JP2962189B2 - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の制御装置

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JP2962189B2
JP2962189B2 JP7118879A JP11887995A JP2962189B2 JP 2962189 B2 JP2962189 B2 JP 2962189B2 JP 7118879 A JP7118879 A JP 7118879A JP 11887995 A JP11887995 A JP 11887995A JP 2962189 B2 JP2962189 B2 JP 2962189B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は車両用自動変速機の制御
装置の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の車両用自動変速機は、特開昭48
−13758号公報に開示されるように、所定の変速段
へ変速させる際に自動変速機への入力軸回転速度変化率
を検出し、同変化率が予め設定した目標値となるように
その変速に係る摩擦要素の係合力をフィードバック制御
するものが知られている。この制御方法によれば、変速
ショックがなく且つ変速時間も最適となるよう実験によ
り求められた目標値に沿って摩擦要素の係合力が制御さ
れる。 【0003】 【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
構成のものであってもその変速時間の短縮には限界があ
る。即ち、変速時間を短くするには係合側摩擦要素を急
速に係合させればよいが、変速ショックの発生は免れな
い。一方、一般的に自動変速機では変速ショックの防止
が最も望まれるため、どうしても変速時間の短縮という
目標を多少犠牲にしても変速ショックが発生しないよう
目標入力軸回転速度変化率も小さめに設定し、係合時の
ショックを抑えざるを得ない。 【0004】 【発明の構成】本発明は上記に鑑み創案されたもので、
複数の変速段を達成可能な歯車変速機と、同歯車変速機
に駆動力を伝達する入力軸と、係合解放の組み合わせに
より上記複数の変速段を達成する複数の摩擦要素と、各
摩擦要素の係合力を制御する制記複数の変速段を達成す
る複数の摩擦要素と、各摩擦要素の係合力を制御する制
御装置と、を備えたものにおいて、上記摩擦要素は、上
記複数の摩擦要素のうち係合または解放されることによ
り所定変速段の達成に関与する所定摩擦要素を含み、上
記制御装置は、上記入力軸の回転速度を検出する回転速
度検出手段と、上記入力軸の回転速度変化率を検出する
回転速度変化率検出手段と、上記入力軸回転速度変化率
の目標値を設定する目標値設定手段と、上記入力軸回転
速度変化率が上記目標値となるように上記所定摩擦要素
の係合力をフィードバック制御するフィードバック制御
手段と、を含み、上記目標値設定手段は、上記入力軸回
転速度に応じて上記目標値を切り換える目標値切換手段
を含むことを特徴とする車両用自動変速機の制御装置を
要旨とする。 【0005】 【作用】上記構成のものは、変速中に入力軸回転速度に
応じて目標値が切り換えられるので、変速時間の短縮と
変速ショックの防止の両方を両立させることができる。
特に入力軸回転速度が所定値となるまでは入力軸回転速
度が大きな値に設定された第1の変化率に伴って変化さ
せ、達した後は入力軸回転速度が第2の変化率を伴って
変化させるように設定することで、変速途中までは大き
な目標変化率に応じて制御されるので変速は急速に進む
が、変速がある程度進んだ後はそれよりも小さい目標変
化率に応じて制御されるので、係合力が緩やかになる。 【0006】 【実施例】本発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明
する。第1図において、図示しないエンジンのクランク
軸に直結された駆動軸10はトルクコンバータ12の入
力用ケーシング14を介して同トルクコンバータ12の
ポンプ16に連結されており、同トルクコンバータ12
のステータ18はワンウェイクラッチ20を介して変速
ケーシング22に連結されている。また、上記トルクコ
ンバータ12のタービン24は入力軸26を介してクラ
ッチ28、クラッチ30およびクラッチ32に連結され
ており、同クラッチ28の出力側は第1中間軸34を介
して第1単純遊星歯車装置36(以下、単に第1歯車装
置36と称する)の第1キャリア38と第2単純遊星歯
車装置40(以下、単に第2歯車装置40と称する)の
第2キャリア42とに連結されるとともに上記第1中間
軸34の回転を停止させるためのブレーキ44に連結さ
れ、クラッチ30の出力側は上記第1歯車装置36の第
1サンギヤ46に連結され、クラッチ32の出力側は第
2中間軸48を介して上記第1歯車装置36の第1リン
グギヤ50と第2歯車装置40の第2サンギヤ52とに
連結されるとともに上記第2中間軸48の回転を停止さ
せるためにブレーキ54に連結されている。 【0007】上記第1歯車装置36は上記第1サンギヤ
46、同サンギヤ46に噛合する第1ピニオンギヤ5
6、同ピニオンキヤ56を回転自在に支持するとともに
自身が回転可能な上記第1キャリア38、上記第1ピニ
オンギヤ56に噛合する上記第1リングギヤ50から構
成され、また、上記第2歯車装置40は上記第2サンギ
ヤ52、同サンギヤ52に噛合する第2ピニオンキヤ5
8、同ピニオンギヤ58を回転自在に支持するとともに
自身が回転可能な上記第2キャリア42、上記第2ピニ
オンギヤ58に噛合する第2リングギヤ60から構成さ
れている。そして同第2リングギヤ60は、上記第1中
間軸34が挿通される中空の出力軸62を介して出力歯
車64に連結されている。 【0008】上記出力歯車64は、上記入力軸26に対
して略平行に配設された中間伝動軸66の右端に設けら
れた被駆動歯車68にアイドラ70を介して噛合されて
おり、上記中間伝動軸66の左端は、差動歯車装置72
を介して駆動車軸74に連結された最終減速歯車76に
連結されている。なお、第1図からも明らかなように上
記変速機ケーシング22はトルクコンバータ12から出
力歯車64まで、および中間伝動軸66、差動歯車装置
72等を内包するように形成されている。 【0009】上記各クラッチ、ブレーキはそれぞれ後述
する係合用ピストン装置あるいはサーボ装置等を備えて
おり、油圧が給排されることにより係合、解放が行われ
る。そして、上記油圧は第2図に示す油圧制御装置によ
って各クラッチ、ブレーキへ選択的に給排され、同クラ
ッチ、ブレーキの作動の組み合せによって前進4段進1
段の変速段が達成される。なお、76は上記入力軸26
の回転速度を検出するための入力軸回転速度センサ、7
8は上記出力歯車64の回転速度(車速に相当する)を
検出するための車速センサである。 【0010】第1表は各クラッチ、ブレーキの作動と変
速段状況との関係を示したものであり、同表において、
“○”印はクラッチまたはブレーキの係合を示し、”
−”印はそれらの解放を示している。 【第1表】 【0011】上記構成において、ブレーキ44およびク
ラッチ30を係合すると、第1キャリア38と第2キャ
リア42とが固定されて反力要素となり、駆動軸10か
らの駆動力がトルクコンバータ12、入力軸26、クラ
ッチ30、第1サンキヤ46、第1ピニオンギヤ56、
第1リングギヤ50、第2サンギヤ52、第2ピニオン
ギヤ58、第2リングギヤ60を介して出力軸62に伝
達され、さらに、出力歯車64、中間伝動軸66、最終
