JP2779748B2 - 4輪駆動車両の動力伝達装置 - Google Patents

4輪駆動車両の動力伝達装置

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JP2779748B2
JP2779748B2 JP2795793A JP2795793A JP2779748B2 JP 2779748 B2 JP2779748 B2 JP 2779748B2 JP 2795793 A JP2795793 A JP 2795793A JP 2795793 A JP2795793 A JP 2795793A JP 2779748 B2 JP2779748 B2 JP 2779748B2
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哲郎 浜田
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政行 疋田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前輪と後輪とを共通の
エンジンにて駆動し得るように構成された4輪駆動車両
の動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】4輪駆動車両の動力伝達装置の一形式と
して、前輪の車軸をエンジンに直接的に接続するととも
に、この前輪の車軸に油圧クラッチを介して後輪の車軸
を接続し、油圧ポンプが前記両車軸の相対回転に応じて
発生する吐出圧を油圧クラッチに作用させることにより
前輪と後輪との間の駆動連結を達成するものが知られて
いる。
【0003】かかる4輪駆動車両の動力伝達装置におい
て、車両の前進時と後進時とで変化する油圧ポンプの吐
出方向の逆転を簡単な構造を補償し得るものが、本出願
人によって既に提案されている(特願平3−16470
4号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
4輪駆動車両の動力伝達装置は、前進定速走行時のよう
な場合に、第1油圧ポンプと第2油圧ポンプとの間で油
が循環するのみで循環回路に油圧が全く発生しない状態
となり、前記油圧ポンプのロータのサイドクリアランス
から吸入されたエアが循環回路内に次第に蓄積されてし
まう。この状態から、例えば車両の加速によって前輪が
スリップしたような場合、前記循環回路内に蓄積された
エアによって油圧の立ち上がりに遅れが生じ、これが後
輪への駆動力の伝達に遅れを発生させる原因となる。
【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプ間の循環回路
にエアが蓄積される不具合を解消することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、原動機にて直接的に駆動される駆動輪
と、油圧クラッチを介して駆動される従駆動輪とを有す
る4輪駆動車両の動力伝達装置であって、駆動輪に連動
して駆動されるとともに、前進時には吐出ポートとなり
後進時には吸入ポートとなる第1ポートと、前進時には
吸入ポートとなり後進時には吐出ポートとなる第2ポー
トとを有する第1油圧ポンプと、従駆動輪に連動して駆
動されるとともに、前進時には吸入ポートとなり後進時
には吐出ポートとなる第3ポートと、前進時には吐出ポ
ートとなり後進時には吸入ポートとなる第4ポートとを
有する第2油圧ポンプと、第1ポートと第3ポートとを
接続する第1連結油路と、第2ポートと第4ポートとを
接続する第2連結油路と、第1連結油路と油圧クラッチ
の作動油圧室とを接続する第3連結油路と、第2連結油
路と油圧クラッチの作動油圧室とを接続する第4連結油
路と、第3連結油路に介設され、第1連結油路側から作
動油圧室側への油の流れのみを許容する第1一方向弁
と、第4連結油路に介設され、第2連結油路側から作動
