通信エリアに侵入するまでの間に、その結
果を送信データとして暗号化しておき、車両が次に路上
機の通信エリアに入ったときに、その暗号化データを路
上機に送信するようにすればよい。
【0021】次に、請求項3記載の車両用通信装置にお
いては、こうしたデータ通信に用いる送信すべきデータ
の暗号化を、路上機の通信エリアへの侵入前に行ない、
受信した暗号化データの復号化は、路上機とのデータ通
信が完了してから行う。即ち、送信データの暗号化及び
受信データの復号化には時間がかかるので、本発明で
は、こうしたデータの暗号化及び復号化を、路上機との
通信を行わない領域内で(換言すれば当該通信装置側で
の処理に余裕のある期間内に)行うのである。
【0022】このため、本発明の車両用通信装置によれ
ば、当該車両用通信装置が路上機との間でデータ通信を
行う際の通信時間を短縮でき、車両の走行速度を制限し
たり、データの暗号化及び復号化を行う暗号化装置に高
価なものを使用することなく、路上機との間のデータ通
信を正確に行うことができる。
【0023】また、請求項4に記載の車両用通信装置に
おいては、ドライブ手段にICカードが装着されると、
認証手段が、暗号化手段が送信データを生成する前に、
所定の認証用データを用いてICカードと当該装置との
間で互いに正常な装置であるかを確認する相互認証を実
行させ、その認証結果を路上機に送信すべきデータの一
つとして暗号化手段に送信データを生成させる。そし
て、認証手段は、ICカードとの間でやり取りする認証
用データとして、カード用暗号化アルゴリズムにて暗号
化した暗号化データを用いる。
【0024】つまり、前述の課金システム等において
は、ICカードは勿論のこと、車両用通信装置自体を偽
造して、路上機に対して料金を支払ったように見せ掛け
る不正が行われる虞がある。そこで、本発明では、車両
用通信装置とICカードとの間でカード用暗号化アルゴ
リズムを用いた暗号化データにて相互認証させ、その認
証結果が正常であれば、その認証結果を路上機に送信す
べきデータの一つとして、暗号化手段による送信データ
の暗号化を実行させることにより、路上機側にて、受信
データが正規の車両用通信装置からの送信データかどう
かを判別できるようにしている。
【0025】従って、本発明の車両用通信装置によれ
ば、偽造した通信装置を用いた不正なデータ通信を排除
して、路上機との間のデータ通信の安全性を高めること
ができる。なお、路上機との間のデータ通信を偽造した
通信装置を用いて不正に行う方法として、正規の車両用
通信装置からの送信信号自体をコピーして、それを送信
することも考えられるが、こうした不正に対しては、車
両用通信装置と路上機との間でデータを暗号化するのに
使用される通信用の暗号鍵を定期的或は不定期に変更す
ることにより対応できるため、車両用通信装置として
も、暗号鍵を路上機との間でやり取りして、頻繁に切り
換えるようにすることが望ましい。
【0026】次に、請求項5に記載の車両用通信装置に
おいては、通信用暗号化アルゴリズムとして、カード用
暗号化アルゴリズムに比べてデータを高速に暗号化可能
な暗号化アルゴリズムが使用される。これは、本発明の
車両用通信装置では、路上機側に送信すべきデータの暗
号化を、路上機とのデータ通信を行わない領域で実行す
るため、当該通信装置側で要する通信時間は短縮できる
ものの、路上機側では、当該通信装置とデータ通信を行
っている最中に、受信データの復号化及び送信データの
暗号化を行う必要があるためである。
【0027】つまり、本発明では、通信用暗号化アルゴ
リズムを、カード用暗号化アルゴリズム(一般に前述の
DESアルゴリズムが使用される)よりも高速な暗号化
アルゴリズムを使用することにより、路上機側でデータ
の暗号化及び復号化に要する時間を短縮して、路上機と
の間の通信時間をより短縮できるようにしているのであ
る。従って、本発明によれば、高速走行中の車両と路上
機との間のデータ通信をより確実に行うことができるよ
うになる。
【0028】また、請求項6に記載の車両用通信装置に
おいては、当該装置の動作或は送信すべきデータの異常
を判定する異常判定手段を備え、この異常判定手段にて
異常が判断されると、送信データにその旨を表わすエラ
ーデータを付与することにより、その後実行される路上
機との間のデータ通信によって、当該装置側の異常を路
上機側に報知できるように構成される。
【0029】この結果、路上機側では、通信エリア内に
入った車両に搭載された車両用通信装置の異常を検知で
き、その検知結果から、例えば、車両運転者に対して車
両を停止させよとのメッセージを音声,表示等により送
るとか、走行中の車両をカメラで撮影して路上機の管理
者に知らせる、といった対策を自動で行うことができる
ようになる。
【0030】一方、請求項7〜請求項10に記載の走行
車両監視システムは、上述した請求項1〜請求項6いず
れか記載の車両用通信装置からなる車載機と、この車載
機を搭載した車両が走行可能な走行路付近に設置された
路上機とにより構成され、路上機側にて、車載機との間
で暗号化データを用いたデータ通信を行うことにより、
該路上機の通信エリアに侵入した車両又は車両乗員を特
定して、例えば、有料道路の通行料金,駐車場の駐車料
金,各種施設への入場料金等の自動聴取を行うとか、所
定施設に入場しようとする車両や乗員を監視して不審者
の侵入を防止する、といった所定の処理を行うものであ
る。
【0031】そして、請求項7に記載の走行車両監視シ
ステムにおいては、車載機及び路上機において夫々送信
すべきデータを暗号化する暗号化手段が、データの一部
を暗号化することにより、送信データとして、暗号文と
暗号化されていない平文とが混在した暗号化データを生
成するように構成される。
【0032】つまり、車載機と路上機との間のデータ通
信において、通信信号が傍受されてデータが解読されな
いようにするには、既述したようにデータを暗号化する
のに使用される暗号鍵を定期的或は不定期に変更するよ
うにするとよいが、この場合、暗号化データを受信した
装置側で使用した暗号鍵が分かるように、暗号鍵を表わ
すデータを送信する必要があり、このデータから暗号鍵
が解読されると、データ自体も解読されることになる。
【0033】そこで、本発明では、こうした対策とは別
に、プライベートデータ等を暗号化するに当たって、そ
のデータの全文を暗号化するのではなく、データの一部
を暗号化して、送信データを、暗号文と平文とが混在し
た暗号化データとすることにより、このデータをより解
読し難くしているのである。
【0034】このため、本発明の走行車両監視システム
においては、車載機−路上機間にて送受信される通信デ
ータが第三者に解読されるのをより確実に防止して、シ
ステムの信頼性を向上することができ、また、通信デー
タの不正使用による犯罪の発生を抑制できる。
【0035】また、請求項8に記載の走行車両監視シス
テムにおいては、通常、路上機側通信手段が、自己の通
信エリア内に車載機起動用のパイロット信号を周期的に
送信しており、この通信エリア内に車両が侵入して、そ
の車両に搭載された車載機側通信手段がパイロット信号
を受信すると、車載機側通信手段が、路上機に対して応
答信号を送信する。すると、路上機側通信手段は、この
応答信号を受信して、パイロット信号の送信を停止し、
その後、応答信号を送信してきた車載機との間でデータ
通信を行う。また、このデータ通信が完了すると、路上
機側通信手段が、その旨を表わす通信完了信号を車載機
側に送信し、車載機側通信手段は、この通信完了信号を
受信することによりデータ通信の完了を確認する。
【0036】即ち、本発明の走行車両監視システムにお
いては、路上機から送信されるパイロット信号により車
載機が起動してデータ通信を開始し、その後は、路上機
側では通信完了信号を送信することによりデータ通信を
終了し、車載機側ではこの通信完了信号を受信すること
によりデータ通信を終了する。
【0037】ところで、路上機側では、通信完了信号を
送信してデータ通信を終了すると、パイロット信号の周
期的な送信に移行することになるのであるが、通信完了
信号送信後に一定時間間隔でパイロット信号を送信する
ようにすると、データ通信終了時に既に次の車両が通信
エリア内に侵入していたとしても、この車両の車載機を
起動できるのは、通信完了信号送信後、次にパイロット
信号の送信タイミングになったときであり、その車載機
とのデータ通信の開始が遅れてしまう。
【0038】そこで、本発明では、路上機側通信手段
を、車載機とのデータ通信完了時に通信完了信号を送信
する際には、この信号に続けてパイロット信号を送信す
るように構成している。この結果、本発明によれば、路
上機の通信エリア内に複数の車両が連続的に侵入してく
るような場合に、ある車載機との通信完了後に、次の車
載機を速やかに起動させて、その車載機とのデータ通信
を速やかに開始することができるようになる。従って、
車載機の起動が遅れて、その車載機との通信可能時間が
短くなり、正常なデータ通信が実行できなくなる、とい
ったことを防止できる。
【0039】また次に、請求項9に記載の走行車両監視
システムにおいては、路上機側通信手段が、パイロット
信号又は送信データを送信した後、所定期間、無変調の
搬送波を送信し、車載機側通信手段が、路上機側から送
信されてくる搬送波を応答信号又は送信データに応じて
変調することにより、路上機側に応答信号及び送信デー
タを送信する。そして、車載機側通信手段は、路上機と
の間のデータ通信完了後に、路上機側からの通信完了信
号を受信できないときには、路上機側通信手段からの搬
送波を利用して、路上機側に通信完了信号の要求信号を
送信する。
【0040】つまり、本発明の走行車両監視システムに
おいては、路上機がデータ通信の主導権をもち、車載機
は、路上機からの送信信号に応答してデータを送信する
ようにされており、データ通信完了後、車載機は、路上
機側から送信されてくる通信完了信号を受信することに
より、データ通信の終了を確認するのであるが、車載機
がノイズ等の何等かの原因で路上機からの通信完了信号
を受信できなかった場合には、車載機側でデータ通信を
正常に行えたかどうかを判別できないため、通信エラー
として処理するしかない。しかし、この場合、路上機側
では、データ通信を正常に実行できたとして、通信完了
信号を送信しているので、車載機側と路上機側とでデー
タ処理が異なってしまう。
【0041】そこで本発明では、一連のデータ通信が終
了した後、車載機側にて路上機からの通信完了信号を受
信できない場合には、路上機が周期的に送信してくる搬
送波を利用して、路上機側に通信完了信号の要求信号を
送ることにより、路上機に通信完了信号を受信できてい
ないことを知らせるようにしているのである。
