JP3113027B2 - 歯付ベルトおよびその製造方法 - Google Patents

歯付ベルトおよびその製造方法

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JP3113027B2 JP03352898A JP35289891A JP3113027B2 JP 3113027 B2 JP3113027 B2 JP 3113027B2 JP 03352898 A JP03352898 A JP 03352898A JP 35289891 A JP35289891 A JP 35289891A JP 3113027 B2 JP3113027 B2 JP 3113027B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動力伝動用歯付ベル
ト、特に自動車用エンジンのカム軸駆動用歯付ベルトの
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用エンジンのカム軸駆動用
歯付ベルト(以下ベルトと略称する)は、主にクロロプ
レンを主原料としたゴムを本体ゴムとしている。昨今、
自動車の高性能化、高級化が進むにつれ、自動車エンジ
ンの高性能化が要求され、ベルトが使用される環境温度
の上昇、カムシャフトドライブの高負荷化が生じ、従来
のクロロプレンを主原料としたゴムを本体ゴムとしたベ
ルトでは、耐熱性が不足し、高負荷化への対応が不十分
となった。これに対して、クロロスルフオン化ポリエチ
レンを主原料とするゴムを本体ゴムとするベルトや硫黄
架橋の水素添加ニトリルを主原料とするゴムを本体ゴム
とするベルトが開発されているが、自動車エンジンの高
性能化がさらに進み、それらに要求される耐熱性および
高負荷化への対応はなお不十分となっている。
【0003】さらに、最近、耐熱性を改善するために、
歯付ベルトの本体ゴムに、共架橋剤として末端カルボキ
シ化ポリブタジエンを含有するパ−オキサイド架橋系水
素添加ニトリルゴム組成物を使用する提案がなされてい
る。(特開平1−269743号)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平1−269743号記載の歯付ベルトは、耐熱性に
おいては非常に優れたものであるが、耐歯欠性能、特
に、高温、高負荷時における耐歯欠性能においては、ま
だ十分でないことが解明された。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、優れた耐熱
性、高弾性を有すると共に、高温、高負荷時においても
優れた耐熱寿命および耐歯欠寿命を有する動力伝動用の
歯付ベルトを提供することを目的としている。本発明者
等は上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結
果、パ−オキサイド架橋系水素添加ニトリルゴムにおい
て、2種類の共架橋剤を併用する時に、耐熱性および耐
歯欠性能が飛躍的に増大することを見出して本発明を完
成するにいたった。即ち、本発明の歯付ベルトは、第1
図に示すように、抗張体(心線)5が埋め込まれた背ゴ
ム4の上に歯ゴム2が突出して歯1を構成している。歯
ゴム2、背ゴム4および張抗体5の露出面には歯布3が
接着されている。この歯付ベルトを製造するには、ベル
ト歯の形状の溝を有する金型に、ゴム糊を含浸させた歯
布を巻き付け、その上に接着処理を施した抗張体を巻き
付け、さらにその上に歯ゴム、背ゴムとなる未加硫ゴム
配合シートを巻き付け、加圧缶内で成形加硫した後、取
出して、一定の幅に裁断して環状のベルトを得ている。
【0006】本発明の特徴の一つである、歯ゴムおよび
背ゴムを構成する本体ゴムには、共架橋剤として有機酸
高級エステルおよびアクリル酸またはメタクリル酸の金
属塩よりなる群より選ばれた1種または2種以上と、
N,N’−m−フェニレンジマレイミドとを含有する、
有機パ−オキサイド架橋系の水素添加ニトリルゴム組成
物を使用する。また、歯布にはポリアミド繊維、ポリア
ラミド繊維、ポリエステル繊維等を織成してなる布帛が
用いられる。そして、この歯布を歯ゴム、背ゴムの表面
に接着するに先だって、本体ゴムと同様な水素添加ニト
リルゴム組成物を有機溶剤で溶解したゴム液にイソシア
ネート基を有する有機化合物を添加したゴム糊を含浸す
る。抗張体には通常、ガラス繊維、アラミド繊維、金属
繊維等を撚成した心線が用いられる。この抗張体も使用
に先立って、接着剤溶液に含浸させられる。この接着剤
としては一般にレゾルシノールとホルマリンを反応させ
て得られるRF樹脂の水溶液にラテックスを混合した溶
