JP4116735B2 - 四輪駆動車両における駆動力制御装置 - Google Patents

四輪駆動車両における駆動力制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原動機で直接的に駆動される前後一方の駆動輪と、油圧クラッチを介して駆動される前後他方の駆動輪と、前記一方の駆動輪に連動して駆動される第1油圧ポンプと、前記他方の駆動輪に連動して駆動される第2油圧ポンプとを備え、第1および第2油圧ポンプの回転数差に応じて前記油圧クラッチの係合力を制御可能な四輪駆動車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、通常の走行時には前後一方の駆動輪だけによる二輪駆動状態とし、前後輪の回転数に差が生じたときには前後一方の駆動輪ならびに前後他方の駆動輪をともに駆動するようにして走行安定性を向上させるものは知られているが、前後輪の回転数差を常に小さくしてしまうと、低速旋回時にタイトブレーキ現象が生じて運転フィーリングの悪化を招くことになり、また前後輪間で駆動力を伝達する部分の強度を増大させる必要があるので車両重量が増大してしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで特開平3−224830号公報で開示されるものでは、前輪を常時駆動するようにし、前後輪の回転数の差が小さい場合には後輪へのトルク伝達を小さくし、前記回転数の差が大きくなるのに応じて後輪へのトルク伝達を大きくすることにより、上記問題を解決するようにしている。
【0004】
ところで、摩擦係数が低い雪道等の路面では、前後輪の回転数の差が小さくても後輪へのトルク伝達量を大きくしたいが、上記公報で開示されたものでは、前後輪の回転数の差が小さいときには後輪へのトルク伝達量は小さいままであり、上記要望には応えられない。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、前後一方の駆動輪を常時駆動するとともに前後他方の駆動輪の駆動力を制御可能とした四輪駆動車両において、前後他方の駆動輪へのトルク伝達を車両の運転状態に応じて制御可能とした四輪駆動車両における駆動力制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、原動機で直接的に駆動される前後一方の駆動輪と、油圧クラッチを介して駆動される前後他方の駆動輪と、前記一方の駆動輪に連動して駆動される第1油圧ポンプと、前記他方の駆動輪に連動して駆動される第2油圧ポンプとを備え、第1および第2油圧ポンプの回転数差による両油圧ポンプの吐出・吸入量差が大きくなるのに応じて係合力を大とするようにして前記吐出・吸入量差に基づいて前記油圧クラッチの係合力を制御可能な四輪駆動車両において、前記油圧クラッチによるトルク伝達の応答性を異ならせた複数の係合特性を車両の運転状態に応じて選択して前記油圧クラッチの係合力を制御する係合力制御手段と、前記係合力制御手段の作動を制御する制御ユニットとを含み、前記制御ユニットは、前後一方の駆動輪のスリップを検出するスリップ検出手段と、車両の発進状態を検出する発進状態検出手段と、該発進状態検出手段による発進状態の検出回数をカウントするカウンタと、前記スリップ検出手段によるスリップ検出後に前記カウンタによるカウント回数が予め設定される設定回数に達するまでは前記油圧クラッチによるトルク伝達の応答性をより高めた係合特性を選択する係合特性選択手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、車両の運転状態に応じた係合特性を選択するようにして係合力制御手段が油圧クラッチの係合力を制御するので、油圧クラッチによるトルク伝達の応答性を車両の運転状態に応じて制御することができる。
【0008】
また、前後一方の駆動輪のスリップをスリップ検出手段で検出したときには、発進状態検出手段で検出される発進状態の回数が設定回数に達するまでは、油圧クラッチによるトルク伝達の応答性が高められる。すなわち、雪道等の摩擦係数が低い路面で前後一方の駆動輪のスリップが生じたときには、しばらくは摩擦係数の低い路面での走行が続くものとして発進回数が設定回数に達するまではトルク伝達の応答性を高めて、車両の走破性を向上することができる。また前後一方の駆動輪のスリップが再度生じたときには、そのスリップ再発生時からの発進回数が設定回数に達するまでトルク伝達の応答性を高めるようにして、摩擦係数が低い路面での走行が継続するのに対処することができる。さらに摩擦係数が低い路面から離脱したときには、設定回数の発進を繰返しても前記スリップが生じなければ、通常の舗装路等に合致させるべくトルク伝達の応答性が低い係合特性へと油圧クラッチの係合力が制御されることになる。
【0009】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記第1および第2油圧ポンプの吐出・吸入量差に応じて生じる作動油を導く作動油供給路が、前記油圧クラッチの作動油圧室に接続され、前記係合力制御手段は、前記作動油圧室の作動油を排出するドレン油路に介設されるオリフィスと、該オリフィスおよび前記作動油圧室間に設けられる開閉弁とを含むことを特徴とする。