油圧室側への油の流れのみを許容する第2一方向弁とを
備えてなる4輪駆動車両の動力伝達装置において、第2
連結油路の少なくとも一部を第1油路および第2油路か
らなる2つの並列な油路に分岐し、第1油路に該第1油
路の連通を遮断する遮断位置と連通を許容する連通位置
とに切換可能な遮断弁を設け、該遮断弁を付勢手段で遮
断位置に付勢するとともに第4ポート側からの吐出圧で
連通位置に押動されるように構成し、第2油路に第2ポ
ート側から第4ポート側への油の流れのみを許容する第
3一方向弁を設け、遮断弁よりも第2ポート側または第
3一方向弁よりも第2ポート側において第4連結油路を
第2連結油路に接続させたことを特徴とする。
【0007】
【実施例】以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明
する。
【0008】図1および図2は本発明の一実施例を示す
もので、図1は4輪駆動車両の動力伝達装置の概略図、
図2はその油圧回路図である。
【0009】図1に示すように、4輪駆動車両の前部に
搭載されたエンジンEの出力は変速機1を介して前輪側
の差動装置2に入力され、その差動装置2の出力はドラ
イブシャフト3を介して駆動輪である左右の前輪Wfに
伝達される。差動装置2に入力されたエンジンEの出力
は傘歯車装置4を介して後述の動力伝達装置に入力さ
れ、その動力伝達装置の出力は傘歯車装置5を介して後
輪側の差動装置6に伝達され、更に差動装置6の出力は
ドライブシャフト7を介して従駆動輪である左右の後輪
Wrに伝達される。
【0010】動力伝達装置は、前輪側の傘歯車装置4か
ら延びる入力軸8により駆動される第1油圧ポンプPf
と、後輪側の傘歯車装置5に接続する出力軸9により駆
動される第2油圧ポンプPrと、前記入力軸8と出力軸
9との間の駆動力の伝達・遮断を司る湿式多板型の油圧
クラッチCと、該油圧クラッチCを制御する後述の油圧
回路とから構成される。
【0011】次に、図2を参照して前記油圧回路の構成
を説明する。第1油圧ポンプPfはトロコイドポンプか
らなり、車両の前進時には吐出ポートとなり後進時には
吸入ポートとなる第1ポート10と、前進時には吸入ポ
ートとなり後進時には吐出ポートとなる第2ポート11
とを有している。第2油圧ポンプPrは同じくトロコイ
ドポンプからなり、車両の前進時には吸入ポートとなり
後進時には吐出ポートとなる第3ポート12と、前進時
には吐出ポートとなり後進時には吸入ポートとなる第4
ポート13とを有している。両油圧ポンプPf,Prの
1回転あたりの吐出量は、第2油圧ポンプPrの方が第
1油圧ポンプPfよりも僅かに(例えば2.5%)大き
くなるように設定される。そして、第1ポート10と第
3ポート12とが第1連結油路14を介して接続され、
第2ポート11と第4ポート13とが第2連結油路15
を介して接続される。尚、トロコイドポンプよりなる両
油圧ポンプPf,Prの吐出方向はその回転方向により
決定されるため、車両の前進時と後進時とでは前記吐出
方向が逆転する。図2における両油圧ポンプPf,Pr
の白矢印と黒矢印は、それぞれ前進時の吐出方向と後進
時の吐出方向を示している。
【0012】油圧クラッチCを係合させるピストンを収
納した作動油圧室16と前記第1連結油路14および第
2連結油路15とは、それぞれ第3連結油路17と第4
連結油路18を介して接続される。第3連結油路17に
は第1連結油路14から作動油圧室16への油の流れの
みを許容する第1一方向弁19が介設されるとともに、
第4連結油路18には第2連結油路15から作動油圧室
16への油の流れのみを許容する第2一方向弁20が介
設される。また、オイルタンク21と第1連結油路14
および第2連結油路15とを接続する第5連結油路36
には、オイルタンク21から第1連結油路14への油の
流れのみを許容する第4一方向弁22と、オイルタンク
21から第2連結油路15への油の流れのみを許容する
第5一方向弁23がそれぞれ設けられる。
