JP2902554B2 - 冷却液組成物 - Google Patents

冷却液組成物

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  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車などの内燃機関
の冷却水中に混合され、冷却水の凍結を防止する冷却液
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車エンジンの冷却水には、ア
ルコール類やグリコール類などの融点降下剤を主成分と
する冷却液が添加され、冬季の凍結が防止されている。
ところがアルコール類やグリコール類には防錆作用が全
くないばかりか、高温で循環中に酸素と接触することに
より酸化され、生成した酸化物が冷却水流路を構成する
金属の腐食を促進するという不具合がある。
【0003】そこで冷却液には一般に、リン酸塩,ホウ
酸塩,炭酸塩,硫酸塩,硝酸塩,モリブデン酸塩,安息
香酸塩,ケイ酸塩,ベンゾトリアゾール,メルカプトベ
ンゾチアゾールのナトリウム塩,トリルトリアゾール,
トリエタノールアミン塩などから選ばれる防錆剤が添加
され、冷却水に所定量混合された使用時における金属の
腐食が防止されている。
【0004】ところが省資源・省エネルギーの目的でア
ルミニウム部品が多用されるに伴い、従来の冷却液では
アルミニウム系金属に対する防食性が不十分であること
が明らかとなった。例えばホウ酸塩は鋳鉄材質に対して
は優れた防食性を有するが、アルミニウム系金属材質に
対しては効果が無い。
【0005】またトリエタノールアミンのリン酸塩は、
鉄系金属とアルミニウム系金属の両方に対して防食性を
有している。しかし亜硝酸塩との共存により反応してニ
トロソアミンを生成し、防食性の耐久性に問題がある。
またケイ酸塩もアルミニウム系金属に対する防食性を有
しているが、長時間の貯蔵又は使用中にゲル化分離して
防食性が低下するという問題がある。
【0006】そこで特開平1-306492号公報には、アミン
類やケイ酸塩の代わりにマグネシウム化合物やメルカプ
トベンゾチアゾールのナトリウム塩などを防錆剤として
用い、さらにpHを6.5 〜9.0 の範囲とした不凍液が開
示されている。この不凍液によれば、アルミニウム系金
属に対する十分な防食性を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記公報に記載
された不凍液では、マグネシウム化合物の添加量が0.00
1 〜0.08重量%程度と多く、その分他の防錆剤の添加量
が制約されたりコストも高いという問題がある。また、
エンジンの高出力化に伴い、エンジンによっては金属の
表面温度が非常に高くなるものがある。このようなエン
ジンの冷却水の場合は、マグネシウム化合物などの添加
量が多くなると、エンジンヘッド上へのスケール状堆積
物量の増大をまねき、エンジン放熱性の低下を引き起こ
す可能性がある。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、マグネシウム化合物などの防錆剤の添加量
を少量としても高い防錆性を確保することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の冷却液組成物は、アルコール類及びグリコール類か
ら選ばれる融点降下剤と、リン酸塩,ホウ酸塩,硝酸
塩,モリブデン酸塩,安息香酸塩,ケイ酸塩,トリアゾ
ール類,チアゾール類,セバチン酸及びオクチル酸から
選ばれる少なくとも1種の防錆剤とを含み、さらにカル
シウム化合物とマグネシウム化合物をそれぞれ金属元素
