JP2988982B2 - 濃染性複合糸条の製造方法 - Google Patents

濃染性複合糸条の製造方法

Info

Publication number
JP2988982B2
JP2988982B2 JP21234790A JP21234790A JP2988982B2 JP 2988982 B2 JP2988982 B2 JP 2988982B2 JP 21234790 A JP21234790 A JP 21234790A JP 21234790 A JP21234790 A JP 21234790A JP 2988982 B2 JP2988982 B2 JP 2988982B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
polyester
corona discharge
crystallinity
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP21234790A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04100936A (ja
Inventor
勝博 井上
実 藤井
勉 森山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YUNICHIKA KK
Original Assignee
YUNICHIKA KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YUNICHIKA KK filed Critical YUNICHIKA KK
Priority to JP21234790A priority Critical patent/JP2988982B2/ja
Publication of JPH04100936A publication Critical patent/JPH04100936A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2988982B2 publication Critical patent/JP2988982B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,濃染性複合糸条の製造方法に関するもので
ある。
(従来の技術) 従来より,合成繊維はポリエステルがその主流であ
り,コストや加工性に優れていることより,糸加工に関
する提案が多数なされている。しかし一方では,染色性
が不十分であるため,濃染可能なポリエステル糸の開発
が望まれており,数多くの提案がなされてきた。例え
ば,結晶度が低く,染料の吸尽率がよいポリエステル部
分配向未延伸糸条を鞘糸に用いてポリエステル延伸糸と
複合させることにより,染色性を向上させるという方法
が知られている。
しかし,この場合,製編織後の精練,染色工程におけ
る受熱により,鞘部を構成するポリエステル部分配向未
延伸糸条が過度に収縮してしまい,形態や風合等の変質
が生じ,工程通過中の寸法安定性に欠けるという問題が
あった。
そこで,ポリエステル部分配向未延伸糸条をできるだ
け低温で熱処理し,複合させることにより,上記問題点
を解消し,形態安定性を保持させるという方法もとられ
ているが,熱処理による結晶度の上昇は避けられず,染
料の吸尽率を低下させるという問題があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,このような現状に鑑みて行われたもので,
染色性に優れ,しかも製編織および染色等の高次加工に
おいて優れた形態安定性を有する濃染性複合糸条の製造
方法を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは,上記課題を解決するために鋭意研究し
た結果,ポリエステル部分配向未延伸糸条にコロナ放電
処理を施すことにより,低熱収縮,低結晶度の糸条が得
られることを見出し,この糸条を芯鞘構造糸の鞘部に用
い,通常の延伸糸条を芯部に用いて複合することによ
り,優れた染色性を有する濃染性複合糸条が得られるこ
とを知見して本発明に到達した。
すなわち,本発明は「結晶度(Xc)が10〜25%,複屈
折率(Δn)が50×10-3〜90×10-3であるポリエステル
部分配向未延伸糸条に,4×104〜10×104ジユール/m
2(以下,単位をJ/m2と略記する。)のコロナ放電処理
を施して得られる糸条Aを鞘糸に,ポリエステル延伸糸
条Bを芯糸に用いて複合することを特徴とする濃染性複
合糸条の製造方法」を要旨とするものである。
以下,本発明を詳細に説明する。
本発明にあっては,まず,特定のポリエステル部分配
向未延伸糸条にコロナ放電処理を施した糸条Aを鞘糸に
配置することを必須の要件としている。
ここで用いられるポリエステル部分配向未延伸糸条
は,実質的にポリエチレンテレフタレートよりなり,ま
ず,結晶度(Xc)が10%以上,25%以下であることが必
要である。結晶度(Xc)が10%未満の場合,コロナ放電
処理のみでは熱収縮率を1%以下にするのは困難であ
り,コロナ放電処理による効果が得られない。また,結
晶度(Xc)が25%を超えると,コロナ放電処理時にさら
に結晶度が増加してしまい,その結果,製編織後の染色
時に染料の吸尽率が低下し,濃染効果を得ることができ
ない問題が生じる。
上記ポリエステル部分配向未延伸糸条は,さらに,そ
の複屈折率(Δn)が50×10-3以上,90×10-3以下であ
ることが必要である。複屈折率(Δn)が50×10-3未満
の場合,糸の配向が不完全なため,糸物性が不安定とな
り,また,複屈折率(Δn)が90×10-3を超えると,コ
ロナ放電処理により結晶配向が進みすぎてしまい,その
結果,製編織後の染色時に染料の吸尽率が低下し,濃染
効果を得ることができない問題が生じる。
本発明で鞘糸に用いる糸条は,上述のごとき特定の条
件を満足するポリエステル部分配向未延伸糸条にコロナ
放電処理を施すことによって得られる。
ここでいうコロナ放電処理とは,常圧の大気中におい
て電極間で放電を行う処理であり,一般的には,針状電
極と板状電極間に高電圧を与え,両電極間で放電を行う
ものである。本発明の製造方法にあっては,放電されて
いる両電極間にポリエステル部分配向未延伸糸条を通し
てコロナ放電処理を施す。このとき,実際には定長でコ
ロナ放電処理を行う。コロナ放電の際の好ましい具体的
設定条件は,電極間距離0.1〜0.3mm,周波数5〜200KHz
であるが,このときポリエステル部分配向未延伸糸条に
与える放電エネルギーは,4×104J/m2以上,10×104J/m2
以下であることが必要である。放電エネルギーが4×10
4J/m2未満であると,十分なコロナ放電処理効果が与え
られず,その結果,低収縮化がはかれない。また,放電
エネルギーが10×104J/m2を超えると,フイラメントが
切れたり,あるいは単糸切れによる毛羽立ちが発生した
りして,製編織の際のトラブルの原因となる。放電エネ
