JP2861553B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁

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JP2861553B2 JP32862391A JP32862391A JP2861553B2 JP 2861553 B2 JP2861553 B2 JP 2861553B2 JP 32862391 A JP32862391 A JP 32862391A JP 32862391 A JP32862391 A JP 32862391A JP 2861553 B2 JP2861553 B2 JP 2861553B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内然機関の燃料噴射
弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】直接噴射式ディーゼル機関用燃料噴射弁
に関し、例えば、図8に示したようなものが知られてい
る(特開平1−203652号公報等参照)。
【0003】図に示したのは、外殻をなす弁本体101
と、弁本体101の先端側に穿設される燃料噴射孔10
2と、弁本体101内に移動可能に収納されて前記燃料
噴射孔102を開閉する針弁103と、燃料噴射孔10
2を閉じる方向に前記針弁103を付勢する第1コイル
スプリング104及び第2コイルスプリング105と、
から大略構成される2段開弁圧燃料噴射弁100であ
り、図示しない噴射ポンプから燃料が導かれて針弁10
3に対し燃料圧が付与されると、まず、針弁103は所
定量L1 だけプレリフトして燃料噴射孔102からの初
期噴射を行い、次いで、燃料圧が上昇して第1コイルス
プリング104と第2コイルスプリング105との合力
を超えると、針弁103は間隔L2だけさらにリフトし
て燃料噴射孔102からの主噴射を行う。なお、燃料噴
射孔102の開閉は針弁先端部に形成されたバルブ部1
06が弁本体側のシート部107に着座・離座してなさ
れるものである。
【0004】このような構成に基づく2段開弁圧燃料噴
射弁は、噴射初期における針弁リフト量を比較的小さな
所定量L1 に規定するために、燃料噴射が始まってから
自己着火するまでの期間、すなわち着火遅れ期間中の燃
料噴射量が低く抑えられ、この結果、急激な予混合燃焼
が抑制されて窒素酸化物(NOx)の生成を低減できる
ものであり、また、噴射初期における噴霧の到達距離
(すなわち噴霧のペネトレーション)が小さく抑えられ
るために、キャビティ壁或いはシリンダ壁(図略)への
燃料の付着が防止され、未燃炭化水素(HC)の生成を
も低減できるものである。
【0005】一方、針弁が弁本体に対して偏心すること
を規制することを目的とし、例えば、図9に示したよう
なものが従来から提案されている(特開昭59−777
0号公報等参照)。
【0006】図に示したのは、先端側に燃料噴射孔11
1を有する弁本体112内に、針弁113が移動可能に
収納され、針弁先端部に形成されたバルブ部114が弁
本体側のシート部115に着座・離座して燃料噴射孔1
11を開閉する燃料噴射弁110であり、針弁113の
先端側に図示の如く形成された被ガイド部116が弁本
体側のガイド部117に摺動案内されることによって、
針弁先端部が弁本体112に対して偏心することを規制
している。
【0007】つまり、針弁先端部であるバルブ部114
が弁本体側のシート部115に対して偏心すると、燃料
噴射孔入口118とバルブ部114との隙間が各燃料噴
射孔毎に異なってくるために、燃料噴射時期、燃料噴射
量、噴霧の噴出形態等は燃料噴射孔毎に不均一となり、
例えば、燃料を過剰に噴射する燃料噴射孔からは粒子状
物質(PM)の主成分であるスモークが発生するという
不具合があるが、本従来例によればこのような不具合を
解消できるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の燃料噴射弁11
0は、弁本体側のガイド部117が針弁側の被ガイド部
116を摺動案内して針弁先端部が偏心することを規制
しているが、ディーゼル機関に用いられるこの種の燃料
噴射弁は、爆発を伴う燃焼に直接さらされるなど厳しい
環境下におかれるため、熱や爆発力等の外力を受けて変
形する。つまり、ガイド部117及び被ガイド部116
の真直度が確保されないばかりか、ガイド部117と被
ガイド部116とは芯ズレを引き起こすために、ガイド
部117と被ガイド部116との摺動抵抗は増大し、従
って、従来のガイド部117は針弁側の被ガイド部11
6を常に摺動案内するものであったから、針弁113を
シート部115へ速やかに着座させるには至らず、噴射
終了時における針弁の閉弁速度の低下が特に問題点とな
っていた。
【0009】また、バルブ部114とシート部115と
の同軸度を確保することも難しいため、閉弁時におい
て、針弁先端部はその着座位置にズレを生じ、すなわ
ち、バルブ部114のシート部115への着座が確実に
行われずに燃料噴射終了時における噴射燃料の切れが悪
くなるという問題点があった。
【0010】これらの問題点は、燃料噴射孔111から
