JP2813930B2 - 4輪駆動車両の動力伝達装置における機能確認方法 - Google Patents

4輪駆動車両の動力伝達装置における機能確認方法

Info

Publication number
JP2813930B2
JP2813930B2 JP9557692A JP9557692A JP2813930B2 JP 2813930 B2 JP2813930 B2 JP 2813930B2 JP 9557692 A JP9557692 A JP 9557692A JP 9557692 A JP9557692 A JP 9557692A JP 2813930 B2 JP2813930 B2 JP 2813930B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
port
oil passage
hydraulic
hydraulic pump
driven
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP9557692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05286372A (ja
Inventor
哲郎 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP9557692A priority Critical patent/JP2813930B2/ja
Publication of JPH05286372A publication Critical patent/JPH05286372A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2813930B2 publication Critical patent/JP2813930B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前輪と後輪とを共通の
エンジンにて駆動し得るように構成された4輪駆動車両
の動力伝達装置における機能確認方法に関する。
【0002】
【従来の技術】動力伝達装置としてビスカスカップリン
グを用いた従来の4輪駆動車両においては、そのビスカ
スカップリングが正常に機能しているか否かを確認する
ために次のような試験を行っている。即ち、車両をジャ
ッキアップして4輪を浮かせた状態で、エンジンをアイ
ドリング運転させながら変速段を1速ギヤに入れてパー
キングブレーキで後輪を制動する。その結果、エンジン
が停止すればビスカスカップリングが正常に機能してい
ると判断され、エンジンが停止しなければビスカスカッ
プリングに異常があると判断される。つまり、ビスカス
カップリングに差動を与えたときにビスカスカップリン
グが正常にトルク伝達機能を発揮していれば、前記後輪
の制動トルクがエンジンに負荷を与えてエンジンを停止
させる。この場合、ビスカスカップリングは構造上前輪
に比して後輪の回転速度が遅い場合と速い場合とで同じ
トルク伝達特性を示すため、上述のようにその一方であ
る前輪に比して後輪の回転速度が遅い場合のみの機能を
確認すれば充分である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば特開
平3−224830号公報に記載されている4輪駆動車
両の動力伝達装置のように、エンジンで直接的に駆動さ
れる前輪に連動する第1油圧ポンプと、油圧クラッチを
介して駆動される後輪に連動する第2油圧ポンプとを備
え、両油圧ポンプの吐出量差に基づいて前記油圧クラッ
チを係合させることにより後輪に駆動力を伝達するよう
にしたものが提案されている。この動力伝達装置は前輪
に比して後輪の回転速度が遅い場合は油圧クラッチが係
合して4輪駆動状態になるが、速い場合は油圧クラッチ
が係合せず前輪のみの2輪駆動状態となる。つまり前輪
に比して後輪の回転速度が遅い場合と速い場合とでトル
ク伝達特性が異なるため、前述の従来の試験方法を適用
しても動力伝達装置が正常に機能を発揮しているかを否
か正確に確認することができなかった。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、一対の油圧ポンプの吐出量差に基づいて油圧クラッ
チを係合させることにより後輪に駆動力を伝達するよう
にした4輪駆動車両の動力伝達装置において、その機能
を正確に確認することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の4輪駆動車両の動力伝達装置における機能
確認方法は、エンジンにて直接的に駆動される前輪に連
動して駆動される第1油圧ポンプと、エンジンにて油圧
クラッチを介して駆動される後輪に連動して駆動される
第2油圧ポンプと、第1油圧ポンプの吐出ポートと第2
油圧ポンプの吸入ポートとを接続する連結油路と、この
連結油路と油圧クラッチの作動油圧室とを接続する連結
油路と、を備えた4輪駆動車両の動力伝達装置におい
て、以下の及びの条件が満たされた時に前記動力伝
達装置が正常に機能していると判断することを第1の特
徴とする。 後輪又はこれに連動して回転する部分を固定した状
態で、前輪又はこれに連動して回転する部分を外部から
駆動回転させた時、その駆動負荷が所定の値以上である
こと。 前輪又はこれに連動して回転する部分を固定した状
態で、後輪又はこれに連動して回転する部分を外部から
駆動回転させた時、その駆動負荷が所定の値以下である
こと。
【0006】また本発明の4輪駆動車両の動力伝達装置
における機能確認方法は、エンジンにて直接的に駆動さ
れる前輪に連動して駆動され、前進時には吐出ポートと
なり後退時には吸入ポートとなる第1ポートと、前進時
には吸入ポートとなり後退時には吐出ポートとなる第2
ポートとを有する第1油圧ポンプと、エンジンにて油圧
クラッチを介して駆動される後輪に連動して駆動され、
前進時には吸入ポートとなり後退時には吐出ポートとな
る第3ポートと、前進時には吐出ポートとなり後退時に