減速歯車76を介して駆動車軸74に伝達されて第1表
からも明らかなように第1速が達成される。 【0012】次に、クラッチ30の係合状態を保持した
まま、ブレーキ44を解放してブレーキ54を係合させ
ると、第1リングギヤ50および第2サンギヤ52の回
転が停止されて反力要素となり、駆動力が第1サンギヤ
46、第1キャリア38、第2キャリア42、第2リン
グギヤ60、出力軸62を介して出力歯車64へ伝達さ
れ、第2速が達成される。 【0013】次に、クラッチ30の係合状態を保持した
ままブレーキ54を解放しクラッチ28を係合させる
と、第1サンギヤ46と第1キャリア38とが一体的に
回転するので第1歯車装置36全体が一体的に回転す
る。従って、第2サンギヤ52および第2キャリア42
が一体的に回転するので第2歯車装置40全体も一体的
に回転し、入力軸26と出力歯車64とが同一回転数と
なる第3速が達成される。 【0014】さらに、クラッチ28の係合状態を保持し
たままクラッチ30を開放しブレーキ54を係合させる
と、第2サンギヤ52が反力要素となるので、駆動力が
第1中間軸、第2サンギヤ52、第2ピニオンギヤ5
8、第2キャリア42、出力軸62を介して出力歯車6
4に伝達され、出力歯車64の回転が入力軸26の回転
よりも速くなるオーバドライブの第4速が達成される。 【0015】次に、クラッチ28およびブレーキ54の
係合を開放しクラッチ32およびブレーキ44を係合さ
せると、第2キャリア42が反力要素となり、駆動力が
第2中間軸、第2サンギヤ52、第2ピニオンギヤ5
8、第2リングギヤ60、出力軸62を介して出力歯車
64に伝達され後進の変速段が達成される。 【0016】次に、第1図に示す歯車変速装置におい
て、第1表に示す変速段を達成するための油圧制御装置
及びその作動について説明する。第2図に示す油圧制御
装置は、油溜80からオイルポンプフィルタ82、油路
84を経て可変吐出量型のオイルポンプ86より吐出さ
れる圧油をトルクコンバータ12に供給するとともに、
第1図に示す変速装置の各クラッチ28、30、32及
びブレーキ44、54を作動するために同クラッチ及び
ブレーキへ車両の運転状態に応じて選択的に供給するも
ので、主に調圧弁88、トルクコンバータ制御弁90、
減圧弁92、手動弁94、第1油圧制御弁96、第2油
圧制御弁98、第3油圧制御弁100、第4油圧制御弁
102、第1切換弁104、第2切換弁106、第3切
換弁108、第4切換弁110、第5切換弁112、第
6切換弁114、及び第1ソレノイド弁116、第2ソ
レノイド弁118、第3ソレノイド弁120、第4ソレ
ノイド弁122を構成要素としており、各要素は油路に
よって結ばれている。 【0017】上記各ソレノイド弁116、118、12
0、122はそれぞれ同一構造を有し後述する電子制御
装置124からの電気信号に応じて作動する3方向弁
で、内部にコイル126、128、130、132、弁
体134、136、138、140、同弁体を一方向に
付勢するスプリング142、144、146、148が
配設されており、上記各コイル126、128、13
0、132の非励磁状態において上記各弁体134、1
36、138、140が排出ポート150に連通する油
路内に配設されたオリフィス152、154、156、
158を閉じて油路160に連通する油路162、16
4、166、168とオリフィス170、172、17
4、176が配設された油路178、180、182、
184とをそれぞれ連通させ、各コイルの励磁状態にお
いて各弁体が上記各油路162、164、166、16
8内に配設されたオリフィス186、188、190、
192を閉じて油路178、180、182、184と
排出ポート150に連通する各油路とを連通させるよう
に構成されている。 【0018】電子制御装置124は、車両の運転状態に
応じて各ソレノイド弁116、118、120、122
へ継続電流を出力して油路178、180、182、1
84内の油圧をディーティ制御するもので、その主な入
力要素としては、入力軸回転速度センサ76、車速セン
サ78、図示しないエンジンのスロットル弁開度を検出
する弁開度センサ194、潤滑油温度を検出する油温セ
ンサ196、車室内に配設されたシフトレバ位置の設定
位置を検出するセレクトポジションセンサ198、自動
的に変速される変速段の範囲を前進3段と前進4段との
間で切換える補助スイッチ200等からの信号で構成さ
れている。 【0019】上記オイルポンプ86から油路202へ吐
出される圧油は調圧弁88によって所定圧に調圧され、
トルクコンバータ制御弁90、減圧弁92及び手動弁9
4に導かれる。 【0020】手動弁94は、L、2、D、N、R、Pの
6位置が選定可能なスプール204を有し、L、2、D
位置が選定されると油路202を油路206に連通し後
述する如く第1ソレノイド弁116、第2ソレノイド弁
118、第3ソレノイド弁120、第4ソレノイド弁1
22のON、OFFの組合せに応じて第1速〜第4速の
前進の運転状態を歯車変速装置に適宜達成させ、N位置
が選定されると油路206及びクラッチ32に連通する
油路208と油路202との連通をスプール204のラ
ンド210及び212で遮断するとともに油路206、
208を両端部に形成された排油口に連通してニュート
ラル状態を達成させ、R位置が選定されると油路202
を油路208に連通して上記歯車変速装置に後進の変速
状態(変速段)を達成させ、図示のP位置が選定される
とスプール204のランド210が油路202を塞ぐの
で歯車変速装置を実質的にニュートラル状態とするもの
である。 【0021】調圧弁88は、受圧面214、216、2
18を有するスプール220及びスプリング222を有
し、第2速、第3速または第4速の変速段が達成されて
いるときは受圧面214に油路202からの油圧が油路
226を介して作用し油路202の油圧を所定の値(以
下、第1のライン圧と称する)に調圧し、また、第1速
の変速段が達成されているときは受圧面214に油路2
02からの油圧が、受圧面216に油路224からの油
圧がそれぞれ作用して上記油路202の油圧を上記第1
のライン圧よりも高い所定の値(第2のライン圧と称す
る)に調圧し、後進の変速段が達成されているときは受
圧面214、216、218に油路202、224、油
路208に連通する油路226の油圧がそれぞれ作用し
て上記油路202の油圧を上記第2のライン圧よりも高
い所定の値(第3のライン圧と称する)に調圧するもの
である。 【0022】トルクコンバータ制御弁90はスプール2
28及びスプリング230を有し、調圧弁88にて調圧
された油路202の油圧を、油路232、油路234、
油路236を介してスプール228の右端受圧面に作用
させスプリング230の付勢力とのバランスにより所定
圧に調圧して、油路234を介してトルクコンバータ1
2に供給するものである。なお、トルクコンバータ12
から排出された油はオイルクーラー238を介して変速
機の各潤滑部へ供給される。 【0023】減圧弁92はスプール240及びスプリン
グ242を有し、スプール240に対向的に形成された
受圧面244、246の面積差による油圧力とスプリン
グ242の付勢力とのバランスにより、油路202から
の油圧を上記第1のライン圧よりも低い所定の調整油圧
に減圧調整して上記油路160を介して後述する油圧制
御弁96、98、100、102各スプールの左側受圧
部に供給するものであり、さらに同調整油圧はソレノイ
ド弁116、118、120、122の作動状態に応じ
てさらに調圧されて同油圧制御弁の各スプールの右側受
