JP2000199181A - ゴム組成物分散用短繊維およびこれを用いた動力伝動ベルト - Google Patents

ゴム組成物分散用短繊維およびこれを用いた動力伝動ベルト

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JP2000199181A
JP2000199181A JP17786699A JP17786699A JP2000199181A JP 2000199181 A JP2000199181 A JP 2000199181A JP 17786699 A JP17786699 A JP 17786699A JP 17786699 A JP17786699 A JP 17786699A JP 2000199181 A JP2000199181 A JP 2000199181A
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fibers
belt
power transmission
transmission belt
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Takashi Kinoshita
隆史 木下
Hitoshi Hanesaka
仁志 羽坂
Keiji Takano
啓二 高野
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム組成物中への分散性を改善した短繊維、
および圧縮ゴム部に混入する短繊維の分散性を良好にし
て走行後のクラックの発生時間を延長してベルト寿命を
延長できる動力伝動ベルトを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 線2を埋設した接着ゴム層3と圧縮ゴム
層4を積層した動力伝動用ベルト1において、上記圧縮
ゴム部4に、少なくとも綿繊維を含む繊維を長手方向に
配向させた無撚状態のスライバをレゾルシン・ホルマリ
ン・ラテックス液で接着処理した後、これをカットした
綿短繊維をゴム100重量部に対して1〜40重量部に
分散したゴム組成物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はゴム組成物分散用
短繊維およびこれを用いた動力伝動ベルトに係り、詳し
くはゴム組成物中への分散性を改善した短繊維、および
圧縮ゴム部に混入する短繊維の分散性を良好にして走行
後のクラックの発生時間を延長してベルト寿命を延長で
きるVリブドベルト、カットエッジタイプのVベルト等
を含む摩擦伝動タイプの動力伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】Vリブドベルトはクッションゴム層中に
心線を埋設し、該クッションゴム層の上部には必要に応
じてカバー帆布を積層し、そして該クッションゴム層の
下部に複数のリブ部を設けている。このVリブドベルト
はVベルトに代わって自動車のエアーコンプレッサーや
オルタネータ等の補機駆動の動力伝動用として広く使用
されている。従来、ベルトの動力を効率よく伝達するた
めには、ベルトとプーリ間のスリップ率を小さくする必
要があり、ベルト張力を高めてスリップ率を小さくして
いた。
【0003】この種のベルトでは、リブ部に綿、ナイロ
ン、ビニロン、レーヨン、アラミド繊維などの短繊維群
をベルト幅への配向性を保って埋設することにより、ベ
ルトの摩擦伝動部の耐側圧性を高め、更に埋設した短繊
維の一部を積極的に摩擦伝動部の両側壁面に露出させる
ことによって、耐摩耗性を向上させている。
【0004】更に、埋設した短繊維の一部をベルト側面
より意図的に突出させることによって、リブ部の摩擦性
能および粘着による発音の抑止効果を狙った伝動ベルト
も提案されている。
【0005】また、上記ベルトの効果をさらに前進する
ために摩擦伝動部の両側壁面に突出させる短繊維とし
て、特にアラミド繊維を用いることにより、アラミド繊
維特有の耐摩耗性によりベルト自体の耐久性の向上を意
図した伝動ベルトが、例えば特開平1−164839号
公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、綿、ナイロ
ン、ビニロン、アラミド繊維などの短繊維をゴム中に混
練りした場合、これらの短繊維が塊りなってゴム中へ分
散することがあった。特に、帆布、デニム等を構成して
いるスパン糸の綿糸をカット糸として使用した場合に
は、綿糸には撚りが掛かっているため、綿糸自体を解し
て単糸にする必要があり、これをしないと分散性に欠
き、ゴム中で短繊維が塊りなって分散不良になることが
あった。
【0007】一般に伝動ベルトのリブ部は、繰り返し圧
縮疲労を受けているため、短繊維の塊りがゴム中に多く
存在すると、この短繊維の塊り付近から亀裂の核が早期