【0010】
このような請求項2記載の発明の構成によれば、開閉弁を開弁したときには第1および第2油圧ポンプの回転数差に対する油圧クラッチの係合力はオリフィスによる排出油量の絞りによって定まるのでトルク伝達の応答性が低いのに対し、開閉弁を閉弁したときには作動油圧室からの作動油の排出が阻止されるので第1および第2油圧ポンプの回転数差に対する油圧クラッチの係合力がより大きくなってトルク伝達の応答性が高くなり、係合力制御手段の構成を簡略化することができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記係合力制御手段は、前記開閉弁を迂回して前記オリフィスおよび前記作動油圧室間を結ぶバイパス路と、前記作動油圧室側の油圧が所定圧以上となるのに応じて開弁するようにして前記バイパス路に設けられるリリーフ弁とを含むことを特徴とし、かかる構成によれば、開閉弁の閉弁によって油圧クラッチによるトルク伝達の応答性を高くした状態での作動油圧室の油圧の上限値すなわち油圧クラッチによる伝達トルクの上限値が、リリーフ弁の開弁圧で定まることになり、応答性を高くした状態での油圧クラッチによる過大なトルク伝達を簡単な構成で回避することができる。
【0012】
さらに請求項4記載の発明は、原動機で直接的に駆動される前後一方の駆動輪と、油圧クラッチを介して駆動される前後他方の駆動輪と、前記一方の駆動輪に連動して駆動される第1油圧ポンプと、前記他方の駆動輪に連動して駆動される第2油圧ポンプとを備え、第1および第2油圧ポンプの回転数差による両油圧ポンプの吐出・吸入量差が大きくなるのに応じて係合力を大とするようにして前記吐出・吸入量差に基づいて前記油圧クラッチの係合力を制御可能な四輪駆動車両において、前記油圧クラッチによるトルク伝達の応答性を異ならせた複数の係合特性を車両の運転状態に応じて選択して前記油圧クラッチの係合力を制御する係合力制御手段と、前記係合力制御手段の作動を制御する制御ユニットとを含み、前記制御ユニットは、前後一方の駆動輪のスリップを検出するスリップ検出手段と、車両の発進状態を検出する発進状態検出手段と、該発進状態検出手段による発進状態の検出回数をカウントするカウンタとを備えていて、前記スリップ検出手段によるスリッ プ検出後に前記カウンタによるカウント回数が予め設定される設定回数に達するまでの間で、車体速度が所定値以下であり且つスロットル開度が所定値を超え且つまたアンチロックブレーキが非作動状態にあるときに、前記油圧クラッチによるトルク伝達の応答性をより高めた係合特性を選択するように前記係合力制御手段の作動を制御することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0014】
図1〜図7は本発明の一実施例を示すものであり、図1は四輪駆動車両の動力伝達系を示す図、図2は油圧クラッチに関連する油圧回路図、図3はオリフィスの構造を示す断面図、図4は制御ユニットの構成を示すブロック図、図5は油圧クラッチの係合特性選択手順を示すフローチャート、図6は開閉弁の制御手順を示すフローチャート、図7は油圧クラッチの係合特性図である。
【0015】
先ず図1において、車両の前部に搭載された原動機としてのエンジンEの出力は変速機1を介して前部差動装置2に入力され、該前部差動装置2の出力はドライブシャフト3,3を介して駆動輪である左右の前輪WF,WFに伝達される。また前部差動装置2に入力されたエンジンEの出力は、油圧クラッチCの入力軸5に傘歯車装置4を介して伝達され、油圧クラッチCの出力軸6から出力される動力は、駆動輪である左右の後輪WR,WRに傘歯車装置7、後部差動装置8およびドライブシャフト9,9を介して伝達される。
【0016】
すなわち前後一方の駆動輪である左右の前輪WF,WFがエンジンEで直接的に駆動されるのに対し、前後他方の駆動輪である左右の後輪WR,WRは油圧クラッチCを介して駆動される。
【0017】
油圧クラッチCの係合力は、トロコイドポンプである第1油圧ポンプPFおよび第2油圧ポンプPRの回転数差による両油圧ポンプPF,PRの吐出・吸入量差が大きくなるのに応じて大となるものであり、第1油圧ポンプPFは、前輪WF,WFに連動する入力軸5で駆動され、第2油圧ポンプPRは、後輪WR,WRに連動する出力軸6で駆動される。
【0018】
図2において、トロコイドポンプである第1および第2油圧ポンプPF,PRの吐出方向は車両の前進時と後進時とでは逆転するものであり、図2における両油圧ポンプPF,PRの矢印は、車両の前進時の吐出方向を示す。
【0019】
第1油圧ポンプPFは、車両の前進時に吐出ポートとなるが後進時には吸入ポートとなる第1ポート10と、車両の前進時に吸入ポートとなるが後進時には吐出ポートとなる第2ポート11とを備え、第2油圧ポンプPRは、車両の前進時に吸入ポートとなるが後進時には吐出ポートとなる第3ポート12と、車両の前進時に吐出ポートとなるが後進時には吸入ポートとなる第4ポート13とを備える。しかも両油圧ポンプPF,PRの1回転当たりの吐出量は、第2油圧ポンプPRの方が第1油圧ポンプPFよりも、僅かに(たとえば2.5%)大きくなるように設定される。
【0020】