液(RFL)が用いられる。さらに、このRFLを含浸
した心線の表面にゴム糊等をオーバーコーテングした張
抗体を用いることもある。
【0007】本体ゴムに使用するは水素添加ニトリルゴ
ムの水素添加率は、80%〜95%のものが好ましく、
特に90%前後が好ましい。なお、水素添加率が98%
より多くなると高温におけるモジュラス値が低下し、い
わゆる軟化して、高温時における耐歯欠け性能が低下す
るので好ましくない。また、水素添加率が80%よりも
小さいと耐熱性が劣るのでこれも好ましくない。架橋剤
として使用する有機パーオキサイドとしては、ジアシル
パーオキサイド系、パーオキシエステル系、ジアルキル
パーオキサイド系、パーケタール系のいずれも使用し得
るが、加工性、安全性、保存性、反応性等を顧慮に入れ
ると、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、
1.1−ジ−t−ブチルペロキシ−3.3.5−トリメ
チルシクロヘキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ
(t−ブチルペロキシ)ヘキサン、2.5−ジ−メチル
−2.5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサン−3、ビ
ス(t−ブチルペロキシジ−イソプロピル)ベンゼン、
2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(ベンゾイルペロキ
シ)ヘキサン、t−ブチルペロキシベンゾアート、t−
ブチルペロキシ2−エチル−ヘキシルカーボネート等が
実用上で好ましいものとして挙げられる。これらの内ジ
クミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルペロ
キシ)ヘキサン、ビス(t−ブチルペロキシジ−イソプ
ロピル)ベンゼンの4種が好ましく、さらに、量産性を
顧慮に入れるとジクミルパーオキサイド、ビス(t−ブ
チルペロキシジ−イソプロピル)ベンゼンが特に好まし
い。さらに、ジクミルパーオキサイドは製品に異臭を帯
びさせるので、実用的に最も適しているものは、ビス
(t−ブチルペロキシジ−イソプロピル)ベンゼンとい
える。なお、ビス(t−ブチルペロキシジ−イソプロピ
ル)ベンゼンは異性体として、1,3 ビス(t−ブチ
ルペロキシジ−イソプロピル)ベンゼンと1,4 ビス
(t−ブチルペロキシジ−イソプロピル)ベンゼンとが
あるが、そのいずれでも使用できる。一般に市販されて
いる有機パーオキサイド製剤は1,3または1,4のビ
ス(t−ブチルペロキシジ−イソプロピル)ベンゼンの
単独または両者の混合物を炭酸カルシウム、シリカ等の
坦体に坦持させ、粉末状のまま、またはペレット状に成
形して提供されている。いづれにせよ、本発明の使用目
的においては、1,3および1,4の間にはほとんど差
異がないものといえる。
【0008】有機パーオキサイド架橋剤の使用量は、水
素添加ニトリルゴムポリマー100gに対して、−O−
O−基量で0.30〜1.51gである。もしも、有機
パーオキサイド架橋剤の使用量が0.30gより少ない
と耐歯欠性能が劣るようになる。反対に、その使用量が
1.51gよりも多いと耐熱性が劣ると共に、ベルトの
成形性が悪くなり、不良品の発生率が高くなるので、量
産が困難になる。共架橋剤としては、有機酸高級エステ
ルおよびアクリル酸またはメタクリル酸の金属塩よりな
る群より選ばれた1種または2種以上とN,N’−m−
フェニレンジマレイミドとを併用する。このように、特
定の2種類の共架橋剤を併用することが、本発明の最も
重要な点であって、いずれか一方だけの使用では十分な
効果を得ることはできない。
【0009】共架橋剤としての有機酸高級エステルとし
ては例えは、エチレンジメタクリレート、1,3 ブチ
レンジメタクリレート、1,4 ブチレンジメタクリレ
ート、1,6 ヘキサンジオールジメタクリレート、ポ
リエチレングリコールジメタクリレート、1,4 ブタ
ンジオールジアクリレート、1,6 ヘキサンジオール
ジアクリレート、2,2’ビス(4−メタクリロキシジ
エトキシフェニル)プロパン、2,2’ビス(4−アク
リロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、3−クロロ−2−ハイドロキシプロピルメタク
リレート、オリゴエステルアクリレート、トリアリルイ
ソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリル
トリメリテート、ジアリルフタレート、ジアリルクロロ
レンデートが挙げられる。共架橋剤としてのアクリル酸
