JP3568305B2 - 多色ミックス調自発伸長性ポリエステルフィラメント糸及びその製造方法 - Google Patents

多色ミックス調自発伸長性ポリエステルフィラメント糸及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多色ミックス調の自発伸長性ポリエステルフィラメント糸及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より自発伸長性を有するポリエステル繊維については、特開平1−250425号公報、特開平1−250433号公報にて、沸水収縮率が0%以上で乾熱収縮率が0%以下の自発伸長性フィラメント糸と乾熱収縮率が0%以上のフィラメント糸の混繊糸であって、両者の乾熱収縮率の差が5%以上である特定の交絡度を持った混繊糸が提案され、特開平5−247768号公報にて、繊維長手方向に太細を有する自発伸長性フィラメント糸を用いて、十分な膨らみ感を持つと共に従来にない風合いを有し、また染色した場合に、従来の布帛とは非常に異なった染色状態の布帛が得られる糸が提案されている。本出願人も特開平6−200436号公報にて、後工程での工程通過性を改良した繊維長手方向に太細を有する自発伸長性フィラメント糸を用いた混繊糸を提案している。
【0003】
一方、カチオン染料可染性ポリマーでの自発伸長性ポリエステル繊維についても、本出願人は特願平6−52556号で提案しているが、高収縮繊維と混繊すると、カチオン染料可染性の自発伸長性繊維が織編物表面に高い頻度で存在するため、カチオン染料による着色が目立ちすぎミックス調効果が得られ難い。その対策として、カチオン染料可染性を有しない自発伸長性繊維とカチオン染料可染性を有する自発伸長性繊維と高収縮繊維とを混繊する方法があるが、製糸工程の異なる三原糸を組み合わせて一本の加工糸とするのは、工程が複雑になり、コスト的に不利となるだけでなく、品質のコントロールも困難となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ソフトで、ふかつきのないハリ、コシ、膨らみ感を有し、また良好な多色ミックス効果を織編物に与える多色ミックス調自発伸長性ポリエステルフィラメント糸を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、自発伸長率及び染色性を異にする2種の太細糸が合糸され、沸水処理時に伸長し、その後の130℃以上の乾熱処理時にさらに伸長するポリエステル複合太細糸であって、2種の太細糸の一方の高自発伸長性太細糸(A繊維)と他方の低自発伸長性太細糸(B繊維)とが下記条件を満足することを特徴とする多色ミックス調自発伸長性ポリエステルフィラメント糸、
【0006】
1%≦ABWE≦6%、2%≦AHAE≦10%、AHAE−ABWE≧1%
0%≦BBWE≦3%、0%≦BHAE≦5%、BHAE−BBWE≧1%
BWE−BBWE>1%、AHAE−BHAE>2%
(但し、ABWEは高自発伸長性太細糸の沸水処理時の伸長率、AHAEは高自発伸長性太細糸の沸水処理後の130℃以上の乾熱処理時の原糸に対する伸長率、BBWEは低自発伸長性太細糸の沸水処理時の伸長率、BHAEは低自発伸長性太細糸の沸水処理後の130℃以上の乾熱処理時の原糸に対する伸長率を表す)
【0007】
及び、ポリエチレンテレフタレート95重量%以上のポリエステル(a成分)と、ポリエチレンテレフタレートに5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1.5〜3.5モル%共重合した改質ポリエステル(b成分)とを、各ポリマーからの未延伸糸の複屈折率Δnが30×10−3〜70×10−3の範囲になるよう同一紡糸口金の異なる吐出孔群からそれぞれ吐出させて紡糸し、合糸して巻取り、その後下記式(1)〜(3)を満たす条件で延伸して太細繊維とし、次いで下記式(4)〜(5)を満たす条件で熱処理し、さらに下記式(6)〜(7)を満たす条件で緩和熱処理し、沸水処理時の伸長率が1%以上6%以下、沸水処理後の130℃以上の乾熱処理時の原糸に対する伸長率が2%以上10%以下の高自発伸長性太細糸(A繊維)と、沸水処理時の伸長率が0%以上3%以下、沸水処理後の130℃以上の乾熱処理時の原糸に対する伸長率が0%以上5%以下で、かつ沸水処理時のA繊維との伸長率差が1%を超え、上記乾熱処理時のA繊維との伸長率差が2%を超える低自発伸長性太細糸(B繊維)の混在する糸とすることを特徴とする多色ミックス調自発伸長性ポリエステルフィラメント糸の製造方法、にある。