【0013】前記油圧クラッチCの作動油圧室16の上
流位置には、絞り径に比べて絞り流路長が長いチョーク
型絞り24が介設される。また作動油圧室16の下流位
置には、絞り径に比べて絞り流路長が短いオリフィス型
絞り25と該オリフィス型絞り25を閉塞する手段とし
ての第1リリーフ弁26が設けられ、それらオリフィス
型絞り25と第1リリーフ弁26を通過した油は、更に
油圧クラッチCの冷却部27を通過して前記オイルタン
ク21に戻される。また、チョーク型絞り24の上流位
置とオリフィス型絞り25の下流位置との間には、作動
油圧室16に伝達される油圧の上限値を規制する第2リ
リーフ弁28が介設される。
【0014】前記第2連結油路15の中間部は互いに並
列な第1油路15aと第2油路15bとに別れており、
これら第1油路15aおよび第2油路15b間に、ハウ
ジング29の内部にスプリング30で右方向に付勢した
スプール31を収納してなるスプール弁32が介設され
る。スプール31が図示した右位置にあるとき、そのス
プール31によってポート333 とポート334 との連
通が遮断されるとともにポート331 とポート332
が連通し、スプール31がスプリング30に抗して左位
置に移動したとき、そのスプール31によってポート3
1 とポート332 との連通が遮断されるとともにポー
ト333 と334 とが連通する。前記ポート331 とポ
ート334 の間の第1油路15aには、ポート334
らポート331 への油の流れのみを許容する第6一方向
弁34が設けられるとともに、前記ポート332 とポー
ト333 の間の第2油路15bには、ポート332 から
ポート333 への油の流れのみを許容する第3一方向弁
35が設けられる。また、第1油路15aは、ポート3
4 と第6一方向弁34との間において、第6連結油路
37を介して第5連結油路36に接続される。
【0015】したがって、車両の前進時すなわち第2油
圧ポンプPrの第4ポート13が油を吐出している時に
は、スプール31はポート333 に加わる油圧でスプリ
ング30に抗して左位置に移動し、第2油圧ポンプPr
の第4ポート13と第1油圧ポンプPfの第2ポート1
1とが第6一方向弁34を介装した第1油路15aを介
して連通する。また、車両の後進時すなわち第1油圧ポ
ンプPfの第2ポート11が油を吐出している時には、
スプール31は図示の位置にあり、第1油圧ポンプPf
の第2ポート11と第2油圧ポンプPrの第4ポート1
3とが第3一方向弁35を介装した第2油路15bを介
して連通する。このとき、第5一方向弁23と第6一方
向弁34とによって第2連結油路15と第5連結油路3
6との連通が遮断される。
【0016】次に、前述の本発明の一実施例の作用を説
明する。
【0017】前進発進時には、エンジンEの駆動力が変
速機1、差動装置2、ドライブシャフト3を介して前輪
Wfに伝達されるとともに、その駆動力は差動装置2か
ら傘歯車装置4と入力軸8を介して第1油圧ポンプPf
に伝達され、この第1油圧ポンプPfを駆動する。この
とき油圧クラッチCは遮断された状態にあり、出力軸9
に接続した第2油圧ポンプPrは停止した状態にある。
したがって、オイルタンク21から第6一方向弁34を
介して第1油圧ポンプPfの第2ポート11に吸入され
た油は、第1ポート10から第1連結油路14へ吐出さ
れる。このとき、第5連結油路36の第4一方向弁22
が閉じているため、第1連結油路14に吐出された油の
全量が第3連結油路17に流入し、そこで第2一方向弁
20に阻止されて第1一方向弁19およびチョーク型オ
リフィス24を介して油圧クラッチCの作動油圧室16
に供給される。
【0018】上述のようにして油圧クラッチCが係合す
ると、出力軸9、傘歯車装置5、差動装置6、およびド
ライブシャフト7を介して後輪Wrが駆動され、前記出
力軸9に接続された第2油圧ポンプPrが回転する。そ
