JP3019877B2 - インクジェットプリンタの印字機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プリンタの印字機構に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のプリンタは、図３に示すように、
印字ヘッド９との間隙が管理されたプラテン２１に記録
紙１が接し、その面上で記録紙上にドット像を形成して
いた。また、インク滴を吐出して記録紙上にドット像を
形成するようなインクジェットプリンタに於いては、誤
って紙のない状態の時に印字してしまったり、インク滴
が印字ヘッド９からこぼれ出した場合には、プラテン２
１上の乾かずに残ったインクによって新たに挿入された
紙が汚れてしまうといった問題点を有していた。

【０００３】また、常温に於いて固体であるインクを溶
融液化して吐出するホットメルトタイプのインクを用い
た場合には、プラテン上に残ったインクは固化して、拭
き取りによって除去することは通常不可能で、新たに挿
入された紙がインクに妨げられて紙送り不可能な状態に
なるといった問題も有していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な問
題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、
誤って紙の無いところにインクが吐出してしまった場合
にも、以後に影響を及ぼさずに確実な出力を行うことが
できる印字機構を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はかか
る課題を達成するために、インク滴を吐出して記録媒体
上に入力情報に応じたドット像を形成する記録書込み手
段を備えたインクジェットプリンタの印字機構におい
て、この記録書込み手段の紙搬送方向上手側に紙搬送面
と同一高さをなす紙案内を設けるとともに、記録書込み
手段の紙搬送方向下手側に紙搬送面と同一高さをなす一
対の紙送りローラを配設して、紙案内と紙送りローラと
の間に記録媒体を懸渡して搬送しつつ記録書込み手段に
より記録媒体上に記録書込みを行うようにしたものであ
り、また、紙送りローラを支持する支持部材の紙搬送方
向上手側の面を、紙送りローラ相互のニップ部近傍に向
けて緩く傾斜させるようにしたものである。

【０００６】

【実施例】そこで、以下に示した実施例について説明す
る。

【０００７】図１は本発明の一実施例をなすプリンタの
印字機構の全容を示したもので、図２はその要部の詳細
を示した拡大図を示したものである。

【０００８】図中符号８は、図示しない左右のフレーム
に懸渡された２本のガイド軸６、７に沿って走行するヘ
ッドキャリアで、タイミングベルト５によって、駆動モ
ータ１１と連結され、駆動モータ１１の回転に伴って記
録紙１の幅方向に左右に移動する。ヘッドキャリア８に
は印字ヘッド９が記録紙１上にドット像を形成するよう
に配設されている。

【０００９】これに対してプリンタ本体の底フレーム２
２には、印字ヘッド９の紙搬送方向上手側に紙搬送面Ｌ
と同一高さをなす紙案内２が一段高く折曲げ形成され、
また、印字ヘッド９の紙搬送方向下手側には、紙搬送方
向上手側の面を紙搬送方向上手側に向けて緩い斜面とな
して紙送りローラ１４と紙押えローラ１５のニップ部近
傍にまで延長させた軸受け１８が立設されていて、ここ
には、紙押えローラ１５と協動して記録紙１を紙搬送面
Ｌに沿わせて搬送する紙送りローラ１４が軸支され、軸
端に固定したメイン歯車１３を介して紙送りモータ１２
に駆動されて回転するように構成されている。

【００１０】なお、図中符号３は紙案内２との間で記録
紙１を挟持する紙案内補助板を示しており、また符号１
９は、記録紙１を紙送りローラ１４に押圧すべく、紙押
えレバー１６を介して紙押えローラ１５に押圧力を作用
させる紙押えバネを示している。

【００１１】このように構成された装置において、い
ま、記録紙１を紙案内２に摺接させるようにして送り込
むと、記録紙１の先端は、紙搬送方向上手側の面を緩い
斜面となした軸受け１８に案内されて紙送りローラ１４
と紙押えローラ１５のニップ部に導かれ、そのまま両ロ
ーラ１４、１５の搬送作用を受けて緊張した状態で装填
される。そして、このじょうたいで記録紙１を搬送しつ
つ、記録紙１の面にインク滴を吐出させて記録書込みを
行うと、記録紙１はこれらの間で他物と接触することに
よって生じるビビリを起こすことなく円滑に搬送されな
がら、良好な記録書込み処理を受ける。