燃料の後だれ等を生じて、燃料噴射孔111まわりへの
カーボンの堆積、カーボンフラワー形成による噴霧のワ
レ・液柱状化・噴霧の軸方向のズレ等を引き起こし、未
燃焼の割合が多くなって燃費が悪化したり、有害排気成
分が増大するなどの不具合を生じさせるものである。
【0011】ことに、2段開弁圧燃料噴射弁100にあ
っては、噴射初期の針弁リフト量を比較的小さな所定量
1 に規定するので、このときの燃料噴射孔入口108
とバルブ部106との隙間は大変に小さく抑えられる。
この時、針弁先端部のわずかな偏心があるとスモークが
顕著に悪化するため、噴射初期における針弁先端部の偏
心を特に規制する必要がある。仮に、従来の偏心を規制
する手段をそのまま適用したとすると、噴射終了時にお
ける針弁に対する閉弁方向への付勢は、第2コイルスプ
リング105よりも比較的付勢力の弱い第1コイルスプ
リング104のみでなされるために、バルブ部106の
シート部107への着座がさらに遅れるばかりか、バル
ブ部106のシート部107への座りが特に悪くなると
いう不具合があった。
【0012】この発明は、このような従来の問題点に着
目してなされたものであり、針弁が弁本体に対して偏心
することを規制する手段であるガイド機構を備えると共
に、このガイド機構は針弁リフト量が所定値を下回った
ときにあっては針弁の動きを拘束しないものであること
により、上記問題点を解決する燃料噴射弁を提供しよう
とするものである。
【0013】この発明は、このような従来の問題点に着
目してなされたものであり、針弁が弁本体に対して偏心
することを規制する手段であるガイド機構を備えると共
に、このガイド機構は針弁リフト量が所定値を下回った
ときにあっては針弁の動きを拘束しないものであること
により、上記問題点を解決する燃料噴射弁を提供しよう
とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1の発明に係る燃料噴射弁は、弁本体と、針弁
と、ガイド機構とを有し、前記弁本体は、その先端側に
燃料噴射孔と略円錐形を呈するシート部とを有するもの
であって、前記針弁をその軸線方向へ移動可能に収納す
るものであり、前記針弁は、その先端部にバルブ部を有
し、当該バルブ部が前記シート部に着座・離座して前記
燃料噴射孔を開閉するものであり、前記ガイド機構は、
弁本体側に形成されるガイド部及び遊嵌部と、針弁側に
形成される被ガイド部と、から成り、前記遊嵌部は、針
弁リフト量が所定値以下のときに前記被ガイド部を遊嵌
するものであり、前記ガイド部は、針弁リフト量が所定
値を超えたときに初めて前記被ガイド部を案内して針弁
先端部の偏心を規制するものである、ことを特徴とす
る。
【0015】また、第2の発明では、上記ガイド機構
は、上記針弁の先端側最大径部に形成される被ガイド部
と、上記弁本体側に配設されるガイド部と、前記弁本体
側に配設され且つ前記ガイド部と上記シート部との間に
位置する遊嵌部と、から成り、前記遊嵌部は、針弁リフ
ト量が所定値以下のときに前記被ガイド部を遊嵌するも
のであり、前記ガイド部は、針弁リフト量が所定値を超
えたときに初めて前記被ガイド部を摺動案内するもので
あり、前記遊嵌部及び前記ガイド部は、ガイド部材とし
て前記弁本体とは別体に構成されるものである、ことを
特徴とする。
【0016】また、第3の発明では、上記ガイド機構
は、上記針弁の先端側最大径部に形成される被ガイド部
と、上記弁本体側に配設されるガイド部と、前記弁本体
側に配設され且つ前記ガイド部と上記シート部との間に
位置する遊嵌部と、から成り、前記遊嵌部は、針弁リフ
ト量が所定値以下のときに前記被ガイド部を遊嵌するも
のであり、前記ガイド部は、前記弁本体に形成される転
動体嵌合溝と当該転動体嵌合溝に配設される複数の転動
体とから構成され、前記複数の転動体は、針弁リフト量
が所定値を超えたときに初めて前記被ガイド部をころが
り案内するものである、ことを特徴とする。
【0017】また、第4の発明では、上記燃料噴射弁
は、上記針弁に対して作用する第1の閉塞手段と第2の
閉塞手段とを有し、前記第1の閉塞手段は、上記燃料噴
射孔を遮断する方向へ常時作用するものであり、前記第
2の閉塞手段は、前記燃料噴射孔を遮断する方向へ針弁
リフト量が所定リフト量以上になったときに初めて作用
するものであり、前記所定リフト量は上記所定値よりも
大きく設定されている、ことを特徴とする。
【0018】
【作用】上記構成に基づき、針弁が開弁方向にリフトし
て、針弁側のバルブ部が弁本体側のシート部から離座す
ると、燃料噴射孔からの燃料噴射が行われる。
【0019】第1の発明では、針弁リフト量が所定値を
超えると、針弁側の被ガイド部は弁本体側のガイド部に
案内されるために、針弁先端部は弁本体に対して偏心す
ることが規制され、この結果、燃料噴射孔からの燃料噴
射時期、燃料噴射量および噴霧の噴出形態を各燃料噴射
孔毎に均一となるよう制御することが可能となる。
【0020】また、燃料噴射終了時において、針弁が閉
弁方向に移動してそのリフト量が所定値を下回ると、針
弁側の被ガイド部は弁本体側のガイド部の束縛から解放
されて遊嵌部に遊嵌するために、針弁は閉弁速度の低下
を招くことなく弁本体側のシート部へと速やかに着座で