の結果、後輪Wrの回転速度の増大に応じて第1油圧ポ
ンプPfの吐出油が第1連結油路14を介して第2油圧
ポンプPrに吸入され、第2油圧ポンプPrの吐出油が
スプール弁32のポート333 ,334 、および第6一
方向弁34を介して第1油圧ポンプPfに吸入されるよ
うになる。そして第1油圧ポンプPfの吐出量と第2油
圧ポンプPrの吸入量との差に応じて油圧クラッチCの
作動油圧室16に作用する油圧、すなわち油圧クラッチ
Cの係合力が自動的に変化し、前後輪間の回転速度差が
実質的に0になる例えば前進定速走行状態に達すると、
油圧クラッチCの作動油圧室16に油圧が作用しなくな
って後輪Wrへのトルク分配が断たれる。尚、前記前進
定速走行状態において、前述のように第2油圧ポンプP
rの吐出量は第1油圧ポンプPfの吐出量を僅かに上回
っているが、第2油圧ポンプPrの余剰の吐出油はスプ
ール弁32のスプール31をスプリング30に抗して左
動させ、ポート33 3 ,334 、第6連結油路37、お
よび第5連結油路36の第4一方向弁22を介して第2
油圧ポンプPrの第3ポート12に還流する。
【0019】上述した前進定速走行状態において、第1
油圧ポンプPfおよび第2油圧ポンプPrの吐出油が第
1連結油路14および第2連結油路15を循環すると
き、第2油圧ポンプPrの吐出油がスプール弁32のス
プール31をスプリング30に抗して左動させることに
より、第4ポート13とポート333 との間の第2連結
油路15にスプリング30の付勢力に応じた油圧が発生
する。その結果、両油圧ポンプPf,Prのロータのサ
イドクリアランスから循環する油の中に吸入されるエア
は、この油圧により圧縮されて第2油圧ポンプPrの第
4ポート13寄りのサイドクリアランスから逐次排出さ
れるため、循環する油の中にエアが滞留することがな
い。これにより、その後に前輪Wfおよび後輪Wrに回
転数差が発生し、第1、第2両油圧ポンプPf,Prの
吐出量(吸入量)差が生じた時に、滞留するエアにより
油圧の立ち上がりが遅れ、結果として油圧クラッチCの
応答性に遅れが生じるという不都合が確実に防止され
る。
【0020】さて、第1、第2両油圧ポンプPf,Pr
の吐出量(吸入量)差が生じると、油圧クラッチCの作
動油圧室16には第1リリーフ弁26のセット荷重に対
応する油圧が直ちに作用する。前記第1リリーフ弁26
が開いた後は、第1、第2両油圧ポンプPf,Prの吐
出量差、オリフィス型絞り25およびチョーク型絞り2
4の圧力降下特性、あるいは油の粘度等により決定され
る油圧が油圧クラッチCの作動油圧室16に作用する。
そして、その油圧の上限値は第2リリーフ弁28のセッ
ト荷重により制限されるため、前記第2リリーフ弁28
のセット荷重を適宜設定することにより油圧クラッチC
の伝達トルクの上限値を調整することができる。
【0021】ところで、前記チョーク型絞り24を通過
する油量は油の粘度による影響を受け、低温状態で油の
粘度が増加するとチョーク型絞り24を流れる油量が減
少するため、油圧クラッチCの作動油圧室16とオリフ
ィス型絞り25を通過する油量も減少する。このとき、
オリフィス型絞り25の前後に発生する圧力降下量は該
オリフィス型絞り25を通過する油量の2乗に比例する
ため、通過する油量が減少するとオリフィス型絞り25
における圧力降下量が小さくなり、その分だけ上流のチ
ョーク型絞り24における圧力降下量が増加することに
なる。これにより、低温状態で作動油圧室16に作用す
る油圧、すなわち第2リリーフ弁28で設定された圧力
から前記チョーク型絞り24による圧力降下量を差し引
いた圧力が小さくなる。したがって、油の粘度上昇によ
り摩擦係数が増加しても、その分だけ油圧によるクラッ
チディスクの押し付け力が減少するため、全体として低
温時における油圧クラッチCの係合力の増大が防止され
る。一方、高温状態では油の粘度が低下して摩擦係数が
低下するが、この場合にはチョーク型絞り24による圧
