JP4360993B2 - 歯付ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達に用いられる歯付ベルトに関する。
歯付ベルトは、駆動側歯付プーリと従動側歯付プーリとの間に掛け渡されて、一般産業機器やOA機器の動力伝達ベルト、自動車内燃機関のタイミングベルト、自転車の駆動ベルト等として使用されている。通常、歯付ベルトは、長手方向に複数の心線が埋設されたカーボンブラックを含有する黒色のベルト本体ゴム層からなり、このベルト本体ゴム層の表面に複数の歯部が形成され、この歯部の表面に歯布が被着されて形成されている。
従来、原帆布に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カーボンブラックを含有する水素化ニトリルゴム(HNBR)からなる第1ゴム組成物を溶剤に溶解して直に含浸させて歯帆布層を形成し、この歯帆布層の裏面側に接着ゴムを塗布してベルト本体ゴム層に接着した歯付ベルトが知られている(特許文献1)。
特開平7−151190号公報
従来の歯付ベルトは、歯布としての処理歯布がゴム溶解物を直に原帆布に付着乾燥させ、原帆布の原糸の結束性、耐摩耗性、処理ゴム自信の強度確保を図ったものであるが、処理歯布に含浸されているゴム組成物がカーボン配合物であるため黒色をしている。そのため、運転時のプーリとの摩擦及び削れ等により、黒色のゴム粉や処理歯布の糸が飛散し、クリーンな運転が難しい、という問題がある。
処理歯布の摩擦係数を小さくするため、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、グラファイト、シリコン等の摩擦低減剤を添加したゴム組成物を使用した場合、処理ゴム自体の強度低下、原帆布との接着性の低下等を招き、処理歯布の性能を充分に発揮できない、という問題がある。
摩擦低減剤は、ベルト本体ゴム又は原帆布の処理成分のマトリックスを形成するための配合ゴムに対して、反応性、親和性及び補強性に乏しく、充分な低摩擦係数を得るために、多量の摩擦低減剤を配合した場合、ゴム組成物自体は大きな強度低下や温度依存性の増大、原帆布との接着性の低下により、帆布を構成する糸のフィラメント間の結束性が乏しくなり、大きな繰り返しのせん断力がかかったり、高速回転時の摩擦熱により所定の寿命を維持することが難しくなる。また、単純に原帆布に付着させただけの処理や摩擦低減剤を処理ゴム中に加えただけの処理では上記の様な理由より摩擦低減剤が無い処理より逆に飛散が多くなり、高回転、高負荷時のような厳しい条件下ではその効果が長く続かなく、耐久性や摩耗粉の耐飛散性が逆に悪くなる、という問題がある。
また、歯付ベルト製造時に、処理歯布を歯溝形状を有する金型にかぶせ、その上から張力をかけて心線を巻き、ゴムシートをかぶせ圧と熱をかけてゴムを流動させ成型する方式が多い。その場合歯布における構成糸、特に緯糸は、ベルト歯底部では金型歯先部と張力をかけて巻かれている心線のおかげで加硫後処理歯布の構成糸は形状的に平坦な形となる(図4参照)。対してベルト歯上部及び歯側面部の処理歯布の構成糸は、金型谷部に位置し、圧と熱をかけた際流動する柔らかいゴムによってのみ押し付けられ成型される。このことにより、ベルト歯上部及び側面部は歯底部に比して処理歯布の構成糸形状が平坦になり難く(図5参照)、構成糸中のフィラメント同士の結束性が弱いと共に、ベルト運転時にプーリ歯より受ける繰返しの摩擦や叩きに対して平坦でない分、上記の往復運動につられ、揉みほぐされ易やすくなり、フィラメント同士の結束性が更に低下し、フィラメントの切断から歯布摩耗となりベルト歯欠けを起こす、という問題がある。
また、原帆布をRFL処理して歯布とすることも行なわれているが、この場合は、摩擦係数が大きく、温度依存性の大きい処理となり、高回転時や高負荷時発生する摩擦や摩擦熱に弱くなる、という問題がある。
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題点を解決し、歯付ベルトの処理歯布の必要強度と温度依存性を保持させたまま淡色化し、低摩擦係数化とそれの長期保持、それぞれ各層別ごとの接着性を確保し、歯付ベルトの長寿命化、走行安定性能向上、摩耗粉飛散減少化、摩耗状態の判別性、耐水性能向上を図ることができる歯付ベルトを提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明は、長手方向に複数の心線が埋設されたベルト本体ゴム層の少なくとも一方の表面に複数の歯部が形成され、該歯部の表面に処理歯布が被着された歯付ベルトにおいて、前記処理歯布が、ゴムを原帆布に含浸させた第1層と、該第1層の表面側に形成され歯付プーリと直に接触する第2ゴム層と、該第1層の裏面側に形成され前記ベルト本体ゴム層に接着される第3ゴム層とで構成され、前記第1層のゴムが、水素添加ニトリルゴム(HNBR)と、水素添加ニトリルゴムにメタクリル酸亜鉛を微分散させたポリマーアロイ(ZSC)とを重量部95:5〜60:40の範囲で配合した混合物に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フェノール樹脂、酸化チタン、チタン酸カリウム繊維及び単独でメタクリル酸亜鉛を配合すると共に、前記第3ゴム層に比べて架橋剤を増量して架橋密度を上げたゴム組成物からなり、前記水素添加ニトリルゴムはヨウ素価4〜56g、ポリマーアロイ(ZSC)は100℃におけるムーニー値が70以上のものである歯付ベルト、という構成としたものである。
請求項2に係る本発明は、請求項1の歯付ベルトにおいて、前記第2ゴム層が、水素添加ニトリルゴム(HNBR)と、水素添加ニトリルゴムにメタクリル酸亜鉛を微分散させたポリマーアロイ(ZSC)とを重量部95:5〜60:40の範囲で配合した混合物に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フェノール樹脂、酸化チタン、チタン酸カリウム繊維及び単独でメタクリル酸亜鉛を配合したゴム組成物からなり、前記第3ゴム層に比べて架橋剤を増量して架橋密度を上げ、前記第1層にゴム組成物に比べポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の配合量を増量してなり、前記水素添加ニトリルゴムはヨウ素価4〜56g、ポリマーアロイ(ZSC)は100℃におけるムーニー値が70以上のものである、という構成としたものである。