第1油圧ポンプPFの第1ポート10と、第2油圧ポンプPRの第3ポート12とは第1油路14を介して接続され、第1油圧ポンプPFの第2ポート11と、第2油圧ポンプPRの第4ポート13とは第2油路15を介して接続される。また第1油路14には第3油路16が接続され、第2油路15には第4油路17が接続される。
【0021】
油圧クラッチCは、入力軸5に固着されたクラッチアウタ20と、入力軸5の後端に同軸かつ相対回転可能に前端が嵌合される出力軸6に固着されたクラッチインナ21と、クラッチアウタ20の内周にスプライン結合される複数枚のクラッチ板22…と、クラッチインナ21の外周にスプライン結合される複数枚のクラッチ板23…とを備え、クラッチ板22…,23…は相互に当接可能として重ね合わされる。
【0022】
前記クラッチ板22…,23…は、相互に当接して摩擦係合する方向にプレッシャプレート24で押圧されるものであり、このプレッシャプレート24の背面にはローラベアリング25を介してクラッチピストン26が配置され、固定のケーシング27に設けられたクラッチシリンダ28に前記クラッチピストン26が摺動可能に嵌合され、ケーシング27およびクラッチピストン26間には作動油圧室29が形成される。
【0023】
而して該油圧クラッチCの係合力、すなわちエンジンEから両後輪WR,WRへのトルク伝達量は、前記作動油圧室29の油圧によって定まることになる。
【0024】
作動油圧室29にはチョーク型絞り30を介して作動油供給路31が接続されており、該作動油供給路31には、作動油供給路31側への作動油の流通のみを許容する第1一方向弁32を介して第3油路16が接続されるとともに、作動油供給路31側への作動油の流通のみを許容する第2一方向弁33を介して第4油路17が接続される。またオイルタンク36に通じる第5油路35および第3油路16は、第5油路35から第3油路16への作動油の流れのみを許容する第3一方向弁34を介して接続される。
【0025】
前記作動油圧室29の作動油はドレン油路37に排出されるのであるが、このドレン油路37は、出力軸6に同軸に設けられた潤滑油路38に連通される。該潤滑油路38は、出力軸6の側壁に設けられた複数の油孔39…を介して油圧クラッチC内に連通しており、ドレン油路37に排出された作動油で油圧クラッチC内が潤滑される。
【0026】
作動油供給油路31およびドレン油路37は、第1リリーフ弁40を介して接続されており、この第1リリーフ弁40には、油温の上昇に応じて第1リリーフ弁40を開弁せしめるサーモスイッチ41が付設される。
【0027】
第2油路15には、スプール弁44、第4一方向弁45および第5一方向弁46が介設される。スプール弁44は、第1入力ポート47、第1出力ポート48、第2入力ポート49、第2出力ポート50および逃しポート51を有する弁ハウジング52と、前記第2入力ポート49の油圧を軸方向一端側に作用せしめるとともに前記第1入力ポート47の油圧を軸方向他端側に作用せしめるようにして弁ハウジング52に摺動可能に嵌合されるスプール53と、該スプール53を軸方向一方側に付勢するばね力を発揮して弁ハウジング52およびスプール53間に設けられるばね54とを備える。
【0028】
第1入力ポート47は第1油圧ポンプPFの第2ポート11に連通されており、第1出力ポート48は第4一方向弁45を介して第2油圧ポンプPRの第4ポート13に接続され、第2入力ポート49は第2油圧ポンプPRの第4ポート13に連通され、第2出力ポート50は第5一方向弁46を介して第1油圧ポンプPFの第2ポート11に接続され、逃しポート51は、第2入力ポート49および第2出力ポート50の連通時に第2入力ポート49に連通するようにして弁ハウジング52に設けられるとともにドレン油路37に連通される。
【0029】
第4一方向弁45は、第1出力ポート48から第4ポート13側への作動油の流れのみを許容するものであり、また第5一方向弁46は、第2出力ポート50から第2ポート11側への作動油の流れのみを許容するものである。
【0030】
また第2出力ポート50および第5一方向弁46間は第6油路55を介してオイルタンク36および第5油路35に連通され、第4油路17は、第1油圧ポンプPFの第2ポート11ならびにスプール弁44の第1入力ポート47間で、第2油路15に連通される。
【0031】
上記スプール弁44では、車両の後進時すなわち第1油圧ポンプPFの第2ポート11が作動油を吐出しているときには、スプール53が図示のように右位置となり、第1入力ポート47が第1出力ポート48に連通されるとともに第2出力ポート50および逃しポート51が第2入力ポート49から遮断され、車両の前進時すなわち第2油圧ポンプPRの第4ポート13が作動油を吐出しているときには、スプール53が左位置となり、第2出力ポート50および逃しポート51が第2入力ポート49に連通されるとともに第1出力ポート48が第1入力ポート47から遮断される。
【0032】
前記油圧クラッチCの係合力は係合力制御手段57で制御されるものであり、該係合力制御手段57は、油圧クラッチCにおける作動油圧室29の作動油を排出するドレン油路37に介設されるオリフィス58と、該オリフィス58および前記作動油圧室29間に設けられる常開型電磁弁である開閉弁59と、該開閉弁59を迂回して前記オリフィス58および前記作動油圧室29間を結ぶバイパス路60と、作動油圧室29側の油圧が所定圧以上となるのに応じて開弁するようにしてバイパス路60に設けられる第2リリーフ弁61と、前記作動油圧室29およびドレン油路37間に設けられる常閉型電磁弁62とを備える。
