JP3126931B2 - 動力伝動ベルト補強用短繊維の製造方法及び動力伝動ベルト - Google Patents

動力伝動ベルト補強用短繊維の製造方法及び動力伝動ベルト

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動力伝動ベルト補強
用短繊維の製造方法及び動力伝動ベルトに係り、詳しく
はVリブドベルトやローエッジベルトなどの動力伝動ベ
ルトのゴム製摩擦伝動部内に添加される補強用短繊維の
製造方法であってゴム中への分散性に優れ、しかもベル
トの走行寿命を一段と向上させた動力伝動ベルトを含む
補強用短繊維の製造方法及び動力伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】動力伝動ベルトのうちVリブドベルト
は、クッションゴム層中に心線を埋設し、該クッション
ゴム層の上部には必要に応じてカバー帆布を積層し、そ
して該クッションゴム層の下部に摩擦伝動部となる複数
のリブ部を具備し、他のVベルトに比べV形のリブ部の
存在によるプーリとの接触面積の増加分だけ優れた動力
伝達力を有している。Vリブドベルトは、Vベルトに代
わって自動車のエアーコンプレッサーやオルタネータ等
の補機駆動の動力伝動用として広く使用されてきてお
り、また最近ではエンジンルームのコンパクト化やエン
ジンの軽量化に伴ってプーリ径が小さくなるとともにサ
ーペンティン駆動化が図られている。
【0003】また、Vリブドベルトは、その形状からし
て屈曲疲労性に富み、高出力が得られるため、小プーリ
径での使用や高速回転に用いられるため、初期設定張力
を高くして使用されている。最近では、エアーコンプレ
ッサーに従来から使用されているフロン(ジクロロフル
オロメタン)が環境破壊の問題からこれに代わる代替フ
ロンとして、1,1,1,2−テトラフルオロエタンが
検討されつつある。このため、従来のフロンに比べて、
同じ温度だけ冷却するためには圧縮力を高める必要があ
り、このためエアーコンプレッサーを稼動させる時のト
ルクが大きくなり、これがVリブドベルト悪影響を与
えていた。例えば、使用するVリブドベルトがより高負
荷に耐えなければならず、また稼動時に瞬時に発生する
ベルトのすべり音を阻止する必要があった。
【0004】これらの問題を解決するために、例えば特
公平6−21607号公報あるいは特開昭62−113
940号公報には、ベルトの圧縮ゴム層内に埋設させた
アラミド短繊維をリブ部表面から突出させたり、あるい
は突出して折れ曲げたりすることにより耐摩耗性、耐側
圧性、さらに発音抑制を目的とした動力伝動ベルトが提
案されている。また、特開平4−366045号公報に
も、圧縮ゴム層内にアラミド短繊維とナイロン短繊維を
使用して摩擦係数の安定化をはかって騒音性を改善する
ことが記載されている。更に、特公平7−117124
公報にも、アラミド短繊維とナイロン短繊維を使用し
て、アラミド短繊維のみベルト側面より突出させ、ベル
ト取付け初期時に粘着発音の発生量を抑制できることが
記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ベルト
の圧縮ゴム層内に埋設させたアラミド短繊維をリブ部表
面から突出させ、あるいは突出して折れ曲げた場合に
は、アラミド繊維の剛性が高過ぎて、ベルト走行時に
障りなこすれ音が発生することがあったが、それより問
題になっていたのは、ナイロン短繊維の分散性が悪く、
短繊維が集合している箇所が応力集中を受けて亀裂の小
さな核になっていたことであった。
【0006】この原因と一つとして、ナイロン短繊維の
製造方法にあった。従来のナイロン短繊維の製造方法で
は、所定間隔で配列したポリアミド繊維からなる経糸を
繋ぎ糸として綿糸を使用したタイヤのスダレ織を使用
し、これを繋ぎ糸の方向に切断するために、得られたナ
イロン短繊維群の中には所定長さに切断されなかった長
い綿糸が混入していた。このようなナイロン短繊維群を
ゴムに混練りした場合、綿糸はナイロンに比べて分散性
が悪く、また切断長さもナイロンよりも長いため、綿糸
が分散せずに一箇所に残留して分散不良を起こしてい
た。この短繊維ゴム複合体をVリブドベルトの圧縮ゴム
層に使用すると、分散不良領域が亀裂の核になり、早期
に亀裂が発生してベルト寿命を低下させていた。
【0007】本発明はこのような従来の問題点を改善す
