JP3022933B2 - 熱硬化型オリゴマー及びその製造方法 - Google Patents

熱硬化型オリゴマー及びその製造方法

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JP3022933B2
JP3022933B2 JP3168656A JP16865691A JP3022933B2 JP 3022933 B2 JP3022933 B2 JP 3022933B2 JP 3168656 A JP3168656 A JP 3168656A JP 16865691 A JP16865691 A JP 16865691A JP 3022933 B2 JP3022933 B2 JP 3022933B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な熱硬化性オリゴマ
ーに関する。更に詳しくは、特に耐熱性に優れ、また良
好な有機溶媒溶解性を示し、積層、成形用に最適な反応
性を有するポリイミドに関する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】熱硬化性樹脂は、注
型、含浸、積層、成形用材料として各種電気絶縁材料、
構造材料などに使用されている。近年、これらの各使用
用途において材料の使用条件はますます厳しくなり、特
に、材料の耐熱性は重要な特性になっている。耐熱性を
必要とする用途には、従来、熱硬化型ポリイミド樹脂や
耐熱性エポキシ樹脂が用いられている。その中で、熱硬
化型ポリイミド樹脂は、ビスマレイミド系化合物とジア
ミノジフェニルメタンとの組合せを主成分とするケルイ
ミドが使用されている〔藤沢松生、プラスチックス、第
34巻、第7号、75ページ、1983年〕。しかしな
がら、ポリイミドはその加工時に高温、長時間の加熱工
程を必要とする欠点を有している。また、アセチレン末
端停止型ポリイミドがサーミッドとして上市されている
〔ガルフR&D,特開昭53−119865等〕。しか
しながら、有機溶媒に対する溶解性が比較的低いため
に、プレプリグを作製するためにはジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミドなどの高沸点有機極性溶媒を
使用し樹脂を溶解しなければならず、その取扱の点で問
題を有していた。このようなポリイミドの問題点を解決
するために多くの樹脂改良法が提案されており、その中
で加工特性の点から種々のポリエステルイミド樹脂が提
案されている〔たとえば、USP3,182,073 号、4,757,118
号、4,362,861 号、3,852,246 号等あるいは特開平1
−123819、特開平1−163214、特開平2−
138341等〕。ところが、一般的にポリエステルイ
ミドはポリイミドより熱軟化点が低く樹脂流動特性に優
れるものの、耐熱性の点でポリイミドに劣ることが指摘
されている〔栗田恵輔ら、高分子加工、第37巻、第2
号、22〜26ページ(1989)〕。
【0003】また、同様なポリエステルイミドの合成法
としてはトリメリット酸無水物を出発モノマーとして塩
化パラトルエンスルフォン酸/ピリジン系反応溶媒を用
いて、エステル結合を有する新規な酸二無水物を同一系
内で合成した後、ジアミン等を導入することによって合
成する方法も知られている〔例えば、H.Tanaka et al.,
Proceedings/Abstracts of Third International Conf
erence on Polyimides. 65〜68 pp (1988)〕。しかし、
これらはポリマーフィルムとしての知見であり、積層材
用マトリックス樹脂として適用できるような熱硬化型あ
るいは光反応性を有するエステルイミドオリゴマーにつ
いての知見は全く報告されていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる実情に
鑑み、これらの技術的課題を解決すべく鋭意検討を重ね
た結果、本発明に到達したものである。即ち、本発明の
第1は、一般式(1)
【0005】
【化10】
【0006】(式中、R1 、R3 は2価の有機基、R2
は4価の有機基であり、R4 は熱架橋反応性を有する有
機基であり、R1 、R3 はそれぞれ同種であってもよ
く、異種であってもよい。Xは1〜30、Yは0〜30
の正の整数を表す。)で示される新規熱硬化型オリゴマ
ーを、
【0007】本発明の第2は、不活性ガス雰囲気中にて
反応系を室温以下に保ち、アプロティックな極性溶媒に