に発生し、寿命に至る結果になっていた。
【0008】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、これに対処するものでゴム組成物中への分散性
を改善した短繊維、および圧縮ゴム部に混入する短繊維
の分散性を良好にして走行後のクラックの発生時間を延
長してベルト寿命を延長できる動力伝動ベルトを提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載
の発明では、ゴム組成物中に分散して用いる短繊維であ
り、少なくとも綿繊維を含む繊維を長手方向に配向させ
た無撚状態のスライバをレゾルシン・ホルマリン・ラテ
ックス液で接着処理した後、これをカットした短繊維で
あるゴム組成物分散用短繊維にあり、ゴム中への混練、
分散が良好になる。
【0010】本願請求項2記載の発明では、無撚状態の
スライバが綿繊維と化学繊維を混紡したものであり、ゴ
ム中への分散を改善することができ、このゴム複合体を
使用した動力伝動ベルトも短繊維塊の個数が減少して、
走行試験におけるクラック発生時間も長くなる。
【0011】本願請求項3記載の発明では、心線を埋設
した接着ゴム層と圧縮ゴム層を積層した動力伝動用ベル
トにおいて、上記圧縮ゴム部に、少なくとも綿繊維を含
む繊維を長手方向に配向させた無撚状態のスライバをレ
ゾルシン・ホルマリン・ラテックス液で接着処理した
後、これをカットした短繊維をゴム100重量部に対し
て1〜40重量部に分散したゴム組成物を使用した動力
伝動ベルトにある。
【0012】即ち、本発明の動力伝動ベルトでは、圧縮
ゴム層に綿のスライバである少なくとも綿繊維を含む繊
維を長手方向に配向させた無撚状態の太さ3〜5cmの
篠をレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液で接着処理
した後、これをカットした短繊維を使用することによ
り、ゴム中への分散が良好になり、また短繊維の塊り
と、これから発生する亀裂の核も減少し、ベルト寿命を
延長することができる。
【0013】本願請求項4記載の発明では、心線がエチ
レン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポ
リエステル繊維フィラメント群を撚り合わせた撚糸であ
る動力伝動ベルトにあり、この心線を用いることにより
走行中のベルトスリップが低減してベルト寿命の延長が
期待される。
【0014】本願請求項5記載の発明では、上記動力伝
動用ベルトが、ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
接着ゴムと、ベルト長手方向に沿って少なくとも1つの
リブ部をもつ圧縮ゴム層からなるVリブドベルトにあ
り、リブ部における短繊維の塊りから発生する亀裂の核
も減少し、ベルト寿命を延長することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るVリブドベル
トについて、添付図面に基づき具体的に説明する。図1
に示すVリブドベルト1は、ポリエステル繊維、アラミ
ド繊維、ガラス繊維を素材とする高強度で低伸度のコー
ドよりなる心線2を接着ゴム層3中に埋設し、その下側
に弾性体層である圧縮ゴム層4を有している。この圧縮
ゴム層4にはベルト長手方向に伸びる断面略三角形の複
数のリブ部7が設けられ、またベルト表面には付着した
ゴム付帆布5が設けられている。
【0016】リブ部7には、水素化ニトリルゴム、エチ
レン−α−オレフィンエラストマー、クロロプレンゴ
ム、天然ゴム、CSM、ACSM、SBRが使用され、
水素化ニトリルゴムは水素添加率80%以上であり、耐
熱性及び耐オゾン性の特性を発揮するために、好ましく
は90%以上が良い。水素添加率80%未満の水素化ニ
トリルゴムは、耐熱性及び耐オゾン性は極度に低下す
る。耐油性及び耐寒性を考慮すると、結合アクリロニト
リル量は20〜45%の範囲が好ましい。
【0017】上記のエチレン−α−オレフィンエラスト
マーは、エチレン−プロピレンゴム(EPR)やエチレ
ン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)からなる
ゴムをいう。ジエンモノマーの例としては、ジシクロペ
ンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボ
ルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンな
どがあげられる。
【0018】また、上記リブ部7には、スライバ、即ち
綿繊維あるいは綿繊維とポリアミド、ポリエステル、レ
ーヨン、ビニロン、アラミド等の化学繊維を30/70
〜70/30の体積比で混紡したものを長手方向に配向
させた無撚状態の太さ3〜5cmの篠を準備し、これを