圧面に供給されるものである。 【0024】第1油圧制御弁96はスプール248及び
スプリング250を有し、第1ソレノイド弁116のデ
ューティ率の減少・増加に応じて増減され油路178を
介して上記スプール248の右側受圧面252に作用す
る図面左方への制御油圧力、及びスプリング250によ
る図面左方への付勢力の合力と受圧面253とランド2
54の受圧面255との面積差及び受圧面256と受圧
面257との面積差による図面右方への油圧力の合力と
のバランスによって、油路206から油路260へ供給
される油圧を上記デューティ率に応じて所望の値に制御
できる。 【0025】また、上記第1ソレノイド弁116が連続
的に励磁される、即ちデューティ率100%の場合は、
受圧面252へ作用する制御油圧力が0となりスプール
248が図面右方へ変位してランド254がポート25
8を閉じるとともに油路260が排油口に連通されるの
で油路260へ油圧が導かれなくなり、逆に、デューテ
ィ率が0%(連続的に非励磁)の場合は、受圧面252
へ調整油圧が作用しスプール248が図面左方へ変位し
てポート258が開かれるので油路206の油圧が減圧
されることなく油路260へ導かれる。 【0026】第2油圧制御弁98、第3油圧制御弁10
0、第4油圧制御弁102は、上記第1油圧制御弁96
と全く同じ構成を有するもので、それぞれスプール26
2、264、266とスプリング268、270、27
2を有し、第2ソレノイド弁118、第3ソレノイド弁
120、第4ソレノイド弁122のON、OFF及びデ
ューティ率に応じて油路206と、油路274、27
6、278との連通を断、接及び上記油路274、27
6、278の油圧を所望の値に制御することができるも
のである。 【0027】上記各切換弁104〜114は、関連する
各クラッチ、ブレーキの誤作動を防止して上記歯車変速
装置がロックアップすることを防止するとともに電子制
御装置124の故障時に上記手動弁94の切り換えによ
って後進、ニュートラル及び前進第3速の各変速段が達
成できるようにするために設けられたもので、第1切換
弁104は同一の受圧面積を有するランド280、28
2が形成されたスプール284、同スプール284を図
面右方へ押圧するスプリング286、上記スプール28
4の両端部に形成された油圧室283、285を有し、
右端油圧室283にはエンジン作動中、即ちオイルポン
プ86作動中に油路344を介して常時ライン圧が導か
れるとともにクラッチ30を確実に解放状態とする必要
があるときに左端油圧室285へ油圧が導かれる構成を
有しており、同左端油圧室285への油圧とスプリング
286の付勢力とによる図面右方向への合力が右端受圧
室283へ導かれるライン圧による左方向への油圧力に
打ち勝ってスプール284を図面右方へ変位せしめるの
で油路260と油路288との連通がランド280によ
って断たれるとともに上記油路288が排出口(EX)
に連通されて、クラッチ30を確実に解放し、その誤作
動を防止できるものである。また、上記左端油圧室へ油
圧が導かれていないときは、右端油圧室における油圧力
がスプリング286の付勢力に打ち勝ってスプール28
4を左端位置に変位せしめるので油路260と油路28
8とが連通状態になり、クラッチ30が係合可能とな
る。 【0028】他の切換弁のうち、第2、第5、第6切換
弁106、112、114は上記第1切換弁と同様に構
成されていて、それぞれ同一の受圧面積を有する2つの
ランドが形成されたスプール294、332、340、
同スプール294、332、340を押圧するスプリン
グ296、334、342、常時ライン圧が導かれる油
圧室293、331、339及び選択的に油圧が給排さ
れる油圧室295、333、341を備えており、同油
圧室295、333、341へ油圧が供給されていない
ときは各ランド292、330、336で排油口を閉塞
するとともに油路298と300、油路326と31
4、油路278と358をそれぞれ連通し、油圧室29
5、333、341へ油圧が供給されると各ランド29
0、328、338で各油路298、326、278を
遮断するとともに各油路300、314、358を排油
口に連通するように構成されている。 【0029】第3切換弁108は、同一の受圧面積を有
するランド302、304、306が形成されたスプー
ル308、同スプール308を図中右方へ押圧するスプ
リング310、常時ライン圧が導かれる油圧室307及
び選択的に油圧が供給される油圧室309を備えてお
り、同油圧室309に油圧が供給されていないときには
排油口(EX)をランド302、304間で閉塞すると
ともにブレーキ54に接続された油路316を後述する
第4切換弁110に接続された油路312に連通し、油
圧室309に油圧が供給されると油路312を排油口
(EX)に連通するとともに油路316を第2切換弁1
04の油圧室285に連通し、さらに第5切換弁112
に接続された油路314に連通するように構成されてい
る。 【0030】第4切換弁110は、同一の受圧面積を有
するランド318、320が形成されたスプール32
2、スプリング324、ライン圧が供給される油圧室3
19及び選択的に油圧が給排される油圧室321とい
う、第3切換弁108以外の各切換弁と略同様の構成を
備えており、油圧室321に油圧が供給されていないと
きには第3油圧制御弁100からの油圧が導かれる油路
276をボール弁370と油路372とを介して第6切
換弁114の油圧室341に接続された油路368及び
上記油路312に連通し、油圧室321に油圧が供給さ
れるとランド320で油路312、368を閉塞すると
ともに上記油路276を第5切換弁112に接続された
油路326に連通するように構成されている。 【0031】なお、第1〜第4ソレノイド弁116、1
18、120、122のON(励磁)、OFF(非励
磁)の組合せと変速段との関係は第2表に示すとおりで
ある。 【第2表】 【0032】次に、上記油圧制御装置の作動を説明す
る。車両の運転車が同車両の車室内に配設された図示し
ない従来公知のセレクタレバーをP又はN位置に設定す
ると、同セレクタレバーに機械的または電気的に連結さ
れた手動弁94がP又はN位置に設定され、さらに、エ
ンジンが始動されると、オイルポンプ86で発生し調圧
弁88で所定値に制御された油路202内の油圧は、油
路232、トルクコンバータ制御弁90、油路234を
介してトルクコンバータ12へ、、また、減圧弁92で
調整油圧に調圧されて油路160へ、さらに、油路34
4を介して第4切換弁110の油圧室319、第6切換
弁114の油圧室339、第2切換弁106の油圧室2
93、第3切換弁108の油圧室307、第1切換弁1
04の油圧室283、及び第5切換弁112の油圧室3
31へそれぞれ導かれる。従って、第4及び第6切換弁
110、114のスプール332、340は図面右方向
へ、また、その他の切換弁は図面左方向へ変位せしめら
れる。 【0033】ここで、上記運転者がセレクタレバーを操
作してD位置を選択すると、手動弁94がD位置に設定
されて、油路202の油圧が手動弁94を介して油路2
06へ導かれ、さらに、電子制御装置124から第2ソ
レノイド弁118及び第3ソレノイド弁120を励磁
し、第4ソレノイド弁122を直ちに消磁するとともに
第1ソレノイド弁116を所定のデューティ率で作動し
てから徐々にデューティ率を減少させ最終的に消磁する
信号が出力される。 【0034】励磁された上記ソレノイド弁118、12
0の弁体136、138は図面上方に変位せしめられて
オリフィス188、190を閉塞するので、油路18
0、182内の油圧がオリフィス172、174、オリ