るものであり、ゴム中への分散性に優れ、しかもベルト
の走行寿命を一段と向上させた動力伝動ベルト補強用短
繊維の製造方法及びこの補強用短繊維を用いた動力伝動
ベルトを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の動力伝動ベルト補強用短繊維の製造方法
及び動力伝動ベルトVリブドベルトでは、請求項1で
は、プーリ群のV形溝と嵌合し、ベルトを掛架した後、
少なくとも一個のプーリを移動せしめて、ベルトに必要
な初張力を与え、その後プーリを固定する方法で使用さ
せる動力伝動ベルトのゴム製摩擦伝動部内に添加される
補強用短繊維を製造する方法であり、所定間隔で配列し
たポリアミド繊維からなる経糸を繋ぎ糸であるポリアミ
ド繊維からなる緯糸で織ったスダレ織をレゾルシン−ホ
ルマルン−ラテックス液で処理し、これを緯糸の方向に
所定間隔で切断する動力伝動ベルト補強用短繊維の製造
方法にあり、経糸と繋ぎ糸である緯糸にともにポリアミ
ド繊維を使用しているため、切断されたナイロン短繊維
群の中には異質な材料が混入しておらず、これをゴムに
混練りした場合にも、均一に分散することができる。従
って、上記補強用短繊維を用いた動力伝動ベルトは短繊
維の分散不良による亀裂核の発生も起こりにくくなり、
ベルトの走行寿命を一段と向上する。
【0009】本願の請求項2に記載の発明では、プーリ
群のV形溝と嵌合し、ベルトを掛架した後、少なくとも
一個のプーリを移動せしめて、ベルトに必要な初張力を
与え、その後プーリを固定する方法で使用させる動力伝
動ベルトのゴム製摩擦伝動部内に、所定間隔で配列した
ポリアミド繊維からなる経糸を繋ぎ糸であるポリアミド
繊維からなる緯糸で織ったスダレ織をレゾルシン−ホル
マルン−ラテックス液で処理し、これを緯糸の方向に所
定間隔で切断して得られたポリアミド短繊維を含む短繊
維を、ベルト幅方向へ配列させた動力伝動ベルトであ
り、上記補強用短繊維を用いた動力伝動ベルトも短繊維
の分散不良による亀裂核の発生も起こりにくくなり、ベ
ルトの走行寿命を一段と向上する。
【0010】本願の請求項3に記載の発明では、ポリア
ミド短繊維の他にアラミド短繊維を含んでいるため、請
求項2に記載した発明に加えて、ベルト取付け初期時に
粘着発音の発生量を抑制することできる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明において使用するス
ダレ織の平面図であり、図2は接着処理した後のスダレ
織を束にしたものを切断する工程を示す図である。本発
明で使用するスダレ織1は、所定間隔で配列した6ナイ
ロン、6.6ナイロン、6.10ナイロン、6.4ナイ
ロン、11ナイロン等のポリアミド繊維のフィラメント
を撚り合わせた経糸2を繋ぎ糸である6ナイロン、6.
6ナイロン、6.10ナイロン、6.4ナイロン、11
ナイロン等のポリアミド繊維のフィラメントを撚り合わ
せた緯糸3で織ったものである。緯糸3は繋ぎ糸である
ため、経糸2よりも細い糸でしなやかであり、また配置
間隔も大きくなっている。尚、経糸2と緯糸3とは、同
一種類でも異なる種類のポリアミド繊維でもよい。
【0012】具体的には、経糸密度は30〜70(本/
5cm)で、緯糸密度は1〜10(本/5cm)になっ
ている。また、経糸2は800〜1500デニールのマ
ルチフィラメントを撚り数0(無撚り)〜60(回/1
0cm)で下撚りしたものを1〜4本集め、これを撚り
数2〜60(回/10cm)で上撚りしたコードであ
る。一方、緯糸3は2〜1000デニールのマルチフィ
ラメントを撚り数2〜60(回/10cm)で撚ったも
のである。無論、緯糸3は経糸2と同様に20〜100
0デニールのマルチフィラメント2〜10本を諸撚りま
たは片撚りしてもよい。
【0013】上記スダレ織1はレゾルシン−ホルマルン
−ラテックス液(RFL液)によって通常の方法により
接着処理される。RFL液はレゾルシンとホルマルンと
の初期縮合体をラテックスに混合したものであり、この
場合レゾルシンとホルマルンのモル比は1:0.5〜3
である。また、レゾルシンとホルマルンとの初期縮合体
は、これをラテックスのゴム分100重量部に対してそ
の樹脂分が2〜30重量部になるようにラテックスと混
合したうえ、全固形濃度を5〜40%濃度に調節され
