JP3009646B2 - C−原子数4の炭化水素を気相酸化して無水マレイン酸にするためのシェル型触媒、その製法及びc−原子数4の炭化水素の気相酸化法 - Google Patents

C−原子数4の炭化水素を気相酸化して無水マレイン酸にするためのシェル型触媒、その製法及びc−原子数4の炭化水素の気相酸化法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、C4−炭化水素を
気相酸化して無水マレイン酸にするためのシェル型触媒
(Schalenkatalysator)の製法、飽和又は不飽和C4
炭化水素の気相酸化して無水マレイン酸にする方法での
このシェル型触媒の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】触媒的気相酸化によるC4−炭化水素か
らの無水マレイン酸(=MSA)の製造は、約20年前
から公知である。この場合には、燐酸バナジル(ピロ燐
酸バナジル、バナジウム−燐−酸化物)を基礎とする触
媒が使用される。この燐酸バナジルの製造は、触媒前物
質(前駆物質)を経て行なわれ、この前駆物質は2種の
反応手段で得られる:1.水性媒体中での製造、2.有
機溶剤中での製造。この前駆物質は、その後に、第2段
階で、成形前又はその後に、反応器中で(その場で)又
は外部で、実際に触媒的に活性の物質に変換される。
【0003】触媒に接してのC4−炭化水素の反応は、
様々なタイプの反応器中で行なわれる。固定床、渦動
層、同様に上昇管−反応器(Riser-Reaktor)を使用す
る場合には、常に前記の触媒が使用される。固定床反応
器中での使用のために、完全触媒、即ち触媒活性成分だ
けから成る触媒が使用される。この完全触媒は、多量の
活性物質を使用しなければならないという欠点をもたら
す。大抵は、成形体は圧縮された形態であるので、工業
的反応器中で高い圧力損失が生じ、このことは高められ
たエネルギー要求に繋がる。この欠点は、シェル型触媒
の使用によって克服することができる。更に、シェル型
触媒における物質量の少ないことによって、触媒中の局
所的温度上昇が明らかに減少することになる。それによ
って、触媒の選択性は肯定的に影響される。シェル型触
媒においては、不活性担体上の外被だけが活性成分から
成るので、これは物質要求の明らかな減少に繋がる。好
適な形(例えば、環状)の触媒担体を選択することによ
り、反応器中の圧力構成、同時に送風のために必要な出
力を減らすことができる。
【0004】欧州特許(EP−A)第72381号明細
書から、C4−炭化水素を気相酸化してMSAにするた
めのシェル型触媒の製法が記載されている。前駆物質の
製造のために、イソブタノール中のV25、酢酸ウラニ
ル及びH3PO4の溶液を、塩化水素の存在で加熱し、そ
れで得た前駆物質を水及びイソブタノールの留去によっ
て単離している。乾燥後に、か焼されていない前駆物質
を不活性担体上に塗布する。この塗布は、不活性担体物
質を第1段階で水で湿潤させ、続いて前駆物質を場合に
より少量づつ、必要な場合には更に水を添加して、バイ
ンダー(Binder)を使用せずに、塗布する方法で行なわ
れる。担体を水で湿潤させるので、水に対する一定の吸
収力を有する多孔性物質が使用される。この明細書の記
載によれば、使用可能な触媒の製造のために、被覆され
る成形体の重量に対して、50〜80重量%の塗布物質
含量が必要である。こうして得た物質の活性化又はか焼
は、担体上への前駆物質の塗布後に、空気中で400℃
の温度で16時間実施される。水性媒体中のか焼されて
いない担体を塗布するので、触媒活性が不充分であるこ
とが欠点である。
【0005】世界知的所有権機構(WO−A)第96/
25230号明細書に、MSA−合成のためのシェル型
触媒の製法が記載されていて、ここでは、前駆物質に、
水ではなく、有機溶剤及び任意にバインダーを加え、次
いで、担体上に塗布している。最後に、担体触媒をか焼
により、触媒的活性形に変える。この場合、このか焼
は、反応器中で(その場で)も、外部でも実施すること
ができる。この方法で製造された触媒は、活性成分0.