は吸入ポートとなる第4ポートとを有する第2油圧ポン
プと、第1ポートと第3ポートとを接続する第1連結油
路と、第2ポートと第4ポートとを接続する第2連結油
路と、第1連結油路と油圧クラッチの作動油圧室とを接
続する第3連結油路と、第2連結油路と油圧クラッチの
作動油圧室とを接続する第4連結油路と、第1連結油路
から分岐して第2連結油路に接続する第5連結油路と、
第3連結油路に介設され、第1連結油路側から作動油圧
室側への油の流れのみを許容する第1一方向弁と、第4
連結油路に介設され、第2連結油路側から作動油圧室側
への油の流れのみを許容する第2一方向弁と、第5連結
油路に介装され、第2連結油路側から第1連結油路側へ
の油の流れのみを許容する第3一方向弁と、車両の後退
時に第2連結油路と第5連結油路との連通を絶つ手段
と、を備えた4輪駆動車両の動力伝達装置において、以
下の乃至の条件が満たされた時に前記動力伝達装置
が正常に機能していると判断することを第2の特徴とす
る。 後輪又はこれに連動して回転する部分を固定した状
態で、前輪又はこれに連動して回転する部分を外部から
前進方向に駆動回転させた時、その駆動負荷が所定の値
以上であること。 後輪又はこれに連動して回転する部分を固定した状
態で、前輪又はこれに連動して回転する部分を外部から
後退方向に駆動回転させた時、その駆動負荷が所定の値
以上であること。 前輪又はこれに連動して回転する部分を固定した状
態で、後輪又はこれに連動して回転する部分を外部から
前進方向に駆動回転させた時、その駆動負荷が所定の値
以下であること。 前輪又はこれに連動して回転する部分を固定した状
態で、後輪又はこれに連動して回転する部分を外部から
後退方向に駆動回転させた時、その駆動負荷が所定の値
以上であること。
【0007】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0008】図1〜図4は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1は4輪駆動車両の動力伝達系を示す全体構成
図、図2は後退時の作用の説明図、図3は車両の運転状
態に基づく動力伝達装置の機能を説明する図、図4は動
力伝達装置の機能確認方法を説明する図である。
【0009】図1に示すように、4輪駆動車両の前部に
搭載されたエンジンEの出力は変速機1を介して前輪側
の差動装置2に入力され、その差動装置2の出力はドラ
イブシャフト3を介して左右の前輪Wfに伝達される。
差動装置2に入力されたエンジンEの出力は傘歯車装置
4を介して後述の動力伝達装置に入力され、その動力伝
達装置の出力は傘歯車装置5を介して後輪側の差動装置
6に伝達され、更に差動装置6の出力はドライブシャフ
ト7を介して左右の後輪Wrに伝達される。
【0010】動力伝達装置は、前輪側の傘歯車装置4か
ら延びる入力軸8により駆動される第1油圧ポンプPf
と、後輪側の傘歯車装置5に接続する出力軸9により駆
動される第2油圧ポンプPrと、前記入力軸8と出力軸
9との間に介装された油圧クラッチCと、該油圧クラッ
チCを制御する油圧制御回路とから構成される。
【0011】第1油圧ポンプPfは、トロコイドポンプ
からなり、車両の前進時には吐出ポートとなり後退時に
は吸入ポートとなる第1ポート10と、前進時には吸入
ポートとなり後退時には吐出ポートとなる第2ポート1
1とを有している。そして第2油圧ポンプPrは、同じ
くトロコイドポンプからなり、車両の前進時には吸入ポ
ートとなり後退時には吐出ポートとなる第3ポート12
と、前進時には吐出ポートとなり後退時には吸入ポート
となる第4ポート13とを有している。そして、第1ポ
ート10と第3ポート12とが第1連結油路14を介し
て連通接続され、第2ポート11と第4ポート13とが
第2連結油路15を介して連通接続されている。
【0012】第1連結油路14および第2連結油路15
と油圧クラッチCの作動油圧室16の間には、前記変速
機1が前進段にあるか後退段にあるかにより切り換えら
れる切換弁17が介装されている。この切換弁17はソ
レノイドあるいは油圧により作動するスプール18を備
え、このスプール18により画成される第1弁室19お
よび第2弁室20の間には、第1弁室19から第2弁室
20へ向けての流れを規制する一方向弁21と、第1弁
室19と第2弁室20との差圧が所定値になると、第1
弁室19と第2弁室20との間を連通し、第1弁室19
から第2弁室20へ向けての流れを許容するリリーフ弁
22とが設けられている。この切換弁17の作動によ
り、前進時にあっては、図1に示すように、第2連結油
路15とオイルタンク23との間が第2弁室20を介し
て連通し、第1連結油路14と油圧クラッチCの作動油
圧室16との間が、バイパス油路24、第1弁室19、
作動油供給油路25を介して連通し、しかも油圧クラッ
チCの作動油圧室16に作用する圧力が所定値以上にな
ると、リリーフ弁22を介してオイルタンク23へ圧力
が逃げるようになっている。そして後退時にあっては、
図2に示すようにスプール18が前方に移動し、第1連
結油路14とオイルタンク23との間が第2弁室20を
介して連通し、第2連結油路15と油圧クラッチCの作
動油圧室16との間が第1弁室19を介して連通し、し
かも油圧クラッチCの作動油圧室16に作用する圧力が
所定値以上になるとリリーフ弁22を介してタンク23
へ圧力が逃げるようになっている。
【0013】更に、第1弁室19と油圧クラッチCの作
動油圧室16との間を連結する作動油供給油路25は、
オリフィス26を有する分岐通路を介してオイルタンク
23に連通している。
【0014】次に、上述の構造を備えた第1実施例の動
力伝達装置の作用を説明する。
【0015】前進発進時には、エンジンEの駆動力が変
速機1、差動装置2、ドライブシャフト3を介して前輪
Wfに伝達されるとともに、その駆動力は差動装置2か
ら傘歯車装置4と入力軸8を介して第1油圧ポンプPf
に伝達され、この第1油圧ポンプPfを駆動する。この