請求項3に係る本発明は、請求項1又は2の歯付ベルトにおいて、前記第3ゴム層が、水素添加ニトリルゴム(HNBR)と、水素添加ニトリルゴムにメタクリル酸亜鉛を微分散させたポリマーアロイ(ZSC)とを重量部99:1〜80:20の範囲で配合した混合物に、フェノール樹脂及び疎水性シリカを配合したゴム組成物からなり、前記第1層、第2ゴム層に比べて、前記ポリマーアロイ(ZSC)配合比率が同じか又は小さく、前記水素添加ニトリルゴムはヨウ素価4〜56g、ポリマーアロイ(ZSC)は100℃におけるムーニー値が70以上のものである、という構成としたものである。
請求項4に係る本発明は、請求項1乃至3のいずれかの歯付ベルトにおいて、前記ベルト本体ゴム層が、水素添加ニトリルゴム(HNBR)配合物であり、架橋系が硫黄架橋又は有機過酸化物架橋であるゴム組成物からなる、という構成としたものである。
請求項5に係る本発明は、請求項1乃至4のいずれかの歯付ベルトにおいて、前記ベルト本体ゴム層が、水素添加ニトリルゴム(HNBR)と、水素添加ニトリルゴムにメタクリル酸亜鉛を微分散させたポリマーアロイ(ZSC)とを重量部95:5〜5:95の範囲で配合されたゴム組成物からなり、前記水素添加ニトリルゴムはヨウ素価4〜56g、ポリマーアロイ(ZSC)は100℃におけるムーニー値が70以上のものである、という構成としたものである。
請求項6に係る本発明は、請求項1乃至5のいずれかの歯付ベルトにおいて、前記ベルト本体ゴム層が、水素添加ニトリルゴムにポリメタクリル酸亜鉛を微分散させたポリマーアロイ(ZSC)と、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)とを重量部95:5〜5:95で配合したゴム組成物からなり、前記ポリマーアロイ(ZSC)は100℃におけるムーニー値が70以上のものであり、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)は、酢酸ビニル量が40〜91%でかつ100℃のムーニー値が20〜70のものである、という構成としたものである。
請求項7に係る本発明は、請求項1乃至6のいずれかの歯付ベルトにおいて、前記ベルト本体ゴム層が、水素添加ニトリルゴムにポリメタクリル酸亜鉛を微分散させたポリマーアロイ(ZSC)とエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)とを重量部95:5〜5:95で配合した混合物と、水素添加ニトリルゴム(HNBR)とを重量部95:5〜60:40の範囲で配合したゴム組成物からなる、という構成としたものである。
請求項8に係る本発明は、請求項1乃至7のいずれかの歯付ベルトにおいて、前記処理歯布が、ナイロン6、ナイロン66、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維等単独またはこれらの混繊糸で作成された原帆布で構成されている、という構成としたものである。
請求項9に係る本発明は、請求項1の歯付ベルトにおいて、前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、平均粒径が3〜10μmで表面積が2〜10m2/g、崩壊性をもった粉体状であり、前記混合物100重量部に対して40〜120重量部配合されている、という構成としたものである。
請求項10に係る本発明は、請求項2の歯付ベルトにおいて、前記ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、平均粒径が3〜10μmで表面積が2〜10m2/g、崩壊性をもった粉体状であり、前記混合物100重量部に対して80〜300重量部配合されている、という構成としたものである。
請求項11に係る本発明は、請求項1又は2の歯付ベルトにおいて、前記チタン酸カリウム繊維は繊維径0.05〜0.6μm、繊維長が1〜20μm、嵩比重が3〜4g/cm3であり、前記混合物100重量部に対して1〜50重量部の範囲で配合されている、という構成としたものである。
請求項12に係る本発明は、請求項1乃至3のいずれかの歯付ベルトにおいて、前記フェノール樹脂は、アルキルフェノール変性、クレゾール変性、カシュー変性、純フェノール等のいずかであり、前記混合物100重量部に対して2〜50の重量部の範囲で配合されている、という構成としたものである。
請求項13に係る本発明は、請求項3に記載の歯付ベルトにおいて、前記疎水性シリカは、嵩比重が40〜230g/L、平均粒子径が0.5〜100μm、であり、前記混合物100重量部に対して5〜60重量部の範囲で配合されている、という構成としたものである。
請求項14に係る本発明は、請求項1又は2に記載の歯付ベルトにおいて、前記単独で配合されるメタクリル酸亜鉛は、前記混合物100重量部に対して1〜50重量部の範囲である、という構成としたものである。
請求項15に係る本発明は、請求項1又は2に記載の歯付ベルトにおいて、前記増量される架橋剤としての有機酸化物の量は、第3ゴム層より0.5〜30重量部の範囲で多く配合され、該有機過酸化物としては、2.4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1.1−ジ−t−ブチルペロキシ3.3.5−トリメチルシクロヘキサン、2.5−ジメチル2.5−ジベンゾイルペロキシヘキサン、n−ブチル−4.4−ジ−t−ブチルペロキシバラレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルペロキシベンゾネート、ジ−t−ブチルペロキシジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2.5−ジメチル2.5−ジ−t−ブチルペロキシヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2.5−ジメチル2.5−ジ−t−ブチルペロキシヘキサン−3等のいずれかが用いられる、という構成としたものである。
請求項16に係る本発明は、請求項1に記載の歯付ベルトにおいて、前記第1層における処理歯布のゴム組成物の付着量は、原帆布重量100に対して乾燥後の重量比が30〜80の範囲である、という構成としたものである。
請求項17に係る本発明は、請求項2の歯付ベルトにおいて、前記第2ゴム層における処理歯布のゴム組成物の付着量は、原帆布重量100に対して乾燥後の重量比2〜30の範囲である、という構成としたものである。
請求項18に係る本発明は、請求項3に記載の歯付ベルトにおいて、前記第3ゴム層における処理歯布のゴム組成物の付着量は、原帆布重量100に対して乾燥後の重量比が30〜70の範囲である、という構成としたものである。
