JP2746476B2 - 静電荷像現像用トナー及び加熱定着方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び加熱定着方法

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JP2746476B2 JP2319408A JP31940890A JP2746476B2 JP 2746476 B2 JP2746476 B2 JP 2746476B2 JP 2319408 A JP2319408 A JP 2319408A JP 31940890 A JP31940890 A JP 31940890A JP 2746476 B2 JP2746476 B2 JP 2746476B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における
静電荷像現象用トナー及び該トナーを用いた加熱定着方
法に関する。
(従来の技術) 従来、電子写真法としては、米国特許第2,297,691号
明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号
公報等に記載されている如く多数の方法が知られている
が、一般的には、光導電性物質を利用して種々の手段に
より感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をト
ナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナ
ー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱加圧或は溶剤蒸
気等により定着し被写物を得るものであり、そして感光
体上に転写せずに残ったトナーは種々の方法でクリーニ
ングされ、上述の工程が繰り返される。
近年この様な複写装置は、単なる一般にいうオリジナ
ル原稿を複写する為の事務処理用複写機というだけでな
く、コンピューターの出力としてのプリンター或いは個
人向けのパーソナルコピーという分野で使われ始めた。
その為、より小型、より軽量、そしてより高速、より
高信頼性が厳しく追及されてきており、機械は種々な点
でよりシンプルな要素で構成される様になってきてい
る。その結果、トナーに要求される性能はより高度にな
り、トナーの性能向上が達成出来なければ、より優れた
機械が成り立たなくなってきている。
例えば、トナー像を紙等のシートに定着する工程に関
して種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一
般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方式である。
加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナーに対し離
型性を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面
に、被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら
通過せしめることにより定着を行うものである。この方
法は熱ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加
圧下で接触する為、トナー像を被定着シート上に融着す
る際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うこ
とが出来、高速度電子写真複写機において非常に有効で
ある。
しかしながら、上記方法では、熱ローラー表面とトナ
ー像とが溶融状態で加圧下で接触する為にトナー像の一
部が定着ローラー表面に付着、転移し、次の被定着シー
トにこれが再転移して所謂オフセット現象を生じ、被定
着シートを汚すことがある。熱定着ローラー表面に対し
てトナーが付着しない様にすることが熱ローラー定着方
式の必須条件の1つとされている。
従来、定着ローラー表面にトナーを付着させない目的