とき油圧クラッチCは遮断された状態にあり、出力軸9
に接続した第2油圧ポンプPrは停止した状態にある。
したがって、オイルタンク23から第2弁室20および
第2連結油路15を介して第1油圧ポンプPfの第2ポ
ート11に吸入されたオイルは、第1ポート10から第
1連結油路14へ吐出されてバイパス油路24に全量が
流入し、第1弁室19および作動油圧供給油路25を介
して油圧クラッチCの作動油圧室16に油圧を作用させ
る。すると、前述のように油圧クラッチCが係合して出
力軸9、傘歯車装置5、差動装置6、およびドライブシ
ャフト7を介して後輪Wrが駆動されるとともに、前記
出力軸9に接続された第2油圧ポンプPrが駆動され
る。このようにして、油圧クラッチCが係合して後輪W
rに駆動トルクが分配されると、後輪Wrの回転速度の
増大に応じて第1油圧ポンプPfの吐出油が第1連結油
路14を介して第2油圧ポンプPrに吸入され、第2油
圧ポンプPrの吐出油が第2連結油路15を介して第1
油圧ポンプPfに吸入されるようになる。そして第1油
圧ポンプPfの吐出量と第2油圧ポンプPrの吸入量と
の差に応じて油圧クラッチCの作動油圧室16に作用す
る油圧、すなわち油圧クラッチCの係合力が自動的に変
化し、前後輪間の回転速度差が実質的にゼロになる例え
ば定速走行状態に達すると、油圧クラッチCの作動油圧
室16に油圧が作用しなくなって後輪Wrへのトルク分
配が断たれる。
【0016】ここでオリフィス26上流側の油圧、すな
わち油圧クラッチCの作動油圧室16に作用する油圧
は、第1、第2両油圧ポンプPf,Prの吐出量(吸入
量)差の2乗に比例して変化するため、そのオリフィス
26の開度を調整することにより、前記作動油圧室16
に作用する油圧特性を適宜に設定することができる。ま
た、油圧クラッチCの伝達トルクは、作動油圧室16に
作用する油圧に比例することから、リリーフ弁22の開
放圧の設定により、油圧クラッチCの伝達トルクの上限
値を適宜に設定することができる。
【0017】定速走行時に前輪Wfのみが摩擦係数の低
い路面を踏んだ場合、あるいは急加速せんとした時に
は、前輪Wfが過渡的にスリップ状態になることがあ
る。このような状態においては、入力軸8に接続された
第1油圧ポンプPfの吐出量が出力軸9に接続された第
2油圧ポンプPrの吸入量を上回り、前述と同様に油圧
クラッチCが係合して後輪Wrに対して駆動トルクが分
配される。
【0018】車輪に制動力が作用すると、前後輪の制動
力バランスは一般に前輪Wf側が後輪Wr側より高く設
定されているので、前輪Wfが早期にロックし易い。ま
た、定速走行からのエンジンブレーキは前輪Wfのみ作
用するので、この場合も過渡的には前輪Wfの回転速度
が後輪Wrよりも低くなる。このような場合には、第2
油圧ポンプPrの吐出量が第1油圧ポンプPfの吸入量
を上回り、第2連結油路15に過剰なオイルが吐出され
る。更に、前輪Wfが完全にロックした場合には、第1
油圧ポンプPfが停止して第2油圧ポンプPrのみが回
転するため、この第2油圧ポンプPrの吐出油の全量が
過剰となる。しかしながら、この過剰な吐出油は、第2
連結油路15から第2弁室20、一方向弁21、第1弁
室19、バイパス油路24、第1連結油路14を経て第
2油圧ポンプPrの第3ポート12へと還流する。この
ようにして、後輪Wrの回転速度が前輪Wfの回転速度
を上回る場合には、油圧クラッチCの作動油圧室16に
油圧が作用することはなく、該油圧クラッチCは遮断状
態に保持される。
【0019】後退時には、第1、第2両油圧ポンプP
f,Prの回転方向が共に逆になり、吐出ポートと吸入
ポートとの関係が上記とは逆の関係になるが、変速機1
に連動して切換弁17のスプール18が図2の位置に移
動するため、基本的な作動原理は前進時と同様にして行
なわれる。
【0020】すなわち、後退発進時あるいは後退急加速
時等に前輪Wfの回転速度が後輪Wrの回転速度より大
きくなると、第1油圧ポンプPfの吐出量が第2油圧ポ
ンプPrの吸入量を上回るため、第2ポート11からの
吐出量と第4ポート13からの吸入量の差に相当するオ
イルが、第2連結油路15から第1弁室19と作動油圧
供給油路25を介して油圧クラッチCの作動油圧室16
に供給され、後輪Wrに駆動トルクを分配すべく油圧ク
ラッチCが接続される。そして前進時と同様に、後輪W
r側の回転速度の増大に応じて第1油圧ポンプPfの吐
出量と第2油圧ポンプPrの吸入量の差が減少し、定速
走行状態になると油圧クラッチCの作動油圧室16に油
圧が作用しなくなって前後輪間の接続が断たれる。
【0021】また、後退制動時には、第1油圧ポンプP
fの回転速度が第2油圧ポンプPrのそれを下回るた
め、前進制動時の場合と同様に、作動油圧供給通路25
への吐出圧は発生せず、油圧クラッチCは係合しない。
このとき、第2油圧ポンプPrの第3ポート12から吐
出油の一部は、第1連結油路14、バイパス油路24、
第2弁室20、一方向弁21、第1弁室19、第2連結
油路15を経て第4ポート13へ還流する。そして前輪
Wfが完全にロックすると、第3ポート12からの吐出
油の全量が前記経路を経て第4ポート13へ還流し、こ
の場合も油圧クラッチCは係合せず、前後輪間の連結は
遮断された状態となる。
【0022】図3(a)は、上記作用を表に纏めたもの
で、「4WD」は前輪Wfと後輪Wrの両方に駆動トル
クが分配される4輪駆動状態を表し、「2WD」は後輪
Wrへの駆動トルクの分配が遮断される2輪駆動状態を
表している。すなわち、車両が加速状態にある時には前
進・後退の何れの場合にも4WD状態となり、車両が減
速状態にある時には前進・後退の何れの場合にも2WD
状態となる。
【0023】図3(b)は、これをグラフで表したもの
であって、横軸は前輪Wfに連動する第1油圧ポンプP
fの回転数NFから後輪Wrに連動する第2油圧ポンプ
Prの回転数NRを引いた差NF−NRを示しており、
縦軸は本実施例の動力伝達装置によって伝達されるトル
クを示している。ここで、第1,第2油圧ポンプPf,