下記一般式(2)で示されるエステル基含有酸二無水
物、又は該エステル基含有酸二無水物と一般式(3)で
示される有機テトラカルボン酸二無水物
【0008】
【化11】
【0009】(式中、R1 は2価の有機基)
【0010】
【化12】
【0011】(式中、R2 は4価の有機基)を溶解した
溶液中に、アプロティックな極性溶媒に溶解した下記一
般式(4)で示されるジアミン
【0012】
【化13】H2N−R3−NH2 (4)
【0013】(式中、R3 は2価の有機基)を両末端停
止テレケリックなオリゴエステルアミック酸を得るに必
要な量を加えて反応させ、更に、アプロティックな極性
溶媒に溶解した一般式(5)で示される酸無水物
【0014】
【化14】
【0015】(式中、R4 は熱架橋反応性を有する有機
基)を加えて末端を停止させ、その後非溶媒を加えて共
沸下で熱的に閉環・脱水させることを特徴とする新規熱
硬化型オリゴマーの製造方法を、それぞれ内容とする。
【0016】本発明の新規熱硬化型オリゴマーの製造方
法について説明する。反応槽を十分に乾燥しアルゴン、
窒素などの不活性ガス雰囲気中、一般式(2)で示され
るエステル基含有有機テトラカルボン酸二無水物;
【0017】
【化15】
【0018】(式中、R1 は2価の有機基)又は該エス
テル基含有テトラカルボン酸二無水物と一般式(3)で
示される有機テトラカルボン酸二無水物;
【0019】
【化16】
【0020】(式中、R2 は4価の有機基)を極性有機
溶媒中に溶解させ、その溶液中に、一般式(4)で示さ
れる有機ジアミン化合物;
【0021】
【化17】H2N−R3−NH2 (4)
【0022】(式中、R3 は2価の有機基)を上記と同
一の極性溶媒に溶解させるか、又は粉体で発熱及び増粘
に注意しながら添加し、アミノ基末端のテレケリックな
オリゴマーを得る。この時の反応温度は、−15〜12
0℃の範囲が好適であり、好ましくは−15〜100
℃、更に好ましくは−15〜50℃が好適である。反応
時間は1〜5時間が好ましい。この反応液に、一般式
(5)で示される酸無水物;
【0023】
【化18】
【0024】(式中、R4 は熱架橋反応性を有する有機
基)を末端を停止するために添加し、新規熱硬化型オリ
ゴマーの前駆体である下記一般式(6)で示されるオリ
ゴエステルアミック酸を得る。
【0025】
【化19】
【0026】(式中、R1 、R2 は2価の有機基、R3
は4価の有機基であり、R4 は熱架橋反応性を有する有
機基であり、R1 、R3 はそれぞれ同種であってもよ
く、異種であってもよい。Xは1〜30、Yは0〜30
の正の整数を表す。)この時の温度は、0〜120℃が
好適であり、より好ましくは0〜100℃、更に好まし
くは40〜100℃である。反応時間は1〜5時間程度
が好ましい。
【0027】その後、オリゴエステルアミック酸溶液を
熱的に閉環、脱水させるために非溶媒を加えた後、還
流、共沸下にエステルイミドオリゴマーに変換する。こ
こで使用する非溶媒は、芳香族系炭化水素であるキシレ
ン、トルエンを使用できるが、好ましくは、トルエンを
用いるのがよい。反応は、共沸、留去する水をディーン
・スターク還流器を用いて反応理論量の水が集められる
まで還流させる。更には、化学的閉環法を併用すること
もできる。ここで使用する脱水閉環剤としては、例えば
無水酢酸などの脂肪族酸無水物、無水フタル酸などの芳
香族酸無水物、クロル酢酸などが挙げられる。また、脱
水触媒としては、例えばトリエチルアミン等の脂肪族第
3級アミン類、ピリジン、ピコリン類、イソキノリンな
どの複素環式第3級アミン類などが挙げられる。反応後
は、水あるいはアルコール系の溶媒中に激しく攪拌させ
ながらオリゴエステルイミド溶液を注ぐことでエステル
イミドオリゴマーをパウダーとして沈澱させる。パウダ
ーは濾過して集めた後、約80℃中、減圧下に48時間
乾燥させる。
【0028】本発明に用いられるエステル基含有テトラ
カルボン酸二無水物としては、あらゆる構造のエステル
基含有テトラカルボン酸二無水物が使用可能であるが、
これらは USP 3182073, ジャーナル・オブ・ポリマー・
サイエンス、Part 1, 1531 pp (1976)、特開平1−25
4631、特開平2−138341に開示されているご
とく、公知の技術で合成することもできる。すなわち、
アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気中、トリメリッ
ト酸クロリドを有機溶媒中に溶解させ、その溶液中に一
般式(7)
【0029】