レゾルシン・ホルマリン・ラテックス液(RFL液)を
入れたタンクに浸漬した後、100〜250°Cに温度
設定した乾燥炉に30〜600秒間通して接着処理した
後、これを1〜50mmに連続してカットした短繊維を
使用する。上記スライバはカードスライバ、コームスラ
イバ、練条スライバなど特に限定しない。
【0019】前記RFL液は、レゾルシンとホルマリン
の初期縮合物とゴムラテックスとを混合したものであ
り、この場合レゾルシンとホルマリンのモル比は3/1
〜1/3にすることが接着力を高めるうえで好適であ
る。また、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物は、こ
れをゴムラテックスのゴム分100重量部に対してその
樹脂分が5〜50重量部になるようにゴムラテックスと
混合して調節する。
【0020】ゴム成分21を形成するゴムラテックスと
しては、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共
重合体(VP)、スチレンブタジエン共重合体(SB
R)、クロロプレン(CR)、アクリロニトリルブタジ
エン共重合体(NBR)、水素添加NBR(H−NB
R)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、天然
ゴム等の一種又は二種以上のブレンド物が使用される。
【0021】むろん、短繊維とゴムとのより高度な接着
を必要とする場合には、RFL処理の前にエポシキ化合
物またはイソシアネート化合物で処理してもよい。
【0022】スライバから得られた短繊維の添加量はゴ
ム100重量部に対して1〜40重量部である。1重量
部未満の場合には、リブ7のゴムが粘着しやすくなって
摩耗する欠点があり、また一方40重量部を越えると、
短繊維の分散性が低下する。
【0023】むろん、上記スライバから得られた短繊維
以外に、別のナイロン6、ナイロン66などのポリアミ
ド、ポリエステル、ビニロン、アラミドからなる短繊維
を混入してリブ7の耐側圧性を向上させるとともに、プ
ーリと接する面になるリブ7の表面に該短繊維を突出さ
せ、この表面の摩擦係数を低下させて、ベルト走行時の
騒音を軽減させることもできる。しかし、添加量はスラ
イバから得られた短繊維が多いことは言うまでもない。
【0024】上記アラミド短繊維が前述の効果を充分に
発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20
mmで、その添加量はゴム100重量部に対して1〜3
0重量部である。このアラミド繊維は分子構造中に芳香
環をもつ、例えば商品名コーネックス、ノーメックス、
ケブラー、テクノーラ、トワロン等である。また、上記
アラミド短繊維はリブ部7のゴムとの接着を向上させる
ためにも、該短繊維をエポキシ化合物やイソシアネート
化合物から選ばれた処理液によって接着処理される。
【0025】また、上記心線2としては、エチレンテレ
フタレート、あるいはエチレン−2,6−ナフタレート
を主たる構成単位とするポリエステル繊維フィラメント
群を撚り合わせた総デニール数が4,000〜8,00
0の接着処理したコードが使用される。このコードの上
撚り係数は1.0〜4.0であり、また下撚り係数は
1.0〜4.0である。総デニールが4,000未満の
場合には、心線のモジュラス、強力が低くなり過ぎ、ま
た8,000を越えると、ベルトの厚みが厚くなって、
屈曲疲労性が悪くなる。
【0026】本発明で使用するエチレン−2,6−ナフ
タレートは、通常ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体を触媒の存在下に適当な
条件のもとにエチレングリコールと縮重合させることに
よって合成させる。このとき、エチレン−2,6−ナフ
タレートの重合完結前に適当な1種または2種以上の第
3成分を添加すれば、共重合体ポリエステルが合成され
る。むろん、上記ポリエステル繊維以外にも、アラミド
繊維も使用することができる。
【0027】上記心線2の接着処理は、まず(1)未処
理コードをエポキシ化合物やイソシアネート化合物から
選ばれた処理液を入れたタンクに含浸してプレディップ
した後、(2)160〜200°Cに温度設定した乾燥
炉に30〜600秒間通して乾燥し、(3)続いてRF
L液からなる接着液を入れたタンクに浸漬し、(4)2
10〜260°Cに温度設定した延伸熱固定処理機に3
0〜600秒間通して−1〜3%延伸して延伸処理コー
ドとする。
【0028】上記エポキシ化合物としては、例えばエチ
レングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等
の多価アルコールや、ポリエチレングリコール等のポリ
アルキレングリコールとエピクロルヒドリンのようなハ
ロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物や、レゾルシ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホル
ムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類やハロゲン含有
エポキシ化合物との反応生成物である。このエポキシ化
合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混
合して使用される。また、イソシアネート化合物として
は、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トリレン2,4−ジイソシアネート、P−フェニル
ジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネート等
がある。このイソシアネート化合物もトルエン、メチル
エチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
【0029】RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初
期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使
用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブ
タジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリ
ル、NBR等である。
【0030】上記延伸熱固定処理されたコードは、スピ
ニングピッチ、即ち心線の巻き付けピッチを1.0〜
1.3mmにすることで、モジュラスの高いベルトに仕
上げることができる。1.0mm未満になると、コード
が隣接するコードに乗り上げて巻き付けができず、一方
1.3mmを越えると、ベルトのモジュラスが徐々に低
くなる。
【0031】上記カバー帆布5は綿、ポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレート、アラミド繊維からなる糸を用
いて、平織、綾織、朱子織等に製織した布である。
【0032】Vリブドベルト1の製造方法の一例は以下
の通りである。まず、円筒状の成形ドラムの周面に1〜
複数枚のカバー帆布とクッションゴム層とを巻き付けた
後、この上にロープからなる心線を螺旋状にスピニング
し、更に圧縮ゴム層を順次巻き付けて積層体を得た後、
これを加硫して加硫スリーブを得る。次に、加硫スリー
ブを駆動ロールと従動ロールに掛架され所定の張力下で
走行させ、更に回転させた研削ホイールを走行中の加硫
スリーブに当接するように移動して加硫スリーブの圧縮
ゴム層表面に3〜100個の複数の溝状部を一度に研削
する。このようにして得られた加硫スリーブを駆動ロー
ルと従動ロールから取り外し、該加硫スリーブを他の駆
動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッターに
よって所定に幅に切断して個々のVリブドベルトに仕上
げる。
【0033】また、本発明においては、上記のVリブド
ベルト以外にも、図2に示すようにベルトの上下表面の
みにゴム付帆布を付着したVベルト8も含む。このVベ
ルト8は、心線2を接着ゴム層3中に埋設し、その下側
に弾性体層である圧縮ゴム層4を有している。この圧縮
ゴム層4には、コグを長手方向に沿って所定間隔で設け
てもよい。
【0034】
【実施例】以下に、本発明を具体的な実施例により更に
詳細に説明する。 実施例1、比較例1〜2 表1に示す綿スライバを表2に示すRFL液に浸漬した
後、200℃で2分間熱処理した。RFL液処理したス
ライバを長手方向に長さ6mmにカットした綿短繊維と
した。比較例として、表1に示す10S と20S の綿糸
を長さ6mmにカットし、表2に示すRFL液に浸漬し
た後、200℃で2分間熱処理した。その後、表3に示
す配合からバンバリーミキサーで混練後、カレンダーで
圧延して短繊維入りゴム複合体を作製し、上記ゴム複合
体の物性を評価した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】更に、Vリブドベルトを作製するため、心
線として1,000デニールのエチレン−2,6−ナフ
タレート繊維(PEN繊維)を2×3の撚構成で、上撚
り係数3.0、下撚り係数3.0で緒撚したトータルデ
ニール6,000の未処理コードを準備した。
【0039】次いで、各未処理コードをトルエン90g
にPAPI(化成アップジョン社製ポリイソシアネート
化合物)10gからなる接着剤でプレディップした後、
約180〜190°Cの温度設定した乾燥炉に10〜3
00秒間通して乾燥し、続いて表2に示すRFL液から