請求項19に係る本発明は、請求項1乃至3のいずれかの歯付ベルトにおいて、前記第1層、第2ゴム層、第3ゴム層のゴム組成物に配合される白色顔料である酸化チタンには、ルチル型、アナターゼ型等が使用され、前記混合物100重量部に対して5〜40重量部の範囲で配合される、という構成としたものである。
本発明によれば、原帆布とゴム組成物との接着性、温度依存性の低減、処理ゴム層の接着性、耐摩耗性、高強度化を図ることができ、歯付きベルトの処理歯布の必要強度と温度依存性を保持させたまま淡色化し、低摩擦係数化とそれの長期保持、それぞれ各層別ごとの接着性を確保することができる。
第1層については、ゴム組成物と原帆布との接着性向上、成形時の帆布構成糸形状の平坦化促進、低摩擦係数化を図ることができる。第2ゴム層については、第1層よりPTFEを増量することにより、さらなる低摩擦係数化を図ることができる。第3ゴム層については、処理歯布とベルト本体ゴム層との接着強化、水分の進入防止を図ることができ、製造時の成形圧によるベルト本体ゴム及び第3ゴム層の歯面側へのしみ出し防止を図ることができる。その結果、歯付ベルトの長寿命化、走行安定性能向上、摩耗粉飛散減少化、摩耗状態の判別性、耐水性能向上を図ることができる。
さらに、ベルト本体ゴム層を黒色以外の色に着色し、処理歯布にベルト本体ゴム層と異なった色に着色することも可能であり、この場合は、処理歯布の摩耗状態を視で判別することができる。また、ベルト本体ゴム層にエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を配合した場合には、歯付ベルトを高剛性能、耐水性能の優れたものとすることができる。
本発明の歯付ベルト1を図1、図2に示す。図1は歯付ベルト1の一部切欠断面斜視図、図2は歯付ベルト1の要部拡大断面図である。歯付ベルト1は、長手方向に複数の心線2が埋設されたベルト本体ゴム層3の表面に複数の歯部4が形成されてベルト本体5が形成され、このベルト本体5の歯部4表面に歯布としての処理歯布6が被着されて構成される。この歯付ベルトは、ベルト本体ゴム層3の表裏両面に歯部4が形成されたものとしても構わない。なお、図3には、歯付ベルトの一部切欠概略図を示し、符号4aは歯上部、4bは歯側面部、4cは歯底部である。
上記心線2には、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維等のマルチフィラメント糸に接着剤(例えば、ラテックスLがHNBRであるRFL液)を含浸させた合繊コード、Eガラス繊維、高強度ガラス繊維等のマルチフィラメント糸に接着剤(例えば、ラテックスLがHNBRであるRFL液)を含浸させたグラスコード等が用いられる。
歯布としての処理歯布6は、図2に示すように、原帆布7にゴム組成物8を含浸させた第1層(ゴム含浸帆布層)9と、第1層9の表面側に形成され歯付プーリと直に接触する第2ゴム層(表面ゴム層)10と、第1層の裏面側に形成されベルト本体ゴム層3に接着される第3ゴム層(接着ゴム層)11とで構成される。
原帆布7は、構成糸である経糸7a、緯糸7bにより織成されたもので、ナイロン6、ナイロン66、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維等単独またはこれらの混繊糸からなる構成糸で作成されたものである。
歯付ベルト1は、以下のように製造される。上記処理歯布6を第2ゴム層10が接するように歯溝形状を有する金型に巻き付け、その上に心線2をスパイラル状に巻き付け、さらにその上にベルト本体ゴム層3となる未加硫ゴムシートを巻き付けた後、加硫缶に入れて外周側から加圧し、蒸気で加熱する。歯付ベルト1は、この加圧、加熱によりゴムが軟化して歯部4が形成されると共に、処理歯布6がベルト本体ゴム層3に接着され、ゴムが加硫して筒状成形体として形成され、次いで輪切りにされて歯付ベルト1が製造される。この場合、処理歯布6の各層を構成するゴム組成物に黒色以外の着色剤が配合されていると、歯付ベルト1の歯部4表面が黒色以外の色に着色されたものとなる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。まず、第3ゴム層(接着ゴム層)11について説明する。第3ゴム層11に使用されるゴム組成物の一覧を表1に示す。なお、表1において、配合No.A1、A12は比較例であり、配合No.A2〜A11が本発明例である。
表1に示すゴム組成物の接着強度を測定するため、心線を埋設したベルト本体ゴム層に相当する被接着側ゴム層に接着した場合の剥離試験を行なった。被接着側ゴム成分(ベルト本体ゴムに相当)を表2に示す。この場合の原帆布及び心線は次のものである。
帆布;材質 ナイロン66 緯糸 210d×2 経糸 210d 綾織
心線;材質 Kガラス 構成 3/13 心線接着層処理 RFL
オーバーコート処理 有り
試料としては、図6,図7に示すように、表1の配合No.A1〜A12の配合ゴムをトルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒に、室温付近での粘度が9000〜10000CPになるように濃度を調整し溶解したものを上記ナイロン帆布にガラス棒でスプレッドし乾燥させ、乾燥後の配合物の付着量を帆布1m2当たり、100gとなるように付着させ被接着側ゴム(表2に示す配合No.E1)と合わせプレスにて160℃×30分間加硫接着させた、試料幅20cm、長さ200mm、厚み8mmの試料を用いる。そして、図8に示すように、この試料を引張試験器にて各処理歯布の剥離試験を行なった。この試験結果を表3に示す。なお、温間剥離試験(120℃、20分間)は、試料を120℃の恒温槽に入れ、20分間放置しそのときの剥離強度を測定し、耐水剥離試験(80℃、168Hr)は、各試料を80℃の温湯中に浸し168Hr後取り出し、その剥離強度を測定したものである。
まず、第3ゴム層(接着ゴム層)のベルト本体ゴム層との接着性について検討した。第3ゴム層で重要な性能は、本体ゴム層及び心線と処理帆布間との接着性が大きいこと、温度依存性が小さいこと、耐水性が高いことである。常態(常温時)における接着強度については通常よく繊維とゴムの接着に使用されるポリイソシアネート系の接着剤とフェノール系の接着剤との比較評価を行なった。本発明例におけるポリイソシアネート系接着処理(A2)は、比較基準であるHNBR−カーボン−硫黄系ゴム+ポリイソシアネート系接着処理(A1)と比較して半分以下の接着強度しか出なかった。これはZSCを含まないパーオキサイド架橋ゴムに配合しても共通していえることである。ポリイソシアネート系の接着剤はイソシアネート基のもつ高い極性と反応性によりポリマーの活性水素を引き抜き一次結合をして結合、接着するという機構と考えられるが、パーオキサイド架橋ゴムの場合はパーオキサイドのラジカル生成によるポリマーの活性水素引き抜きによる反応の方、つまりポリマー同士の架橋の方が優先的に行われていると思われ、この場合何らかの方法(被接着ゴム側の架橋速度を遅くする等)をとるかして配合に工夫をしないと、単にゴム分にポリイソシアネートを配合しただけではZSC配合ゴムとポリイソシアネート系接着剤による接着は難しい。