【化20】HO−R1−OH (7)
【0030】(式中、R1 は2価の有機基)で表される
ジオールとアミン、有機溶媒を反応系の状態に注意しな
がら添加する。ここで反応副生成物の塩化水素の補足剤
として使用するアミンは、ピリジン、トリエチルアミン
等の第3級アミンが使用できるが、好ましくは、ピリジ
ンを用いるのがよい。また有機溶媒は、芳香族系炭化水
素であるキシレン、トルエンを使用できるが、好ましく
はトルエンを用いるのがよい。この時の反応温度は−1
5〜120℃の範囲が好適であり、より好ましくは0〜
100℃、更に好ましくは40〜100℃である。反応
時間は、1〜3時間が好ましい。その後、還流条件下で
エステル基含有酸二無水物に変換する。反応後は、反応
系を充分冷却し、沈澱している塩を濾別し、濾液を集め
て減圧下に溶媒を留去しエステル基含有酸二無水物の結
晶を得る。これを無水酢酸から再結晶を行い、結晶は8
0℃中で減圧下に48時間乾燥させる。
【0031】前記一般式(7)のR1 は2価の有機基で
あり、芳香族基であることが好ましい。このR1 基を具
体的に例示すると次のものを挙げることができ、これら
のうち少なくとも1種が選択される。
【0032】
【化21】
【0033】より具体的には、諸特性のバランス面か
ら、
【0034】
【化22】
【0035】の少なくとも1種類を主成分とすることが
好ましい。更に、本発明においてエステル基含有テトラ
カルボン酸二無水物と併用できる有機テトラカルボン酸
二無水物としては、あらゆる構造の有機テトラカルボン
酸二無水物の使用が可能であるが、一般式(3)のR2
基は4価の有機基であり、芳香族基であることが好まし
い。このR2 を具体的に例示すると次のものを挙げるこ
とができ、これらのうちの少なくとも1種が選択され
る。
【0036】
【化23】
【0037】
【化24】
【0038】これらの有機テトラカルボン酸二無水物を
単独又は2種以上組み合わせて用いてもよい。より具体
的には、諸特性のバランス面から、
【0039】
【化25】
【0040】の少なくとも1種類を主成分とすることが
好適である。また、本発明に用いられる一般式(4)で
表される有機ジアミン化合物中の2価の有機基R3 は本
質的には2価の有機基なら何でも使用可能であるが、具
体的には、下記のものが挙げられ、これらのうちの少な
くとも1種が選択される。
【0041】
【化26】
【0042】
【化27】
【0043】
【化28】
【0044】などを挙げることができるが、芳香族基が
望ましく、具体的には、
【0045】
【化29】
【0046】の少なくとも1種類以上を主成分とするこ
とが好適である。
【0047】末端停止用に本発明で使用される酸無水物
は、一般式(5)
【0048】
【化30】
【0049】で表され芳香族基であることが好ましく、
該芳香族酸無水物のR4 を例示すると、
【0050】
【化31】
【0051】等があるが、コスト、取扱いの点で、特に
好ましくは、
【0052】
【化32】
【0053】が用いられる。エステルイミドオリゴマー
溶液の生成反応に使用される有機溶媒としては、例え
ば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等の
スルホキシド系溶媒、N,N′−ジメチルホルムアミ
ド、N,N′−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド
系溶媒、N,N′−ジメチルアセトアミド、N,N′−
ジエチルアセトアミド等アセトアミド系溶媒等を挙げる
ことができる。これらを単独又は2種以上の混合溶媒と
して用いることもできる。更に、これらの極性溶媒とと
もに、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベ
ンゼン、メチルセロソルブ等のポリアミック酸の非溶媒
との混合溶媒として用いることもできる。
【0054】本発明に係る反応性を有するオリゴエステ
ルイミドが特に高い耐熱性を有することについての機構
は明確ではないが、アセチレンの熱硬化(熱的3量化)
によるベンゼン骨格形成、あるいはビフェニレンの熱硬
化によるテトラベンゾシクロオクタジエン骨格形成等に
よる芳香環の形成の効果であると考えられる〔例えば、
J.K.スティルら、マクロモレキュルズ、第19巻、第8
号、1985ページ、1986年〕。また、数平均重合
度〔DP;P.J.フローリー、Principles of Polyme
r Chemistry: Cornell University Press: Ithaca, NY,
