JP2817057B2 - 開孔模様を有する不織布及びその製造方法 - Google Patents

開孔模様を有する不織布及びその製造方法

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JP2817057B2 JP1148277A JP14827789A JP2817057B2 JP 2817057 B2 JP2817057 B2 JP 2817057B2 JP 1148277 A JP1148277 A JP 1148277A JP 14827789 A JP14827789 A JP 14827789A JP 2817057 B2 JP2817057 B2 JP 2817057B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は模様、特に孔明き模様のついた不織布及びそ
の製造方法に関する。より詳しくは、短繊維から成り、
強度、寸法安定性、耐久性等の物性並びに、吸液性、風
合、手触りに優れた、ワイピングクロスや外科用傷当て
布、繃帯又、レース調のテーブルクロスやカーテン、飾
り布、衣服、工業資材布などの幅広い繊維布としての用
途に適した開孔を有する不織布及びその製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
孔明き模様あるいは凹凸模様をもった不織布は、その
形態に由来して、清拭布や洗い布として、又、外科用当
て布として有用である。即ち、模様づけによって液体と
の接触面積が増して良好な吸液性を示すと共に比較的平
滑な表面を有する不織布よりも物体に対する接触点が少
なくなる為、拭き取り布として使用する時に、全体とし
ての摩擦の抵抗が少なく、同時に接触点では強い力が働
き良好な清拭作用を与える。又、外科用の当て布として
は、傷面との過度な接触が避けられ、かつ、必要とされ
る体液の吸収は部分的な接触点から行われ、傷当て布と
しての良好な特性を示す。
この様な孔明き模様若しくは凹凸模様をもった不織布
を得んとする試みが種々開示されている。
例えば、繊維材料層を多数の型孔を有する型板と微孔
板との間に挟み、型板面側から比較的低水圧のスプレー
水流を噴射して、板間にある繊維を移動させて、型板の
型孔に対応した開孔を有する不織布を製造する方法、あ
るいは同じく、微孔板側からスプレー噴射することによ
って、型孔に対応した凹凸模様を有する不織布を製造す
る方法(特公昭36−7274号公報、特公昭40−8756号公
報)。先き細の突起を多数有する透水性の型材の上に繊
維層を載置し、これに比較的低い圧力のスプレー水流を
衝突させることで、突起に沿って繊維を移動させ、型材
の突起に対応した模様をもった不織布を製造する方法
(特公昭44−23909号公報)。開孔を有する支持部材の
上に保持した繊維ウエブに高圧の微小径の柱状水流を衝
突させて、開孔のある不織シートを得る方法(特公昭47
−18069号公報)。更に又、規則的な配列で散在する、
繊維が三次元に高度にからみ合っている区域と、これら
の区域を互いに連絡しあっている比較的伸びた形で集合
している繊維からなる別の群の区域、及び、これらの区
域によって区画された区域で、そこでは繊維が存在しな
いか又は低い密度でしか存在しない区域とから構成され
ており、かつ、特定の不透過性評価値と構造特性を有す
る不織布(特公昭49−20823号公報)などが知られてい
る。
これらの公知の模様、特に孔明き模様のついた不織布
は、清拭布あるいは傷当て布として使用するときは、通
常の比較的平滑な表面の不織布に比べれば優れた特性を
有しているが、未だ十分なものとは云い難い。これらの
用途においては、特に高い吸液性と十分な強度が要求さ
れる。又、ソフトな風合い、手触りも重要な要求特性で
ある。清拭時の水滴拭き取り性や外科処置の際の迅速な
体液吸収は不織布の吸液性に依っている。又、清拭布と
しての耐久性や傷当て布の除去性、安全性はその強度特
性、特に湿潤時の強度に依っている。特公昭36−7274号