Prの回転数NF,NRについては、車両の前進時と後
退時とで各油圧ポンプPf,Prの回転方向が正逆反対
となることを考慮して、絶対値とはせずに、前進時を
「正」、後退時を「負」とした実数(即ち回転数NF,
NRは、前進時に共に正の値、後退時に共に負の値とな
る)として扱っており、それらの実数より横軸のNF−
NRを演算してグラフを表している。尚、本明細書で
は、各油圧ポンプPf,Prの「回転速度」については
ポンプ回転方向の正逆を考慮に入れない絶対値として扱
っており、この点で回転数NF,NRとは扱いが異な
る。 而して本グラフにおいて、NF−NRが正になる場
合は、第1油圧ポンプPfの回転数NFが第2油圧ポン
プPrの回転数NRを上回る場合であって、前進加速時
と後退減速時に対応する。また、NF−NRが負になる
場合は、第1油圧ポンプPfの回転数NFが第2油圧ポ
ンプPrの回転数NRを下回る場合であって、前進減速
時と後退加速時に対応する。尚、2WD状態である後退
減速時と前進減速時に僅かなトルク伝達が行われるの
は、油圧クラッチCの皿ばねのプリセットトルクによる
ものである。
【0024】さて、動力伝達装置が上記図3(b)のグ
ラフに示したトルク伝達機能を正常に発揮しているか否
かの確認が、以下のような方法によって行われる。
【0025】先ず、図4(a)に示すように何れか一方
の前輪Wf(例えば左前輪Wf)をジャッキアップによ
り路面から離間させ、残りの3輪を接地させた状態で前
記ジャッキアップした前輪Wfを外部から矢印で示す前
進方向に回転駆動する。このとき前輪Wfに連動する第
1油圧ポンプPfは回転し、後輪Wrに連動する第2油
圧ポンプPrは停止した状態にあるため、図3(a)の
左上欄の前進加速時の状態がシミュレートされる。そし
て図3(b)のグラフからも明らかなように、前進加速
時は4WD状態にあって動力伝達装置はトルク伝達を行
うため、ジャッキアップした前輪Wfを回転駆動するた
めには所定の値以上の負荷が必要となる。換言すれば、
ジャッキアップした前輪Wfを回転駆動する際に所定の
値以上の負荷が検出されれば、動力伝達装置が正常に機
能していることが確認される。
【0026】次に、図4(b)に示すように、今度はジ
ャッキアップした前輪Wfを矢印で示す後退方向に外部
から回転駆動する。このとき第1油圧ポンプPfは回転
し、第2油圧ポンプPrは停止した状態にあるため、図
3(a)の右上欄および図3(b)に示す後退加速時の
状態がシミュレートされる。この後退加速時は4WD状
態にあって動力伝達装置はトルク伝達を行うため、ジャ
ッキアップした前輪Wfを回転駆動する際の負荷が所定
の値以上であれば、動力伝達装置が正常に機能している
ことが確認される。
【0027】続いて、図4(c)に示すように何れか一
方の後輪Wr(例えば左後輪Wr)をジャッキアップに
より路面から離間させ、残りの3輪を接地させた状態で
前記ジャッキアップした後輪Wrを外部から矢印で示す
前進方向に回転駆動する。これにより後輪Wrに連動す
る第2油圧ポンプPr回転し、前輪Wfに連動する第1
油圧ポンプPfは停止した状態となり、図3(a)の左
下欄および図3(b)の前進減速時の状態がシミュレー
トされる。この前進減速時は2WD状態にあって動力伝
達装置は殆どトルク伝達を行わないため(油圧クラッチ
Cの皿ばねのプリセットトルクのみが伝達される)、ジ
ャッキアップした後輪Wrを回転駆動するための負荷は
所定の値以下の僅かなものとなる。したがって、ジャッ
キアップした後輪Wrを回転駆動する際に所定の値以下
の負荷が検出されれば、動力伝達装置が正常に機能して
いることが確認される。
【0028】同様にして、図4(d)に示すようにジャ
ッキアップした後輪Wrを外部から矢印で示す後退方向
に回転駆動し、図3(a)の右下欄および図3(b)に
示す後退減速時の2WD状態をシミュレートした場合に
も、ジャッキアップした後輪Wrを回転駆動する際に所
定の値以下の負荷が検出されれば、動力伝達装置が正常
に機能していることが確認される。
【0029】尚、前輪Wfあるいは後輪Wrを回転駆動
する際の駆動負荷の所定の値は、図4(a)〜(d)
各々の場合において必ずしも等しい必要は無く、傘歯車
装置4,5の減速比やトルク伝達経路の摩擦損失の大き
さ等を考慮して各々の場合において任意に定めることが
できる。
【0030】次に、本発明の第2実施例を説明する。
【0031】この第2実施例は、前述の第1実施例のも
のが後退減速時に前輪駆動状態(2WD状態)になるの
に対し、後退減速時に4輪駆動状態(4WD状態)とす
るための構成を備えている。
【0032】以下、その油圧回路を図5に基づいて説明
する。尚、図5において図1(第1実施例)の構成要素
に対応する部分には同一に符号を付すことにより、その
重複する説明は省略する。
【0033】この第2実施例では、後輪Wrに連動して
回転する第2油圧ポンプPrの1回転当たりの吐出量
が、前輪Wfに連動して回転する第1油圧ポンプPfの
1回転当たりの吐出量よりも僅かに(例えば2.5%)
大きくなるように設定されている。
【0034】油圧クラッチCを係合させるピストンを収
納した作動油圧室16と第1連結油路14および第2連
結油路15とは、それぞれ第3連結油路27と第4連結
油路28を介して接続される。第3連結油路27には第
1連結油路14から作動油圧室16への油の流れのみを
許容する第1一方向弁29が介設されるとともに、第4
連結油路28には第2連結油路15から作動油圧室16
への油の流れのみを許容する第2一方向弁30が介設さ
れる。また、オイルタンク23と第1連結油路14およ
び第2連結油路15との間には、オイルタンク23から
第1連結油路14への油の流れのみを許容する第3一方
向弁32と、オイルタンク23から第2連結油路15へ
の油の流れのみを許容する第4一方向弁33がそれぞれ
設けられる。
【0035】前記油圧クラッチCの作動油圧室16の上
流位置には、絞り径に比べて絞り流路長が長いチョーク
型絞り34が介設される。また作動油圧室16の下流位