濃度として0.00005〜0.02重量%含むことを
特徴とする。
【0010】また、さらに望ましい本発明の冷却液組成
物は、アルコール類及びグリコール類から選ばれる融点
降下剤と、リン酸塩,ホウ酸塩,硝酸塩,モリブデン酸
塩,安息香酸塩,ケイ酸塩,トリアゾール類,チアゾー
ル類,セバチン酸及びオクチル酸から選ばれる少なくと
も1種の防錆剤とを含み、さらにカルシウム化合物とマ
グネシウム化合物をそれぞれ金属元素濃度として0.0000
5 〜0.02重量%含むことを特徴とする。
【0011】融点降下剤であるアルコール類及びグリコ
ール類としては、メタノール,エタノール,2−プロパ
ノール,モノエチレングリコール,プロピレングリコー
ルなどを単独で、或いは2種以上混合して用いることが
できる。カルシウム化合物及びマグネシウム化合物とし
ては、それぞれ酸化物,水酸化物,過マンガン酸塩,ク
ロム酸塩,フッ化物,ヨウ化物,炭酸塩,硝酸塩,硫酸
塩,チタン酸塩,タングステン酸塩,ホウ酸塩,リン酸
塩,リン酸二水素塩,蟻酸塩,酢酸塩,プロピオン酸
塩,酪酸塩,吉草酸塩,ラウリン酸塩,ステアリン酸
塩,オレイン酸塩,グルタミン酸塩,乳酸塩,コハク酸
塩,リンゴ酸塩,酒石酸塩,マレイン酸塩,クエン酸
塩,シュウ酸塩,マロン酸塩,セバシン酸塩,安息香酸
塩,フタル酸塩,サリチル酸塩,マンデル酸塩などを用
いることができる。
【0012】カルシウム化合物は、冷却液原液中に金属
元素濃度として0.00005 〜0.02重量%含まれている。こ
の量が0.00005 重量%より少なくなると防錆性が急に低
下し、0.02重量%を越えて添加しても効果が飽和し他の
成分の添加量が制限されるため好ましくない。特に望ま
しくは0.0002〜0.01重量%の範囲である。カルシウム化
合物とマグネシウム化合物を併用する場合は、それぞれ
の添加量が金属元素濃度として0.00005 〜0.02重量%と
される。なお、併用の場合におけるカルシウム化合物と
マグネシウム化合物の混合割合は、金属元素重量比でカ
ルシウム化合物/マグネシウム化合物=1/2が望まし
い。
【0013】ところで、カルシウム化合物やマグネシウ
ム化合物は、過度の添加により製品コストの上昇を招く
とともにスケール状の堆積物を形成する恐れがある。そ
こで本発明の冷却液組成物では、さらにポリリン酸及び
カルボン酸の少なくとも一方を含むことが望ましい。こ
れによりカルシウム化合物やマグネシウム化合物の添加
量を低減しても同等の防錆性能が得られる。
【0014】ポリリン酸としては、ピロリン酸、トリポ
リリン酸、1ーヒドロキシエチリデンー1,1ージホス
ホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、エチレンジア
ミンテトラメチレンホスホン酸、フィチン酸などが例示
される。またカルボン酸としては、オリゴマーあるいは
ポリマー状態のカルボン酸が用いられ、ポリアクリル
酸、オリゴマレイン酸、マレイン酸/アクリル酸コポリ
マなどが例示される。
【0015】ポリリン酸及びカルボン酸の添加量は、ど
ちらか一方又は両者の合計で、0.005 〜0.5 重量%の範
囲が好ましい。添加量が0.005 重量%より少ないと効果
が得られず、0.5 重量%より多くなっても効果が飽和し
他の防錆剤の添加量がその分少なくなるため好ましくな
い。
【0016】
【作用】本発明の冷却液組成物は、冷却水中に通常20
〜60体積%混合されて使用される。ここで本発明の冷
却液組成物では、カルシウム化合物又はマグネシウム化
合物を所定範囲で含むため、理由は不明であるが防錆性
が向上する。そして従来のマグネシウム化合物を含むも