【0042】この結果、本発明によれば、データ通信完
了後に車載機が路上機からの通信完了信号を受信できな
かった場合でも、車両が路上機の通信エリア内にいる間
は、路上機から通信完了信号を再送信させて、路上機と
車載機とが共にデータ通信が正常に完了したことを確認
できるようになり、データ通信の精度を向上できる。
【0043】次に、請求項10に記載の走行車両監視シ
ステムにおいては、路上機が、有料道路の入り口又は出
口に配設され、車載機とのデータ通信により車載機側か
ら送信されてくる通行料金の支払情報を表わす暗号化デ
ータを復号化し、その支払情報に従い通行料金を徴収す
ると共に、料金徴収結果を暗号化して車載機側に送信
し、車載機が、路上機とのデータ通信により支払情報を
暗号化して路上機に送信し、その後路上機から送信され
てくる料金徴収結果を表わす暗号化データを復号化して
記憶する。つまり、本発明の走行車両監視システムは、
有料道路を走行する車両に対する通行料金の徴収を車載
機と路上機とのデータ通信により自動で行う有料道路の
課金システムである。
【0044】ところで、有料道路には、料金一律の有料
道路もあれば、走行距離或は道路の利用時間によって料
金が設定される料金変動型の有料道路もあり、こうした
料金の設定方法が異なる有料道路では、車載機と路上機
とで送受信するデータ内容も異なることになる。また、
通行料金の支払方法も、キャッシュカードを用いた場合
のように、指定した銀行口座から料金を引き出させる方
法とか、プリペイドカードのように予め任意の料金を支
払っておき、その中から徴収させて残高を更新する方法
等、種々の方法が考えられ、このように支払方法が異な
る場合にも、車載機と路上機とで送受信するデータ内容
が異なることになる。
【0045】そして、このように通行料金の徴収形態
(設定方法,支払方法等)が異なる場合に、各徴収形態
毎に通信データのデータ構成を設定していると、車載機
及び路上機において送信データを生成して暗号化した
り、受信データを復号化して必要な情報を取り出す際の
データ処理が煩雑になり、車載機と路上機との間の通信
に時間がかかるようになるとか、或は、料金の徴収形態
が異なる有料道路課金システムにおいて車載機を共用で
きなくなるといったことが考えられる。
【0046】そこで本発明では、更に、車載機−路上機
間でのデータ通信に使用されるデータ構成を、通行料金
の徴収形態にかかわらず全て共通にしている。この結
果、本発明によれば、車載機及び路上機における通信デ
ータの生成,暗号化及び復号化を、効率良く行うことが
できるようになり、データ通信に要する時間を短縮し
て、車載機と路上機との間のデータ通信を車載機が路上
機の通信エリア内にいる間に正確に実行できるようにす
ることができる。また、通行料金の徴収形態の異なる有
料道路課金システムにおいて、同じ車載機を共用させる
ことができ、各システム毎に専用の車載機を用いる必要
がないので、車両所有者の負担を軽減して、有料道路課
金システムを容易に実現できるようになる。
【0047】なお、このように車載機−路上機間でのデ
ータ通信に使用されるデータ構成を料金の徴収形態にか
かわらず共通にすれば、有料道路課金システム以外のシ
ステム、例えば駐車料金を自動徴収する課金システム等
においても、通信データを構成する特定のデータの内容
を変更するだけで、同じ車載機を利用できるようにな
り、有料道路課金システムにおいて使用される車載機
を、より広汎に利用でき、車載機の稼動率を高めること
ができる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された有料道
路課金システムの一例を図面を用いて説明する。まず図
1は、本実施例の有料道路課金システムの全体構成を表
わすブロック図である。
【0049】図1に示す如く、本実施例の有料道路課金
システムは、車両に搭載された車載機10と、有料道路
の入り口又は出口付近に設置された路上機20とから構
成される。路上機20は、複数車線からなる車両の走行
路上方に、車両の進行方向に沿って所定間隔で架け渡さ
れた2つの高架台である第1ガントリ30及び第2ガン
トリ40を備える。そして、第1ガントリ30及び第2
ガントリ40には、夫々、車両走行路上の各車線を走行
する車両に搭載された車載機10との間でデータ通信を
行うための通信装置32,34…及び42,44…が備
えられている。
【0050】車載機10は、車両が上記各ガントリ3
0,40を通過する際、走行中の車線を通信エリアとす
る一つの通信装置、例えば通信装置32,42との間
で、通行料金を支払うためのデータ通信を自動で行うた
めのものであり、通行料金支払のためのキャッシュカー
ドやプリペイドカード等からなるICカード2を着脱自
在に装着可能で、装着されたICカード2に対して情報
の読み書きを行うドライブ手段としてのICカードドラ
イブ12と、各ガントリ30,40に設けられた通信装
置32,34…,42,44…との間で無線通信を行う
ための、アンテナ18aを備えた通信回路18と、送信
データの暗号化及び受信データの復号化を行うための暗
号化モジュール14と、これら各部を制御するマイクロ
コンピュータからなる制御装置16とから構成される。
【0051】なお、暗号化モジュール14は、車載機1
0に内蔵してもよいし外付けでもよいが、暗号化アルゴ
リズムや暗号化に使用する鍵データについては変更でき
る機能を有する。つまり暗号化モジュール14は、車載
機10から取り外して暗号化のためのソフトウエアを再
プログラミングしたり、或は車載機10に固定したまま
暗号化用のデータやソフトウエアを書き換えることによ
って、暗号化アルゴリズムや鍵データを変更できるよう
にされている。
【0052】第1ガントリ30に備えられた通信装置3
2,34…は、車載機10との間で無線通信を行うため
のアンテナ32a,34a…を備えると共に、送信デー
タの暗号化及び受信データの復号化を行うための暗号化
ユニット32b,34b…を備え、車載機10との間で
データ通信を行いながらデータの暗号化及び復号化を行
う。これに対して、第2ガントリ40に備えられた通信
装置42,44…は、こうした暗号化ユニットを備えて
おらず、アンテナ42a,44a…を介して車載機10
との間でデータ通信を行うだけである。つまり通信装置
42,44…は、送信データや受信データをそのまま路
上機20に入出力する。なお、図示しないが、これら各
通信装置32,34…、42,44…は、車載機10と
同様、送受信用の通信回路と、マイクロコンピュータか
らなる制御装置とを備え、この制御装置による制御動作
の下に、車載機10との間の無線通信及び路上機20と
の間のデータ伝送が行われる。
【0053】次に、路上機20は、上記各ガントリ3
0,40毎に設けられ、各通信装置32,34…,4
2,44…の通信動作を制御する通信用コントローラ2
2,24と、これら各通信用コントローラ22,24を
介して、各ガントリ34,40の通信装置32,34
…,42,44…との間でデータをやり取りして、走行
中の車両から通行料金を徴収するための制御を行う、コ
ンピュータからなるローカルコントローラ26とを備え
る。
【0054】また路上機20には、走行中の車両を撮影
するために走行路付近に設置された複数のカメラ52が
接続されており、ローカルコントローラ26は、走行中
の車両から通行料金を徴収できなかった場合等には、撮
影用コントローラ28を介してカメラ52を駆動し、そ
の車両を撮影する。またローカルコントローラ26は、
有料道路の料金徴収を集中管理する管理装置(ホストコ
ンピュータ)50に接続され、通行料金の徴収結果や、
通行料金を正常に徴収できなかった車両情報等を管理装
置50に転送する。
【0055】本実施例の有料道路課金システムにおいて
は、通常は、路上機20側の各通信装置32,34,
…,42,44,…が、所定時間(t[msec.])間隔
で、対応する車線を走行中の車両に搭載された車載機1
0を起動するためのパイロット信号を送信し、そのパイ
ロット信号を受信した車載機10が応答信号を送信し
て、その応答信号を受信できた場合に、車載機10との
間で料金徴収のためのデータ通信を実行する。
【0056】一方、車載機10は、路上機20側からの
パイロット信号を受けるまでは消費電力の低減等のため
にスリープ状態となり、パイロット信号を受信すると起
動して、応答信号を送信し、その後、路上機20側通信
装置との間で料金支払のためのデータ通信を実行する。
【0057】またこのように路上機20と車載機10と
の間で行われるデータ通信は、全て、路上機20の管理
の下に実行される。つまり、本実施例では、路上機20
側の各通信装置32,34,…,42,44,…は、例
えば図3に示す如く、所定の送信期間T1中に、上記パ
イロット信号やデータ通信のための変調信号を送信し、
その後、所定の応答期間T2の間、無変調の搬送波を送
信するようにされており、車載機10側では、この搬送
波を変調することにより、パイロット信号に対する応答
信号やデータを送信する。そして、このために、車載機
10側の通信回路18は、例えば図2に示す如く構成さ
れる。
【0058】即ち、図2に示す如く、通信回路18にお
いて、アンテナ18aは、伝送路62を介してダイオー
ド63のアノードに接続されており、ダイオード63の
カソードは伝送路64を介して発振器65に接続されて
いる。この伝送路64の長さは、路上機20側より送信
されてくる搬送波の線路波長λに対してλ/4に設定さ
れている。ダイオード63のアノード,カソードは、夫
々、コイル68と抵抗器69,コイル70と抵抗器71
を介して接地されている。
【0059】また、コイル68は抵抗器69に並列接続
されたコンデンサ72と共にローパスフィルタを構成
し、コイル70は抵抗器71に並列接続されたコンデン
サ73と共にローパスフィルタを構成し、更にこれら各
部は、ダイオード63と共に受信信号の包絡線検波回路
80を構成している。
【0060】そして、ダイオード63のアノードは、抵
抗器74及びトランジスタTr3を介して電源VDDに
接続され、発振器65は、トランジスタTr1を介して
電源VDDに接続され、コイル70と抵抗器71との接
続点は、トランジスタTr2を介して電源VDDに接続
されており、これら各トランジスタTr1,Tr2,T
r3のべースは、夫々、制御装置16に接続されてい
る。
【0061】このため、通信回路18においては、制御
装置16により各トランジスタTr1,Tr2,Tr3
がオフされている場合には、アンテナ18aにて受信さ
れた路上機20側からの送信信号が包絡線検波回路80
にて包絡線検波されることになり、その検波後の信号S
1は、受信データとして制御装置16に入力される。つ