置には、絞り径に比べて絞り流路長が短いオリフィス型
絞り35と該オリフィス型絞り35を閉塞する手段とし
ての第1リリーフ弁36が設けられ、それらオリフィス
型絞り35と第1リリーフ弁36を通過した油はオイル
タンク23に戻される。また、チョーク型絞り34の上
流位置とオリフィス型絞り35の下流位置との間には、
作動油圧室16に伝達される油圧の上限値を規制する第
2リリーフ弁38が介設される。
【0036】前記第2連結油路15には、ハウジング3
9の内部にスプリング40で前方に付勢したスプール4
1を収納してなるスプール弁42が介設される。スプー
ル41が図示した前方位置にあるとき、そのスプール4
1によってポート431 とポート432 の連通が遮断さ
れるとともにポート433 とポート434 が連通し、ス
プール41がスプリング40に抗して後方位置に移動し
たとき、そのスプール41によってポート433 とポー
ト434 の連通が遮断されるとともにポート431 と4
2 が連通する。前記ポート431 とポート434 の間
には、ポート431 からポート434 への油の流れのみ
を許容する第5一方向弁44が設けられるとともに、前
記ポート432 とポート433 の間には、該ポート43
2 からポート433 への油の流れのみを許容する第6一
方向弁45が設けられる。したがって、車両の前進時す
なわち第2油圧ポンプPrの第4ポート13が油を吐出
している時には、スプール41は図示の前方位置にあっ
て第2連結油路15と第1連結油路14は第5連結油路
46を介して接続される。また、車両の後退時すなわち
第1油圧ポンプPfの第2ポート11が油を吐出してい
る時には、スプール41がスプリング40に抗して後方
位置に移動し、第4一方向弁33と第5一方向弁44と
によって第2連結油路15と前記第5連結油路46の連
通が遮断される。
【0037】次に、前述の本発明の第2実施例の作用を
説明する。
【0038】前進発進時には、エンジンEの駆動力が第
1油圧ポンプPfに伝達されて該第1油圧ポンプPfを
駆動する。このとき油圧クラッチCは遮断された状態に
あり、第2油圧ポンプPrは停止している。したがっ
て、オイルタンク23から第5一方向弁44を介して、
あるいはオイルタンク23から第4一方向弁33、スプ
ール弁42のポート433 ,434 、および第5一方向
弁44を介して第1油圧ポンプPfの第2ポート11に
吸入された油は、第1ポート10から第1連結油路14
へ吐出される。このとき、第5連結油路46の第3一方
向弁32が閉じているため、第1連結油路14に吐出さ
れた油の全量が第3連結油路27に流入し、そこで第1
一方向弁29を通過し且つ第2一方向弁30により阻止
されてチョーク型絞り34を介して油圧クラッチCの作
動油圧室16に供給される。
【0039】上述のようにして油圧クラッチCが係合す
ると後輪Wrが駆動されるとともに第2油圧ポンプPr
が回転する。その結果、後輪Wrの回転速度の増大に応
じて第1油圧ポンプPfの吐出油が第1連結油路14を
介して第2油圧ポンプPrに吸入され、第2油圧ポンプ
Prの吐出油がスプール弁42のポート433 ,4
4 、および第5一方向弁44を介して第1油圧ポンプ
Pfに吸入されるようになる。そして第1油圧ポンプP
fの吐出量と第2油圧ポンプPrの吸入量との差に応じ
て油圧クラッチCの作動油圧室16に作用する油圧、す
なわち油圧クラッチCの係合力が自動的に変化し、前後
輪間の回転速度差が実質的にゼロになる例えば定速走行
状態に達すると、油圧クラッチCの作動油圧室16に油
圧が作用しなくなって後輪Wrへのトルク分配が断たれ
る。尚、前記定速走行状態において、前述のように第2
油圧ポンプPrの吐出量は第1油圧ポンプPfの吐出量
を僅かに上回っているが、第2油圧ポンプPrの余剰の
吐出油はスプール弁42のポート433 ,434 と第5
連結油路46の第3一方向弁32を介して第2油圧ポン
プPrの第3ポート12に還流する。
【0040】さて、第1、第2両油圧ポンプPf,Pr
の吐出量(吸入量)差が生じると、油圧クラッチCの作
動油圧室16には第1リリーフ弁36のセット荷重に対
応する油圧が直ちに作用する。前記第1リリーフ弁36
が開いた後は、第1、第2両油圧ポンプPf,Prの吐
出量差、オリフィス型絞り35およびチョーク型絞り3
4の圧力降下特性、あるいは油の粘度等により決定され
る油圧が油圧クラッチCの作動油圧室16に作用する。
そして、その油圧の上限値は第2リリーフ弁38のセッ
ト荷重により制限されるため、前記第2リリーフ弁38
のセット荷重を適宜設定することにより油圧クラッチC
の伝達トルクの上限値を調整することができる。
【0041】ところで、前記チョーク型絞り34を通過
する油量は油の粘度による影響を受け、低温状態で油の
粘度が増加するとチョーク型絞り34を流れる油量が減
少するため、油圧クラッチCの作動油圧室16とオリフ
ィス型絞り35を通過する油量も減少する。このとき、
オリフィス型絞り35の前後に発生する圧力降下量は該
オリフィス型絞り35を通過する油量の2乗に比例する
ため、通過する油量が減少するとオリフィス型絞り35
における圧力降下量が小さくなり、その分だけ上流のチ
ョーク型絞り34における圧力降下量が増加することに
なる。これにより、低温状態で作動油圧室16に作用す
る油圧、すなわち第2リリーフ弁38で設定された圧力
から前記チョーク型絞り34による圧力降下量を差し引
いた圧力が小さくなる。したがって、油の粘度上昇によ
り摩擦係数が増加しても、その分だけ油圧によるクラッ
チディスクの押し付け力が減少するため、全体として低
温時における油圧クラッチCの係合力の増大が防止され
る。一方、高温状態では油の粘度が低下して摩擦係数が
低下するが、この場合にはチョーク型絞り34による圧
力降下量が逆に減少して油圧クラッチCの作動油圧室1
6に作用する油圧が増加するため、その分だけクラッチ
ディスクの押し付け力が増加して油圧クラッチCの係合
力の低下が防止される。
【0042】このようにして油圧クラッチCの作動油圧