きる。また、このとき、針弁先端部は比較的自由な状態
におかれるために、針弁は略円錐形なシート部に押しつ
けられることによる自己調心作用を得ることができ、つ
まり、バルブ部はシート部に対しバウンシングしながら
適切なる着座位置へ自ら収束する。なお、バウンシング
とは針弁の軸線方向への運動ではなく、針弁の軸線に対
して略直角方向への運動であり、閉弁速度の向上に寄与
するものである。従って、燃料噴射終了時における噴射
燃料の切れが改善されて、燃料の後だれを防止できる。
【0021】また、第2の発明では、針弁リフト量が所
定値を超えると、針弁側の被ガイド部は弁本体側のガイ
ド部に摺動案内されて、針弁先端部は弁本体に対して偏
心することが規制される。この結果、燃料噴射孔からの
燃料噴射時期、燃料噴射量および噴霧の噴出形態を各燃
料噴射孔毎に均一に制御することが可能となる。また、
燃料噴射終了時において、針弁が閉弁方向に移動してそ
のリフト量が所定値を下回ると、針弁側の被ガイド部は
弁本体側のガイド部の束縛から解放されて遊嵌部に遊嵌
するために、針弁は閉弁速度の低下を招くことなく弁本
体側のシート部へと速やかに着座できる。また、このと
き、針弁先端部は比較的自由な状態におかれるために、
針弁は略円錐形なシート部に押しつけられることによる
自己調心作用を得ることができ、つまり、バルブ部はシ
ート部に対しバウンシングしながら適切なる着座位置へ
自ら収束する。従って、燃料噴射終了時における噴射燃
料の切れが改善されて、燃料の後だれを防止できる。ま
た、遊嵌部及びガイド部をガイド部材として弁本体とは
別体に構成したため、上記所定値の精度確保、精度出し
の容易性、工作の容易性が得られる。
【0022】また、第3の発明では、転動体嵌合溝の位
置決めを弁本体の基端部からの距離として比較的容易且
つ高精度に得ることができるので、所定値の規定を比較
的容易になすことが可能となり、製作性の容易さが実現
する。また同時に、針弁側に形成された被ガイド部の案
内作用は点又は線接触でのころがり案内にて行われるた
めに、フリクション低減による閉弁速度低下を効果的に
防止でき、噴射終了時における燃料の切れをより改善で
きる。
【0023】また、第4の発明では、特に針弁先端部の
偏心を規制する必要がある所定リフト量において針弁先
端部の偏心を規制できるため、噴射初期における燃料噴
射孔からの噴霧形態を各燃料噴射孔毎に均一に制御する
ことが可能となる。また、このような燃料噴射弁にあっ
ては、燃料噴射終了時における針弁に対する閉弁方向へ
の付勢力は比較的小さなものとなるが、針弁リフト量が
所定値を下回ると針弁はガイド機構による束縛から解放
されるために、閉弁速度の低下を招くことなく弁本体側
のシート部へと速やかに着座することが可能となり、燃
料の切れを改善できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1〜4に基づ
いて説明する。なお、図1は本実施例に係る燃料噴射弁
の先端側を示す部分断面図、図2は図1の部分拡大断面
図、図3は本実施例に係る燃料噴射弁の全体構成を示す
部分断面図である。
【0025】図3を参照して、1は燃料噴射弁であり、
2はこの燃料噴射弁の外殻を形成する弁本体である。弁
本体2はノズルホルダ3とノズルチップ4とリテーニン
グナット5とから構成され、ノズルホルダ3とノズルチ
ップ4とはスペーサ6を介してリテーニングナット5に
て連結されている。弁本体2内には図示しない噴射ポン
プに連結される燃料通路7が形成されており、この燃料
通路7は後述の燃料噴射孔33に連通している。
【0026】ノズルチップ4内に前記燃料通路7を開閉
すべく軸線方向へ移動可能に収納されているのは針弁8
であり、その基端側は、比較的小径なプッシュロッド部
9と、プッシロッド部9よりも大径な被摺動部10と、
テーパ面である受圧部11と、前記被摺動部10よりも
小径な基径部12と、から構成されている。プッシュロ
ッド部9と被摺動部10との径の差で形成されるのは摺
動肩45であり、針弁8の軸線方向に対して直角な面を
有している。
【0027】ノズルチップ4内の基端側には、前記被摺
動部10を摺動案内する摺動部13と、前記受圧部11
をとりまくよう形成される燃料溜まり14と、前記基径
部12を遊嵌するガイド部15と、が形成されている。
【0028】ノズルホルダ3内にはスプリング室18が
形成され、ここには第1の閉塞手段である第1コイルス
プリング16と第2の閉塞手段である第2コイルスプリ
ング17とが収納されている。第1コイルスプリング1
6の一端20は第1リテーナ21を介してプッシュロッ
ド部9の端部19に当接し、他端22はスプリング室1
8の壁面にシム23を介して当接している。また、第2
コイルスプリング17の一端26はスペーサ6内に配設
された第2リテーナ25を介してノズルチップ4の基端
側端部24と当接し、他端27は前記シム23を介して
スプリング室18の壁面に当接している。
【0029】このような構成に基づく2段開弁圧燃料噴
射弁に図略の噴射ポンプから燃料が導かれて受圧部11
に燃料圧が付与されると、まず、針弁8は摺動肩45と
第2リテーナ25との間で決まる所定リフト量(以下、
プレリフト量)L1 だけリフトして燃料噴射孔33から