なる接着剤に含浸させ、処理条件で熱延伸固定処理を行
って処理コードとした。
【0040】本実施例におけるVリブドベルトの製造方
法は、以下の通りである。まず、円筒状モールドに経糸
と緯糸とが綿糸からなる平織物にクロロプレンゴムをフ
リクションしたゴム付帆布を1プライ巻き付けた後、表
3に示すクロロプレンゴム組成物からなる接着ゴムシー
トを巻き、更にその上に上記コードをスピニングし、そ
して表3に示すクロロプレンゴム組成物からなるゴム層
を巻き付け成形を終えた。これを公知の方法で160°
C、30分で加硫して円筒状の加硫ゴムスリーブを得
た。
【0041】上記加硫ゴムスリーブを研磨機の駆動ロー
ルと従動ロールに装着して、張力を付与した後に回転さ
せた。150メッシュのダイヤモンドを表面に装着した
研磨ホイールを1,600rpmで回転させ、これを加
硫スリーブに当接させてリブ部を研磨した。研磨機から
取り出したスリーブを切断機に設置した後、回転しなが
ら切断した。
【0042】作製したVリブドベルトは、上記各延伸固
定処理コードからなる心線がクッションゴム層内に埋設
され、その上側にゴム付綿帆布を1プライ積層し、他方
クッションゴム層の下側には圧縮部があって3個のリブ
がベルト長手方向に有していた。このVリブドベルトは
RMA規格による長さ1,100mmのK型3リブドベ
ルトであり、リブピッチ3.56mm、リブ高さ2.9
mm、リブ角度40°、そして種々のベルト厚さを有す
るものであった。
【0043】ここで圧縮ゴム部およびクッションゴム層
を、それぞれ表3に示すゴム組成物から調製し、バンバ
リーミキサーで混練後、カレンダーで圧延したものを用
いた。圧縮ゴム部には、前述の短繊維入りゴム複合体が
含まれ、ベルト幅方向に配向している。
【0044】次いで、前記Vリブドベルトの静的および
動的性能の評価を行った。この結果を表4に示す。
尚、コードおよびベルトの試験方法は、以下の通りであ
る。
【0045】(1)TB比 JIS K6301に従い、圧延ゴムの列理平行方向の
引張強さ(TBa)と直角方向の引張強さ(TBb)を測
定し、その比(TBa/TBb )を求めた。
【0046】(2)ベルトにおけるφ1mm以上の短繊
維塊の個数 Vリブドベルト20本において、φ1mm以上の短繊維
塊の個数を数え、ベルト1本当たりの短繊維塊の平均個
数を算出した。
【0047】(3)リブクラック発生時間 駆動プーリ(直径120mm)、従動プーリ(直径12
0mm)、そしてテンションプーリ(直径45mm)か
らなる3軸のプーリにベルトを掛架し、テンションプー
リを85kgfで引張って、ベルトに張力を与えた。走
行条件は、雰囲気温度が85℃、駆動プーリの回転数が
4900rpm、従動プーリの負荷が12psである。
この走行試験機を用いて、リブ部にクラックが発生する
までに時間を測定した。
【0048】
【表4】
【0049】この結果、実施例は比較例に比べてTB比
が高くなり、これは実施例が列理平行方向への短繊維の
配向が良好であるためである。しかも、実施例に方が短
繊維塊の個数が少なく、走行試験におけるクラック発生
時間も長くなっていることが判る。
【0050】実施例2〜3、比較例3〜4 表5に示す通り、各種スライバ及びフィラメントを表2
に示すRFL液に浸漬した後、200°Cで2分間熱処
理した。使用するスライバはカードスライバ、コームス
ライバ、練条スライバ等である。RFL処理したスライ
バ及びフィラメントを長手方向に長さ6mmにカットし
て短繊維とした。その後、表6の配合からバンバリーミ
キサーで混練後、カレンダーで圧延して短繊維入りゴム
複合体を作製し、上記ゴム複合体の物性を評価した。
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】更に、Vリブドベルトを作製するため、心
線として実施例1と同様の1,000デニールのエチレ
ン−2,6−ナフタレート繊維(PEN繊維)を2×3
の撚構成で、上撚り係数3.0、下撚り係数3.0で緒
撚したトータルデニール6,000の未処理コードを準
備した。
【0054】次いで、各未処理コードをトルエン90g
にPAPI(化成アップジョン社製ポリイソシアネート
化合物)10gからなる接着剤でプレディップした後、
約180〜190°Cの温度設定した乾燥炉に10〜3
00秒間通して乾燥し、続いて表2に示すRFL液から
なる接着剤に含浸させ、処理条件で熱延伸固定処理を行
って処理コードとした。
【0055】本実施例におけるVリブドベルトの製造方
法は、実施例1と同じであり、まず、円筒状モールドに
経糸と緯糸とが綿糸からなる平織物にクロロプレンゴム
をフリクションしたゴム付帆布を1プライ巻き付けた
後、表6に示すクロロプレンゴム組成物からなる接着ゴ
ムシートを巻き、更にその上に上記コードをスピニング
し、そして表6に示すクロロプレンゴム組成物からなる
