JP2958516B2 - 精密部品用又は治工具類用洗浄剤組成物 - Google Patents

精密部品用又は治工具類用洗浄剤組成物

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JP2958516B2 JP12488897A JP12488897A JP2958516B2 JP 2958516 B2 JP2958516 B2 JP 2958516B2 JP 12488897 A JP12488897 A JP 12488897A JP 12488897 A JP12488897 A JP 12488897A JP 2958516 B2 JP2958516 B2 JP 2958516B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密部品用又は治
工具類用洗浄剤組成物に関し、さらに詳細には精密部品
又は治工具類の表面に存在する汚れ成分の除去性及びす
すぎ性に優れ、しかも安全性の高い洗浄剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、精密部品又は組立加工工程に用い
られる治工具、部品等の表面に存在する油脂、機械油、
切削油、グリース、液晶、ロジン系ワックス等の有機物
を主体とする汚れ成分の除去には、トリクロロエタン、
テトラクロロエチレン等の塩素系溶剤、トリクロロフル
オロエタン等のフロン系溶剤、オルソケイ酸ソーダや苛
性ソーダに界面活性剤やビルダーを配合したアルカリ性
の洗浄剤、低沸点の炭化水素系溶剤などが使用されてい
る。しかしながら、塩素系及びフロン系の溶剤は安全
性、毒性、作業環境及び環境汚染等に大きな問題を有し
ており、また、アルカリ洗浄剤は精密部品等に用いる場
合には、被洗浄物表面に残存するとプラスチック部品等
に悪影響を与える、電機、電子部品においては電気特性
に極めて悪影響を与えるという問題があった。
【0003】また、近年になってこのような分野の代替
洗浄剤として、炭化水素系溶剤とグリコールエーテル類
の洗浄剤(特開平5−306482号公報)やピロリド
ン類及び/又はアニオン、ノニオン活性剤(特開平4−
68094号公報)を組み合わせた各種洗浄剤等が提案
されている。しかしながら、炭化水素系溶剤とグリコー
ルエーテルからなる洗浄剤は、極性のない油脂汚れに対
する溶解性、除去性には優れているが、ロジン系ワック
ス等の極性汚れに対する溶解性、除去性には劣り、かつ
汚れの極性に関わらず、すすぎに時間を必要とする欠点
を有している。ピロリドン類及び/又はアニオン、ノニ
オン活性剤を組み合わせた洗浄剤は、ロジン系ワックス
等の極性汚れに対する溶解性、除去性には優れている
が、極性のない油脂汚れの溶解性、除去性は劣り、かつ
極性のない油脂汚れの場合、すすぎの際、洗浄液はすす
げるが油脂汚れが残留する場合が多いという欠点を有し
ている。
【0004】また、これら洗浄剤を用いた洗浄剤の洗浄
方法としては、まず洗浄工程として洗浄剤原液又は水で
希釈した洗浄剤液で洗浄し、その後、すすぎ工程として
水ですすぎ、その後、乾燥工程を経るのが一般的な洗浄
方法となっている。さらに、最近は精密部品の加工精度
が向上し非常に凹凸が多く、凹部の隙間も非常に狭くな
っており、さらには生産性向上から洗浄工程にかけられ
る時間もより短縮化される傾向にある。
【0005】これらのことから、精密部品又は組立加工
工程に用いられる治工具、部品等の表面に存在する各種
油脂汚れ(特に精密部品の狭い隙間、凹部に付着してい
る汚れ)の溶解性、除去性に優れ、かつすすぎにも時間
を必要としない洗浄剤が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
各種の汚れに対し汎用的に用いることができ、優れた溶
解性、除去性を示し、特に今まで律速となっているすす
ぎ性を大きく改善でき、しかも環境汚染のおそれがな
く、安全性の高い精密部品用又は治工具類用洗浄剤組成
物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決すべく鋭意研究を行った結果、炭化水素、ピロリ
ドン類及び/又はラクトン類、及びアルキレンオキサイ
ド化合物を特定の割合で含有してなる洗浄剤組成物が上