91ページ、1953年〕をコントロールするために、
共重合比Xは1〜30,Yは0〜30、好ましくは1〜
15、更に好ましくは1〜10がよい。30を越える
と、有機溶媒に対する溶解性が落ちるという欠点が出
る。また、1未満となると、機械的強度の点で問題が出
る場合がある。
【0055】本発明の新規熱硬化型オリゴマーから硬化
物を得るに際し、必要に応じて公知のエポキシ樹脂やエ
ポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤、充填剤、難燃剤、補強
剤、表面処理剤、顔料、各種エラストマーなどを併用す
ることが出来る。
【0056】エポキシ樹脂とは分子中に2個以上のエポ
キシ(グリシジル)基を有する化合物であり、例示する
とビスフェノールA、ビスフェノールF、ハイドロキノ
ン、レゾルシン、フルルグリシン、トリスー(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、1,1,2,2,−テトラキ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等の2価あるいは
3価以上のフェノール類又はテトラブロムビスフェノー
ルAやブロム化ポリフェノール類から誘導されるノボラ
ックなどのハロゲン化ポリフェノール類から誘導される
グリシジルエーテル化合物、フェノール、オルトクレゾ
ール等のフェノール類とホルムアルデヒドの反応生成物
であるノボラック系エポキシ樹脂、アニリン、パラアミ
ノフェノール、メタアミノフェノール、4−アミノ−メ
タクレゾール、6−アミノ−メタクレゾール、4,4′
−ジアミノジフェニルメタン、8,8′−ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−ア
ミノフェノキシフェニル)プロパン、パラフェニレンジ
アミン、メタフェニレンジアミン、2,4−トルエンジ
アミン、2,6−トルエンジアミン、パラキシリレンジ
アミン、メタキシリレンジアミン、1,4−シクロヘキ
サン−ビス(メチルアミン)、1,3−シクロヘキサン
−ビス(メチルアミン)、5−アミノ−1−(4′−ア
ミノフェニル)−1,8,8−トリメチルインダン、6
−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,8,8−
トリメチルインダン等から誘導されるアミン系エポキシ
樹脂、パラオキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル
酸等の芳香族カルボン酸から誘導されるグリシジルエス
テル系化合物、5,5−ジメチルヒダントイン等から誘
導されるヒダントイン系エポキシ樹脂、2,2′−ビス
(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、2,2
−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピル)シクロヘキ
シル〕プロパン、ビニルシクロヘキサンジオキサイド、
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の
脂環式エポキシ樹脂、その他、トリグリシジルイソシア
ヌレート、2,4,6−トリグリシドキシ−s−トリア
ジン等の1種又は2種以上を挙げることができる。公知
のエポキシ硬化剤としては、芳香族アミンやキシリレン
ジアミン等の脂肪族アミン等のアミン系硬化剤、フェノ
ールノボラックやクレゾールノボラック等のポリフェノ
ール化合物、ヒドラジド化合物等が例示される。
【0057】硬化促進剤としてはベンジルジメチルアミ
ン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、1,8−ジアザビシクロウンデセン等のアミン
類や、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダ
ゾール化合物、三フッ化ホウ素アミン錯体等が例示でき
る。
【0058】機械的強度を改良するために公知のエラス
トマーの添加も効果的である。公知のエラストマーと
は、具体的には、以下のものを例示することができる。
【0059】
【化33】
【0060】上記記載のエラストマーは、Silastic (LS
-420)、Sylgard (184) はダウコーニング社から、ハイ
カー・ATBN (1300×16等)、CTB (2000 ×162)、CTBN
(1300×13, 1300×8, 1300 ×31)、VTBN (1300×23)
