JP2748164B2 - 静電潜像現像用負帯電性トナー - Google Patents

静電潜像現像用負帯電性トナー

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JP2748164B2 JP1242335A JP24233589A JP2748164B2 JP 2748164 B2 JP2748164 B2 JP 2748164B2 JP 1242335 A JP1242335 A JP 1242335A JP 24233589 A JP24233589 A JP 24233589A JP 2748164 B2 JP2748164 B2 JP 2748164B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真、静電記録及び静電印刷等における
静電荷像を現像するための静電潜像現像用負帯電性トナ
ーに関する。
[従来の技術] 従来電子写真法としては米国特許第2,297,691号、特
公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報などに
種々の方法が記載されている。
これらの電子写真法等に適用される現像方法として
は、大別して乾式現像法と湿式現像法とがある。前者
は、さらに二成分系現像剤を用いる方法と一成分系現像
剤を用いる方法に分けられる。
これら乾式現像法に適用するトナーとしては、従来、
天然あるいは合成樹脂中に染料、顔料を分散させた微粉
体が使用されている。例えば、ポリスチレンなどの結着
樹脂中に着色剤を分散させたものを1〜30μm程度に微
粉砕した粒子がトナーとして用いられている。磁性トナ
ーとしては、マグネタイトなどの磁性体粒子を含有させ
たものが用いられている。また、二成分系現像剤を用い
る方式の場合には、トナーは通常、ガラスビーズ,鉄粉
などのキャリア粒子と混合されて用いられる。
いずれのトナーも、現像される静電潜像の極性に応じ
て、正または負の電荷を有する必要がある。
トナーに電荷を保有させるには、トナーの成分である
樹脂の摩擦帯電性を利用することもできるが、この方法
ではトナーの帯電性が小さいので、現像によって得られ
る画像はカブリ易く、不鮮明なものとなる。そこで、ト
ナーに、さらに摩擦帯電性を付与するために、電荷制御
剤と呼ばれる物質を添加するのが一般的である。
今日、当該技術分野で知られている電荷制御剤として
は、負摩擦帯電性のものとして、モノアゾ染料の金属錯
塩、サリチル酸の金属錯塩、ナフトエ酸の金属錯塩、ジ
カルボン酸の金属錯塩、銅フタロシアニン顔料などがあ
る。
[発明が解決しようとする課題] 上記の電荷制御剤の多くは、電荷付与能力としては充
分高いものが多いが、有色であり、カラートナーには使
用できない。また、ある種の制御剤は、スリーブあるい
はキャリア等のトナー担持体を汚染し易いため、それら
を用いたトナーは、複写枚数の増加に伴い摩擦帯電量が
低下し、画像濃度の低下を引き起し易い。また、ある種
の制御剤は、用いる結着樹脂により、摩擦帯電量が大き
く変動するので、使用し得る結着樹脂或いはその他の材
料に制限がある。また、摩擦帯電の付与性には優れてい
るものの、制御性に乏しく、過大になり易いものも多
い。
これら全てを満足する電荷制御剤の開発が強く要請さ
れているのが現状である。
本発明の目的は上記の問題を解決した電荷制御剤を使
用した。優れたトナーを提供する事である。
すなわち、トナー粒子間、またはトナーとキャリア
間、一成分現像の場合のトナーとスリーブの如きトナー
担持体との間等の摩擦帯電量が、温度,湿度の変化を受
けずに安定で環境条件の変化に影響されない安定した画
像を再現し得る静電潜像現像用負帯電性トナーを提供す
る事である。
さらに本発明の目的はトナーがバインダー樹脂中に一
様に分散または相溶し、トナー粒子が均一に帯電してか
ぶりのない鮮明な画像を与える静電潜像現像用負帯電性
トナーの提供にある。
[課題を解決するための手段及び作用] すなわち、本発明は、一般式(I) (式中、Xはハロゲン、アルコキシ基を示し、Yは水
素、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキル基、ハロゲン、
アルコキシ基を示し、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭
素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示し、環を
形成してもよい。nは2以上の重合度を示す整数。) で表わされるサリチル酸樹脂を含有することを特徴とす
る静電潜像現像用負帯電性トナーに関する。
特開昭63−33755号公報には、サリチル酸とサリチル
酸化合物の金属塩を含有する二成分トナーが開示されて
いる。
しかしながら、サリチル酸そのものでは、昇華性があ
り、負摩擦帯電付与性も充分ではないために、用途が非
常に限定される。一方、サリチル酸化合物の金属錯体に
は、優れた摩擦帯電付与性を有し、一般に広く使われて
いるものもある。しかし、金属錯体の摩擦帯電性は配位
子のみに依存せず、中心金属によって帯電量はおろか正
負の符号まで変化することが多い。従って、金属錯体の
結果からその配位子の摩擦帯電性を予測することは不可
能である。
本発明者らは、独自の考え方に基づいてサリチル酸誘
導体を検討した結果、サリチル酸に置換基を導入するこ
とで負摩擦帯電量を増加し得ることが分った。しかしな
