JP2983616B2 - 耐熱積層材用化合物及び該化合物を用いた積層材の製造方法 - Google Patents

耐熱積層材用化合物及び該化合物を用いた積層材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性、耐湿性、保存安定性に優れた耐熱
積層材用化合物及びこれを用いた耐熱積層材の製造方法
に関する。
〔従来の技術と課題〕
近年、電子機器の発達は目ざましく、配線板として使
用される銅張積層板の使用も多種多様となり、かつ優れ
た特性のものが要求されている。とりわけ、電子部品の
高密度実装化による配線の高密度化にともない、配線板
の多層化、スルーホールの小径化が進みつつある。この
ため、ドリル加工時のスミア発生が少ない等、加工性の
良好な銅張積層板が求められている。一方、生産性の向
上、低コスト化の要請にともない、配線板の実装工程で
ホットエアーレベラーやリフローはんだ付け等、ますま
す厳しい加工条件が加えられている。これらの要求の中
で基板である銅張積層板の耐熱性、耐湿性はこれまで以
上に優れたものが求められるようになってきた。
これらの要求を満たすために、一般に銅張積層板用の
積層材として広く用いられているエポキシ樹脂に代わっ
て、近年、付加硬化型のポリイミド樹脂が利用されるよ
うになってきている。このポリイミド樹脂を銅張積層板
用積層板として用いた場合、ドリル加工時のスミアの発
生がほとんど無くなり、また、加工工程や長期試験での
耐熱性が格段に改良されるという利点を有することが知
られている。
しかし乍ら、従来用いられてきた付加硬化型のポリイ
ミド樹脂は以下に述べるような種々の問題点を有してい
た。即ち、不飽和ジカルボン酸のN,N′−ビスイミドと
ジアミノジフェニルメタンとを反応させたものは、積層
板用として優れたものであるが、反面、ジアミノジフェ
ニルメタンは反応性が高く、ワニスやプリプレグの可使
時間が短いという問題がある。更に、ジアミノジフェニ
ルメタンの生体への毒性が問題となることがある。ま
た、不飽和ジカルボン酸のN,N′−ビスイミドとジアミ
ノフェノールとを反応成分とするものは、積層板用とし
てバランスのとれた特性を示し、加工性も優れている。
しかし、耐湿性が劣るという問題点があり、例えば、得
られた積層板の長期保存には、吸湿に格別の注意を払わ
なければならなかった。
更に、不飽和ジカルボン酸のN,N′−ビスイミドアミ
ノ安息香酸とを反応させたものは、積層板用として好適
であるが、低沸点溶媒に対して溶解性が悪く、プリプレ
グ作成時のガラス布等への塗布に問題点を有し、更に、
樹脂溶液の保存にも注意しなければならない等の問題点
があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者はかかる実情に鑑み、これらの技術的課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達したも
のである。
即ち、本発明の第1は、一般式(1) (式中、Ar1,Ar3は2価の有機基、Ar2は4価の有機基で
あり、Ar4は熱架橋反応性を有する有機基であり、Ar1,A
r2,Ar3,Ar4はそれぞれ同種であってもよく、異種であっ
てもよい。また、X,Yは共重合比であり、Xは1〜30、
Yは0〜30の正の整数を表す。)で示される化合物を主
成分とすることを特徴とする耐熱性積層用化合物を、 本発明の第2は、上記化合物を有機溶剤に溶解してワ
ニス状樹脂組成物を調整し、次いで補強材を該ワニス樹
脂組成物で塗布・含浸させたのち所定の残溶剤濃度とな
るように乾燥してプリプレグを作成し、該プリプレグの
1枚又は2枚以上を2枚の銅箔の間に挟み、加熱加圧し
て一体成形することを特徴とする両面銅箔積層板の製造
方法を、 それぞれ内容とするものである。
本発明の耐熱積層材用化合物の製造方法について説明
する。
反応槽を充分に乾燥しアルゴン、窒素などの不活性ガ
ス雰囲気中、一般式(2)で表される有機ジアミン化合
物; H2N−Ar3−NH2 (2) (式中、Ar3は2価の有機基) を極性有機溶媒中に溶解させ、その溶液中に、一般式
(3)で表されるエステル基含有有機テトラカルボン酸
二無水物 (式中、Ar1は2価の有機基)又は該エステル基含有テ
トラカルボン酸二無水物と一般式(4)で表される有機
テトラカルボン酸二無水物; (式中、Ar2は4価の有機基) を上記と同一の極性溶媒に溶解させるか、又は粉体で発
熱及び増粘に注意しながら添加し、酸無水物基末端のテ
レケリックなオリゴマーを得る。この時の反応温度は、
−15〜120℃の範囲が好適であり、好ましくは−15〜100
℃、更に好ましくは−5〜50℃が好適である。反応時間
は、1〜5時間が好ましい。
この反応溶液に、一般式(5)で示される1級アミ
ン; H2N−Ar4 (5) (式中、Ar4は熱架橋反応性を有する有機基) を末端を停止するために添加し、新規熱硬化型オリゴマ
ーの前駆体である下記一般式(6)で示されるオリゴエ
ステルアミック酸を得る。