力降下量が逆に減少して油圧クラッチCの作動油圧室1
6に作用する油圧が増加するため、その分だけクラッチ
ディスクの押し付け力が増加して油圧クラッチCの係合
力の低下が防止される。
【0022】上述のようにして油圧クラッチCの作動油
圧室16からオリフィス型絞り25と第1リリーフ弁2
6を介して排出された油、および作動油圧室16の上流
位置から第2リリーフ弁28を介して排出された油は、
油圧クラッチCの冷却部27を通過してオイルタンク2
1に還流する。
【0023】前進定速走行時に前輪Wfのみが摩擦係数
の低い路面を踏んだ場合、あるいは急加速せんとした時
には、前輪Wfが過渡的にスリップ状態になることがあ
る。このような状態においては、入力軸8に接続された
第1油圧ポンプPfの吐出量が出力軸9に接続された第
2油圧ポンプPrの吸入量を上回り、且つ第4一方向弁
22が閉じて第5連結油路36を介しての第1連結油路
14と第2連結油路15の連通が阻止されるため、前述
と同様に油圧クラッチCが係合して後輪Wrに対して駆
動トルクが分配される。
【0024】車輪に制動力が作用すると、前後輪の制動
力配分は一般に前輪Wf側が後輪Wr側より高く設定さ
れているので、急制動時等において前輪Wfが後輪Wr
よりも先にロックする。また、定速走行からのエンジン
ブレーキは前輪Wfのみ作用するので、この場合も過渡
的には前輪Wfの回転速度が後輪Wrよりも低くなる。
このような場合には、第2油圧ポンプPrの吐出量が第
1油圧ポンプPfの吸入量を上回り、第2連結油路15
に過剰なオイルが吐出される。更に、前輪Wfが完全に
ロックした場合には、第1油圧ポンプPfが停止して第
2油圧ポンプPrのみが回転するため、この第2油圧ポ
ンプPrの吐出油の全量が過剰となる。しかしながら、
この過剰な吐出油はスプール弁32のポート333 ,3
4 、第6連結油路37、および第5連結油路36の第
4一方向弁22を介して第2油圧ポンプPrの第3ポー
ト12に還流する。このようにして、後輪Wrの回転速
度が前輪Wfの回転速度を上回っても油圧クラッチCの
作動油圧室16に第1、第2両油圧ポンプPf,Prの
吐出量差に基づく油圧が作用しないため、該油圧クラッ
チCは遮断状態に保持されて前輪Wfから後輪Wrへの
制動力の伝達が阻止され、これにより前後輪の制動力配
分に変化が生じることない。
【0025】車両の後進時には、第1、第2両油圧ポン
プPf,Prの回転方向が共に逆になり、吐出ポートと
吸入ポートとの関係が上記とは逆の関係になる。
【0026】すなわち、後進発進時あるいは後進急加速
時等に前輪Wfの回転速度が後輪Wrの回転速度より大
きくなると、第1油圧ポンプPfの吐出量が第2油圧ポ
ンプPrの吸入量を上回るため、第2連結油路15に油
圧が発生する。このとき、スプール弁32のスプール3
1はスプリング29によって図示位置に保持されてお
り、第1油圧ポンプPfの第2ポート11からの吐出量
と第2油圧ポンプPrの第4ポート13からの吸入量の
差によって第2連結油路15に吐出された油は、前述の
ように第5一方向弁23と第6一方向弁34によって第
5連結油路36への流入が阻止されて第4連結油路18
に流入し、そこで第2一方向弁20を通過し且つ第1一
方向弁19により阻止されて油圧クラッチCの作動油圧
室16に供給され、後輪Wrに駆動トルクを分配すべく
油圧クラッチCが接続される。後輪Wrの回転速度が増
大して後進定速走行状態になると第1油圧ポンプPfと
第2油圧ポンプPrの回転速度は同一になるが、第2油
圧ポンプPrの1回転あたりの吐出量が第1油圧ポンプ
Pfの1回転あたりの吐出量よりも大きいため、その差
に相当する油が第1連結油路14に供給される。その結
果、後進時には定速走行状態においても、前輪Wf側か
ら後輪Wr側へトルクが分配されることになる。
【0027】この後進定速走行状態では、第1連結油路
14および第2連結油路15よりなる循環油路を循環す