の初期噴射を行い、次いで、燃料圧が上昇して第1コイ
ルスプリング16と第2スプリング17との合力を超え
ると、針弁8は第2リテーナ25とノズルホルダ3との
間で決まるΔLだけ更にリフトし、つまり針弁8はフル
リフト量L2 (L2 =L1 +ΔL)までリフトして燃料
噴射孔33からの主噴射を行う。
【0030】さて、図1を参照して、弁本体2すなわち
ノズルチップ4の先端側内部には、基径部12を遊嵌す
るガイド部28と、このガイド部28から先端に向けて
テーパ状に広がり、且つその終端30が弁本体軸線に対
し略直角方向に湾曲する遊嵌部29と、終端30に隣接
する略円錐形のシート部31と、シート部31の先端に
位置する袋状のサック部32とが形成され、シート部3
1には燃料噴射孔33が複数個穿設されている。
【0031】針弁8の先端側は、先端側最大径部34’
であると共に前記ガイド部28に摺動自在に案内される
被ガイド部34と、前記シート部31に着座可能なバル
ブ部35とから大略構成され、バルブ部35と被ガイド
部34とは被ガイド部34よりも小径なる円筒部36と
第1テーパ部37とを介して連続し、基径部12と被ガ
イド部34とは第2テーパ部38を介して連続してい
る。
【0032】すなわち、本実施例によるガイド機構は、
弁本体側のガイド部28及び遊嵌部29と、針弁側の被
ガイド部34とで構成される。
【0033】バルブ部35は、異なる角度を有する先端
側の第1バルブテーパ部39と基端側の第2バルブテー
パ部40とから構成され、第1バルブテーパ部39と第
2バルブテーパ部40との境界でシート線41をなし、
バルブ部35がシート部31に着座することによって燃
料噴射孔33を閉塞する。
【0034】第1テーパ部37と被ガイド部34と第2
テーパ部38とに跨がるよう切り欠き構成されているの
は燃料溝42であり、被ガイド部34がガイド部28に
摺動案内されているとき、基径部12とガイド部28と
の隙間43に供給された燃料が燃料噴射孔33へ導かれ
るようにしたものである。なお、上記燃料溝42は、第
1テーパ部37と被ガイド部34と第2テーパ部38と
に跨がるよう切り欠き構成したが、これに限定するもの
ではなく、被ガイド部34がガイド部28に摺動案内さ
れているとき、隙間43に供給された燃料が燃料噴射孔
33へと導かれ得ればたり、例えば、針弁8内に燃料孔
のようなものを穿設してもよい。
【0035】次に、図2を参照して、第2テーパ部38
及び遊嵌部29は緩やかな傾斜角θ1 及び傾斜角θ2
有しており、これら傾斜角θ1 、θ2 は、針弁8が開弁
方向にリフトする際、被ガイド部34がガイド部28に
対し滑らかに案内されるよう考慮され決定される。
【0036】針弁側のバルブ部35が弁本体側のシート
部31に着座した状態において、被ガイド部34と第2
テーパ部38とで形成される境界線Aと、ガイド部28
と遊嵌部29とで形成される境界線Bとの距離は所定値
3 を有しており、つまり、着座時を基準に針弁8は所
定値L3 だけリフトして初めてガイド部28に案内され
るよう、針弁8と弁本体2との位置関係が規定されてい
る。なお、所定値L3 の決定には、プレリフト量L1
おいて針弁先端部8’の偏心が十分規制されるように考
慮される必要があり、つまり、プレリフト量L1 に達し
た時点において、被ガイド部34のガイド部28への嵌
合量(L1 −L3 )がバルブ部35の偏心を規制するに
十分な大きさであるよう規定される。
【0037】このような構成に基づき、次に作用を説明
する。
【0038】図4を合わせて参照し、図示しない噴射ポ
ンプから燃料が導かれて受圧部11に燃料圧が付与され
ると、針弁8は時刻t0 にて開弁方向にリフトを開始
し、燃料は隙間43及び燃料溝42を通じて燃料噴射孔
33へと導かれ、このとき燃料噴射孔33からの燃料噴
射が始まる。時刻t0 から時刻t1 までの非常に短い時
間内に、まず、針弁8はプレリフト量L1 に達し、ここ
から時刻t2 までの間初期噴射が行われる。このプレリ
フト量L1 は比較的小さく抑えられるために急激な予混
合燃焼が抑制されて窒素酸化物(NOx)の生成が低減
する。また同時に、噴霧の到達距離すなわち噴霧のペネ
トレーションが小さく抑えられるために、図示しないピ
ストンのキャビティ壁或いはシリンダ壁への燃料付着が
防止され、未燃炭化水素(HC)の生成をも低減でき
る。
【0039】さて、本実施例においては、時刻t0 にて
遊嵌状態にある針弁側の被ガイド部34は、プレリフト
量L1 に達する時刻t1 までに針弁先端部8’の偏心を
規制するに十分なだけ弁本体側のガイド部28に嵌合す
るため、初期噴射すなわちプレリフト量L1 における燃
料噴射時期、燃料噴射量及び噴霧の噴出形態を各燃料噴
射孔毎に正確に制御することが可能となる。
【0040】つまり、初期噴射における針弁リフト量は
比較的小さなプレリフト量L1 に規定され、このときの
燃料噴射孔入口44と第1バルブテーパ部39との隙間
は大変小さく抑えられるが、このときすでに針弁8はそ
の偏心が規制されるので、針弁先端部8’のわずかな偏
心に起因してスモークがより顕著に悪化するという不具
合を解消できるものである。
【0041】なお、針弁先端部8’の偏心が規制されな