02〜0.4g/cm3(嵩容量)を含有する。この
際、活性成分の層厚は、0.1〜0.8mmである。有
機溶剤中でのか焼されていない担体の塗布の場合には、
水性懸濁液中での塗布の場合よりも、より活性の担体触
媒が得られることは判明した。それにしても、有機溶剤
の使用の場合には、蒸発の際に生じる、空気−溶剤−混
合物の爆発の危険による問題が生じることが欠点であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、有機溶剤中で
の前駆物質の塗布を回避することができ、水性懸濁液で
塗布する際に活性を減少することなしに、かつ可能な場
合にはむしろ収率上昇を達成することができる、気相酸
化による無水マレイン酸の合成のためのシェル型触媒の
製法を得るという課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、C4
炭化水素を気相酸化して無水マレイン酸にするためのシ
ェル型触媒の製法であり、この際、V/P比1:0.5
〜1:2及び平均バナジウム酸化度3.9〜4.5を有
する燐酸バナジル前駆物質を、水性又は有機性媒体中で
製造し、乾燥させ、水性懸濁液中で担体上に塗布するに
あたり、燐酸バナジル前駆物質を担体上に塗布する前
に、200〜500℃の温度への数段階の加熱によって
か焼させることを特徴とする。
【0008】前駆物質の製造は、自体公知の方法で、例
えば米国特許(US−A)第4132670号明細書、
欧州特許(EP−A)第72381号明細書又は西ドイ
ツ国特許(DE−A)第19645066号明細書に記
載された方法により行なわれ、そのこれに関する開示
は、本発明の部分である。そのために、バナジウム
(V)化合物を、燐(V)化合物の存在で、還元剤を用
いて、水相又は有機相中で還元させる。好適なバナジウ
ム(V)化合物は、例えば五酸化バナジウム、バナジウ
ムオキシドハロゲニド、例えばVOCl3、燐酸バナジ
ウム、メタバナジウム酸アンモニウム、バナジウムペン
タハロゲニド、例えばVCl5である。五酸化バナジウ
ムが有利に使用される。燐化合物としては、燐(V)化
合物、例えば燐酸、五酸化燐、五塩化燐又は過ハロゲン
化燐が好適である。燐酸が有利に使用される。
【0009】バナジウム(V)化合物及び燐(V)化合
物は、V/P−原子比1:0.5〜1:2、有利に1:
0.9〜1:1.3で使用される。還元剤対バナジウム
(V)化合物のモル比は、1:1〜2:1、有利に1:
1〜1.5:1である。
【0010】有機相中での製造の場合には、還元作用を
有する有機溶剤、有利にイソブタノールを使用するよう
にして行うのが有利である。場合により、付加的な還元
剤、例えばベンジルアルコール、亜燐酸又は塩化水素を
添加する。バナジウムの還元のために、バナジウム
(V)化合物、有利に五酸化バナジウムを有機相、例え
ばイソブタノール中で、有利に還元剤、例えばベンジル
アルコールと混合して懸濁させ、燐(V)化合物、例え
ばオルト燐酸の添加後に、数時間、例えば2〜20時間
還流下に加熱する。その際生じる反応水は、共沸混合物
として除去することができる。還元の終了後に、有機相
を、例えば蒸留により除去し、前駆物質を乾燥させる。
【0011】水相中での前駆物質の製造は同様に行なわ
れる。バナジウム(V)化合物、有利に五酸化バナジウ
ムを燐(V)化合物、有利にオルト燐酸及び還元剤、有
利に蓚酸と一緒に前以て装入し、数時間、有利に2〜2
0時間還流下に加熱する。還元の終了後に、水を、例え
ば蒸留により除去し、前駆物質を乾燥させる。
【0012】還元の終了後に、V/P−比1:0.5〜
1:2及び平均バナジウム酸化度3.9〜4.5を有す
る燐酸バナジウム前駆物質が生じる。この前駆物質を、
乾燥粉末形で、又は場合によっては成形後に、例えば錠
剤化又は顆粒化後に、か焼させることができる。
【0013】前駆物質の活性化は、自体公知の方法で、
酸化的か焼により、例えば世界知的所有権機構(WO−
A)第93/00166号明細書又は西ドイツ国特許
(DE−A)第19645066号明細書に記載された
方法により行なわれ、そのこれに関する開示は本発明の
部分である。酸化的か焼の際に、前駆物質を、例えば空
気循環炉中で、数時間、一般に2〜20時間、通例20
0〜500℃で空気中で加熱する。場合により、か焼
は、段階的に、異なる加熱率を適正に保ちながら、かつ
相的に、異なる雰囲気、例えば不活性ガス、有利に窒素
ガス又は水蒸気の存在で行うことができる。
【0014】担体の被覆のために、か焼された燐酸バナ
ジウムを水中に懸濁させる。必要な場合には、付加的な
機械的粉砕段階を実施することができる。ここで、完成