またはメタクリル酸の金属塩としては、例えば、アルミ
ニウムメタクリレート、アルミニウムアクリレート、ジ
ンクメタクリレート、ジンクジメタクリレート、ジンク
アクリレート、マグネシウムジメタクリレート、マグネ
シウムアクリレート、カルシウムジメタクリレート、カ
ルシウムアクリレートが挙げられる。これらの中で特に
好ましいのは、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリ
アリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジ
ンクメタクリレート、ジンクジメタクリレート、ジンク
アクリレートである。
【0010】共架橋剤としてN,N’−m−フェニレン
ジマレイミドと併用される有機酸高級エステルまたはア
クリル酸あるいはメタクリル酸の金属塩の使用量は、水
素添加ニトリルゴムポリマー100gに対して、0.5
〜2.0gである。この使用量が0.5gより少ないと
耐歯欠性能が劣るようになる。反対に、その使用量が
2.0gよりも多いと耐熱性が劣ると共に、ベルトの成
形性が悪くなり、不良品の発生率が高くなるので、量産
が困難になる。同様に、有機酸高級エステルまたはアク
リル酸あるいはメタクリル酸の金属塩と併用される共架
橋剤としてのN,N’−m−フェニレンジマレイミドの
使用量も、水素添加ニトリルゴムポリマー100gに対
して、0.5〜2.0gである。この使用量が0.5g
より少ないと耐歯欠性能が劣るようになる。反対に、そ
の使用量が2.0gよりも多いと耐熱性が劣ると共に、
ベルトの成形性が悪くなり、不良品の発生率が高くなる
ので、量産が困難になる。なお、共架橋剤としての有機
酸高級エステル、アクリル酸あるいはメタクリル酸の金
属塩またはN,N’−m−フェニレンジマレイミドのい
ずれかのみを単独使用た時は、特に、耐歯欠性能におい
て劣る結果が得られる。
【0011】歯布は前述のように、予め本体ゴムと同様
な水素添加ニトリルゴム組成物を有機溶剤で溶解したゴ
ム液にイソシアネート基を有する有機化合物を添加した
ゴム糊を含浸する。イソシアネート基を有する有機化合
物としては、例えば、ポリメチレンポリフェニルイソシ
アネート、トリフェニールメタントリイソシアネート、
トリレジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、メタキ
シレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、リジンイソシアネート、4,4’−メチレンビス
(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキ
サン2,4(2,6)ジイソシアネート、1,3−(イ
ソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイ
ソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ート、ダイマー酸イソシアネート等を挙げることができ
る。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例につて詳細に説明する。
表1は、本実施例で用いる有機パ−オキサイド架橋系水
素添加ニトリルゴム組成物の配合例を示すものである。
すなわち、水素添加率90%のニトリルゴム(日本ゼオ
ン株式会社製、ゼットポール2020)に有機パ−オキ
サイドとしてのビス(t−ブチルペロキシジ−イソプロ
ピル)ベンゼン製剤(日本油脂株式会社製、ペロキシモ
ンF−40、または化薬アクゾ株式会社製、パ−カドッ
クス14/40)と共架橋剤としてN,N’−m−フェ
ニレンジマレイミドに有機酸高級エステルまたはメタク
リル酸の金属塩を種々の配合比で加えたものを実施例1
〜9で示している。なお表1〜3におけるビス(t−ブ
チルペロキシジ−イソプロピル)ベンゼン製剤は炭酸カ
ルシウムまたはシリカあるいは両者の混合物よりなる添
加剤を60%含有しているので、ビス(t−ブチルペロ
キシジ−イソプロピル)ベンゼン製剤5gの場合は、こ
の化合物の正味は2gになる。さらに、−O−O−基換
算では、この化合物は−O−O−基を2個含有するの
で、2g×16×2×2(−O−O−基分子量2個分)
÷338(この化合物の分子量)=0.38gとなる。
同様に、製剤の添加量3gの場合は正味0.23g,製
剤21gの場合は正味1.59gとなる。
【0013】
【表1】
【0014】表2では、比較例(I)として本発明のポ
リマ−および架橋剤を同じくし、しかも本発明で使用す
る共架橋剤を単独使用したものを比較例1〜5で、2種