記の課題を解決することを見出し、本発明を完成させ
た。
【0008】即ち、本発明の要旨は、 〔1〕 (A)炭素数10〜18の炭化水素を10〜7
0重量%、 (B)ピロリドン類及び/又はラクトン類を1〜60重
量%、及び (C)一般式(I) R1 −O−(Ck 2kO)m −R2 (I) (式中、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、kは
2又は3の整数を示し、mは1〜3の整数を示し、R2
は水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。m個
のCk 2kOはそれぞれ同一であってもよく、異なって
もよい。)で表されるアルキレンオキサイド化合物を1
〜60重量%、含有してなる精密部品用又は治工具類用
洗浄剤組成物(但し、二液性硬化樹脂用洗浄剤を除
く)、 〔2〕 更に(D)非イオン性界面活性剤を含有する前
記〔1〕記載の洗浄剤組成物、 〔3〕 更に水を含有する前記〔1〕又は〔2〕記載の
洗浄剤組成物、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の洗浄剤組成物は精密部品
用又は治工具類用の洗浄剤組成物であり、(A)炭素数
10〜18の炭化水素を10〜70重量%、(B)ピロ
リドン類及び/又はラクトン類を1〜60重量%、及び
(C)一般式(I) R1 −O−(Ck 2kO)m −R2 (I) (式中、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、kは
2又は3の整数を示し、mは1〜3の整数を示し、R2
は水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。m個
のCk 2kOはそれぞれ同一であってもよく、異なって
もよい。)で表されるアルキレンオキサイド化合物を1
〜60重量%、含有してなるものである。
【0010】(A)成分の炭化水素としては、炭素数1
0〜18のものであれば特に限定されるものではなく、
例えばデカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカ
ン、オクタデカン、デセン、ドデセン、テトラデセン、
ヘキサデセン、オクタデセン、テトラブテン等の直鎖又
は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素;ノニルベンゼ
ン、ドデシルベンゼン等のアルキルベンゼン;メチルナ
フタレン、ジメチルナフタレン等のナフタレン化合物;
シクロデカン、シクロドデセン等のシクロ系化合物等が
挙げられる。
【0011】これらのうち、炭素数10〜16の直鎖又
は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素が、油脂汚
れ溶解性が良好で低粘度であることから好ましく、特に
溶解性、臭い、ハンドリング等を考慮すると、オレフィ
ン系脂肪族炭化水素が好ましい。かかるオレフィン系脂
肪族炭化水素の具体例としては、デカン、ドデカン、テ
トラデカン、ドデセン、テトラデセンが挙げられる。
【0012】これらの炭化水素の含有量は、本発明の洗
浄剤組成物の10〜70重量%であれば良く、15〜5
0重量%であればより好ましく、20〜40重量%であ
れば特に好ましい。油汚れの除去性の観点から10重量
%以上が好ましく、すすぎ性の観点から70重量%以下
が好ましい。
【0013】(B)成分としてはピロリドン類及び/又
はラクトン類である。かかるピロリドン類及びラクトン
類の具体例としては、2−ピロリドン、3−ピロリド
ン、N−アルキル−2−ピロリドン(例えば、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N
−プロピル−2−ピロリドン)、5−アルキル−2−ピ
ロリドン(例えば、5−メチル−2−ピロリドン、5−
エチル−2−ピロリドン、5−プロピル−2−ピロリド
ン)、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アルキル−3
−ピロリドン(例えば、N−メチル−3−ピロリドン、
γ−N−エチル−3−ピロリドン、N−プロピル−3−