触媒の活性の調節のために、懸濁液に不活性充填剤を希
釈剤として添加することができる。この不活性充填剤
は、か焼前に既に乾燥前駆物質粉末に添加することもで
きる。ここで、希釈剤として、例えばSiO2、Ti
2、SiC、グラファイトが使用される。不活性充填
剤を添加する場合には、その割合は、か焼された前駆物
質に対して、一般に、0.5〜25重量%である。
【0015】場合により、懸濁液に、促進剤を、その水
溶性化合物の形で、例えば塩化物、炭酸塩、水酸化物又
は硝酸塩として添加することができる。そのために、促
進剤は選択的に、前駆物質の調製の際に既に、例えば還
元の間に、又はその後に添加することもできる。促進剤
元素として、例えば次のものを使用することができる:
Li、Fe、Mo、Cr、Ce、Zr、Co、Zn、
U、Bi。この際、促進剤は、個々の促進剤対Vの原子
比が、各々0.01:1〜0.1:1であるような量で
有利に添加される。促進剤の組合物を使用することもで
き、この際、使用される元素の合計対バナジウムの原子
比は、0.01:1〜0.1:1の範囲にあるべきであ
る。
【0016】懸濁液の内容物の均一な分配を保証するた
めに、懸濁液の強力な充分な混合に注意しなければなら
ない。この際、懸濁液の粘度は、被覆装置の要求に適合
しなければならない。こうして得られた懸濁液に、ここ
で、有機性バインダーを、有利に水性分散液の形で添加
する。好適なバインダーは当業者に公知である。ポリビ
ニルアルコール、ポリ酢酸ビニル又は酢酸ビニルとラウ
リン酸ビニル、エチレン又はアクリレートとのコポリマ
ー、並びにポリアクリレートが有利である。このバイン
ダーは、担体上での被覆の充分な付着に配慮する量で添
加される。一般に、懸濁液の固体含量に対して、バイン
ダー10〜20重量%の量が充分である。有機性バイン
ダーの含量の変化により、反応器中のバインダーの除去
後の被覆の多孔度は影響され得る(反応条件下でのバイ
ンダーの燃焼に基づき、バインダー含量が上昇に伴い、
多孔度は増加する)。孔の形成を促すために、場合によ
っては、他の有機化合物、例えばポリエチレングリコー
ル又はステアリン酸を添加することができる。
【0017】担体物質として、例えば酸化アルミニウ
ム、アルミン酸塩、炭化珪素、酸化珪素、珪酸塩、ステ
アタイト、ジュラナイト、磁器又は陶器が好適である。
担体は原則的に任意の形態及び表面構造を有していてよ
い。規則的に成形された、機械的に安定な形、例えば球
状物、環状物、鞍状物又は蜂巣状の又は有溝の担体、又
は技術的に公知の成形体から成るその他のものが有利で
ある。しかしながら、反応器中の触媒堆積による少ない
動圧を得るために、できるだけ大きな割合の開放容量を
有する構造、例えば環状物を有利に使用することができ
る。
【0018】担体の大きさは、主に触媒が使用される反
応器の寸法測定によって決定される。MSA製造の場合
には、一般に、管状−又は束管状反応器を使用する。従
って、担体の大きさは、反応管の内径によって決定さ
れ、内径の1/2〜1/10である。直径3〜10mm
の球、及び高さ1〜10mm、外径4〜10mm及び壁
厚1〜2mmの環状物が有利に使用される。
【0019】担体の被覆は自体公知の方法で行なわれ
る。被覆装置、例えば噴霧塗布機又は塗布ドラム中に担
体を入れた後に、懸濁で添加した水の蒸発を保証するた
めに、担体を、被覆に必要な温度、一般に50〜100
℃にする。この際、活性成分の塗布は、連続的に又は不
連続的に行なうことができる。連続的塗布が有利であ
る。懸濁化剤として水を使用するので、爆発防止及び有
機溶剤の除去のための手段は全く必要ない。
【0020】ここで、か焼された前駆物質を、場合によ
り促進剤及び希釈剤と混合して、被覆担体の総重量に対
して、20〜80重量%の活性成分の重量割合が達成さ
れるような量で、担体上に塗布する。
【0021】活性成分の塗布後に、こうして得られた成
形体を、MSAへのC4−炭化水素の変換のために、反
応器中に直接充填することができる。
【0022】本発明のもう1つの目的は、飽和又は不飽
和C4−炭化水素の気相酸化法により無水マレイン酸に
する方法で、本発明により製造されたシェル型触媒を使
用することである。
【0023】MSA製造の場合には、C4−炭化水素
を、酸素含有ガスと共に、本発明により製造した触媒の
存在で、有利に固定床反応器中で変換させる。慣用の固
定床反応器は、例えば、反応管であり、これは管束反応
器に統合されていて、熱交換媒体により包囲されてい
る。反応管は垂直に配置されていて、反応混合物によっ
て通過される。これは、熱交換媒体、触媒、出発物質及
び生成物に対して不活性の物質、一般に鋼鉄から成り、