で、例えば、ローラー表面をトナーに対して離型性の優
れた材料、シリコンゴムや弗素系樹脂等で形成し、更に
その表面にオフセット防止及びローラー表面の疲労を防
止する為に、シリコンオイルの如き離型性の良い液体の
薄膜でローラー表面を被覆することが行われている。
しかしながら、この方法はトナーのオフセットを防止
する点では極めて有効であるが、オフセット防止用液体
を供給する為の装置が必要な為、定着装置が複雑になる
事等の問題点を有している。
これは小型化、軽量化と逆方向であり、しかもシリコ
ンオイル等が熱により蒸発し、機内を汚染する場合があ
る。そこでシリコンオイルの供給装置等を用いないで、
代わりにトナー中から加熱時にオフセット防止液体を供
給しようという考えから、トナー中に低分子量ポリエチ
レンや低分子量ポリプロピレン等の離型剤を添加する方
法が提案されている。充分な効果を出す為に多量にこの
様な添加剤を加えると、感光体へのフイルミングやキャ
リアやスリーブ等のトナー担持体の表面を汚染し、画像
が劣化し実用上問題となる。そこで画像を劣化させない
程度に少量の離型剤をトナー中に添加し、若干の離型性
オイルの供給若しくはオフセットしたトナーを巻き取り
式の、例えば、ウエブの如き部材を用いた装置でクリー
ニングする装置を併用することが行われている。
しかし最近の小型化、軽量化、高信頼性の要求を考慮
すると、これらの補助的な装置すら除去することが必要
であり好ましい。従ってトナーの定着・オフセット等の
更なる性能向上がなければ対応しきれず、それはトナー
のバインダー樹脂の更なる改良がなければ実現すること
が困難である。
トナーのバインダー樹脂の改良に関する技術として、
例えば、特公昭51−23354号公報に結着樹脂として架橋
された重合体を用いたトナーが提案されている。その方
法に従えば耐オフセット性及び耐巻き付き性の改良には
効果があるが、反面架橋度を増すと定着点が上昇してし
まい、充分定着温度が低くて耐オフセット性及び耐巻き
付き性が良好で且つ十分な定着特性のものは得られてい
ない。
一般的に定着性を向上させる為には、バインダー樹脂
を低分子量化して軟化点を低下させねばならず、耐オフ
セット性の改善処置とは相反することになり、又、低軟
化点とする為に必然的に樹脂のガラス転移点が低下し、
保存中のトナーがブロッキングするという好ましくない
現象も起こる。
これに対して、特開昭56−158340号公報に低分子量重
合体と高分子量重合体とよりなるトナーが提案されてい
るが、このバインダー樹脂は定着性に関しては改善され
るものの、耐オフセット性に関しては未だ不十分であ
り、耐オフセット性及び定着性を高度に満足することは
困難である。
特開昭58−203453号公報には低温軟化性樹脂と高温軟
化性樹脂とからなるトナーが提案されている。このバイ
ンダー樹脂は耐オフセット性に関しては改善されるもの
の、定着性に関しては未だ不十分であり、耐オフセット
性及び定着性を高度に満足することは困難である。
又、特開昭60−20411号公報には低重合度重合体と高
重合度重合体とからなる樹脂組成物の製造方法が提案さ
れているが、この樹脂をトナーのバインダー樹脂として
用いた場合には粉砕性に関しては改善されるものの、定
着性及び耐オフセット性共に未だ不充分であり、改善の
余地は多い。
更に低分子量重合体と架橋した重合体とをブレンドし
たトナーに関し、例えば、特開昭58−86558号公報に低
分子量重合体と不溶融性高分子量重合体を主要樹脂成分
とするトナーが提案されている。その方法に従えば定着
性及び粉砕性の改良は行われる傾向にあるが、低分子量
重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が3.
5以下と小さいこと及び不溶不融性高分子量重合体の含
有量が40〜90重量%と多量であることにより、耐オフセ
ットと粉砕性を共に高性能で満足することが難しく、実
際上はオフセット防止用液体の供給装置をもつ定着器用
でなければ定着性(特に高速定着)、耐オフセット性、
粉砕性を充分満足するトナーを生成することは極めて困
難である。