フィス154、156を介して排出ポート150から排
出される。従って、第2及び第3油圧制御弁98、10
0のスプール262、264に形成されたランド34
6、348左側の受圧面に作用する油路160からの調
整油圧がスプリング268、270の付勢力に打ち勝っ
て、上記スプール262、264を図面右方向へ変位せ
しめるので、油路274及び油路276は油路206と
の連通を断たれ、排出ポート269、271に連通す
る。 【0035】消磁された第4ソレノイド弁122の弁体
140はオリフィス158を閉塞するので油路160か
らの調整油圧が減圧されることなく油路160からの調
整油圧が減圧されることなく油路184を介してスプー
ル266の右側受圧面に作用してスプール266が図面
左端位置に保持され、油路206と油路278との連通
状態が油路350、ボール弁352、油路354を介し
て保たれる。同油路278の油圧は、第6切換弁11
4、油路358を介してブレーキ44を作動せしめるた
めの図示しない油圧室へ供給され、ブレーキ44を作動
せしめる。 【0036】また、油路358へ導かれた油圧は、油路
360、ボール弁362、油路364を介して第2切換
弁106の油圧室295へ供給されてスプール294を
第2図右方へ変位せしめ、油路298がランド290で
遮断され油路300が排油口と連通されるのでクラッチ
28の解放が確実に保持される。そして、上記油路35
8の油圧は、さらに、油路224を介して調圧弁88の
受圧面216に作用して、油路202の油圧が前記第2
のライン圧となるように調整する。 【0037】一方、第1ソレノイド弁116は先ず所定
のデューティ率で作動されるので、同デューティ率に応
じて決定されスプール248の右側受圧面に作用する油
圧力及びスプリング250の付勢力の合力と同スプール
248の各受圧面に作用する油圧力とがバランスするス
プール248の位置に応じた大きさの油圧が油路260
へ導かれ、一部は第1切換弁104、油路288を介し
てクラッチ30へ導かれて上記油圧の大きさに応じた係
合力でクラッチ30を係合せしめ、他の一部は油路35
6を介して第5切換弁112の油圧室333に供給され
る。 【0038】そして、上記デューティ率が徐々に減少し
始めると上記油路260の油圧が上昇し始めるので、ク
ラッチ30の係合力が増加するとともに、第5切換弁1
12の油圧室333内の圧力も増加し、ランド328左
側の受圧面に作用する油圧力とスプリング334の付勢
力がランド330右側の受圧面に作用する油圧力を上廻
るとスプール332が図面右端位置に変位し、油路31
4が排出ポート335に連通され、第1切換弁104の
スプール284が確実に左方へ変位し、油路288が排
出ポート287へ連通しないようにする。上記デューテ
ィ率が0%、即ち第1ソレノイド弁116が消磁された
状態になると油路260、油路288の油圧が第2のラ
イン圧となり、クラッチ30が同第2のライン圧に対応
する係合力で係合して第1速の変速段が達成される。 【0039】比較的大きいトルクが伝達される第1速の
変速段が達成された状態では、上記クラッチ30及びブ
レーキ44を作動せしめるために第2のライン圧が供給
されるので、ブレーキ44及びクラッチ30の係合力が
強まり、比較的大きいトルクの伝達が可能となる。 【0040】次に、車両が走行を開始し、スロットル開
度信号や車速等に基づき電子制御装置124が第2速の
変速段へのシフトアップを要すると判断すると、同電子
制御装置124は、第1ソレノイド弁116を消磁状態
に、また、第2ソレノイド弁118を励磁状態にそれぞ
れ保持するとともに第3ソレノイド弁120をデューテ
ィ率100%、即ち、完全な励磁状態から徐々にデュー
ティ率を減少させ最終的に0%にするとともに、第4ソ
レノイド弁122をデューティ率0%、即ち、完全な消
磁状態から徐々にデューティ率を上昇させ最終的に10
0%とする信号が出力される。 【0041】第1ソレノイド弁116は非励磁状態に保
持されるので、クラッチ30も係合状態に保持され、ま
た、第2ソレノイド弁118は励磁状態に保持されるの
で油路206と油路276との連通の遮断された状態が
保持される。 【0042】第4ソレノイド弁122はデューティ率0
%(消磁)の状態からデューティ率が増加するように制
御されるので、油路184が排出ポート150に連通さ
れ始めることにより同油路184内の油圧が低下し、ス
プール266が図面右方向へ徐々に変位せしめられる。
従って、油路278は排出ポートに連通し、同油路27
8内の油圧が徐々に低下し始めるので、同油路278に
第6切換弁114を介して連通する油路358内の油圧
も低下し、ブレーキ44の係合力が減少し始める。 【0043】また、同油路358に連通する油路224
内の油圧も低下するので調圧弁88の受圧面216に作
用する油圧力が低減し、スプール220が油路202内
の油圧を低減せしめる位置でバランスする。そして、上
記デューティ率がさらに増加すると油路278、358
内の油圧がさらに低減しブレーキ44の係合力がさらに
低下して最終的には解放され、また、油路202内の圧
力も減少して最終的(デューティ率100%)に第1の
ライン圧に収束する。 【0044】第3ソレノイド弁120は、デューティ率
100%で励磁された状態から徐々にデューティ率が減
少されるので、排出ポート271にされていた油路27
6が徐々に油路206に連通されることにより同油路2
76内の油圧も徐々に上昇して第4切換弁110へ導か
れ、一部が油路312、第3切換弁108、油路316
を介してブレーキ54へ導かれて同ブレーキ54を徐々
に係合方向に作動せしめるとともに上記油路312へ導
かれた油圧の一部が油路360、ボール弁362、油路
364を介して第2切換弁106の油圧室295へ導か
れる。 【0045】また、上記第4切換弁110へ導かれた他
の一部の油圧は、油圧368、ボール弁370、油路3
72を介して第6切換弁114の油圧室391へ導かれ
る。そして、デューティ率がさらに減少し、油路276
内の油圧がさらに上昇すると、ブレーキ54の係合力が
さらに大きくなるとともに、第1切換弁106の油圧室
295及び第6切換弁114の油圧室391内の油圧が
上昇し、同油圧とスプリング296または342の付勢
力との合力が油圧室293または339内の油圧力を上
廻るとスプール294が第2図右方へ、またスプール3
40が左方へ変位して、油路300と排出ポート29
7、そして油路358と排出ポート343とを連通し油
路300、358内の残圧を排出する。 【0046】さらに、第3ソレノイド弁120のデュー
ティ率が0%(消磁)になると第1のライン圧に対応す
る係合力でブレーキ54が係合する。 【0047】次に、車速が、さらに増加し、電磁制御装
置124が第2速から第3速の変速段へアップシフトす
べきと判断すると、同電磁制御装置124は第1ソレノ
イド弁116を消磁状態に、また、第4ソレノイド弁1
22を励磁状態に保持するとともに、第1速から第2速
の変速段への変速における第4ソレノイド弁122と同
様に第3ソレノイド弁120デューティ率を0%(消磁
状態)から徐々に増加させ最終的に100%(励磁状
態)とし、また、上記第1速から第2速の変速段への変
速における第3ソレノイド弁120と同様に第2ソレノ
イド弁118のデューティ率を100%から徐々に減少
させ最終的に0%とする信号を出力する。 【0048】上記第1ソレノイド弁116は消磁状態に
保持されるので、油路206と油路288との連通状態
が第1油圧制御弁96、油路260、第1切換弁104
を介して保たれ、クラッチ30が係合状態に保持され