は株式会社宇部興産から、3Fはモンサントから購入で
きる。無機充填剤は、水不溶性で、絶縁性のものが用い
られる。その例としては、シリカ、アルミナ、ジルコニ
ア、二酸化チタン、亜鉛華などの金属酸化物、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、タ
ルク、カオリン、雲母、ワラストナイト、粘土鉱物等の
天然鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バ
リウム、燐酸カルシウム等の不溶性塩等がある。補強材
としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ベク
トラ等の液晶ポリエステル繊維、ポリベンゾチアゾール
(PBT)繊維、アルミナ繊維等からなる不織布、マット、
紙(ペーパー)あるいはこれらの組み合わせが例示でき
る。
【0061】
【実施例】次に、本発明をより具体的に実施例により説
明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも
のではなく、また、本発明はその趣旨を何ら逸脱しない
範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる修正、改良、
変更を加えた態様で実施し得るものである。
【0062】参考例1 1リットルの3口フラスコに、3方コック、ジムロート
還流冷却器及び滴下ロートを取り付けた。反応系を充分
乾燥、窒素置換したのち、42.1g(200mmol)の
トリメリット酸クロリドと250mlの乾燥トルエン(ナ
トリウムワイヤー上で乾燥)をフラスコ内に入れ、オイ
ルバスで100℃に加熱し、トリメリット酸クロリドを
溶解させた。滴下ロートに22.8g(100mmol)の
ビスフェノールAと20mlの乾燥ピリジン、100mlの
乾燥トルエンを入れ、反応系の状態に注意しながら15
分かけて滴下した後、そのまま30分反応させた。その
後還流下に3時間反応させた。反応終了後は反応系を充
分冷却した後、沈澱しているピリジニウム塩の白色沈澱
を吸引濾過にて濾別した。濾液を集めてエバポレーター
で減圧下に溶媒を留去したところ、57.2g(収率:
99%)の白色結晶が析出した。これを無水酢酸から再
結晶したところ、16.3gの目的化合物を得た。融点
は、190〜191℃(文献値192℃)であった。ま
た、得られた下記式
【0063】
【化34】
【0064】で示されるテトラカルボン酸二無水物の元
素分析値は、CHOとして 計算値(%): C;68.75 H;3.47 実測値(%); C;68.49 H;3.52 であり、スペクトルデータは、IR (KBr,cm-1)=3430,
2980, 1850, 1840, 1780, 1740, 1620, 1500, 1230, 11
70, 1100, 1050, 1020, 930, 900, 880, 720, 6201 H−NMR (acetone, ppm) δ=1.83(S, 6H,−CH3) 7.3 (m, 8H, Ph −H) 8.3 (m, 2H, Ph −H) 8.8 (m, 4H, Ph −H)
【0065】実施例1 1リットルの4口フラスコに、3方コック、ディーンス
ターク蒸留器、ジムロート還流冷却器、滴下ロート、シ
ーラムキャップを取り付けた。反応器を減圧下に乾燥さ
せ、充分窒素置換した後、参考例1で得られた下記式
【0066】
【化35】
【0067】で示される酸二無水物を5.77g(10
mmol)、乾燥ジメチルホルムアミド(以下DMFとい
う。)30mlを反応系に仕込氷冷した。次に、
【0068】
【化36】
【0069】で示されるジアミン5.84g(20mmo
l)を20mlのDMFに溶解させたものを、滴下ロート
に入れ発熱に注意しながら反応系に添加した。0℃で1
時間、60℃で0.5時間反応させた後、下記式
【0070】
【化37】
【0071】で示される芳香族酸無水物3.28g(2
0mmol)を10mlのDMFに溶解して反応系に加えた。
60℃0.5時間反応させた後、トルエン150mlを加
えた。還流下に45時間反応させ、トルエン共沸下に
0.70ml(理論値:0.72ml)の水を留去した。反
応後はメタノール500ml中に反応溶液を投入し、イミ
ドオリゴマーを沈澱させた。沈澱したオリゴマーは減圧
下に濾過し、真空中、80℃で48時間乾燥したとこ
ろ、13.08g(収率:92.3%)の淡黄色パウダ
ーとして得られた。このイミドオリゴマーを4.0g用