公報、特公昭40−8756号公報、特公昭44−23909号公報
には、繊維長が短かい(10mm以下)繊維の抄造シートに
型板越しに5〜7kg/cm2の水圧の散水流処理を行って孔
明け不織布を得る方法が開示されている。この方法で
は、繊維は流水によって型板部材の表面上に再配置され
孔明き不織布が形成される。この技術によって得られる
製品は基本的には抄造シートの繊維が再配置されたのみ
であり、繊維間には強度発現をもたらすからみ合はほと
んどないため十分な実用的な強度を有さず、最終的には
接着材による処理が施こされて使用される。接着剤は、
この不織布が本来持っている優れた吸液性を損い、又、
硬い風合のものとなる。更に又、衛生上、医療上の観点
からも接着剤の存在は望ましいものではない。
特公昭47−18069号公報、特公昭49−20823号公報に
は、開孔性の部材の上の繊維ウエブに水圧7〜352kg/cm
2の高圧の柱状水流を衝突させることによって、接着
剤、結合剤を必要とせずに、十分に実用的な強度を有す
る孔明き不織布が得られることが開示されている。これ
らの発明では、原料繊維ウエブとして、比較的長い糸長
の繊維、例えば連続フィラメントあるいは糸長2.5〜3.8
cmのステープルフアイバーからなるものが使用される。
この為、不織布に含まれる繊維末端の数は相対的に少な
いものとなり、ソフトな手触り感に欠け、吸液性にも劣
ったものになる。より短かい紙の長さの繊維(0.635c
m)を使用することも示されているが、この場合も比較
的長い繊維長のウエブに混合して使用することに限定さ
れる。なぜなら、これらの発明においては、高圧の柱状
水流の衝突により、原料ウエブ繊維は開孔部材の開孔に
押し込められるが、短い繊維長の原料を用いるときは特
に選択的に開孔部へ移動しやすい為、開孔部と開孔部を
連結する繊維量が少なくなってしまうことになるし、
又、繊維長が短い為、たとえ連結部を構成した場合にお
いても、開孔部の繊維と十分にからみ合うことが出来な
い。従って、短い繊維長からなる原料ウエブを使うとき
は、その結果として不織布の全体としての強度が十分に
発現しないことになる。又、これらの発明においては、
開孔部への繊維の集中度が高くなるために、不織布全体
の強度は、より繊維密度の低い開孔部間を結び合わせて
いる連結部の強度がより支配的となる為、全体の繊維目
付の割にはより低い強度のものとなる。又、連結部にお
ける繊維集合体は引き揃えられた形態をとるため、短い
繊維長の繊維で連結部を構成するときは、それ自体十分
な強度を有しない。
又、特開昭63−243360号には多数の突起を表面に有す
るシリンダー上で繊維ウェブを柱状流処理する事で密度
班の無い、表面平滑性に富む規則的な開孔模様を有する
不織布が開示されている。このものは、繊維がタテに配
列していることからタテ強度の強い不織布が得られてい
るものの、ヨコ強度については不十分であり、ヨコ方向
への寸法安定性に欠けるものであった。
このものの発明に於いても、原料繊維ウェブの繊維長
は20〜100mmのものが用いられており、ソフトな手触り
感に欠け、吸液性にも劣ったものになり、繊維間の厚み
方向の交絡密度も低く層間剥離強度も十分とは言えない
ものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、紙料の長さの繊維からなり、それ故えに多
数の繊維末端を有しており、その結果、好ましい風合
い、手触りと極めて優れた吸液姓を持った模様、特に孔
明き模様、凹凸模様を有する、ワインピングクロスや外
科用傷当て布、繃帯などの用途に適した不織布を提供す
るものであり、特に、紙料の長さの短い繊維を原料とし
ても、十分に実用的強度を有し、樹脂等による接着処理
を必要としない孔明き模様をもった不織布及びその製造
方法を提供せんとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、繊維長が15mm以下で、単糸繊度0.5〜5デ
ニール、単糸の直径Dと繊維長Lの比L/Dが0.8×103
2.0×103の短い繊維からなる不織布であって、該不織布
