JPH08227811A - 耐熱コイル含浸剤 - Google Patents

耐熱コイル含浸剤

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Publication number
JPH08227811A
JPH08227811A JP3061095A JP3061095A JPH08227811A JP H08227811 A JPH08227811 A JP H08227811A JP 3061095 A JP3061095 A JP 3061095A JP 3061095 A JP3061095 A JP 3061095A JP H08227811 A JPH08227811 A JP H08227811A
Authority
JP
Japan
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heat
silicone resin
impregnating agent
coil
binder
Prior art date
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Pending
Application number
JP3061095A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Suzuki
和則 鈴木
Kenji Asano
健次 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
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  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 400℃以上の高温下でも実用可能な耐熱コ
イル含浸剤を提供する。 【構成】 バインダーとフィラーを混合分散して成る耐
熱コイル含浸剤において、上記バインダーが、架橋単位
30%以上、側鎖のメチル基とフェニル基の割合が10
0:0〜80:20であるシリコーン樹脂としたことを
特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱コイル含浸剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】コイル含浸剤は、バインダーとフィラー
を混合分散するこにより得られ、コイルに含浸硬化する
ことにより、コイルの固着や電気絶縁性向上の用途に供
される。
【0003】一般的にコイル含浸剤のバインダーとして
エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シリコー
ン系樹脂などが用いられているが、これらバインダーか
らなるコイル含浸剤の耐熱性は高いものでH種(180
℃)クラスである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、原子
炉周辺機器、高温炉周辺機器、誘導加熱用等のコイルに
用いられるコイル含浸剤として、耐熱性の優れた、特に
400℃以上の高温下でも使用可能なものが要求される
気運にある。
【0005】しかしながら、上述したような従来のコイ
ル含浸剤のバインダーはその材料であるエポキシ系樹
脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂自体
の耐熱性が低く、これらバインダーから合成したコイル
含浸剤は400℃以上の高温下で使用することができな
い。そのため、バインダーに無機フィラーを混合して耐
熱性を向上させる方法も検討されているが、400℃以
上の高温下で使用すると、含浸剤塗膜に加熱減量による
割れが生じたり、有機成分のカーボナイズにより変色や
電気絶縁性能の低下が生じたりして、コイル含浸剤の本
来の機能であるコイルの固着、電気絶縁性能の向上が果
たせなくなるといった問題があった。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、400℃以上の高温下でも実用可能な耐熱コイル含
浸剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、バインダーとフィラーを混合分散して成る
耐熱コイル含浸剤において、上記バインダーが、架橋単
位30%以上、側鎖のメチル基とフェニル基の割合が1
00:0〜80:20であるシリコーン樹脂であること
を特徴とする耐熱コイル含浸剤である。
【0008】本発明においてシリコーン樹脂の架橋率を
30%以上としたのは、30%未満ではコイル含浸剤の
硬化性が悪く、通常行われる200℃程度の熱処理で硬
化しずらく、しかも耐熱性が劣り、400℃以上の高温
下では含浸剤塗膜に割れが生じやすい。