まり、この状態では、路上機20側から図3に示す送信
期間T1内に送信されたきた変調信号を受信し、それを
包絡線検波して得られる信号(2値信号となる)S1
を、受信データとして、制御装置16に入力できる。
【0062】次に、トランジスタTr1,Tr3をオフ
し、トランジスタTr2のみをオンすると、ダイオード
63のカソードに電源電圧が印加されるため、ダイオー
ド63は抵抗器69を介して逆方向にバイアスされる。
従って、この場合には、ダイオード63は受信信号の非
通過状態となり、アンテナ18aからの受信信号はダイ
オード63の入力端子(アノード側)で反射される。一
方、トランジスタTr1,Tr2をオフし、トランジス
タTr3のみをオンすると、ダイオード63のアノード
に電源電圧が印加されるため、ダイオード63は抵抗器
74,71を介して順方向にバイアスされる。従って、
この場合には、ダイオード63は受信信号を双方向に通
過可能な状態となり、アンテナ18aからの受信信号
は、ダイオード63を通過し、伝送路64を伝搬して、
入力インピーダンスが無限大となっている発振器65の
入力端子で反射し、更にこの反射波は、ダイオード63
を逆方向に通過して、伝送路62を伝搬してアンテナ1
8aから放射される。そして、この時、伝送路64の実
効線路長はλ/4であるので、アンテナ18aから放射
される信号は、トランジスタTr1,Tr3をオフし、
トランジスタTr2のみをオンした場合の信号に対し
て、位相差がπ(180度)となる。
【0063】このため、通信回路18においては、路上
機20側から無変調の搬送波が送信されてくる図3に示
す送信期間T2内に、トランジスタTr2とトランジス
タTr3とを交互にオン・オフすれば、搬送波を位相変
調(PSK)して、アンテナ18aから送信できるよう
になる。
【0064】つまり、本実施例では、図3に示す期間T
1内に路上機20側からの送信信号を受信して検波信号
S1を制御装置16に入力すると、制御装置16は、そ
の信号に応答して送信すべきデータに応じて、トランジ
スタTr2及びTr3をオン・オフすることにより、搬
送波を位相変調した信号をアンテナ18aから放射さ
せ、路上機20との間のデータ通信を行う。
【0065】なお、発振器65及びトランジスタTr1
は、無変調の搬送波を送信してこないシステムの路上機
との間のデータ通信をも実行できるようにするためのも
のであり、この場合、制御装置16は、トランジスタT
r1をオンして発振器65に電源供給を行い、発振器6
5から搬送波を出力させる。そして、この状態で、トラ
ンジスタTr2及びトランジスタTr3を送信すべきデ
ータに応じて交互にオン・オフすることにより、発振器
65からの搬送波をアンテナ18aから放射させる状態
と、発振器65からの搬送波を遮断してアンテナ18a
から信号を放射させない状態とに切り換える。つまり、
このようにすることにより、発振器65からの搬送波を
送信データに応じて振幅変調(ASK)した信号を、ア
ンテナ18aから送信させるのである。
【0066】次に、本実施例の有料道路課金システムに
おいて、車載機10と路上機20側の通信装置との間で
実行されるデータ通信、及びこのデータ通信のために車
載機10側で実行されるデータ処理について説明する。
但し、以下の説明は、路上機20が設けられた有料道路
の入り口又は出口において支払うべき通行料金が一律で
ある場合に車載機10及び路上機20において実行され
る処理であり、通行料金が走行距離や走行時間に応じて
設定される場合とは若干異なる。
【0067】まず図4は、車載機10において、ICカ
ードドライブ12の図示しない挿入口にICカード2が
挿入された際に、制御装置16において送信データの準
備のために実行されるデータ処理(カード挿入時処理)
を表わすフローチャートである。なお、前述したように
車載機10は通常スリープ状態にあるため、この処理
は、ICカードドライブ12に設けられたセンサにより
ICカード2の挿入が検出され、その検出信号が制御装
置16に入力されて、制御装置16が起動することによ
り開始される。
【0068】図4に示す如く、この処理が開始される
と、制御装置16は、まずS110(S:ステップを表
わす)にて、自らが正常動作するか否かを自己診断する
ダイアグノスチックテストを行い、S120にて、その
テスト結果が正常であるか否かを判定する。そして、テ
スト結果に異常があれば、ダイアグノスチックエラーと
して、後述のS280に移行し、逆にテスト結果が正常
であれば、S130に移行して、車載機10に電源供給
している図示しないバッテリの電圧を読み取るバッテリ
チェックを行う。なお、バッテリは、交換可能なバッテ
リと、シールされたバッテリとがあり、ここでは両方の
バッテリの電圧チェックを行う。
【0069】次にS140では、交換可能なバッテリの
電圧が極めて低く、バッテリ交換が必要であるか否かを
判定し、バッテリ交換が必要であると判断されると、S
150にて図示しない表示装置にその旨を表わす交換メ
ッセージを表示した後、スリープ状態に入る。またS1
40にて、バッテリ交換の必要はないと判断されると、
今度はS160にて、バッテリ電圧は、制御装置16及
び通信回路18の動作には支承はないものの、ICカー
ドドライブ12や暗号化モジュール14を動作させるに
は不十分な状態であるか否か(つまりバッテリ電圧は低
いかどうか)を判定する。そして、バッテリ電圧が低い
場合には、S170にて、電圧値等のバッテリ状態を表
示装置に表示した後、バッテリエラーとして、後述のS
280に移行し、バッテリ電圧が正常であれば、S18
0に移行する。
【0070】なお、このバッテリチェックにより、バッ
テリ交換が必要であったり、或はバッテリ電圧が低いこ
とが判明した場合には、表示装置にその旨が表示される
ことから、車両乗員は、その表示内容からバッテリの交
換時期を知ることができ、バッテリを交換することによ
り、車載機10を正常復帰させることができる。
【0071】次に、S180では、ICカードドライブ
12を介してICカード2を起動(パワーオンリセッ
ト)し、ICカード2から、所定のカード情報を読み出
し、ICカードドライブ12に装着されたICカード2
は、当該車載機10において使用可能なカードかどうか
をチェックする(ICカードチェック)。
【0072】そして、S190では、ICカードチェッ
クの結果、ICカード2は当該車載機10において使用
可能であるかを判定し、使用できない場合には、ICカ
ードエラーとして、後述のS280に移行し、使用可能
であれば、S200に移行して、暗号化モジュール14
を起動し、ICカード2との間で相互認証させる。な
お、この相互認証は、前述のDESアルゴリズムに従っ
て生成した暗号化データを用いて後述の図5に示す手順
で実行される。
【0073】次に、S210では、相互認証の結果、暗
号化モジュール14及びICカード2は相手を互いに認
証できたか否かを判定し、認証できなかった場合には、
認証エラーとして、後述のS280に移行し、認証でき
た場合には、S220に移行する。
【0074】S220では、ICカード2が、予め通行
料金を支払ってあるプリペイドカードであるか、或は、
所定の銀行口座から通行料金を支払うキャッシュカード
であるかを判定する。そして、ICカード2がキャッシ
ュカードであれば、S230に移行して、ICカード2
から、カードの有効期限や使用可能な車載機の制限事項
の有無等,キャッシュカード特有のカード情報を読み出
し、そのカード情報をチェック(キャッシュカードチェ
ック)する。そして、続くS250にて、そのチェック
結果から、キャッシュカードは使用可能であるか否かを
判定し、使用できなければ、キャッシュカードエラーと
して、後述のS280に移行し、逆に使用可能であれ
ば、S270に移行する。
【0075】なお、このようにキャッシュカードには、
カード情報として、使用可能な車載機の制限事項を記憶
できるが、これはキャッシュカードを特定の車載機での
み使用できるようにするためであり、制限事項として
は、使用可能な車載機を特定する識別コード等が記憶さ
れる。
【0076】一方、ICカード2がプリペイドカードで
あれば、S240に移行して、ICカード2から、カー
ドの有効期限や支払料金の残高等,プリペイドカード特
有のカード情報を読み出し、そのカード情報をチェック
(プリペイドカードチェック)する。そして、続くS2
60にて、そのチェック結果から、プリペイドカードは
使用可能であったか否かを判定し、使用できなければ、
プリペイドカードエラーとして、後述のS280に移行
し、逆に使用可能であれば、S270に移行する。
【0077】S270では、ICカード2から通行料金
を徴収してその結果(使用日時や残高等)を書き込むの
に必要な課金用鍵ZをICカード2から出力させて記憶
する、課金用鍵Zの読込処理を行い、続くS290に移
行する。即ち、ICカード2は、記憶したデータを容易
に書き換えることができないように、データの更新には
暗号化データを使用するようにされており、ここでは、
カードデータ更新のための暗号化データを生成するのに
必要な鍵(課金用鍵)ZをICカード2に生成させ、そ
れを読取り、記憶した後、S290に移行するのであ
る。なお、課金用鍵Zは、ICカード2に対して予め割
り当てられたICカード固有の鍵(ICカード鍵)を用
いて、カード処理回数等のカード情報をDESアルゴリ
ズムに則って暗号化することにより生成される。
【0078】一方、S120,S160,S190,S
210,S250,S260等で、車載機10或はIC
カード2の何等かのエラーが判定された場合には、S2
80にて、そのエラー内容を表わすエラーステータスを
セットし、S290に移行する。
【0079】次に、S290では、路上機20側に送信
するデータを暗号化するのに使用する鍵(通信用鍵X
1)を暗号化モジュール14に生成させ、S300に
て、その生成された通信用鍵X1を記憶する。なお、暗
号化モジュール14は、制御装置16から通信用鍵X1
の生成指令を受けると、まず乱数R1を発生し、その発
生した乱数R1と数種類の中から選択可能な暗号鍵番号
Knの通信マスタ鍵とを用いて、通信用鍵X1を生成す
る。また、この通信用鍵X1の生成には、DESアルゴ
リズムと比較して暗号化を高速に行うことのできる暗号
化アルゴリズム(以下、FXアルゴリズムという)が使
用される。
【0080】ここで、FXアルゴリズムとしては、スイ
ス国のJ.L.MasseyのSAFER・K−64
(Secure And Fast Encrypti
onRoutine of Length 64 bi
ts)と呼ばれる暗号化アルゴリズムや、日本国のNT
