JP3103089B2 - 耐熱コイル - Google Patents

耐熱コイル

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JP3103089B2
JP3103089B2 JP02093521A JP9352190A JP3103089B2 JP 3103089 B2 JP3103089 B2 JP 3103089B2 JP 02093521 A JP02093521 A JP 02093521A JP 9352190 A JP9352190 A JP 9352190A JP 3103089 B2 JP3103089 B2 JP 3103089B2
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洋 橋本
正信 依田
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昭和電線電纜株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐熱コイルの改良に関し、くわしくは耐熱
性および絶縁特性を向上させた耐熱コイルに関する。
(従来の技術) 従来より、耐熱性に優れた電線として導体上にポリボ
ロシロキサン樹脂を初めとする有機金属ポリマーを主成
分とした塗料を塗布焼き付けて耐熱性の絶縁塗膜を形成
したものが使用されている。このような耐熱電線をコイ
ルに用いる際には、可撓性が優れた状態となるように上
記塗料をアンダーキュア状態に焼き付けた電線をコイル
巻き等によりコイル状に形成して加熱した後、全体を絶
縁塗膜形成用塗料と同様の塗料で含浸するという方法が
取られている(特開昭58−212114号公報参照)。
しかしながら、この様な従来の方法によるコイルにお
いては、含浸処理用ワニスで含浸する過程で該ワニス中
の溶剤が絶縁層に作用することがその原因となって、ア
ンダーキュア状態に焼き付けた絶縁塗膜の溶解やふくれ
が生じるのをまぬがれず従ってコイルの絶縁性を著しく
低下させるという問題を生じている。また、このような
絶縁層の溶解やふくれを極力少なくするために、含浸処
理前にコイル全体を加熱して絶縁塗膜を硬化させる工程
を経る方法も提案されているが、工程が複雑化し、生産
に時間がかかるという欠点が生じている。
(発明が解決しようとする課題) 以上の点に鑑みて、本発明はコイルの耐熱性を良好に
保持しながら、絶縁塗膜の溶解やふくれを防止し絶縁性
能を大幅に向上させ、また工程数の少ない生産性に優れ
る耐熱コイルを提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は即ち、導体上に、ポリボロシロキサン樹脂、
ポリカルボシラン樹脂、ポリシラスチレン樹脂、ポリチ
タノカルボシラン樹脂、ポリシラザン樹脂からなる群か
ら選ばれた一種または二種以上の樹脂と無機充填剤とを
溶剤に溶解または分散させた耐熱性電気絶縁塗料を導体
上に塗布焼き付けてなる絶縁電線をコイル状に形成し、
全体を含浸用塗料で含浸処理してなる耐熱コイルにおい
て、前記含浸用塗料は、400℃で24時間加熱したときの
重量減量が10重量%以下のオルガノポリシロキサン組成
物100重量部とマイカ100〜600重量部を主成分とするこ
とを特徴とする耐熱コイルに関する。
本発明の耐熱コイルに使用する絶縁電線は、以下に述
べる配合成分を溶剤に溶解または分散させてなる耐熱性
電気絶縁塗料を導体上に塗布焼き付けることにより製造
される。
即ち、ポリボロシロキサン樹脂、ポリカルボシラン樹
脂、ポリシラスチレン樹脂、ポリチタノカルボシラン樹
脂、およびポリシラザン樹脂は、主鎖にシラン、チタ
ン、硼素等の金属元素を有し、側鎖にメチル基、フェニ
ル基等の有機基が結合している耐熱性に優れたポリマー
で、公知のものを使用することができる。これらの樹脂
は単独あるいは二種以上を混合して用いることができ
る。
また、この塗料には得られる電線の耐熱性や絶縁特性
を向上させる目的で絶縁性無機充填剤を配合する。これ
らの絶縁性無機充填剤としては酸化マグネシウム、アル