【0009】また本発明において、シリコーン樹脂の側
鎖のメチル基とフェニル基の割合を100:0から8
0:20としたのは、フェニル基が80:20の比率よ
り多くなると、400温度以上の高温でのバインダーの
加熱減量が大きくなり、このため、含浸剤塗膜に割れが
生じやすく、また、フェニル基のカーボナイズにより含
浸剤塗膜が変色し、電気絶縁性能が低下する。このよう
なシリコーン樹脂としては、信越化学株式会社のKR−
252,KR−253,KR−242Aなどがある。
【0010】また本発明においてシリコーン樹脂100
重量部に対して無機フィラーを20重量部以上としたの
は、20重量部以下では耐熱性が劣り、400℃以上の
高温下で含浸剤塗膜に割れが生じやすくなるためであ
る。
【0011】本発明で用いるフィラーは、例えば、マイ
カ、ガラスフリット、アルミナ、シリカなどあり、これ
らは単独で使用してもよくまたは、必要によりこれらを
混合しても良い。
【0012】本発明の耐熱コイル含浸剤は例えば、トル
エン、キシレンなどの有機溶剤に溶解あるいは分散して
用いる。また必要により、分散安定剤、増粘剤などを混
合しても良い。
【0013】
【作用】上記構成の耐熱コイル含浸剤は耐熱性を発揮
し、400℃以上の高温下においても、コイルを固着
し、電気絶縁性に優れた状態で使用することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を説明す
る。
【0015】(実施例1)架橋成分100%、側鎖のメ
チル基とフェニル基の割合が100対0であるシリコー
ン樹脂100重量部に対して、天然マイカA−2000
(日本マイカ(株)製)100重量部を固形分濃度が7
5%となるようにキシレンに分散混合することにより実
施例1の耐熱コイル含浸剤を得た後、この耐熱コイル含
浸剤について、その外観、絶縁抵抗、接着性を評価し
た。尚、これらの評価は以下に示す3つの試験により行
った。
【0016】(1)外観試験 この試験では、実際に原子炉周辺機器などに使用される
コイルの代わりにSUSの板を代用した。このSUS板
上に上記の耐熱コイル含浸剤を塗膜の厚さが200μm
となるように塗布し、80℃で30分加熱後、更に20
0℃で30分加熱することにより、塗膜を熱硬化させ
る。
【0017】熱硬化終了後、この試料の塗膜の外観試験
を行う。塗膜の様子を観察して、塗膜に割れや、変色な
どの異常がないかを目視によって確かめた。
【0018】次に400℃で6ケ月間、加熱を行い、
(以後これを熱処理Aとする)熱処理A終了後、再び外
観試験を行い、更に600℃で1週間加熱し、(以後こ
れを熱処理Bとする)熱処理B終了後再び外観試験を行
った。
【0019】(2)絶縁抵抗試験 この試験は、外観試験と並行して行った。つまり、外観
試験の試料を用い、熱硬化後、熱処理A終了後、熱処理
B終了後の計3回、直径50mmの電極を用いて100
V交流電流を印加した際の絶縁抵抗を測定した。
【0020】(3)接着力試験 接着力試験の試料には、直径0.6mmのSUSクラッ
ド銅線を用い内径6mm長さ70mmのヘリカルコイル
を作製し、このコイルに上記コイル含浸剤を浸漬後、2
00℃で30分間加熱し、熱硬化したものを用いた。接
着力試験は、この試料であるヘリカルコイルを支点間距
離44mm、座屈速度25mm/分として座屈力を測定
した。次にこの試料に熱処理Aを施し、再び接着力試験
を行う。試験後、更に熱処理Bを施して、再び接着試験
を行った。
【0021】(実施例2)バインダーの材料は架橋成分
50%、側鎖のメチル基とフェニル基の割合が100対
0であるシリコーン樹脂とした以外は実施例1と同様の
耐熱コイル含浸剤を得、上記3つの評価を行った。
【0022】(実施例3)バインダーの材料は架橋成分
100%、側鎖のメチル基とフェニル基の割合が80対
20であるシリコーン樹脂とした以外は実施例1と同様
の耐熱コイル含浸剤を得、上記3つの評価を行った。
【0023】(実施例4)バインダーとフィラーの比を
100重量部対20重量部とした以外は実施例1と同様
の耐熱コイル含浸剤を得、上記3つの評価を行った。
【0024】(比較例1)バインダーを、架橋成分20
%、側鎖のメチル基とフェニル基の割合が100対0で
あるシリコーン樹脂とした以外は実施例1と同様に耐熱
コイル含浸剤を得、上記3つの評価を行った。
【0025】(比較例2)バインダーを、架橋成分10
0%、側鎖のメチル基とフェニル基の割合が50対50
であるシリコーン樹脂、とした以外は実施例1と同様に
耐熱コイル含浸剤を得、上記3つの評価を行った。
【0026】(比較例3)バインダーとフィラーの比を
100重量部対10重量部とした以外は実施例1と同様
に耐熱コイル含浸剤を得、上記3つの評価を行った。
【0027】(比較例4)コイル含浸剤として日立化成
(株)製HS−212を用い、上記3つの評価を行っ
た。
【0028】
【表1】
