JP2695480B2 - メタクリル酸製造用触媒およびその製造方法 - Google Patents

メタクリル酸製造用触媒およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、メタクリル酸製造用触媒およびその製造方
法に関し、詳しくはメタクロレイン、イソブチルアルデ
ヒド、イソ酪酸あるいはこれらの混合物から気相接触酸
化反応あるいは気相接触酸化脱水素反応によってメタク
リル酸を製造するための酸化触媒およびこの酸化触媒の
製造方法に関する。
(従来技術) メタクロレインなどの気相接触酸化反応によってメタ
クリル酸を効率よく製造するために種々の改良触媒が提
案されている。これら改良は、主として触媒を構成する
成分およびその比率の選択にかかわるものであるが、な
かには触媒物性の特定化や触媒調製法に関するものもあ
る。
触媒自体の比表面積、細孔容積、細孔径などの触媒物
性についての提案はいくつかあるものの、得られる触媒
はその性能面において不十分であり、いまだ満足すべき
水準にあるものは見出されていない。
例えば特開昭49−116022号公報および特開昭50−3771
0号公報には、触媒比表面積は、それぞれ、0.01〜5m2/
gおよび0.01〜50m2/gの範囲が好ましいと記載されてい
る。しかし、比表面積を上記範囲に特定した触媒でも、
反応温度が高かったり、あるいはメタクリル酸の選択率
が低く、工業的に必ずしも満足のいくものではない。
比表面積と細孔容積とに関するものとして、特公昭54
−13876号公報には、比表面積を4〜20m2/g、細孔容積
を0.08〜0.5ml/gとし、リン、モリブデンおよびX(こ
こで、Xはタリウム、周期律表IA属およびII属金属のな
かから選ばれる少なくとも1種の金属を表す)を必須成
分とする触媒を転動式造粒機で成形する方法が開示され
ている。しかし、この公報の実施内容をみるかぎり反応
温度が高く工業触媒としては満足のいくものではない。
一方、触媒調製法に関しては、特に成型触媒の場合、
強度が充分高くなく、耐摩耗性も劣るといった問題があ
るため、これら問題を解決するものとして担持型触媒が
提案されている。例えば、特開昭52−153889号公報、特
開昭53−50116号公報、特開昭57−32734号公報、特開昭
56−37050号公報、特開昭60−48143号公報および特開昭
59−12758号公報には、このような担持型触媒が開示さ
れている。しかし、これら公報には、触媒活性物質の担
持方法として、その前駆体を予め焼成し、粉砕してから
担持させる方法などが開示されるほかは、担体の物性の
特定化あるいは薬液の調製方法が開示されているにすぎ
ない。
メタクロレイン、イソブチルアルデヒドまたはイソ酪
酸、あるいはこれらの2種以上の混合物の気相接触酸化
反応あるいは気相接触酸化脱水素反応によりメタクリル
酸を製造する反応は発熱量が著しく大きい発熱反応であ
り、触媒活性物質層における蓄熱が大きい。特にホット
スポットと呼ばれる局所的異常高温部では過度の酸化反
応により収率が低下するのみならず、熱負荷による触媒
の劣化によって触媒寿命が短くなるという問題が生じ
る。従って、触媒活性物質層における蓄熱を低減せしめ
生成メタクリル酸の逐次反応を押さえることがメタクリ
ル酸を高収率、高選択率で製造するために望ましいこと
である。このためには、触媒活性物質層の薄層化が必要
であるが、従来のメタクリル酸製造用触媒の調製に用い
られてきた含浸担持法や浸漬担持法によっては、触媒活
性物質層を不活性担体上に形成することが困難であった
り、あるいは形成しても簡単に剥離してしまうという問
題がある。
また、メタクリル酸製造用触媒としては、その工業的
実施に際しては、触媒強度などが問題となり、耐摩耗
性、耐剥離性などに優れた触媒が望ましい。しかし、従
来の含浸担持法や浸漬担持法によっては強固な触媒活性
物質層を形成することが困難であり、工業的に満足のい
くメタクリル酸製造用触媒は得られていない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の一つの目的は、メタクリル酸を高収率、かつ
高選択率で生成するメタクリル酸製造用触媒を提供する
ことである。
本発明の他の目的は、メタクリル酸生成反応における
蓄熱を低減し、生成メタクリル酸の逐次反応を抑えると
ともに熱負荷による劣化を防止したメタクリル酸製造用
触媒を提供することである。
本発明の他の目的は、耐摩耗性、耐剥離性などの機械
的強度に優れ工業的実施に好適なメタクリル酸製造用触
媒を提供することである。
本発明の他の目的は、上記メタクリル酸製造用触媒を
再現性よく、かつ効率よく製造する方法を提供すること
である。
(課題を解決するための手段) 本発明者らの研究によれば、(1)不活性担体に特定
の触媒活性物質層を担持し、しかもこの触媒活性物質層