中に規則的な配列をもって散在する開孔を有し、該不織
布を構成する短い繊維が、該開孔を囲繞して、結節及び
結節相互を連結する連結部からなる規則的な模様をもっ
て配置し、全体として網状をなしており、該短い繊維
は、結節及び連結部の各区域において、および/又は各
区域間を貫通して、不規則に湾曲し、ねじれ、巻きつき
且つ互いに交錯して、交絡点間距離が300μm以下に交
絡していることを特徴とする開孔模様を有する抄造不織
布である。
本発明における繊維長が15mm以下の短い繊維は、その
素材は任意であり、例えば、ポリエステル、ナイロン、
ビニロン、レーヨン、キュプラ、綿、ウールなどが用い
られる。又、共重合ポリマーによるものであってもよ
い。又、2種以上の素材から作られたいわゆる複合繊維
や混合繊維(ブレンド繊維)も好適である。これらは混
合して使用することもよい。これらの繊維の繊度は好ま
しくは0.5〜5デニールのものが用いられる。特に好ま
しくは繊維長と単糸径の比L/Dが0.8×103〜2.0×103
ものである。この値にあるときは、特に高強度の不織布
が得られる。外科用傷当て布や食器洗い布、テーブル拭
き布の用途には、吸水性の繊維、例えばセルロース系繊
維やアクリル繊維などを主成分とする繊維の構成が望ま
しい。又、植物パルプ繊維を混合することも好適であ
る。より高強度のものが求められる場合は、ポリエステ
ルやナイロンの使用が望ましい。又、複合系の熱融着繊
維は熱接合の作用によりさらに強度向上に寄与する。こ
れらは用途に応じて混合され,最適な製品特性が設計さ
れる。繊維長が15mm以下の短い繊維は、不織布中に多数
の繊維末端(毛羽)を作り、その結果優れた吸液性、手
触りを与える。加えて種々の繊維を均一に混合出来るこ
と、又、極めて均一なシートを形成し得る点において特
に大きな特徴がある。
本発明における開孔は、本発明の不織布の表面から裏
面へ貫通する開孔であり、その形状、大きさは任意であ
るが、最大長径は5mm以下、一個当りの開孔面積は20mm2
以下が望ましい。不織布全体に占める開孔部の割合は、
投影面積比として90%以下が望ましい。この開孔は、不
織布を構成する繊維の集合の状態によって形成されてい
るものであり、その部分が切り取られたり、溶断された
りあるいは削り取られたりして繊維の裂断を伴って形成
されたものではない。本発明でいう開孔は規則的な配列
をもって散在しているが、配列の規則性、ピッチ等は任
意である。開孔の連なりは例えば、格子状、綾状、杉綾
状、千鳥状、縞状、楊柳状、五月雨状あるいは不規則パ
ターンの繰り返えしなどの配列を取ることが出来る。
本発明の不織布を構成する短い繊維は相互に緊密に立
体的にからみ合って交絡して該不織布の各区域を構成し
ている。交絡が不織布の各区域に渡って十分に行われて
いることが本発明の特徴とするところであり、これによ
って従来、短い繊維では達成し得なかった。高強度、優
れた寸法安定性、繰り返しの洗濯にも耐える高度な耐久
性が与えられる。これによって初めて前述した短い繊維
によって与えられる種々の利点が実用的に活かしうるこ
ととなる。
交絡した短い長さの繊維は開孔部をとりかこんで開孔
を形成し、かつ、それが連らなり合って、結節と結節相
当を連結する連結部が規則的な模様をもって配置してお
り、全体としては網状をなしている。ここに連結部は相
隣接する一対の開孔同士を区画する隔壁に当り、複数の
連結部が交わり合って形成する区域が結節である。第1
図において、開孔a,結節b、連結部cを例示する。
本発明において、短い繊維は、これらの結節及び連結
部において、ランダムに湾曲し、ねじれ、巻きつき且つ
互いに交錯してからみあっている。又、短い繊維のある
ものは二つ以上の結節及び連結部を貫通して交絡してい
る。本発明における結節および連結部は、開孔と短い繊
維の交絡によって形ち作られる模様を不織布平面上のパ
ターンとしてとらえたときに形状として特徴づけられる
各部位を指していうものであり、それらが繊維密度、交
絡度合、繊維の配列上の特異性等を含むとしても、それ