い時刻t0 から時刻t1 直前までは、非常に短い時間で
あると共に、この時の燃料噴射量も僅かであるのでスモ
ーク悪化への影響は少ない。
【0042】また、第2テーパ部38及び遊嵌部29は
緩やかな傾斜角θ1並び傾斜角θ2 を有しているため、
開弁方向にリフトする際、被ガイド部34はガイド部2
8に対し滑らかに案内されることになる。
【0043】さて、さらに燃料圧が上昇すると、針弁8
はフルリフト量L2に達し、時刻t3 をピークに主噴射
を行う。
【0044】そして、噴射ポンプからの燃料の圧送が終
了して燃料圧が低下すると、針弁8は閉弁方向に移動
し、バルブ部35はシート部31に着座して燃料噴射が
終了する。この課程において、針弁リフト量が所定値L
3 を下回ると、被ガイド部34は弁本体側のガイド部2
8による案内作用から解放されるため、このときの針弁
先端部8’は比較的自由な状態となり、略円錐形を呈す
るバルブ部35は略円錐形を呈するシート部31に押し
つけらることによる自己調心作用を得ることができ、つ
まり、バルブ部35はシート部31に対しバウンシング
しながら適切なる着座位置へと自ら収束することができ
る。なお、バウンシングとは針弁の軸線方向への運動で
はなく、針弁の軸線に対して略直角方向への運動であ
り、閉弁速度の向上に寄与するものである。(以下、バ
ウンシングを同様な意味で用いる。)この結果、図5に
示した如く、初期噴射開始当初(図中のa)における噴
射率、及び主噴射(図中のb)における噴射率が増加す
る分だけ、噴射終了時におけるキレがよくなり、燃料の
後だれを防止できる。つまり、噴射終了時における燃料
のキレの良さを改善しつつ、噴射初期における噴霧の噴
出形態を良好な状態で得ることができるのである。
【0045】次に、図6に基づいて第2実施例を説明す
る。
【0046】本実施例は、第1実施例における弁本体側
のガイド部28及び遊嵌部29を、弁本体2すなわちノ
ズルチップ4と別体に形成したものであり、上記所定値
3 の精度確保、精度出しの容易性、工作の容易性を目
的としたものである。
【0047】まず構成を説明すると、51は先端側に燃
料噴射孔52を有する弁本体すなわちノズルチップであ
り、ノズルチップ51内には燃料噴射孔52を開閉する
針弁53がその軸線方向へ移動可能に収納されている。
【0048】ノズルチップ51内には、略円錐形を呈す
るシート部54と、シート部54の先端側に位置する袋
状のサック部55と、シート部54に開口する複数の燃
料噴射孔52とが形成されている。シート部54の基端
側には後述の所定値L3 を規定する基礎となる肩部56
を形成しつつ針弁遊嵌孔57が穿設され、肩部56はノ
ズルチップ51の軸線に対し直角な面を有している。こ
の針弁遊嵌孔57は、針弁53の全リフト範囲において
後述の被ガイド部64を常に遊嵌するものである。
【0049】針弁遊嵌孔57内に収納されているのは中
空円筒状のガイド部材58であり、このガイド部材58
の先端側端部59は前記肩部56に当接している。ガイ
ド部材58の内周は、大きく傾斜する基端側端部60
と、後述の被ガイド部64を摺動案内するガイド部61
と、このガイド部61からテーパ状に広がる向きに傾斜
する遊嵌部62と、から構成されており、ガイド部材5
8のノズルチップ51への固定は基端側端部60をかし
めることによりなされている。
【0050】針弁53の先端側は、先端側最大径部6
4’であると共に前記ガイド部61に摺動自在に案内さ
れる被ガイド部64と、前記シート部54に着座可能な
バルブ部65とから大略構成され、バルブ部65と被ガ
イド部64とは被ガイド部64より小径なる円筒部66
と第1テーパ面67とを介して連続し、基径部63と被
ガイド部64とは第2テーパ部68を介して連続してい
る。
【0051】すなわち、本実施例によるガイド機構は、
弁本体側のガイド部61及び遊嵌部62をなすガイド部
材58と、針弁側の被ガイド部64とで構成されてい
る。
【0052】第1テーパ部67と被ガイド部64と第2
テーパ部68とに跨がるよう切り欠き複数個形成されて
いるのは燃料溝69であり、基径部63と針弁遊嵌孔5
7との隙間70に導かれた燃料が燃料噴射孔52へ供給
されるようにしたものである。
【0053】前記バルブ部65は、異なる角度を有す
る、先端側の第1バルブテーパ部71と基端側の第2バ
ルブテーパ部72とから構成され、第1バルブテーパ部
71と第2バルブテーパ部72との境界でシート線73
をなし、バルブ部65がシート部54に着座することに
より燃料噴射孔52の閉塞がなされる。
【0054】また、針弁側のバルブ部65が弁本体側の
シート部54に着座した状態において、被ガイド部64
と第2テーパ部68とで形成される境界線Aと、ガイド
部61と遊嵌部62とで形成される境界線Bとの距離は
所定値L3 を有しており、つまり、着座時を基準に針弁
53は所定値L3 だけリフトして初めてガイド部61に
摺動案内されるよう針弁53と弁本体すなわちノズルチ
ップ51との位置関係が規定されている。
【0055】また、第2テーパ部68及び遊嵌部62
は、第1実施例同様に緩やかな傾斜角θ1 並び傾斜角θ
2 を有しており、これら傾斜角θ1 、θ2 は、針弁53