一方フェノール樹脂の方はこの場合、本体ゴム側はHNBRのニトリル基と反応し、帆布側、つまりナイロン66に対しては高い相溶性とヘキサメチレンジアミン部分のアミノ基と一次結合を結び強固な接着性が出たと考えられる。しかし、常温付近ではフェノール樹脂の量を上げていくと比例的にかなりの接着強度は出せたが、温間(120℃雰囲気中)に於いては30重量部付近より接着力の低下が認められた。これはイソシアネートとは逆に、接着反応の方が優先されポリマー同士の架橋密度の低下が起き、接着層の温度依存性が大きくなっているためと考えられる。この場合、ノボラックであるフェノール樹脂を使用しているため、未反応である樹脂分の熱可塑性の性格が大きく現れたことも大きい。それらにヘキサメチレンテトラミン等のメチレン基供与体を添加して熱硬化タイプにしてテストもしたが、接着力の低下が大きくこの場合の配合に於いては満足な性能は得られなかった。
耐水性能も上記の架橋密度低下の理由と更に親水性の高いフェノール樹脂が増加された分、水分を多く引き寄せ膨潤性が大きくなったためと思われる。この場合、総合的に考え、フェノール樹脂の配合量は20重量部が適当となった。また、ZSC(メタクリル酸亜鉛)の配合量を増加することで接着強度が低下するのは、接着層成分にZSCを入れた分ポリマー分であるHNBRが減る、つまり反応成分であるニトリル基量も同様に減少し接着性が落ちる傾向になると考えられる。
シリカ配合の効果は常態、温間時に於いては親水性、疎水性の差はあまりなかったが耐水性に関しては疎水性シリカを使用すると大きな効果が認められた。ただし、20重量部以上配合した場合、常態における接着性の低下があり、耐水試験時に接着強度低下率は小さくなる傾向があるが初期接着力が低くなる分、それ以上の増量は適当でないと考える。また、シリカ系を配合すると大きく未加硫時の粘度が増加する。このことによりあまり増量することはベルトの成型性に対して悪影響を及ぼすおそれがあり適度な配合量が要求される。
第3ゴム層(接着ゴム層)の試験結果、接着結果の良かった帆布処理の配合処理品(配合No.A7)及び基準配合処理品(配合No.A1)について、心線との接着性比較を行った。試験方法は金型に心線を5mm間隔に配置し、その上に上記の処理歯布と次にシート厚み3.0mmの被接着試験用ゴムシートを置いて、プレスにて160℃×30分間加硫接着させ、これを幅150mm、長さ200mm、厚み2mmに成型し、そこから幅20mmの短冊状に切断して試料を作成した(図9参照)。この試料を円形状の治具に貼りつけ、引っ張り試験機にて心線を剥離させ第3ゴム層のゴムと心線の剥離強度を測定した(図10参照)。その結果を表4に示す。
温間剥離試験は、試料を120℃の恒温槽に入れ、20分間放置しそのときの剥離強度を測定した。耐水剥離試験は、試料を60℃の温湯中に浸し168Hr後取り出し、その剥離強度を測定した。常態、温間、耐水全てにおいて、基準配合処理品(配合No.A1)を上回る結果となった。心線の最外層にはオーバーコート層と呼ばれる接着層を施してあるが、これは主成分がポリイソシアネート系の接着剤であり、配合No.A7のものとの組み合わせにおいては、配合中に含まれているフェノール樹脂成分とオーバーコート層のイソシアネート成分が配合No.A1のようなポリマーのみとの結合以外に、フェノールとイソシアネートの反応つまりウレタン結合や尿素結合が追加され、強化された結果と考えられる。また耐水性に関しても、疎水性シリカ、上記の結合、パーオキサイド架橋の効果から非常に剥離強度低下は少なく、歯付ベルト化しても帆布側から心線への水進入に関してかなり少なくなる。
第1層(ゴム含浸帆布層)9について説明する。処理歯布6の中心部を占める第1層(ゴム含浸帆布層)9に使用されるゴム組成物の一覧を表5に示す。なお、表5において、配合No.B1〜B7、B11は比較例であり、配合No.B8〜B10が本発明例であり、表5における(1)〜(12)は表1と同じである。
第1層(ゴム含浸帆布層)に要求される性能は原帆布との接着性、帆布構成糸の平坦化及び摩擦係数の低減、耐摩耗性向上である。そこで、まず表5に示すゴム組成物の接着性を測定するため、前記第3ゴム層と同一条件にて被接着側ゴムと加硫接着させ剥離試験を行った。常態剥離試験(室温23℃)の結果を表6に示す。各種配合品をトルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒にそれぞれ、室温付近での粘度が600〜1200CPとなる様に濃度を調整し溶解したものに、ナイロン帆布を浸漬させ絞りロールにて間隙を調整しそれぞれ帆布に対する乾燥後の付着量を帆布重量に対して30%〜35%の範囲で含浸させ、その上から第3ゴム層処理ゴム(配合No.B1はA1、配合No.B2〜B11はA7処理)をスプレッディング処理にて乾燥後の付着量が1m2あたり100g付着させ各テスト用処理帆布とした。
表5に示すゴム成分を原帆布に含浸した処理帆布を使用してベルト本体ゴム、心線と組み合わせ同一条件にて歯付ベルト化し、駆動プーリと従動プーリに懸回し、高負荷耐久試験を行った。その結果を表7に示す。
ベルト本体ゴム:表2に示す被接着側ゴム
心線:Eガラス−3/13−オーバーコート層有り
歯ピッチ8mm リンク数125 幅25mm
プーリ歯数30T−30T 回転速度3000r/m 取付張力 382N
負荷トルク80.3N・m 雰囲気温度(24〜26℃)
次に、処理歯布構成糸の平坦性について検討する。通常、一定に負荷がかかる場合、歯付ベルト歯面において第一に摩耗を受ける部位は歯側面部(歯側面部については図3参照)である。この摩耗に関しては、歯側面部における緯糸の平坦性が重要であり、その定量化は難しいためベルト歯底部からベルト歯上部までの深さを、一定の荷重をかけたデプスゲージにより読み取り成形性の高さを構成糸の平坦性とする。つまり構成糸の平坦性が出ていない帆布は、帆布の厚みが平坦化していない分緯糸が突起した状態になっており、ある一定の荷重をかけた際にその突起が変形しやすくなることにより、歯底から歯先までの高さが低くなる。ここでは、軽くデプスゲージを置いた時の値とデプスゲージに1000gの荷重をかけたときの差を比較し、その差が大きいものは構成糸の平坦性が出ていないということである。