を薄層化すること、(2)不活性担体への触媒活性物質
層の担持およびこの触媒活性物質層の薄層化は従来のメ
タクリル酸製造用触媒の調製に用いられてきた含浸担持
法や浸漬担持法に代わる新規な焼付担持法によって達成
できること、(3)この焼付担持法によれば特定範囲の
比表面積、細孔容積および細孔径を有する触媒活性物質
層が得られ、このような特定な比表面積、細孔容積およ
び細孔径を有する触媒を使用するとメタクリル酸を高収
率、かつ高選択率で製造できることなどを知り、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、不活性担体および該不活性担体
に下記触媒活性物質層を、下記方法により担持してなる
メタクリル酸製造用触媒に関する。
[触媒活性物質層] (組成) 下記式(I): MoaPbAcBdCeDfOx (ここで、Moはモリブデン、Pはリン、Aはヒ素、アン
チモン、ゲルマニウム、ビスマス、ジルコニウム、セリ
ウムおよびセレンから選ばれる少なくとも1種の元素、
Bは銅、鉄、クロム、ニッケル、マンガン、コバルト、
スズ、銀、亜鉛、パラジウム、ロジウムおよびテルルか
ら選ばれる少なくとも1種の元素、Cはバナジウム、タ
ングステンおよびニオブから選ばれる少なくとも1種の
元素、Dはアルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリ
ウムから選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素を表
し、a、b、c、d、e、fおよびxはそれぞれMo、
P、A、B、C、DおよびOの原子比を表し、a=12の
とき、b=0.5〜4、c=0〜5、d=0〜3、e=0
〜4、f=0.01〜4であり、xはそれぞれの元素の酸化
状態によって定まる数値である)で表される酸化物から
なる。
(担持量) 担体100ml当り5〜100gである。
(物理的特性) 次の物理特性を有する。
比表面積=1〜20m2/g 細孔容積=0.1〜1ml/g 細孔径分布= 1〜10μmの範囲の細孔 20〜70% 0.5〜1μm未満の範囲の細孔 3〜20% 0.1〜0.5μm未満の範囲の細孔 20〜70% (全細孔容積に対する容量割合) [方法] 上記式(I)で表される酸化物の各元素成分を含有す
る化合物を混合し、さらに必要に応じて加熱してスラリ
ーまたは溶液を調製し、該スラリーまたは溶液を不活性
担体に噴霧した後、焼成する。
さらに、本発明は、上記式(I)によって表される酸
化物の各元素成分を含有する化合物を混合し、さらに必
要に応じて加熱してスラリーまたは溶液を調製し、該ス
ラリーまたは溶液を不活性担体に噴霧した後、焼成する
ことを特徴とする上記メタクリル酸製造用触媒の製造方
法に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のメタクリル酸製造用触媒は、不活性担体とこ
の担体上に担持せしめた触媒活性物質層とからなる。不
活性担体としては、炭化ケイ素、シリカ、α−アルミ
ナ、シリカ−アルミナ、チタニア、その他耐火物など一
般に使用されている公知のものを使用することができ
る。不活性担体の形状については特に制限はなく、球
状、ペレット状あるいはリング状などいずれでもよい。
特に、直径が3〜10mm程度の球状担体、外径が3〜10mm
程度で長さが外径の0.3〜1.7倍程度のペレット状担体あ
るいはリング状担体が好適に使用される。
上記触媒活性物質層は前記式(I)で表される酸化物
からなる。この触媒活性物質層は、触媒の出発原料とし
ての、前記式(I)の酸化物の元素成分、Mo、P、A、
B、CまたはDを含有する化合物を混合し、さらに必要
に応じて加熱してスラリーまたは溶液を調製し、このス
ラリーまたは溶液を不活性担体に噴霧した後、焼成する
ことによって形成される(以下、この触媒活性物質層の
形成法を「焼付担持法」という)。
触媒の出発原料としての上記各元素成分を含有する化
合物には特に制限はなく、各元素成分を含有する、酸化
物あるいは焼成によって酸化物を生成する化合物であれ
ばいずれも使用することができる。焼成によって酸化物
を生成する化合物としては、例えば水酸化物、金属酸、
硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、酢酸塩、ギ酸塩など
を挙げることができる。
例えば、モリブデン含有化合物の具体例としては、三
酸化モリブデン、パラモリブデン酸アンモニウム、モリ
ブデン酸、リンモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸
などを挙げることができる。リン含有化合物の具体例と
しては、オルトリン酸、メタリン酸、亜リン酸、リン酸
第1アンモニウム、リン酸第2アンモニウムなどを挙げ
ることができる。
なお、上記元素成分を2以上含有する化合物も使用す