のと比較すると、本発明ではカルシウム化合物又はマグ
ネシウム化合物の添加量は従来より少量で同等の防錆性
能が得られ、同量とすれば防錆性能は一段と向上する。
【0017】そしてカルシウム化合物とマグネシウム化
合物を併用すれば、さらに少量の添加量で従来と同等の
防錆性能を得ることができ、同量とすれば防錆性能は格
段に向上する。さらに、カルシウム化合物とマグネシウ
ム化合物の少なくとも一方と、ポリリン酸及びカルボン
酸の少なくとも一方とを含む構成とすれば、カルシウム
化合物とマグネシウム化合物の添加量を少量としても同
等の防錆性を維持できる。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例により具体的に説明
する。なお、以下にいう%は特にことわらない限り重量
%を意味する。 <第1シリーズの実施例> (実施例1)表1にも示すように、モノエチレングリコ
ール90.0% ,水1.9859% ,硝酸ナトリウム0.4%,モリブ
デン酸ナトリウム0.5%,ベンゾトリアゾール0.4%,安息
香酸ナトリウム5.0%,メルカプトベンゾチアゾール0.2
%,オルトリン酸0.8%,水酸化カリウム0.7%及び硝酸カ
ルシウム4水和物0.0141% (金属カルシウム濃度として
0.0024% )を混合し、実施例1の冷却液組成物とした。
【0019】この冷却液組成物について、ASTM D4340-8
4(Corrosion of Cast AluminiumAlloys in Engine Cool
ants Under Heat-Rejecting Conditions)(アルミニウ
ム合金伝熱面腐食試験)に基づく腐食試験を行い、腐食
量測定と外観判定の結果を表1に示す。また試験前と試
験後の冷却水のpHを測定し、併せて表1に示す。なお
試験条件は、下記のとおりである。
【0020】 冷却液濃度 : 25体積% 試験片 : アルミニウム合金鋳物(AC-2
A) 試験片温度 : 135 ℃ 液量 : 500ml 試験時間 : 168Hr 試験液中のcl- 量 : 100ppm 加圧圧力 : 193kPa (実施例2) 硝酸カルシウム4水和物の量を0.0212% (金属カルシウ
ム濃度として0.0036%)としたこと以外は実施例1と同
様である。同様に試験を行い、結果を表1に示す。 (実施例3) 硝酸カルシウム4水和物の代わりに硫酸カルシウム2水
和物を0.0052%(金属カルシウム濃度として0.0012% )
用いたこと以外は実施例1と同様である。同様に試験を
行い、結果を表1に示す。 (実施例4) 硝酸カルシウム4水和物の代わりに硫酸カルシウム2水
和物を0.0303% (金属カルシウム濃度として0.0072% )
用いたこと以外は実施例1と同様である。同様に試験を
行い、結果を表1に示す。 (実施例5) 硝酸カルシウム4水和物を0.0012% (金属カルシウム濃
度として0.0002% )用い、硝酸マグネシウム6水和物を
0.0042% (金属マグネシウム濃度として0.0004% )用い
たこと以外は実施例1と同様である。同様に試験を行
い、結果を表1に示す。 (実施例6) 硝酸カルシウム4水和物を0.0035% (金属カルシウム濃
度として0.0006% )用い、硝酸マグネシウム6水和物を
0.0127% (金属マグネシウム濃度として0.0012% )用い
たこと以外は実施例1と同様である。同様に試験を行
い、結果を表1に示す。 (実施例7) 硝酸カルシウム4水和物を0.0071% (金属カルシウム濃
度として0.0012% )用い、硝酸マグネシウム6水和物を
0.0253% (金属マグネシウム濃度として0.0024% )用い
たこと以外は実施例1と同様である。同様に試験を行