図11に歯付ベルトの歯上部と歯底部の深さをデプスゲージで測定する態様を示す。図12に歯側面部の帆布の拡大写真を示し、図12の(A)はRFL帆布で構成糸が平坦性のない状態、(B)は本発明の帆布で構成糸が平坦性であり、ふわふわした状態を示す。また、デプスゲージでの測定による差のデータを表8に示す。
第3ゴム層(接着ゴム層)の試験結果、最も結果の良かった配合No.A7(配合No.B2と同じ)を第1層(ゴム含浸処理)としたものが、剥離強度においてはゴム破壊に至る強度を示したが、歯付ベルトにおける耐久性は最も短い。これは疎水性シリカを多量配合していることにより、摩擦係数が大きくなりプーリ接触面との摩擦が大きく、また処理により流動性が悪くなっており処理歯布の成形性が悪化して構成糸の平坦性がでていない(L2)結果、本体ゴム及び原帆布との接着性はよくとも耐久性は出ないと考えられる。
また、メタクリル酸亜鉛を増量させた配合No.B3〜B5では、ベルト本体ゴムとの接着性は落ちるが、20重量部の配合において耐久時間が最も良く、チタン酸カリウム繊維をそれに5〜10重量部配合する(B6,B7)ことにより接着力の更なる増加と耐久性の向上(この場合は耐摩耗性の向上)が図れる。またメタクリル酸亜鉛は内部滑剤的な効果があり、処理層のマトリックスであるゴム部分の耐摩耗性の向上に加え、処理歯布の成形性を向上させ構成糸の平坦性の確保に大きく寄与している(B3〜B5にて分かる)。チタン酸カリウム繊維は10重量部以上配合すると上記の疎水性シリカ同様、処理コンパウンドの粘度上昇が大きくなると考えられ、構成糸の平坦性がやや悪化しその分ベルト運転時の繰り返しかかる負荷による揉み解しや叩きにより構成糸のフィラメントの結束性低下が起き、解れがおおきくなり耐久性の低下が起こる。
摩擦係数の低減にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いる。この処理歯布におけるコンセプトのひとつはベルト歯面の淡色化による、ベルトの歯布の目視による摩耗状態の判別可能化及び摩耗粉の目立ちにくさにある。白色または透明色系で摩擦係数低減効果があり、接着性が低下しない材料としては、フッ素系樹脂が適している。ここで使用したフッ素樹脂は粉体状のPTFEである。この場合、配合量を120重量部に増加した配合No.B10では、接着性が大きく低下し、PTFE増加による処理ゴム組成物の未加硫時の粘度上昇により構成糸の平坦性もやや悪化した。耐久性は80重量部の配合No.B9が最も良好である。80重量部でも配合No.B11がB9に比べ耐久性が低いのはB9がB11に比べ架橋剤増量による架橋密度の向上で温度依存性が小さくなっていることにある。
第2ゴム層(表面ゴム層)10について説明する。第2ゴム層には、プーリと直に接触するため、第1層より更に低摩擦係数化が必要であり、摩耗粉が飛散しにくい性能が要求される。第2ゴム層10に使用されるゴム組成物の一覧を表9に示す。なお、表9において、配合No.C1,C2は比較例であり、配合No.C3〜C8が本発明例である。
以下に示すように、各種処理歯布と表2のベルト本体ゴム層とで歯付ベルトを形成し、歯付ベルトの高負荷耐久性、注水負荷耐久性についてベルト走行試験を行った。処理歯布は次のとおりのものである。
原帆布; 材質 ナイロン66 緯糸 210d×2 経糸 210d 綾織
処理歯布のゴム組成物付着量;
第2ゴム層 40〜50g/m2(処理歯布1m2あたり)
第1層 30〜35%(原帆布重量比)
第3ゴム層 100g/m2(処理歯布1m2あたり)
上記処理歯布については、まず第1層を、ゴム組成物(表5)の溶解液に原帆布を浸漬、含浸させ、原帆布乾燥重量比30〜35%付着させて作成する。この第1層の裏面側に第3ゴム層となるゴム組成物(表1)をスプレッディング処理にて、その処理歯布1m2あたりの付着量乾燥重量で100gを付着させる。表面側に第2ゴム層となるゴム組成物(表9)をスプレッディング処理にて処理歯布1m2あたり乾燥重量で40〜50g付着させて処理歯布を作成する。
歯付ベルトのベルト本体ゴム層は、前記表2に示す被接着側ゴム成分のゴム組成物と心線とで作成したものである。心線は、材質 Kガラス、構成 3/13、心線接着層処理 RFL、オーバーコート処理 ケムロック402 NGF製を用いたものである。
処理歯布の構造を表10に示す。
上記ベルト本体ゴム層と処理歯布とで歯付ベルトを作成し、ベルト走行試験を行なった。高負荷耐久試験の結果を表11に、注水負荷耐久試験の結果を表12に示す。なお、高負荷耐久試験は、水平に配置した駆動プーリ及び従動プーリ間に歯付ベルトを懸回して走行させ、また、注水負荷耐久試験は、上下に配置した駆動プーリ及び従動プーリ間に歯付ベルトを懸回して下方のプーリと歯付ベルトとの接触進入位置に注水しつつ走行させてベルト走行試験を行なった。
高負荷耐久試験において、Q1は第2ゴム層にグラファイトを60重量部配合したものであるが、耐久時間も117Hrと短く、100Hrでのベルト重量減少も他の2倍近く減少した。試験機まわりのゴム粉の飛散もひどく、プーリ周りには真っ黒く飛散した帆布の摩耗粉が付着している状態であった。
Q2は、PTFEでのQ1に比しての低摩擦係数化の効果が現れ、耐久時間の伸びを見せたが、Q3以下の処理歯布に比べQ1と同様な理由よりPTFEを含むマトリックスであるゴム配合物の総合的な脆弱性が現れた結果である。処理歯布にPTFEの配合量を増加させた場合は250重量部を超えるとやや耐久寿命の低下が確認されたが最外層処理を施していないQ9に比べ全て寿命が延びている結果となり、特にPTFEを150〜200重量部配合したもの(Q5、Q6)についてはQ9に比べて1.5倍の耐久性を示した。
これは先のグラファイトと配合No.A1(表1)における組み合わせの様に第2ゴム層(最外層)処理による処理歯布の性能低下がなく、ベルト歯面の低摩擦係数化と処理層の強度保持がバランス良く発揮できていると考えられる。
注水試験結果は、Q3以降は第2ゴム層(最外層)処理差の効果はあまりなく、ほとんど耐久寿命は同じ結果となった。これは水が連続的に歯面にかかる為、水による摩擦低減があり、あまりPTFEによる摩擦係数低減効果が必要ないからであると思われる。それよりむしろ、処理層の水に対する抵抗性が大きな寿命決定のファクターと言え、ここでは、第1層で検討し配合した架橋剤増量によるタイトな架橋密度、メタクリル酸亜鉛の増量によるマトリックスゴムの強度アップ、チタン酸カリウム繊維添加による原帆布との接着性アップ、この3つの効果の方が耐水耐久性向上につながったといえる。また、処理Q1、及びQ2のベルトはグラファイトやPTFEによるマトリックスゴムの物性低下が大きく、早期に水分に膨潤され、処理歯布の耐摩耗性低下と、それによる心線へ早期に水分が接触することによりベルト寿命が短かかったといえる。