がら、これらのサリチル酸誘導体もサリチル酸同様昇華
性を有し、高温でトナーを製造する場合に適さない。
そこで、サリチル酸化合物を式(I)に示すように多
量化したところ、昇華性を無くした上、トナーにした場
合の負摩擦帯電量が対応する単量体よりも高く、しかも
実質上無色と見做し得るほど淡色である事を見い出し
た。
さらに結着樹脂に対する分散性が従来の金属化合物に
比べ向上したため、トナー粒子間の摩擦帯電が均一とな
り逆帯電粒子の生成が抑制されて、カブリを生じなくな
った。また、スリーブ、キャリア等のトナー担持体汚染
を減少させることができた。
また、画像の環境に対する依存性も従来の金属化合物
に比べて少なくなり高温高湿条件下あるいは定温低湿条
件下においても十分な濃度の画像が得られる。
以上のように本発明のサリチル酸樹脂を含有させたト
ナーが、従来の電荷制御剤を含有せしめたトナーに比
べ、優れた性質を有していることを見い出し、本発明に
致った。
本発明のサリチル酸樹脂の合成に用いる単量体のひと
つとしては式(II)に示すサリチル酸化合物が挙げられ
る。
Yは水素、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキル基、ハ
ロゲン、アルコキシ基を示す。アルキル基としては、炭
素数24以下が合成上好ましい。炭素数24をこえると生成
物の重合度が低下するとともに、収率も低下する。
アルコキシ基としては合成上の容易さを考慮すると炭
素数6以下が好ましい。
一方、上記の式(II)で表わされるサリチル酸化合物
と作用し、本発明のサリチル酸樹脂を形成するのは次式
(III)で表わされるキシレン化合物である。
Xはハロゲン、アルコキシ基を示す。
ハロゲンとしては合成上の容易さを考慮すると塩素、
臭素、ヨウ素が好ましい。アルコキシ基としては合成上
の容易さを考慮すると炭素数6以下が好ましい。炭素数
が6を越えると合成中副生成物が生じやすく、得られる
樹脂の帯電性能に支障をきたす。R1,R2はそれぞれ独立
に水素、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を
示し環を形成しても良い。
以下に本発明に用いうるサリチル酸化合物及びキシレ
ン化合物の具体例を示すが、これは合成法の容易さ等も
考慮した代表例であり本発明の化合物を何ら限定するも
のではない。
サリチル酸化合物例 キシレン化合物例 本発明のサリチル酸樹脂は式(II)に示すサリチル酸
化合物及び式(III)に示すキシレン化合物より、公知
の方法を用いて合成することができる。
式(III)のキシレン化合物としてαα′ジハロゲノ
キシレンを用いる場合、サリチル酸と等モルのキシレン
にハロゲン化亜鉛等を作用させることにより、目的とす
るサリチル酸樹脂を得ることができる。
また式(III)のキシレン化合物としてαα′ジアル
コキシキシレンを用いる場合には、サリチル酸とキシレ
ン化合物に塩酸や硫酸等の酸または塩化亜鉛や塩化第二
鉄の様なフリーデルクラフト型触媒を作用させることに
より目的とするサリチル酸樹脂を得ることができる。
以下に本発明のサリチル酸樹脂の具体例を示すが、こ
れは合成法の容易さ等を考慮した代表例であり、本発明
の化合物を何ら限定するものではない。
化合物例 本発明のサリチル酸樹脂をトナーに含有させる方法と
しては、トナー内部に添加する方法と外添する方法とが
ある。これらの化合物の使用量は、結着樹脂の種類、必
要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めた
トナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限
定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100重量
部に対して0.1〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量
部の範囲で用いられる。また外添する場合は、樹脂100
重量部に対し0.01〜10重量部が好ましく、特に、メカノ
ケミカル的な方法などによりトナー粒子表面に固着させ
るのが好ましい。
また本発明で用いられる化合物は、従来公知の電荷制
御剤と組み合わせて使用することもできる。
本発明に使用される着色剤としては、カーボンブラッ
ク、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、ア
ニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニン
グリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、レーキ、
カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、
ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリールメ
タン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系染顔料等従来公知
の染顔料の単独あるいは混合して使用し得る。
本発明に使用される樹脂としては、例えば、ポリスチ
レン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン
などのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−