TのH.MatsumotoらのFEAL(FastD
ata Encipherment AIgorith
m)が適している。
【0081】こうして通信用鍵X1が生成されると、今
度は、S310にて、路上機20側に送信すべき車載機
データ(第1リードデータ)RD1を読み込む。そし
て、続くS320では、暗号化モジュール14にこのデ
ータRD1を出力して、上記生成した通信用鍵X1を用
いて暗号化させる。なお、この暗号化にも上記FXアル
ゴリズムが使用される。
【0082】そして、暗号化モジュール14にて第1リ
ードデータRD1が暗号化されると、S330にて、暗
号化後の第1リードデータ<RD1>を、路上機20側
への送信データとして記憶し、S340にて、上記28
0にてセットしたエラーステータスや、ICカード2か
ら読み出したカード情報等に従いカード状態を車両乗員
に報知した後、スリープ状態に入る。
【0083】ここで、このカード状態の報知は、表示装
置への表示及びブザーを用いた音声により同時に行う。
つまり、ICカード2の種別や残金,或はカードの異常
等を表示及び音声により報知することにより、車両乗員
にカードの確認を促し、乗員が料金支払に使用するカー
ドを確認して、異常等があれば交換できるようにする。
【0084】また、送信データとして記憶される第1リ
ードデータRD1は、例えば図8に示す如く、路上機2
0側通信装置に対する応答コード、エラーステータス等
の車載機10側の動作状態を表わすステータスコード、
料金の支払方法等を表わす料金支払モード、車載機固有
の車載機コード、ICカード2のシリアルナンバCS
N、ICカード2の残高データ、ICカード2のシリア
ルナンバCSNとICカード2の種別を表わすアプリケ
ーションナンバCANとのイクスクルーシブオア(CS
N XOR CAN)、ICカード2内にて処理情報を
記憶するメモリの最新位置を表わすトランザクションカ
ウンタCTC、ICカード2側でカード情報をDESア
ルゴリズムに則って暗号化するのに用いられるICカー
ド鍵の種別を表すインデックス(使用する鍵のインデッ
クス)等から構成され、このうち、ステータスコード,
料金支払モード,車載機コード,シリアルナンバCS
N,及び,残高データの一部,が夫々暗号化され、それ
以外は暗号化しない平文のまま送信データとして設定・
記憶される。
【0085】次に、S200におけるICカード2と暗
号化モジュール14との相互認証は、図5に示す如く実
行される。なお、以下の図5に説明するICカード2及
び暗号化モジュール14の動作において、各種データを
生成する際には、全てDESアルゴリズムに則った関数
が使用される。
【0086】即ち、図5に示す如く、この相互認証を行
う際には、制御装置16が、まずICカード2から、シ
リアルナンバCSN,アプリケーションナンバCAN等
のカード情報を出力させ(S31)、これを読み込む
(S11)。そして、この読み込んだカード情報(CS
N,CAN)を暗号化モジュール14に転送すると共
に、暗号化モジュール14に乱数Rの生成指令を出力す
る(S12)。すると暗号化モジュール14は、この指
令に従い乱数Rを生成する(S21)ので、制御装置1
6は、この乱数Rを読み込み、この乱数Rと共に認証用
暗号鍵Yの生成指令をICカード2に出力する(S1
3)。
【0087】ICカード2は、認証用暗号鍵Yの生成指
令を受けると、トランザクションカウンタCTCに対応
したメモリ位置からカードデータを読み出し、このカー
ドデータを、予め設定された前記ICカード鍵の一つで
ある認証用鍵を用いて暗号化することにより認証用暗号
鍵Yを生成し(S32)、更に、この認証用暗号鍵Yを
用いて乱数Rを暗号化する(S33)。
【0088】こうしてICカード2において乱数Rが暗
号化されると、制御装置16はその暗号化データ<R>
と認証用暗号鍵Yの生成に使用されたカードデータを読
み出し、これら各データと共に、認証用暗号鍵Yの生成
指令を暗号化モジュール14に出力する(S14)。
【0089】すると、暗号化モジュール14は、ICカ
ード2のシリアルナンバCSNとアプリケーションナン
バCANとのイクスクルーシブオア(CSN XOR
CAN)を求め、これと所定のマスタ鍵とを用いてIC
カード2固有の認証用鍵を生成すると共に、この生成し
た認証用鍵とカードデータとを用いて認証用暗号鍵Yを
生成し(S22)、更に、この認証用暗号鍵Yを用いて
乱数Rを暗号化する(S23)。そして、暗号化モジュ
ール14は、自らが暗号化した乱数Rの暗号化データ<
R>′と、ICカード2側で暗号化された乱数Rの暗号
化データ<R>とを比較し(S24)、これら各暗号化
データが一致していれば、ICカードドライブ12に装
着されたICカード2は正常であるとして認証する(S
25)。なお、暗号化データが一致しなれば、制御装置
16は、認証エラーと判定して、前記S280の処理に
移行することになる。
【0090】こうして暗号化モジュール14側でのIC
カード2の認証が終了すると、制御装置16は、暗号化
モジュール14に対して、ICカード2側で暗号化モジ
ュール14を認証するための認証データを要求する(S
15)。すると、暗号化モジュール14は、ICカード
2のシリアルナンバCSNとアプリケーションナンバC
ANとのイクスクルーシブオア(CSN XOR CA
N)と、所定のICカード鍵とを用いて、ICカード2
が有する暗号化モジュール認証用の鍵SCを生成し、更
にこの鍵SCをS22で生成した認証用暗号鍵Yを用い
て暗号化することにより、認証データSC′を生成する
(S26)。
【0091】そして、このように認証データSC′が生
成されると、制御装置16は、この認証データSC′を
読み込み、ICカード2に転送すると共に、ICカード
2に認証指令を出力する(S16)。すると、ICカー
ド2は、受け取った認証データSC′をS32で生成し
た認証用暗号鍵Yを用いて復号化し、その復号化した認
証データSC′(=SC)が自らが有する鍵SCと一致
するか否かを判定し(S34)、一致している場合に、
ICカード2が装着された車載機10の暗号化モジュー
ル14(換言すれば車載機10)は正常であると認証す
る(S35)。そしてこのようにICカード2側でも暗
号化モジュール14が認証されると、制御装置16は相
互認証は正常にできたとして(S17)、前述のS21
0からS220に移行し、逆にICカード2側にて暗号
化モジュール14が認証されなければ、認証エラーとし
て、前記S280の処理に移行することになる。
【0092】次に、図6は、路上機20側の第1ガント
リ30に設けられた通信装置32,34…にて各々実行
される通信処理を表わすフローチャートである。なお、
以下の説明においては、この通信処理を通信装置32が
行うものとして説明する。図6に示す如く、通信装置3
2は、S410にて、スリープ状態にある車載機10を
起動するための第1パイロット信号を送信し、その後、
S420にて、所定期間T2、車載機10が応答信号を
返送してくるための搬送波を送信しながら、アンテナ3
2aにて第1パイロット応答信号が受信されたか否かを
判断し、第1パイロット応答信号が受信されなければ、
再度S410に移行して、第1パイロット信号を送信す
る、といった手順で、第1パイロット信号を一定時間t
[msec.]毎に送信する。
【0093】つまり、車両が第1ガントリ30付近まで
走行してきて、車両が、走行中の車線に対応した通信装
置32の通信エリア内に侵入すると、その車両に搭載さ
れた車載機10が、通信装置32からの第1パイロット
信号を受信してスリープ状態から起動し、図7に示す如
く、この第1パイロット信号に応答して第1パイロット
応答信号を返送してくるため、上記S410及びS42
0では、第1パイロット信号を周期的に送信し、その送
信により第1パイロット応答信号を受信できたか否かを
判断することにより、車両が自己の通信エリア内に侵入
してくるのを待つのである。
【0094】なお、図8に示す如く、第1ガントリ30
において各通信装置32,34…が送信する第1パイロ
ット信号は、車載機起動用のパイロット信号と、その送
信元の通信装置を表わす場所番号とから構成され、この
第1パイロット信号に応答して車載機10が送信する第
1パイロット応答信号は、応答コードと、第1リードデ
ータを生成した際に用いた通信用鍵X1の基となる乱数
R1と通信マスタ鍵の鍵番号(暗号鍵番号)Knとから
構成される。
【0095】こうして、車載機10から第1パイロット
信号に応答して送信されてくる第1パイロット応答信号
を受信すると、通信装置32は、S430に移行して、
その第1パイロット応答信号に含まれる乱数R1及び暗
号鍵番号Knと、通信用鍵X1の生成要求とを、暗号化
ユニット32bに出力する。
【0096】すると、暗号化ユニット32bは、受け取
った乱数R1及び暗号鍵番号Knに基づき、車載機10
が第1リードデータ<RD1>を生成した際の通信用鍵
X1をFXアルゴリズムに従って生成すると共に、車載
機10が次の送信データ(第2リードデータ)を暗号化
する際に用いる通信用鍵X2の基となる乱数R3及び通
信マスタ鍵の鍵番号(暗号鍵番号)Kcを生成する。
【0097】そして、通信装置32は、S440にて、
この生成された乱数R3及び暗号鍵番号Kcを読み出
し、図7に示す如く、これら各値と第1リードデータの
読出指令とからなる路上機認証メッセージ(図8参照)
を、車載機10側に送信する。なお、既述したように通
信装置32は、この路上機認証メッセージを送信した際
にも、その後所定期間T2、無変調の搬送波を送信す
る。また、通信装置32は、図7に示す如く、路上機認
証メッセージや、後述の第1ライトデータ,エンドアッ
ク信号等の送信を、通常時の第1パイロット信号の送信
と同様、一定時間t[msec.]毎に行う。
【0098】次に、上記のように路上機認証メッセージ
を車載機10側に送信すると、車載機10は、このメッ
セージに応答して、図7に示す如く、ICカード2の装
着時に予め作成した第1リードデータ<RD1>を返送
してくるため、通信装置32は、S450にて、その
後、搬送波の送信期間T2が経過するまでの間、第1リ
ードデータ<RD1>の受信を行い、搬送波の送信期間
T2が経過すると、S460にて、この送信期間中に第
1リードデータ<RD1>を受信できたか否かを判断す
ることにより、通信エラーの発生の有無を判定する。
【0099】そして、通信エラーが発生した場合には、
エラーステータスをセットした後、当該処理を一旦終了
し、通信エラーが発生していなければ、S470に移行
して、受信した第1リードデータ<RD1>の復号化要
求を暗号化ユニット32bに出力する。暗号化ユニット
32bは、第1リードデータ<RD1>の復号化要求を