【0033】
図3において、オリフィス58は、上流側(作動油圧室29側)の第1オリフィス581 と、下流側(ドレン油路37側)の第2オリフィス582 とから成るものである。第1および第2オリフィス581 ,582 間の上流側油路631 は、該上流側油路631 との間に第2オリフィス582 を挟む下流側油路632 よりも段差をなしてわずかに低くなるように形成されており、第2オリフィス582 は、上流側油路631 内の上部に形成されるエア溜まり64と、下流側油路632 の上壁近傍との間にわたって設けられる。
【0034】
このようなオリフィス58によれば、油圧クラッチC内からドレン油路37を逆流してきたエアが、第2オリフィス582 を通過したとしても、エア溜まり64で捕捉されることになり、作動油圧室29へのエアの逆流が阻止される。
【0035】
開閉弁59は、作動油圧室29からの作動油を前記オリフィス58で排出量を制限しつつ排出することによって油圧クラッチCのトルク伝達の応答性を低くする開弁状態と、作動油圧室29からの作動油の排出を阻止することにより油圧クラッチCのトルク伝達の応答性を高くする閉弁状態とを切換えるものである。また常閉型電磁弁62は、その開弁時に作動油圧室29からの作動油を制限することなく排出するようにして油圧クラッチCを係合させずに左右前輪WF,WFだけによる二輪駆動状態とするためのものである。
【0036】
図4において、係合力制御手段57における開閉弁59の開閉作動ならびに常閉型電磁弁62の開閉作動は、制御ユニット65により制御されるものであり、開閉弁59および常閉型電磁弁62を開閉作動するために、前輪速度検出手段66で検出される前輪速度FV、後輪速度検出手段67で検出される後輪速度RV、スロットル開度検出手段68で検出されるスロットル開度θTH、ABS検出手段69で検出されるアンチロックブレーキ作動の有無、ならびに切換スイッチ70からの切換信号が、制御ユニット65に入力される。
【0037】
制御ユニット65は、スリップ検出手段71と、車体速度検出手段72と、発進状態検出手段73と、カウンタ74と、比較器75と、係合特性選択手段76と、ANDゲート77と、比較器78と、NOT回路79と、比較器80と、NOT回路82と、駆動手段83,84とを備える。
【0038】
スリップ検出手段71は、前輪速度検出手段66で検出される前輪速度FV、ならびに後輪速度検出手段67で検出される後輪速度RVに基づいて、前輪WFのスリップを検出するものであり、前輪速度FVおよび後輪速度RVの差が所定値以上であるときに、前輪WFでスリップが生じたと判断する。しかも車両旋回時の前輪WFおよび後輪WRの内輪差によって生じる速度差よりも大きい値(たとえば3km/h)に前記所定値が設定されており、それにより、摩擦係数が高い路面での車両旋回時に前輪WFでスリップが生じていると誤って判断することが回避される。
【0039】
車体速度検出手段72は、後輪速度検出手段67で検出される後輪速度RVに基づいて車体速度を検出するものである。
【0040】
発進状態検出手段73は、車体速度検出手段72で検出された車体速度に基づいて車両の発進状態を検出するものであり、たとえば車体速度が5km/h以下の状態から20km/h以上に変化したことをもって車両が発進したと判断し、ハイレベルの信号を出力する。
【0041】
カウンタ74は、発進状態検出手段73による発進状態の検出回数をカウントするものであり、スリップ検出手段71により前輪WFのスリップが検出されるのに応じて、カウンタ74のカウント回数はリセットされる。
【0042】
比較器75は、カウンタ74によるカウント回数Nが、基準端子85で設定される設定回数N0 を超えるのに応じてハイレベルの信号を出力するものであり、前記設定回数N0 は、たとえば5回に設定される。
【0043】
係合特性選択手段76は、スリップ検出手段71および比較器75の出力に基づいて、油圧クラッチCの係合特性を選択するものである。この係合特性選択手段76には、油圧クラッチCによるトルク伝達の応答性を異ならせた複数の係合特性、この実施例では第1および第2の係合特性が予め設定されており、第1の係合特性は、作動油圧室29の油圧をより高めて第1および第2油圧ポンプPF,PRの回転数差に対する係合力をより大きくすることにより油圧クラッチCによるトルク伝達の応答性を高くするものであり、また第2の係合特性は、作動油圧室29の油圧をより低くして第1および第2油圧ポンプPF,PRの回転数差に対する係合力をより小さくすることにより油圧クラッチCによるトルク伝達の応答性を低くするものである。而して係合特性選択手段76は、第1の係合特性を選択するか否かを示すフラグFを「1」として第1の係合特性を選択したときにはハイレベルの信号を出力し、前記フラグFを「0」として第2の係合特性を選択したときにはローレベルの信号を出力する。
【0044】