(式中、Ar1,Ar3は2価の有機基、Ar2は4価の有機基で
あり、Ar4は熱架橋反応性を有する有機基であり、Ar1,A
r2,Ar3,Ar4はそれぞれ同種であってもよく、異種であっ
てもよい。また、X,Yは共重合比であり、Xは1〜30、
Yは0〜30の正の整数を表す。) この時の温度は、0〜120℃が好適であり、より好ま
しくは0〜100℃、更に好ましくは40〜100℃である。反
応時間は1〜5時間程度が好ましい。
その後、オリゴエステルアミック酸溶液を熱的に閉
環、脱水させるために非溶媒を加えた後、還流、共沸下
にエステルイミドオリゴマーに変換する。ここで使用す
る非溶媒は、芳香族系炭化水素であるキシレン、トルエ
ン、ベンゼンを使用できるが、好ましくは、ベンゼンを
用いるのがよい。反応は、共沸、留去する水をディーン
・スターク還流器を用いて反応理論量の水が集められる
まで還流させる。更には、化学的閉環法を併用すること
もできる。ここで使用する脱水閉環剤としては、例えば
無水酢酸などの脂肪族酸無水物、無水フタル酸などの芳
香族酸無水物、クロル酢酸などが挙げられる。また、脱
水触媒としては、例えばトリエチルアミン等の脂肪族第
3級アミン類、ピリジン、ピコリン類、イソキノリンな
どの複素環式第3級アミン類などが挙げられる。反応後
は、水あるいはアルコール系の溶媒中に激しく攪拌させ
ながらオリゴエステルイミド溶液を注ぐことでエステル
イミドオリゴマーをパウダーとして沈澱させる。パウダ
ーは濾過して集めた後、約80℃中、減圧下に48時間乾燥
させる。
本発明に用いられるエステル基含有テトラカルボン酸
二無水物としては、あらゆる構造のエステル基含有テト
ラカルボン酸二無水物が使用可能であるが、これらはUS
P 3182073,ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス、
Part1,1531pp(1976)、特開平1−254631、特開平2−
138341に開示されているごとく、公知の技術で合成する
こともできる。
すなわち、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気
中、トリメリット酸クロリドを有機溶媒中に溶解させ、
その溶液中に一般式(7) HO−Ar1−OH (7) (式中、Ar1は2価の有機基)で表されるジオールとア
ミン、有機溶媒を反応系の状態に注意しながら添加す
る。ここで反応副生成物の塩化水素の補足剤として使用
するアミンは、ピリジン、トリエチルアミン等の第3級
アミンが使用できるが、好ましくは、ピリジンを用いる
のがよい。また有機溶媒は、芳香族系炭化水素であるキ
シレン、トルエンを使用できるが、好ましくはトルエン
を用いるのがよい。この時の反応温度は−15〜120℃の
範囲が好適であり、より好ましくは0〜100℃、更に好
ましくは40〜100℃である。反応時間は、1〜3時間が
好ましい。
その後、還流条件下でエステル基含有酸二無水物に変
換する。反応後は、反応系を充分冷却し、沈澱している
塩を濾別し、濾液を集めて減圧下に溶媒を留去しエステ
ル基含有酸二無水物の結晶を得る。これを無水酢酸から
再結晶を行い、結晶は80℃中で減圧下に48時間乾燥させ
る。
前記一般式(3)のAr1は2価の有機基であり、芳香
族基であることが好ましい。このAr1基を具体的に例示
すると次のものを挙げることができ、これらのうち少な
くとも1種が選択される。
より具体的には、諸特性のバランス面から、 の少なくとも1種類を主成分とすることが好ましい。
更に、本発明においてエステル基含有テトラカルボン
酸二無水物と併用できる有機テトラカルボン酸二無水物
としては、あらゆる構造の有機テトラカルボン酸二無水
物の使用が可能であるが、一般式(4)で示されるもの
が好ましい。一般式(4)のAr4基は4価の有機基であ
り、芳香族基であることが好ましい。このAr2を具体的
に例示すると次のものを挙げることができ、これらのう
ちの少なくとも1種が選択される。
これらの有機テトラカルボン酸二無水物を単独又は2
種以上組み合わせて用いてもよい。より具体的には、諸
特性のバランス面から、 の少なくとも1種類を主成分とすることが好適である。
また、本発明に用いられる一般式(2)で表される有
機ジアミン化合物中の2価の有機基Ar3は本質的には2
価の有機基なら何でも使用可能であるが、具体的には、
下記のものが挙げられ、これらのうちの少なくとも1種
が選択される。
などを挙げることができるが、芳香族基が望ましく、
具体的には、 の少なくとも1種類以上を主成分とすることが好適であ
る。
末端停止用に本発明で使用される一般式(5)で表さ
れる1級アミンのAr4を例示すると下記のものが挙げら
れ、これらのうち少なくとも1種が選択される。
などがあるが、コスト、取扱いの点で、特に好ましく
は、 が用いられる。
エステルイミドオリゴマー溶液の生成反応に使用され
るアプロティックな有機溶媒としては、例えば、ジメチ
ルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシ
ド系溶媒、N,N′−ジメチルホルムアミド、N,N′−ジエ
チルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒、N,N′−ジ
メチルアセトアミド、N,N′−ジエチルアセトアミド等
アセトアミド系溶媒等を挙げることができる。これらを
単独又は2種以上の混合溶媒として用いることもでき
る。更に、これらの極性溶媒とともに、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、ベンゼン、メチルセロソ
ルブ等のポリアミック酸の非溶媒との混合溶媒として用
いることもできる。好ましくは、ジメチルホルムアミド
(以下、DMFと記す)を用いることが生成するポリマー
の色調、収率の点から望ましい。
本発明に係る反応性を有するエステルイミドオリゴマ
ーが特に高い耐熱性を有する硬化物を与えることについ
ての機構は明確ではないが、アセチレンの熱硬化(熱的
3量化)によるベンゼン骨格形成、あるいはビフェニレ
ンの熱硬化によるテトラベンゾシクロオクタジエン骨格
形成等による芳香環の形成の効果であると考えられる
〔例えば、J.K.スティルら、マクロモレキュルズ、第19
巻、第8号、1985ページ、1986年〕。
また、数平均重合度〔DP;P.J.フローリー、Principle
s of Polymer Chemistry:Cornell University Press:It
haca,NY,91ページ、1953年〕をコントロールするため
に、共重合比Xは1〜30,Yは0〜30、好ましくはは1〜
15、更に好ましくは1〜10がよい。30を越えると、有機
溶媒に対する溶解性が落ちるという欠点が出る。また、
1未満となると、機械的強度の点で問題が出る場合があ
る。
本発明のエステルイミドオリゴマーから硬化物を得る
に際し、必要に応じて公知のエポキシ樹脂やエポキシ樹
脂硬化剤、硬化促進剤、充填剤、難燃剤、補強剤、表面
処理剤、顔料、各種エラストマーなどを併用することが
出来る。
エポキシ樹脂とは分子中に2個以上のエポキシ(グリ
シジル)基を有する化合物であり、例示するとビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、ハイドロキノン、レゾル
シン、フルルグリシン、トリス−(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、1,1,2,2,−テトラキス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン等の2価あるいは3価以上のフェノー
ル類又はテトラブロムビスフェノールAやブロム化ポリ
フェノール類から誘導されるノボラックなどのハロゲン
化ポリフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル
化合物、フェノール、オルトクレゾール等のフェノール
類とホルムアルデヒドの反応生成物であるノボラック系
エポキシ樹脂、アニリン、パラアミノフェノール、メタ
アミノフェノール、4−アミノ−メタクレゾール、6−
アミノ−メタクレゾール、4,4′−ジアミノジフェニル
メタン、8,8′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビ
ス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、パラフ
ェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、2,4−ト
ルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、パラキシリ
レンジアミン、メタキシリレンジアミン、1,4−シクロ
ヘキサン−ビス(メチルアミン)、1,3−シクロヘキサ
ン−ビス(メチルアミン)、5−アミノ−1−(4′−
アミノフェニル)−1,8,8−トリメチルインダン、6−
アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,8,8−トリメ
チルインダン等から誘導されるアミン系エポキシ樹脂、
パラオキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の
芳香族カルボン酸から誘導されるグリシジルエステル系
化合物、5,5−ジメチルヒダントイン等から誘導される
ヒダントイン系エポキシ樹脂、2,2′−ビス(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス〔4−(2,3
−エポキシプロピル)シクロヘキシル〕プロパン、ビニ
ルシクロヘキサンジオキサイド、3,4−エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート等の脂環式エポキシ樹脂、そ
の他、トリグリシジルイソシアヌレート、2,4,6−トリ