【0008】
(1) DR>1.0
(2) MDR×0.35≦DR≦MDR×0.55
(3) Tg≦HR≦Tg+30℃
(4) 0.90≦DR≦1.40
(5) HR<Tc
(6) DR<0.90
(7) HP≧HR+50℃
(但し、DRは第一延伸域の延伸倍率、MDRは予熱温度85〜90℃で測定した最大延伸倍率、DRは第二領域の延伸倍率、DRは第三領域の延伸倍率、HRは第一延伸域の引取ローラーの表面温度(℃)、HRは第一緩和処理域の引取ローラーの表面温度(℃)、HPは第二緩和処理域の緩和温度(℃)、Tgはガラス転移温度(℃)、Tcは結晶化温度(℃)を表す)
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の多色ミックス調自発伸長性ポリエステルフィラメント糸は、2種の太細糸が合糸されてなり、2種の太細糸は、互いに自発伸長率及び染色性を異にし、好ましくは一方が沸水処理時及び乾熱処理時に前記伸長率を有する高自発伸長性及びカチオン染料非可染性の太細糸(A繊維)であり、他方が沸水処理時及び乾熱処理時に前記伸長率を有する低自発伸長性及びカチオン染料可染性の太細糸(B繊維)であり、糸全体としては、沸水処理時に伸長し、その後の130℃以上の乾熱処理時にさらに伸長するものである。
【0010】
A繊維及びB繊維は、それぞれシック部とシン部がフィラメントの長手方向及びフィラメント間に高度に分散した太細糸であることが好ましく、また、B繊維のカチオン染料可染性は、太細糸のポリマーにカチオン染料可染性成分を共重合させて付与される。A繊維は、前記条件を満足しない場合、即ち沸水処理後の乾熱処理での伸長率が10%を超えると、後の工程の織編成時にテリ、アタリ、スレを引き起こしたり、ふかつき感の大きい織編物となり、伸長率が2%未満では、嵩高性、ハリ、コシ、膨らみ感といった風合いに劣るものとなる。
【0011】
B繊維は、前記条件を満足しない場合、特に沸水処理後の乾熱処理での伸長率が5%を超えると、A繊維、B繊維共に高自発伸長性となるため、後の工程の織編成時にテリ、アタリ、スレを引き起こしたり、ふかつき感の大きい織編物となり、伸長率が0%未満では、熱処理されたときに高伸長したA繊維に覆われてしまい、カチオンミックス効果が得られない。
【0012】
A繊維とB繊維との沸水伸長率の差が1%以下、乾熱伸長率の差が2%以下では、A繊維、B繊維間に伸長率差が殆どなく、高収縮繊維と混繊したときに、生ずるループ間の空間を埋めることによる織編物へのハリ、コシの付与効果が発揮されない。
【0013】
A繊維とB繊維との比は、好ましくはA繊維:B繊維=2:8〜8:2であり、高収縮繊維と混繊し織編物としたときに、A繊維が織編物表面に表れ易くB繊維によるカチオン染料による着色が見難いことから、B繊維の比を高め、より好ましくは2:8〜5:5とする。
【0014】
本発明の多色ミックス調自発伸長性ポリエステルフィラメント糸は、高収縮繊維と組み合わせて混繊糸とするときには、この混繊糸を用いることにより高収縮繊維との収縮差及び構成太細糸間の伸長率差により嵩高性に優れ、よりソフトでハリ、コシ、膨らみ感に富み、染色での分散染料とカチオン染料の組み合わせ、太細糸自体のシック部とシン部の染色性差による多色ミックス調を呈する織編物を得ることができる。
【0015】
以下、共に自発伸長性を示す前記高自発伸長性太細糸(A繊維)と低自発伸長性太細糸(B繊維)の混在する本発明の多色ミックス調自発伸長性ポリエステルフィラメント糸の製造方法を説明する。