ルギーが5×104J/m2以上,7×104J/m2以下の範囲のと
き,最も好ましい処理効果が得られる。
次に,本発明にあっては,糸条Aを鞘部に用い,糸条
Bと複合させることが必要である。
ここで用いる糸条Bとしては,結晶度(Xc)が30%以
上,複屈折率(Δn)が120×10-3以上である通常の2
工程法によって得られるポリエステル延伸糸条をいう。
糸条Aを単独で用いた場合,製編織時の引張張力によ
り糸条が伸びて形態の変化が生じてしまい,その結果,
配向結晶化が進行し,染料の吸尽率が低下するという問
題が起こる。そこで,糸条Aを鞘糸に用い,糸条Bを芯
糸に用いて芯鞘型に複合することにより,製編織時の引
張張力による形態変化を防ぐことができ,目的とする濃
染性複合糸条を得ることができる。
上記複合糸条の複合方法については,公知の方法にて
行うことができ,例えば,中空スピンドルを用いるカバ
リング法あるいは供給糸条に糸長差を設けた後,流体攪
乱処理を施す,いわゆるタスラン加工法等が挙げられる
が,これに限定されるものではない。
本発明では,芯部を構成する糸条の表面の50%以上,
特に70%以上が鞘部を構成する糸条によって被覆されて
いることが好ましい。
本発明は,以上の構成よりなるものである。
(作 用) 本発明方法のごとく,まず,ポリエステル部分配向未
延伸糸条に特定条件下のコロナ放電処理を施すと,通常
の熱処理による結晶度の上昇に比べて格段に少ない結晶
度の上昇に留まるので,糸条の熱収縮を極めて低く抑制
することができ,この糸条を鞘部に用いて,芯部には伸
長性の安定した通常のポリエステル延伸糸条を配して芯
鞘型に複合させると,複合糸条は,製編織,染色等の高
次加工時に外力や熱等を受けても,芯部の糸条によって
形態を安定化し得るようになり,しかも低結晶度である
鞘部糸条が染料を多く吸尽することから,複合糸条の濃
染化が可能となる。
(実施例) 本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが,
実施例における試料の性能の測定評価は,次の方法にて
行った。
(1) 沸水収縮率 JIS L−1090法による収縮率(%)を測定した。
(2) 複屈折率(Δn) 偏光顕微鏡コンペンセーターによる干渉縞計測定法に
より測定した。
(3) 結晶度 密度勾配管法によって測定した密度から,次式により
求めた値(%)である。
(ただし,dは試料密度,dcは結晶部密度,daは非晶部密度
とする。) (4) 染色性 複合糸条を筒編みして,これをサンモールFL(日華化
学(株)製,アニオン活性剤)2g/,浴比1:50にて60
℃で20分間精練した後,下記処方1を用いて浴比1:50に
て130℃で30分間の染色を行い,次に,一旦筒編地を解
編した後,再度筒編みしたものを試料として用い,
(株)島津製作所の測定機マクベスMS−2020にて試料の
値を測定し,評価した。
値は,値が小さいほど濃染効果が優れていること
を意味するものである。
〔処方1〕 Resolin Blue GRL 2%owf 〔バイエルジヤパン(株)製分散染料〕 デイスパーTL 1g/ 〔明成化学工業(株)製分散剤〕 実施例1 ポリエステル部分配向未延伸糸条として,結晶度(X
c)が10.5%,複屈折率(Δn)が58×10-3の糸条110d/
36fを用意し,これに,コロナ放電処理機として春日電
機(株)製のHFSS−101型を使用し,放電電極にはIII型
電極,処理ロールはEPTラバー製のものを用いて,放電
エネルギー6.5×104J/m2にて定長でコロナ放電処理を行
った。
得られた糸条をカバリング糸(300T/M)に使用し,芯
糸に通常のポリエステル延伸糸75d/36f(無撚)を用い
て,中空スピンドルで,芯糸の糸速65m/min,中空スピン
ドルの回転数20000rpmの条件で,螺旋状に巻きつけるカ
バリング法にて本発明のカバリングヤーンを製造した。
比較例1 実施例1で用いたものと同様のポリエステル部分配向
未延伸糸条を用意し,実施例1のコロナ放電処理に代え
て中空ヒーターを使用して200℃の雰囲気中にて定長で
0.6秒間の熱処理を行うほかは,本実施例と全く同一の
方法により比較用のカバリングヤーンを得た。
比較例2,3 実施例1において,コロナ放電処理時の放電エネルギ
ーを,比較例2は13×104J/m2,比較例3は2.5×104J/m2
とするほかは,本実施例と全く同一の方法により比較用
のカバリングヤーンを得た。
比較例4,5 実施例1において用いるポリエステル部分配向未延伸
糸条の結晶度が,比較例4の場合は7%,比較例5の場
合は30%のものをそれぞれ用いるほかは,実施例1と全
く同一の方法により比較用のカバリングヤーンを得た。
本発明および比較用の試料の性能を測定評価し,その
結果を合わせて第1表に示した。
なお,第1表における沸水収縮率,複屈折率,結晶度
は,カバリングヤーンのカバリング部分の糸条の測定結
果であり,染色性は,カバリングヤーン自身の測定結果
である。
第1表より明らかなごとく,本発明方法によって製造
したカバリングヤーンは,カバリング部分の糸条の熱収
縮,結晶度が抑えられていて形態安定性がよく,しかも
染色性に優れているものであった。一方,比較例1〜5
では,それぞれ一部の評価において本発明の実施例に劣
るものがあり,実用性に欠けているものであった。
(発明の効果) 本発明方法によれば,製編織および染色工程における
繊維の形態安定性がよく,しかも従来のものよりも優れ
た染色性(濃染性)を有する芯鞘型複合糸条を製造する
ことができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶度(Xc)が10〜25%,複屈折率(Δ
    n)が50×10-3〜90×10-3であるポリエステル部分配向
    未延伸糸条に,4×104〜10×104ジユール/m2のコロナ放
    電処理を施して得られる糸条Aを鞘糸に,ポリエステル
    延伸糸条Bを芯糸に用いて複合することを特徴とする濃
    染性複合糸条の製造方法。
JP21234790A 1990-08-10 1990-08-10 濃染性複合糸条の製造方法 Expired - Lifetime JP2988982B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21234790A JP2988982B2 (ja) 1990-08-10 1990-08-10 濃染性複合糸条の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21234790A JP2988982B2 (ja) 1990-08-10 1990-08-10 濃染性複合糸条の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04100936A JPH04100936A (ja) 1992-04-02
JP2988982B2 true JP2988982B2 (ja) 1999-12-13

