JP2837809B2 - ワーク搬入出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、板材加工機としての
例えばタレットパンチプレスにワークを搬入すると共
に、タレットパンチプレスで加工されたワークを搬出せ
しめるワーク搬入出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、板材加工機としての例えばタレッ
トパンチプレスにワークを搬入出せしめるワーク搬入出
装置としては、本体フレームに板材加工機へワークを搬
入せしめるローディング装置と、タレットパンチプレス
で加工されたワークを搬出せしめるアンローディング装
置とが備えられている。したがって、ワークをタレット
パンチプレスへ搬入する際には、ローディング装置で行
われると共に、タレットパンチプレスで加工されたワー
クを搬出する際には、アンローディング装置で行われて
いた。この従来のワーク搬入出装置にはバリ取り装置が
備えられていなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のワーク搬入出装置にはバリ取り装置が備えられてい
ないため、次工程のプレスブレーキなどの曲げ工程へワ
ークを搬送する際に、中間で作業者によりワークの裏面
に付いているバリを除去している。そのため、手間がか
かると共に中間工数がかかっていた。

【０００４】この発明の目的は、別工程でバリ取り作業
をする必要がなくなると共に、次工程にそのままの状態
でワークを搬送でき、工程時間の短縮を図ったワーク搬
入出装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前述のごとき従来の問題
に鑑みて、本発明は、板材加工機に対してワークの搬入
を行うローディング装置と、上記板材加工機において加
工されたワークを搬出するアンローディング装置とを備
えたワーク搬入出装置において、当該ワーク搬入出装置
の本体フレームにおける板材加工機側に上下動自在に設
けた一対の昇降ガイド付砥石ブラケットの上部で円筒砥
石の両側を回転自在に保持して設け、上記昇降ガイド付
砥石ブラケットを上下動するための上下動用駆動装置を
設けると共に前記円筒砥石を回転するための回転用駆動
装置を設け、前記一対の昇降ガイド付砥石ブラケットの
下部に両側を回転自在に支持されたシャフトの両側部分
にそれぞれピニオンを設け、前記フレーム本体に上下方
向に設けたラックに前記各ピニオンを噛合した構成であ
る。

【０００６】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

【０００７】図４を参照するに、板材加工機としての例
えばタレットパンチプレス１の右側にはタレットパンチ
プレス１へワークを搬入出せしめるワーク搬入出装置３
が配置されている。前記タレットパンチプレス１はすで
に公知であるために概略的に説明すると、タレットパン
チプレス１には立設された門型形状のフレーム５が備え
られており、このフレーム５には円周上に複数のパンチ
を装着した回転自在な上部タレット７と、円周上に複数
のパンチを装着した回転自在な下部タレット９が互いに
上下に相対向して設けられている。

【０００８】前記フレーム５の上下部には上，下部フレ
ーム１１Ｕ，１１Ｄが備えられている。この上部フレー
ム１１Ｕにはストライカを上下動せしめる駆動装置が設
けられていると共に、この下部フレーム１１Ｄ上にはＹ
軸方向（図４において紙面に対し直交する方向）へ移動
自在なワークテーブル１３が設けられている。このワー
クテーブル１３上にはワークテーブル１３に一体化され
たキャレッジベース１５が設けられており、このキャレ
ッジベース１５にはＸ軸方向（図４において左右方向）
へ移動自在なキャレッジ１７が設けられている。このキ
ャレッジ１７には複数のワーククランプ１９が備えられ
ている。

【０００９】上記構成により複数のワーククランプ１９
にクランプされたワークは、キャレッジベース１５をＹ
軸方向へ移動せしめると共にキャレッジ１７をＸ軸方向
へ移動せしめることによって、ワークの所望位置がスト
ライカの直下位置である加工位置に位置決めされる。
上，下部タレット７，９を同期して所望角度に回動せし
めて、選択されたパンチ，ダイが加工位置に位置決めさ
れる。而して、ストライカを上下動せしめることによっ
て、ワークにパンチング加工が行われることになる。

【００１０】前記ワーク搬入出装置３は、立設された本
体フレーム２１を備えており、この本体フレーム２１に
はローディング装置２３と、アンローディング装置２５
とが備えられている。ローディング装置２３としては本
体フレーム２１上にＸ軸方向へ延伸したローディングフ
レーム２７が設けられており、このローディングフレー
ム２７にはＸ軸方向へ延伸したガイドレール２９が敷設
されている。このガイドレール２９にはガイドレール２
９に沿ってＸ軸方向へ移動自在なローダ３１が備えられ
ている。