ることができる。
本発明の焼付担持法によれば、まず上記各元素成分を
含有する化合物を媒体に添加、混合し、さらに必要に応
じて加熱してスラリーまたは溶液を調製する。上記媒体
としては、通常、水を使用するが、アルコール、アセト
ンなどの有機溶剤も使用することができる。
上記スラリーまたは溶液には、触媒活性物質層の比表
面積、細孔容積および細孔径分布を再現性よく制御する
ために、あるいは粉体結合剤として硝酸アンモニウム、
セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、ステア
リン酸などを添加してもよく、また触媒の粉化度を小さ
くするためにウイスカーやガラス繊維なども添加するこ
とができる。
なお、上記スラリーまたは溶液はそのまま使用するこ
とができるが、一旦このスラリーまたは溶液を濃縮、乾
固した後、乾燥、焼成、粉砕して得た粉体を再度水に分
散または溶解させて使用することもできる。
上記スラリーまたは溶液における触媒の出発原料など
の固形分濃度は通常50〜500g/lである。
本発明の焼付担持法によれば、次に上記スラリーまた
は溶液を不活性担体に噴霧して担持層を形成する。この
担持層の形成は、例えば外部から加熱可能な回転炉中で
行うのが好ましい、すなわち、100〜400℃、好ましくは
100〜250℃に保持した回転炉中に不活性担体を入れて、
この温度に不活性担体を予熱した後、回転炉を回転させ
ながら噴霧器などの手段によりスラリーを不活性担体に
噴霧して均一な厚みの担持層を形成する。
本発明の焼付担持法によれば、最後に、上記担持層
を、必要に応じて乾燥した後、200〜600℃、好ましくは
300〜500℃で空気気流中ないしは窒素気流中で焼成し
て、前記式(l)で表される酸化物からなる触媒活性物
質層を形成する。
上記焼成後の不活性担体への触媒活性物質の担持量
は、通常、担体100ml当り5〜100gであり、特に10〜50g
の範囲が好適である。5g未満では触媒活性物質層が薄す
ぎて触媒活性が低下し、一方100gを超えると触媒活性物
質層が厚くなって本発明の目的とする薄層化を達成する
ことができない。
上記のようにして得られるメタクリル酸製造用触媒の
うち、特に触媒活性物質層の比表面積、細孔容積および
細孔径分布が下記特定範囲にある触媒が好適である。
比表面積=1〜20m2/g 細孔容積=0.1〜1ml/g 細孔径分布= 1〜10μmの範囲の細孔 20〜70% 0.5〜1μm未満の範囲の細孔 20%以下 0.1〜0.5μm未満の範囲の細孔 20〜70% 本発明における触媒活性物質層の比表面積は、全自動
表面積測定装置4−ソーブ(湯浅アイオニクス(株)
製)によって測定したものであり、1〜20m2/g、好まし
くは3〜15m2/gである。比表面積が1m2/g未満では触媒
活性が低すぎ、一方10m2/gを超えるとメタクリル酸の選
択率が低下するため好ましくない。
細孔容積は、水銀圧入式ポロシメーター(オートポア
9200型、島津製作所(株)製)を用いて求めたものであ
り、0.1〜1ml/g、好ましくは0.2〜0.8ml/gである。細孔
容積か0.1ml/g未満では、触媒活性が低すぎ、一方1ml/g
を超えるとメタクリル酸の選択率が低下するのみなら
ず、耐摩耗性、耐剥離性といった機械的強度の面からも
好ましくない。
細孔径分布は、上記細孔容積の測定に使用したと同じ
水銀圧入式ポロシメーターを用いて求めた。1〜10μm
の範囲の細孔径を有する細孔が占める容積は、全細孔容
積の20〜70%、好ましくは25〜50%であり、0.5〜1μ
m未満の範囲の細孔径を有する細孔が占める容積は、全
細孔容積の20%以下、好ましくは15%以下であり、また
0.1〜0.5μm未満の範囲の細孔径を有する細孔が占める
容積は、全細孔容積の20〜70%、好ましくは40〜65%で
ある。
通常、細孔径が小さい細孔は、比表面積や細孔容積へ
の寄与は大きいが、メタクリル酸製造の活性や選択率の
点から細孔径の小さい細孔の割合が大きくなるだけでは
不十分であり、1〜10μmという比較的大きい径の細孔
が共存することによって触媒性能も向上するのである。
すなわち、触媒活性物質層の比表面積、細孔容積およ
び細孔径分布を同時に上記特定範囲に調整することによ
って、本発明の目的が一段と効果的に達成されるのであ
る。
本発明の焼付担持法によれば、このような特定範囲の
比表面積、細孔容積および細孔径分布を有する触媒活性
物質層を容易に形成することができる。さらに、本発明
の焼付担持法によれば、このような特定範囲の比表面
積、細孔容積および細孔径分布を有する触媒活性物質層
を再現性よく形成できることから、性能の均一な触媒の
製造が可能となる。
本発明のメタクリル酸製造用触媒を用いて、メタクロ
レイン、イソブチルアルデヒドまたはイソ酪酸、あるい
はこれらの混合物を気相酸化してメタクリル酸を製造す
る場合、その実施に際しての装置、条件などについては