一般に、長さ2000〜6000mm、内径10〜30
mm、壁厚1〜4mmを有する。熱交換媒体として、実
際に、共溶塩混合物、例えば硝酸カリウム及び亜硝酸ナ
トリウムから成る、塩化物不含の溶融物が有効である。
触媒は上部から反応管中に充填され、管底末端の付近に
取り付けられた保持装置によって固定される。
【0024】好適な出発物質は、飽和又は不飽和C4
炭化水素又はその混合物、例えばn−ブタン、1−ブテ
ン、2−ブテン(シス及びトランス)、1,3−ブタジ
エンである。n−ブタンが有利に使用される。しかし、
少なくとも4個の1列で存在するC−原子を有する他の
炭化水素、例えばペンタン又は(シクロ)ペンテンを使
用することもできる。反応ガスは、通例、酸素含有ガ
ス、有利に空気及びC4−炭化水素から成る混合物から
成り、この際、混合物中の炭化水素の割合は、0.5〜
10容量%、有利に1〜3容量%であってよい。反応温
度は、一般に300〜500℃である。反応混合物が反
応管中を垂直に通過し、ここで所望の反応が発熱的に進
行する。この際、反応混合物のガス速度は、1時間につ
き、触媒1容量当たり、500〜4000倍のガス量が
反応器に導入され、通過するように設定されている(G
HSV(gas hourly space velocity)=500〜40
00h-1)。反応生成物は反応器を出て、後続の保持系
(洗浄器、凝縮器)を通り、反応ガス流から除去され
る。所望の生成物MSAの他に、副生成物として、主に
CO、CO2及び痕跡量の酢酸及びアクリル酸が生じ
る。粗生成物を好適な方法(例えば蒸留)により精製す
る。
【0025】有利な1実施態様においては、本発明によ
り製造された触媒を充填した反応器に、250〜400
℃、有利に300〜350℃で、酸素含有ガス混合物を
導入する。酸素含有ガス混合物として、例えば空気又は
0.25〜2.0容量%、有利に0.5〜1.5容量%
の範囲のブタン濃度を有するブタン/空気混合物を使用
することができる。この際、ガス混合物の速度は、50
0〜4000h-1(即ち、ガス混合物(l)/時/充填
触媒(l))である。この導入相は、一般に数時間、有
利に0.5〜2時間を要する。続いて、MSA製造で慣
用の前記の反応条件を厳守して、更に反応を行なうこと
ができる。
【0026】本発明によるシェル型触媒の製法で、水を
使用する場合には、世界知的所有権機構(WO−A)第
96/25230号明細書によるか焼されていない前駆
物質を使用する際に認められるような、触媒の触媒活性
への否定的な影響を確認することはできない。同時に、
水性媒体中の活性成分を、担体上へ塗布することから生
じる利点は保持されたままである:懸濁化剤としての水
の使用により、塗布過程の間の取り扱いは明らかに簡素
化される。有機溶剤の使用の際にあるような、爆発の危
険は回避される。懸濁剤としての水の使用は、同時に、
経費及び環境の負荷の軽減に結びつく。公知技術水準の
方法で生じる溶剤蒸気の懸念もしくは燃焼はなくなる。
【0027】更に、公知技術水準の方法を使用する場合
には、か焼されていない物質で担体を被覆する際の担体
上への活性成分の付着性が、不可欠なか焼の際に、強く
影響されることが明らかである。このことは、か焼後の
被覆のより低い機械的安定性に結びつき、これは、強い
磨耗の故に、反応管へのバインダー不含触媒の充填を困
難にさせ、高められた圧力構成による反応器操作での問
題に繋がり得る。本発明による方法の使用により、これ
らの欠点を回避することができ、それというのも、活性
成分の塗布の前に、か焼が実施され、従ってバインダー
は反応器中への充填の際になお存在しているからであ
る。
【0028】更に特に驚異的にも、本発明による方法に
よる被覆の機械的安定性が、MSA合成の間のバインダ
ーの除去後にも、明らかに高められていることが判明し
た。従って、全操作時間に渡って、不活性担体物質上へ
の活性物質の良好な付着が保証されている。更に、反応
器を空にすることも容易になる。公知技術水準により製
造された触媒の場合には、本明細書に記載した触媒と違
い、被覆の磨耗による大きな粉塵負荷が現われる。
【0029】次の実施例につき、本発明を詳細に説明す
る: シェル型触媒の被覆の機械的強度の測定のための試験:
被覆の安定性を、次の実験経過により、バインダーを有
する、又はバインダーを含まない被覆成形体について測
定した:被覆された成形体20gを、垂直に固定した、
内径22mm及び長さ90cmのガラス管に移した。ガ
ラス管の底端をビーカーで結束的に閉鎖した。衝撃によ
って、付着に応じて、被覆の一部が成形体から剥落し
た。剥落した物質を慎重に分離することによって、成形
体の重量損失を測定した。この大きさを被覆の安定度も