更に不溶不融性高分子量重合体が多くなると、トナー
作成時の熱混練で溶融粘度が非常に高くなる為、通常よ
りはるかに高温で熱混練するか或は高いシェアで熱混練
しなければならず、その結果前者は他の添加剤の熱分解
によるトナー特性の低下、後者はバインダー樹脂の分子
の過度な切断が起こり、当初の耐オフセット性能が出に
くいという問題を有している。
又、特開昭60−166958号公報に、数平均分子量(Mn
500〜1,500である低分子量のポリα−メチルスチレンの
存在下で重合して得られる樹脂組成分からなるトナーが
提案されている。
特に該公報では、数平均分子量(Mn)が9,000〜30,00
0の範囲が好ましいとあるが、耐オフセット性をより向
上させる為にMnを大きくしていくと定着性及びトナー製
造時の粉砕性が実用上問題となり、故に耐オフセット性
と粉砕性を高性能に満足させることは難しい。この様に
トナー製造時における粉砕性の悪いトナーは、トナー製
造時の生産効率が低下する他、トナー特性として粗いト
ナーが混入しやすい為、飛び散った画像となる場合があ
り好ましくない。
又、特開昭56−161144号公報にGPCによる分子量分布
において、分子量103〜8×104及び分子量105〜2×106
のそれぞれの領域に少なくとも1つの極大値をもつ結着
樹脂分を含有するトナーが提案されている。
又、特開昭63−223662号公報にはTHF不溶分がバイン
ダー樹脂基準で10〜60重量%含有し、THF可溶分のGPCに
よる分子量分布において、重量平均分子量/数平均分子
量(Mw/Mn)≧5であり、分子量2×103〜1×104の領
域にピークを有し、分子量1.5×104〜1×105の領域に
ピーク又は肩を有し、分子量1×104以下の成分がバイ
ンダー樹脂に10〜50重量%含有するトナーが提案されて
いる。この場合、粉砕性、定着性、感光体へのフイルミ
ングや融着、画像性、耐オフセット性(特に高温側での
耐オフセット性)は優れているが、更にトナーにおける
耐オフセット性及び定着性の向上が要望されている。特
に低温での定着性と高温での耐オフセット性の両立が要
求される様な厳しい状況に対応するのは該樹脂では困難
である。
この様に定着に係わる性能と粉砕性を共に高性能で実
現することは極めて困難である。特にトナー製造時にお
ける粉砕性は、複写画像の高品位化、高解像化、高細線
再現性の要望によりトナーの粒子をより小さくしていく
今日の方向に重要な因子であり、又、粉砕工程は非常に
大きなエネルギーを要する為、粉砕性の向上は省エネル
ギーの面からも重要である。
又、粉砕装置内壁へのトナーの融着現象も定着性能の
良いトナーに発生しやすく、その為粉砕効率を悪くす
る。更に別な側面として他の複写工程において、転写後
の感光体上に残ったトナーをクリーニングする工程があ
る。今日、装置の小型化、軽量化、信頼性の面からブレ
ードによるクリーニング(ブレードクリーニング)が一
般的になっている。感光体の高寿命化と感光体ドラム等
の小型化及びシステムの高速化に伴い、トナーに要求さ
れる感光体に対する耐融着、耐フイルミング性等が厳し
くなっている。特に最近実用化されてきたアモルファス
シリコン感光体は非常に高耐久性であり、又、OPC(有
機感光体)も寿命が延びてきており、その為トナーに要
求される諸性能はより高度になってきている。
又、小型化は狭い所に各要素をうまく納めていくこと
をしなければならない。その為空気がうまく流れる空間
が少なくなる上、定着器や露光系の熱源がトナーホッパ
ーやクリーナーと非常に接近する為、トナーは高温雰囲
気にさらされる。その為、より優れた耐ブロッキング性
を有するトナーでないと実用化出来なくなってきた。
例えば、定着性と耐ブロッキング性の様に、トナーに
要求される諸性能は相反する場合が殆どであり、しかも
それらを共に高性能に満足することが益々望まれ、研究
されているが、未だ充分なものがない。
(発明が解決しようとしている課題) 本発明の目的は、上述の如き問題点を解決した静電荷
像現像用トナー及び該トナーを用いた加熱定着方法を提
供することにある。
即ち、本発明の目的は、低い温度で定着し、且つ低温