特に制限はない。すなわち、反応条件についていえば、
気相接触酸化または気相接触酸化脱水素反応によるメタ
クリル酸の製造に一般に用いられている条件下で実施す
ることができる。
例えば、1〜10容量%のメタクロレイン、イソブチル
アルデヒドまたはイソ酪酸といった原料化合物、この原
料化合物に対し容量比で1〜10倍の範囲の分子状酸素、
および希釈剤としての不活性ガス、例えば窒素、炭酸ガ
ス、水蒸気(特に、水蒸気の使用は副生成物の生成をお
さえ、目的生成物の収率向上に有利である)などからな
る混合ガスを200〜400℃の温度範囲で常圧〜10気圧の圧
力下に100〜5000hr-1(STP)の空間速度で本発明のメタ
クリル酸製造用触媒に接触させればよい。
なお、原料化合物としてメタクロレインを使用する場
合、メタクロレインは必ずしも純粋である必要はなく、
イソブチレンまたはターシャリーブタノールを接触的に
反応させて得られるメタクロレイン含有ガスも使用する
ことができる。このようなメタクロレイン含有ガスの使
用は工業的プロセスにおいて特に推奨されるものであ
る。
(発明の効果) 本発明のメタクリル酸製造用触媒は、前記の通り、特
定の組成を有する触媒活性物質層を不活性担体に焼付担
持法によって形成したものであるから、高い活性を有
し、メタクリル酸を高収率、かつ高選択率で製造するこ
とが可能となる。特に、触媒活性物質層の比表面積、細
孔容積および細孔径分布を同時に特定範囲に調整するこ
とによって一段と高収率、かつ高選択率でメタクリル酸
を製造することが可能となる。
本発明のメタクリル酸製造用触媒において、触媒活性
物質層は薄層化してあるため、メタクリル酸生成反応時
の蓄熱を低減することができ、これによって生成メタク
リル酸の逐次反応を抑え、触媒の熱負荷による劣化を防
止することができる。
本発明のメタクリル酸製造用触媒においては、触媒活
性物質層は焼付担持法によって形成されているため、不
活性担体に強固に担持されており、高い機械的強度を有
し、耐剥離性に優れていることから工業的実施に充分満
足のいくものである。
本発明のメタクリル酸製造用触媒は、長時間その優れ
た性能を発揮し、長時間使用後も反応温度を著しく上げ
ることなく、反応開始時と同程度の高収率および高選択
率を得ることができる。
本発明の触媒製造法は、簡単であり、また高い再現性
をもって触媒を製造することを可能とする。すなわち、
触媒性能が均一なメタクリル酸製造用触媒が生産可能と
なり、この優れた再現性の故に工業的に極めて優れた触
媒製造法ということができる。
(実施例) 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、転化率、選択率および単流収率は以下の通り
定義される。
実施例1 加熱したイオン交換水40lにパラモリブデン酸アンモ
ニウム8,830gとメタバナジン酸アンモニウム531.4gを加
えて撹拌し、溶解した。
この溶液に亜ヒ酸123.7gとリン酸(85重量%)523.8g
とを加え、次いで硝酸(比重1.38)4lと硝酸セシウム81
2.3gとを5lイオン交換水に溶解した溶液を加えて、加熱
撹拌してスラリーを得た(これをスラリー(A)とい
う)。
炭化ケイ素からなるリング状担体(外径6.0mm、貫通
孔内径3.0mm、長さ5.0mm)1,600mlを、外部から加熱で
きる内容積20lのステンレス製ドラムにいれ、120〜200
℃に予熱しておいて、ドラムを回転させながらスラリー
(A)を担体上に噴霧して担持層を形成した。
この担持層を形成した担体を空気流通下400℃で3時
間焼成して触媒活性物質層を形成し、触媒(I−1)を
得た。
この触媒の触媒活性物質層の組成(酸素を除く、以下
同じ)は、原子比で Mo12P1.09V1.09Cs1.0As0.3 であり、触媒活性物質の担持量(酸化物として、以下同
じ)は担体100ml当り20gであった。
実施例2 炭化ケイ素からなる球状担体(直径6.0mm)1,600mlを
はかりとり、これにスラリー(A)を実施例1と同様に
焼付担持法により担持して触媒(I−2)を得た。
この触媒の触媒活性物質層の組成は実施例1と同じで
あり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであっ
た。
実施例3 比表面積が0.3m2/gであるポーラスなシリカ−アルミ
ナからなるリング状担体1.600mlをはかりとり、これに
スラリー(A)を実施例1と同様に焼付担持法により担
持して触媒(I−3)を得た。
この触媒の触媒活性物質層の組成は実施例1と同じで
あり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであっ
た。
実施例4 比表面積が0.3m2/gであるポーラスなシリカ−アルミ
ナからなる球状担体(直径6.0mm)1,600mlをはかりと