る。ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、
スチレン・ブタジエン・ブニルピリジン三元共重合体、
水素化ニトリル、クロロスルフォン化ポリエチレン、S
BR、NBR、HNBR等である。
【0014】接着処理されたスダレ織1を緯糸3方向
(図中矢印方向)に沿って巻くか、あるいは複数枚重ね
ることによって束にした後、これをカッター5により緯
糸3の方向にカット線6のように所定間隔で切断してナ
イロン短繊維を作製する。ナイロン短繊維の切断長さ
は、2〜10mmである。10mmを越えると、繊維同
志が絡みあったり、あるいはゴム中での配向性の点で困
難なものとなり、動力伝動ベルトの可撓性を損なうこと
になる。一方、2mm未満になると、動力伝動ベルトの
ゴム製摩擦伝動部の補強効果が乏しく、プーリのV形溝
との嵌合時、繊維自体がベルト側面から脱落する危惧が
ある。
【0015】上記ナイロン短繊維群は動力伝動ベルトの
ゴム製摩擦伝動部を作製するために、クロロプレンゴ
ム、水素化ニトリルゴム、天然ゴム、CSM、ACS
M、SBRなどからなるゴム中に添加される。この添加
方法は通常ロールにより行われ、短繊維を一定方向へ配
列するが、ナイロン短繊維群中に異物が存在しないた
め、ゴム中での分散は均一になる。
【0016】図3は上記ナイロン短繊維を用いたVリブ
ドベルトの断面斜視図である。Vリブドベルト10で
は、クロロプレンゴム、水素化ニトリルゴム、天然ゴ
ム、CSM、ACSM、SBRなどからなる接着ゴム層
11内にベルト長さ方向に沿ってポリエステル、ナイロ
ン、アラミド繊維等を素材とするコードからなる心線1
2を埋設した抗張体層14が形成され、この抗張体層1
4の上面には綿糸または綿と合成繊維との混紡糸で織成
された少なくとも一層のゴム付帆布15を積層し、伸張
層16を形成している。
【0017】一方、抗張体層14の下面には、接着ゴム
層11と同材質のゴムからなる摩擦伝動部17が形成さ
れ、具体的にはベルト長さ方向に延びる複数本のV形の
リブ部18によって形成されている。
【0018】このリブ部18内には、本発明の特徴であ
るナイロン短繊維19がベルト幅方向へ配向性を保って
埋設されている。即ち、2〜10mmにカットした短繊
維が、ゴム100重量部に対して5〜25重量部、好ま
しくは8〜15重量部混入されている。尚、ナイロン短
繊維19の他にトワロン、ケブラー等のパラ系アラミド
繊維(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)を埋設し
て、ベルトの幅方向に配列してもよい。ナイロン短繊維
とパラ系アラミド繊維との混合割合は、ナイロン短繊維
1に対してパラ系アラミド繊維が0.2〜1倍の範囲内
である。
【0019】ゴム100重量部に対してパラ系アラミド
繊維の混入量が5重量部未満の場合には、ベルトの耐久
性には問題ないが、短繊維の突出量が少なくなり、特に
ベルトの設定張力を大きくした条件にてベルトを走行さ
せた場合には、リブ部表面9の摩擦力が低下せず、粘着
しやすくなって発音に十分な効果を発揮できない。ま
た、上記短繊維の混入量が25重量部を越えると、耐注
水性、高張力下のベルト走行における発音性には効果は
あるが、アラミド繊維の剛性が高すぎて、繊維とゴムの
界面で剥離が発生し、早期亀裂発生につながる問題があ
る。
【0020】リブ部7を研磨する方法は、80〜200
メッシュのダイヤモンドを表面に装着した研磨ホイール
を回転させ、これを回転している加硫スリーブに当接し
てリブ形状に形成する。このパラ系アラミド繊維は長さ
が2〜6mm、モノフィラメント径が9〜18μmであ
る。前記研磨ホイールを用いて研磨することにより、リ
ブ部表面9に突出したパラ系アラミド繊維のフィラメン
トがフィブリル化して細分化し、更に径の小さな小繊維
になっている。このフィブリル化した繊維10はゴムに
埋設しているフィラメントの太さの1/2〜1/8であ
り、少なくともその一部はカールしている。このリブ部
表面9から突出したフィブリル化した繊維10がリブ部
表面とプーリ間の摩擦力を低下させ、またゴムの粘着磨
耗を阻止して、スリップによる発音を阻止することがで
きる。尚、メタ系アラミド繊維を使用した場合には、フ
ィブリル化現象は認められない。
【0021】また、摩擦伝動部17のゴム組成物には、
この他にカーボンブラックがゴム100重量部に対して
