JP2985928B2 - エアバッグ装置のエアバッグ本体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両等の衝突の際に乗
員を保護するエアバッグ装置のエアバッグ本体に関し、
更に詳細に説明すると、ガス発生器の作動時に膨出する
ようになされたエアバッグ装置のエアバッグ本体であっ
て、前記エアバッグ本体は一枚の基布の端縁を縫製によ
り縫着して袋状に形成されたエアバッグ装置のエアバッ
グ本体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、車両等の乗員の保護装置とし
てエアバッグ装置が知られている。このエアバッグ装置
としては、実開平２−１２３４４５号公報、実開平２−
４３７４７号公報、実開平５−７１０６３号公報、特開
平５−１６７５１号公報、特開平６−１１８８号公報、
特開平３−２４８９４５号公報等が存在する。

【０００３】従来のエアバッグ装置のエアバッグ本体に
は形状規制用の吊りベルトやストラップ、またはテザー
が取付けられている。例えば、吊りベルトはガス発生器
の作動時にエアバッグ本体が乗員の顔面側等の一方向に
膨出するのを防止している。従来のエアバッグ本体の吊
りベルトは、フロント側の基布やリア側の基布にベルト
キャッチ等を介して縫着されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のエアバッグ装置
のエアバッグ本体に形状規制用の吊りベルトやストラッ
プ、またはテザーを設ける場合には、吊りベルトやスト
ラップ、またはテザーをエアバッグ本体とは別個に形成
し、これらを縫製により接合しており、吊りベルトやス
トラップ、またはテザー等がエアバッグ本体の内部に位
置しているので縫製作業が煩雑で作業性が悪く、また部
品コストが増大し、経済性に欠けるものであった。

【０００５】本発明の目的は、エアバッグ本体の形状規
制用のストラップをエアバッグ本体と一体に形成し、エ
アバッグ本体の形状規制を確実に行え、エアバッグ本体
及びストラップの縫製作業の簡易化、部品数の減少によ
りコストダウンを図り、経済性を向上させることがで
き、且つ安全性に優れたエアバッグ装置のエアバッグ本
体を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上述せる課題に
鑑みてなされたもので、本発明の請求項１に記載のエア
バッグ装置のエアバッグ本体は、ガス発生器の作動時に
膨出するようになされたエアバッグ装置のエアバッグ本
体において、前記エアバッグ本体は一枚の基布から袋状
に形成され、前記一枚の基布の端部は幅狭に形成され、
中央部側にガス噴出用開口が形成され、該中央部側のガ
ス噴出用開口と対応する大きさのガス噴出用開口が基布
の端部に形成され、基布の端部を袋状に形成されたエア
バッグ本体の内部に位置させ、基布の中央部側のガス噴
出用開口に基布の端部に形成されたガス噴出用開口を位
置合わせして固着し、前記基布の端部を形状規制用のス
トラップに形成したことを特徴とする。

【０００７】

【作用】本発明の請求項１に記載のエアバッグ装置のエ
アバッグ本体によれば、エアバッグ本体は一枚の基布か
ら袋状に形成され、前記一枚の基布の端部は幅狭に形成
され、中央部側にガス噴出用開口が形成され、該中央部
側のガス噴出用開口と対応する大きさのガス噴出用開口
が基布の端部に形成され、基布の端部を袋状に形成され
たエアバッグ本体の内部に位置させ、基布の中央部側の
ガス噴出用開口に基布の端部に形成されたガス噴出用開
口を位置合わせして固着し、前記基布の端部が形状規制
用のストラップに形成されているので、形状規制用のス
トラップを別途形成する必要がなく、ストラップをエア
バッグ本体に縫製する作業を省略することができ、縫着
作業を簡易迅速に行うことができる。

【０００８】

【実施例】以下本発明に係るエアバッグ装置のエアバッ
グ本体を図面を参照して詳述する。図１及び図２には本
発明に係るエアバッグ装置のエアバッグ本体の一実施例
の概略が夫々示されており、エアバッグ装置１１はベー
スプレート１２の取付けられる固定側をドア１０側とし
た場合が示されているが、インストルメントパネル側ま
たはステアリング側とすることができ、更にシートバッ
クの背面等適宜の位置に取付けられる。

【０００９】エアバッグ装置１１は図７に示す如く、ベ
ースプレート１２にボルト，ナット等の固着部材１４に
より固定されたガス発生器１３を備えている。エアバッ
グ本体２１はベースプレート１２にガス発生器１３と同
様にリテーナ１６を介してボルト，ナット等の固着部材
１８により固定される。

【００１０】図３に示す如く、エアバッグ装置１１のエ
アバッグ本体２１は一枚の基布２３から袋状に形成さ
れ、且つ基布２３の端部２３ａが形状規制用のストラッ
プ２５に形成されている。尚、本実施例では基布２３の
長手方向の両端部２３ａ，２３ａにストラップ２５を形
成する場合につき説明するが、何れか一方であってもよ
い。

【００１１】前記基布２３の略中央部側にガス噴出用開
口２７が形成され、このガス噴出用開口２７の外周に沿
ってボルト挿通用の小孔２８が穿設されている。前記基
布２３の端部２３ａは幅狭に形成され、この端部２３ａ
にはロケーション用の小孔２９が穿設されている。

【００１２】図４に示す如く、前記基布２３は略中央部
で２つ折りにされ、基布２３の長手方向の両端部２３
ａ，２３ａが重ね合わされ、袋状に形成するための第１
の縫製部３１を形成する。この第１の縫製部３１は両端
部２３ａ，２３ａの幅狭に形成された部分より内側の幅
拡の部分に形成される。この第１の縫製部３１の外側の
両端部２３ａ，２３ａがストラップ２５に形成されてい
る。