から高温までの広い温度範囲で耐オフセット性の優れた
静電荷像現像用トナー及び該トナーを用いた加熱定着方
法を提供することにある。
又、本発明の目的は、感光体への融着、フイルミング
が高速システムにおいても、又、長期間の使用でも発生
しない静電荷像現像用トナー及び該トナーを用いた加熱
定着方法を提供することにある。
又、本発明の目的は、耐ブロッキング性が優れ、特に
小型機の中の高温雰囲気中でも充分使え得る静電荷像現
像用トナー及び該トナーを用いた加熱定着方法を提供す
ることにある。
更に、本発明の目的は、トナーの製造時における粉砕
工程での装置の内壁へ粉砕物が融着しない為、効率良く
連続で生産出来る静電荷像現像用トナー及び該トナーを
用いた加熱定着方法を提供することにある。
(課題を解決する為の手段) 上記目的は以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明は、バインダー樹脂及び磁性粉を少なく
とも含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該磁性粉
は、鉄元素を酸素元素と結合した状態で含有し、且つア
ルミニウム元素を酸素元素と結合した状態で含有してお
り、該アルミニウム元素は、該磁性粉中に0.05〜10重量
%含有されており、該バインダー樹脂は、該バインダー
樹脂のTHF不溶分の含有量がバインダー樹脂基準で10重
量%未満であり、該バインダー樹脂のTHF可溶分のGPC
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)における
分子量分布において、重量平均分子量/数平均分子量
(Mw/Mn)が18以上であり、分子量3,000〜2万の間に
1つの分子量ピーク値MA、分子量38万〜100万の間に1
つの分子量ピーク値MB、分子量2万〜38万の間に分子量
極小値Mdをそれぞれ有し、MB/MAが30〜150であり、分
子量400からMdまでの分子量分布曲線の面積をSA、分子
量Mdから500万までの分子量分布曲線の面積をSB、分子
量ピーク値MAの頂点と分子量ピーク値MBの頂点を結ぶ直
線と分子量分布曲線により囲まれた面積をSdとしたと
き、SA、SB及びSdは、下記関係 SA:SB:Sd=1:0.3〜0.8:0.35〜0.8 を満足することを特徴とする静電荷像現像用トナーに関
する。
又、本発明は、固定支持された加熱体と、該加熱体に
対向圧接し且つフィルムを介して記録材を該加熱体に密
着させる加圧部材とにより、トナーの顕画像を記録材に
加熱定着する加熱定着方法において、上記トナーは、バ
インダー樹脂及び磁性粉を少なくとも含有しており、該
磁性粉は、鉄元素を酸素元素と結合した状態で含有し、
且つアルミニウム元素を酸素元素と結合した状態で含有
しており、該アルミニウム元素は、該磁性粉中に0.05〜
10重量%含有されており、該バインダー樹脂は、該バイ
ンダー樹脂のTHF不溶分の含有量がバインダー樹脂基準
で10重量%未満であり、該バインダー樹脂のTHF可溶分
のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)に
おける分子量分布において、重量平均分子量/数平均分
子量(Mw/Mn)が18以上であり、分子量3,000〜2万の
間に1つの分子量ピーク値MA、分子量38万〜100万の間
に1つの分子量ピーク値MB、分子量2万〜38万の間に分
子量極小値Mdをそれぞれ有し、MB/MAが30〜150であ
り、分子量400からMdまでの分子量分布曲線の面積を
SA、分子量Mdから500万までの分子量分布曲線の面積をS
B、分子量ピーク値MAの頂点と分子量ピーク値MBの頂点
を結ぶ直線と分子量分布曲線により囲まれた面積をSd
したとき、SA、SB及びSdは、下記関係 SA:SB:Sd=1:0.3〜0.8:0.35〜0.8 を満足することを特徴とする加熱定着方法に関する。
好ましい実施の形態は、該磁性粉は、アルミニウム元
素を酸素元素と結合した状態で含有している磁性酸化鉄
を有しており、該アルミニウム元素は、該磁性酸化鉄中