室16からオリフィス型絞り35と第1リリーフ弁36
を介して排出された油、および作動油圧室16の上流位
置から第2リリーフ弁38を介して排出された油はオイ
ルタンク23に戻される。
【0043】定速走行時に前輪Wfのみが摩擦係数の低
い路面を踏んだ場合、あるいは急加速せんとした時に
は、前輪Wfが過渡的にスリップ状態になることがあ
る。このような状態においても第1油圧ポンプPfの吐
出量が第2油圧ポンプPrの吸入量を上回り、且つ第3
一方向弁32が閉じて第5連結油路46を介しての第1
連結油路14と第2連結油路15の連通が阻止されるた
め、前述と同様に油圧クラッチCが係合して後輪Wrに
対して駆動トルクが分配される。
【0044】急制動時やエンジンブレーキ時に過渡的に
は前輪Wfの回転速度が後輪Wrよりも低くなった場合
には、第2油圧ポンプPrの吐出量が第1油圧ポンプP
fの吸入量を上回り、第2連結油路15に過剰なオイル
が吐出される。更に、前輪Wfが完全にロックした場合
には、第1油圧ポンプPfが停止して第2油圧ポンプP
rのみが回転するため、この第2油圧ポンプPrの吐出
油の全量が過剰となる。しかしながら、この過剰な吐出
油はスプール弁42のポート433 ,434 と第5連結
油路46の第3一方向弁32を介して第2油圧ポンプP
rの第3ポート12に還流する。このようにして、後輪
Wrの回転速度が前輪Wfの回転速度を上回っても油圧
クラッチCの作動油圧室16に第1、第2両油圧ポンプ
Pf,Prの吐出量差に基づく油圧が作用しないため、
該油圧クラッチCは遮断状態に保持されて後輪Wrへの
制動力の伝達が阻止され、これにより前後輪の制動力配
分に変化が生じることない。
【0045】以上説明した車両の前進時において、第1
油圧ポンプPfの第2ポート11は吸入ポートとなり第
2油圧ポンプPrの第4ポート13は吐出ポートとなる
ため、スプール弁42のスプール41は常に図示の前方
位置に保持される。このとき、何らかの原因でスプール
41が後方位置にロックしたとしても、第2油圧ポンプ
Prの第4ポート13からの吐出圧が第4一方向弁33
と第6一方向弁45に阻止されてスプール弁42のポー
ト433 に作用し、前記ロックしたスプール41は正常
位置である前方位置に押し戻される。
【0046】車両の後退時には、第1、第2両油圧ポン
プPf,Prの回転方向が共に逆になり、吐出ポートと
吸入ポートとの関係が上記とは逆の関係になる。
【0047】すなわち、後退発進時あるいは後退急加速
時等に前輪Wfの回転速度が後輪Wrの回転速度より大
きくなると、第1油圧ポンプPfの吐出量が第2油圧ポ
ンプPrの吸入量を上回るため、第2連結油路15に油
圧が発生する。このとき、第1油圧ポンプPfの第2ポ
ート11からの吐出圧によってスプール弁42のスプー
ル41は後方位置に移動するため、第1油圧ポンプPf
の第2ポート11はスプール弁42のポート431 ,4
2 と第6一方向弁45を介して第2油圧ポンプPrの
第4ポート13に連通する。その結果、スプール41の
両端に作用する油圧が等しくなり、スプリング40の弾
発力でスプール41は前方位置に復帰する。するとスプ
ール弁42のポート431 ,432 間の連通が絶たれ、
第1油圧ポンプPfの吐出圧によりスプール41は再び
後方位置へ移動する。このようにスプール弁42のスプ
ール41が前後動を繰り返すことにより、第1油圧ポン
プPfの吐出油の一部が第2油圧ポンプPrに吸入され
る。
【0048】上述のようにして、第1油圧ポンプPfの
第2ポート11からの吐出量と第2油圧ポンプPrの第
4ポート13からの吸入量の差によって第2連結油路1
5に吐出された油は、前述のように第4一方向弁33と
第5一方向弁44によって第5連結油路46への流入が
阻止されて第4連結油路28に流入し、そこで第2一方
向弁30を通過し且つ第1一方向弁29により阻止され
てチョーク型絞り34を介して油圧クラッチCの作動油
圧室16に供給され、後輪Wrに駆動トルクを分配すべ
く油圧クラッチCが接続される。後輪Wrの回転速度が
増大して定速走行状態になると第1油圧ポンプPfと第
2油圧ポンプPrの回転速度は同一になるが、第2油圧
ポンプPrの1回転あたりの吐出量が第1油圧ポンプP
fの1回転あたりの吐出量よりも大きいため、その差に
相当する油が第1連結油路14に供給される。その結
果、後退時には定速走行状態においても、前輪Wf側か
ら後輪Wr側へトルクが分配されることになる。
【0049】また、後退制動時には第1油圧ポンプPf
の回転速度が第2油圧ポンプPrのそれを下回るため、
第2油圧ポンプPrの第3ポート12からの吐出量と第
1油圧ポンプPfの第1ポートからの吸入量の差によっ
て第1連結油路14に油圧が発生する。このとき、第3
一方向弁32が閉じるために第3連結油路27の第1一
方向弁29を介して供給される油圧で油圧クラッチCが
係合し、前輪Wfの制動力が後輪Wrに伝達される。
【0050】以上説明した車両の後退時において、第1
油圧ポンプPfの第2ポート11は吐出ポートとなり第
2油圧ポンプPrの第4ポート13は吸入ポートとなる
ため、スプール弁42のスプール41は後方位置に移動
する。しかしながら、万一スプール41が前方位置にロ
ックしたとしても、第1油圧ポンプPfの第2ポート1
1からの吐出圧がスプール弁42のポート431 に作用
し、前記ロックしたスプール41を後方位置に押し戻す
ことができる。
【0051】上記第2実施例の作用を表に纏めた図6
(a)と前述の第1実施例に対応する図3(a)とを比
較すると、第1実施例では右下欄の後退減速時に2WD
状態となるのに対し、第2実施例では4WD状態となる
点で異なっている。したがって、図6(b)のグラフか
らも明らかなように、この第2実施例では後退減速時に
前進加速時と同様に動力伝達装置によって駆動トルクの
伝達が行われることになる。尚、この第2実施例におい
ても、各油圧ポンプPf,Prの回転数NF,NRの扱
い(従って(b)のグラフに於ける横軸NF−NRの扱
い)は、先に説明した第1実施例と同様である。