【００１２】他方、紙送りローラ１４と紙案内２との間
に記録紙１が送り込まれていない状態のもとで、万一印
字ヘッド９からインク滴が吐出されたような場合には、
吐出されたインク滴は、紙搬送面Ｌよりも下方に位置す
る底フレーム２２上にそのまま落下して、新たに記録紙
１が送り込まれた場合でも、記録紙１にインク滴が付着
することによって汚染されるといった事態は未然に防が
れる。

【００１３】印字面２０の裏側に空間をもたせるため
に、紙案内２の本実施例の構造の他の実施例として、紙
案内２を曲げ兼用しなくてもよいのはもちろんである。

【００１４】また、ホットメルトタイプのインクジェッ
トプリンタに於いては、そのインクの性質上印字ヘッド
周辺の構造物が高温になり、それに伴って記録紙も暖め
られてしまい、本来記録紙上に吐出されると冷却されて
固化するインクが、液状でいる時間が長くなるために記
録紙に染み込んで不鮮明なドット像になってしまうのに
対して、記録紙印字面裏側が空間になっていることによ
って、その空間によって記録紙が冷却され、鮮明なドッ
ト像が記録紙上に形成できる。

【００１５】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、記録
媒体を、記録書込み手段の紙搬送方向上手側に設けた紙
案内と下手側に設けた一対の紙送りローラとの間に懸渡
して搬送するようにしたので、搬送過程で他物との接触
によって記録媒体にビビリが生じるといった事態を皆無
となして常に良好な記録書込みを可能にするとともに、
記録書き込みによって例え記録媒体が膨潤したとして
も、この部分を記録媒体の背面側に逃がすことによって
記録書込み手段との接触を回避させることを可能とし、
さらには、記録媒体が送り込まれていない状態のもとで
万一インク滴を吐出させたような場合でも、空打ちされ
たインク滴によって記録媒体が汚染されるといった事態
をも未然に防止することができる。さらに、紙送りロー
ラを支持する支持部材の紙搬送方向上手側の面を緩い斜
面となして紙送りローラ相互のニップ部近傍にまで延長
させたので、記録書込み部にインク滴の付着を防ぐ空隙
を設けたにも拘りなく、送り込んだ記録媒体の先端を支
持部材の斜面に沿わせるようにして、記録媒体を両ロー
ラのニップ部へ自動的に装填させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す全体図。

【図２】同上装置の要部を示す拡大図。

【図３】従来技術を示す詳細図。

【符号の説明】

１ 記録紙 ２ 紙案内 ３ 紙案内補助板 ４ ベルト従動プーリ ５ タイミングベルト ６ ヘッドキャリアガイド軸Ｂ ７ ヘッドキャリアガイド軸Ａ ８ ヘッドキャリア ９ 印字ヘッド １０ タイミングベルト固定板 １１ 駆動モータ １２ 紙送りモータ １３ メイン歯車 １４ 紙送りローラ １５ 紙押えローラ １６ 紙押えレバー １７ 紙押えレバー支点軸 １８ 紙送りローラ軸受け １９ 紙押えバネ ２０ 記録紙印字面 ２１ プラテン

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インク滴を吐出して記録媒体上に入力情
   報に応じたドット像を形成する記録書込み手段を備えた
   インクジェットプリンタの印字機構において、 上記記録書込み手段の紙搬送方向上手側に紙搬送面と同
   一高さをなす紙案内を設ける一方、上記記録書込み手段
   の紙搬送方向下手側には紙搬送面と同一高さをなす一対
   の紙送りローラを配設して、上記紙案内と上記紙送りロ
   ーラとの間に記録媒体を懸渡して搬送しつつ上記記録書
   込み手段により記録媒体上に記録書込みを行うようにし
   た ことを特徴とするインクジェットプリンタの印字機
   構。
2. 【請求項２】 上記紙送りローラを支持する支持部材の
   紙搬送方向上手側の面を、上記紙送りローラ相互のニッ
   プ部近傍に向けて緩く傾斜させたことを特徴とする請求
   項１記載のインクジェットプリンタの印字機構。