類併した配合例を比較例6〜11で示している。
【0015】
【表2】
【0016】また、表3では、比較例(II)としてポ
リマ−にクロロプレンゴムまたは、クロルスルホン化ポ
リエチレンを使用する種々の配合例を比較例12〜16
で示している。
【0017】
【表3】
【0018】本発明の表1に示すゴム組成物について
の、ゴム単体性能およびベルト性能につては表4に示し
てある。
【0019】
【表4】
【0020】比較例(I)に対応するゴム単体性能およ
びベルト性能はそれぞれ表5に示してある。
【0021】
【表5】
【0022】また、比較例(II)に対応するゴム単体
性能およびベルト性能はそれぞれ表6に示してある。
【0023】
【表6】
【0024】なお、ベルト性能は耐熱性能と耐歯欠性能
について測定したが、その測定方法は次の方法を使用し
た。先ず、耐熱性能は、19歯(ピッチ8mm)付の駆
動プ−リ−、19歯付の従動プ−リ−および直径45m
mのアイドラより構成された試験機を用いて、被試験ベ
ルトの張力を常に15kgfに保ち、回転数4000r
/min、負荷無しで、連続的に新鮮な熱風を供給して
ベルト走行雰囲気を140℃に保持した状態で被試験ベ
ルトをを走行させ、被試験ベルトの背面または歯の根元
に割れが生ずる時間を測定する耐熱走行試験(必要に応
じ、A試験と略称する)によって評価した。耐歯欠性能
は、常温または100℃の雰囲気で、19.05mm幅
の被試験ベルトの歯に25kgfの剪断力をベルト幅方
向と直角に1分間に500回の割合で繰り返し与え、ベ
ルトの歯が欠けるまでの時間を測定した耐歯欠性能試験
(必要に応じ、B試験と略称する)によって評価した。
【0025】本発明の配合例を示す表1では、水素添加
率90%のニトリルゴムポリマ−に対して、共架橋剤と
して、N,N’−m−フェニレンジマレイミドに有機酸
高級エステルまたはメタクリル酸の金属塩を併用したも
ので、その結果は、表4に示すように、耐熱性能は最低
808時間、最高912時間と非常に高い値を示してい
る。また、耐歯欠性能においても、常温におけるベルト
寿命が最低290時間、100℃におけるベルト寿命が
最低199時間といずれも非常に高い値を示している。
【0026】一方、比較例1〜4は、本発明で使用して
いる共架橋剤を単独使用したものであるが、いずれもA
試験(耐熱性能)では優れた性能を示すものの、B試験
(耐歯欠性能)では十分な性能をあげることはできな
い。また、比較例5では先行技術として引用した特開平
1−269743号の発明で使用している末端カルボキ
シル化ポリブタジエンを単独使用したものであるが、耐
熱性は比較的高いものの、耐歯欠性能は本発明のものに
比べてかなり劣ることが分かる。特に、100℃の高温
におけるベルト寿命は140時間で本発明のものに比べ
て可成低い値を示している。さらに、比較例6では、水
素添加率90%のニトリルゴムポリマ−に対して、本発
明で使用している共架橋剤であるトリメチロ−ルプロパ
ンメタクリレ−ト(TMP)とN,N’−m−フェニレ
ンジマレイミドとを併用した例であるが、その配合割合
をポリマ−100gに対してTMPを1g使用し、N,
N’−m−フェニレンジマレイミドを2.5g、すなわ
ち限定範囲の上限の2.0gよりも多く使用した例であ
る。この場合はA試験(耐熱性能)、B試験(耐歯欠性
能)共に優れた性能を示すものの、スコ−チタイムが著
しく短く、安定して製造を行なうことが困難であるの
で、この配合例は好ましくない。
【0027】比較例7では、水素添加率90%のニトリ
ルゴムポリマ−に対して、本発明で使用している共架橋
剤をであるトリメチロ−ルプロパンメタクリレ−ト(T
MP)とN,N’−m−フェニレンジマレイミドとを併
用した例であるが、その配合割合をポリマ−100gに
対してTMPを0.4g、N,N’−m−フェニレンジ
マレイミドを0.4g、すなわちいずれも限定範囲の下
限の0.5gよりも少なく使用した例である。この場合
は、A試験(耐熱性能)はやや満足する値を示している
が、B試験(耐歯欠性能)では極めて低い値しか得られ
ていない。比較例8、9では、有機パーオキサイドのビ
ス(t−ブチルペロキシジ−イソプロピル)ベンゼンの
配合割合を変えたものである。即ち、比較例8では3g
とし、これは−O−O−基量に換算して0.23gに相
当し、限定範囲の下限の0.30gを下回るものであ
る。この場合はA試験(耐熱性能)はやや満足する値を
示しているが、B試験(耐歯欠性能)では低い値しか得
られていない。比較例9では、上記と同様の有機パーオ
キサイドを21g使用している。これは−O−O−基量
に換算して1.59gに相当し、限定範囲の上限の1.