る。また、第4ソレノイド弁122は励磁状態に保持さ
れるので、油路278と排出ポート273とが連通状態
に保持され、ブレーキ44は作動しない。 【0049】また、第3ソレノイド弁120はデューテ
ィ率0%から徐々に上昇するデューティ率で作動される
ので、第3油圧制御弁100のスプール264が徐々に
図面右方でバランスするようになり、油路276内の油
圧が排出路271から抜け始める。従って、同油路27
6に、第4切換弁110、油路326、第5切換弁11
2、油路314、第3切換弁108、油路316を介し
て練通するブレーキ54の係合力が徐々に弱ると同時に
第2切換弁106の油圧室295内の油圧も低下し、ス
プール294が左方へ変位して油路298と油路300
とが連通状態になる。そして、上記デューティ率が10
0%に近づくにつれ油路276内の油圧がさらに低下し
てブレーキ54の係合力がさらに弱まり、最終的に解放
状態となる。 【0050】ここで、ブレーキ54は油路316、第3
切換弁108、油路314、第2切換弁112を介して
排出ポート335へ連通されるので、同ブレーキ54の
誤作動が防止される。 【0051】一方、第2ソレノイド弁118への信号は
デューティ率100%から徐々に減少し始めるので、ス
プール262が徐々に図面左方でバランスするようにな
り、油路274が油路206に連通し始め、同油路27
4内の油圧が徐々に上昇して第4切換弁110の油圧室
321、第6切換弁114の油圧室341、第3切換弁
108の油圧室309へ導かれるとともに第2切換弁1
06を介してクラッチ28へも導かれ、同クラッチ28
を係合方向に作動せしめる。上記デューティ率がさらに
減少すると、第4切換弁110スプール322及び第6
切換弁114のスプール340が図面左方へ、また、第
3切換弁108のスプール308が図面右方へ変位せし
められ、油路276と油路326、油路358と排出ポ
ート343(ブレーキ44の誤作動を防止する)油路3
14と油路316、及び油路312と排出ポート311
をそれぞれ連通されるとともに、クラッチ28の係合力
が増加される。そして、上記デューティ率が0%になる
と、上記クラッチは第1のライン圧に対応する係合力で
係合して第3速の変速段が達成される。 【0052】さらに、車速が上昇し、電子制御装置12
4によって第3速の変速段から第4速の変速段へ変速す
べきと判断されると、同電子制御装置124は第2ソレ
ノイド弁118を消磁状態に、また、第4ソレノイド弁
122を励磁状態に保持し、第1ソレノイド弁116の
デューティ率を0%から徐々に増加させ最終的に100
%とし、また、第3ソレノイド弁120のデューティ率
を100%から徐々に減少させ最終的に0%とする信号
を出力する。 【0053】上記第2ソレノイド弁118は消磁状態に
保持されるので、油路206と油路274との連通状態
が保たれ、上記第3速の変速段達成時と同様に同油路2
74内の第1のライン圧が油路372を介して第3切換
弁108の油圧室309、第4切換弁110の油圧室3
21、油路374、372を介して第6切換弁114の
油圧室341へ導かれ、上記第3切換弁108のスプー
ル308を図面右方へ、第4切換弁110のスプール3
22を図面左方へ、第6切換弁114のスプール340
を図面左方へそれぞれ保持せしめる。そして、上記油路
274内の油圧は、油路298、第2切換弁106、油
路300を介してクラッチ28へも導かれているので、
同クラッチ28は係合状態に保持される。 【0054】また上記第4ソレノイド弁122は消磁状
態に保持され第3速の変速段達成時と同様に油路278
が排出ポート273に連通し続けるので、油路278内
には油圧が発生せず、また、プレーキ44へ連通する油
路358は、第6切換弁114の排出ポート343に連
通されているので、同ブレーキ44が誤作動することも
ない。 【0055】第1ソレノイド弁116を作動する信号は
デューティ率が0%から徐々に増加するように制御され
るので、油路178内の油圧が徐々に低下して第1油圧
制御弁96のスプール248が図面右方でバランスし、
油路260が上記制御弁96の排出ポート251と連通
し始める。従って、油路260内の油圧が徐々に低下
し、同油路260に第1切換弁104、油路288を介
して連通されたクラッチ30の係合力が徐々に低下する
とともに、上記油路260に油路356を介して連通さ
れた第5切換弁112の油圧室333の油圧も低下す
る。 【0056】上記デューティ率が上昇し油路260内の
油圧がさらに減少すると、クラッチ30の係合力がさら
に弱まるとともに油圧室333内の油圧が低下し、スプ
ール332が図面左方向へ変位して油路326と油路3
14とが連通状態となる。そして、上記デューティ率が
100%となると、油路260内の圧力が0kg/cm
となり、クラッチ30が解放する。 【0057】一方、第3ソレノイド弁120を作動する
信号はデューティ率100%から徐々に減少するように
制御されるので、油路182内の油圧が上昇し第3油圧
制御弁100のスプール264が図面左方でバランスし
て、油路276は排出ポート271との連通を断たれる
とともに油路206と連通し始める。従って、油路27
6内の油圧は第4切換弁110、油路326、第5切換
弁112、油路314、第3切換弁108、油路316
を介してブレーキ54へ導かれ、同ブレーキ54を係合
方向に作用せしめるとともに、上記油圧は第1切換弁1
04の油圧室285へも導かれる。 【0058】上記デューティ率がさらに減少すると上記
油路276内の油圧が上昇するので、上記ブレーキ54
の係合力も上昇し、さらに、上記油圧室285内の油圧
力とスプリング286の付勢力との合力が油圧室283
内の油圧力を上廻るとスプール284が図面右方へ変位
して油路288と排出ポート287とが連通してクラッ
チ30の誤作動を防止する。そして、上記デューティ率
が0%となると油路274内の圧力が第1のライン圧と
なり同ライン圧に対応する係合力でブレーキ54が係合
して第4速の変速段が達成される。 【0059】以上、第1速の変速段から第4速の変速段
までのアップシフトの作動について述べたが、第4速の
変速段から第1速の変速段までのダウンシフトの作動は
単に上記アップシフトと全く逆の手順で行われるだけで
あるため、説明を省略する。また、セレクタレバーが2
またはL位置に設定された場合は、電子制御装置124
の指令により変速が第1速の変速段と第2速の変速段と
の間で行われるか、第1速の変速段に固定されるかの変
速制御が行われるのみであり、油圧回路的にはセレクタ
レバーがD位置に設定された場合と全く同様であるた
め、説明を省略する。 【0060】次に、車両の運転者がセレクタレバーを操
作してR位置を選択し手動弁94がR位置に設定される
と、油路202は、油路208と連通状態になるととも
に油路206との連通が断たれる。また、電子制御装置
124は全てのソレノイド弁を非励磁状態にする信号を
出力する。上記油路208へ導かれた油圧は、クラッチ
32を作動せしめるための図示しない油圧室へ供給され
て同クラッチ32を係合状態にし、また、油路226を
介して調圧弁88へ導かれて受圧面218に作用し、さ
らに、油路376、ボール弁352、油路354、第4
油圧制御弁102、油路278、第6切換弁114を介
して油路358、油路360、油路224へそれぞれ導
かれる。 【0061】上記油路358へ導かれた油圧はブレーキ
44を作動せしめるための図示しない油圧室に供給され
ブレーキ44を作動せしめ油路360へ導かれた油圧は
ボール弁362、油路360を介して第2切換弁106