ピロリドン)、γ−ブチルラクトン、γ−バレコラクト
ン、γ−カプロラクトン等が例示されるが、特にN−メ
チル−2−ピロリドン、γ−ブチルラクトンが有効であ
る。
【0014】上記のピロリドン類、ラクトン類は(B)
成分として単独で用いてもよく、2種以上の混合物で用
いてもよい。これらのピロリドン類及び/又はラクトン
類の含有量は、本発明の洗浄剤組成物の1〜60重量%
であることが、ロジン系ワックス等の極性汚れの除去
性、すすぎ性の観点から好ましく、含有量が1〜30重
量%がより好ましく、1〜20重量%が特に好ましい。
油脂汚れの除去性及びすすぎ性の観点から、含有量は1
重量%以上が好ましく、油脂汚れ等の除去性の観点から
60重量%以下が好ましい。
【0015】(C)成分のアルキレンオキサイド化合物
は、一般式(I) R1 −O−(Ck 2kO)m −R2 (I) (式中、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、kは
2又は3の整数を示し、mは1〜3の整数を示し、R2
は水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。m個
のCk 2kOはそれぞれ同一であってもよく、異なって
もよい。)で示されるものである。
【0016】R1 及びR2 の炭化水素基は炭素数1〜8
の炭化水素基であるが、特に炭素数3〜6の炭化水素基
であることが、汚れの除去性、すすぎ性を考慮すると好
ましい。水に対する溶解性の観点、粘度の上昇を抑える
観点からR1 及びR2 の炭素数は8以下が好ましい。粘
度が高くなると、狭い隙間のすすぎ性が悪化する傾向が
ある。mは1〜3の整数であり、粘度の上昇を抑える観
点から3以下が好ましい。R1 及びR2 の炭化水素基の
具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基等
が挙げられる。
【0017】かかるアルキレンオキサイド化合物の具体
例としては、以下に示す化合物が挙げられる。モノエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル〔上記の化合物をそれぞれ(POE)1
モノメチルエーテル、(POE)2 モノメチルエーテ
ル、(POE)3 モノメチルエーテルと略記する場合が
ある。また、これらの化合物をまとめて(POE)1
3 モノメチルエーテルと略記する場合がある。なお、同
様の化合物等はそれに対応した表現で上記と同様に略記
する場合がある。〕、(POE)1 3 モノエチルエー
テル、(POE)1 3 モノプロピルエーテル、(PO
E)1 3 モノイソプロピルエーテル、(POE)1
3 モノアリルエーテル、(POE)1 3 モノブチルエ
ーテル、(POE)1 3 モノイソブチルエーテル、
(POE)1 3 モノヘキシルエーテル、(POE)1
3 モノ2−エチルヘキシルエーテル、(POE)1
3 モノオクチルエーテル、(POE)13 モノフェニ
ルエーテル、(POE)1 3 モノベンジルエーテル等
のエチレングリコールモノエーテル類。
【0018】(POP)1 3 モノメチルエーテル、
(POP)1 3 モノエチルエーテル、(POP)1
3 モノプロピルエーテル、(POP)1 3 モノイソプ
ロピルエーテル、(POP)1 3 モノアリルエーテ
ル、(POP)1 3 モノブチルエーテル、(POP)
1 3 モノイソブチルエーテル、(POP)1 3 モノ
ヘキシルエーテル、(POP)1 3 モノ2−エチルヘ
キシルエーテル、(POP)1 3 モノオクチルエーテ
ル、(POP)1 3 モノフェニルエーテル、(PO
P)1 3 モノベンジルエーテル等のプロピレングリコ
ールモノエーテル類。なお、(POP)とは、エチレン
をプロピレンとする以外は、(POE)と同様の略号で
ある。(POE)1 3 ジメチルエーテル、(POE)
1 3 ジエチルエーテル、(POE)1 3 メチルエチ
ルエーテル、(POE)1 3 ジブチルエーテル等のエ
チレングリコールジアルキルエーテル類。(POP)1
3 ジメチルエーテル、(POP)1 3 ジエチルエー
テル、(POP)1 3 メチルエチルエーテル、(PO
P)1 3 ジブチルエーテル等のプロピレングリコール