によって特徴づけられることを要件とはしない。むしろ
本発明において、結節と連結部との繊維密度、交絡度合
いは比較的に近い程度となっていることに特徴がある。
本発明において短い繊維は、不織布の各々の部分にお
いて、緊密に交絡していることが望ましい。特に、その
交絡の度合いが、交絡点間距離の値として、300μm以
上であることが望ましい。交絡が不織布の全体に渡って
高度に行われていることによって、不織布の強度物性が
優れたものになる。本発明の不織布が従来のものに比し
て、寸法安定性、タテヨコの強度バランス、層間剥離強
度において、極めて優れている。
本発明の不織布の製造方法は、繊維長が15mm以下で、
単糸繊度0.5〜5デニール、単糸の直径Dと繊維長Lの
比L/Dが0.8×103〜2.0×103の短い繊維からなる抄造法
による繊維シートを、透水性の支持体上で柱状の水流に
より交絡処理を行い無孔の交絡シートとしたのち、凹凸
もしくは開孔を有する透水性の部材の上に載置し、交絡
シート面から水流の噴射広がり角度5゜以下の高圧の水
流を衝突させ、該部材の凹部もしくは開孔部へ該シート
の構成繊維を移動せしめ、部材の凸部もしくは非開孔部
に対応する開孔を生じさせることを特徴とする。
上記の無孔の交絡シートは、繊維長が15mm以下の短い
繊維を公知の方法にて、用途に応じて5〜500g/m2の目
付量の繊維シートとなし、次いで高圧の柱状の高速水流
によって処理することで得られる。特に好ましくは、繊
維シートを抄造法で得ることである。シートの均一性、
各種繊維の適用性又、異種繊維の混合が容易であるこ
と、又、場合によって2層抄き合わせも可能であり、大
いなる利点を有する。抄造シートにする方法を例に本発
明の無孔の交絡シートの製造方法について説明する。
繊維長15mm以下のカットフアイバーを用意し、これを
0.1〜3%の濃度になるように水に分散させスラリーを
調製する。この際、少量の分散剤を加えることが好まし
い。このスラリーを長網状、或いは丸網式の抄造機にて
抄紙する。目付量は用途に応じて5〜500g/m2の範囲で
設定することが好ましい。抄造シートを形成する原糸の
種類については、目的に応じ適宜選択すれば良いし、ま
た素材および/または形状の異なった2種類或いは3種
類の原糸を混合して用いることも好ましい。得られた抄
造シートを高速水流にて交絡させる。ここでいう高速水
流は、細いノズルから高圧で噴射する柱状の水流であ
る。その水圧は用いる原糸の種類及び抄造シートの目付
量、ノズルとシートの相対速度などによって異なるが5
〜200kg/cm2、好ましくは10〜80kg/cm2の範囲で衝突さ
せる。同一原糸において、低目付程水圧低く、高目付に
なる程高水圧に設定すればよい。又、相対速度が高くな
る程高圧が必要となる。また、同一目付の場合ヤング率
の高い原糸の場合にはより高圧の水流で処理することが
本発明の目的とする高強度が得られる。水流を噴射する
ノズルの径は、0.01〜1mmが好ましい。水流の軌跡形状
は抄造シートの進行方向に対し並行な直線状であっても
良いし、ノズルを取り付けたヘッダーの回転運動やシー
トの進行方向に直角に往復する振動運動によって得られ
る曲線形状であっても良い。回転運動により得られる幾
重にも重なった円形状の水流軌跡の交絡は、ノズル1錘
当たりのシートに対する水流の噴射面積が大きくなり効
率的であると同時に、用途によっては商品価値を低下さ
せる水流軌跡の斑が見えにくい、更には不織布の経緯の
強度比が小さい等の利点があり好ましい。抄造シートに
対する高速水流の処理の仕方は、表・裏交互に水流を噴
射する方法でも良いし、片面だけを処理するのも良い。
た処理回数も目的に応じて最適条件を選択すればよい。
これら抄造シートの柱状水流処理の水圧条件は、例え
ば10〜100g/m2の比較的小さい目付の抄造シートの処理
の場合は10〜40kg/cm2の水圧で片面或いは両面処理する
のが好ましく、150〜500g/m2の比較的大きい目付の場合
には、30〜80kg/cm2の水圧で交互に両面に柱状水流を噴
き当てるのが好ましい。交絡点間距離300μm以下の交