が開弁方向へリフトする際、被ガイド部64がガイド部
61に対し滑らかに案内されるように考慮され決定され
ている。
【0056】なお、図示は省略するが、本実施例による
燃料噴射弁は、上記実施例同様、噴射初期における燃料
噴射量を低く抑える2段開弁圧燃料噴射弁に適用したも
のであり、噴射ポンプから燃料が導かれて針弁53に燃
料圧が付与されると、まず、針弁53はプレリフト量L
1 だけリフトして、燃料噴射孔52からの初期噴射を行
い、次いで、燃料圧が上昇して第1コイルスプリングと
第2コイルスプリングとの合力を超えると、針弁53は
さらにフルリフト量L2 までリフトして、燃料噴射孔5
2からの主噴射を行うものである。
【0057】なお、所定値L3 の決定は、第1実施例と
同様に、プレリフト量L1 において針弁先端部53’の
偏心が十分規制されるよう考慮されるものである。
【0058】このような構成に基づき、次に作用を説明
する。
【0059】第1実施例同様、針弁53に対して燃料圧
が付与されると、針弁53は開弁方向にリフトを開始
し、そのリフト量が所定値L3 を上回ると、遊嵌状態に
あった被ガイド部64はガイド部材58のガイド部61
に嵌合し、すなわちガイド機構による案内作用を得る。
この案内作用はプレリフト量L1 に達するまでに針弁先
端部53’が偏心することを規制するものであり、初期
噴射時において、燃料噴射時期、燃料噴射量および噴霧
の噴出形態は各燃料噴射孔毎に正確に制御される。
【0060】針弁53に付与される燃料圧が低下して針
弁リフト量が所定値L3 を下回ると、針弁側の被ガイド
部64は弁本体側のガイド部61による案内作用から解
放され、略円錐形を呈するバルブ部65は略円錐形を呈
するシート部54に押しつけられることによる自己調心
作用を得る。つまり、バルブ部65はシート部54に対
しバウンシングしながら適切なる着座位置へと自ら収束
するのである。
【0061】さて、本実施例にあっては、弁本体すなわ
ちノズルチップ51の基端部(図略)から肩部56まで
の距離Hは、例えば切削工具であるミリングカッタの切
込み量から比較的容易に精度高く管理することが可能で
あり、また、別体としてのガイド部材58における境界
線Bの位置決めもガイド部材58の先端側端部59から
の距離として比較的容易に精度高く管理することが可能
である。従って、肩部56と先端側端部59とを当接さ
せることにより、バルブ部65がシート部54に着座し
ているときに境界線Aと境界線Bとの間で形成される所
定値L3 を、工作性を容易にしつつ精度高く得ることが
可能となる。
【0062】なお、本実施例では、ガイド部材58のノ
ズルチップ51への固定は、かしめによりなしたが、こ
の他に接着、溶接、圧入、塑性変形加工などの固定手段
が考えられる。
【0063】次に、図7に基づいて第3実施例を説明す
る。
【0064】まず構成を説明すると、81は先端側に燃
料噴射孔82を有する弁本体すなわちノズルチップであ
り、ノズルチップ81の内部には燃料噴射孔83を開閉
する針弁83がその軸線方向へ移動可能に収納されてい
る。
【0065】ノズルチップ81内には、その先端側に略
円錐形を呈するシート部84と、シート部84のさらに
先端に位置する袋状のサック部85と、シート部84に
開口する複数の燃料噴射孔82とが形成されており、シ
ート部84の基端側にはノズルチップ81の軸線に対し
て略直角な肩部86を形成しつつ針弁遊挿孔87が穿設
されている。この針弁遊挿孔87は、針弁83の全リフ
ト範囲において後述の被ガイド部92を常に遊嵌するも
のであり、シート部84と後述の転動体嵌合溝89との
間で本実施例における遊嵌部87aをなす。
【0066】針弁遊挿孔87には、その基端部(図略)
から所定距離Hのところに略V字形の転動体嵌合溝89
が円環状に刻設されている。この転動体嵌合溝89に
は、複数個の転動体すなわちボール90が不均等にばら
つかない程度に配設されており、針弁先端部83’が弁
本体すなわちノズルチップ81に対して偏心しないよう
に考慮されている。ここで、本実施例によるガイド部1
20は転動体嵌合溝89とボール90とで構成される。
【0067】針弁83の先端側は、基径部91と、先端
側最大径部92’であってボール90にころがり案内さ
れる被ガイド部92と、前記シート部84に着座可能な
バルブ部93とから大略構成され、バルブ部93と被ガ
イド部92とは、被ガイド部92より小径なる円筒部9
4と第1テーパ部95とを介して連続し、基径部91と
被ガイド部92とは第2テーパ部96を介して連続して
いる。
【0068】すなわち、本実施例によるガイド機構は、
弁本体側のガイド部120及び遊嵌部87aと、針弁側
の被ガイド部92とで構成されている。
【0069】第2テーパ部96は緩やかな傾斜角θ1
有しており、針弁83が開弁方向にリフトする際、被ガ
イド部92がボール90に対し滑らかに案内されるよう
考慮されている。
【0070】バルブ部93は、異なる角度を有する先端
側の第1バルブテーパ部97と基端側の第2バルブテー
パ部98とから構成され、第1バルブテーパ部97と第
2バルブテーパ部98との境界でシート線99をなし、
バルブ部93がシート部84に着座して燃料噴射孔82
の閉塞がなされる。