の油圧室295へ導かれ、スプール294を図面右方へ
変位せしめてランド290によって油路298を閉じる
とともに油路300と排出ポート297とを連通せしめ
クラッチ28の誤作動を防止する。また、油路224へ
導かれた油圧は調圧弁88へ供給され受圧面216へ作
用する。 【0062】従って、受圧面216、218へ作用する
油圧により油路202内の油圧は第3のライン圧まで昇
圧され、ブレーキ44及びクラッチ32を比較的強く係
合せしめるので、比較的大きいトルクが伝達される後進
の変速段達成時において上記ブレーキやクラッチの充分
なトルク容量を確保できるものである。 【0063】次に、電子制御装置124に故障が発生し
た場合は、同制御装置124が故障を検知して各ソレノ
イド弁へ出力される信号を全てOFFにし、各油圧制御
弁のスプール弁を全て図面左端位置へ変位せしめる。従
って、手動弁94が少なくとも前進の変速段を達成する
ための位置(D、2、L)に設定され油路202が油路
206に連通していれば、ライン圧が油路206を介し
て各油圧制御弁へ導かれ、第1油圧制御弁96から油路
260へ導かれた油圧は、第5切換弁112の左端油圧
室へ導かれ同クラッチ28を係合状態にし、また、第4
切換弁110の右端油圧室へ導かれスプール332を図
面右方へ変位せしめ油路326と油路314との連通を
遮断するとともに第1切換弁104、油路228を介し
てクラッチ30へ導かれ同クラッチ30を係合状態にす
る。 【0064】第2油圧制御弁98へ導かれた油圧は油路
274を介して、油路372、第3切換弁108の左端
油圧室へ導かれスプール308を図面右方へ変位せしめ
るとともに、油路298、第2切換弁106、油路30
0を介してクラッチ28へ導かれ同クラッチ28を係合
状態にし、また、第4切換弁110の右端油圧室へ導か
れスプール322を図面左方へ変位せしめ油路276と
油路326とを連通し、さらに、油路374、ボール弁
370、油路372を介して第6切換弁114の右端油
圧室へ導かれスプール340を図面左方へ変位せしめ油
路278と油路358との連通を遮断する。 【0065】また、第3油圧制御弁100から油路27
6へ導かれた油圧は、第4切換弁110、油路326を
介して第5切換弁112へ導かれる。しかし、第5切換
弁11でのランド328によって油路326と油路31
4との連通が遮断されているので、油路326の油圧は
油路314へ導かれない。第4油圧制御弁102から油
路278へ導かれた油圧は、第6切換弁114へ導かれ
る。しかし、上記油路278と油路358との連通はラ
ンド338によって遮断されているのでブレーキ44は
作動しない。 【0066】従って、電子制御装置124が故障中で、
且つ手動弁94がD、2又はL位置に設定されていると
きは、クラッチ28とクラッチ30とが係合状態となる
ので、第3速の変速段が達成され、車両が全く走行でき
なくなってしまうことがない。 【0067】一方、電子制御装置124が故障中で且つ
手動弁94がR位置に設定されているときは、第2表か
らも明かなように後進の変速段を達成するのと全く同じ
作動となり、クラッチ32とブレーキ44とが作動せし
められるので、上記電子制御装置124の故障時に後進
の変速段も達成できる。 【0068】これまでは、簡単のために第1ソレノイド
弁116〜第4ソレノイド弁122が単にデューティ制
御されることによって変速時の油圧の供給又は排出が徐
々に行われるものとして述べたが、以下、変速ショック
の低減を目的とした油圧制御方法をパワーオン時の第3
速の変速段から第2速の変速段への変速を例に第3図〜
第5図に基づき説明する。 【0069】なお、第3図は第1図におけるブレーキ5
4の具体的構成を、第4図(a)、(b)はクラッチ2
8及びブレーキ54へ供給される油圧P、Pを制御
するためのフローチャートを、第5図(a)、(b)、
(c)はクラッチ28及びブレーキ54へ供給される油
圧P、P入力軸回転速度、出力軸トルクの変化特性
を示すものである。 【0070】第3図において、ブレーキ54は変速機ケ
ーシング22の内周部に同ケーシング22の長手方向
(第3図左右方向)に摺動可能に取付けられたプレッシ
ャプレート378、リアクションプレート379及び複
数枚のブレーキプレート380、上記変速機ケーミング
22の内周部に固定され上記両プレート378、380
の図面右方向への摺動を規制するスナップリング38
2、上記両プレート378、380間に交互に配設さ
れ、第2中間軸上を長手方向に摺動可能に設けられたブ
レーキディスク384、上記プレッシュプレート378
に当接するリターンスプリング386、同スプリング3
86に当接するビストン388からなる。 【0071】そして、第2中間軸48が回転している状
態で油路316を介して油圧室390へ導かれた油圧が
ピストン388に作用すると、プレッシャプレート37
8、ブレーキディスク384、ブレーキプレート38
0、リアクションプレート379が第3図右方向へ移動
し、同リアクションプレート379がスナップリング3
82に当接するとともにブレーキディスク384とブレ
ーキプレート380との間に摩擦力が生じ、第2中間軸
48の回転速度が低下し最終的に停止する。上記摩擦
力、即ちブレーキ54の係合力は上記油圧の大きさに比
例して大きくなるので、同油圧を制御することにより上
記係合力の大きさを制御することが可能である。 【0072】次に、上記油圧が低下すると、リターンス
プリング386の作用でピストン388が図面左方向へ
変位し、ブレーキディスク384とブレーキプレート3
80との間の摩擦力が低下して、最終的に上記第2中間
軸48はケーシング22に対して回転自在となる。 【0073】さらに、上記ブレーキ54はピストン38
8に取付けられた接触子392と、一端が電源に、他端
がアースに接続された抵抗394とを備え、上記接触子
392が抵抗394上を摺動することにより、同接触子
392に接続された出力端子に表れる電圧が変化、即
ち、ピストンが右方向へ変位するにつれて電圧が低くな
るように構成されている。従って、上記電圧を検出する
ことによって、ピストン388の位置を求めることがで
きる。 【0074】次に、クラッチ28およびブレーキ54へ
供給される油圧P、Pの制御を第4図(a)、
(b)及び第5図に基づいて説明する。例えば、第3速
の変速段で走行中の車両において、同車両を加速すべく
車両の運転者がアクセルペダルを比較的大きく踏み込む
と、電子制御装置124からダウンシフト指令が発せら
れ、第2速の変速段を達成するに際し解放されるクラッ
チ28、係合されるブレーキ54(クラッチ30は係合
された状態に保持される)への油圧P、Pを制御す
るための制御信号が以下に説明する第4図(a)、
(b)に示したフローチャートに基づき第2ソレノイド
弁118、第3ソレノイド弁120へ出力される。 【0075】まず、解放される係合要素であるクラッチ
28へ供給され油圧Pの制御を第4図(a)に基づい
て説明する。電子制御装置124からダウンシフト指令
信号が発せられると油圧Pの制御が開始し(ステップ
(1))、クラッチ28の係合力を減少させ、入力軸2
6と一体的に回転している第1及び第2キャリヤ38、
42の同入力軸26に対する相対的な回転を許容して変
速を開始するためにクラッチ28へ導かれている油圧の
値P(最初はライン圧)から所定の値、ΔPを減算
し、減算された値を上記Pと置換えるステップ(2)
が実行され、ステップ(3)で上記置換えられた油圧値
に対応するデューティー率で第2ソレノイド弁11
8を作動する指令を出力するための処理が実行される。 【0076】そして、ステップ(4)で入力軸回転速N