30〜70重量部含まれ、耐磨耗性を向上させるととも
に、粘着を阻止している。そして、これ以外に加硫促進
剤、老化防止剤、加硫剤等が含まれている。前記各成分
を混合する方法としては特に制限はなく、例えばバンバ
リーミキサー、ニーダー等を用い、適宜公知の手段、方
法によって混練することができる。
【0022】Vリブドベルトの製造方法の一例は以下の
通りである。まず、円筒状の成形ドラムの周面に1〜複
数枚のカバー帆布とクッションゴム層とを巻き付けた
後、この上にロープからなる心線を螺旋状にスピニング
し、更に摩擦伝動部に相当するゴム層を順次巻き付けて
積層体を得た後、これを加硫して加硫スリーブを得る。
次に、加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールに掛架さ
れ所定の張力下で走行させ、更に回転させた研削ホイー
ルを走行中の加硫スリーブに当接するように移動して加
硫スリーブの圧縮ゴム層表面に3〜100個の複数の溝
状部を一度に研磨する。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 実施例1、比較例1 (ナイロン短繊維の作製)表1に示す6.6ナイロンス
ダレ織を準備した。次に表2に示すRFL液にナイロン
スダレ織を浸漬した後、200°Cで2分間熱処理し
た。処理したナイロンスダレ織を数枚重ねることにより
束にした後、これをカッターによって緯糸の配列方向に
沿って長さ6mmに切断してナイロン短繊維を作製し
た。その後、表3に示す配合の短繊維入りゴム複合体
(Vリブドベルトのリブ部のゴム組成物に相当)を作製
した。このゴム複合体のTB比を評価した。この結果を
表4に示す。
【0024】引張強さ比(TB比)とは、JISK63
01に従い、圧延ゴムにおける短繊維の列理平行の引張
強さ(TBa )とこれと直角方向の引張強さ(TBb
を測定し、その比(TBa /TBb )を求めたものであ
る。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】実施例2、比較例2 (Vリブドベルトの製造方法) 円筒状モールドに経糸と緯糸とが綿糸からなる平織物に
クロロプレンゴムをフリションしたゴム付帆布4を1プ
ライ巻き付けた後、クロロプレンゴム組成物からなる接
着ゴムシートを巻き、更にその上にポリエステル繊維か
らなるコード(11,00d2×3)をスピニングし、
そして表3に示す短繊維入りゴム複合体を巻き付け成形
を終えた。得られた成形体を公知の方法で160°C、
30分で加硫して、円筒状の加硫ゴムスリーブを得た。
【0029】円筒状モールドから抜き出した加硫ゴムス
リーブを研磨機の駆動ロールと従動ロールに装着して、
張力を付与した後に回転させた。150メッシュのダイ
ヤモンドを表面に装着した研磨ホイールを用いて160
0rpmで回転させ、これを加硫スリーブに当接させて
80のリブ部を研磨した。研磨機から取り出したスリー
ブを切断機に設置した後、回転しながら切断し、3つの
リブ部を有する3PK900のVリブドベルトを得た。
このようにして得られたVリブドベルトの短繊維塊の個
数、および耐熱走行試験の結果は表4に示される。その
結果をこの結果を表4に示す。
【0030】尚、短繊維塊の個数とは、作製した20本
のVリブドベルトにおいて、φ1mm以上の短繊維塊の
個数を数え、ベルト1本当たりの短繊維塊の平均個数を
算出した。
【0031】また、耐熱走行試験とは、走行機が駆動プ
ーリ(直径120mm)、従動プーリ(直径85m
m)、これにテンションプーリ(直径45mm)とを組
み合わせて配置したものである。この走行機の各プーリ
にベルトを掛架し、雰囲気温度85℃、駆動プーリの回
転数4900rpm、従動プーリの負荷12馬力とし、
テンションプーリに85kgfの初張力をかけて走行さ
せ、リブ部にクラックが発生するまでの時間を測定し
た。
【0032】
【表4】
【0033】表4の結果から明らかなように、実施例は
比較例に比べて引張強さ比が大きくなっており、またφ
1mm以上の短繊維塊の個数もゼロであることから、ナ
イロン短繊維のゴム中への分散性に優れ、しかもこれを
用いたベルトの走行寿命も向上していることが判る。
【0034】
【発明の効果】以上のように本願請求項1に記載された
発明では、動力伝動ベルトのゴム製摩擦伝動部内に添加