係合特性選択手段76およびカウンタ74での処理は、図5で示す手順で実行されるものであり、スリップ検出手段71がスリップ状態を検出していることをステップS1で確認したときには、ステップS2においてフラグFを「1」に定める。但しフラグFは初期状態でも「1」に定められている。
【0045】
次のステップS3ではカウンタ74のカウント数をリセットして「0」に定め、ステップS4に進む。一方、ステップS1において、スリップ検出手段71がスリップ状態を検出していないと判断したときには、ステップS1からステップS2,S3を迂回してステップS4に進む。
【0046】
ステップS4では、フラグFが「1」であるか否かを確認し、F=1であったときには、カウンタ74でのカウント数NをステップS5で「1」だけ増やし、次のステップS6では、カウント数Nが設定回数N0 を超えるか否かを確認する。而してN>N0 であることを確認したときには、ステップS6からステップS7に進んでフラグFを「0」に定める。
【0047】
上記図5で示した処理手順によると、係合特性選択手段76は、初期状態ではフラグFを「1」としてハイレベルの信号を出力しており、比較器75からのハイレベルの信号の入力に応じて、すなわち車両の発進状態のカウント回数Nが設定回数N0 を超えるのに応じて第2の係合特性(F=0)を選択するようにして出力をローレベルとし、またスリップ検出手段71がスリップを検出するのに応じて第1の係合特性(F=1)を選択するようにして出力をハイレベルとすることになる。
【0048】
尚、上記処理手順では、最初にスリップが検出されるまでは、車両の発進状態のカウント回数Nが設定回数N0 に達するまでは第1の係合特性(F=1)が選択されるが、これは、走行路面の状態を判断し得ない状態での前記設定回数N0までの発進は、油圧クラッチCによるトルク伝達の応答性を高くした第1の係合特性を選択するようにしたためである。
【0049】
この係合特性選択手段76の出力は、ANDゲート77に入力されており、該ANDゲート77には、NOT回路79,82および比較器80の出力信号も入力される。
【0050】
NOT回路79は、比較器78の出力を反転するものであり、該比較器78は、車体速度検出手段72で検出される車体速度が、基準端子86で設定される車体速度しきい値たとえば20km/hを超えたときにハイレベルの信号を出力する。したがってNOT回路79は、車体速度が車体速度しきい値(たとえば20km/h)以下のときにハイレベルを信号をANDゲート77に入力することになる。
【0051】
比較器80は、スロットル開度検出手段68で検出されるスロットル開度θTHが、基準端子87で設定されるスロットル開度しきい値たとえば1/6開度を超えたとき、すなわちスロットルペダルが踏まれているときにハイレベルの信号をANDゲート77に入力することになる。
【0052】
NOT回路82は、ABS検出手段69の出力信号を反転するものであり、ABS検出手段69はアンチロックブレーキ作動状態でハイレベルの信号を出力するので、NOT回路82は、非アンチロックブレーキ作動状態でハイレベルの信号をANDゲート77に入力することになる。
【0053】
このANDゲート77の出力は、開閉弁59を駆動する駆動手段83に入力されており、ANDゲート77の出力がハイレベルであるときに、駆動手段83は開閉弁59を閉弁する。
【0054】
上記ANDゲート77および駆動手段83での処理は、図6で示す手順に従って実行されるものであり、ABS検出手段69がアンチロックブレーキ作動状態を検出していることをステップS11で確認したときには、ステップS12で開閉弁59を開弁し、ABS検出手段69がアンチロックブレーキ作動状態を検出していなかったときにはステップS13に進む。
【0055】
ステップS13では、スロットル開度検出手段68で検出されるスロットル開度θTHがスロットル開度しきい値以下であるか否かを判断し、スロットル開度θTH≦スロットル開度しきい値であったときには、ステップS13からステップS12に進み、スロットル開度θTH>スロットル開度しきい値であったときには、ステップS13からステップS14に進む。
【0056】
ステップS14では、車体速度検出手段72で検出される車体速度が車体速度しきい値を超えるか否かを判断し、車体速度>車体速度しきい値であるときにはステップS14からステップS12に進み、車体速度≦車体速度しきい値であるときにはステップS14からステップS15に進む。
【0057】
ステップS15では、フラグFが「1」であるか否かを判断し、F=0であるときにはステップS15からステップS12に進み、F=1であるときには、ステップS15からステップS16に進んで開閉弁59を閉弁する。
【0058】
すなわち制御ユニット65は、(1)係合特性選択手段76が第1の係合特性(F=1)を選択しており、(2)車体速度が車体速度しきい値(たとえば20km/h)以下であり、(3)スロットル開度θTHがスロットル開度しきい値(たとえば1/6開度)を超えており、しかも(4)非アンチロックブレーキ作動状態にあるときに開閉弁59を閉弁し、上記(1)〜(4)のいずれかが成立しないときには開閉弁59を開弁することになる。
【0059】
また駆動手段84は、二輪駆動状態を選択したときの切換スイッチ70からの切換信号に応じて、常閉型電磁弁62を開弁する。
【0060】