に0.05〜10重量%含有されている静電荷像現像用トナー
である。
別の好ましい形態は、数平均分子量が1,000以下であ
り、重量平均分子量が2,500以下であり、重量平均分子
量/数平均分子量(Mw/Mn)が3.0以下であり、融点が6
0〜120℃である離型剤を、バインダー樹脂基準で0.1〜2
0重量%含有する静電荷像現像用トナーである。
更に別の好ましい形態は、該バインダー樹脂は、重量
平均分子量5,000〜3万の重合体Aと重量平均分子量40
万〜150万の重合体Bとを溶媒中で混合後、溶媒除去に
より製造されたものである静電荷像現像用トナーであ
る。
(作用) 前記した様な目的を達成する為に本発明者らは鋭意検
討した結果、トナーに含有される磁性粉が鉄元素を酸素
元素と結合した状態で含有し、且つアルミニウム元素を
酸素元素と結合した状態で含有しており、このアルミニ
ウム元素が磁性粉中にある特定の範囲の量で含有されて
おり、且つトナーに含有されるバインダー樹脂のTHF不
溶分が特定の重量%未満であり、且つTHF可溶分のGPCに
おける分子量分布が特定の構成のときに達成されること
を見出した。
更には、磁性粉が、鉄元素を酸素元素と結合した状態
で含有し、且つアルミニウム元素を酸素元素と結合した
状態で含有している磁性酸化鉄を有しており、該アルミ
ニウム元素は、該磁性酸化鉄中に0.05〜10重量%含有さ
れている場合に、良好であることを見出した。
又、特定の分子量及び分子量分布を有し、且つ特定の
融点を有するオフセット防止剤を含有する場合に顕著に
なることを見出した。
又、バインダー樹脂が低分子量重合体及び高分子量重
合体を溶媒中で混合後、溶媒除去により製造された場合
に特に、良好に達成されることを見出した。
又、記録材にトナーの顕画像を加熱定着するにあたっ
ては、従来から熱ロール定着機の他に、固定支持された
加熱体と、加熱体に対向圧接し且つフイルムを介して記
録材を該加熱体に密着させる加圧部材とにより、トナー
の顕画像を記録材に加熱定着する様な加熱定着する加熱
定着方法に、上記静電荷像現像用トナーを適用すること
が好適であることを見出した。
(好ましい実施態様) 次に好ましい実施態様により本発明を更に詳しく説明
する。
本発明のトナーに用いられる磁性粉は、鉄元素を酸素
元素と結合した状態で含有し、且つアルミニウム元素を
酸素元素と結合した状態で含有しており、このアルミニ
ウム元素は、磁性粉中に0.05〜10重量%含有されるもの
であり、好ましくは0.1〜5重量%含有されるものであ
る。
アルミニウム元素存在率が0.05重量%未満ではアルミ
ニウム元素含有の効果が現れず、耐高温オフセット性の
更なる向上に効果がなく、又、アルミニウム元素存在率
が10重量%を超えるとトナーの耐湿性が低下する。
又、本発明に用いる磁性粉としては強磁性の元素を含
む合金乃至化合物中にアルミニウム元素を含有している
ものの粉末が好ましく用いられる。例えば、マグネタイ
ト、マグヘマイト、フェライト等の鉄、コバルト、ニッ
ケル、マンガン等の合金や化合物、その他の強磁性合金
等従来より磁性材料として知られているものの製造過程
でアルミニウム元素を含有させたものを使用出来る。
なかでも、製造過程で、アルミニウム元素と酸素元素
とが結合している水酸化アルミニウム又は酸化アルミニ
ウムの形でアルミニウム化合物を関与させることによ
り、アルミニウム元素を酸素元素と結合した状態で含有
させた磁性酸化鉄が好ましく用いられる。特にアルミニ
ウム元素が磁性粉表面に存在するものが好ましい。
本発明において、磁性粉に含有されるアルミニウム元
素の含有量は下記の方法によって測定される。
1リットルのビーカーに磁性粉約5gを採取し(これを
Agとする)、3規定塩酸水溶液を加え、1リットルとす
る。温度を約50℃に保ち、撹拌をしながら全てが溶解し
て透明になるまで反応を続ける。得られた液からプラズ
マ発光分光(ICP)によって、アルミニウム元素溶解量
(これをBmg/リットルとする)を測定する。磁性粉重量
に対するアルミニウム元素の存在率は次式によって計算
される。