【００１１】このローダ３１には例えばエアシリンダな
どによって上下動されるパッド用フレーム３３が設けら
れており、このパッド用フレーム３３の下部には複数の
吸着パッド３５が備えられている。

【００１２】前記アンローディング装置２５としては、
前記本体フレーム２１の前後両側にＸ軸方向へ延伸した
ガイド部材３７が設けられており、このガイド部材３７
に案内されてＸ軸方向へ移動自在なクランプストレッチ
３９がＹ軸方向へ延伸して設けられている。このクラン
プストレッチ３９にはＹ軸方向へ適宜な間隔で複数のア
ンローディング用のクランプ４１が備えられている。

【００１３】上記構成により、複数のクランプ４１にク
ランプされたワークＷはクランプストレッチ３９をＸ軸
方向へガイド部材３７に案内されて移動されることにな
る。

【００１４】前記本体フレーム２１内には下段にリフタ
によって上下動自在な製品テーブルと、上段にＹ軸方向
へ移動自在な素材テーブルとが設けられているものであ
る。

【００１５】上記構成により素材テーブル上に積載され
ているワークのうち一番上のワークをパッド用フレーム
３３を下降せしめて吸着パッド３５で吸着せしめた後、
パッド用フレーム３３を上昇せしめる。次いで、ローダ
３１をタレットパンチプレス１側へ移動せしめると共
に、素材テーブルを図４において奥側へ退避せしめ、さ
らに製品テーブルをリフタにより上昇せしめておく。

【００１６】吸着パッド３５に吸着されたワークは、パ
ッド用フレーム３３を下降せしめてタレットパンチプレ
ス１のワークテーブル１３上に載置せしめるとワークク
ランプ１９にクランプされる。

【００１７】ワーククランプ１９にクランプされたワー
クの所望位置が加工位置に移動位置決めされてストライ
カの上下動によってパンチング加工される。パンチング
加工されたワークは、図４においてタレットパンチプレ
ス１側へ移動されたクランプストレッチ３９に備えられ
たクランプ４１でクランプされて図４において右側へ移
動されて製品テーブルの上方に位置決めされた後、クラ
ンプ４１からアンクランプされて製品テーブル上に載せ
られる。

【００１８】このように、ワークはワーク搬入出装置３
の素材テーブルからローディング装置２３でタレットパ
ンチプレス１に搬入された後、タレットパンチプレス１
でパンチング加工される。パンチング加工されたワーク
はアンローディング装置２５でワーク搬入出装置３の製
品テーブルに搬出されることになる。

【００１９】前記ワーク搬入出装置３の本体フレーム２
１におけるタレットパンチプレス１側の端部には図１に
示されているように、バリ取り装置４３が設けられてい
る。図１において、前記本体フレーム２１の一部を構成
する側板２１Ｓの外側に乗り継ぎテーブル４５が設けら
れており、この乗り継ぎテーブル４５の下に前記バリ取
り装置４３が設けられている。

【００２０】このバリ取り装置４３のうちのＹ軸方向へ
延伸された円筒砥石４７の両側が昇降ガイド付砥石支持
部材としての昇降ガイド付砥石ブラケット４９Ｆ，４９
Ｂの上部で保持されている。この昇降ガイド付砥石ブラ
ケット４９Ｆ，４９Ｂの下部には、前記側板２１Ｆに取
付けられた上下動用駆動装置としてのエアシリンダ５１
Ｆ，５１Ｂに装着されているピストンロッド５３Ｆ，５
３Ｂの先端がピンで連結されている。

【００２１】前記側板２１Ｓには回転用駆動装置として
の駆動モータ５５が取付けられており、この駆動モータ
５５には駆動プーリ５７が連結されている。一方前記円
筒砥石４７の前端には従動プーリ５９が連結されてい
る。この従動プーリ５９と前記駆動プーリ５７とにはベ
ルト６１が巻回されている。

【００２２】前記昇降ガイド付砥石ブラケット４９Ｆと
４９Ｂの下部にはシャフト６３の両側が回転自在に取付
けられている。このシャフト６３の両側部分にはピニオ
ン６５Ｆ，６５Ｂが嵌合されていると共に、このピニオ
ン６５Ｆ，６５Ｂに噛合したラック６７Ｆ，６７Ｂが上
下方向へ延伸して前記側板２１Ｓに一体化されている。