受け取ると、先に乱数R1と通信用の暗号鍵番号Kcと
に基づき生成した通信用鍵X1を用いて、FXアルゴリ
ズムに従い第1リードデータ<RD1>を復号化する。
このため、通信装置32は、S470で第1リードデー
タ<RD1>の復号化要求を出力した後は、S480に
て、その復号化データRD1を読み込む。
【0100】そして、S490にて、この復号化データ
RD1中のステータスコードに基づき、復号化した第1
リードデータRD1にエラーがあるかどうかを判定し、
データエラーが存在すれば、S540に移行し、第1リ
ードデータRD1にデータエラーがなければ、S500
に移行する。
【0101】S500では、第1リードデータRD1に
基づき、車載機10側のICカード2は、プリペイドカ
ードかキャッシュカードかを判定し、ICカード2がキ
ャッシュカードであれば、S510に移行して、車載機
コード等から車種を判別して、車種に応じた通行料金を
計算した後、S550に移行する。一方、ICカード2
がプリペイドカードであれば、S520に移行して、車
載機コード等から車種を判別して、車種に応じた通行料
金を計算し、続くS530にて、プリペイドカードの残
高から通行料金を支払可能であるかどうかを判定する。
そして、S530にて、プリペイドカードの残高は通行
料金を支払可能であると判定されると、S550に移行
し、プリペイドカードには通行料金を支払う残高がない
と判断されると、S540に移行する。
【0102】なお、S540は、複号化した第1リード
データRD1にエラーがあったり、或はICカード2
(詳しくはプリペイドカード)から料金を徴収できなか
った場合に、その旨を表わすエラーデータを車載機10
側に送信して知らせる共に、エラーステータスをセット
するための処理であり、このエラー処理が終了すると、
S590に移行する。
【0103】次に、S550では、車載機10側から通
行料金を徴収するための第1ライトデータWD1を生成
して、これを暗号化ユニット32bに出力することによ
り、暗号化ユニット32bに第1ライトデータWD1を
暗号化させる。そして、暗号化ユニット32bにて第1
ライトデータWD1が暗号化されると、その暗号化した
第1ライトデータ<WD1>を読み込み、車載機10に
送信する(図7参照)。なお、通信装置32は、この送
信の際にも、第1ライトデータ<WD1>に対応した変
調信号に続けて、所定期間T2、無変調の搬送波を送信
する。
【0104】ここで、第1ライトデータWD1は、例え
ば図8に示す如く、車載機10側にてICカード2に通
行料金の支払結果を書込ませるための書込命令と、車載
機コードと、通行料金の総額と、当該通信装置32の場
所番号と、料金徴収タイプの種別(つまり、均一料金徴
収か,走行距離によって料金が変わるのか、時間によっ
て料金が変わるのか)を表すをトランザクションタイプ
と、年月日及び時刻とから構成され、このうち、車載機
コードと料金総額と場所番号の一部とが夫々暗号化さ
れ、それ以外は暗号化しない平文のまま送信データ(第
1ライトデータ<WD1>)として設定される。
【0105】また、暗号化ユニット32bは、この第1
ライトデータWD1を暗号化する際には、上記生成した
通信用鍵X1を用い、FXアルゴリズムに従って暗号化
処理を行う。つまり、暗号化ユニット32b(34bも
同じ)は、車載機10との通信にのみ使用されるもので
あるため、車載機10側の暗号化モジュール14とは異
なり、通信用の暗号化アルゴリズムであるFXアルゴリ
ズムのみを用いて、鍵の生成並びにデータの暗号化及び
復号化を行う。
【0106】次に、車載機10は、送信した第1ライト
データ<WD1>を受信すると、図7に示す如く、その
旨を表わす応答コードからなるエンド信号を送信してく
るため、通信装置32は、第1ライトデータ<WD1>
の送信後、所定期間T2、このエンド信号を受信する処
理(S570)を行い、所定期間T2経過後、S580
にて、エンド信号を受信できたか否かを判定することに
より、通信エラーの有無を判定する。そして、通信エラ
ーが発生した場合には、エラーステータスをセットした
後、当該処理を一旦終了し、通信エラーが発生していな
ければ、S590に移行する。
【0107】そして、S590では、上記復号化した第
1リードデータRD1やエラー処理(S540)におい
てセットされたエラーステータス等を、路上機20本体
に内蔵されたローカルコントローラ26に出力し、続く
S600にて、車載機10に対してデータ通信が完了し
たことを知らせる通信完了信号としてのエンドアック信
号及び第1パイロット信号を送信し(図7参照)、当該
処理を一旦終了する。
【0108】なお、このようにエンドアック信号に続け
て第1パイロット信号を送信するのは、通信エリアに次
に侵入してきた車両に搭載された車載機10を速やかに
起動させるためであり、これによって、車載機10の起
動が遅れて、通信時間が短くなるのを防止できる。
【0109】また、S600にて第1パイロット信号を
送信した後は、上記S420と同様の図示しない判定処
理にて、第1パイロット信号に応答して車載機10側か
ら第1パイロット応答信号が送信されてきたかどうかを
判定し、第1パイロット応答信号を受信すると、上記S
430に移行して、その第1パイロット応答信号を送信
してきた車載機との間の通信を開始し、第1パイロット
応答信号を受信できなければ、S410に移行して、第
1パイロット信号を一定時間t[msec.]毎に送信する通
常動作に戻る。
【0110】次に、図9は、車載機10が、第1ガント
リ30に設けられた通信装置32,34…からの第1パ
イロット信号を受けて起動し、第1パイロット信号を送
信してきた通信装置との間で、上述した手順で通信処理
を行った後に、車載機10において実行されるデータ処
理(第1ガントリ通過処理)を表わすフローチャートで
ある。
【0111】図9に示す如く、車載機10においては、
通信回路18が、第1ガントリ30の通信装置,例えば
通信装置32からの第1パイロット信号を受信すること
により、制御装置16を起動し、その後、制御装置16
は、通信回路18を介して、通信装置32との間でデー
タ通信を行う通信処理(610)を実行する。そして、
制御装置16は、通信装置32からの第1ライトデータ
<WD1>を受信すると、通信回路18を介してエンド
信号を送信して、通信処理(S610)を終了し、S6
20以降の第1ガントリ通過処理を実行する。
【0112】S620においては、通信装置32からの
エンドアック信号を受信したかどうかを判定する。そし
て、エンドアック信号を受信できていない場合には、S
630に移行し、通信回路18を介して、その後通信装
置32が一定時間t[msec.]毎に送信する第1パイロッ
ト信号或は他の車載機10に対する送信信号に続く無変
調の搬送波を利用して、エンドアック信号の要求信号を
送信する。
【0113】また、続くS640では、通信回路18に
て、通信装置32からの第1パイロット信号等の送信信
号を受信できているかどうか、換言すれば、車両が通信
装置32の通信エリアを脱出したかどうかを判定し、車
両が通信エリア内にいれば、再度S620に移行して、
通信装置32が上記要求信号に応答して、エンドアック
信号を送信してきたかどうかを判定する。
【0114】そして、エンドアック信号を受信できなけ
れば再度S630に移行し、その後は、車両が通信装置
32の通信エリアから脱出するか、エンドアック信号を
受信できるまでの間、S620〜S640の処理を繰り
返す。つまり、第1ガントリ30の通過時に、通信装置
32との間の通信を完了した後、エンドアック信号を受
信できない場合には、エンドアック信号の要求信号を通
信装置32に送信して、エンドアック信号を再送信させ
るのである。
【0115】この結果、車載機10側では、通信装置3
2との通信完了を確実に確認できるようになり、もしエ
ンドアック信号を受信できなかった場合でも、その旨を
通信装置32を介して路上機20側に知らせることがで
き、通信エラーを相互で確認できるようになる。
【0116】こうして、エンドアック信号を受信する
か、車両が第1ガントリ30の通信装置32,34…の
通信エリアを脱出すると、S650に移行して、暗号化
モジュール14に対し、路上機20側から受け取った第
1ライトデータ<WD1>の復号化指令を出力する。す
ると、暗号化モジュール14は、第1ライトデータ<W
D1>を、通信用鍵X1を用いて、FXアルゴリズムに
従い復号化するので、続くS660では、この復号化さ
れた第1ライトデータWD1を読み出し、この第1ライ
トデータWD1に含まれる車載機コードと、当該車載機
10の車載機コードとに基づき、路上機20(詳しくは
第1ライトデータWD1を送信してきた通信装置)を認
証する。
【0117】そして、S670では、S660にて路上
機20を認証できたかどうかを判定し、上記各車載機コ
ードが一致しておらず路上機を認証できなければ、S6
80にてその旨を表わすエラーステータスをセットした
後、スリープ状態に入り、上記各車載機コードが一致し
ており路上機20を認証できた場合には、S690に移
行する。
【0118】S690では、先のデータ通信時に路上機
20側から受け取った乱数R3及び暗号鍵番号Kcを暗
号化モジュール14に転送することにより、次のデータ
通信に使用する通信用鍵X2を生成させ、通信用鍵をX
1からX2に変更する。なお、暗号化モジュール14
は、乱数R3及び暗号鍵番号Kcを受け取ると、乱数R
3及び暗号鍵番号Kcに対応した通信マスタ鍵とを用い
て、FXアルゴリズムに従って通信用鍵X2を生成す
る。
【0119】こうして通信用鍵をX1からX2に変更す
ると、今度はS700にて、ICカード2の種別を判定
し、ICカード2がプリペイドカードであれば、S71
0にて、プリペイドカードは通行料金を支払うだけの残
高があるかどうかを判定する。そして残高がなければ、
S720にて課金金額を零に設定して、S730に移行
し、通行料金を支払うことができれば、そのままS73
0に移行する。
【0120】S730では、プリペイドカードであるI
Cカード2から通行料金を差し引くための課金処理を行
い、S740にて、ICカード2から通行料金を正常に
差し引くことができたか否かを判定する。そして、プリ
ペイドカードから通行料金を差し引くことができなかっ
た場合、つまりプリペイドカードに残高がなかったり、
或は課金処理を正常に実行できなかった場合には、S7
50に移行して、その旨を表わすエラーステータスをセ
ットした後、スリープ状態に入り、逆に通行料金を正常
に差し引くことができた場合には、S780に移行す
る。
【0121】またS700にて、ICカード2はキャッ
シュカードであると判断された場合には、S760に移