アルミニウム元素の存在率(%)= {B/(A×1,000}×100 尚、トナーに含有されている磁性粉を分析する場合に
は、磁性トナーの樹脂成分を溶解するキシレンの如き有
機溶剤とトナーとを混合し、磁性トナーの樹脂成分を溶
解した溶液を20Aの濾紙で濾過し、磁性トナーの樹脂成
分を溶解した溶液を20Aの濾紙上に残留する磁性粉を採
取する。採取された磁性粉を600℃の雰囲気中で処理し
て有機成分を除いた後、得られた磁性粉を上述の方法で
分析することにより、アルミニウム元素の存在率が測定
される。
前記トナーを構成するバインダー樹脂のTHF不溶分は
バインダー樹脂基準で10重量%未満であり、好ましくは
5重量%以下である。もし、THF不溶分が10重量%以上
含有されると耐オフセット性は向上するものの定着性は
悪化する傾向にあり、両者を高度に満足させることは困
難であり好ましいものではない。
又、該バインダー樹脂のTHF不溶分はGPCによる分子量
測定では、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)≧
18であり、分子量3,000〜2万の間に1つの分子量ピー
ク値MA、分子量38万〜100万の間に1つの分子量ピーク
値MB、分子量2万〜38万の間に分子量極小値Mdをそれぞ
れ有し、MB/MA=30〜150であり、分子量400からMdまで
の分子量分布曲線の面積をSA、分子量Mdから500万まで
の分子量分布曲線の面積をSB、分子量ピーク値MAの頂点
と分子量ピーク値MBの頂点を結ぶ直線と分子量分布曲線
により囲まれた面積をSdとしたとき、 SA:SB:Sd=1:0.3〜0.8:0.35〜0.8 である場合が好ましい。上記条件を1つでも満足しない
場合には本発明の目的を達成することは出来ない。
重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)18以上で、
好ましくは20以上、更に好ましくは25〜60となる場合で
ある。もし、Mw/Mnが18未満となる場合には定着性は改
善される傾向にあるものの、耐オフセット性は不良とな
る。
分子量3,000〜2万及び分子量38〜100万の間に各々1
つの分子量ピーク値(MA及びMB)を有し、且つ分子量2
万〜38万に分子量の極小値を有し、MB/MA=30〜150の
場合が好ましく、更に好ましくは分子量5,000〜15,000
及び分子量45万〜90万の間に各々1つの分子量ピーク値
を有し、且つ分子量3万〜30万に極小値を有し、MB/MA
=40〜100の場合である。これらの条件が満足されない
場合、例えば、分子量2万〜38万にのみ極小値を有する
場合には定着性は良好となる可能性はあるものの、耐オ
フセット性は明らかに劣る。又、分子量ピーク値MAが3,
000未満となる場合には耐ブロッキング性が不良とな
り、感光体へのフイルミング或いは融着が発生し、MA
2万以上となる場合には定着性不良なる可能性がある。
又、分子量ピーク値MBが38万未満となる場合には耐オフ
セット性が不良となり、粉砕工程において装置内で融着
物が生成し、100万以上となる場合には定着性不良とな
る可能性があり、同時に粉砕性も不良となり生産性も劣
ることになる。
分子量のピーク値の比MB/MA=30〜150であり、好ま
しくは30〜120であり、更に好ましくは30〜100となる場
合である。
もし、MB/MAが30未満及び150超となる場合では定着
性及び耐オフセット性の高度な両立が困難となる。
分子量分布曲線の面積比SA:SB:Sd=1:0.3〜0.8:0.3
5〜0.8であり、好ましくはSA:SB:Sd=1:0.3〜0.7:0.4
〜0.7であり、更に好ましくはSA:SB:Sd=1:0.3〜0.6:
0.5〜0.7である。もし、SBが0.3未満となればオフセッ
ト性が不良となり、0.8以上となる場合には定着性不良
となり、粉砕性も不良となる傾向にある。Sdが0.35未満
となれば定着性及び/又は耐オフセット性が不良とな
り、0.8以上となる場合には耐オフセット性が不良とな
る傾向にある。
本発明の特定の磁性粉と特定のバインダー樹脂を組み
合わせた場合に、特に優れた耐高温オフセット性が得ら