p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエ
ン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、ス
チレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタ
クリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル
共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、
スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−
ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ア
クリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共
重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フ
ェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル
樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹
脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビ
ニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹
脂、石油系樹脂などが使用できる。
また、架橋されたスチレン系共重合体も好ましい結着
樹脂である。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモ
ノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、アクリルアミドなどのような二重結合
を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、
マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マ
レイン酸ジメチルなどのような二重結合を有するジカル
ボン酸及びその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル類;例
えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのようなエチ
レン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニ
ルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン類;例えば
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
イソブチルエーテルなどのようなビニルエーテル類;等
のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能
な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニ
ルベンゼン、ジビニルナフタレンなどのような芳香族ジ
ビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタ
ンジオールジメタクリレートなどのような二重結合を2
個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビ
ニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン
などのジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有す
る化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。
また、加圧定着方式を用いる場合には、圧力定着トナ
ー用結着樹脂の使用が可能であり、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラ
ストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソブチレン共
重合体、線状飽和ポリエシテル、パラフィンなどがあ
る。
本発明のトナーは磁性材料を含有させ、磁性トナーと
しては使用し得る。本発明の磁性トナー中に含まれる磁
性材料としては、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライ
ト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニ
ッケルのような金属或いはこれらの金属とアルミニウ
ム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、ア
ンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシ
ウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナ
ジウムの様な金属との合金及びその混合物等が挙げられ
る。
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜1μm、好まし