行して、キャッシュカードから通行料金を支払うための
口座情報を読み出し、S770にて、その読み出した口
座情報は正常であるか否かを判断する。そして、口座情
報が正常でなければ、そのままスリープ状態に入り、口
座情報が正常であれば、S780に移行する。
【0122】次に、S780では、路上機20側に次に
送信すべき車載機データ(第2リードデータ)RD2を
暗号化モジュール14に出力して、この第2リードデー
タRD2を、S690にて変更した通信用鍵X2を用い
て暗号化させる。なお、この暗号化にも上記FXアルゴ
リズムが使用される。そして、暗号化モジュール14に
て第2リードデータRD2が暗号化されると、S790
にて、その暗号化後のデータ<RD2>を、次の送信デ
ータとして記憶し、S800にて、ICカード2に通行
料金を支払った日付,時間,場所等の支払情報を書込
み、カードデータを更新し、S810にて、その更新後
のカード情報を読み込み、記憶した後、スリープ状態に
入る。
【0123】ここで、プリペイドカードから通行料金を
差し引く課金処理(S730)や、ICカード2のデー
タを更新するカードデータ更新処理(S800)は、前
述のS270にて予め記憶した課金用鍵Zを用い、DE
Sアルゴリズムに従って暗号化したデータを用いて行わ
れる。
【0124】そして、S780にて暗号化され、S79
0にて送信データとして記憶される第2リードデータR
D2は、例えば図12に示す如く、路上機20側通信装
置に対する応答コード、ICカード2がキャッシュカー
ドである場合のキャッシュカードファイル情報(口座情
報等)、エラーステータス等の車載機10側の動作状態
を表わすステータスコード、支払方法、通行料金の徴収
結果、車載機コード、ICカード2のアプリケーション
ナンバCAN、乱数R3、車載機10側で料金を徴収で
きたことを証明する料金徴収証明データ等から構成さ
れ、この内、応答コードとキャッシュカードファイル情
報の一部とが暗号化されずに平文のまま残され、残りの
データは全て暗号化される。
【0125】なお、このように第2リードデータRD2
は、第1リードデータRD2と同様、FXアルゴリズム
に従って暗号化されるが、この内、料金徴収証明データ
は、ICカード2側でICカード鍵を用いてDESアル
ゴリズムに則って既に暗号化されており、送信時には更
にFXアルゴリズムに則って暗号化することにより、2
重の暗号化が施されることになる。
【0126】次に、図10は、路上機20の第2ガント
リ40に設けられた通信装置42,44…にて各々実行
される通信処理を表わすフローチャートである。なお、
以下の説明においては、この通信処理を通信装置42が
行うものとして説明する。図10に示す如く、通信装置
42は、第1ガントリ30の通信装置32,34…と同
様、S910にて、スリープ状態にある車載機10を起
動するための第2パイロット信号を送信し、S920に
て、所定期間T2、車載機10が応答信号を返送してく
るための搬送波を送信しながら、アンテナ42aにて第
2パイロット応答信号が受信されたか否かを判断し、第
2パイロット応答信号が受信されなければ、再度S91
0に移行して、第2パイロット信号を送信する、といっ
た手順で、第2パイロット信号を一定時間t[msec.]毎
に送信する。
【0127】そして、車載機10が第2パイロット信号
を受信してスリープ状態から起動し、図11に示す如
く、この第2パイロット信号に応答して第2パイロット
応答信号を返送してくると、この応答信号を受信して、
S930に移行し、このパイロット応答信号に基づき、
車載機10側のICカード2の種別を判定する。つま
り、車載機10は、第2パイロット信号を受信すると、
第2パイロット応答信号として、応答コードと料金の支
払方法を表わす支払モードデータを返送する(図12参
照)ようにされているため、ここでは、この支払モード
データから、車載機10側のICカード2がキャッシュ
カードかプリペイドカードかを判定するのである。
【0128】そして、ICカード2がプリペイドカード
であれば、そのままS950に移行し、ICカード2が
キャッシュカードであれば、路上機20の本体側に設け
られたローカルコントローラ26に対して、車載機10
に伝えるべき表示メッセージを検索するよう指令を出し
た後、S950に移行する。なお、この表示メッセージ
の検索指令により、ローカルコントローラ26は、キャ
ッシュカードの利用状況等を検索して、車載機10側に
伝えるべき表示メッセージを生成し、通信装置42に送
信する(図11参照)。
【0129】次にS950では、車載機10に対して、
第2リードデータ<RD2>を要求するデータ読み出し
信号を送信し、その後、S960にて、所定期間T2、
無変調の搬送波を送信しながら、車載機10から第2リ
ードデータ<RD2>が送信されてくるのを待つ受信処
理を行い、所定期間T2経過すると、S970にて、第
2リードデータ<RD2>を受信できたか否かを判断す
ることにより、通信エラーの発生の有無を判定する。そ
して、通信エラーが発生した場合には、エラーステータ
スをセットした後、当該処理を一旦終了する。
【0130】一方、S950にて送信したデータ読み出
し信号に応答して、車載機10が第2リードデータ<R
D2>を返送してくると、S980に移行して、第2ガ
ントリ40側で第2リードデータ<RD2>を受け取っ
た旨を車載機10側に記憶・表示させるための書込命令
・表示命令や、ICカード2がキャッシュカードの場合
にローカルコントローラ26側にて検索・生成された表
示メッセージ等からなる第2ライトデータWD2(図1
2参照)を生成して、車載機10に送信する。
【0131】車載機10は、第2ライトデータWD2を
受信すると、図11に示すように、応答コードからなる
エンド信号を送信してくるため、続くS990では、所
定期間T2、無変調の搬送波を送信しながら、車載機1
0からエンド信号が送信されてくるのを待つ受信処理を
行い、所定期間T2経過すると、S1000にて、エン
ド信号を受信できたか否かを判断することにより、通信
エラーの発生の有無を判定する。
【0132】そして、通信エラーが発生した場合には、
エラーステータスをセットした後、当該処理を一旦終了
し、通信エラーが発生していなければ、S1010に
て、車載機10から受け取った車載機データ,つまり第
2リードデータ<RD2>を、ローカルコントローラ2
6へ転送し、続くS1020にて、エンドアック信号と
第2パイロット信号とを送信し(図11参照)、当該処
理を一旦終了する。
【0133】なお、S1020にて第2パイロット信号
を送信した後は、第1ガントリ30における各通信装置
32,34…の処理と同様、上記S920と同様の図示
しない判定処理にて、第2パイロット信号に応答して車
載機10側から第2パイロット応答信号が送信されてき
たかどうかを判定し、第2パイロット応答信号を受信す
ると、上記S930に移行し、第2パイロット応答信号
を受信できなければS910に移行する。
【0134】また、S1010においてローカルコント
ローラ26へ転送される第2リードデータ<RD2>
は、FXアルゴリズムに従い暗号化した暗号化データで
あり、その内の料金徴収証明データは、更にDESアル
ゴリズムにて暗号化されているため、ローカルコントロ
ーラ26側にて、内蔵した暗号化ユニットを用いて復号
化される。そして、このときFXアルゴリズムにて復号
化した料金徴収証明データを更にDESアルゴリズムに
て復号化する際には、第1ガントリ30において車載機
10側から受信した第1リードデータRD1中の鍵のイ
ンデックスを利用して、車載機10に搭載されたICカ
ード固有のICカード鍵を求め、これから復号化用の暗
号鍵を生成する、といった手順でICカード2が料金徴
収証明データを暗号化した際の暗号化鍵を求め、これを
用いて料金徴収証明データを復号化する。次に、図13
は、車載機10が、第2ガントリ40に設けられた通信
装置42,44…からの第2パイロット信号を受けて起
動し、第2パイロット信号を送信してきた通信装置との
間で、上述した手順で通信処理を行った後に、車載機1
0の制御装置16において実行されるデータ処理(第2
ガントリ通過処理)を表わすフローチャートである。
【0135】図13に示す如く、制御装置16は、第2
ガントリ40の通信装置42,44…との間のデータ通
信により、第2ライトデータWD2を受信し、エンド信
号を送信して、通信処理(S1110)を終了すると、
第1ガントリ30における通信処理終了時と同様、エン
ドアック信号を受信したかどうかを判定し(S112
0)、エンドアック信号を受信できなければ、通信装置
42,44…が送信してくる無変調の搬送波を利用して
エンドアック信号の要求信号を送信し(S1130)、
更に、車両が第2ガントリ40の通信エリアを脱出した
かどうかを判定し(S1140)、車両がこの通信エリ
ア内にいれば再度S1120に移行する、といった手順
で、通信処理(S1110)終了後、車両が第2ガント
リ40の通信エリアから脱出するか、エンドアック信号
を受信できるまでの間、S1120〜S1140の処理
を繰り返す。
【0136】そして、エンドアック信号を受信するか、
車両が第2ガントリ40の通信エリアを脱出すると、S
1150に移行して、前述のS290と同様、次に送信
データを暗号化するための通信用鍵X1を暗号化モジュ
ール14に再度生成させ、S1160にて、その生成さ
れた通信用鍵X1を記憶する。また続くS1170で
は、次に路上機20側に送信すべき車載機データ(第1
リードデータ)RD1を読み込んで、暗号化モジュール
14に、上記生成した通信用鍵X1を用いて暗号化さ
せ、S1180にて、その暗号化された第1リードデー
タ<RD1>を記憶する。なお、暗号化モジュールにお
ける通信用鍵X1の生成及び第1リードデータRD1の
暗号化の手順は、ICカード2がICカードドライブ1
2に装着されたときと全く同様であり、異なる点は、第
1リードデータRD1とされる車載機データのうち、I
Cカード2に関するデータ内容が、前記S810にて記
憶された課金後の内容に変更されている点だけである。
【0137】そして、このように暗号化した第1リード
データ<RD1>を記憶すると、続くS1190におい
て、車載機10の状態をエラー発生時にセットされるエ
ラーステータス等からチェックし、何等かのエラーがあ
れば、S1130に移行して、その旨をブザー等を用い
て報知し、エラーがなければ、S1120に移行して、
カード状態をブザー及び表示装置にて報知した後、スリ
ープ状態に入る。なお、カード状態の表示内容は、IC
カード2がプリペイドカードであれば、カード残高等で
あり、ICカード2がキャッシュカードであれば、使用