RFL帆布とD6処理(Q6歯付ベルト)との比較を行なった。原帆布と第1層処理に使用したものは次のとおりである。
原帆布;材質 ナイロン66 緯糸 210d×2 経糸 210d 綾織
RFL;ラテックス カルボキシル変性NBR
付着量 原帆布重量比 18%
次表13のA1配合を第3層に、C2配合を第2層にし、それぞれ表14の組合わせのとおりRFL帆布にそれぞれ処理し、表2の配合によるゴムとの接着剥離試験とベルト走行試験を行ない比較した。この場合、本体ゴム、心線はQ6のものと同一とした。
表14の試験結果、平坦性の値を見るとRFL帆布はかなり差が大きくなっており、帆布構成糸(特に緯糸)が成型圧をかけた時に構成糸が平坦にならず、突起した状態(図11参照)で帆布を構成している。そのため、プーリからうける連続的なせん断力や往復的な擦れによる揉み解し及び叩きに対してその影響を受けやすくなり、フィラメントがほつれ、その結果、耐久時間も原帆布との接着性が大きいにもかかわらず原帆布が摩耗し易く耐久性が劣る。Q11に関しても、PTFEの効果により少し寿命がのびていたが、上記の理由により、第2層処理部がすぐ落下しあまり効果的ではなかった。
一方、本発明のQ6からなるものは、平坦性が高くなっていると考えられ、第2層処理部が歯面に均一に付着しており、第1層処理部にめり込む様な形で加硫接着された形態となり第2層処理部のみの剥がれが少なくなり、また第2層処理部のPTFE以外のマトリックスゴム部分の強度低下が少ないため、低摩擦係数状態を時続的に長く発揮できている。
歯付ベルトの走行安定性について以下説明する。歯付ベルトの歯面を低摩擦係数化することにより、走行安定性効果が発揮される。ここでいう歯付ベルトの走行安定性とは、たとえば装置等の回転軸のアライメントの狂いや、過負荷時や負荷変動が大きい装置の場合により生じるベルトのサイドスラスト力の増加に伴う、プーリフランジとの擦れ音の増加や、フランジに乗り上げて破断するという不具合、歯布の偏磨耗などが起こりにくいということである。
また、騒音低減効果の大きいヘリカルベルトやクラウニングプーリへの使用の場合、このサイドスラスト力が大きいことにより歯布が偏摩耗を起こしやすくベルトが短寿命であったり、クラウニングプーリでの使用においてフランジレス化という特徴が生かせないという欠点があったが、この場合にも有効な処理であると考えられるからである。そこでその一例として荷重を変化させそのときのサイドスラスト力の変化をプッシュプルゲージを用いて比較した。なお、図13にサイドスラスト力測定態様を示し、(A)はレイアウト図、(B)は歯付ベルトをプーリ長手方向に押圧移動する時の態様を示す一部切欠概略斜視図、(C)は歯付ベルト移動の説明図である。
歯付ベルトと試験条件は、本体ゴム:被接着使用ゴム 心線:Kガラス−3/13−オーバーコート層有り、歯ピッチ8mm リンク数125 幅20mm プーリ歯数19丁 回転速度4000r/m、雰囲気温度(24〜26℃) 荷重30kgf、40kgf、60kgfである。プッシュプルゲージの値はベルト走行を24時間運転後、走行する歯付ベルトを約5mm移動させた時のゲージの値である。その試験結果を表15に示す。
各歯付ベルト共、摩擦低減剤添加の効果は見られサイドスラスト力の低下の効果が認められた。RFL帆布使用のQ10に関しては、低い荷重から高いサイドスラスト力であり、ベルト歯面の摩擦係数が他に比べてかなり大きいといえ、またQ11に関しても上記の平坦性のところでも述べたが、最外層処理が構成糸部とプーリ接触面から回転により布表面よりすぐ落下してしまい、それらの接触面上に最外層処理が長期に滞留しずらく、摩擦係数の大きいRFL部分が早く露出しプーリ面と接触するようになると考えられ、そのことによりRFL帆布が高耐久性を示せない原因のひとつである。Q1、Q2についてはグラファイトとPTFEの違いであるが、最外層処理部においてQ1はグラファイトが60重量部、Q2はPTFEが200重量部で本来はQ1のグラファイトも200重量部にて評価すべきであるがグラファイトを200重量部も配合してしまうと処理層自身の強度低下がかなり激しく、加硫操作後に軽くベルトを屈曲させただけで、ぽろぽろと処理層が落下してしまう状態になり、この場合の配合量は60重量部が限界であった。
対してPTFEの場合は200重量部以上配合してもその様なことはなく、PTFEの低摩擦係数化性能と配合される側のマトリックスである領域とのバランスが良好に保ちやすいといえる。Q2とQ6(D6)はPTFEを同200重量部配合しており、違いはマトリックス部分のみである。Q6のマトリックス部分はPTFEの高充填にもかかわらず、それ自身の強度を充分に保て、また処理歯布の成形性(平坦性)、接着性、耐摩耗性と低摩擦係数化を高度にバランスさせた結果により、耐久性でQ2に比べ2倍、サイドスラスト力は更に小さくなったと考えられる。
各種ベルト本体ゴム層(E2〜E6)に対する本発明例である歯布N0.D6(表10)の適応性を検討した。
E2 HNBR硫黄配合系
E3 HNBR有機過酸化物配合系
E4 HNBR−ZSC配合系
E5 ZSC−EVA配合系
E6 HNBR−ZSC−EVA配合系
ベルト本体ゴム層のHNBR及びEVA配合例を表16に示す。
歯付ベルトの構成を表19に、室温における負荷耐久試験の結果を表20に、注水負荷耐久試験の結果を表21に示す。歯付ベルトNo.Q12は比較例、歯付ベルトNo.Q13〜No.Q17が本発明例である。
処理歯布;材質 ナイロン66 緯糸 210d×2 経糸 210d 綾織
心線; 材質 Kガラス 構成 3/13
心線接着層処理 RFL オーバーコート処理 有り
負荷耐久試験条件;
歯ピッチ8mm リンク数125 幅15mm プーリ歯数30T−30T 回転速度3000r/m
負荷トルク24N・m 取り付け張力226N
注水負荷耐久試験条件;
歯ピッチ8mm リンク数125 幅25mm プーリ歯数30T−30T 回転速度3000r/m
負荷トルク20.5N・m 取り付け張力382N 注水量1L/min SUSプーリ
Q12の歯付ベルトは従来エンジンカム−クランク駆動用途や通常一般産業用途に使用されて来た歯付ベルトとほぼ同等性能である。