しくは付着度の尺度として(磨耗重量%)使用した。測
定数として、当初量に対して、担体の試験の実施の際に
溶解した活性成分の割合が挙げられた。
【0030】シェル型触媒の触媒特性の測定:触媒の触
媒試験を次の方法で行なった:電気的加熱管状炉中で、
石英管(内径:19mm)中に、触媒成形体を長さ11
cmの嵩に積み上げた(嵩容量:31.2ml)。触媒
の秤量を記録した。更に、反応温度の測定を可能にする
ために、熱電対(Ni−CrNi)を触媒堆積物中に置
いた。ガス空気及びブタンの供給のために、ロタメータ
ー(Rotameter)もしくは物量流通−調整器(Fa.Brook
s、Typ:5850E)を利用した。この実験のために、空気
量600mln/分及びブタン濃度0.83容量%に相
応する、n−ブタン5mln/分及びガス速度1165
-1を使用した(mln=0℃、1バールで、標準状態
でのガス容量(ml))。生じた無水マレイン酸を、水
を満たした洗浄ビン中に、周知の時間に渡って収容し、
指示薬としてのフェノールフタレインを用いて0.1n
NaOHに対する滴定によって測定した。相応する弁
切換えによって、入口ガス混合物も、排ガスも、凝縮可
能な成分の除去後に、火炎イオン化検出器(=FID、umg
ebauter Gaschromatograph Hewlett-Packard HP 5890 I
I)を用いて分析し、それにより変換率を測定すること
ができた。次いで、時間毎の生成したMSA量及びブタ
ン量から収率を算出した。
【0031】変換率、収率及び選択率は次の表示で示
す: 変換率U[%]=Int(ein、C4)−Int(aus、C4)/Int(e in、C4) 収率A[モル%]=n(aus、MSA)/n(ein、C4) =0.5×消費量(0.1n NaOH/ml)/v/ein、C4)×t 選択度S[%]=A/U 使用記号の説明: Int(ein/aus、X):強度FID−信号入口
もしくは出口 n(ein/aus、X):入口もしくは出口での成分
Xのモル数 v(ein、C4):n−ブタンガス流(モル/時=c
(ein、C4)×v(ein、全) c(ein、C4)=0.83容量% v(ein、全)=27ミリモル/時=605mln
時 t=反応時間(時) 反応の際の容量変化は僅少の%の範囲で変動するので、
収率の計算は前記の式で実施することができる。
【0032】場合により生じる副生成物及びその濃度
は、洗浄水のイオンクロマトグラフィー分析により測定
することができる。試験経過の間、触媒堆積物が480
℃を越えないように注意し、さもないと、触媒の損傷が
気遣われるからである。触媒の評価のために、最高収率
が達成されるまで、炉の温度を変化させた。最高収率で
の温度及び変換率を記録した。
【0033】
【実施例】
シェル型触媒の製造 例1: 本発明によるMSAシェル型触媒の製造 イソ−ブタノール967ml(770g)及びベンジル
アルコール107ml(112g)から成る混合物に、
五酸化バナジウム100gを、冷時に、撹拌下で混合し
た。この混合物を還流温度(107℃)まで加熱し、こ
の条件下で3時間保持した。混合物が約20℃だけ冷却
した後に、106%の燐酸121.8gを添加し、続い
て新たに加熱還流させた。更に16時間の還流経過後
に、混合物を約50℃まで冷却させ、濾過した。そうし
て得られた青色の濾滓を150℃で10時間乾燥させ、
錠剤に打錠した。
【0034】か焼のために、錠剤を管状炉中に前以て装
入した。加熱過程の開始前に、炉に窒素50%及び空気
50%のガス混合物を供給した。ここで、一定のガス流
で、炉の温度を高め、4時間後に、150℃の温度が達
成するようにした。ここで、空気50%及び蒸気50%
からなるガス混合物が得られるように、ガス組成を変化
させた。ここで、10時間の経過の間に、温度を420
℃まで高め、そこで4時間保持した。この保持時間の経
過後に、か焼された前駆物質を、窒素ガス下で室温まで
冷却した。
【0035】か焼された前駆物質800gに、脱イオン
水2リットルを加え、1晩撹拌した。そうして得られた
懸濁液をガラス容器中に移し、ポリビニルアセテート分
散液(固体含量:50%)269gを加え、3.5リッ
トルまで充填し、1時間にわたって強力な撹拌によって
充分混合させ、0.5mmの篩に通した。
【0036】担体(4mmステアタイト球)800gの
充填及び被覆機(Fa.Glatt、Typ Uniglatt)の加熱後
に、懸濁液を4時間にわたって噴霧した。担体が室温ま
で冷却した後に、これを取り出した。
【0037】シェル型触媒1762gが得られた(触媒
I)。活性成分の塗布量は、バインダーの酸化的除去後