【0071】なお、図示は省略するが、本実施例に係る
燃料噴射弁は、上記実施例同様、噴射初期における燃料
噴射量を低く抑える2段開弁圧燃料噴射弁に適用したも
のであり、噴射ポンプから燃料が導かれて針弁83に燃
料圧が付与されると、まず、針弁83はプレリフト量L
1 だけリフトして、燃料噴射孔82からの初期噴射を行
い、次いで、燃料圧が上昇して第1コイルスプリングと
第2コイルスプリングとの合力を超えると、針弁83は
さらにフルリフト量L2 までリフトして、燃料噴射孔8
2からの主噴射を行うものである。
【0072】また、針弁側のバルブ部93が弁本体側の
シート部84に着座した状態において、被ガイド部92
と第2テーパ部96とで形成される境界線Aと略V字形
の転動体嵌合溝89の中心線Bとの距離は所定値L3
有しており、つまり、着座時を基準に針弁83が所定値
3 だけリフトして初めてボール90に案内されるよう
針弁83とノズルチップ83との位置関係が規定されて
いる。
【0073】このような構成に基づき、次に作用を説明
する。
【0074】針弁83に対して燃料圧が付与されると、
針弁83は開弁方向にリフトを開始し、そのリフト量が
所定値L3 を上回ると、遊嵌状態にあった被ガイド部9
2はボール90による案内作用を得る。この案内作用は
プレリフト量L1 に達するまでに針弁先端部83’が偏
心することを規制するものであり、初期噴射時における
燃料噴射時期、燃料噴射量および噴霧の噴出形態を各燃
料噴射孔毎に正確に制御できる。
【0075】燃料圧が低下して針弁リフト量が所定値L
3 を下回ると、被ガイド部92は弁本体側のボール90
による案内作用から解放され、バルブ部93は略円錐形
を呈するシート部84に押しつけらることによる自己調
心作用を得ることができ、つまり、バルブ部93はシー
ト部84に対してバウンシングをしながら適切な位置へ
と自ら収束することができる。
【0076】さて、本実施例にあっては、転動体嵌合溝
89の位置決めを弁本体すなわちノズルチップ81の基
端部(図略)からの距離Hとして容易且つ精度高く管理
することが可能であり、つまり、境界線Aと転動体嵌合
溝89の中心線Bとの所定値L3 を、工作性を容易にし
つつ精度高く得ることが可能となる。
【0077】また、上記各実施例におけるガイド機構は
面接触による摺動案内であったが、本実施例にあっては
点接触によるころがり案内となるため、大幅なフリクシ
ョン低下が可能となり、閉弁速度の低下をより効果的に
防止することができる。つまり、噴射終了時の燃料のキ
レがより改善される。
【0078】また、上記各実施例にあっては、燃料噴射
孔へ燃料が導かれるように、被ガイド部には切欠き溝が
形成されていたが、本実施例にあっては、燃料はボール
90間を通過できるため、切欠き溝を形成する必要がな
く、製作工数がより低下するという利点がある。
【0079】なお、本実施例にあっては転動体としてボ
ール90を用いたが、これに限定するものではなく、例
えば、円筒コロにてころがり案内してもよい。
【0080】なお、上記各実施例は、ガイド機構を適用
することが最も効果的である2段開弁圧燃料噴射弁につ
いて説明したが、これに限定するものではなく、閉塞手
段を1つしか持たない燃料噴射弁に適用することも可能
である。
【0081】
【発明の効果】以上説明してきたように、第1の発明に
よれば、針弁先端部が弁本体に対して偏心することを規
制するガイド機構を備えることにより、針弁先端部は偏
心することなく保持されるので、燃料噴射孔からの燃料
噴射時期、燃料噴射量および噴霧の噴出形態を各燃料噴
射孔毎に均一となるよう制御することが可能となる。
【0082】また、燃料噴射終了時において、針弁が閉
弁方向に移動してそのリフト量が所定値を下回ると、針
弁はガイド機構の束縛から解放されるため、閉弁速度の
低下を招くことなく弁本体側のシート部へと速やかに着
座することができる。一方このとき、針弁先端部は比較
的自由な状態におかれるため、針弁は略円錐形なシート
部に押しつけられることによる自己調心作用を得ること
ができ、適切なる着座位置へと確実に着座する。この結
果、燃料噴射終了時における噴射燃料の切れが改善され
て、燃料の後だれを防止できる。
【0083】さらに、第2の発明においては、遊嵌部及
びガイド部がガイド部材として弁本体とは別体に構成さ
れることから、所定値を工作性を容易にしつつ精度を高
く得ることができ、つまり、針弁先端部は偏心すること
なくより正確に保持されるので、燃料噴射孔からの燃料
噴射時期、燃料噴射量および噴霧の噴出形態を各燃料噴
射孔毎に均一となるよう制御することができる。
【0084】また、第3の発明においては、転動体嵌合
溝の位置決めを弁本体の基端部からの距離として比較的
容易且つ高精度に得ることができるため、所定量の規定
を比較的容易になすことが可能となり製作性の容易さが
実現する。同時に、針弁の案内作用を点又は線接触にて
行うために、フリクション低減による閉弁速度低下を効
果的に防止でき、噴射終了時における燃料の切れをより
改善でき、燃料の後だれを防止できる。
【0085】さらに、第4の発明においては、針弁リフ
ト量が比較的小さな所定リフト量に抑えられる噴射初期
に、燃料噴射孔からの噴霧形態を各燃料噴射孔毎に均一