り、これにスラリー(A)を実施例1と同様に焼付担持
法により担持して触媒(I−4)を得た。
この触媒の触媒活性物質層の組成は実施例1と同じで
あり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであっ
た。
実施例5 比表面積が0.3m2/gであるポーラスなα−アルミナか
らなるリング状担体(外径6.0mm、貫通孔内径3.0mm、長
さ5.0mm)1,600mlをはかりとり、これにスラリー(A)
を実施例1と同様に焼付担持法により担持して触媒(I
−5)を得た。
この触媒の触媒活性物質層の組成は実施例1と同じで
あり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであっ
た。
実施例6 比表面積が0.3m2/gであるポーラスなα−アルミナか
らなる球状担体1,600mlをはかりとり、これにスラリー
(A)を実施例1と同様に焼付担持法により担持して触
媒(I−6)を得た。
この触媒の触媒活性物質層の組成は実施例1と同じで
あり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであっ
た。
比較例1 実施例1で使用したと同じ炭化ケイ素からなるリング
状担体(直径6.0mm、貫通孔内径3.0mm、長さ5.0mm)1,6
00mlをはかりとり、所定量のスラリー(A)中に浸漬し
た後、スラリー(A)を加熱、濃縮、乾固して担体上に
担持せしめようとしたが、担持層が担体から次々にはが
れ落ちてしまい触媒を得ることができなかった。
比較例2 実施例2で使用したと同じ炭化ケイ素からなる球状担
体(直径6.0mm)1,600mlをはかりとり、比較例1と同様
にして所定量のスラリー(A)中に浸漬した後、スラリ
ー(A)を加熱、濃縮、乾固してスラリー(A)を担体
上に担持せしめようとしたが、担持層が担体から次々に
はがれ落ちてしまい触媒を得ることができなかった。
比較例3 実施例3で使用したと同じポーラスなシリカ−アルミ
ナからなるリング状担体(直径6.0mm、貫通孔内径3.0m
m、長さ5.0mm)1,600mlをはかりとり、所定量のスラリ
ー(A)中に浸漬した後、スラリー(A)を加熱、濃
縮、乾固して担体に担持せしめ、その後実施例1と同様
にして焼成して触媒(I−7)を得た。
この触媒の触媒活性物質層の組成は実施例1と同じで
あり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであっ
た。
比較例4 実施例4で使用したと同じポーラスなシリカ−アルミ
ナからなる球状担体(直径6.0mm)1,600mlをはかりと
り、比較例3と同様にしてスラリー(A)を担体に担持
せしめて触媒(I−8)を得た。
この触媒の触媒活性物質層の組成は実施例1と同じで
あり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであっ
た。
比較例5 実施例5で使用したと同じポーラスなα−アルミナか
らなるリング状担体(直径6.0mm、貫通孔内径3.0mm、長
さ5.0mm)1,600mlをはかりとり、比較例3と同様にして
スラリー(A)を担体に担持せしめて触媒(I−9)を
得た。
この触媒の触媒活性物質層の組成は実施例1と同じで
あり、触媒活性物質の酸化物の担持量は担体100ml当り2
0gであった。
比較例6 実施例6で使用したと同じポーラスなα−アルミナか
らなる球状担体(直径6.0mm)1,600mlをはかりとり、比
較例3と同様にしてスラリー(A)を担体に担持せしめ
て触媒(I−10)を得た。
この触媒の触媒活性成分の組成は実施例1と同じであ
り、触媒活性成分の酸化物の担持量は担体100ml当り20g
であった。
実施例7 実施例1〜6、比較例3〜6で得られた触媒(I−
1)〜(I−10)各々1,500mlを25.4mmΦの鋼鉄製反応
器に充填した。この反応器に、イソブチレンをモリブデ
ン、コバルト、タングステン、鉄酸化物多元系触媒の存
在下に340℃で接触気相酸化して得られる下記平均組成
を有する混合ガスを導入し、空間速度1,200hr-1で酸化
反応を行った。
(混合ガスの平均組成)(容量%) メタクロレイン 3.5 イソブチレン 0.04 メタクリル酸+酢酸 0.24 水蒸気 20 酸素 9.0 その他 67.2 (窒素、炭酸ガスを主体とする不活性ガス) 結果を表1に示す。
表1の結果から、次のことが理解される。
炭化ケイ素などの不活性担体を使用した場合、浸漬担
持法によっては、触媒担持層が担体からはがれ落ちるた
め触媒を調製することができない。焼付担持法によって
のみ触媒を調製することができる。
ポーラスな不活性担体の場合、浸漬担持法によって触
媒を調製可能であるが、この浸漬担持法によって得られ
る触媒は、焼付担持法によって得られた本発明の触媒に
比較して、メタクリル酸選択率、単流収率がともに劣っ