本発明方法で用いるポリエステルは、一方のa成分として、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステルで、好ましくはポリエチレンテレフタレートが用いられ、また、他方のb成分として、ポリエチレンテレフタレートに5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1.5〜3.5モル%共重合した改質ポリエステルを用いる。改質ポリエステルにおける共重合が1.5モル%未満では、良好なカチオン染料可染性が得られず、3.5モル%を超えると、溶融粘度が過大となり曳糸性が不良となる。
【0016】
また、a、b成分には、前記条件を満たす範囲で他の共重合成分が0.5〜11.5モル%共重合されていてもよい。かかる共重合成分としては、アジピン酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ジ安息香酸、アゼライン酸、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ペンタエリスルトール等が挙げられ、a、b成分に分散染料易染性、カチオン染料易染性等を付与することもできる。
【0017】
a、b成分の各ポリマーは、同一紡糸口金のそれぞれの吐出孔群から吐出させて紡糸する。用いる紡糸口金は、同一紡糸口金にa成分のポリマーが吐出する吐出孔群とb成分のポリマーが吐出する吐出孔群を有し、a成分吐出孔群とb成分吐出孔群とは、左右に配列して配置してもよいし、前後に配列或いは同心円状に配列して配置してもよく、またa成分吐出孔群とb成分吐出孔群をさらに分割して配列して配置してもよい。a成分吐出孔群とb成分吐出孔群とは、互いに吐出孔の孔径、孔数または形状が異なっていてもよい。吐出に際してのa、b成分比は、好ましくはa成分:b成分=2:8〜8:2、より好ましくは2:8〜5:5とする。
【0018】
紡糸は、溶融紡糸法により行い未延伸糸とするが、a成分未延伸糸及びb成分未延伸糸は、それらの複屈折率Δnが30×10−3〜70×10−3、好ましくは30×10−3〜60×10−3の範囲になるよう紡糸する。未延伸糸の複屈折率Δnが30×10−3未満では、得られる繊維は、自発伸長性の乏しいものとなり、沸水処理、乾熱処理において収縮する。
【0019】
この理由は、後の工程での延伸で太細繊維化したとき、シック部である未延伸部の配向が低すぎるため、沸水処理時の熱エネルギーによる配向非晶部における分子構造の安定化は結晶化ではなく無定形への構造変化となり、繊維が収縮する。複屈折率Δnが70×10−3を超えると、紡糸での安定性が著しく低下する。a成分未延伸糸の複屈折率Δnは、b成分未延伸糸の複屈折率Δnより一般に大きくなるが、その差が10×10−3未満であることが好ましく、複屈折率Δn差が10×10−3以上になると、後の延伸工程でa成分未延伸糸の糸張力が低下し、加工安定性を悪化させる。
【0020】
ここで、複屈折率Δnの測定は、円型断面糸は偏光顕微鏡により測定し、異型断面繊維は密度勾配管を使用して測定した密度ρの値から、Δnが15×10−3〜60×10−3の円型断面糸について測定したΔnとρとの関係から一次式の近似式 Δn=3.33×ρ−4.44により算出した。
【0021】
a成分未延伸糸とb成分未延伸糸とは、合糸して巻取り、その後、合糸未延伸糸を室温の給糸ローラーとTg〜Tg+30℃に加熱された引取りローラーから構成される一対のローラー間で延伸倍率が1を超え、かつ予熱温度が85〜90℃で測定した最大延伸倍率の0.35〜0.55倍、好ましくは0.40〜0.50倍の延伸倍率で延伸する。次いで、結晶化温度未満の温度で0〜10%の緩和率で緩和熱処理或いは延伸倍率1.0〜1.4で定長熱処理し、さらに10%を超える緩和率で第二領域の熱処理時の温度+50℃より高い温度で緩和熱処理する。
【0022】
以上の延伸と緩和熱処理とは、連続した一つの工程として行ってもよく、また独立したそれぞれの工程として行ってもよい。この延伸により、合糸未延伸糸のa成分未延伸糸及びb成分未延伸糸にそれぞれシック部とシン部とが形成され太細繊維化され、緩和熱処理により太細繊維の構造歪が緩和される。合糸未延伸糸の延伸を前記条件外で行った場合は、十分な自発伸長性が発現しなかったり、自発伸長性が認められても、染斑が発生して染め品位が劣るものとなったり、工程安定を低下させる等の問題を生じる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例における沸水伸長率、乾熱伸長率等は、下記の方法により測定した。