グリシドキシ−s−トリアジン等の1種又は種以上を挙
げることができる。
公知のエポキシ硬化剤としては、芳香族アミンやキシ
リレンジアミン等の脂肪族アミン等のアミン系硬化剤、
フェノールノボラックやクレゾールノボラック等のポリ
フェノール化合物、ヒドラジド化合物等が例示される。
硬化促進剤としてはベンジルジメチルアミン、2,4,6
−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−
ジアザビシクロウンデセン等のアミン類や、2−エチル
−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、三
フッ化ホウ素アミン錯体等が例示できる。
機械的強度を改良するために公知のエラストマーの添
加も効果的である。公知のエラストマーとは、具体的に
は、以下のものを例示することができる。
上記記載のエラストマーは、Silastic(LS−420)、S
ylgard(184)はダウコーニング社から、ハイカー・ATB
N(1300×16等)、CTB(2000×162)、CTBN(1300×13,
1300×8,1300×31)、VTBN(1300×23)は株式会社宇部
興産から、3Fはモンサントから購入できる。
また、難燃性付与のため難燃材、無機充填剤を適宜配
合することができる。
無機充填剤は、水不溶性で、絶縁性のものが用いられ
る。その例としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、
二酸化チタン、亜鉛華などの金属酸化物、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、タル
ク、カオリン、雲母、ワラストナイト、粘土鉱物等の天
然鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリ
ウム、燐酸カルシウム等の不溶性塩等があり、これらは
単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
補強材としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊
維、ベクトラ等の液晶ポリエステル繊維、ポリベンゾチ
アゾール(PBT)繊維、アルミナ繊維等からなる不織
布、マット、紙(ペーパー)あるいはこれらの組み合わ
せが例示できる。これらの補強材は、接着性付与のため
シランカップリング剤処理を併用することも効果的であ
る。
次に、代表的な塗布工程を例を挙げて説明する。上記
一般式(I)で表されるエステルイミドオリゴマーを所
定の樹脂濃度になるように所定量の有機溶剤で溶解・攪
拌することにより、均一なワニス状樹脂組成物を得る。
このようにして製造した樹脂組成物を、ガラス布、ガラ
ス不織布、ガラスペーパー等の補強材を塗布・含浸した
のち、熱風循環乾燥炉内で50〜250℃、好ましくは50〜2
00℃、更に好ましくは100〜200℃の温度範囲内で、所定
の残溶剤濃度になるように炉内滞留時間を設定・乾燥
し、耐熱性積層板用プリプレグを製造する。
使用される有機溶剤としては、例えば、ジメチルスル
ホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶
剤、N,N′−ジメチルホルムアミド、N,N′−ジエチルホ
ルムアミド等のホルムアミド系溶剤、N,N′−ジメチル
アセトアミド、N,N′−ジエチルアセトアミド等のアセ
トアミド系溶剤、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン等のエーテル系溶剤;アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン系溶剤等を挙げることができ
る。これらを単独又は2種以上の混合溶剤として用いる
こともできる。更に、これらの有機極性溶剤とともに、
メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコ
ール系溶剤、ベンゼン、メチルセロソルブ等との混合溶
剤として用いることもできる。
有機溶剤に溶解稀釈時の樹脂濃度は、プリプレグ時の
樹脂濃度との関係から5〜75重量%、好ましくは15〜65
重量%、更に好ましくは35〜65重量%の範囲で使用する
のが好ましい。プリプレグの残溶剤濃度は、残溶剤/樹
脂比計算で1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、更
に好ましくは1〜5重量%の範囲で調整するのが望まし
い。上記範囲よりも大きくなると、プリプレグ成形後の
積層板の機械特性が低いという問題が発生する。また、
上記範囲よりも小さいと、プリプレグ成形時に残存溶剤
が揮発するためボイドの発生が起こるという不都合があ
る。
次に、上記のようにして得られた耐熱性プリプレグを
用いて両面銅張積層板を作成する方法について説明す