される補強用短繊維を製造する方法であり、所定間隔で
配列したポリアミド繊維からなる経糸を繋ぎ糸であるポ
リアミド繊維からなる緯糸で織ったスダレ織をレゾルシ
ン−ホルマルン−ラテックス液で処理し、これを緯糸の
方向に所定間隔で切断する動力伝動ベルト補強用短繊維
の製造方法にあり、経糸と繋ぎ糸である緯糸にともにポ
リアミド繊維を使用しているため、切断されたナイロン
短繊維群の中には異質な材料が混入しておらず、これを
ゴムに混練りした場合にも、均一に分散することができ
る。従って、上記補強用短繊維を用いた動力伝動ベルト
は短繊維の分散不良による亀裂核の発生も起こりにくく
なり、ベルトの走行寿命を一段と向上する効果がある。
【0035】本願の請求項2に記載の発明では、動力伝
動ベルトのゴム製摩擦伝動部内に、所定間隔で配列した
ポリアミド繊維からなる経糸を繋ぎ糸であるポリアミド
繊維からなる緯糸で織ったスダレ織をレゾルシン−ホル
マルン−ラテックス液で処理し、これを緯糸の方向に所
定間隔で切断して得られたポリアミド短繊維を含む短繊
維を、ベルト幅方向へ配列させた動力伝動ベルトであ
り、上記補強用短繊維を用いた動力伝動ベルトも短繊維
の分散不良による亀裂核の発生も起こりにくくなり、ベ
ルトの走行寿命を一段と向上する。
【0036】本願の請求項3に記載の発明では、ポリア
ミド短繊維の他にアラミド短繊維を含んでいるため、請
求項2に記載した発明に加えて、ベルト取付け初期時に
粘着発音の発生量を抑制できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用するスダレ織の平面図であ
る。
【図2】接着処理した後のスダレ織を束にしたものを切
断する工程を示す図である。
【図3】本発明に係るVリブドベルトの縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 スダレ織 2 経糸 3 緯糸 10 Vリブドベルト 11 接着ゴム層 12 心線 14 抗張体層 15 ゴム付帆布 17 摩擦伝動部 18 リブ部 19 ナイロン短繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−53552(JP,A) 特開 平7−63242(JP,A) 特開 平3−287827(JP,A) 特開 平7−118979(JP,A) 特公 昭44−27460(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 1/00 - 5/20 D01G 1/00 - 37/00 D06M 13/00 - 15/72 C08J 5/04 - 5/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プーリ群のV形溝と嵌合し、ベルトを掛
    架した後、少なくとも一個のプーリを移動せしめて、ベ
    ルトに必要な初張力を与え、その後プーリを固定する方
    法で使用させる動力伝動ベルトのゴム製摩擦伝動部内に
    添加される補強用短繊維を製造する方法であり、所定間
    隔で配列したポリアミド繊維からなる経糸を繋ぎ糸であ
    るポリアミド繊維からなる緯糸で織ったスダレ織をレゾ
    ルシン−ホルマルン−ラテックス液で処理し、これを緯
    糸の方向に所定間隔で切断することを特徴とする動力伝
    動ベルト補強用短繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 プーリ群のV形溝と嵌合し、ベルトを掛
    架した後、少なくとも一個のプーリを移動せしめて、ベ
    ルトに必要な初張力を与え、その後プーリを固定する方
    法で使用させる動力伝動ベルトのゴム製摩擦伝動部内
    に、所定間隔で配列したポリアミド繊維からなる経糸を
    繋ぎ糸であるポリアミド繊維からなる緯糸で織ったスダ
    レ織をレゾルシン−ホルマルン−ラテックス液で処理
    し、これを緯糸の方向に所定間隔で切断して得られたポ
    リアミド短繊維を含む短繊維を、ベルト幅方向へ配列さ
    せたことを特徴とする動力伝動ベルト。
  3. 【請求項3】 ポリアミド短繊維の他にアラミド短繊維
    を含む請求項2記載の動力伝動ベルト。
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