る油に、スプール弁32のスプリング30による負荷は
作用しない。しかしながら、一般に後進定速走行状態が
長時間継続することはないため、両油圧ポンプPf,P
rのロータのサイドクリアランスからのエア吸入は実質
的に問題とならない。
【0028】また、後進制動時には第1油圧ポンプPf
の回転速度が第2油圧ポンプPrのそれを下回るため、
第2油圧ポンプPrの第3ポート12からの吐出量と第
1油圧ポンプPfの第1ポート10からの吸入量の差に
よって第1連結油路14に油圧が発生する。このとき、
第4一方向弁22が閉じるために第3連結油路17の第
1一方向弁19を介して油圧クラッチCが係合し、前輪
Wfの制動力が後輪Wrに伝達される。
【0029】以上説明した車両の後進時において、第1
油圧ポンプPfの第2ポート11は吐出ポートとなり第
2油圧ポンプPrの第4ポート13は吸入ポートとなる
ため、スプール弁32のスプール31は常に図示の右位
置に保持される。このとき、何らかの原因でスプール3
1が左位置にロックしたとしても、第1油圧ポンプPf
の第2ポート11からの吐出圧が第6一方向弁34に阻
止されてスプール弁32のポート331 に作用し、前記
ロックしたスプール31は正常位置である右位置に押し
戻される。このときスプール31のロックが解消されな
い場合であっても、第2連結油路15に発生した油圧は
第4連結油路18を介して第2リリーフ弁28から逃が
されるため、第1油圧ポンプPfに過剰な負荷が加わる
ことが無い。
【0030】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものでなく、種々の設計変
更を行うことが可能である。
【0031】例えば、実施例ではスプール弁32よりも
第2ポート11側の第1油路15aを第4連結油路18
に接続しているが、第3一方向弁35よりも第2ポート
11側の第2油路15b(例えば、図2のa点)を第4
連結油路18に接続しても良い。また、実施例では車両
の後進時に第1油圧ポンプPfの第2ポート11から油
が吐出された場合に、第5一方向弁23と第6一方向弁
34によって第2連結油路15と第5連結油路36の連
通を絶っているが、第2連結油路15と第5連結油路3
6間の連通を遮断しておき、車両の前進時に第2油圧ポ
ンプPrの第4ポート13から油が吐出されたときにの
み前記第2連結油路15と第5連結油路36を連通させ
ても良い。要するに、車両の後進時において第2連結油
路15と第5連結油路36との連通を絶てば、後進時に
前輪Wfがスリップした場合に第2連結油路15に油圧
を発生させて油圧クラッチCを係合させ、後輪Wrにト
ルクを分配することができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、車両の前
進時に第2油圧ポンプの第4ポートから第2連結油路に
吐出された油は、第3一方向弁に阻止されて遮断弁を付
勢手段に抗して開弁させ、第1油圧ポンプの第2ポート
に吸入される。車両が前進定速走行に移行すると、第1
連結油路および第2連結油路に両油圧ポンプの吐出油が
循環するが、その際、第4ポートと前記遮断弁との間の
第2連結油路に前記付勢手段の付勢力に応じた油圧が発
生するため、両油圧ポンプのロータのサイドクリアラン
スから循環する油の中に吸入されるエアは、この油圧に
より圧縮されて第2油圧ポンプの第4ポート寄りのサイ
ドクリアランスから逐次排出される。したがって、循環
する油の中にエアが滞留することがなくなり、その後に
駆動輪の回転数が従駆動輪の回転数を上回ったときに、
エアの圧縮による油圧の立ち上がりの遅れを来すことな
く、油圧クラッチを速やかに係合させることができる。
しかも、遮断弁よりも第2ポート側または第3一方向弁
よりも第2ポート側において第4連結油路を第2連結油
路に接続させたので、前進定速走行時に前記遮断弁によ