る。希望する厚みになるように、銅箔及びプリプレグの
枚数を調整する。表面を鏡面仕上げした2枚のステンレ
スプレートの間に、所定の銅箔、プリプレグを挿入した
のち所定の時間・圧力下で加熱・加圧すれば両面銅張積
層板を作成することが出来る。また、機械的強度を向上
するためにアフターキュアを併用することも効果的であ
る。
〔実施例〕
次に、本発明をより具体的に実施例により説明する
が、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものでは
なく、また、本発明はその趣旨を何ら逸脱しない範囲内
で、当業者の知識に基づき種々なる修正、改良、変更を
加えた態様で実施し得るものである。
参考例1 1リットルの3口フラスコに、3方コック、ジムロー
ト還流冷却器及び滴下ロートを取り付けた。反応系を充
分乾燥、窒素置換したのち、42.1g(200mmol)のトリメ
リット酸クロリドと250mlの乾燥トルエン(ナトリウム
ワイヤー上で乾燥)をフラスコ内に入れ、オイルバスで
100℃に加熱し、トリメリット酸クロリドを溶解させ
た。滴下ロートに22.8g(100mmol)のビスフェノールA
と20mlの乾燥トルエンを入れ、反応系の状態に注意しな
がら15分かけて滴下した後、そのまま30分反応させた。
その後還流下に3時間反応させた。反応終了後は反応系
を充分冷却した後、沈澱しているピリジニウム塩の白色
沈澱を吸引濾過した。濾液を集めてエバポレーターで減
圧下に溶媒を留去したところ、57.2g(収率:99%)の白
色結晶が析出した。これを無水酢酸から再結晶したとこ
ろ、16.3gの下記構造式で示される目的化合物を得た。
下記式 実施例1 1リットルの4口フラストに、3方コック、ディンス
ターク蒸留器、ジムロート還流冷却器、滴下ロート、シ
ーラムキャップを取り付けた。反応器を減圧下に乾燥さ
せ、充分に窒素置換した後、下記式 で示されるジアミンを3.54g(10.0mmol)、乾燥ジメチ
ルホルムアミド(以下DMFという。)30mlを反応系に仕
込み氷冷した。
次に、参考例1で得られた下記式 で示される酸二無水物を11.53g(20.0mmol)DMFに溶解
させたものを、滴下ロートに入れ発熱に注意しながら反
応系に添加した。0℃で1時間、60℃で0.5時間反応さ
せた後、下記式 で示されるエチニルアニリン2.34g(20mmol)をDMFに溶
解して反応系に加えた。60℃0.5時間反応させた後、ト
ルエン200mlを加えた。
還流下に45時間反応させ、トルエン共沸下に0.6ml
(理論値:0.72ml)の水を留去した。反応後はメタノー
ル500ml中に反応溶液を投入し、イミドオリゴマーを沈
澱させた。沈澱したオリゴマーは減圧下に濾過し、真空
中、80℃で48時間乾燥したところ、14.88g(収率:89.1
%)の淡黄色パウダーとして得られた。
得られたエステルイミドオリゴマー165gを、DMF200g
に溶解(樹脂濃度;45重量%/DMF)した。20×20cmのガ
ラス布(WEA−18K105F117;(株)日東紡製)16枚に含浸
させた。熱風循環乾燥炉内で、120℃・90分乾燥させ、
樹脂濃度38.9重量%(ガラス布1枚当たり)、残溶剤濃
度4.2%のプリプレグを作成した。
こうして作成したプリプレグ8枚を電解銅箔(35μ
m、3EC;(株)三井金属工業製)2枚に挟みこみ180℃
・2時間・25kg/cm2の条件下で加熱・加圧一体成形して
板厚13mmの両面銅張積層板を得た。
実施例2 芳香族酸二無水物 11.53g(20mmol) 芳香族ジアミン 2.92g(10mmol) 芳香族1級アミン 2.34g(20mmol) を用いて、実施例1と同様の条件で反応を行い、エステ
ルイミドオリゴマーを14.50g(収率:90.2%)得た。
上記エステルイミドオリゴマーを165g用いて実施例1
と同様の条件で板厚9mmの両面銅張積層板を得た。
実施例3 芳香族酸二無水物(A) 5.77g(10mmol) 芳香族酸二無水物(B)4.44g(10mmol) 芳香族ジアミン 2.92g(10mmol) 芳香族1級アミン 2.34g(20mmol) を用いて、実施例1と同様の条件で反応を行い、エステ
ルイミドオリゴマーを13.16g(収率:89.2%)得た。
上記エステルイミドオリゴマーを165gを用いて実施例
1と同様の条件で板厚9mmの両面銅張積層板を得た。
実施例4 芳香族酸二無水物 11.53g(20mmol) 芳香族ジアミン 4.32g(10mmol) 芳香族1級アミン 3.34g(20mmol) を用いて、実施例1と同様の反応条件で行い、エステル
イミドオリゴマーを16.93g(収率:91.6%)得た。
上記エステルイミドオリゴマーを165g用いて実施例1
と同様の条件で板厚9mmの両面銅張積層板を得た。
実施例5 芳香族酸二無水物(A)5.77g(10mmol) 芳香族酸二無水物(B)3.52g(10mmol) 芳香族ジアミン 4.32g(10mmol) 芳香族1級アミン 3.34g(20mmol) を用いて、実施例1と同様の条件で反応を行い、エステ