に、逆秤(Rueckwaage)により測定した。前記の実験
で、50重量%の活性成分(=活性物質)の含量が判明
した。磨耗強度及び触媒データは、前記の方法により測
定し、第1表に総括する。
【0038】例2: 本発明によるMSAシェル型触媒の製造(活性成分の割
合を変更した) 例1による錠剤形でか焼された前駆物質375gに、脱
イオン水1リットルを加え、1晩撹拌した。そうして得
た懸濁液をガラス容器に移し、ポリビニルアセテート−
分散液(固体含量:50%)126gを加え、2リット
ルまで充填し、1時間かけて、強力に撹拌によって充分
混合し、0.5mmの篩に通した。
【0039】担体(4mmステアタイト球)1kgの充
填及び被覆機(Fa.Glatt、Typ Uniglatt)の加熱後に、
懸濁液を2時間にわたって噴霧した。懸濁液の総量の塗
布後に、場合により導管中に残留する懸濁液の残分を除
去するために、装置を水で後洗浄した。担体が室温まで
冷却した後に、これを取り出した。
【0040】被覆された担体1454gが得られた(触
媒II)。活性成分の塗布量を例1と同様にして測定し
た。27.0重量%の活性成分(=活性物質)の含量が
判明した。
【0041】触媒の試験及び機械的特性の測定は前記の
ように行なわれる。結果を第1表に示す。
【0042】例3(比較例): 世界知的所有権機構(WO−A)第96/25230号
明細書の方法によるMSA−シェル型触媒の製造 燐酸バナジウム−前駆物質の製造を、還元工程及び乾燥
に関して、例1と同様にして行なった。シェル型触媒の
製造のために、担体(4mmステアタイト球)200g
を、筒状の回転容器中に加え、温空気流で50℃まで加
熱した。イソ−ブタノール300g中の触媒前駆物質2
00gの懸濁液を製造し、噴霧ピストルで担体の表面上
に塗布した。被覆された触媒を、ここで、次のか焼の工
程に送った。
【0043】か焼は、例1の方法と同様にして行なった
が、管状炉中に既に被覆されたシェル型触媒を前以て装
入した点で相違した。
【0044】こうして得られた触媒(触媒III)を、
前記の条件下で、その触媒効率を試験した。試験結果を
第1表に総括する。
【0045】被覆の機械的安定性を、同様に前記の方法
により、か焼されていない、か焼された及び使用された
触媒について調べた。そのデータを同様に第1表に示
す。
【0046】例4(比較例): 欧州特許(ER−A)第72381号明細書による方法
でのMSA−シェル型触媒の製造 燐酸バナジウム−前駆物質の製造を、還元工程及び乾燥
に関して、例1と同様にして行なった。被覆担体の重量
に対して、50重量%の活性成分の割合で担体を被覆す
るために、管状ガラス容器中で、ステアタイト球(直径
4mm)50gを蒸留水5gと混合した。水が担体上に
分配した後に、前駆物質50gを5回に分けて添加し
た。各々10gの添加後に、装置を各々もう10分間振
動保持させた。第2の分け前の添加後に、新たに10分
間作用させた水4gを新たに添加した。ここで、第3の
分け前の前駆物質の添加を行なった。粉末が完全に担体
によって取り込まれるために必要であるもう15分間の
後に、第4及び第5分け前の前駆物質を中間での水の噴
霧を伴って塗布した。第4の前駆物質−チャージの取込
のために、30分間が必要であり、第5の分け前の取込
のために40分間が必要であった。均一に被覆された担
体を110℃で16時間乾燥させ、続いて例1に記載し
た方法と同様にしてか焼したが、管状炉中には既に被覆
シェル型触媒を前以て装入した点が相違した。
【0047】触媒(触媒IV)の触媒効率及び機械的安
定性の測定は、前記の方法により実施した。全測定デー
タを第1表に総括する。
【0048】例5: 例1によるシェル型触媒の製造における促進剤の使用
(本発明による製造) a.)例1と同様にして製造され、か焼された前駆物質
500g(=V3.25モル)を、水750ml中に懸
濁させた。この混合物に、モリブデン酸アンモニウム
((NH42MoO4)12.74g(=Mo0.06
5モル)を加え、その溶解後に、この混合物に、ポリ酢
酸ビニル分散液(固体含量:50%)233.1gを加
え、均一に混合し、総容量3リットルになるまで充填し
た。この懸濁液を不活性担体(ステアタイトから成る4
mm球)上に塗布した。その被覆法は例1と同様であっ
た。
【0049】b.)例1と同様にして製造され、か焼さ
れた前駆物質500g(=V3.25モル)を、水75
0ml中で懸濁させた。この混合物に、炭酸リチウム
(Li2CO3)4.8g(=Li0.065モル)を加
え、a.)と同様にして、ポリ酢酸ビニル分散液23
3.1gと均一に充分混合し、3リットルまで充填し