くは0.1〜0.5μm程度のものが望ましく、磁性トナー中
に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し40〜1
50重量部、好ましくは樹脂成分100重量部に対し60〜120
重量部である。
さらに本発明のトナーは、二成分系現像剤として用い
る場合にはキャリヤー粉と混合して用いられる。本発明
に使用しうるキャリヤーとしては、公知のものが使用可
能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉の如
き磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面
を樹脂等で処理したものなどがあげられる。また、キャ
リア表面を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル
酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル
共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸
エステル共重合体、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、
ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサ
ルファイド樹脂など或いは、これらの混合物を用いるこ
とができる。
本発明のトナーは、必要に応じて添加剤を混合しても
よい。添加剤としては、例えばステアリン酸亜鉛の如き
滑剤、あるいは酸化セリウム、炭化ケイ素の如き研磨剤
あるいは例えばシリカ微粉体、酸化アルミニウムの如き
流動性付与剤、ケーキング防止剤、あるいは例えばカー
ボンブラック、酸化スズ等の導電性付与剤がある。
また、ポリビニリデンフルオライド微粉末などの弗素
含有重合体微粉末も流動性、研磨性、帯電安定性などの
点から好ましい添加剤である。
また、熱ロール定着時の離型性を良くする目的で低分
子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロ
クリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワ
ックス、パラフィンワックス等のワックス状物質を0.5
〜5重量%程度トナーに加えることも本発明の好ましい
形態の一つである。
本発明に係るトナーを製造するにあたっては、上述し
た様なトナー構成材料をボールミルその他の混合機によ
り充分混合した後、熱ロールニーダー、エクストルーダ
ーの熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化後、機械的
な粉砕、分級によってトナーを得る方法が好ましく、他
には、結着樹脂溶液中に構成材料を分散した後、噴霧乾
燥することによりトナーを得る方法;あるいは結着樹脂
を構成すべき単量体に所定の材料を混合して乳化懸濁液
とした後に、重合させてトナーを得る重合法トナー製造
法;あるいはコア材、シェル材から成るいわゆるマイク
ロカプセルトナーにおいて、コア材あるいはシェル材、
或いはこれらの両方に所定の材料を含有させる方法;等
の方法が応用できる。さらに必要に応じ所望の添加剤を
ヘンシェルミキサー等の混合機により充分に混合し、本
発明に係るトナーを製造する事ができる。
本発明のトナーは、従来公知の手段で、電子写真、静
電記録及び静電印刷等における静電荷像を顕像化する為
の現像には全て使用可能なものである。
本発明の置換基を有するサリチル酸樹脂は、無色ある
いは実用上問題のないくらい淡色で、十分な負摩擦帯電
性を有する。しかも、結着樹脂に対する分散性が従来公
知の金属化合物よりも向上した。また、サリチル酸ある
いはサリチル酸誘導体が有していた昇華性を完全に解決
できた。
従って本発明の置換基を有するサリチル酸樹脂を電荷
制御剤として含有させたトナーは、スリーブあるいはキ
ャリア等のトナー担持体の汚染が少ないために、常に良
好な安定した画像を提供し得る。また、カラートナー用
電荷制御剤としても使用でき、カラー画像を提供し得
る。昇華性が無く、熱安定性にも優れているためトナー
製造工程上、及び他の原材料選択上、特別な工夫をする
必要もなく、トナーを安定に生産し、供給できる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、こ
れは本発明を何ら限定するものではない。尚、以下の配
合における部数は全て重量部である。
実施例1 上記材料をブレンダーでよく混合した後、130℃に設
定した2軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を
冷却し、カッターミルにて粗粉砕した後、ジェット気流
を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕粉
を固定壁型風力分級機で分級した。
さらに、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した多
分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で
超微粉を同時に厳密に分級除去して体積平均粒径11.2μ
mの微粉体を得た。
得られた微粉体100部にジメチルジクロロシランで疎