ている。
実施例8 実施例1で調製したと同じスラリー(A)を調製し、
2等分した。
2等分した一方のスラリー(A)を用いて、実施例3
と同様の焼付担持法により4バッチの触媒(II−1)〜
(II−4)を調製した。同様に、他方のスラリー(A)
を用いて、比較例3と同様の浸漬担持法により4バッチ
の触媒(II−5)〜(II−8)を調製した。
上記触媒(II−1)〜(II−8)において、触媒活性
物質の担持量はいずれも担体100ml当り20gであった。
上記触媒(II−1)〜(II−8)各々を用い、実施例
7と同様にして酸化反応を行った。
結果を表2に示す。
表2の結果から次のことが理解される。
焼付担持法により調製した触媒は、比表面積、細孔容
積、細孔径分布の物性値の振れ幅が小さく、また触媒性
能の点においても高活性であり、しかもその振れ幅が小
さい。すなわち、焼付担持法によれば再現性よく触媒を
調製することができる。
これに対し、浸漬担持法により調製した触媒は、同一
条件下にて調製したにも拘らず物性値の振れ幅が大き
く、従って触媒性能の点でも振れ幅が大きい。
実施例9 モリブデン酸アンモニウム4,770gを18lの水に溶解し
た。
別に、85%オルトリン酸259.6gを1,350mlの水で希釈
し、これに硝酸銅163.3gおよび亜ヒ酸111.4gを溶解し、
上記モリブデン酸アンモニウム水溶液に加え、加熱しな
がら充分撹拌し熟成を行った。
また別に、85%オルトリン酸259.6gを1,350mlの水で
希釈し、これに五酸化バナジウム204.8gを加え、加熱撹
拌しながら水分を蒸発させてゆくと黄色の錯体が得られ
た。この錯体を上記リン、モリブデン、銅およびヒ素の
反応沈澱物に加え、最後に水酸化カリウム126.3gを水1,
350mlに溶解した溶液を加えスラリー(B)を調製し
た。
このスラリー(B)を用い、実施例5と同様にして焼
付担持を行い触媒(III−1)を調製した。
この(III−1)の触媒活性物質層の組成は原子比で Mo12P2Cu0.3K1V1As0.5 であり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであ
った。
比較例7 スラリー(B)を用い、比較例5と同様にして触媒
(III−2)を調製した。
この触媒(III−2)における触媒活性物質の担持量
は担体100ml当り20gであった。
実施例10 モリブデン酸アンモニウム5,088gを純水10lに溶解し
た水溶液に85%リン酸553.8gを加え、次いで硝酸セシウ
ム936.2gを水3.6lに溶解した水溶液を加え、さらに硝酸
ビスマス582.6gと五酸化アンチモン194.3gを粉体のまま
加え、最後に無水クロム酸120.1gと二酸化セレン133.2g
とを水3.6lに溶解した水溶液を加えてスラリー(C)を
得た。
このスラリー(C)を用い、実施例2と同様にして焼
付担持を行い触媒(IV−1)を得た。
この触媒(IV−1)の触媒活性物質層の組成は原子比
で Mo12P2Bi0.5Sb0.5Cs2.0Cr0.5Se0.5 であり、触媒成分物質の担持量は担体100ml当り20gであ
った。
比較例8 スラリー(C)を用い、比較例2と同様に浸漬担持法
により触媒調製を行ったが、担持層が次々と担体からは
がれ落ちて触媒を得ることができなかった。
実施例11 三酸化モリブデン4,802g、五酸化バナジウム252.8g、
酸化銅44.2g、酸化鉄44.4g、酸化スズ41.9gおよび85%
オルトリン酸320.5gをイオン交換水40lに分散した。こ
れを約3時間加熱撹拌した後、水酸化カリウム15.6gを
添加し、さらに約3時間煮沸下還流してスラリー(D)
を調製した。
このスラリー(D)を用い、実施例1と同様にして焼
付担持を行い触媒(V−1)を得た。
この触媒(V−1)の触媒活性物質層の組成は原子比
で Mo12P1V1K0.1Cu0.2Fe0.2Sn0.1 であり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであ
った。
比較例9 スラリー(D)を用い、比較例1と同様に浸漬担持法
により触媒を調製したが、担持層が次々にはがれ落ちて
しまい触媒を得ることができなかった。
実施例12 実施例1において、触媒調製規模を半分にし、硝酸セ
シウムの代わりに硝酸バリウム272.3gを使用する以外は
実施例1と同様にしてスラリー(E)を調製した。
このスラリー(E)を用い、実施例6と同様に焼付担
持法により触媒(VI−1)を得た。
この触媒の触媒活性物質層の組成は原子比で Mo12P1.09As0.3V1.09Ba0.5 であり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであ
った。
比較例10 スラリー(E)を用い、比較例6と同様に浸漬担持法
により触媒(VI−2)を調製した。