【００２３】上記構成により、エアシリンダ５１Ｆ，５
１Ｂを作動せしめると、ピストンロッド５３Ｆ，５３Ｂ
が上下方向へ伸縮されて、昇降ガイド付砥石ブラケット
４９Ｆ，４９Ｂが上下動されるから、円筒砥石４７も上
下動されることになる。このとき、昇降ガイド付砥石ブ
ラケット４９Ｆと４９Ｂはシャフト６３で連結され、ピ
ニオン６５Ｆ，６５Ｂがラック６７Ｆ，６７Ｂに噛合さ
れているので、ピニオン６５Ｆ，６５Ｂ及びシャフト６
３が回転されて円筒砥石４７を平行に上下動させること
ができる。

【００２４】駆動モータ５５を駆動せしめると、駆動プ
ーリ５７が回転され、この回転がベルト６１，従動プー
リ５９を経て円筒砥石４７に伝達され、円筒砥石４７が
所望の回転数で回転されることになる。

【００２５】前記乗り継ぎテーブル４５の後部における
端部にはワーク通過用センサ６９が設けられているか
ら、前記アンローディング装置２５のクランプ４１でタ
レットパンチプレス１で加工されたワークをクランプし
てワーク搬入出装置３へ搬出する際に、ワークの先端が
通過したことを検出することができるものである。

【００２６】前記本体フレーム２１における側板２１Ｓ
のタレットパンチプレス１側に設けられたバリ取り装置
４３の全体がカバー７１で囲繞されている。このカバー
７１の後端には連結部材としての例えば連結管７３の一
端が接続されていると共に、連結管７３の他端には集塵
機７５が接続されている。

【００２７】上記構成により、集塵機７５を作動せしめ
ると、前記バリ取り装置４３で除去されたバリが連結管
７３を介して集塵機７５に集塵されることになる。

【００２８】前記ワーク搬入出装置３からタレットパン
チプレス１へワークＷを搬入し、タレットパンチプレス
１でパンチング加工を行った後、加工されたワークＷを
ワーク搬入出装置３へ搬出するまでの動作を説明する。

【００２９】まず、図２（Ａ）に示されているように、
ワーク搬入出装置３からローディング装置２３でもって
ワークＷをタレットパンチプレス１のワークテーブル１
３に搬入された後、タレットパンチプレス１でワークＷ
にパンチング加工が行われる。

【００３０】タレットパンチプレス１でパンチング加工
されたワークＷは、図２（Ｂ）に示されているように、
アンローディング装置２５のクランプ４１がタレットパ
ンチプレス１側へ前進してワークＷの端辺をクランプし
た後、ワーク搬入出装置３側へ後退させて搬出させる。

【００３１】ワークＷがワーク搬入出装置３側へ搬出さ
れた際に、図３（Ａ）に示されているように、ワークＷ
の前端がワーク通過用センサ６９で検出されてワークＷ
が通過したことが確認される。その後、駆動モータ５５
を駆動せしめると共にエアシリンダ５１Ｆ，５１Ｂを作
動せしめると、円筒砥石４７が回転しながら上昇してワ
ークＷの下面に接触する。なお、エアシリンダ５１Ｆ，
５１Ｂの上部シリンダ室の空圧回路に減圧弁（レギュレ
ータ）を配置すると、ワークＷの下面に円筒砥石４７が
接触する接触力を一定にすることができる。

【００３２】図３（Ｂ）に示されているように、アンロ
ーディング装置２５のクランプ４１にクランプされたワ
ークＷを更に後退させると、ワークＷが円筒砥石４７上
を通過し、ワークＷの下面に付着しているバリ（かえ
り）が除去される。

【００３３】図３（Ｃ）に示されているように、ワーク
Ｗの後端がワーク通過用センサ６９を通過すると、円筒
砥石４７の回転が停止されると共に円筒砥石４７が元の
位置に下降される。ワークＷが円筒砥石４７上を通過し
ている間、集塵機７５を作動せしめておくと、ワークＷ
から除去されたバリが連結管７３を介して集塵機７５に
集塵される。

【００３４】このように、ワーク搬入出装置３における
本体フレーム２１のタレットパンチプレス１側にバリ取
り装置３を設けたことにより、タレットパンチプレス１
からワーク搬入出装置３へワークＷが搬出される際に、
ワークＷの下面に付いているバリを自動的に除去するこ
とができる。したがって、別工程でバリ取り作業をする
必要がなくなると共に、次工程にそのままの状態でワー
クＷを搬送でき、工程時間の短縮を図ることができる。