i及び出力軸回転速度No(出力歯車64の回転速度に
対応する)とが検出され、ステップ(5)で、入力軸回
転速度Niが上記出力軸回転速度Noと第3速の変速比
ihとの積よりも大きくなったか否か、即ち入出力軸2
6、62の速度比が変化して有効な変速が開始したか否
かが判別され、NOであれば判別結果がYESとなるま
で上記減算されたPからΔPを減算し、クラッチ2
8の係合力をさらに減少させるためステップ(2)〜ス
テップ(5)が繰り返し実行される(第5図領域)。 【0077】そして、有効な変速が開始し上記ステップ
(5)の判別結果がYESとなると、有効な変速が開始
されてから入力軸回転速度Niが所定の回転速度2(i
h+ie)・No/3に達するまでの間(以下、Xゾー
ンと称する)における入力軸回転速度Niの比較的大き
い目標変化率xを設定するステップ(6)実行され、
さらにステップ(7)で上記入力軸回転速度Niが上記
所定の回転速度2(ih+ie)・No/3(式中のi
eは第2速の変速比)に達したか否かが判別される。 【0078】変速中における変速機の所定の作動状態を
示す上記所定の回転速度は、その式から明らかなよう
に、第2速における入力軸回転速度Niよりわずかに低
い入力軸回転速度を表わしており、入力軸回転速度Ni
が上記所定の回転速度に達した後は、後述するように目
標変化率を比較的小さい値に変更するための条件とな
る。なお、入力軸回転速度Niの目標変化率を小さく変
更することにより油圧Pの変化速度を小さくして入力
軸回転速度Niの第2速相当回転速度への収束をオーバ
ーシュート、ハンチング等を発生することなくスムーズ
に達成させるとともに変速時間全体を短くすることがで
きる。 【0079】変速開始直後は、入力軸回転速度Niの変
化はごくわずかであるので、上記ステップ(7)での判
別結果はNOとなり、入力軸回転速度Niの実変化率N
iを演算するステップ(8)が実行され、ステップ
(9)で同実変化率iと上記目標変化率iとの差Δ
iが演算される。そして、Δiを“0”に近づける
べく同Δiの大きさに応じた補正油圧ΔP’を演算
するステップ(10)と、同ΔP’元の油圧Pに加
算し新しいPとして置換えるステップ(11)と、同
に対応したデューティ率で第2ソレノイド弁118
を作動するためのステップ(12)とが実行され、ステ
ップ(13)で入力軸及び出力軸の回転速度Ni、No
を検出して上記ステップ(7)へ再び戻る(第5図領
域)。 【0080】ステップ(7)〜(13)が数回繰り返し
て実行され、入力軸回転速度Niが上昇し上記ステップ
(7)において入力軸回転速度Niが所定の回転速度に
達したと判別されると、上記Xゾーン終了時点から有効
な変速が完了するまでの間(以下、Yゾーンと称する)
における入力軸回転速度Niの比較的小さい目標変化率
yを設定するステップ(14)と入力軸回転速度Ni
の実変化率iを演算するステップ(15)とが実行さ
れる。 【0081】そして、同実変化率iと上記目標変化率
yとの差Δiを演算するステップ(16)とΔi
を“0”に近づけるべく同Δiの大きさに応じた補正
油圧ΔP’を演算するステップ(17)と、同Δ
’元の油圧Pに加算し新しいPとして置換える
ステップ(18)と、同Pに対応したデューティ率で
第2ソレノイド弁118を作動するためのステップ(1
9)とが実行され、ステップ(20)で上記油圧P
“0”になったか否かが判別される。上記有効な変速が
完了する前のYゾーンでは油圧Pが“0”となること
はないので、上記ステップ(20)での判別結果はNO
となり、ステップ(21)で入力軸回転速度Niを検出
したのちに再びステップ(15)へ戻り、以下ステップ
(15)〜(21)が繰り返し実行される。 【0082】一方、後述するブレーキ54への供給油圧
の制御において、入力軸回転速度Niが第2速相当
の回転速度となって上記有効な変速の完了が検出され、
油圧Pが増加されてブレーキ54の係合力が増加する
と、上記ステップ(21)及び(15)において求めら
れる入力軸26の実変化率Niが“0”となるので、ス
テップ(16)で演算されるΔNiが負の値となる。こ
のため、上記ステップ(15)〜(21)を繰り返し実
行していると、油圧Pは減少し最終的に“0”となっ
て、ステップ(20)での判別結果がYESとなり油圧
の制御が終了(即ち、変速が終了)される。(ステ
ップ(22)、第5図領域) 【0083】なお、上記油圧Pの制御において、入力
軸回転速度Niの目標変化率x、yは、変速開始時
又は変速中の適宜時点における車両走行速度、エンジン
負荷等の車両運転状態に応じて設定されるものである。 【0084】次に、係合される係合要素であるブレーキ
54へ供給される油圧Pの制御を第4図(b)に基づ
いて説明する。電子制御装置124からダウンシフト指
令信号が発せられると、上記油圧Pの制御と同時に油
圧Pの制御が開始され(ステップ(23))、まずス
テップ(24)で入力軸回転速度Ni、出力軸回転速度
No及びブレーキ54のピストン388位置k(0スト
ローク位置で最大値、フルストローク位置で最少値をと
る)を検出し、ステップ(25)で入力軸回転速度Ni
が出力軸回転速度Noと第2速の変速比ieとの積に等
しくなったか否か、即ち上述した有効な変速が完了した
か否かが判別される。 【0085】同ステップ(25)での判別結果がYES
であれば後述する油圧Pを増加する制御が実行される
ことになるが、上記油圧Pの制御作用により入力軸回
転速度Niが第2速相当に達するまでは同ステップ(2
5)での判別結果はNOとなる。 【0086】上記ステップ(25)での判別結果がNO
であれば、以下のフィードバック制御を行う。まず、ス
テップ(26)で上記ピストン388がブレーキ54の
係合する直前の所定位置(例えばフルストローク位置か
ら0.6mm手前)までストロークしているか否かが判
別される。変速開始直後の場合には、上記ピストン38
8はまだストロークを開始していないか、上記所定の位
置まで到達していない状態であるので、上記ステップ
(26)での判別結果はk−0.6>0となるので、次
に、ブレーキ54へ導かれる所定の初期油圧Pに所定
の補正油圧ΔPを加算し、加算された油圧P+ΔP
を新しいPとして元のPと置換えるステップ(2
7)が実行され、新しいPに対応するデューティ率で
第3ソレノイド弁120を作動するステップ(28)が
実行され、ステップ(24)へ再び戻る。 【0087】上記ステップ(24)〜(28)が繰り返
し実行され、ステップ(26)でピストン388が係合
方向へストロークし過ぎてk−0.6<0と判別される
と、油圧Pから所定油圧ΔPを引き、引かれた油圧
−ΔPを新しい油圧Pとして元のPと置換え
るステップ(29)が実行され、上記ステップ(28)
が実行される。そして、上記判定ステップ(26)でビ
ストン388が所定位置までストロークしk−0.6=
0と判定されると、直前のステップ(28)で指令され
た油圧Pに対応するデューティー率での第3ソレノイ
ド弁120の作動を保持したまま、上記ステップ(2
5)での判別結果がYESとなるまでステップ(24)
〜(26)が繰り返し実行される。なお、この間でも上
記ピストン388の位置が上記所定の位置からずれると
ステップ(27)又は(29)とステップ(28)が実
行され、ステップ(25)での判別結果がYESとなる
までビストン388を上記所定位置に保持するように制
御されるものである。 【0088】以上の制御は、第5図領域で実行さ
れるものである。クラッチ28への油圧Pの上記制御
作用により、入力軸回転速度Niが適宜上昇して上記有
効な変速が完了し、上記ステップ(25)での判別結果