本発明例であるQ13〜Q17はQ12に比べ、負荷耐久性能を1.7倍まで向上した。これは処理歯布の耐摩耗性と走行安定性の大きな向上とその処理(第3ゴム層)が心線に及ぼす両方の影響が大きいと考えられる。なぜなら、こういう一定負荷のかかる(負荷変動が少ない)試験の場合、ベルト歯面の摩耗において、ベルト歯底はほとんど摩耗されなくて歯元から側面にかけてが摩耗を受けやすい。ということは、取り付け張力の変化ではQ12、Q13両者においてはそんなに差は出ない筈であるが、Q12の方の取り付け張力は初期の20%まで緩んでQ13は66%程度保持している。
24Hr後のプーリの温度上昇を見てみると、Q12は61℃の上昇、Q13以降は49℃〜47℃と明らかにQ13以降の最外層処理での摩擦係数の低減化が効果を発揮している。その結果、処理自体の耐摩耗性の向上に加え、適正な噛み合い維持効果も併せてあるということと考えられ、これは心線自体の永久伸びがこの処理により低減されているということである。
Q14以降のベルト本体ゴム層も有機過酸化物架橋ゴムにおいては下がるどころかやや上昇している結果がでており心線自体はやや縮み方向に変化しているか、または停止後すぐの測定であり摩擦熱よりプーリが膨張して張力が上がったと考えられ、よって500Hr程度ではベルト自体の伸びや摩耗はほとんど無いことが解る。
Q13は硫黄架橋系、Q14以降は全て有機過酸化物架橋系であり、このことによりベルト本体ゴム側からの有機過酸化物の効果が心線全体に行き渡った結果、このように処理歯布の耐摩耗性の向上と更に心線自体の永久伸びが大きく押さえられ取り付け張力の安定化に寄与した結果、両効果から大幅に寿命も向上した。ベルトの重量変化もQ14以降のベルトではQ12に比べ1/4になっており、ゴム粉の飛散性も大幅に少なくなっている。
Q15はHNBRにZSCを高充填させた配合であるが、従来はZSCを高充填させた場合、ゴムの物性は大きく向上するが、他の複合素材と接着性が大きく低下することが難点であったが、この処理の歯布使用ではZSCの好物性を充分発揮できる結果となり、またそれらにEVA等のポリマーを混入してもなんら遜色のないベルト性能を付加できるといえる。
耐水性能に関してはQ12のみ歯欠け形態による故障で他は全て切断であった。Q12においては、第3ゴム層(接着層)の水の膨潤により処理歯布自体及びベルト本体ゴムとの接着部の強度低下が大きく、心線への水の影響による切断以前に歯欠けを起こしたと考えられ、対してQ13は処理歯布の強度低下が少なくかなり水分に対しての抵抗性を保持しているといえる。
Q14以降の有機過酸化物系はZSCの配合量が多いほど耐水寿命が低下する傾向にあったが、EVAとアロイ化することにより、耐水性能の向上を図ることができる。EVAを配合することで、耐油性能は落ちると考えられるが、耐油性があまり必要がなく、屋外等で使用される自転車駆動ベルトなどには好都合である。
以上のことより、本発明の処理歯布はHNBR硫黄系、HNBR有機過酸化物系、HNBR−ZSC系、HNBR−ZSC−EVA系を使用したベルト本体ゴム層と組み合わせ使用した場合、従来のベルト性能を向上させることができる。また帆布を淡色にしベルト本体ゴムも同じに黒色以外に着色することにより、歯布の摩耗限界の簡単な判別がし易くすることができる。
本発明の歯付ベルトの一部切欠断面斜視図である。 歯付ベルトの要部拡大断面図である。 歯付ベルトの一部切欠概略図である。 処理歯布の構成糸が平坦形状となる場合の説明図である。 処理歯布の構成糸が平坦形状とならない場合の説明図である。 帆布に配合ゴムをスプレッドする試料作成説明図である。 図6に示す試料から歯布剥離強度テスト用試料を作成する説明図である。 テスト用試料の歯布を引張試験器にて剥す剥離強度測定の説明図である。 心線剥離強度テスト用試料作成説明図である。 テスト用試料の心線を引張試験器にて剥す剥離強度測定の説明図である。 歯付ベルトの歯上部と歯底部の深さをデプスゲージで測定する態様の説明図である。 帆布の拡大写真であり、(A)は構成糸が平坦性のない状態を示し、(B)は構成糸が平坦性である状態を示す。 サイドスラスト力測定態様を示し、(A)はレイアウト図、(B)は歯付ベルトをプーリ長手方向に押圧移動する時の態様を示す一部切欠概略斜視図、(C)は歯付ベルト移動の説明図である。
符号の説明
1 歯付ベルト
2 心線
3 ベルト本体ゴム層
4 歯部
4a 歯上部
4b 歯側面部
4c 歯底部
5 ベルト本体
6 処理歯布
7 原帆布
8 ゴム組成物
9 第1層
10 第2ゴム層
11 第3ゴム層

Claims (19)

  1. 長手方向に複数の心線が埋設されたベルト本体ゴム層の少なくとも一方の表面に複数の歯部が形成され、該歯部の表面に処理歯布が被着された歯付ベルトにおいて、
    前記処理歯布が、ゴムを原帆布に含浸させた第1層と、該第1層の表面側に形成され歯付プーリと直に接触する第2ゴム層と、該第1層の裏面側に形成され前記ベルト本体ゴム層に接着される第3ゴム層とで構成され、
    前記第1層のゴムが、水素添加ニトリルゴムと、水素添加ニトリルゴムにメタクリル酸亜鉛を微分散させたポリマーアロイとを重量部95:5〜60:40の範囲で配合した混合物に、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、酸化チタン、チタン酸カリウム繊維及び単独でメタクリル酸亜鉛を配合すると共に、前記第3ゴム層に比べて架橋剤を増量して架橋密度を上げたゴム組成物からなり、
    前記水素添加ニトリルゴムはヨウ素価4〜56g、ポリマーアロイは100℃におけるムーニー値が70以上のものであることを特徴とする歯付ベルト。
  2. 前記第2ゴム層が、水素添加ニトリルゴムと、水素添加ニトリルゴムにメタクリル酸亜鉛を微分散させたポリマーアロイとを重量部95:5〜60:40の範囲で配合した混合物に、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、酸化チタン、チタン酸カリウム繊維及び単独でメタクリル酸亜鉛を配合したゴム組成物からなり、前記第3ゴム層に比べて架橋剤を増量して架橋密度を上げ、前記第1層にゴム組成物に比べポリテトラフルオロエチレンの配合量を増量してなり、
    前記水素添加ニトリルゴムはヨウ素価4〜56g、ポリマーアロイは100℃におけるムーニー値が70以上のものであることを特徴とする請求項1に記載の歯付ベルト。
  3. 前記第3ゴム層が、水素添加ニトリルゴムと、水素添加ニトリルゴムにメタクリル酸亜鉛を微分散させたポリマーアロイとを重量部99:1〜80:20の範囲で配合した混合物に、フェノール樹脂及び疎水性シリカを配合したゴム組成物からなり、前記第1層、第2ゴム層に比べて、前記ポリマーアロイ配合比率が同じか又は小さく、