【0024】
〈沸水伸長率(BWE)〉
1デニール当たり1/30gの張力下で試長1mの10回巻の綛を準備し、1デニール当たり2/30gの測定荷重を負荷して初期綛長(L)を測定する。その綛を無荷重状態で沸騰水中に30分浸漬した後、再び測定荷重を負荷して綛長(L)を測定し、次式により算出した。
BWE(%)=〔(L−L)/L〕×100
【0025】
〈乾熱伸長率(HAE)〉
沸水伸長率を測定した後の綛サンプルを雰囲気温度180℃中に無荷重状態で10分間放置し、綛長(L)を測定し、次式により算出した。
HAE(%)=〔(L−L)/L〕×100
【0026】
〈ガラス転移温度Tg、結晶化温度Tc〉
示差走査熱量測定機(セイコー電子工業(株)製、DSC220)にて測定した。
【0027】
(実施例1)
固有粘度[η]0.68のポリエチレンテレフタレート(a成分)と、固有粘度[η]0.53の5−ナトリウムスルホイソフタル酸2.25モル%を共重合したポリエチレンテレフタレート(b成分)とを、孔径0.25、孔数20の吐出孔群と孔径0.375、孔数28の吐出孔群を左右配列に配置した紡糸口金を用い、a成分を前者の吐出孔群、b成分を後者の吐出孔群から紡糸温度285℃で吐出させて溶融紡糸し、a、b成分からの各糸条を合糸して2700m/分で巻取ってa成分繊維(83d/20f)とb成分繊維(83d/28f)が合糸された166d/48fの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸は、a成分からの構成繊維(A繊維)が、MDR3.00、複屈折率Δn38×10−3、Tg70℃、Tc80℃、b成分からの構成繊維(B繊維)が、MDR2.74、複屈折率Δn36×10−3、Tg110℃、Tc115℃であった。
【0028】
この未延伸糸を下記の条件で延伸、緩和熱処理して150d/48fの太細糸を得た。
Figure 0003568305
【0029】
この太細糸は、75d/20fのA繊維と75d/28fのB繊維から構成され、A繊維及びB繊維は、次の伸長性を示すものであった。
A繊維の沸水処理時の伸長率ABWE3%
A繊維の沸水処理後の180℃の乾熱処理時の原糸に対する伸長率AHAE7%
B繊維の沸水処理時の伸長率BBWE0.5%
B繊維の沸水処理後の180℃の乾熱処理時の原糸に対する伸長率BHAE3.4%
従って、A繊維は、沸水処理後の乾熱処理でさらに4%、B繊維は、沸水処理後の乾熱処理でさらに2.9%伸長するものであった。
【0030】
この太細糸と、イソフタル酸8.0モル%を共重合したポリエチレンテレフタレートを用いて製造した75d/18fの高収縮糸とを、エアーで混繊処理し、225d/66fの混繊糸を得て平織織物を織成し、沸騰下での減量加工、分散染料及びカチオン染料で98℃以上の温度で染色後、175℃で1分の乾熱処理を施した。得られた織物は、嵩高性に優れ、ハリ、コシ、膨らみ感のあるソフトな良好な風合いを有し、多色ミックス調を呈するものであった。表1に太細糸の製造条件、伸長性、織物での風合い・染め外観の評価結果を示した。
【0031】
(比較例1)
実施例1で得たと同じ未延伸糸を用い、下記の条件で延伸、緩和熱処理して150d/48fの太細糸を得た。
Figure 0003568305
【0032】
この太細糸は、
A繊維の沸水処理時の伸長率ABWE:−1.0%
A繊維の沸水処理後の180℃の乾熱処理時の原糸に対する伸長率AHAE
0%
B繊維の沸水処理時の伸長率BBWE:−5.0%
B繊維の沸水処理後の180℃の乾熱処理時の原糸に対する伸長率BHAE
−5.0%
であり、A繊維及びB繊維は、共に沸水処理により収縮し、沸水処理後の乾熱処理でも、A繊維は1%しか伸長せず、B繊維は何等伸長しないものであった。
【0033】
この太細糸を実施例1と同様にして高収縮糸と混繊し、得られた混繊糸にて織成し、沸水処理に相当する加工処理後、175℃で1分の乾熱処理を施した。得られた織物は、嵩高性に劣り風合いが不良であり、多色ミックス調に欠けるものであった。表1に太細糸の製造条件、伸長性、織物での風合い・染め外観の評価結果を示した。