ルイミドオリゴマーを15.05g(収率:92.7%)得た。
上記エステルイミドオリゴマー165gを用いて実施例1
と同様の条件で板厚9mmの両面銅張積層板を得た。
比較例1 市販のイミドオリゴマー165gを、DMF200gに溶解(樹
脂濃度;45重量%/DMF)した。20×20cmのガラス布(WEA
−18K105F117;(株)日東紡製)16枚に含浸させた。熱
風乾燥炉内で、120℃・80分乾燥させ、樹脂濃度38.9重
量%(ガラス布1枚当たり)、残溶剤濃度4.1%のプリ
プレグを作成した。
こうして作成したプリプレグ8枚を電解銅箔(35μ
m、3EC;(株)三井金属工業製)2枚に挟みこみ220℃
・2時間・25kg/cm2の条件下で加熱・加圧一体成形して
板厚13mmの両面銅張積層板を得た。
上記実施例1〜5及び比較例1で得られた銅張積層板
の物性を第1表に示した。
〔発明の効果〕 本発明の耐熱積層材用化合物は、耐湿性が高く保存安
定性に優れた耐熱積層板用プリプレグの製造を可能と
し、更に該プリプレグを用いて工業的価値の高い、耐湿
性及び耐熱性に優れた両面銅張積層板等の積層板の製造
を可能とするもので、その有用性は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 179/08 C09D 179/08 Z // C07D 209/48 H05K 1/03 630C H05K 1/03 630 630H C07D 209/48 Z B29K 101:10 105:06 C08L 79:08 (56)参考文献 米国特許4649189(US,A) J.Macromol.Sci.−C hem.,A28(7)(1991),pp. 633−640 Acta Polymerica,42 (2−3)(1991),pp.125−128 Revue Roumaine de Chimie,34(7)(1989),p p.1467−1472 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 73/06 - 73/22 C08L 79/04 - 79/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、Ar1,Ar3は2価の有機基、Ar2は4価の有機基で
    あり、Ar4は熱架橋反応性を有する有機基であり、Ar1,A
    r2,Ar3,Ar4はそれぞれ同種であってもよく、異種であっ
    てもよい。また、X,Yは共重合比であり、Xは1〜30、
    Yは0〜30の正の整数を表す。)で示される化合物を主
    成分とすることを特徴とする耐熱積層用化合物。
  2. 【請求項2】Ar1が下記の基から選択される少なくとも
    1種である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】Ar2が下記の基から選択される少なくとも
    1種である請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】Ar3が下記の基から選択される少なくとも
    1種である請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】Ar4が下記の基から選択される少なくとも
    1種である請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5に記載の化合物を有機溶剤
    に溶解してワニス状樹脂組成物を調整し、次いで補強材
    を該ワニス樹脂組成物で塗布・含浸させたのち所定の残
    溶剤濃度となるように乾燥してプリプレグを作成し、該
    プリプレグの1枚又は2枚以上を2枚の銅箔の間に挟
    み、加熱加圧して一体成形することを特徴とする両面銅
    箔積層板の製造方法。
  7. 【請求項7】ワニス状樹脂組成物の濃度が5〜75重量%
    である請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】プリプレグの残溶剤濃度が樹脂に対して1
    〜20重量%である請求項6又は7記載の製造方法。
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JP2001329246A (ja) * 2000-05-25 2001-11-27 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 耐湿特性が改良された接着剤用硬化性樹脂組成物、それより得られる硬化物およびその製造方法。

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Acta Polymerica,42(2−3)(1991),pp.125−128
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