いて230℃、接触圧下、2.0時間プレス成型したと
ころ、12mm(幅)×12cm(長さ)×1.2mm(厚
さ)の注型板を得た。オリゴマーと注型板の各種物性測
定結果を表1及び表2に示す。
【0072】実施例2 芳香族酸二無水物(A)5.77g(10mmol)
【0073】
【化38】
【0074】芳香族酸二無水物(B)4.44g(10
mmol)
【0075】
【化39】
【0076】芳香族1級アミン3.28g(20mmol)
【0077】
【化40】
【0078】芳香族酸無水物3.28g(20mmol)
【0079】
【化41】
【0080】を用いて、実施例1と同様の条件で反応を
行い、エステルイミドオリゴマーを24.49g(収
率:90.6%)得た。上記エステルイミドオリゴマー
を4.0g用いて実施例1と同様の条件でプレス成型し
たところ、12mm(幅)×12cm(長さ)×1.2mm
(厚さ)の注型板を得た。オリゴマーとその注型板の各
種物性測定結果を表1及び表2に示す。
【0081】比較例1 市販のイミドタイプ熱硬化型オリゴマー4.5g用いて
230℃、10kg/cm2 、1.5時間プレス成形したと
ころ、12mm(幅)×12cm(長さ)×1.2mm(厚
さ)の注型板を得た。該イミドタイプ熱硬化型オリゴマ
ーとその注型板の各種物性測定結果を表1及び表2に示
す。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【発明の効果】本発明に係る反応性を有するエステルイ
ミドオリゴマーを使用することによって、高い樹脂流動
性による加工特性に優れ、且つ従来にない極めて高い耐
熱性を有する硬化物を得ることができる。更に、本発明
による反応性を有するエステルイミドオリゴマーは、優
れた機械的強度、寸法安定性、電気特性等を有する。特
に、溶剤に対する溶解性や他の物質との接着性や可撓性
に優れており、成形品にボイドやクラックが発生しにく
いポリエステルイミドを得ることができる。以上の如
く、本発明の反応性を有するエステルイミドオリゴマー
は、上記の如き数多くの特徴を有することから、積層
板、耐熱性塗料、電子デバイス用高分子材料、成形材料
等の幅広い用途に、極めて工業的価値の高い材料を提供
することができ、その有用性は極めて大である。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R3 は2価の有機基、R2 は4価の有機
    基であり、R4 は熱架橋反応性を有する有機基であり、
    1 、R3 はそれぞれ同種であってもよく、異種であっ
    てもよい。Xは1〜30、Yは0〜30の正の整数を表
    す。)で示される新規熱硬化型オリゴマー。
  2. 【請求項2】 R1 が下記の基から選択される少なくと
    も1種である請求項1記載のオリゴマー。 【化2】
  3. 【請求項3】 R2 が下記の基から選択される少なくと
    も1種である請求項1記載のオリゴマー。 【化3】
  4. 【請求項4】 R3 が下記の基から選択される少なくと
    も1種である請求項1記載のオリゴマー。 【化4】
  5. 【請求項5】 R4 が下記の基から選択される少なくと
    も1種である請求項1記載のオリゴマー。 【化5】
  6. 【請求項6】 不活性ガス雰囲気中にて反応系を室温以
    下に保ち、アプロティックな極性溶媒に下記一般式
    (2)で示されるエステル基含有酸二無水物、又は該エ
    ステル基含有酸二無水物と一般式(3)で示される有機
    テトラカルボン酸二無水物 【化6】 (式中、R1 は2価の有機基) 【化7】 (式中、R2 は4価の有機基)を溶解した溶液中に、ア
    プロティックな極性溶媒に溶解した下記一般式(4)で
    示されるジアミン 【化8】H2N−R3−NH2 (4) (式中、R3 は2価の有機基)を両末端停止テレケリッ
    クなオリゴエステルアミック酸を得るに必要な量を加え
    て反応させ、更に、アプロティックな極性溶媒に溶解し
    た一般式(5)で示される酸無水物 【化9】 (式中、R4 は熱架橋反応性を有する有機基)を加えて
    末端を停止させ、その後非溶媒を加えて共沸下で熱的に
    閉環・脱水させることを特徴とする新規熱硬化型オリゴ
    マーの製造方法。
  7. 【請求項7】 アプロティックな極性溶媒がジメチルホ
    ルムアミドである請求項6記載の製造方法。
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