【0029】この結果、表1からも明らかなように、本
発明に係る実施例1〜3の外観試験は、塗膜熱硬化後、
熱処理A終了後、熱処理B終了後のすべての段階におい
て異常はなく良好であった。絶縁抵抗(Ω)もすべての
段階において1012オーダーであり、安定した高い絶縁
性を有している。接着力試験の結果も、すべての段階に
おいて11Nと高い接着力を示した。但し実施例4の接
着力は熱処理A終了後、熱処理B終了後、で8Nと多少
劣化しているが、問題のないレベルであった。
【0030】これに対し、架橋単位が本発明の限定値以
下である比較例1は、熱硬化性が悪く、熱硬化処理後の
外観はベタついた状態であり、熱処理Aを施すと割れが
生じてしまった。絶縁抵抗も108 オーダーと絶縁性は
低く、接着力も3〜2Nと低い。
【0031】メチル基とフェニル基の割合が本発明の限
定値以下である比較例2は、熱硬化性は良く熱硬化後の
絶縁抵抗、接着力は良好であるが、熱処理Aを施すとバ
インダの加熱減量が大きくなり、塗膜に割れが生じ、フ
ェニル基のカーボナイズにより塗膜が変色し、絶縁抵抗
及び接着力も低下してしまった。
【0032】バインダーとフィラーの比が本発明の限定
値以下である比較例3は、熱硬化性は良く熱硬化後の絶
縁抵抗、接着力は良好であるが、熱処理Aを施すと、塗
膜に割れが生じ、絶縁抵抗は106 オーダーと非常に低
く、接着力も2〜0Nであり、ほとんど接着力はないに
等しい。
【0033】比較例4は熱硬化性は良く熱硬化後の絶縁
抵抗、接着力は良好であるが、熱処理Aを施すと、塗膜
は分解され、絶縁抵抗は106 オーダーと非常に低く、
接着力は0Nであり、接着力は全くなかった。
【0034】以上の試験結果から、本発明による耐熱コ
イル含浸剤は、400℃で6ケ月間の加熱及び600℃
で1週間の加熱を行っても電気絶縁性及び接着力の特性
低下は無く、良好であった。
【0035】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、400℃
以上の高温下でも、コイルを固着し、電気絶縁特性が低
下しない等といった優れた効果を発揮する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダーとフィラーを混合分散して成
    る耐熱コイル含浸剤において、上記バインダーが、架橋
    単位30%以上、側鎖のメチル基とフェニル基の割合が
    100:0〜80:20であるシリコーン樹脂であるこ
    とを特徴とする耐熱コイル含浸剤。
  2. 【請求項2】 上記シリコーン樹脂100重量部に対し
    て上記フィラーを20重量部以上混合したことを特徴と
    する請求項1の耐熱コイル含浸剤。
  3. 【請求項3】 上記フィラーが、マイカ、ガラスフリッ
    ト、アルミナ、シリカのいずれか、あるいはこれらの混
    合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の耐熱
    コイル含浸剤。
JP3061095A 1995-02-20 1995-02-20 耐熱コイル含浸剤 Pending JPH08227811A (ja)

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JP3061095A JPH08227811A (ja) 1995-02-20 1995-02-20 耐熱コイル含浸剤

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JP3061095A Pending JPH08227811A (ja) 1995-02-20 1995-02-20 耐熱コイル含浸剤

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JP (1) JPH08227811A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006080251A1 (ja) * 2005-01-27 2006-08-03 The Kansai Electric Power Co., Inc. 高耐熱電力用静止機器
JP2007315854A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Chugoku Electric Power Co Inc:The 歪測定装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006080251A1 (ja) * 2005-01-27 2006-08-03 The Kansai Electric Power Co., Inc. 高耐熱電力用静止機器
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