Family

ID=16621035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21234790A Expired - Lifetime JP2988982B2 (ja) 1990-08-10 1990-08-10 濃染性複合糸条の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2988982B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04100936A (ja) 1992-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2988982B2 (ja) 濃染性複合糸条の製造方法
JPS5813741A (ja) ポリエステル繊維/セルロ−ス系繊維混用編織物
JPS59125906A (ja) 良好な染色性を有するポリエステル繊維及びその製造法
KR930010793B1 (ko) 이수축혼섬사의 제조방법
JP3953181B2 (ja) パイル布帛
JPH04153365A (ja) 複合糸条の製造方法
JPH0362804B2 (ja)
JPS6122047B2 (ja)
JPH1161633A (ja) 織物の製造方法
KR930010794B1 (ko) 폴리에스테르 혼섬사의 제조방법
JPH09273043A (ja) 自発伸長性ポリエステルフィラメント糸及びその製造方法並びに自発伸長性ポリエステルフィラメント糸含有混繊糸
KR850001235B1 (ko) 고 수축성 폴리에스테르사의 제조방법
JP3568305B2 (ja) 多色ミックス調自発伸長性ポリエステルフィラメント糸及びその製造方法
KR0122434B1 (ko) 이수축 혼섬사의 제조방법
KR100302242B1 (ko) 이수축혼섬사의제조방법
KR20020095894A (ko) 흡습성이 우수한 신축성 직물의 제조방법
JPH0441712A (ja) フイラメント糸及びその製造方法
KR940007687B1 (ko) 고수축성 폴리에스테르 섬유
JPH08158152A (ja) 特殊斑糸の製造方法
JPH038814A (ja) 濃染色された高強度、高弾性率ポリエステル系繊維
JPH07126921A (ja) ポリエステル潜在部分嵩高性フィラメント糸及びその製造方法
JPH06146110A (ja) 潜在嵩高性ポリエステルフィラメントの製造方法
JP3581003B2 (ja) ポリエステルマルチフィラメント異収縮混繊糸
JPH09111564A (ja) ポリエステル混繊糸
JP4179684B2 (ja) 極細ポリエステル複合交絡糸の製造方法