い、結果を表1に示す。 (実施例8) 表1にも示すように、モノエチレングリコール95.0% ,
水2.7176% ,硝酸カルシウム4水和物0.0071% (金属カ
ルシウム濃度として0.0012% ),硝酸マグネシウム6水
和物0.0253% (金属マグネシウム濃度として0.0024%
),硝酸ナトリウム0.25% ,トリルトリアゾール0.1
%,オルトリン酸0.6%,水酸化カリウム0.65%,ケイ酸ナ
トリウム0.35% 及びテトラホウ酸ナトリウム0.3%を混合
し、実施例8の冷却液組成物とした。そして実施例1と
同様に試験を行い、結果を表1に示す。 (実施例9) 表1にも示すように、モノエチレングリコール90.0% ,
水2.9676% ,硝酸カルシウム4水和物0.0071% (金属カ
ルシウム濃度として0.0012% ),硝酸マグネシウム6水
和物0.0253% (金属マグネシウム濃度として0.0024%
),硝酸ナトリウム0.25% ,ベンゾトリアゾール0.1
%,水酸化ナトリウム1.3%,ケイ酸ナトリウム0.15% ,
テトラホウ酸ナトリウム1.2%,セバチン酸1.5%及びオク
チル酸2.5%を混合し、実施例9の冷却液組成物とした。
そして実施例1と同様に試験を行い、結果を表1に示
す。 (比較例1) カルシウム化合物及びマグネシウム化合物を含まないこ
と以外は実施例1と同様である。同様に試験を行い、結
果を表1に示す。 (比較例2) カルシウム化合物及びマグネシウム化合物を含まないこ
と以外は実施例8と同様である。同様に試験を行い、結
果を表1に示す。 (比較例3) カルシウム化合物及びマグネシウム化合物を含まないこ
と以外は実施例9と同様である。同様に試験を行い、結
果を表1に示す。 (比較例4) カルシウム化合物の代わりに硝酸マグネシウム6水和物
を0.0253% (金属マグネシウム濃度として0.0024% )用
いたこと以外は実施例1と同様である。同様に試験を行
い、結果を表1に示す。 (比較例5) カルシウム化合物の代わりに硝酸マグネシウム6水和物
を0.0759% (金属マグネシウム濃度として0.0072% )
用いたこと以外は実施例1と同様である。同様に試験を
行い、結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】(評価)比較例4〜5と実施例1〜4を比
較すると、カルシウム化合物の方が少量の添加で腐食量
が大きく低減し、マグネシウム化合物に比べて効果が大
きいことが明らかである。またカルシウム化合物は、硝
酸塩よりも硫酸塩の方が効果が大きいこともわかる。そ
して実施例の冷却液を用いた場合には、試験片の外観変
化もほとんどない。
【0023】さらに実施例5〜7とも比較すると、カル
シウム化合物とマグネシウム化合物とを併用することに
より、その合計添加量がさらに少量でも腐食量は極めて
少なく、高い耐食性を示していることが明らかである。
そして併用の効果は、他の組成例である比較例2と実施
例8の比較、及び比較例3と実施例9の比較からも明ら
かである。
【0024】さらに、試験前後のpHの変化はほとんど
ないことから、実施例及び比較例の冷却液には無駄な反
応が生じていないと判断され、長期の使用に耐え得るこ
とがわかる。 <第2シリーズの実施例> (実施例10)表2にも示すように、モノエチレングリコ
ール90.0% ,水1.9476% ,硝酸ナトリウム0.4%,モリブ
デン酸ナトリウム0.5%,ベンゾトリアゾール0.4%,安息
香酸ナトリウム5.0%,メルカプトベンゾチアゾール0.2
%,オルトリン酸0.8%,水酸化カリウム0.7%,硝酸カル
シウム4水和物0.0071% (金属カルシウム濃度として0.