【0052】さて、動力伝達装置が上記図6(b)のグ
ラフに示したトルク伝達機能を正常に発揮しているか否
かの確認が、以下のような方法によって行われる。
【0053】この場合、前進加速時、後退加速時、およ
び前進減速時の機能は、前述の第1実施例の場合と同様
にして確認することができる。但し、この第2実施例で
は、後退減速時に動力伝達装置の機能が正常であれば4
WD状態となってトルク伝達が行われるため、ジャッキ
アップした後輪Wrを外部から矢印で示す後退方向に回
転駆動する際に負荷が所定の値以上である場合に、動力
伝達装置が正常に機能していることが確認される。
【0054】尚、この第2実施例においても、前輪Wf
あるいは後輪Wrを回転駆動する際の駆動負荷の所定の
値は必ずしも等しい必要は無く、各々の場合において任
意に定めることができる。
【0055】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものでなく種々の小設計変
更を行うことが可能である。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば、車両の加速時に4輪駆動状態となり、車両の減速時
に前輪駆動状態となる動力伝達装置がその機能を充分に
発揮しているか否かを、特別な装置を用いること無く、
簡単かつ正確に確認することができる。
【0057】また本発明の第2の特徴によれば、車両の
前進加速時、後退加速時、および後退減速時に4輪駆動
状態となり、車両の前進減速時に前輪駆動状態となる動
力伝達装置がその機能を充分に発揮しているか否かを、
特別な装置を用いること無く、簡単かつ正確に確認する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例による4輪駆動車両の動力伝達装置
の全体構成図
【図2】後退時の作用の説明図
【図3】車両の運転状態に基づく動力伝達装置の機能を
説明する図
【図4】動力伝達装置の機能確認方法を説明する図
【図5】第2実施例による4輪駆動車両の動力伝達装置
の全体構成図
【図6】車両の運転状態に基づく動力伝達装置の機能を
説明する図
【符号の説明】
10 第1ポート(吐出ポート) 11 第2ポート(吐出ポート) 12 第3ポート(吸入ポート) 13 第4ポート(吸入ポート) 14 第1連結油路 15 第2連結油路 16 作動油圧室 25 作動油供給油路(連結油路) 27 第3連結油路 28 第4連結油路 29 第1一方向弁 30 第2一方向弁 32 第3一方向弁 33 第4一方向弁 42 スプール弁 44 第5一方向弁 46 第5連結油路 C 油圧クラッチ E エンジン Pf 第1油圧ポンプ Pr 第2油圧ポンプ Wf 前輪 Wr 後輪

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(E)にて直接的に駆動される
    前輪(Wf)に連動して駆動される第1油圧ポンプ(P
    f)と、 エンジン(E)にて油圧クラッチ(C)を介して駆動さ
    れる後輪(Wr)に連動して駆動される第2油圧ポンプ
    (Pr)と、 第1油圧ポンプ(Pf)の吐出ポート(10,11)と
    第2油圧ポンプ(Pr)の吸入ポート(12,13)と
    を接続する連結油路(14,15)と、 この連結油路
    (14,15)と油圧クラッチ(C)の作動油圧室(1
    6)とを接続する連結油路(25)と、 を備えた4輪駆動車両の動力伝達装置において、以下の
    及びの条件が満たされた時に前記動力伝達装置が正
    常に機能していると判断する機能確認方法。 後輪(Wr)又はこれに連動して回転する部分を固
    定した状態で、前輪(Wf)又はこれに連動して回転す
    る部分を外部から駆動回転させた時、その駆動負荷が所
    定の値以上であること。 前輪(Wf)又はこれに連動して回転する部分を固
    定した状態で、後輪(Wr)又はこれに連動して回転す
    る部分を外部から駆動回転させた時、その駆動負荷が所
    定の値以下であること。
  2. 【請求項2】 エンジン(E)にて直接的に駆動される
    前輪(Wf)に連動して駆動され、前進時には吐出ポー
    トとなり後退時には吸入ポートとなる第1ポート(1
    0)と、前進時には吸入ポートとなり後退時には吐出ポ
    ートとなる第2ポート(11)とを有する第1油圧ポン
    プ(Pf)と、 エンジン(E)にて油圧クラッチ(C)を介して駆動さ
    れる後輪(Wr)に連動して駆動され、前進時には吸入
    ポートとなり後退時には吐出ポートとなる第3ポート
    (12)と、前進時には吐出ポートとなり後退時には吸
    入ポートとなる第4ポート(13)とを有する第2油圧
    ポンプ(Pr)と、 第1ポート(10)と第3ポート(12)とを接続する
    第1連結油路(14)と、 第2ポート(11)と第4ポート(13)とを接続する
    第2連結油路(15)と、 第1連結油路(14)と油圧クラッチ(C)の作動油圧
    室(16)とを接続する第3連結油路(27)と、 第2連結油路(15)と油圧クラッチ(C)の作動油圧
    室(16)とを接続する第4連結油路(28)と、 第1連結油路(14)から分岐して第2連結油路(1
    5)に接続する第5連結油路(46)と、 第3連結油路(27)に介設され、第1連結油路(1
    4)側から作動油圧室(16)側への油の流れのみを許
    容する第1一方向弁(29)と、 第4連結油路(28)に介設され、第2連結油路(1
    5)側から作動油圧室(16)側への油の流れのみを許
    容する第2一方向弁(30)と、 第5連結油路(46)に介装され、第2連結油路(1
    5)側から第1連結油路(14)側への油の流れのみを
    許容する第3一方向弁(32)と、 車両の後退時に第2連結油路(15)と第5連結油路
    (46)との連通を絶つ手段(33,42,44)と、 を備えた4輪駆動車両の動力伝達装置において、以下の