金額や第2ライトデータWD2に含まれる表示メッセー
ジ等である。
【0138】次に図14は、車載機10において、IC
カードドライブ12からICカード2が抜き取られた場
合に、制御装置16にて実行されるデータ処理(カード
抜取時処理)を表わすフローチャートである。なお、こ
の処理は、ICカードドライブ12に設けられたセンサ
によりICカード2の抜き取りが検出され、その検出信
号が制御装置16に入力されて、制御装置16が起動す
ることにより開始される。
【0139】図14に示す如く、この処理が開始される
と、制御装置16は、まずS1210において、ICカ
ード2が抜き取られ、当該車載機10には通行料金を支
払うためのカードがない旨を表わすエラーステータスを
セットする。そして、続くS1220では、現在記憶さ
れている暗号化後の第1リードデータ<RD1>をセッ
トしたエラーステータスに対応した内容に更新すべく、
エラーステータスセット後の車載機データを読み込み、
これを暗号化モジュール14に出力して、暗号化した第
1リードデータ<RD1>を新たに生成させる。
【0140】そして、暗号化モジュール14にて第1リ
ードデータ<RD1>が生成されると、S1230に
て、この生成された第1リードデータ<RD1>を次に
路上機20側に送信すべき送信データとしてこのデータ
を更新し、S1240にて、抜き取られたICカード2
の使用状態等を表示した後、スリープ状態に入る。
【0141】以上説明したように、本実施例の有料道路
課金システムにおいては、車載機10が送信データの暗
号化及び受信データの復号化を行うのは、料金支払のた
めのICカード2がICカードドライブ12に装着され
たときと、路上機20側の第1ガントリ30に設けられ
た通信装置32,34…との間で通信処理を行ってか
ら、第2ガントリ40に設けられた通信装置42,44
…の通信エリアに入るまでの間と、第2ガントリ40の
通信装置32,34…との間で通信処理を行った後と、
ICカード2がICカードドライブ12から取り外され
たときであり、路上機20側通信装置32,34…、4
2,44…との間の通信中には、暗号化も復号化も共に
実行しない。また同様に、ICカード2からのカード情
報の読出し、及びカードデータの更新についても、路上
機20側通信装置32,34…、42,44…との間の
通信中には実行しない。
【0142】このため、車載機10−路上機20間での
データ通信時に車載機10側で費やされる処理時間を極
めて短くすることができ、データ通信に必要な時間を短
くできる。従って、車両の走行速度を制限したり、暗号
化モジュール14を高速処理が可能な高価なものに変更
することなく、データ通信を短時間で正確に行うことが
可能になる。
【0143】また車載機10は、ICカード2がICカ
ードドライブ12に装着されると、ICカード2と暗号
化モジュール14との相互認証を行い、その認証結果を
表わすステータス情報(エラーステータス)を車載機デ
ータの一つとして路上機20側に送信するため、ICカ
ード2や車載機10自体が偽造された場合には、路上機
20側でその旨を検出することができる。従って、車両
乗員の不正を抑制して、料金徴収を良好に行うことがで
きる。
【0144】また、こうした相互認証やICカード2へ
のデータの書込みを行う際には、従来より一般に使用さ
れているDESアルゴリズムに則った暗号化データが使
用されるが、車載機10−路上機20間の通信には、D
ESアルゴリズムとは異なり、しかもDESアルゴリズ
ムよりも高速に暗号化を行うことのできるFXアルゴリ
ズムにて暗号化した暗号化データを使用するようにされ
ている。
【0145】このため、第1ガントリ30に設けられた
通信装置32,34…において、データ通信中に送信デ
ータの暗号化及び受信データの復号化を行うのに要する
処理時間を短縮することができ、データ通信をより高速
且つ正確に行うことができる。また特に、FXアルゴリ
ズムに、前述のSAFER・K−64或はFEALと呼
ばれる暗号化アルゴリズムを用いれば、暗号化ユニット
をハード構成にて比較的安価に実現でき、暗号化に要す
る時間をより短くすることができるため、より効果的で
ある。
【0146】また、このように本実施例では、車載機1
0と路上機20側通信装置との間のデータ通信に、一般
に使用されているDESアルゴリズムとは異なるFXア
ルゴリズムを使用するため、通信信号が傍受されても、
復号化し難くし、通信の機密性を向上できる。そして特
に、本実施例では、送信データを暗号化するに当たっ
て、データの全文を暗号化するのではなく、その一部は
平文のまま残すようにし、しかも、通信用鍵(X1,X
2)は使用の度に、乱数を発生させてその乱数に従い更
新するので、そのデータを、より復号化し難くなり、通
信の機密性をより向上できる。
【0147】また、通信用鍵X1,X2は、車載機10
と路上機20側通信装置とで各々設定されるため、正規
の車載機10からの送信信号をそのままコピーした信号
を発生する発信機を用いて、通行料金を不正に支払おう
としても、その不正を路上機20側で確実に検出するこ
とができ、安全性を向上できる。
【0148】一方、本実施例では、上記相互認証の結果
等、車載機10側で生じたエラーについては全てエラー
ステータスとして、路上機20側に送信され、また路上
機20側にてエラーを検出した場合にも、車載機10に
送信するようにされているため、車載機10と路上機2
0とで互いに異常を知ることができ、車載機10及び路
上機20側で、夫々、エラー対策を行うことができる。
【0149】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は、こうした実施例に限定されるものではな
く、種々の態様をとることができる。例えば上記実施例
では、有料道路の入り口又は出口に設けられた路上機2
0が、車載機10との間のデータ通信により、車種によ
って異なるものの走行距離や走行時間に対しては一律の
通行料金を領収する場合について説明したが、走行距離
や走行時間に応じて通行料金を設定する有料道路課金シ
ステムにも本発明を適用できるのはいうまでもない。
【0150】そして、この場合、有料道路の出口におい
て、走行距離や走行時間に応じた通行料金を徴収できる
ようにするために、有料道路の入り口に第1ガントリ3
0と同様に構成された入り口ガントリを設けて、ここを
通過する車両に搭載された車載機10との間で、図15
に示す如き構成の信号を送受信し、更に有料道路の出口
に、第1ガントリ30及び第2ガントリ40と同様の構
成の出口第1ガントリ及び出口第2ガントリを設けて、
各ガントリを通過する車両に搭載された車載機10との
間で、図16及び前記実施例にて説明した図12に示す
如き構成の信号を送受信して、通行料金を徴収するよう
にすればよい。
【0151】即ち、図15に示す如く、車載機10側に
て、応答コード,ステータスコード,料金支払モード,
車載機コード等からなる入り口リードデータを予め生成
・暗号化して、記憶しておき、車両が入り口ガントリに
設けられた通信装置の通信エリアに入ったときに、その
通信装置から周期的に送信される入り口パイロット信号
により起動して、前記実施例の第1パイロット応答信号
(図8参照)と同様に構成された入り口パイロット応答
信号を送信し、その後、入り口ガントリの通信装置から
データ読み出し信号が送信されてきたときに、入り口リ
ードデータを送信し、一方、入り口ガントリの通信装置
では、入り口リードデータ受信後、前記実施例の第1ラ
イトデータ(図8参照)から料金総額を除去した構成の
入り口ライトデータを送信し、その後、エンド信号及び
エンドアック信号の送受信を行い、データ通信を完了す
るように構成する。
【0152】また、こうして車両が入り口ガントリを通
過した後は、図16に示す如く、車載機10側にて、出
口第1ガントリを通過する際に送信すべきデータとし
て、応答コード,車載機コード,入り口場所番号,入場
年月日,入場時刻等からなる入り口データと、前記実施
例の第1リードデータと同様に構成された第1リードデ
ータとを、夫々、生成・暗号化して記憶し、車両が出口
第1ガントリに設けられた通信装置の通信エリアに入っ
たときに、その通信装置から周期的に送信される第1パ
イロット信号により起動して、入り口パイロット応答信
号と同様に構成された第1パイロット応答信号を送信
し、その後、出口第1ガントリの通信装置から送信され
てくる、応答コード,乱数R3,暗号鍵番号Kcからな
る路上機認証メッセージを受信して、入り口データを送
信し、更にその後路上機側通信装置から送信されてくる
データ読み出し信号を受信して、第1リードデータを送
信し、一方、出口第1ガントリの通信装置では、この第
1リードデータを受信すると、前記実施例の第1ライト
データに、入り口ガントリ通過後の走行時間又は出口番
号からなる課金用データを追加した第1ライトデータを
送信し、その後、エンド信号及びエンドアック信号の送
受信を行い、データ通信を完了するように構成する。
【0153】また次に、車両が出口第1ガントリを通過
した後は、図12に示したように、車載機10側にて、
出口第2ガントリを通過する際に送信すべきデータとし
て、前記実施例の第2リードデータと同様のデータを生
成・暗号化して記憶し、車両が出口第2ガントリに設け
られた通信装置の通信エリアに入ると、その通信装置と
車載機10との間で、前記実施例の第2ガントリ40通
過の際と同様のデータ通信を行い、その後、通信結果を
ICカード2に書込むように構成する。
【0154】そして、このようにすれば、通行料金を走
行距離に応じて設定するシステムでも、走行時間に応じ
て設定するシステムでも、有料道路の出口において、I
Cカード2から通行料金を自動徴収することができる。
また、通行料金を走行距離に応じて設定するシステム
と、走行時間に応じて設定するシステムとで異なる点
は、図16に示す第1ライトデータにおける課金用デー
タを、走行時間にするか或は走行距離が解る出口番号に
するかの点のみであり、車載機と路上機側とで送受信す
るデータの構成及び送受信パターンは、全く同様である
ため、これら両システムで、車載機10を共用すること
ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の有料道路課金システム全体構成を表
わすブロック図である。
【図2】 車載機の通信回路の構成を表わす電気回路図
である。
【図3】 路上機側通信装置が送信する送信信号を説明
する説明図である。
【図4】 車載機において実行されるカード挿入時処理
を表わすフローチャートである。
【図5】 車載機側にてICカードと暗号化モジュール