0012% ),硝酸マグネシウム6水和物0.0253% (金属マ
グネシウム濃度として0.0024% )及び1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸0.02% を混合し、実施
例10の冷却液組成物とした。
【0025】この冷却液組成物について、ASTM D4340-8
4(Corrosion of Cast AluminiumAlloys in Engine Cool
ants Under Heat-Rejecting Conditions)(アルミニウ
ム合金伝熱面腐食試験)に基づく腐食試験を行い、腐食
量測定と外観判定の結果を表2に示す。 冷却液濃度 : 25体積% 試験片 : アルミニウム合金鋳物(AC-2
A) 試験片温度 : 135 ℃又は170 ℃ 液量 : 500ml 試験時間 : 168Hr 試験液中のcl- 量 : 100ppm 加圧圧力 : 193kPa なおASTM試験法では、温度条件は135 ℃のみであるが、
より過酷な試験を行うために170 ℃の温度条件でも同じ
試験を行った。また、この冷却液組成物を30体積%含む
水溶液のpHは7.3 であった。 (実施例11)硝酸カルシウム4水和物を0.0213% (金属
カルシウム濃度として0.0036% )用い、マグネシウム化
合物を用いなかったこと以外は実施例10と同様である。
同様に試験を行い、結果を表2に示す。なお、この冷却
液組成物を30体積%含む水溶液のpHは7.3 であった。 (実施例12)硝酸マグネシウム6水和物を0.0759% (金
属マグネシウム濃度として0.0072%)用い、カルシウム
化合物を用いなかったこと以外は実施例10と同様であ
る。同様に試験を行い、結果を表2に示す。なお、この
冷却液組成物を30体積%含む水溶液のpHは7.3 であっ
た。 (実施例13)1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホ
スホン酸を用いず、硝酸カルシウム4水和物0.0213%
(金属カルシウム濃度として0.0036% )と硝酸マグネシ
ウム6水和物を0.0759% (金属マグネシウム濃度として
0.0072% )用いたこと以外は実施例10と同様である。同
様に試験を行い、結果を表2に示す。なお、この冷却液
組成物を30体積%含む水溶液のpHは7.3 であった。 (比較例6)カルシウム化合物とマグネシウム化合物を
用いなかったこと以外は実施例10と同様である。同様に
試験を行い、結果を表2に示す。なお、この冷却液組成
物を30体積%含む水溶液のpHは7.3 であった。
【0026】
【表2】
【0027】(評価)比較例1,比較例5〜6及び実施
例2,7,13と実施例10〜12の比較より、カルシウム及
びマグネシウムの少なくとも一方と1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1−ジホスホン酸とが共存することによ
り、過酷な試験においても腐食量が減少し防食性に優れ
ることがわかり、ポリリン酸とカルシウム化合物又はマ
グネシウム化合物の共存による相乗効果が明らかであ
る。
【0028】一方、実施例7と実施例13の比較より、
カルシウム化合物とマグネシウム化合物を増量しても防
食性が改善されることがわかるが、実施例13の場合はス
ケール状堆積物が形成される心配がある。つまり、ポリ
リン酸をカルシウム化合物又はマグネシウム化合物と共
存させることにより、カルシウム化合物又はマグネシウ
ム化合物の量を少なくしても多い場合と同等の防食性が
得られるので、スケール状堆積物の形成が防止され、エ
ンジンの放熱性を長期間維持することができる。
【0029】
【発明の効果】すなわち本発明の冷却液組成物によれ
ば、アルミニウム系金属の腐食を確実に抑制することが
できる。そしてカルシウム化合物の少量の添加により高
い耐食性が得られるので、他の成分の添加量の規制が緩
和され配合設計の自由度が高い。またカルシウム化合物
とマグネシウム化合物を併用すれば、配合設計の自由度
はさらに高くなる。したがって各種用途に応じた冷却液
を容易に配合設計することができ、製品化までの工数が
短縮されるとともに安価となる。
【0030】また本発明の冷却液組成物は、ポリリン酸
又はカルボン酸をカルシウム化合物及びマグネシウム化
合物の少なくとも一方と共存させることにより、カルシ
ウム化合物又はマグネシウム化合物の量を少なくしても
多い場合と同等の防食性が得られる。したがって、カル
シウム化合物又はマグネシウム化合物の過度の添加によ
るスケール状堆積物の形成が抑制されるので、エンジン
の放熱性を長期間高く維持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷川 正峰 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 伊藤 寿記 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 田見 秀行 静岡県清水市吉川813番地 日本ケミカ ル工業株式会社内 (72)発明者 八重田 一人 静岡県清水市吉川813番地 日本ケミカ ル工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−75641(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコール類及びグリコール類から選ば
    れる融点降下剤と、リン酸塩,ホウ酸塩,硝酸塩,モリ
    ブデン酸塩,安息香酸塩,ケイ酸塩,トリアゾール類,
    チアゾール類,セバチン酸及びオクチル酸から選ばれる
    少なくとも1種の防錆剤とを含み、さらにカルシウム化
    合物とマグネシウム化合物をそれぞれ金属元素濃度とし
    て0.00005〜0.02重量%含むことを特徴とす
    る冷却液組成物。
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