水化処理されたシリカ微粉末(BET 比表面積200m2/g)
0.5部を加え、ヘンシェルミキサーで混合して負帯電性
トナーとした。
次いで平均粒径65μmのアクリルコートフェライトキ
ャリア100部に対して得られたトナー10部を混合して現
像剤とした。
この現像剤を市販の複写機(商品名 NP−6650,キヤノ
ン(株)製)に適用して23℃/60%の環境条件下、複写
試験をしたところ、1.30の良好な画質の画像が得られ
た。上記現像剤を用いて、4000枚連続複写して耐久性能
を調べたところ、初期の画像と比較して遜色のない良好
な画像が得られた。
次いで、15℃/10%、35℃/83%の環境条件下、複写試
験をしたところ、同様に良好な結果が得られた。
実施例2 上記材料をブレンダーでよく混合した後、130℃で設
定した2軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を
冷却し、カッターミルにて粗粉砕した後、ジェット気流
を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕粉
を固定壁型風力分級機で分級した。
さらに、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した多
分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で
超微粉を同時に厳密に分級除去して体積平均粒径11.6μ
mの微粉体を得た。
得られた微粉体100部にヘキサメチルジシラザンによ
り疎水化処理したシリカ微粉末(BET 比表面積300m2/
g)0.4部を加え、ヘンシェルミキサーで混合して負帯電
性磁性トナーとした。
このトナーを市販の複写機(商品名 NP−6650,キヤノ
ン(株)製)に適用して23℃/60%の環境条件下、複写
試験をしたところ、画像濃度1.34、カブリやがさつきの
ない鮮明な画像が得られた。さらに、3万枚連続複写し
て耐久性能を調べたところ、画像濃度1.33と初期の画像
と比較して遜色のない良好な画像が得られた。また、現
像スリーブ上のトナーの摩擦帯電量を測定したところ、
初期においては−10.3μc/g、3万枚複写後は、−10.0
μc/gで、ほとんどスリーブ汚染は認められなかった。
次いで、15℃/10%の環境条件下、複写試験をしたと
ころ、同様に高濃度で良好な画質の画像が得られた。3
万枚の連続複写試験においても同様に良好な成績であっ
た。
35℃/85%の環境条件下、同じ複写試験、連続複写試
験を行なったところ、良好な結果であった。更にこの環
境条件下、このトナーを1か月間放置した後に同じ複写
試験、連続複写試験を行なったが、問題のない十分な結
果であった。
実施例3 実施例2における化合物例(3)2部を化合物例
(2)3部に変える以外は実施例1と同様にして体積平
均粒径11.1μmの微粉体を得た。この微粉体100部に、
シリコンオイルにより疎水化処理したシリカ微粉末(BE
T 比表面積200m2/g)0.4部を加え、ヘンシェルミキサー
で混合して負帯電性磁性トナーを得た。
このトナーを市販の複写機(商品名 NP−6650,キヤノ
ン(株)製)に適用して23℃/60%の環境条件下、複写
試験をしたところ、画像濃度は1.32と高く、カブリやが
さつきのない鮮明な画像が得られた。続いて2万枚連続
複写して耐久性能を調べたところ、初期の画像と比較し
て遜色のない良好な画像が得られた。また、現像スリー
ブ上のトナーの摩擦帯電量を測定したところ、初期にお
いては−9.3μc/g、2万枚複写後は、−9.1μc/gで、ほ
とんどスリーブ汚染は認められなかった。
次いで、15℃/10%の環境条件下、複写試験をしたと
ころ、同様に高濃度で良好な画質の画像が得られた。2
万枚の連続複写試験においても同様に良好な成績であっ
た。
35℃/85%の環境条件下、同じ複写試験、連続複写試
験を行なったところ良好な結果であった。更にこの環境
条件下このトナーを1か月間放置した後、同じ複写試
験、連続複写試験を行なったが、問題のない十分な結果
であった。
実施例4 上記材料をブレンダーでよく混合した後、150℃に設
定した2軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を
冷却し、カッターミルにて粗粉砕した後、ジェット気流
を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕粉
を固定壁型風力分級機で分級した。
さらに、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した多
分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で
超微粉を同時に厳密に分級除去して体積平均粒径8.5μ
mの微粉体を得た。
得られた微粉体100部にヘキサメチルジシラザンによ
り疎水化処理したシリカ微粉末(BET 比表面積300m2/
g)0.6部を加え、ヘンシェルミキサーで混合して負帯電
性トナーとした。
次いで平均粒径65μmのアクリルコートフェライトキ
ャリア100部に対して得られたトナー6部を混合して現
像剤とした。
この現像剤を市販のカラー電子写真複写機CLC−1
(キヤノン(株)製)で複写試験した。
その結果、23℃/60%の環境条件下で、初期から画像
濃度1.42の鮮やかな黒色画像が得られ、1万枚複写後の
劣化は認められなかった。