【００１３】次いで、図５に示す如く、第１の縫製部３
１より外側の両端部２３ａ，２３ａの幅狭に形成された
部分に中央部側のガス噴出用開口２７と対応する大きさ
のガス噴出用開口３３を形成する。尚、中央部側のガス
噴出用開口２７をガス噴出用開口３３を形成する際に同
時に形成することもできる。

【００１４】また、このガス噴出用開口３３の穿設と同
時にガス噴出用開口３３の外周に沿ってボルト挿通用の
小孔３５が穿設される。またストラップ２５にガス発生
器１３からのガスの流れを阻害しないように連通孔３７
が適宜の大きさで複数形成されている。

【００１５】尚、前記中央部側のガス噴出用開口２７に
別途形成された補強布を縫着することもできる。前記基
布２３の端部２３ａに形成されたガス噴出用開口３３に
沿って縫製部３９が形成される。また図３及び図４にお
いては、基布２３の端部２３ａが略同一形状の左右対称
に形成されているが図８に示す如く、左右非対称とする
こともできる。

【００１６】次いで、図６に示す如く、基布２３のガス
噴出用開口２７を背面中央側に位置させ、第１の縫製部
３１を表面中央部に位置させ、上下両端に第２の縫製部
４１を形成することにより、エアバッグ本体２１の袋状
部２１ａが形成される。

【００１７】次いで、エアバッグ本体２１の袋状部２１
ａを中央部側のガス噴出用開口２７を利用して裏返すこ
とにより、図７及び図８に示す如く、袋状部２１ａの内
部にストラップ２５を挿入することができる。

【００１８】次いで基布２３の中央部側のガス噴出用開
口２７に基布２３の端部２３ａに形成されたガス噴出用
開口３３を位置合わせし、エアバッグ本体２１の袋状部
２１ａ及びストラップ２５がリテーナ１６及び固着部材
１８によりベースプレート１２に固着される。またガス
発生器１３が固着される。

【００１９】前記基布２３の端部２３ａが形状規制用の
ストラップ２５に形成されているので、形状規制用のス
トラップ２５を別途形成する必要がなく、ストラップ２
５をエアバッグ本体２１の袋状部２１ａに縫製する作業
を省略することができ、縫着作業を簡易迅速に行うこと
ができる。

【００２０】

【発明の効果】以上が本発明に係るエアバッグ装置のエ
アバッグ本体の一実施例の構成であるが、本発明の請求
項１に記載のエアバッグ装置のエアバッグ本体によれ
ば、エアバッグ本体は一枚の基布から袋状に形成され、
前記一枚の基布の端部は幅狭に形成され、中央部側にガ
ス噴出用開口が形成され、該中央部側のガス噴出用開口
と対応する大きさのガス噴出用開口が基布の端部に形成
され、基布の端部を袋状に形成されたエアバッグ本体の
内部に位置させ、基布の中央部側のガス噴出用開口に基
布の端部に形成されたガス噴出用開口を位置合わせして
固着し、前記基布の端部が形状規制用のストラップに形
成されているので、形状規制用のストラップを別途形成
する必要がなく、ストラップをエアバッグ本体に縫製す
る作業を省略することができ、縫着作業を簡易迅速に行
うことができる。

【００２１】本発明によれば、エアバッグ本体の形状規
制用のストラップをエアバッグ本体と一体に形成し、エ
アバッグ本体の形状規制が確実に行え、エアバッグ本体
及びストラップの縫製作業の簡易化、部品数の減少によ
りコストダウンを図ることができ、経済性を向上させる
ことができ、且つ安全性に優れたエアバッグ装置のエア
バッグ本体を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るエアバッグ装置のエアバッグ本体
の一部断面斜視図。

【図２】本発明に係るエアバッグ装置を車両に組み込ん
だ状態の断面図。

【図３】本発明に係るエアバッグ本体の基布の平面図。

【図４】本発明に係るエアバッグ本体の基布を２つ折り
にし、第１の縫製部を形成した状態の平面図。

【図５】本発明に係るエアバッグ本体の基布を２つ折り
にし、端部にガス噴出用開口を形成した状態の平面図。

【図６】本発明に係るエアバッグ本体の基布を２つ折り
にし、端部を中央に移動させ、上下に第２の縫製部を形
成した状態の平面図。

【図７】図１のＸ−Ｘ方向の断面図。

【図８】図１のＹ−Ｙ方向の断面図。

【符号の説明】

１０ ドア １１ エアバッグ装置 １２ ベースプレート １３ ガス発生器 １４ 固着部材 １６ リテーナ １８ 固着部材 ２１ エアバッグ本体 ２１ａ 袋状部 ２３ 基布 ２３ａ 端部 ２５ ストラップ ２７ ガス噴出用開口 ２８ 小孔 ３１ 第１の縫製部 ３３ ガス噴出用開口 ３９ 縫製部 ４１ 第２の縫製部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガス発生器の作動時に膨出するようにな
   されたエアバッグ装置のエアバッグ本体において、前記
   エアバッグ本体は一枚の基布から袋状に形成され、前記
   一枚の基布の端部は幅狭に形成され、中央部側にガス噴
   出用開口が形成され、該中央部側のガス噴出用開口と対
   応する大きさのガス噴出用開口が基布の端部に形成さ
   れ、基布の端部を袋状に形成されたエアバッグ本体の内
   部に位置させ、基布の中央部側のガス噴出用開口に基布
   の端部に形成されたガス噴出用開口を位置合わせして固
   着し、前記基布の端部を形状規制用のストラップに形成
   したことを特徴とするエアバッグ装置のエアバッグ本
   体。