となるよう制御することが可能であり、針弁のわずかな
偏心に起因するスモークの顕著な悪化を解消できる。ま
た、燃料噴射終了時における針弁に対する閉弁方向への
付勢力は比較的小さなものとなるが、このとき針弁はガ
イド機構による束縛から解放されるために、閉弁速度の
低下を招くことなく弁本体側のシート部へと速やかに着
座することが可能となり、燃料の切れを改善でき、燃料
の後だれを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る燃料噴射弁の先端側を示す部
分断面図。
【図2】図1の部分拡大断面図。
【図3】第1実施例に係る燃料噴射弁の全体構成を示す
部分断面図。
【図4】時間に対する針弁リフト量を表す図。
【図5】時間に対する噴射率を表す図。
【図6】第2実施例に係る燃料噴射弁の先端側を示す部
分断面図。
【図7】第3実施例に係る燃料噴射弁の先端側を示す部
分断面図。
【図8】従来の2段開弁圧燃料噴射弁の断面図。
【図9】従来のガイド機構を有する燃料噴射弁の断面
図。
【符号の説明】
1 燃料噴射弁 2 弁本体 8 針弁 8’ 針弁先端部 16 第1コイルスプリング(第1の閉塞手段) 17 第2コイルスプリング(第2の閉塞手段) 28 ガイド部(ガイド機構) 29 遊嵌部(ガイド機構) 31 シート部 33 燃料噴射孔 34 被ガイド部(ガイド機構) 35’最大径部 35 バルブ部 51 ノズルチップ(弁本体) 52 燃料噴射孔 53 針弁 53’針弁先端部 54 シート部 58 ガイド部材 61 ガイド部(ガイド機構) 62 遊嵌部(ガイド機構) 64 被ガイド部(ガイド機構) 64’最大径部 65 バルブ部 81 ノズルチップ(弁本体) 82 燃料噴射孔 83 針弁 83’針弁先端部 84 シート部 87a遊嵌部 89 転動体嵌合溝 90 ボール(転動体) 92 被ガイド部 92’最大径部 93 バルブ部 L1 所定リフト量 L3 所定値

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁本体と、針弁と、ガイド機構とを有し、 前記弁本体は、その先端側に燃料噴射孔と略円錐形を呈
    するシート部とを有するものであって、前記針弁をその
    軸線方向へ移動可能に収納するものであり、 前記針弁は、その先端部にバルブ部を有し、当該バルブ
    部が前記シート部に着座・離座して前記燃料噴射孔を開
    閉するものであり、 前記ガイド機構は、弁本体側に形成されるガイド部及び
    遊嵌部と、針弁側に形成される被ガイド部と、から成
    り、 前記遊嵌部は、針弁リフト量が所定値以下のときに前記
    被ガイド部を遊嵌するものであり、 前記ガイド部は、針弁リフト量が所定値を超えたときに
    初めて前記被ガイド部を案内して針弁先端部の偏心を規
    制するものである、ことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】上記ガイド機構は、 上記針弁の先端側最大径部に形成される被ガイド部と、
    上記弁本体側に配設されるガイド部と、前記弁本体側に
    配設され且つ前記ガイド部と上記シート部との間に位置
    する遊嵌部と、から成り、 前記遊嵌部は、針弁リフト量が所定値以下のときに前記
    被ガイド部を遊嵌するものであり、 前記ガイド部は、針弁リフト量が所定値を超えたときに
    初めて前記被ガイド部を摺動案内するものであり、 前記遊嵌部及び前記ガイド部は、ガイド部材として前記
    弁本体とは別体に構成されるものである、ことを特徴と
    する請求項1記載の燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】上記ガイド機構は、 上記針弁の先端側最大径部に形成される被ガイド部と、
    上記弁本体側に配設されるガイド部と、前記弁本体側に
    配設され且つ前記ガイド部と上記シート部との間に位置
    する遊嵌部と、から成り、 前記遊嵌部は、針弁リフト量が所定値以下のときに前記
    被ガイド部を遊嵌するものであり、 前記ガイド部は、前記弁本体に形成される転動体嵌合溝
    と当該転動体嵌合溝に配設される複数の転動体とから構
    成され、 前記複数の転動体は、針弁リフト量が所定値を超えたと
    きに初めて前記被ガイド部をころがり案内するものであ
    る、ことを特徴とする請求項1記載の燃料噴射弁。
  4. 【請求項4】上記燃料噴射弁は、 上記針弁に対して作用する第1の閉塞手段と第2の閉塞
    手段とを有し、 前記第1の閉塞手段は、上記燃料噴射孔を遮断する方向
    へ常時作用するものであり、 前記第2の閉塞手段は、前記燃料噴射孔を遮断する方向
    へ針弁リフト量が所定リフト量以上になったときに初め
    て作用するものであり、 前記所定リフト量は上記所定値よりも大きく設定されて
    いる、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の燃料
    噴射弁。
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