絡状態を得る為の柱状水流条件について更に述べると、
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PFT)の1デニ
ール、長さ10mmの短繊維からなる目付100g/m2の抄造シ
ートに対し、オリフィス径0.07〜0.25mmのノズルがノズ
ル間隔1〜8mmで穿孔または配置された列が10〜20列配
列された多数のノズルを装着したノズルヘッダーを用
い、水圧30〜50kg/cm2で表裏交互に1回ずつ処理する。
この時、ノズルヘッダーは50〜500r.p.m(シート処理速
度2〜20m/分に対応)の回転円運動をさせるのが好まし
い。更に必要に応じ、シート表面に残存する水流軌跡が
製品品位を損なう様な場合には、予め柱状水流によって
十分に交絡を行わせた後、更に同一構造のノズルヘッダ
ーとシートの間に40〜100メッシュの金網を挿入し柱状
水流を散水化し、水流軌跡の深さを軽減するのも好まし
い態様である。
一連の柱状水流交絡の処理において、繊維シートは透
水性の支持体の上におかれることが望ましい。好ましい
支持体は細かいメッシュ、例えば60メッシュ以上のネッ
トである。抄造ネットの上で抄造シートを形成したの
ち、そのまま抄造ネット上で3〜30kg/cm2の低水圧の柱
状流水で予備的に交絡を行うことが特に望ましい。次い
で高い圧力での交絡処理を行うことができる。柱状水流
の水はシートを貫通して排水させる。シート上面に水が
滞留して水留りが生ずるときは、水流の交絡作用は著し
く弱められる。従って排水は極めて重要であり、交絡処
理の間を通じて支持ネットの裏面に接して配置した脱水
ボックスを減圧吸引して、強制的に脱水することが好ま
しい。かくして、本発明の無孔の交絡シートが得られ
る。
次いで、この無孔の交絡シートを凹凸もしくは開孔を
有する透水性の部材の上におき、シート面から高圧の水
流を衝突させて開孔を生じさせる。
凹凸もしくは開孔を有する透水性の部材は、孔のあい
だ板、シート、細い針金又はプラスチック線を織った、
あるいは編んだスクリーン、はちの巣状の物などでもよ
く、その凹凸および開孔は、任意の形、大きさであって
もよく、そして任意の規則的な模様、たとえば平行に、
互い違いに、そして斜めに配列されていてもよい。適当
な開孔部材の例としては、直径0.15〜1.5mmの針金から
成り、孔面積が5〜95%の2〜60メッシュの平織りスク
リーンがある。又、他の例としては、直径0.2〜5.0mmの
円形の孔が平行または互い違いの列に配列され、開孔面
積が10〜95%金属板である。一ケの開孔が大きい場合は
開孔部材の裏面により細い、例えば80メッシュ以上の開
孔の網材を裏当てすることが好適である。即ち、開孔を
有する部材は、孔のあいた板またはスクリーンであり、
その孔は1cm2当り、3〜500個の割合で、規則的な模様
をなして配列され、孔面積の割合は10〜95%のものが好
適である。
開孔を生じさせる為の水流は、径孔0.05〜1.0mmのノ
ズルから5〜200kg/cm2の圧力で噴出する水流であり、
水流が噴射広がり角度が5゜以下の柱状であることが特
に望ましい。ノズルの間隔は0.5〜10mm、ノズルとシー
ト面の距離は0〜20cmであることが好ましい。ノズルは
ヘッダーに多数個配列されており、ヘッダーは固定して
装置されてもよいし、揺動されるものでもよい。連続処
理の好ましい態様としては、ドラム状もしくはネットコ
ンベアー状の開孔部材上の交絡シートが多数のジエット
噴流の下を移動する。ジエット流の作用によって交絡シ
ートは使用する開孔部材の型にもとづいて、種々のデザ
イン、模様をもった開孔を与えられる。この処理によっ
て交絡シートの繊維は開孔部材の型に沿って移動する、
繊維同士の交絡を増す傾向は少ない。なぜならば、繊維
は開孔部材の開孔部および凹部へ押し込められ、繊維同
士が十分にからみ合う為の自由度は相対的に低くなるか
らである。したがって、本発明においては、交絡シート
が予め、無孔の状態にて十分に交絡していることが特に
好ましい。