ミナ、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化鉄、酸
化ホウ素、酸化クロム、酸化チタン、シリカ、マイカ、
タルク、チタン酸カリウム、酸化トリウム、酸化ウラ
ン、ケイ酸ジルコニウム等の酸化物系セラミックス、炭
化ケイ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、ホウ化チタ
ン、ホウ化ジルコニウム、窒化チタン、窒化ホウ素、窒
化アルミニウム、窒化ケイ素、ケイ化モリブデン等の非
酸化物系セラミックス、各種ガラス粉末などがあげら
れ、これらは単独あるいは混合して使用することができ
る。これらの絶縁性無機充填剤を塗料に添加する場合
は、前記樹脂分100重量部に対して5〜300重量部が望ま
しい。
そして本発明における耐熱性電気絶縁塗料は、上述の
成分をキシレン、トルエン、N−メチル−2−ピロリド
ン、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤やシリコーンオ
イルに溶解または分散させて撹拌するか、あるいは、予
め同様の溶剤に溶解または分散させて液状にしたものを
混合し充分撹拌することにより製造される。このように
して得られる耐熱性電気絶縁塗料は、室温では有機系の
塗料と同様の性状をしており取扱いやすく含浸処理や塗
布作業も容易である。そして含浸や塗布後に焼成を完了
させれば側鎖の有機基が脱離し、最終的には半ばセラミ
ック化して優れた耐熱性を奏する。
なお、本発明における耐熱性電気絶縁塗料には上述の
各成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲でその他
の公知の添加剤を配合することができる。
本発明における耐熱電線は、導体上に直接あるいは他
の絶縁層を介して上記耐熱性電気絶縁塗料を塗布し、コ
イル形成が可能な可撓性を持つ状態に焼成して製造す
る。
また、この時上記耐熱性電気絶縁塗料からなる絶縁塗
膜上に、ガラスやセラミックなどの無機質繊維やテープ
を巻回したり、あるいはこれらを上記耐熱性電気絶縁塗
料等によりあらかじめ含浸させてから巻回するなどし
て、無機質繊維巻線としても良い。
本発明の耐熱コイルは、上述のようにして製造した可
撓性のある耐熱電線をコイル芯上にコイル巻き等を行う
ことによりコイル状に形成し、次いで全体を以下に述べ
る含浸用塗料中に含浸し適宜加熱して含浸用塗料の層を
硬化させることにより製造される。
本発明における含浸用塗料は、400℃で24時間加熱し
たときの重量減量が10重量%以下のオルガノポリシロキ
サン組成物とマイカを主成分とし、これらを適宜溶剤に
溶解または分散させて使用する。このオルガノポリシロ
キサン組成物は、400℃の温度を保持しながら24時間加
熱しても分解や揮発分が少ないものであり、シリコーン
ワニス(塗料)の場合は溶剤を除いた塗料固化分がこの
ような加熱重量減量を有しているものであれば使用でき
るのであって、シリコーンワニスが溶剤型であるか無溶
剤型であるかを問わない。具体的には、オルガノポリシ
ロキサンの側鎖が100%メチル基のシリコーンワニス
(東芝シリコーン社製 商品名TSR127B、400℃×24時間
加熱後の重量減量9.8重量%)や常温液状のアルケニル
基含有オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサン(重量比約100:5)と無機質充填剤
(例えばシリカ、タルク、金属水和物等)とを混合して
なるシリコーンワニス(東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン社製 商品名AY49−208、400℃×24時間加熱後の重
量減量8.4重量%)等がある。後者(AY49−208)は、20
0℃以下の温度で加熱すると、まずアルケニル基含有オ
ルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンとが反応して架橋が進行しゴム状の硬化物とな
り、さらに続けて350℃以上の温度で加熱することによ