ゴム層を巻き付け成形を終えた。これを公知の方法で1
60°C、30分で加硫して円筒状の加硫ゴムスリーブ
を得た。このスリーブから実施例1と同様のVリブドベ
ルトを作製した。
【0056】次いで、前記Vリブドベルトの静的および
動的性能の評価を行った。この結果を表7に示す。
尚、ゴム複合体の物性方法は、以下の通りである。
【0057】(4)TBの標準偏差 JIS K6301に従い、圧延ゴムの列理平行方向の
引張強さ(TB)をn=20測定し、その標準偏差を求
めた。
【0058】(5)短繊維分散の偏差 リブベルトのリブ部をベルト長手方向にベルト背面に垂
直に切断し、切断面の1mm平方中の綿短繊維の個数
(NC)と化学繊維短繊維の個数(NS)を数えた。そ
れを場所を変えて10回繰り返し、綿短繊維の割合を以
下の計算式で算出し、割合の最大値と最小値の差を求め
た。 RC(%)=NC/(NC+NS)・100 短繊維分散の偏差=RCmax−RCmin RC:綿短繊維の割合 RCmax:綿短繊維の割合の最大値 RCmin:綿短繊維の割合の最小値
【0059】
【表7】
【0060】この結果、本実施例では引張強さ(TB)
や短繊維のバラツキが小さくて、綿繊維と他の化学繊維
を混紡したスライバを使用することにより、これらの繊
維がゴム中により均一に分散していることが判る。しか
も、このゴム複合体を使用したVリブドベルトも短繊維
塊の個数が少なく、走行試験におけるクラック発生時間
も長くなっていることが判る。
【0061】
【発明の効果】以上のように本願請求項記載のゴム組成
物中に分散して用いる短繊維では、少なくとも綿繊維を
含む繊維を長手方向に配向させた無撚状態のスライバを
レゾルシン・ホルマリン・ラテックス液で接着処理した
後、これをカットした短繊維であるゴム組成物分散用短
繊維にあり、ゴム中への混練、分散が良好になることが
判る。特に、無撚状態のスライバとして綿繊維と化学繊
維を混紡した場合には、ゴム中への分散がより改善し、
このゴム複合体を使用したVリブドベルトも短繊維塊の
個数が少なく、走行試験におけるクラック発生時間も長
くなっている効果がある。
【0062】また、本発明の動力伝動ベルトでも、圧縮
ゴム層に少なくとも綿繊維を含む繊維を長手方向に配向
させた無撚状態の太さ3〜5cmのスライバをレゾルシ
ン・ホルマリン・ラテックス液で接着処理した後、これ
をカットした短繊維を使用することにより、ゴム中への
混練、分散が良好になり、また短繊維の塊りと、これか
ら発生する亀裂の核も減少し、ベルト寿命を延長するこ
とができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るVリブドベルトの断面斜視図であ
る。
【図2】本発明に係るVカットエッジタイプのVベルト
の縦断面図である。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2 心線 3 接着ゴム層 4 圧縮ゴム層 5 ゴム付帆布 7 リブ部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム組成物中に分散して用いる短繊維で
    あり、少なくとも綿繊維を含む繊維を長手方向に配向さ
    せた無撚状態のスライバをレゾルシン・ホルマリン・ラ
    テックス液で接着処理した後、これをカットした短繊維
    であることを特徴とするゴム組成物分散用短繊維。
  2. 【請求項2】 無撚状態のスライバが綿繊維と化学繊維
    を混紡したものである請求項1記載のゴム組成物分散用
    短繊維。
  3. 【請求項3】 心線を埋設した接着ゴム層と圧縮ゴム層
    を積層した動力伝動用ベルトにおいて、上記圧縮ゴム部
    に、少なくとも綿繊維を含む繊維を長手方向に配向させ
    た無撚状態のスライバをレゾルシン・ホルマリン・ラテ
    ックス液で接着処理した後、これをカットした短繊維を
    ゴム100重量部に対して1〜40重量部に分散したゴ
    ム組成物を使用することを特徴とする動力伝動ベルト。
  4. 【請求項4】 無撚状態のスライバが綿繊維と化学繊維
    を混紡したものである請求項3記載の動力伝動ベルト。
  5. 【請求項5】 上記心線がエチレン−2,6−ナフタレ
    ートを主たる構成単位とするポリエステル繊維フィラメ
    ント群を撚り合わせた撚糸である請求項3記載の動力伝
    動ベルト。
  6. 【請求項6】 上記動力伝動用ベルトが、ベルト長手方
    向に沿って心線を埋設した接着ゴムと、ベルト長手方向
    に沿って少なくとも1つのリブ部をもつ圧縮ゴム層から
    なるVリブドベルトである請求項3記載の動力伝動用ベ
    ルト。
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