ジアルキルエーテル類。
【0019】上記化合物の中で、(POE)1 3 モノ
メチルエーテル、(POE)1 3モノエチルエーテ
ル、(POE)1 3 モノイソプロピルエーテル、(P
OE)1 3 モノアリルエーテル、(POE)1 3
ノブチルエーテル、(POE)1 3 モノイソブチルエ
ーテル、(POE)1 3 モノヘキシルエーテル、(P
OE)1 3 モノ2−エチルヘキシルエーテル、(PO
E)1 3 モノフェニルエーテル、(POE)1 3
ノベンジルエーテル、(POP)1 3 モノメチルエー
テル、(POP)1 3 モノエチルエーテル、(PO
P)1 3 モノプロピルエーテル、(POP)1 3
ノブチルエーテル、(POP)1 3 モノフェニルエー
テル、(POE)1 3 ジエチルエーテル、及び(PO
E)1 3 ジブチルエーテルが性能と入手の容易性の観
点から好ましく用いることができる。なお、これらのア
ルキレンオキサイド化合物は単独で用いてもよく、併用
してもよい。
【0020】アルキレンオキサイド化合物の含有量は本
発明の洗浄剤組成物の1〜60重量%であるが、汚れの
除去性、すすぎ性を考慮した場合、20〜60重量%で
あることがより好ましく、30〜60重量%であること
が特に好ましい。
【0021】また、すすぎ性をさらに向上させる場合に
は、(D)非イオン性界面活性剤を添加すればよい。
(D)成分としては特に限定されるものではなく、以下
の化合物が例示できる。
【0022】まず、一般式(II) R3 −O−(Cj 2jO)n −H (II) (式中、R3 は炭素数8以上の炭化水素基を示し、jは
2又は3の整数を示し、nはR3 が炭素数8の炭化水素
基の場合は4以上の整数を、R3 が炭素数9以上の炭化
水素基の場合は1以上の整数を示す。)で表されるアル
キレンオキサイド化合物が挙げられる。かかるアルキレ
ンオキサイド化合物の具体例としては、(POE)3
40オクチルエーテル、1〜40量体のエチレンオキサイ
ドと炭素数が12〜14の合成アルコールのエーテル
((POE)1 40炭素数12〜14合成アルコールエ
ーテルと略記する。)、(POE)1 47ラウリルエー
テル、(POE)1 20セチルエーテル、(POE)1
30ステアリルエーテル、(POE)1 35オレイルエ
ーテル、(POE)1 40オクチルフェニルエーテル、
(POE)1 45ノニルフェニルエーテル等が挙げられ
る。
【0023】また、ソルビタンモノラウリルエステル、
ソルビタンモノパルミチルエステル、ソルビタンモノス
テアリルエステル、ソルビタンモノオレイルエステル等
のソルビタンモノアルキルエステル類;(POE)1
25ソルビタンモノラウリルエステル、(POE)1 25
ソルビタンモノパルミチルエステル、(POE)1 30
ソルビタンモノステアリルエステル、(POE)1 30
ソルビタンモノオレイルエステル等のポリオキシエチレ
ンソルビタンモノアルキルエステル類;(POE)10
40ソルビタントリステアリルエステル、(POE)10
40ソルビタントリオレイルエステル等のポリオキシエチ
レンソルビタントリアルキルエステル類等も(D)成分
として挙げられる。
【0024】上記の化合物のうち、(POE)5 9
素数12〜14合成アルコールエーテル、(POE)4
10ラウリルエーテル、(POE)5 8 セチルエーテ
ル、(POE)1015ステアリルエーテル、(POE)
5 15オレイルエーテル、(POE)6 10オクチルフ
ェニルエーテル、(POE)5 13ノニルフェニルエー
テル、ソルビタンモノラウリルエステル、ソルビタンモ
ノパルミチルエステル、ソルビタンモノステアリルエス
テル、ソルビタンモノオレイルエステル、(POE)5
20ソルビタンモノラウリルエステル、(POE)5
20ソルビタンモノパルミチルエステル、(POE)5
20ソルビタンモノステアリルエステル、(POE)5
20ソルビタンモノオレイルエステル、(POE)1530
ソルビタントリステアリルエステル、(POE)1530
ソルビタントリオレイルエステルが洗浄性及びリンス性
の点から好ましく用いられる。
【0025】また、(D)成分の非イオン性界面活性剤
としては、すすぎ性の観点からHLBが4〜18のもの
が好ましく、HLBが11〜18のものがより好まし