り、架橋したシリコーンポリマーの熱分解反応、熱分解
生成物と無機質充填剤との結合反応が進行し最終的には
固いセラミック状の硬化体が得られるものであり、耐熱
性などが特に良好である。
本発明の含浸用塗料においては、このような特定のオ
ルガノポリシロキサン組成物100重量部に対してマイカ
を150〜300重量部添加する。マイカを所定量添加するこ
とによってコイル製造後の含浸用塗料の硬化部分にクラ
ックが発生するのを大幅に防止することができ、また絶
縁電線との密着性が良好で剥離の発生が低減される。ま
た、添加量が300重量部を越えるとワニス粘度が高くな
り含浸処理が行いにくくなるので好ましくない。
(作用) 本発明の耐熱コイルは、上記の耐熱性電気絶縁塗料か
らなる絶縁塗膜を設けた絶縁電線を使用しているので電
線自体が非常に優れた耐熱性を有しており、また含浸処
理用塗料は400℃で24時間加熱したときの重量減量が10
重量%以下のオルガノポリシロキサン組成物とマイカと
からなるので、電線自体の有する耐熱性を低下させるこ
とがない。また、この含浸処理用塗料は含浸処理前に従
来行っていた加熱工程を省略しても絶縁電線の絶縁塗膜
に膨れや溶解等の悪影響を及ぼすことがなく、得られる
コイルの絶縁特性を大幅に向上させている。さらに含浸
処理用塗料を加熱硬化させた後に発泡が生じることもな
い。
(実施例) 本発明の実施例について説明する。
実施例1 ポリボロシロキサン樹脂と無機充填剤とをN−メチル
−2−ピロリドンに溶解した耐熱性電気絶縁塗料をニッ
ケル−銅導体上に塗布し可撓性のある状態に焼き付けた
耐熱電線(仕上がり直径1mm)をコイル芯上にコイル巻
きした。次いでこれを前述のAY49−208(樹脂分の400℃
×24時間加熱後の重量減量8.4重量%)の樹脂分100重量
部とマイカ100重量部とからなる含浸用塗料に含浸した
後、50℃×8時間加熱乾燥させて耐熱コイルを製造し
た。
得られた耐熱コイルの絶縁抵抗値と絶縁破壊電圧値
を、初期および400℃×72時間加熱後のそれぞれについ
て測定した。400℃×72時間加熱後のコイル外観とあわ
せて結果を表に示す。
実施例2〜4 表に示す割合で各成分を配合した含浸用塗料を用い、
その他は実施例1と同様にして耐熱コイルを製造した。
得られた耐熱コイルを実施例1と同様にして試験した。
結果を表に示す。
比較例1〜3 比較として、400℃×24時間加熱後の樹脂分の重量減
量が43.0重量%のシリコーンワニス(東芝シリコーン社
製 商品名 TSR116)を含浸用塗料として用いたもの
(比較例1)、含浸用塗料におけるマイカの配合量が過
少のもの(比較例2)、含浸用塗料においてマイカのか
わりにガラス粉末を配合したもの(比較例3)の例を示
した。得られたコイルを実施例1と同様にして試験し
た。結果を表に示す。
(発明の効果) 以上、本発明の耐熱コイルは、耐熱性を良好に保持し
ながら、絶縁電線の絶縁塗膜の溶解やふくれを防止して
絶縁性能を大幅に向上させるとともに、含浸塗膜にクラ
ックや剥離が発生するのを防止することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 27/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体上に、ポリボロシロキサン樹脂、ポリ
    カルボシラン樹脂、ポリシラスチレン樹脂、ポリチタノ
    カルボシラン樹脂、ポリシラザン樹脂からなる群から選
    ばれた一種または二種以上の樹脂と無機充填剤とを溶剤
    に溶解または分散させた耐熱性電気絶縁塗料を導体上に
    塗布焼き付けてなる絶縁電線をコイル状に形成し、全体
    を含浸用塗料で含浸処理してなる耐熱コイルにおいて、
    前記含浸用塗料は、400℃の温度で24時間加熱後の重量
    減量が10重量%以下のオルガノポリシロキサン組成物10
    0重量部とマイカ100〜600重量部を主成分とすることを
    特徴とする耐熱コイル。
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