がYESとなると、その時点においてブレーキ54へ導
かれている油圧Pがライン圧Plであるか否かを判別
する判別ステップ(30)が実行される。 【0089】しかし、同油圧Pは、上記ステップ(2
6)〜(29)からも明らかなように、単にピストン3
88を所定の位置に保持するに十分な大きさでしかない
ため、同油圧Pに所定の油圧ΔPを加算し新しい油
圧Pとして置換えるステップ(31)と同油圧P
対応したデューティー率で第3ソレノイド弁120を作
動するステップ(32)とが実行され、以後油圧P
ライン圧Plに等しくなるまでステップ(30)〜(3
2)が繰返し実行されて、最終的に油圧Pがライン圧
Plとなり、ステップ(30)での判別結果がYESと
なると、ステップ(33)で油圧Pの制御、即ち変速
が終了される。(第5図領域) 【0090】なお、以上述べた実施例では、ピストン3
88をブレーキ54が係合する直前の位置で待機させた
が、同ピストン388をブレーキ54が初期係合する位
置で待機させるように制御しても上記実施例と略同様の
効果を奏する。 【0091】また、上記ピストン388の位置を検出す
るのに位置センサを用いたが、第3図における油路31
6内もしくは変速機ケーシング22とピストン388と
で形成される油圧室内の油圧を検出するセンサを設け、
ブレーキ54が係合を開始して油圧が上昇し始める時点
を検出することにより、ブレーキ54の初期係合状態を
検出するようにしてもよいものである。 【0092】さらに、上記実施例では第3速の変速段か
ら第2速の変速段へのパワーオンダウンシフトの場合に
ついて説明したが、他のダウンシフト変速やアップシフ
ト変速の場合にも同様の制御を適応できるのは言うまで
もない。 【0093】本実施例の構成によれば、解放例係合要素
であるクラッチ28の係合力の制御のみで有効な変速を
達成させ、その間に係合側係合要素であるブレーキ54
を係合直前の位置に待機させておき、有効な変速が終了
すると同時にブレーキ54の係合を開始するようにした
ので、有効な変速が実行されている間は解放側係合要素
によって出力軸へのトルク伝達を受けもたせることによ
り出力トルクの落ち込みを最少に抑えるという効果を奏
する。 【0094】また上記実施例の構成によれば、有効な、
変速が開始されてから入力軸の回転速度Niが所定の値
となるまで(Xゾーン)は同Niが比較的大きい変化率
を伴つて変化し、上記所定の値に達してから有効な変速
が終了するまで(Yゾーン)は上記Niが比較的小さい
変化率を伴って変化するように制御しているので、Xゾ
ーンにおける解放側係合要素(クラッチ28)へ供給さ
れている油圧の変化速度を大きくして変速途中までの変
速時間を短縮するとともに、Yゾーンにおける解放側係
合要素(クラッチ28)へ供給されている油圧の変化速
度を小さくして入力軸回転速度Niの第2速相当回転速
度への収束を滑らかに行うので、変速時間の短縮と変速
ショックの防止という相反する2つの効果を得ることが
できる。 【0095】また、電子制御装置124が故障したとき
は、全ソレノイド弁がOFFとなるように構成されてい
るので、第3速の変速段、ニュートラル及び後進の変速
段が達成可能であり、車両が全く走行不能になってしま
うことがない。 【0096】また、本実施例の油圧制御装置によれば、
変速段の達成の関与しない係合要素へ通ずる油路は、切
換弁によって排出ポートへ連通するように構成されてい
るので、ソレノイド弁の故障等によって変速段の達成に
関与しない上記係合要素へ油圧が供給され、歯車変速装
置がロックしてしまうことがなという効果を奏する。 【0097】そして、本実施例のものは、各油圧制御弁
96〜102、各ソレノイド弁116〜122、第3切
換弁108を除く各切換弁104〜114がそれぞれ共
通の部品で構成されているので、製造コストを低く抑え
ることができ、また、誤組付けも防止できる。 【0098】さらに、オイルポンプ86を可変吐出量型
としているので、必要最低限の油のみをと吐出させるこ
とができ、上記ポンプ86を駆動するエンジンの負担を
軽減できる効果を奏する。 【0099】 【発明の効果】本発明によれば、変速中に変速機が所定
の作動状態に達するまでは入力軸回転速度が第1の変化
率を伴って変化し、達した後は、上記入力軸回転速度が
第2の変化率を伴って変化するように制御されるので、
上記第1の変化率を第2の変化率より大きく設定するこ
とにより、変速時間が短い上に変速ショックの小さい変
速を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【第1図】本発明の一実施例が適用される車両用自動変
速機のパワートレーン図 【第2図】上記自動変速機の油圧制御装置を示す回路図 【第3図】上記第1図におけるブレーキ54の具体的構
成を示す構成図 【第4図】本実施例における変速時の制御態様を示すフ
ローチャートで図中(a)はクラッチ28への油圧の制
御態様を示すフローチャート、図中(b)は、ブレーキ
54への油圧の制御態様を示すフローチャート 【第5図】本実施例における自動変速機の変速中に変化
する変化要素の変化特性を示すグラフ 26…入力軸 28、30、32…クラッチ 44、54…ブレーキ 96、98、100、102…切換弁 116、118、120、122…ソレノイド弁 124…電子制御装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 61/04 B60K 41/06 F16H 59:42 F16H 59:48

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.複数の変速段を達成可能な歯車変速機と、同歯車変
    速機に駆動力を伝達する入力軸と、係合解放の組み合わ
    せにより上記複数の変速段を達成する複数の摩擦要素
    と、各摩擦要素の係合力を制御する制御装置と、を備え
    たものにおいて、上記摩擦要素は、上記複数の摩擦要素
    のうち係合または解放されることにより所定変速段の達
    成に関与する所定摩擦要素を含み、上記制御装置は、上
    記入力軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、上
    記入力軸の回転速度変化率を検出する回転速度変化率検
    出手段と、上記入力軸回転速度変化率の目標値を設定す
    る目標値設定手段と、上記入力軸回転速度変化率が上記
    目標値となるように上記所定摩擦要素の係合力をフィー
    ドバック制御するフィードバック制御手段と、を含み、
    上記目標値設定手段は、上記入力軸回転速度に応じて上
    記目標値を切り換える目標値切換手段を含むことを特徴
    とする車両用自動変速機の制御装置。 2.上記目標値設定手段はさらに、第1目標値を設定す
    る第1目標値設定手段と、第2目標値を設定する第2目
    標値設定手段と、を含み、上記フィードバック制御手段
    は、上記入力軸回転速度が所定値となるまでは上記第1
    目標値に応じてフィードバック制御し、上記所定値を越
    えたとき上記第2目標値に応じてフィードバック制御す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の車両用
    自動変速機の制御装置。 3.上記第1目標値が上記第2目標値よりも大きいこと
    を特徴とする特許請求の範囲第2項記載の車両用自動変
    速機の制御装置。
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