この触媒(VI−2)の触媒活性物質の組成は実施例12
と同じであり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り2
0gであった。
実施例13 実施例1において、硝酸セシウム812.3gとともに酸化
ゲルマニウム130.7g、硝酸ジルコニウム222.7gおよび硝
酸コバルト121.3gを添加した以外は実施例1と同様にし
てスラリー(F)を調製した。
このスラリー(F)を用い、実施例5と同様に焼付担
持法により触媒(VII−1)を調製した。
この触媒(VII−1)の触媒活性物質層の組成は原子
比で Mo12P1.09As0.3V1.09Cs1.0Ge0.3Zr0.2Co0.1 であり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであ
った。
比較例11 スラリー(F)を用い、比較例5と同様に浸漬担持法
により触媒(VII−2)を調製した。
この触媒(VII−2)の触媒活性物質の組成は実施例1
3と同じであり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り
20gであった。
実施例14 実施例1において、硝酸セシウム812.3gとともに二酸
化テルル199.5g、硝酸マンガン239.2gおよび硝酸ニッケ
ル242.3gを添加した以外は実施例1と同様にしてスラリ
ー(G)を調製した。
このスラリー(G)を用い、実施例4と同じ焼付担持
法により触媒(VIII−1)を得た。
この触媒(VIII−1)の触媒活性物質層の組成は原子
比で Mo12P1.09As0.3V1.09Cs1.0Te0.3Mn0.2Ni0.2 であり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであ
った。
比較例12 スラリー(G)を用い、比較例4と同様の浸漬担持法
により触媒(VIII−2)を調製した。
この触媒(VIII−2)の触媒活性物質の担持量は担体
100ml当り20gであった。
実施例15 実施例1において、硝酸セシウム812.3gとともにタン
グステン酸アンモニウム562.8g、硝酸亜鉛247.9gおよび
硝酸銀70.8gを添加した以外は実施例1と同様にしてス
ラリー(H)を調製した。
このスラリー(H)を用い、実施例3と同様の焼付担
持法により触媒(IX−1)を調製した。
この触媒(IX−1)の触媒活性物質層の組成は原子比
で Mo12P1.09As0.3V1.09Cs1.0W0.5Zn0.2Ag0.1 であり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであ
った。
比較例13 スラリー(H)を用い、比較例3と同様に浸漬担持法
により触媒(IX−2)を調製した。
この触媒(IX−2)の触媒活性物質の担持量は担体10
0ml当り20gであった。
実施例16 実施例1において、硝酸セシウム812.3gとともに硝酸
タリウム555.0g、五酸化ニオブ166.1g、硝酸ストロンチ
ウム441.0gおよび硝酸パラジウム96.0gを添加した以外
は実施例1と同様にしてスラリー(I)を調製した。
このスラリー(I)を用い、実施例2と同様にして焼
付担持を行い触媒(X−1)を調製した。
この触媒(X−1)の触媒活性物質層の組成は原子比
で Mo12P1.09As0.3V1.09Cs1.0Tl0.5Sr0.5Nb0.3Pd0.1 であり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであ
った。
比較例14 スラリー(I)を用い、比較例2と同様にして浸漬担
持を行い触媒調製を試みたが担持層が次ぎ次ぎにはがれ
落ちて触媒を得ることができなかった。
実施例17 実施例1において、硝酸セシウム812.3gとともに硝酸
ルビジウム307.2g、硝酸カルシウム196.8gおよび硝酸ロ
ジウム135.4gを添加した以外は実施例1と同様にしてス
ラリー(J)を得た。
このスラリー(J)を用い、実施例1と同様に焼付担
持を行い触媒(XI−1)を得た。
この触媒(XI−1)の触媒活性物質層の組成は原子比
で Mo12P1.09As0.3V1.09Cs1.0Rb0.5Ca0.2Rh0.1 であり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであ
った。
比較例15 スラリー(J)を用い、比較例1と同様にして浸漬担
持を試みたが担持層が次ぎ次ぎとはがれ落ちて目的とす
る触媒を得ることができなかった。
実施例18 三酸化モリブデン4,320g、五酸化バナジウム227.4gお
よび85%オルトリン酸432.5gを水15lに加え、24時間加
熱還流した。そこへ粉末状の酸化セリウム215.1g、硝酸
カリウム379.2gおよび粉末状酸化銅39.8gを加えてスラ
リー(K)を調製した。