    乃至の条件が満たされた時に前記動力伝達装置が正
    常に機能していると判断する機能確認方法。 後輪(Wr)又はこれに連動して回転する部分を固
    定した状態で、前輪(Wf)又はこれに連動して回転す
    る部分を外部から前進方向に駆動回転させた時、その駆
    動負荷が所定の値以上であること。 後輪(Wr)又はこれに連動して回転する部分を固
    定した状態で、前輪(Wf)又はこれに連動して回転す
    る部分を外部から後退方向に駆動回転させた時、その駆
    動負荷が所定の値以上であること。 前輪(Wf)又はこれに連動して回転する部分を固
    定した状態で、後輪(Wr)又はこれに連動して回転す
    る部分を外部から前進方向に駆動回転させた時、その駆
    動負荷が所定の値以下であること。 前輪(Wf)又はこれに連動して回転する部分を固
    定した状態で、後輪(Wr)又はこれに連動して回転す
    る部分を外部から後退方向に駆動回転させた時、その駆
    動負荷が所定の値以上であること。
JP9557692A 1992-04-15 1992-04-15 4輪駆動車両の動力伝達装置における機能確認方法 Expired - Lifetime JP2813930B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9557692A JP2813930B2 (ja) 1992-04-15 1992-04-15 4輪駆動車両の動力伝達装置における機能確認方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9557692A JP2813930B2 (ja) 1992-04-15 1992-04-15 4輪駆動車両の動力伝達装置における機能確認方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05286372A JPH05286372A (ja) 1993-11-02
JP2813930B2 true JP2813930B2 (ja) 1998-10-22

Family

ID=14141421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9557692A Expired - Lifetime JP2813930B2 (ja) 1992-04-15 1992-04-15 4輪駆動車両の動力伝達装置における機能確認方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2813930B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5337521B2 (ja) * 2009-02-13 2013-11-06 本田技研工業株式会社 四輪駆動車両における動力伝達装置の機能検査方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05286372A (ja) 1993-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3223196B2 (ja) 4輪駆動車両の動力伝達装置
US5219038A (en) Power transmission device for a four-wheel drive vehicle
US4727966A (en) Differential with differential motion limiting mechanism
US4719998A (en) Power transmission system for vehicle
JP4116735B2 (ja) 四輪駆動車両における駆動力制御装置
US5201820A (en) Power transmission system for a four-wheel drive vehicle
JP2555489B2 (ja) 4輪駆動車両の動力伝達装置
JP2813930B2 (ja) 4輪駆動車両の動力伝達装置における機能確認方法
JP2516095B2 (ja) 4輪駆動車輌の動力伝達装置
JP2963174B2 (ja) 4輪駆動車輌の動力伝達装置
JPS647896B2 (ja)
JP2936163B2 (ja) 4輪駆動車両の動力伝達装置
JPH038499Y2 (ja)
JP2779748B2 (ja) 4輪駆動車両の動力伝達装置
JP4138187B2 (ja) 四輪駆動車両の動力伝達装置
JP2505674Y2 (ja) 動力伝達装置
JP2525717Y2 (ja) 動力伝達装置
JP2505666Y2 (ja) 四輪駆動車両の動力伝達装置
JPH0435367B2 (ja)
JPH0139226Y2 (ja)
JPH059221Y2 (ja)
JPS60104426A (ja) 4輪駆動用駆動連結装置
JPH0215698Y2 (ja)
JPH0423055Y2 (ja)
JPH0344581Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080814

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090814

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100814

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100814

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110814

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110814

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 14