との相互認証を行う際の手順を表わす説明図である。
【図6】 第1ガントリに設けられた通信装置にて実行
される通信処理を表わすフローチャートである。
【図7】 第1ガントリに設けられた通信装置と車載機
との間のデータ通信の流れを説明する説明図である。
【図8】 図7に示すデータ通信時に送受信されるデー
タの構成を説明する説明図である。
【図9】 車載機において実行される第1ガントリ通過
処理を表わすフローチャートである。
【図10】 第2ガントリに設けられた通信装置にて実
行される通信処理を表わすフローチャートである。
【図11】 第2ガントリに設けられた通信装置と車載
機との間のデータ通信の流れを説明する説明図である。
【図12】 図11に示すデータ通信時に送受信される
データの構成を説明する説明図である。
【図13】 車載機において実行される第2ガントリ通
過処理を表わすフローチャートである。
【図14】 車載機において実行されるカード抜取時処
理を表わすフローチャートである。
【図15】 距離又は時間に応じて通行料金を設定する
システムにおいて入り口ガントリにて送受信されるデー
タの構成を説明する説明図である。
【図16】 距離又は時間に応じて通行料金を設定する
システムにおいて出口第1ガントリにて送受信されるデ
ータの構成を説明する説明図である。
【符号の説明】
2…ICカード 10…車載機 12…ICカード
ドライブ 14…暗号化モジュール 16…制御装置 18…
通信回路 18a…アンテナ 20…路上機 22…通信用コ
ントローラ 26…ローカルコントローラ 28…撮影用コントロ
ーラ 30…第1ガントリ 32,34…通信装置 32a,34a…アンテナ 32b,34b…暗号化
ユニット 40…第2ガントリ 42,44…通信装置 42a,44a…アンテナ 50…管理装置 52
…カメラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−60237(JP,A) 特開 平8−7139(JP,A) 特表 平10−507022(JP,A) 特表 平9−500998(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G07B 15/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行路付近に設置された路上機の
    通信エリアに入ると、路上機からの送信信号に応答し
    て、路上機との間で所定データを暗号化した暗号化デー
    タを送受信する車両用通信装置において、所定データが格納されたICカードに対してデータの読
    み出し及び書き込みを行うドライブ手段と、 該ドライブ手段を介してICカードから前記路上機に送
    信すべきデータを読み出し、該データを含む車両側デー
    タを通信用暗号化アルゴリズムにより暗号化して、該暗
    号化データを前記路上機への送信データとして記憶する
    暗号化手段と、 車両が前記路上機の通信エリアに入って前記路上機から
    の送信信号を受信すると、前記路上機との間のデータ通
    信を開始し、前記暗号化手段にて暗号化され記憶された
    送信データを路上機側に送信すると共に、路上機側から
    送信されてきた暗号化データを受信して記憶する通信手
    段と、 該通信手段にて受信され記憶された路上機側からの暗号
    化データを通信用暗号化アルゴリズムによって復号化す
    ると共に、該復号化した受信データに基づき前記ドライ
    ブ手段を介してICカードに通信結果を書き込む復号化
    手段と、 を備え、前記復号化手段は、前記ICカードへの通信結
    果の書き込みを、前記暗号化手段及び復号化手段におい
    て送信データの暗号化及び受信データの復号化に使用さ
    れる通信用暗号化アルゴリズムとは異なるカード用暗号
    化アルゴリズムにて暗号化した暗号化データにて行うこ
    とを特徴とする車両用通信装置。
  2. 【請求項2】 前記ドライブ手段は、前記ICカードを
    着脱自在に装着可能であり、前記暗号化手段は、該ドラ
    イブ手段にICカードが装着されると、前記ドライブ手
    段を介してICカードから前記路上機に送信すべきデー
    タを読み出し、該データを含む車両側データを暗号化す
    ることを特徴とする請求項1記載の車両用通信装置。
  3. 【請求項3】 前記暗号化手段は、送信すべきデータの
    暗号化を前記通信エリアへの侵入前に行ない、前記復号
    化手段は、受信した暗号化データの復号化を路上機との
    データ通信完了後に行うことを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載の車両用通信装置。
  4. 【請求項4】 前記ドライブ手段にICカードが装着さ
    れると、前記暗号化手段が前記送信データを生成する前
    に、所定の認証用データを用いてICカードと当該装置
    との間で互いに正常な装置であるかを確認する相互認証
    を実行させ、該認証結果を路上機に送信すべきデータの
    一つとして、前記暗号化手段に送信データを生成させる
    認証手段を備え、 しかも該認証手段は、前記ICカードとの間でやり取り
    する認証用データとして、前記カード用暗号化アルゴリ
    ズムにて暗号化した暗号化データを用いること特徴とす
    請求項1〜請求項3何れか記載の車両用通信装置。
  5. 【請求項5】 前記通信用暗号化アルゴリズムは、前記
    カード用暗号化アルゴリズムに比べてデータを高速に暗
    号化可能な暗号化アルゴリズムであることを特徴とする
    請求項1〜請求項4何れか記載の車両用通信装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5いずれか記載の車両
    用通信装置において、更に、当該装置の動作或は送信す
    べきデータの異常を判定する異常判定手段を備え、該異
    常判定手段にて異常が判断されると、前記送信データに
    その旨を表わすエラーデータを付与し、路上機とのデー
    タ通信により当該装置側の異常を路上機側に報知するよ
    う構成してなることを特徴とする車両用通信装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6いずれか記載の車両
    用通信装置からなる車載機と、該車載機を搭載した車両
    が走行可能な走行路付近に設置された路上機とにより構
    成され、該路上機側にて、車載機との間で暗号化データ
    を用いたデータ通信を行うことにより、該路上機の通信
    エリアに侵入した車両又は車両乗員を特定して所定の処
    理を行う走行車両監視システムであって、 車載機及び路上機において夫々送信すべきデータを暗号
    化する暗号化手段は、該データの一部を暗号化し、送信
    データとして、暗号文と暗号化されていない平文とが混
    在した暗号化データを生成することを特徴とする走行車
    両監視システム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項6いずれか記載の車両
    用通信装置からなる車載機と、該車載機を搭載した車両
    が走行可能な走行路付近に設置された路上機とにより構
    成され、該路上機側にて、車載機との間で暗号化データ
    を用いたデータ通信を行うことにより、該路上機の通信
    エリアに侵入した車両又は車両乗員を特定して所定の処
    理を行う走行車両監視システムであって、 路上機において車載機との間でデータ通信を行う路上機
    側通信手段は、当該路上機の通信エリア内に前記車載機
    を搭載した車両がいない通常時には、車載機起動用のパ
    イロット信号を周期的に送信し、該パイロット信号送信
    時に該パイロット信号を受信した車載機側から応答信号
    が送信され、該応答信号を受信すると、前記パイロット
    信号の送信を停止して、該応答信号を送信してきた車載
    機との間でデータ通信を行い、該データ通信が完了する
    と、その旨を表わす通信完了信号を送信して、前記パイ
    ロット信号の送信を再開するよう構成され、 車載機において路上機との間でデータ通信を行う車載機
    側通信手段は、前記パイロット信号を受信すると前記路
    上機に応答信号を送信して、前記路上機との間のデータ
    通信を開始し、該データ通信の完了後は、前記通信完了
    信号を受信してデータ通信の完了を確認するように構成
    され、 しかも、前記路上機側通信手段は、車載機とのデータ通
    信完了時に、前記通信完了信号に続けて前記パイロット
    信号を送信することを特徴とする走行車両監視システ
    ム。
  9. 【請求項9】 前記路上機側通信手段は、パイロット信
    号又は送信データを送信した後、所定期間、無変調の搬
    送波を送信し、前記車載機側通信手段は、前記路上機側
    から送信されてくる搬送波を前記応答信号又は送信デー
    タに応じて変調することにより、路上機側に応答信号及
    び送信データを送信するよう構成され、 しかも、前記車載機側通信手段は、前記データ通信の完
    了後、前記路上機側からの通信完了信号を受信できない
    ときには、前記路上機側通信手段からの搬送波を利用し
    て、前記路上機側に通信完了信号の要求信号を送信する
    ことを特徴とする請求項8記載の走行車両監視システ
    ム。
  10. 【請求項10】 請求項7〜請求項9いずれか記載の走
    行車両監視システムにおいて、 前記路上機は、有料道路の入り口又は出口に配設され、
    前記車載機とのデータ通信により車載機側から送信され
    てくる通行料金の支払情報を表わす暗号化データを復号
    化し、該支払情報に従い通行料金を徴収すると共に、該
    料金徴収結果を暗号化して車載機側に送信する料金徴収
    用路上機であり、 前記車載機は、前記路上機とのデータ通信により前記支
    払情報を暗号化して前記路上機に送信し、その後前記路
    上機から送信されてくる前記料金徴収結果を表わす暗号
    化データを復号化して記憶する通行料金支払用車載機で
    あり、 しかも、前記車載機−路上機間でのデータ通信に使用さ
    れるデータ構成を、前記通行料金の徴収形態にかかわら
    ず全て共通にしてなることを特徴とする走行車両監視シ
    ステム。
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