この開孔処理によって、無孔の交絡シートは一層寸法
安定性が増し、特に洗濯に対しても十分な耐久性を有す
る性質が付与される。又、開孔の結果、吸液性がすぐれ
たものとなる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
実施例中、測定値は以下の方法によって測定したもの
であり、%は全て重量%である。
1) 引張強度:JIS L 1096 ストリップ法 2) 引裂強度:JIS L 1096 シングルタング法 3) 柔軟度 :JIS L 1096 45゜ カンチレバー法 4) 交絡点間距離:走査型電子顕微鏡で100倍の倍率
で測定し、50個の平均値をとった。
ここでいう交絡点間距離とは、特開昭58−191280号公
報で公知のつぎの方法で測定した値のことであり、繊維
間相互の交絡密度を示す1つの尺度として値が小さいほ
ど交絡が緻密であることを示すものである。第2図は、
本発明による不織シートにおける構成繊維を表面から観
察したときの構成繊維の拡大模式図である。構成繊維を
f1,f2,f3…とし、そのうちの任意の2本の繊維f1,f2
交絡する点をa1で上になっている繊維f2が他の繊維の下
になる形で交差する点までたどっていき、その交差した
点をa2とする。同様にa3,a4…とする。つぎにこのよう
にして求めた交絡点の間の直線水平距離a1〜a2,a2〜a3
…を測定し、これら多数の測定値の平均値を求めこれを
交絡点交距離とする。
5) 層間剥離強度: 不織シートを巾2.5cm、長さ13cmにカットする。この
サンプルに接着テープ(ソニーケミカル(株)製D 320
0)を接着させた後70g/cm2の圧力で200℃、30秒間プレ
スし貼り合わせる。
こうして得られた測定用サンプルの、接着テープと不
織シートとの間に切れ込みを入れ、両端をオートグラフ
のチャックでつかみ測定を行う。オートグラフの測定条
件は以下の様に設定する。
引張強度 :10cm/min チャート速度:10cm/min 測定値は最高強度3点と最低強度3点を読み取りその
平均値でもって表示する。この様な測定を不織シートの
タテ方向(MD)、ヨコ方向(CD)につき各々同様に行
い、そのタテ/ヨコ平均値でもって不織シートの層間剥
離強度とする。
6) ヒートシール強度: テスター産業製のヒートシ
ールテスターにてサンプルをヒートシール処理を行った
のち、上記5)項と同様の方法にてヒートシール部の剥
離強度を測定し、ヒートシール強度とする。ヒートシー
ル条件はヒートシールバーの接合面の形状は30cm×2c
m、ヒートシール圧力1.0kg/cm2、シール時間1sec.,シー
ル温度は対象物に応じて設定する。3回の測定を行い平
均値をとる。
7) 耐洗濯性: 15cm×15cmの試験片1〜10枚を3gの
洗剤(ニュービーズ;花王)を含む常温の30の水中で
家庭用洗濯機(東芝(株)製、銀河VH−1015)にて強洗
い10分、水洗い10分、脱水3分を1サイクルとして洗濯
をくり返えす。1サイクル毎に試料の外観変化を観察す
る。著しい外観変化(一見して認める著しい毛羽立ち、
破れ、変形)を認めるサイクル数をもって級表示する。
1サイクルで著しい外観変化を生じるものを1級、5サ
イクル以上のものを5級とし、1〜5級の間でランク付
けを行う。
8) 寸法安定性: JIS L 1096伸長弾性率A法に準拠
して、定伸長率を10%とし、くり返し3回後の10%伸長
弾性率で表わす。
実施例1 繊度1.0デニールのレーヨン繊維を10mmにカトし、水
中に分散させ1%濃度のスラリーとした。分散助剤とし
てノニオン界面活性剤10ppm、ポリアクリルアミド20ppm
を添加した。このスラリーを傾斜長網式の抄造機で抄造
し、目付60g/m2のシートを得た。
このシートをステンレスの80メッシュの金網上に載
せ、ノズル径0.2mm、ノズル間ピッチ5mm、ノズル列数3
列のノズル群から15kg/cm2の圧力で噴出する柱状流水の
下を15m/分の移動速度で通過させた。ノズルとシートの
間隔は30mm、ノズル群は半径8mmの円周運動を350r.p.m.