次にこの実施例の作用について説明すると、車両の前進発進時には、エンジンEの駆動力が変速機1、前部差動装置2およびドライブシャフト3,3を介して左右の前輪WF,WFに伝達され、両前輪WF,WFがエンジンEで直接的に駆動される。また前記エンジンEの駆動力は、前記前部差動装置2から傘歯車装置4および入力軸5を介して第1油圧ポンプPFに伝達され、第1油圧ポンプPFが左右の前輪WF,WFに連動して駆動される。この際、前輪WF,WFがスリップしていない状態では、左右の後輪WR,WRも前進方向に回転するので第2油圧ポンプPRは両後輪WR,WRに連動して駆動される。
【0061】
第1油圧ポンプPFの作動に応じて、オイルタンク36から第5一方向弁46を介して第1油圧ポンプPFの第2ポート11に吸入された作動油は、第1ポート10から第1油路14に吐出される。また第2油圧ポンプPRの作動に応じて、第2油圧ポンプPRの第3ポート12には、第1油圧ポンプPFの吐出油が吸入され、第2油圧ポンプPRの吐出圧に応じて、スプール弁44は第2入力ポート49および第2出力ポート50間を連通する状態となり、第2油圧ポンプPRの吐出油が第5一方向弁46を介して第1油圧ポンプPFに吸入される。
【0062】
而して前輪WF,WFのスリップがない状態での発進後に前輪WF,WFでスリップが生じたとき、ならびに車両発進時に前輪WF,WFでスリップが生じたときに、第1油圧ポンプPFの吐出量が第2油圧ポンプPRの吸入量を上回ると、第1および第2油圧ポンプPF,PRの回転数差による両油圧ポンプPF,PRの吐出・吸入量差に応じた作動油が、第3油路16、作動油供給路31およびチョーク型絞り30を介して油圧クラッチCの作動油圧室29に供給される。
【0063】
この際、常閉型電磁弁62が閉弁するとともに開閉弁59が開弁している状態では作動油圧室29からの作動油の排出がオリフィス58で絞られており、また常閉型電磁弁62が閉弁するとともに開閉弁59が閉弁している状態では作動油圧室29からの作動油の排出が開閉弁59の閉弁で阻止されており、作動油圧室29の油圧増大に応じて油圧クラッチCが係合すると、出力軸6、傘歯車装置7、後部差動装置8およびドライブシャフト9,9を介して左右の後輪WR,WRが駆動され、油圧クラッチCの係合に応じて第2油圧ポンプPRも出力軸6で駆動されるようになる。
【0064】
前記油圧クラッチCの係合力は、両油圧ポンプPF,PRの吐出・吸入量差が大きくなるのに応じて大となり、前輪WFおよび後輪WRの回転数差が実質的に「0」になる状態、たとえばアスファルト路面での直進走行状態になると、油圧クラッチCの作動油圧室29に作動油が供給されず、後輪WRへのトルク分配が断たれることになる。
【0065】
ところで、油圧クラッチCの係合力は、該油圧クラッチCによるトルク伝達の応答性を異ならせた複数(この実施例では2つ)の係合特性を車両の運転状態に応じて選択するようにして、係合力制御手段57で制御される。係合力制御手段57が、開閉弁59を開弁した第2の係合特性(F=0の状態)を選択したときには、図7の破線で示すように、第1および第2油圧ポンプPF,PRの回転数差が大となるのに応じて油圧クラッチCの係合力が緩やかに増大するように、すなわち油圧クラッチCによるトルク伝達の応答性が低くなるようにして、作動油圧室29からの作動油の排出量がオリフィス58で絞られる。この際の伝達トルクの最大値T2 は第1リリーフ弁40のリリーフ設定圧によって定まる。
【0066】
また係合力制御手段57が、開閉弁59を閉弁した第1の係合特性(F=1の状態)を選択したときには、作動油圧室29からの作動油の排出が開閉弁59で阻止されるので、図7の実線で示すように、第1および第2油圧ポンプPF,PRの回転数差変化に対する油圧クラッチCの係合力変化がより大きくなってトルク伝達の応答性が高くなる。
【0067】
このように、車両の運転状態に応じた係合特性を選択するようにして係合力制御手段57が油圧クラッチCの係合力を制御することにより、油圧クラッチCによるトルク伝達の応答性を車両の運転状態に応じて制御することができる。
【0068】
しかも油圧クラッチCによるトルク伝達の応答性を変化させるにあたって、係合力制御手段57が、ドレン油路37に介設されるオリフィス58と、該オリフィス58および作動油圧室29間に設けられる開閉弁58とを含むものであればよいので、係合力制御手段57の構成を簡略化することができる。
【0069】
また係合力制御手段57は、開閉弁59を迂回してオリフィス58および作動油圧室29間を結ぶバイパス路60と、作動油圧室29側の油圧が所定圧以上となるのに応じて開弁するようにしてバイパス路60に設けられる第2リリーフ弁61とを含むものであり、開閉弁59の閉弁によって油圧クラッチCによるトルク伝達の応答性を高くした状態での作動油圧室29の油圧の上限値すなわち油圧クラッチCによる伝達トルクの上限値T1 (図7参照)は、第2リリーフ弁61の開弁圧で定まることになり、応答性を高くした状態での油圧クラッチCによる過大なトルク伝達を簡単な構成で回避することができる。
【0070】