い。(D)成分の含有量は、本発明の効果を損なわない
限り特に限定されないが、すすぎ性の観点から、本発明
の洗浄剤組成物の0.01〜10重量%であることが好
ましく、0.01〜3重量%であることがより好まし
く、0.01〜2重量%であることが特に好ましい。
【0026】さらに、本発明の洗浄剤組成物は、大規模
な洗浄装置に用いる場合の安全性の観点から水を含有し
ていても良い。水の含有量は特に限定されないが、安全
性、高温、低温での製品安定性を考慮した場合、洗浄剤
組成物の5〜20重量%が好ましく、5〜15重量%が
より好ましく、7〜13重量が特に好ましい。
【0027】本発明の洗浄剤組成物においては、本発明
の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、通常洗浄剤
組成物に用いられる、他の界面活性剤、防腐剤、防錆
剤、シリコーン等の消泡剤等を適宜併用することができ
る。本発明の洗浄剤組成物は、前記成分及び任意成分等
を常法により混合することにより、製造することができ
る。
【0028】本発明の洗浄剤組成物は、ロジン系ワック
ス等の極性汚れ、機械油、切削油、グリース、プレス
油、液晶等の極性のない汚れのいずれに対しても適用す
ることができる、汎用性に優れたものである。また、塩
素系、フロン系の化合物を含まないことから環境汚染の
心配がなく、水を含有させた場合には引火性を示さない
ことから安全性も高い。
【0029】本発明の洗浄剤組成物は、精密部品又は治
工具類等を洗浄する公知の洗浄方法に適用することがで
きる。例えば、本発明の洗浄剤組成物の原液又は希釈液
を用いて洗浄工程を行い、次いですすぎ工程、乾燥工程
等を経ることにより、被洗浄物の洗浄が行われる。洗浄
工程、すすぎ工程の物理力は特に限定されないが、例え
ば、浸漬法、超音波洗浄法、浸漬揺動法、スプレー法、
手拭き法等の各種の公知の洗浄方法を単独又は組み合わ
せて洗浄する。温度等の洗浄条件も通常行われる公知の
条件で良く、例えば常温から90℃が好ましく、水分の
蒸発を考えると80℃以下がより好ましい。
【0030】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明を更に詳
しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなん
ら限定されるものではない。
【0031】実施例1〜13、比較例1〜10 以下に示す組成の洗浄剤組成物を常法により調製し、各
洗浄剤組成物についての汚れの除去性、さらにすすぎ性
を次の方法により評価した。結果を表1〜表6に示す。
表中の各成分の含有量は重量%で示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】汚れ成分としては、高粘度加工油、プレス
加工油、ロジン系ワックス、ネマテック液晶を用いた。
テストピースは、25×22mmの大きさの二枚のプレ
ートを所定の間隔の隙間をあけて張りつけたものを用い
た。汚れ成分が加工油の場合はステンレスプレートを用
い、汚れ成分がロジン系ワックスはガラスプレートを用
い、共に100μmの隙間を開けた。汚れ成分が液晶の
場合にはガラスプレートを用い、5μmの隙間を開け
た。
【0039】汚れの除去性の評価は次のように行った。
即ち、各テストピースの表面及び隙間に汚れ成分を充填
し、洗浄剤組成物で洗浄した。次いですすぎを行った
後、テストピースを乾燥させた。乾燥後のテストピース
表面及び隙間の汚れ成分を溶剤で抽出し、その量を定量
した。テストピースの表面及び隙間への、汚れ成分の付
着・充填量はテストピース1個あたり約100mgであ
った。すすぎ性の評価は次のように行った。即ち、汚れ
成分の代わりに各洗浄剤組成物をテストピースに付着、
充填した。次いですすぎ、乾燥を行った後、テストピー
ス表面及び隙間の洗浄剤組成物を溶剤で抽出し、その量
を定量した。テストピースの表面及び隙間への、洗浄剤
組成物の付着・充填量はテストピース1個あたり約10
0mgであった。
【0040】洗浄条件は次のとおりである。即ち、調製
した各洗浄剤組成物を50℃に保ち、洗浄剤組成物中に
テストピースを浸漬し、5分間超音波をあてて洗浄を行
った。すすぎ条件は次のとおりである。即ち、イオン交