の速度で行っており、金網の下面から脱水ボックスにて
柱状流水を吸引排水した。次いでシートを反転させて同
一条件の処理を行った。さらにノズル列数が、25列のノ
ズル群の下を噴射圧力65kg/cm2の条件で上記と同様の処
理をシートの両面に施した。
得られた交絡シートの目付は58g/cm2、厚さ0.35mmで
あり、その物性は次の通りであった。
引張強度 (kg/cm)タテ 1.57、ヨコ 0.91 引張破断伸度(%)タテ 19.0、ヨコ 59.0 引裂強度 (kg)タテ 0.46、ヨコ 0.57 柔軟度 (mm)タテ 45 、ヨコ 26 交絡点間距離 150 μm 層間剥離強度 720 g/cm 耐洗濯性 1 級 寸法安定性 (%)タテ 30 、ヨコ 43 次いで、この交絡シートを20メッシュのブロンズの平
織り金網に載せ、ノズル径0.15mm、ノズル間ピッチ0.8m
m、ノズル列数10列の固定ノズルヘッダーから水圧55kg/
cm2で噴出する柱状水流の下を15m/分の移動速度で通し
た。ノズルとシートとの距離は30mmとした。金網のパタ
ーンに対応して、針金の交差部が開孔となった目付58g/
m2、厚さ0.48mmの模様の孔明き不織布が得られた。
このものの物性、性能は次の通りであった。
引張強度(kg/cm)タテ 1.51、ヨコ 0.83 破断伸度 (%)タテ 29.0、ヨコ 40.0 引裂強度 (kg)タテ 0.34、ヨコ 0.25 柔軟度 (mm)タテ 31 、ヨコ 25 交絡点間距離 110 μm 耐洗濯性 5 級 寸法安定性 (%)タテ 45 、ヨコ 63 実施例2 繊度1.0デニール、カット長10mmのレーヨン短繊維50
部と繊度1.0デニール、カット長10mmのポリエチレンテ
レフタレート短繊維50部とを水中に分散し、均一に混合
して濃度1%のスラリーとした。分散助剤としてノニオ
ン活性剤10ppm、ポリアクリルアミド20ppmを添加した。
このスラリーを傾斜長網式抄造機で抄造し、目付50g/m2
のシートを得た。
このシートを実施例1と同様の方法で交絡シートとし
た。この交絡シートは目付48g/m2、厚さ0.32mmの無孔の
シートであり、その物性は次の通りであった。
引張強度(kg/cm)タテ 1.65、ヨコ 0.95 破断伸度 (%)タテ 41 、ヨコ 62 引裂強度 (kg)タテ 0.74、ヨコ 0.73 柔軟度 (mm)タテ 48 、ヨコ 35 交絡点間距離 135 μm 層間剥離強度 1,500 g/cm 耐洗濯性 5 級 寸法安定性 (%)タテ 28 、ヨコ 39 次いで、この交絡シートを実施例1と同様の方法で孔
明け処理を行った。得られた開孔性の不織布は、同様の
孔明きパターンを有しており、目付46.5g/m2、厚さ0.45
mmのものであり、その物性は次の通りであった。
引張強度(kg/cm)タテ 1.54、ヨコ 0.92 破断伸度 (%)タテ 35 、ヨコ 54 引裂強度 (kg)タテ0.62、ヨコ 0.41 柔軟度 (mm)タテ 37 、ヨコ 30 交絡点間距離 90 μm 耐洗濯性 5 級 寸法安定性 (%)タテ 45 、ヨコ 63 実施例3 繊度1.0デニールのポリエチレンテレフタレート繊維
を10mmにカットした短繊維を原料として、上記実施例と
同様の方法で抄造シートを作り、次いで交絡処理を行っ
て交絡シートを得た。
このものの目付は65g/m2、厚さ0.38mmで、その物性は
次の通りであった。