さらに係合力制御手段57における開閉弁59の開閉作動を制御する制御ユニット65は、前輪WFのスリップを検出するスリップ検出手段71と、車両の発進状態を検出する発進状態検出手段73と、該発進状態検出手段73による発進状態の検出回数をカウントするカウンタ74と、スリップ検出手段71によるスリップ検出後にカウンタ74によるカウント回数Nが設定回数NO に達するまでは第1および第2油圧ポンプPF,PRの回転数差に対する油圧クラッチCの係合力をより大きくした係合特性を選択する係合特性選択手段76とを備えている。
【0071】
したがって前輪WFのスリップをスリップ検出手段71で検出したときには、発進状態検出手段73で検出される発進状態の回数Nが設定回数NO に達するまでは、油圧クラッチCによるトルク伝達の応答性が高められる。すなわち、雪道等の摩擦係数が低い路面で前輪WFのスリップが生じたときには、しばらくは摩擦係数の低い路面での走行が続くものとして発進回数Nが設定回数NO に達するまではトルク伝達の応答性を高めて、車両の走破性を向上することができる。また前輪WFのスリップが再度生じたときには、そのスリップ再発生時からの発進回数Nが設定回数N0 に達するまでトルク伝達の応答性を高めるようにして、摩擦係数が低い路面での走行が継続するのに対処することができる。さらに摩擦係数が低い路面から離脱したときには、設定回数N0 の発進を繰返しても前記スリップが生じなければ、通常の舗装路等に合致させるべく応答性が低い係合特性へと油圧クラッチCの係合力が制御されることになる。
【0072】
車両の制動時には、前輪WF側が後輪WR側よりも高くなるように制動力配分を定めるのが一般的であるので、急制動時には前輪WFが後輪WRよりも先にロックする。また定速前進走行からのエンジンブレーキは前輪WFだけに作用するので、過渡的には前輪WFの回転速度が後輪WRの回転速度よりも低くなる。このような場合、第2油圧ポンプPRの吐出量が第1油圧ポンプPFの吸入量を上回り、第2油路15に過剰な作動油が吐出される。また前輪WFが完全にロックした場合には、第2油圧ポンプPRの吐出量全量が過剰となる。しかるに、過剰な作動油は、第6油路55、第5油路35および第3一方向弁34を介して第2油圧ポンプPRの第3ポート12に還流することになり、油圧クラッチCの作動油圧室29に両油圧ポンプPF,PRの吐出・吸入量差に基づく油圧が作用することはなく、したがって前輪WFおよび後輪WRの制動力配分に変化が生じることはない。
【0073】
車両の後進発進時や後進急加速時に前輪WFの回転速度が後輪WRの回転速度よりも大きくなると、第2油路15に両油圧ポンプPF,PRの吐出・吸入量差に基づく油圧が発生し、その油圧が作動油圧室29に作用して油圧クラッチCが係合する。而して後輪WRの回転速度増大によって後進定速走行状態になると、両油圧ポンプPF,PRの回転速度が同一となるが、第2油圧ポンプPRの1回転当たりの吐出量が第1油圧ポンプPFの1回転当たりの吐出量よりも大きく設定されているので、その差に応じた油圧が第1油路14に発生して作動油圧室29に作用することになる。したがって、後進時には定速走行状態でも前輪WF側から後輪WR側にトルクが分配される。
【0074】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0075】
たとえば発進回数の設定回数NO を、適宜変化させることも可能であり、前輪WFがスリップしたときの前輪駆動力に応じて設定回数NO を変化させるようにしてもよい。また上記実施例では、前輪WFをエンジンEで直接的に駆動し、油圧クラッチCを介して後輪WRを駆動するようにしたが、後輪WRをエンジンEで直接的に駆動し、油圧クラッチCを介して前輪WFを駆動するようにした四輪駆動車両にも本発明を適用することができる。
【0076】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、油圧クラッチによるトルク伝達の応答性を車両の運転状態に応じて制御することができる。
【0077】
また、雪道等の摩擦係数が低い路面で前後一方の駆動輪のスリップが生じたときには、しばらくは摩擦係数の低い路面での走行が続くものとして発進回数が設定回数に達するまではトルク伝達の応答性を高めて、車両の走破性を向上することができる。また前後一方 の駆動輪のスリップが再度生じたときには、そのスリップ再発生時からの発進回数が設定回数に達するまでトルク伝達の応答性を高めるようにして、摩擦係数が低い路面での走行が継続するのに対処することができる。さらに摩擦係数が低い路面から離脱したときには、設定回数の発進を繰返しても前記スリップが生じなければ、通常の舗装路等に合致させるべく応答性が低い係合特性へと油圧クラッチの係合力が制御されることになる。
【0078】
また請求項2記載の発明によれば、係合力制御手段の構成を簡略化することができる。
【0079】
請求項3記載の発明によれば、開閉弁の閉弁によって油圧クラッチによるトルク伝達の応答性を高くした状態での作動油圧室の油圧の上限値すなわち油圧クラッチによる伝達トルクの上限値をリリーフ弁の開弁圧で定めるようにして、応答性を高くした状態での油圧クラッチによる過大なトルク伝達を簡単な構成で回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 四輪駆動車両の動力伝達系を示す図である。