    前記水素添加ニトリルゴムはヨウ素価4〜56g、ポリマーアロイは100℃におけるムーニー値が70以上のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯付ベルト。
  4. 前記ベルト本体ゴム層が、水素添加ニトリルゴム配合物であり、架橋系が硫黄架橋又は有機過酸化物架橋であるゴム組成物からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の歯付ベルト。
  5. 前記ベルト本体ゴム層が、水素添加ニトリルゴムと、水素添加ニトリルゴムにメタクリル酸亜鉛を微分散させたポリマーアロイとを重量部95:5〜5:95の範囲で配合されたゴム組成物からなり、
    前記水素添加ニトリルゴムはヨウ素価4〜56g、ポリマーアロイは100℃におけるムーニー値が70以上のものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の歯付ベルト。
  6. 前記ベルト本体ゴム層が、水素添加ニトリルゴムにポリメタクリル酸亜鉛を微分散させたポリマーアロイと、エチレン酢酸ビニル共重合体とを重量部95:5〜5:95で配合したゴム組成物からなり、
    前記ポリマーアロイは100℃におけるムーニー値が70以上のものであり、エチレン酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル量が40〜91%でかつ100℃のムーニー値が20〜70のものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の歯付ベルト。
  7. 前記ベルト本体ゴム層が、水素添加ニトリルゴムにポリメタクリル酸亜鉛を微分散させたポリマーアロイとエチレン酢酸ビニル共重合体とを重量部95:5〜5:95で配合した混合物と、水素添加ニトリルゴムとを重量部95:5〜60:40の範囲で配合したゴム組成物からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の歯付ベルト。
  8. 前記処理歯布が、ナイロン6、ナイロン66、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維等単独またはこれらの混繊糸で作成された原帆布で構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の歯付ベルト。
  9. 前記ポリテトラフルオロエチレンは、平均粒径が3〜10μmで表面積が2〜10m2/g、崩壊性をもった粉体状であり、前記混合物100重量部に対して40〜120重量部配合されていることを特徴とする請求項1に記載の歯付ベルト。
  10. 前記ポリテトラフルオロエチレンは、平均粒径が3〜10μmで表面積が2〜10m2/g、崩壊性をもった粉体状であり、前記混合物100重量部に対して80〜300重量部配合されていることを特徴とする請求項2に記載の歯付ベルト。
  11. 前記チタン酸カリウム繊維は繊維径0.05〜0.6μm、繊維長が1〜20μm、嵩比重が3〜4g/cm3であり、前記混合物100重量部に対して1〜50重量部の範囲で配合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯付ベルト。
  12. 前記フェノール樹脂は、アルキルフェノール変性、クレゾール変性、カシュー変性、純フェノール等のいずかであり、前記混合物100重量部に対して2〜50の重量部の範囲で配合されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の歯付ベルト。
  13. 前記疎水性シリカは、嵩比重が40〜230g/L、平均粒子径が0.5〜100μm、であり、前記混合物100重量部に対して5〜60重量部の範囲で配合されていることを特徴とする請求項3に記載の歯付ベルト。
  14. 前記単独で配合されるメタクリル酸亜鉛は、前記混合物100重量部に対して1〜50重量部の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯付ベルト。
  15. 前記増量される架橋剤としての有機酸化物の量は、第3ゴム層より0.5〜30重量部の範囲で多く配合され、該有機過酸化物としては、2.4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1.1−ジ−t−ブチルペロキシ3.3.5−トリメチルシクロヘキサン、2.5−ジメチル2.5−ジベンゾイルペロキシヘキサン、n−ブチル−4.4−ジ−t−ブチルペロキシバラレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルペロキシベンゾネート、ジ−t−ブチルペロキシジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2.5−ジメチル2.5−ジ−t−ブチルペロキシヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2.5−ジメチル2.5−ジ−t−ブチルペロキシヘキサン−3等が用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯付ベルト。
  16. 前記第1層における処理歯布のゴム組成物の付着量は、原帆布重量100に対して乾燥後の重量比が30〜80の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の歯付ベルト。
  17. 前記第2ゴム層における処理歯布のゴム組成物の付着量は、原帆布重量100に対して乾燥後の重量比2〜30の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の歯付ベルト。
  18. 前記第3ゴム層における処理歯布のゴム組成物の付着量は、原帆布重量100に対して乾燥後の重量比が30〜70の範囲である請求項3に記載の歯付ベルト。
  19. 前記第1層、第2ゴム層、第3ゴム層のゴム組成物に配合される白色顔料である酸化チタンには、ルチル型、アナターゼ型等が使用され、前記混合物100重量部に対して5〜40重量部の範囲で配合されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の歯付ベルト。
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