引張強度(kg/cm)タテ 5.3、ヨコ 3.0 破断伸度 (%)タテ 42 ヨコ 66 引裂強度 (kg)タテ 1.4 、ヨコ 1.0 柔軟度 (mm)タテ63 、ヨコ 50 交絡点間距離 120 μm 層間剥離強度 2,500 g/cm 耐洗濯性 5 級 寸法安定性 (%)タテ 30 、ヨコ 44 次いで、この交絡シートを実施例1と同様の方法で孔
明け処理を行った。得られた開孔性の不織布は、同様の
孔明きパターンを有し、目付64g/m2、厚さ0.50mmであ
り、その物性は次の通りであった。
引張強度(kg/cm)タテ 5.0 、ヨコ 2.9 破断伸度 (%)タテ 42 、ヨコ 49 引裂強度 (kg)タテ 1.8、ヨコ 1.1 柔軟度 (mm)タテ 29 、ヨコ 27 交絡点間距離 105 μm 耐洗濯性 5 級 寸法安定性 (%)タテ 46 、ヨコ 60 〔発明の効果〕 本発明の開孔模様を有する不織布は、強度物性に優
れ、耐久性、柔軟性に優れ、吸液性に富んでいる。形態
安定性にも優れている。この様な特徴から、外科用傷当
て布、繃帯、ガーゼ、美顔布、手拭き布、テーブル拭き
布、工業用ワイパー、家庭用ワイパー、レースカーテ
ン、レーステーブルクロスなど用途に好適に使用され
る。又、衣料用、衛生材料、医療用材料、産業資材用途
などにその優れた特性の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の開孔を有する不織布における開孔及び
繊維交絡体からなる構造を模式的に拡大して示す図であ
る。 第2図は本発明の不織布の構成繊維の拡大模式図であ
る。 a……開孔、b……結節、c……連結部、 f1〜f7……構成繊維、a1〜a7……構成繊維同士の交絡
点。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維長が15mm以下で、単糸繊度0.5〜5デ
    ニール、単糸の直径Dと繊維長Lの比L/Dが0.8×103
    2.0×103の短い繊維からなる不織布であって、該不織布
    中に規則的な配列をもって散在する開孔を有し、該不織
    布を構成する短い繊維が、該開孔を囲繞して、結節及び
    結節相互を連結する連結部からなる規則的な模様をもっ
    て配置し、全体として網状をなしており、該短い繊維
    は、結節及び連結部の各区域において、および/又は各
    区域間を貫通して、不規則に湾曲し、ねじれ、巻きつき
    且つ互いに交錯して、交絡点間距離が300μm以下に交
    絡していることを特徴とする開孔模様を有する抄造不織
    布。
  2. 【請求項2】繊維長が15mm以下で、単糸繊度0.5〜5デ
    ニール、単糸の直径Dと繊維長Lの比L/Dが0.8×103
    2.0×103の短い繊維からなる抄造法による繊維シート
    を、透水性の支持体上で柱状の水流により交絡処理を行
    い無孔の交絡シートとしたのち、凹凸もしくは開孔を有
    する透水性の部材の上に載置し、交絡シート面から水流
    の噴射広がり角度5゜以下の高圧の水流を衝突させ、該
    部材の凹部もしくは開孔部へ該シートの構成繊維を移動
    せしめ、部材の凸部もしくは非開孔部に対応する開孔を
    生じさせることを特徴とする開孔模様を有する抄造不織
    布の製造方法。
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