【図2】 油圧クラッチに関連する油圧回路図である。
【図3】 オリフィスの構造を示す断面図である。
【図4】 制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図5】 油圧クラッチの係合特性選択手順を示すフローチャートである。
【図6】 開閉弁の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】 油圧クラッチの係合特性図である。
【符号の説明】
PF・・・第1油圧ポンプ
PR・・・第2油圧ポンプ
29・・・作動油圧室
31・・・作動油供給路
37・・・ドレン油路
57・・・係合力制御手段
58・・・オリフィス
59・・・開閉弁
60・・・バイパス路
61・・・リリーフ弁
65・・・制御ユニット
71・・・スリップ検出手段
73・・・発進状態検出手段
74・・・カウンタ
76・・・係合特性選択手段
C・・・油圧クラッチ
E・・・原動機としてのエンジン
WF・・・前後一方の駆動輪である前輪
WR・・・前後他方の駆動輪としての後輪

Claims (4)

  1. 原動機(E)で直接的に駆動される前後一方の駆動輪(WF)と、油圧クラッチ(C)を介して駆動される前後他方の駆動輪(WR)と、前記一方の駆動輪(WF)に連動して駆動される第1油圧ポンプ(PF)と、前記他方の駆動輪(WR)に連動して駆動される第2油圧ポンプ(PR)とを備え、第1および第2油圧ポンプ(PF,PR)の回転数差による両油圧ポンプ(PF,PR)の吐出・吸入量差が大きくなるのに応じて係合力を大とするようにして前記吐出・吸入量差に基づいて前記油圧クラッチ(C)の係合力を制御可能な四輪駆動車両において、
    前記油圧クラッチ(C)によるトルク伝達の応答性を異ならせた複数の係合特性を車両の運転状態に応じて選択して前記油圧クラッチ(C)の係合力を制御する係合力制御手段(57)と、前記係合力制御手段(57)の作動を制御する制御ユニット(65)とを含み、
    前記制御ユニット(65)は、前後一方の駆動輪(WF)のスリップを検出するスリップ検出手段(71)と、車両の発進状態を検出する発進状態検出手段(73)と、該発進状態検出手段(73)による発進状態の検出回数をカウントするカウンタ(74)と、前記スリップ検出手段(71)によるスリップ検出後に前記カウンタ(74)によるカウント回数が予め設定される設定回数に達するまでは前記油圧クラッチ(C)によるトルク伝達の応答性をより高めた係合特性を選択する係合特性選択手段(76)とを備えることを特徴とする四輪駆動車両における駆動力制御装置。
  2. 前記第1および第2油圧ポンプ(PF,PR)の吐出・吸入量差に応じて生じる作動油を導く作動油供給路(31)が、前記油圧クラッチ(C)の作動油圧室(29)に接続され、前記係合力制御手段(57)は、前記作動油圧室(29)の作動油を排出するドレン油路(37)に介設されるオリフィス(58)と、該オリフィス(58)および前記作動油圧室(29)間に設けられる開閉弁(59)とを含むことを特徴とする請求項1記載の四輪駆動車両における駆動力制御装置。
  3. 前記係合力制御手段(57)は、前記開閉弁(59)を迂回して前記オリフィス(58)および前記作動油圧室(29)間を結ぶバイパス路(60)と、前記作動油圧室(29)側の油圧が所定圧以上となるのに応じて開弁するようにして前記バイパス路(60)に設けられるリリーフ弁(61)とを含むことを特徴とする請求項2記載の四輪駆動車両における駆動力制御装置。
  4. 原動機(E)で直接的に駆動される前後一方の駆動輪(WF)と、油圧クラッチ(C)を介して駆動される前後他方の駆動輪(WR)と、前記一方の駆動輪(WF)に連動して駆動される第1油圧ポンプ(PF)と、前記他方の駆動輪(WR)に連動して駆動される第2油圧ポンプ(PR)とを備え、第1および第2油圧ポンプ(PF,PR)の回転数差による両油圧ポンプ(PF,PR)の吐出・吸入量差が大きくなるのに応じて係合力を大とするようにして前記吐出・吸入量差に基づいて前記油圧クラッチ(C)の係合力を制御可能な四輪駆動車両において、
    前記油圧クラッチ(C)によるトルク伝達の応答性を異ならせた複数の係合特性を車両の運転状態に応じて選択して前記油圧クラッチ(C)の係合力を制御する係合力制御手段(57)と、前記係合力制御手段(57)の作動を制御する制御ユニット(65)とを含み、
    前記制御ユニット(65)は、前後一方の駆動輪(WF)のスリップを検出するスリップ検出手段(71)と、車両の発進状態を検出する発進状態検出手段(73)と、該発進状態検出手段(73)による発進状態の検出回数をカウントするカウンタ(74)とを備えていて、前記スリップ検出手段(71)によるスリップ検出後に前記カウンタ(74)によるカウント回数が予め設定される設定回数に達するまでの間で、車体速度が所定値以下であり且つスロットル開度が所定値を超え且つまたアンチロックブレーキが非作動状態にあるときに、前記油圧クラッチ(C)によるトルク伝達の応答性をより高めた係合特性 を選択するように前記係合力制御手段(57)の作動を制御することを特徴とする四輪駆動車両における駆動力制御装置。
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