た。被覆過程は、4mmステアタイト球を用いて、例1
と同様にして実施した。
【0050】c.)例1と同様にして製造され、か焼さ
れた前駆物質500g(=V3.25モル)を、水75
0ml中で懸濁させた。この混合物に、硝酸コバルト
(Co(NO32・6H2O)18.9g(=Co0.
065モル)を加え、a.)と同様にして、ポリ酢酸ビ
ニル分散液233.1gと均一に充分混合し、3リット
ルまで充填した。被覆過程は、4mmステアタイト球を
用いて、例1と同様にして実施した。
【0051】d.)例1と同様にして製造され、か焼さ
れた前駆物質500g(=V3.25モル)を、水75
0ml中で懸濁させた。この混合物に、硝酸クロム(I
II)(Cr(NO33・9H2O)26.0g(=C
r0.065モル)を加え、a.)と同様にして、ポリ
酢酸ビニル分散液233.1gと均一に充分混合し、3
リットルまで充填した。被覆過程は、4mmステアタイ
ト球を用いて、例1と同様にして実施した。
【0052】e.)例1と同様にして製造され、か焼さ
れた前駆物質500g(=V3.25モル)を、水75
0ml中で懸濁させた。この混合物に、酢酸亜鉛(Zn
(CH 3COO)2 ・2H2O)14.3g(=Zn0.
065モル)を加え、a.)と同様にして、ポリ酢酸ビ
ニル分散液233.1gと均一に充分混合し、3リット
ルまで充填した。被覆過程は4mmステアタイト球を用
いて例1と同様にして実施した。
【0053】例6: 例1によるMSAシェル型触媒の製造における希釈剤の
使用(本発明による) か焼された前駆物質500g、二酸化チタン(BET表
面積:8m2/g)100g及びポリ酢酸ビニル分散液
233.1gから懸濁液を製造した。懸濁液の総容量は
3lであった。被覆過程を4mmステアタイト球で実施
し、例1に記載したように行なった。
【0054】結果の解説:種々異なる触媒の機械的安定
性の比較の際に、本発明により製造した触媒は、公知方
法により製造した触媒を、使用前も、使用後も、凌駕す
ることが明らかである。即ち、慣用的に製造した触媒に
おいては、使用前に、か焼された状態で、活性成分1
2.5〜20重量%が失われ、一方で、本発明により製
造された触媒では、磨耗は確認されなかった。反応器中
での使用後に、本発明により製造した試料における磨耗
0〜3重量%に比べて、従来公知の製法については、1
2〜27重量%が認められた。
【0055】触媒効率の比較のために、触媒I及びIV
もしくはII及びIIIを相互に比較すべきである。触
媒の活性度は活性成分の量に依存するので関連付けはこ
のやり方で行う。従って、有意義な比較は、活性成分の
同様の含量を有する触媒の間でのみ可能である。活性物
質50重量%を有する触媒で、本発明により製造した系
は、欧州特許(EP−A)第72381号明細書による
水性被覆法により製造された触媒IVよりも明らかに高
い収率を示す(I:53モル%収率。IV:42モル%
収率)。触媒IVの悪い効率は、高い炉の温度でも、同
時に僅少な変換率で明らかである。
【0056】触媒II及びIIIの比較の際に、本発明
による製法が、世界知的所有権機構(WO−A)第96
/25230号明細書の方法(有機溶剤を用いて被覆)
に比べて、優れていることが明らかである。ここでも、
本発明による系の明らかに高い活性、より高い変換率及
びより少ない磨耗が明らかである。
【0057】実施した検査は、総括的に、本発明による
製法が、C4−炭化水素を酸化してMSAにするための
シェル型触媒の製造のための従来公知の方法を、機械的
安定性に関しても、触媒効率においても、明らかに優れ
ていることを示している。
【0058】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハンス−ユルゲン エーベルレ ドイツ連邦共和国 ミュンヘン アルフ レート−クービン−ヴェーク 44 (72)発明者 リヒャルト ボッシュ ドイツ連邦共和国 ゲルメリング ガン グホーファーシュトラーセ 10 (72)発明者 ラインハルト イェーリング ドイツ連邦共和国 ミュンヘン イェル クシュトラーセ 8 (56)参考文献 特開 昭58−36635(JP,A) 特開 昭53−9713(JP,A) 特開 平10−167711(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 C07B 61/00 300

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C−炭化水素を気相酸化して無水マレ
    イン酸にするためのシェル型触媒を製造する際に、V/