次に、15℃/10%の環境条件下で複写試験したとこ
ろ、初期から1.39の高濃度の画像が得られた。更に、32
℃/85%の環境条件下においても、濃度1.43の良好な画
像が得られた。
実施例5 実施例4におけるカーボンブラック5部を銅フタロシ
アニン顔料(C.I.ピグメントブルー15)4部に変える以
外は実施例4と同様に体積平均粒径8.6μmの微粉体を
得、さらにシリカを混合して負帯電性トナーを得た。
次いで、実施例4と同じキャリアを同一比率で混合
し、現像剤とした。
この現像剤を実施例4と同じ方法で複写試験を行なっ
た。その結果、23℃/60%の環境条件下で、初期から、
濃度1.39のカブリのない良好な青色画像が得られた。1
万枚複写後も画質の劣化は認められなかった。
また、35℃/85%および15℃/10%の環境条件下で複写
試験を行なったが、23℃/60%の場合と同様に良好な結
果が得られた。
実施例6 実施例4におけるカーボンブラック5部をキナクリド
ン系顔料(C.I.ピグメントレッド122)4部に変える以
外は実施例4と同様に体積平均粒径8.8μmの微粉体を
得、さらにシリカを混合して負帯電性トナーを得た。
次いで、実施例4と同じキャリアの同一比率で混合
し、現像剤とした。
この現像剤を実施例4と同じ方法で複写試験を行なっ
た。その結果、23℃/60%の環境条件下で、初期から、
濃度1.32のカブリのない良好なマゼンタ画像が得られ
た。1万枚複写後も画質の劣化は認められなかった。
また、35℃/85%および15℃/10%の環境条件下で複写
試験を行なったが、23℃/60%の場合と同様に良好な結
果が得られた。
実施例7 実施例4におけるカーボンブラック5部を2,9−ジメ
チルキナクリドン系顔料5部に変える以外は実施例4と
同様に体積平均粒径8.9μmの微粉体を得、さらにシリ
カを混合して負帯電性トナーを得た。
次いで、実施例4と同じキャリアを同一比率で混合
し、現像剤とした。
この現像剤を実施例3と同じ方法で複写試験を行なっ
た。その結果、23℃/60%の環境条件下で、初期から、
濃度1.39のカブリのない良好な黄色画像が得られた。1
万枚複写後も画質の劣化は認められなかった。
また、35℃/85%および15℃/10%の環境条件下で複写
試験を行なったが、23℃/60%の場合と同様に良好な結
果が得られた。
実施例8 実施例4〜7で用いたブラック、シアン、マゼンタ、イ
エローの現像剤を用いて、フルカラー画像を得た所、混
色性、階調性に優れた鮮やかなフルカラー画像が得られ
た。
実施例9 上記材料をブレンダーでよく混合した後、150℃に設
定した2軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を
冷却し、カッターミルにて粗粉砕した後、ジェット気流
を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕粉
を固定壁型風力分級機で分級した。
さらに、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した多
分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で
超微粉を同時に厳密に分級除去して体積平均粒径9.6μ
mの微粉体を得た。
得られた微粉体100部にヘキサメチルジシラザンで疎
水化処理されたシリカ微粉末(BET 比表面積300m2/g)
0.6部を加え、ヘンシェルミキサーで混合して負帯電性
トナーとした。
次いで平均粒径65μmのアクリルコートフェライトキ
ャリア100部に対して得られたトナー6部を混合して現
像剤とした。
この現像剤を市販のカラー電子写真複写機CLC−1
(キヤノン(株)製)で複写テストした。
その結果、23℃/60%の環境条件下で、初期から画像
濃度1.41の鮮やかな黒色画像が得られ、1万枚複写後の
劣化は認められなかった。
次に、15℃/10%の環境条件下で複写試験したとこ
ろ、初期から1.32の高濃度の画像が得られた。更に、32
℃/85%の環境条件下においても、濃度1.43の良好な画
像が得られた。
[発明の効果] 上述したように電荷制御剤として本発明のサリチル酸
樹脂を含有する負帯電性トナーはトナー粒子間の摩擦帯
電量が均一であり、カブリのない良好な画像を与える。
また電荷制御剤によるスリーブ、キャリア等のトナー担
持体の汚染が減少したために、大量に複写した後も、十
分な濃度の画像が得られ、濃度が安定している。さら
に、温湿度に対する画像濃度の依存性が少く、経時変化
も起りにくいために、保存中の品質安定性に優れる。
さらに、電荷制御剤による色調障害が少ないので、カ
ラートナーに使用することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、Xはハロゲン、アルコキシ基を示し、Yは水
    素、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキル基、ハロゲン、
    アルコキシ基を示し、R1,R2はそれぞれ独立に水素、炭
    素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示し、環を
    形成してもよい。nは2以上の重合度を示す整数。) で表わされるサリチル酸樹脂を含有することを特徴とす
    る静電潜像現像用負帯電性トナー。
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