【0034】
比較例2
実施例1で用いたと同じa、b成分を用い、表1に示す紡糸及び延伸条件にて太細糸を得た。この太細糸を実施例1と同様にして高収縮糸とエアー混繊して混繊糸とし、織物にして、沸水処理に相当する加工処理後、乾熱処理を施し、表1に織物での風合い・染め外観の評価結果を示した。
【0035】
【表1】
Figure 0003568305
【0036】
【発明の効果】
本発明による多色ミックス調自発伸長性ポリエステルフィラメント糸は、2種の太細繊維で構成され、かつ2種の太細繊維が互いに自発伸長性及び染色性を異にすることから、高収縮繊維と混繊されて混繊糸としたときに、嵩高性に優れ、ソフトでハリ、コシ、膨らみ感に富む風合い、及び染色での多色ミックス調の外観を織編物に付与し得るものである。

Claims (3)

  1. 自発伸長率及び染色性を異にする2種の太細糸が合糸され、沸水処理時に伸長し、その後の130℃以上の乾熱処理時にさらに伸長するポリエステル複合太細糸であって、2種の太細糸の一方の高自発伸長性太細糸(A繊維)と他方の低自発伸長性太細糸(B繊維)とが下記条件を満足することを特徴とする多色ミックス調自発伸長性ポリエステルフィラメント糸。
    1%≦ABWE≦6%、2%≦AHAE≦10%、AHAE−ABWE≧1%
    0%≦BBWE≦3%、0%≦BHAE≦5%、BHAE−BBWE≧1%
    BWE−BBWE>1%、AHAE−BHAE>2%
    (但し、ABWEは高自発伸長性太細糸の沸水処理時の伸長率、AHAEは高自発伸長性太細糸の沸水処理後の130℃以上の乾熱処理時の原糸に対する伸長率、BBWEは低自発伸長性太細糸の沸水処理時の伸長率、BHAEは低自発伸長性太細糸の沸水処理後の130℃以上の乾熱処理時の原糸に対する伸長率を表す)
  2. 高自発伸長性太細糸(A繊維)がカチオン染料非可染性であり、低自発伸長性太細糸(B繊維)がカチオン染料可染性である請求項1記載の多色ミックス調自発伸長性ポリエステルフィラメント糸。
  3. ポリエチレンテレフタレート95重量%以上のポリエステル(a成分)と、ポリエチレンテレフタレートに5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1.5〜3.5モル%共重合した改質ポリエステル(b成分)とを、各ポリマーからの未延伸糸の複屈折率Δnが30×10−3〜70×10−3の範囲になるよう同一紡糸口金の異なる吐出孔群からそれぞれ吐出させて紡糸し、合糸して巻取り、その後下記式(1)〜(3)を満たす条件で延伸して太細繊維とし、次いで下記式(4)〜(5)を満たす条件で熱処理し、さらに下記式(6)〜(7)を満たす条件で緩和熱処理し、沸水処理時の伸長率が1%以上6%以下、沸水処理後の130℃以上の乾熱処理時の原糸に対する伸長率が2%以上10%以下の高自発伸長性太細糸(A繊維)と、沸水処理時の伸長率が0%以上3%以下、沸水処理後の130℃以上の乾熱処理時の原糸に対する伸長率が0%以上5%以下で、かつ沸水処理時のA繊維との伸長率差が1%を超え、上記乾熱処理時のA繊維との伸長率差が2%を超える低自発伸長性太細糸(B繊維)の混在する糸とすることを特徴とする多色ミックス調自発伸長性ポリエステルフィラメント糸の製造方法。
    (1) DR>1.0
    (2) MDR×0.35≦DR≦MDR×0.55
    (3) Tg≦HR≦Tg+30℃
    (4) 0.90≦DR≦1.40
    (5) HR<Tc
    (6) DR<0.90
    (7) HP≧HR+50℃
    (但し、DRは第一延伸域の延伸倍率、MDRは予熱温度85〜90℃で測定した最大延伸倍率、DRは第二領域の延伸倍率、DRは第三領域の延伸倍率、HRは第一延伸域の引取ローラーの表面温度(℃)、HRは第一緩和処理域の引取ローラーの表面温度(℃)、HPは第二緩和処理域の緩和温度(℃)、Tgはガラス転移温度(℃)、Tcは結晶化温度(℃)を表す)
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