    P比1:0.5〜1:2及び平均バナジウム酸化度3.9
    〜4.5を有する燐酸バナジル前駆物質を水性又は有機
    性媒体中で製造し、乾燥させ、水性懸濁液中で担体上に
    塗布する場合に、燐酸バナジル前駆物質を、担体上に塗
    布する前に、200〜500℃の温度への数段階の加熱
    によってか焼させることを特徴とする、 −炭化水素
    を気相酸化して無水マレイン酸にするためのシェル型触
    [但し、X線回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)に
    おいて、回折角2θ(±0.2゜)が18.5゜、23.
    0゜、28.4゜、29.9゜及び43.1゜の主要ピー
    クを有し、かつ回折角2θ(±0.2゜)=23.0゜及
    び28.4゜のピークの強度比が0.3≦I(23.0)
    /I(28.4)≦0.7(ここで、I(23.0)及び
    I(28.4)は、それぞれ、回折角2θ(±0.2
    ゜)=23.0゜および28.4゜のピークの強度を表
    す)の範囲内にあるバナジウム−リン系酸化物を除く]
    の製法。
  2. 【請求項2】 か焼された燐酸バナジル前駆物質を、L
    i、Fe、Mo、Cr、Ce、Zr、Co、Zn、U、
    Biの水溶性化合物の群から成る1種以上の促進剤と混
    合して担体上に塗布する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 か焼された燐酸バナジル前駆物質を、S
    iO2、TiO2、SiC、グラファイトの群から成る1
    種以上の希釈剤と混合して担体上に塗布する、請求項1
    又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 か焼された燐酸バナジル前駆物質を、有
    機バインダーと混合して担体上に塗布する、請求項1か
    ら3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 か焼された燐酸バナジル前駆物質を、ポ
    リエチレングリコール又はステアリン酸と混合して担体
    上に塗布する、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 か焼された燐酸バナジル前駆物質を、被
    覆担体の総重量に対して活性成分20〜80重量%の重
    量割合が達成されるような量で担体上に塗布する、請求
    項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から6までのいずれか1項に記
    載の方法で得られる、C−炭化水素を気相酸化して無
    水マレイン酸にするためのシェル型触媒[但し、X−線
    回折スペクトル(対陰極Cu−Kα)における回折角2
    θ(±0.2゜)が18.5゜、23.0゜、28.4゜、
    29.9゜および43.1゜の主要ピークを有し、かつ回
    折角2θ(±0.2゜)=23.0゜および28.4゜の
    ピークの強度比が0.3≦I(23.0)/I(28.
    4)≦0.7(ここで、I(23.0)及びI(28.
    4)は、それぞれ、回折角2θ(±0.2゜)=23.0
    ゜および28.4゜のピークの強度を表す)の範囲内に
    あるバナジウム−燐系酸化物を除く]
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のシェル型触媒の使用下
    で、触媒を充填した反応器中で、飽和又は不飽和C4
    炭化水素又はその混合物を酸素含有ガスと混合して気相
    酸化させる場合に、炭化水素の割合は0.5〜3.0容
    量%であり、反応温度は300〜500℃であり、1時
    間につき、触媒1容量当たり500〜4000倍のガス
    混合物を反応器に導通させることを特徴とする、飽和又
    は不飽和C4−炭化水素又はそれら混合物を気相酸化す
    る方法。
  9. 【請求項9】 触媒を充填した反応器に、前段階で、3
    00〜350℃の温度で、酸素含有ガス混合物を入れ
    る、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 酸素含有ガス混合物として、空気又は
    0.25〜2.0容量%の範囲のブタン濃度を有するブ
    タン/空気−混合物を使用する、請求項9に記載の方
    法。
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