換水を50℃に保ち、イオン交換水中にテストピースを
浸漬し、2.5分間超音波をあててすすぎを行い、次い
で別のイオン交換水中にテストピースを浸漬し、2.5
分間超音波をあててさらにすすぎを行った。乾燥条件
は、100℃で10分間であった。
【0041】判定基準を下記に示す。 汚れの除去性判定基準 ◎:テストピースの表面、隙間内の汚れが全て洗浄液に
溶解し、汚れのテストピースへの付着残留が無い。非常
に良好。(付着量:0.5mg未満/テストピース) ○:テストピースの表面、隙間内の汚れがほとんど洗浄
液に溶解し、汚れのテストピースへの付着残留がほとん
ど無い。良好。(付着量:0.5mg以上1.0mg未
満/テストピース) △:テストピースの表面、隙間内の汚れが少量洗浄液に
溶解し、汚れのテストピースへの付着残留がやや有る。
やや悪い。(付着量:1.0mg以上3.0mg未満/
テストピース) ×:テストピースの表面、隙間内の汚れが微量しか溶解
せず、汚れのテストピースへの付着残留が多い。悪い。
(付着量:3.0mg以上/テストピース)
【0042】すすぎ性の判定基準 ◎:テストピースの表面、隙間内の洗浄剤組成物が全て
水に乳化分散し、洗浄剤組成物のテストピースへの付着
残留が無い。非常に良好。(付着量:0.5mg未満/
テストピース) ○:テストピースの表面、隙間内の洗浄剤組成物がほと
んど水に乳化分散し、洗浄剤組成物のテストピースへの
付着残留がほとんど無い。良好。(付着量:0.5mg
以上1.0mg未満/テストピース) △:テストピースの表面、隙間内の洗浄剤組成物が少量
乳化分散し、洗浄剤組成物のテストピースへの付着残留
がやや有る。やや悪い。(付着量:1.0mg以上3.
0mg未満/テストピース) ×:テストピースの表面、隙間内の洗浄剤組成物が僅か
に乳化分散し、洗浄剤組成物のテストピースへの付着残
留が非常に多い。悪い。(付着量:3.0mg以上/テ
ストピース)
【0043】
【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、精密部品又は
治工具類の表面に存在する油脂、機械油、グリース、液
晶、ロジン系ワックス等の各種の汚れに対し汎用的に用
いることができ、優れた溶解性、除去性を示し、すすぎ
性を大きく改善でき、しかも環境汚染のおそれがなく、
安全性の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−302387(JP,A) 特開 平7−316534(JP,A) 特開 平6−279788(JP,A) 特開 平6−128592(JP,A) 特開 平4−68094(JP,A) 特開 平5−148499(JP,A) 特開 平6−93292(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11D 1/72 C11D 3/18 C11D 3/20 C11D 3/28 C23G 5/032

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)炭素数10〜18の炭化水素を1
    0〜70重量%、 (B)ピロリドン類及び/又はラクトン類を1〜60重
    量%、及び (C)一般式(I) R1 −O−(Ck 2kO)m −R2 (I) (式中、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、kは
    2又は3の整数を示し、mは1〜3の整数を示し、R2
    は水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。m個
    のCk 2kOはそれぞれ同一であってもよく、異なって
    もよい。)で表されるアルキレンオキサイド化合物を1
    〜60重量%、含有してなる精密部品用又は治工具類用
    洗浄剤組成物(但し、二液性硬化樹脂用洗浄剤を除
    く)
  2. 【請求項2】 更に(D)非イオン性界面活性剤を含有
    する請求項1記載の洗浄剤組成物。
  3. 【請求項3】 更に水を含有する請求項1又は2記載の
    洗浄剤組成物。
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