51gを上回るものである。この場合はA試験(耐熱性
能)では極めて悪い結果を示しているが、B試験(耐歯
欠性能)ではほぼ満足する値が得られている。
【0028】比較例10では、比較例5と同じポリブタ
ジエンをN,N’−m−フェニレンジマレイミドと併用
した例であるが、その結果は比較例5と同じでほとんど
改善されていない。比較例11では、トリメチロ−ルプ
ロパンメタクリレ−ト(TMP)とN,N’−m−フェ
ニレンジマレイミドとを併用した例であるが、その配合
割合をポリマ−100gに対してTMPを2.5g、
N,N’−m−フェニレンジマレイミドを2.5gとい
ずれも限定範囲の上限の2.0gよりも多く使用した例
である。この場合は、A試験(耐熱性能)は極めて悪
く、B試験(耐歯欠性能)でもやや劣る結果を示してい
る。比較例(II)のグル−プの比較例12〜14は水
素添加ニトリルゴムの硫黄架橋配合のゴムで製造された
ベルト、比較例15はクロロプレンゴムで製造されたベ
ルト、比較例16はクロルスルフォン化ポリエチレンゴ
ムで製造されたベルトの性能をそれぞれ示すものである
が、A試験、B試験共に性能が劣ることは明らかであ
る。
【0029】
【発明の効果】本発明による歯付ベルトは、歯ゴムおよ
び背ゴムを、共架橋剤として、有機酸高級エステルおよ
びアクリル酸またはメタクリル酸の金属塩から選ばれた
1種または2種以上とN,N’−m−フェニレンジマレ
イミドとを含有する、有機パ−オキサイド架橋系の水素
添加ニトリルゴム組成物の硬化重合体で構成すると共
に、歯布を歯ゴムおよび背ゴムと同じゴム組成物を有機
溶剤に溶解したゴム液にイソシアネ−ト基を有する有機
化合物を含有させたゴム糊で歯ゴム、背ゴムおよび抗張
体の露出面に接着したので、耐熱性能および耐歯欠性能
を飛躍的に高め、ベルト寿命を長くすることができた。
また、本発明による歯付ベルトは、特に歯欠性能に優れ
ているので、従来のベルトよりも幅を細くしても、同じ
負荷加重がかかる駆動用歯付ベルトとして使用すること
ができる。さらにまた、本発明の歯付ベルトは、高温、
高負荷時における耐熱性能および耐歯欠性能に優れてい
るので、特に、高性能、高負荷が要求される自動車用エ
ンジンのカム軸駆動用歯付ベルトとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯付ベルトの斜面図である。
【符号の説明】
1 歯 2 歯ゴム 3 歯布 4 背ゴム 5 抗張体(心線)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−87937(JP,A) 特開 平1−306443(JP,A) 特開 平1−269743(JP,A) 特開 昭63−72772(JP,A) 特開 昭48−81442(JP,A) 特開 昭63−22846(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 1/00 - 1/28 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯ゴム、背ゴム、抗張体および歯布より
    なる歯付ベルトにおいて、上記歯ゴムおよび背ゴムが、
    共架橋剤として有機酸高級エステルおよびアクリル酸ま
    たはメタクリル酸の金属塩よりなる群より選ばれた1種
    または2種以上と、N,N’−m−フェニレンジマレイ
    ミドとを含有する、有機パ−オキサイド架橋系の水素添
    加ニトリルゴム組成物の成形硬化体よりなり、前記水素
    添加ニトリルゴムポリマー100gに対して、有機パ−
    オキサイドがその−O−O−基量で0.30〜1.51
    g、有機酸高級エステルおよびアクリル酸またはメタク
    リル酸の金属塩よりなる群より選ばれた1種または2種
    以上が0.5〜2.0g、N,N’−m−フェニレンジ
    マレイミドが0.5〜2.0g含有されていることを特
    徴とする歯付ベルト。
  2. 【請求項2】 歯ゴム、背ゴム、抗張体および歯布より
    なる歯付ベルトにおいて、上記歯ゴムおよび背ゴムを、
    共架橋剤として有機酸高級エステルおよびアクリル酸ま
    たはメタクリル酸の金属塩よりなる群より選ばれた1種
    または2種以上とN,N’−m−フェニレンジマレイミ
    ドとを含有する有機パ−オキサイド架橋系の水素添加ニ
    トリルゴム組成物より構成すると共に、共架橋剤として
    有機酸高級エステルおよびアクリル酸またはメタクリル
    酸の金属塩よりなる群より選ばれた1種または2種以上
    と、N,N’−m−フェニレンジマレイミドとを含有す
    る有機パ−オキサイド架橋系の水素添加ニトリルゴム組
    成物を有機溶剤に溶解したゴム液にイソシアネート基を
    有する有機化合物を添加したゴム糊で、上記歯布を上記
    歯ゴムおよび背ゴムの露出面に接着することを特徴とす
    る歯付ベルトの製造方法。
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