【００３５】前記バリ取り装置４３の円筒砥石４７がエ
アシリンダ５１Ｆ，５１Ｂで上下動されると共に駆動モ
ータ５５で回転されるようになっているから、ワークＷ
を搬出しながら自動的にバリを自動的に除去することが
できると共に、バリ取り装置４３を後付けでワーク搬入
出装置３に設けることができる。

【００３６】バリ取り装置４３をカバー７１で囲繞する
と共にカバー７１の一部に連結管７３を介して集塵機７
５が備えられているから、除去されたバリを飛散せずに
集塵機７５に集塵させることができる。

【００３７】ワーク搬入出装置３の本体フレーム２１に
おけるタレットパンチプレス１側にワーク通過用センサ
６９が備えられているから、ワークＷがタレットパンチ
プレス１からワーク搬入出装置３へ搬出される際に、ワ
ークＷの前端，後端が検出されると、バリ取り装置４３
の上下動並びに回転の駆動，停止を自動的に行うことが
できる。

【００３８】なお、この発明は、前述した実施例に限定
されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他
の態様で実施し得るものである。本実施例では板材加工
機としてタレットパンチプレスを用いて説明したが、そ
れ以外のパンチプレスでも構わない。

【００３９】

【発明の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、本発明においては、ワーク搬入出装置の本体
フレームにおける板材加工機側に上下動自在に設けた一
対の昇降ガイド付砥石ブラケットによって砥石の両側を
回転自在に保持しているから、板材加工機から加工後の
ワークを搬出するとき、上記板材加工機の加工によって
生じたバリを上記砥石によって除去することができるも
のである。

【００４０】前記一対の昇降ガイド付砥石ブラケットに
はシャフトの両側部が回転自在に支持されており、この
シャフトの両側部に設けた各ピニオンが上下方向に設け
たラックに噛合してあるから、一対の昇降ガイド付砥石
ブラケットを上下動するとき、砥石を水平に保持して上
下動できるものである。よって、ワークの下面に対して
砥石を正確に当接することができ、下面に発生したバリ
の除去を確実に行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の主要部を示し、ワーク搬入出装置の
本体フレームにおける板材加工機側に設けたバリ取り装
置の斜視図である。

【図２】ワーク搬入出装置からワークを板材加工機へ搬
入せしめると共に板材加工機からワークをワーク搬入出
装置へ搬出せしめる動作説明図である。

【図３】ワーク搬入出装置からワークを板材加工機へ搬
入せしめると共に板材加工機からワークをワーク搬入出
装置へ搬出せしめる動作説明図である。

【図４】板材加工機の一側にワーク搬入出装置を設けた
正面図である。

【符号の説明】

１ タレットパンチプレス（板材加工機） ３ ワーク搬入出装置 １３ ワークテーブル ２１ 本体フレーム ２３ ローディング装置 ２５ アンローディング装置 ３９ クランプストレッチ ４１ クランプ ４３ バリ取り装置 ４７ 円筒砥石 ４９Ｆ，４９Ｂ 昇降ガイド付砥石ブラケット（昇降ガ
イド付砥石支持部材） ５１Ｆ，５１Ｂ エアシリンダ（上下動用駆動装置） ５５ 駆動モータ（回転用駆動装置） ６９ ワーク通過用センサ ７１ カバー ７３ 連結管（連結部材） ７５ 集塵機

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 板材加工機に対してワークの搬入を行う
   ローディング装置と、上記板材加工機において加工され
   たワークを搬出するアンローディング装置とを備えたワ
   ーク搬入出装置において、当該ワーク搬入出装置の本体
   フレームにおける板材加工機側に上下動自在に設けた一
   対の昇降ガイド付砥石ブラケットの上部で円筒砥石の両
   側を回転自在に保持して設け、上記昇降ガイド付砥石ブ
   ラケットを上下動するための上下動用駆動装置を設ける
   と共に前記円筒砥石を回転するための回転用駆動装置を
   設け、前記一対の昇降ガイド付砥石ブラケットの下部に
   両側を回転自在に支持されたシャフトの両側部分にそれ
   ぞれピニオンを設け、前記フレーム本体に上下方向に設
   けたラックに前記各ピニオンを噛合した構成であること
   を特徴とするワーク搬入出装置。