って生じる油圧で油圧クラッチが係合することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】4輪駆動車両の動力伝達装置の概略図
【図2】動力伝達装置の油圧回路図
【符号の説明】
10 第1ポート 11 第2ポート 12 第3ポート 13 第4ポート 14 第1連結油路 15 第2連結油路 15a 第1油路 15b 第2油路 16 作動油圧室 17 第3連結油路 18 第4連結油路 19 第1一方向弁 20 第2一方向弁 22 第4一方向弁 23 第5一方向弁 30 スプリング(付勢手段) 32 スプール弁(遮断弁) 35 第3一方向弁 C 油圧クラッチ E エンジン(原動機) Pf 第1油圧ポンプ Pr 第2油圧ポンプ Wf 前輪(駆動輪) Wr 後輪(従駆動輪)
フロントページの続き (72)発明者 矢古宇 孝行 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−8650(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 17/34 - 17/348 F16D 43/284

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機(E)にて直接的に駆動される駆
    動輪(Wf)と、油圧クラッチ(C)を介して駆動され
    る従駆動輪(Wr)とを有する4輪駆動車両の動力伝達
    装置であって、 駆動輪(Wf)に連動して駆動されるとともに、前進時
    には吐出ポートとなり後進時には吸入ポートとなる第1
    ポート(10)と、前進時には吸入ポートとなり後進時
    には吐出ポートとなる第2ポート(11)とを有する第
    1油圧ポンプ(Pf)と、 従駆動輪(Wr)に連動して駆動されるとともに、前進
    時には吸入ポートとなり後進時には吐出ポートとなる第
    3ポート(12)と、前進時には吐出ポートとなり後進
    時には吸入ポートとなる第4ポート(13)とを有する
    第2油圧ポンプ(Pr)と、 第1ポート(10)と第3ポート(12)とを接続する
    第1連結油路(14)と、 第2ポート(11)と第4ポート(13)とを接続する
    第2連結油路(15)と、 第1連結油路(14)と油圧クラッチ(C)の作動油圧
    室(16)とを接続する第3連結油路(17)と、 第2連結油路(15)と油圧クラッチ(C)の作動油圧
    室(16)とを接続する第4連結油路(18)と、 第3連結油路(17)に介設され、第1連結油路(1
    4)側から作動油圧室(16)側への油の流れのみを許
    容する第1一方向弁(19)と、 第4連結油路(18)に介設され、第2連結油路(1
    5)側から作動油圧室(16)側への油の流れのみを許
    容する第2一方向弁(20)と、を備えてなる4輪駆動
    車両の動力伝達装置において、 第2連結油路(15)の少なくとも一部を第1油路(1
    5a)および第2油路(15b)からなる2つの並列な
    油路に分岐し、第1油路(15a)に該第1油路(15
    a)の連通を遮断する遮断位置と連通を許容する連通位
    置とに切換可能な遮断弁(32)を設け、該遮断弁(3
    2)を付勢手段(30)で遮断位置に付勢するとともに
    第4ポート(13)側からの吐出圧で連通位置に押動さ
    れるように構成し、第2油路(15b)に第2ポート
    (11)側から第4ポート(13)側への油の流れのみ
    を許容する第3一方向弁(35)を設け、遮断弁(3
    2)よりも第2ポート(11)側または第3一方向弁
    (35)よりも第2ポート(11)側において第4連結
    油路(18)を第2連結油路(15)に接続させたこと
    を特徴とする、4輪駆動車両の動力伝達装置。
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