このスラリー(K)を用い、実施例6と同様にして焼
付担持を行い触媒(XII−1)を得た。
この触媒(XII−1)の触媒活性物質層の組成は原子
比で Mo12V1P1.5K1.5Cu0.2Ce0.5 であり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであ
った。
比較例16 スラリー(K)を用い、比較例6と同様にして浸漬担
持を行い触媒(XII−2)を得た。
この触媒の触媒活性物質層の組成は実施例18と同じで
あり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20gであっ
た。
実施例19 実施例9〜18および比較例7〜16で得た触媒を用いて
実施例7と同様に酸化反応を行った。
結果を表3に示す。
実施例20 実施例3で得られた触媒(I−3)を用い、実施例7
と同一条件下にて4、000時間の連続反応を行った。反
応開始温度は300℃としたが、4、000時間後反応開始時
とほぼ同一のメタクロレイン転化率を得るには、反応温
度6℃挙げるだけで充分であった。4,000時間後の反応
結果は、反応温度306℃、メタクロレイン転化率88.7
%、メタクリル酸選択率86.7%であった。
実施例21 実施例3で得た触媒(I−3)を用いてイソブチルア
ルデヒドの酸化脱水素反応を行った。
すなわち、触媒(I−3)1,500mlを直径25.4mmの鋼
鉄製反応管に充填し、イソブチルアルデヒド:酸素:水
蒸気:窒素=5.0:12.5:10.0:72.5(容量比)の混合ガス
を空間速度800hr-1で導入し、温度290℃で反応を行っ
た。
結果を表4に示す。
比較例17 実施例21において、触媒(I−3)の代わりに比較例
3で得た触媒(I−7)を使用した以外は実施例21と同
様にしてイソブチルアルデヒドの酸化脱水素反応を行っ
た。
結果を表4に示す。
実施例22 実施例3で得た触媒(I−3)を用いてイソ酪酸の酸
化脱水素反応を行った。
すなわち、触媒(I−3)1,500mlを直径25.4mmの鋼
鉄製反応器に充填し、イソ酪酸:酸素:水蒸気:窒素=
5.0:10.0:10.0:75.0(容量比)の混合ガスを空間速度2,
000hr-1にて導入し、温度290℃で反応を行った。
結果を表5に示す。
比較例18 実施例22において、触媒(I−3)の代わりに比較例
3で得た触媒(I−7)を使用した以外は実施例22と同
様にイソ酪酸の酸化脱水素反応を行った。
結果を表5に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 新居田 知生 (56)参考文献 特開 昭63−315148(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不活性担体および該不活性担体に下記触媒
    活性物質層を、下記方法により担持してなるメタクリル
    酸製造用触媒。 [触媒活性物質層] (組成) 下記式(I): MoaPbAcBdCeDfOx (ここで、Moはモリブデン、Pはリン、Aはヒ素、アン
    チモン、ゲルマニウム、ビスマス、ジルコニウム、セリ
    ウムおよびセレンから選ばれる少なくとも1種の元素、
    Bは銅、鉄、クロム、ニッケル、マンガン、コバルト、
    スズ、銀、亜鉛、パラジウム、ロジウムおよびテルルか
    ら選ばれる少なくとも1種の元素、Cはバナジウム、タ
    ングステンおよびニオブから選ばれる少なくとも1種の
    元素、Dはアルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリ
    ウムから選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素を表
    し、a、b、c、d、e、fおよびxはそれぞれMo、
    P、A、B、C、DおよびOの原子比を表し、a=12の
    とき、b=0.5〜4、c=0〜5、d=0〜3、e=0
    〜4、f=0.01〜4であり、xはそれぞれの元素の酸化
    状態によって定まる数値である)で表される酸化物から
    なる。 (担持量) 担体100ml当り5〜100gである。 (物理的特性) 次の物理特性を有する。 比表面積=1〜20m2/g 細孔容積=0.1〜1ml/g 細孔径分布= 1〜10μmの範囲の細孔 20〜70% 0.5〜1μm未満の範囲の細孔 3〜20% 0.1〜0.5μm未満の範囲の細孔 20〜70% (全細孔容積に対する容量割合) [方法] 上記式(I)で表される酸化物の各元素成分を含有する
    化合物を混合し、さらに必要に応じて加熱してスラリー
    または溶液を調製し、該スラリーまたは溶液を不活性担
    体に噴霧した後、焼成する。
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