れる事について、アルミニウム元素と酸素元素との結合
の分極は、鉄元素と酸素元素との分極より強く、本発明
のアルミニウム元素を含有する磁性粉は含有しないもの
に比べてバインダー分子鎖を引き付ける力が強い。その
為、アルミニウム元素含有の磁性粉は本発明のバインダ
ー中に多く含有される低分子量の分子鎖を磁性体表面に
強く引き付ける。その為に、定着装置の悲通紙部の特に
昇温した部分で発生する高温オフセットに対する耐性が
アルミニウム元素含有の磁性粉と組み合わせる事により
向上するものと考えられる。
本発明のトナーに好ましく用いられる離型剤としては
数平均分子量1,000以下、重量平均分子量2,500以下、重
量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)≦3、融点60〜
120℃であり、バインダー樹脂基準で0.1〜20重量%含有
する場合である。更に好ましくは数平均分子量400〜70
0、重量平均分子量500〜1,500、Mw/Mn≦2.5、融点60〜
100℃の場合であり、該離型剤はバインダー樹脂基準で
1〜10重量%含有する場合である。
本発明のトナーに用いられる離型剤がこの条件を満足
しない場合、例えば、融点が120℃以上となる場合は定
着性に悪影響を及ぼし、60℃未満となる場合には耐オフ
セット性及びトナーのブロッキング性に悪影響を及ぼ
す。更には該離型剤の含有量が20重量%以上となる場合
には、トナーを高温下に放置した際のブロッキング性及
び定着性に悪影響を及ぼし、0.1重量%未満ではトナー
のオフセット防止効果は不充分となる可能性がある。
本発明のトナーに用いられるバインダー樹脂は、重量
平均分子量5,000〜3万の重合体Aと重量平均分子量40
万〜150万の重合体Bとを溶媒中で混合後、溶媒除去に
より製造されたものである。好ましくは重量平均分子量
7,000〜25,000の重合体Aと重量平均分子量45万〜100万
の重合体Bとを溶媒中で混合後、溶媒除去により製造さ
れたものである。溶媒としては、重合体A及び重合体B
を溶解するものであればよく、例えば、トルエン、キシ
レン、2−プロパノン等がある。
本発明のトナーに用いられるバインダー樹脂の製造に
おいて、重合体Aは溶液重合法又は懸濁重合法により、
重合体Bの懸濁重合法又は乳化重合法により製造される
ものであるが、好ましくは重合体Aは溶液重合法によ
り、重合体Bは懸濁重合法により製造された場合であ
る。
重合体A及び重合体Bの混合には、均一な組成及び分
子量分布を有するバインダー樹脂を製造する為に溶媒中
で混合後、溶媒除去により製造される。他の混合法で
は、例えば、混練機を用いて加熱、溶融混合する様な製
造方法では均一な組成及び分子量分布を有するバインダ
ー樹脂を得ることは困難であり、本発明の目的である定
着性及び耐オフセット性を満足することが難しく、感光
体への融着物の生成或は粉砕工程で装置の内壁へ粉砕物
が融着しやすくなり好ましくない。
重合体Aの重量平均分子量が5,000未満の場合には耐
オフセット性が不良となり、粉砕性も不良となる。又、
重量平均分子量が3万以上の場合には定着性不良とな
る。
重合体Bの重量平均分子量が40万未満の場合には粉砕
性不良となる傾向を示し、同時に耐オフセット性の低
下、ブロッキング性不良、感光体への融着物生成等が生
じ好ましくない。
重量平均分子量が150万以上となる場合には粉砕性が
著しく悪化する。
重合体A及び重合体Bは各々を単独でトナー用のバイ
ンダー樹脂として用いても本発明の目的を達成すること
は困難であり、又、重合体A及び重合体Bを溶融混合す
る製造法では本発明の目的を達成することは難しい。溶
媒中で混合後、溶媒除去する製造方法によって好適に達
成される。重合体Bは本発明のトナーに係る製造方法に
よって好適に耐オフセット性、低い温度での定着性、粉
砕性等の相反する性能を満足することが可能となったの
である。
本発明でのTHF不溶分とは、トナー中の樹脂組成物中
のTHF溶媒に対して不溶性となったポリマー成分(実質
的に架橋ポリマー)の重量割合を示し、架橋成分を含む
樹脂組成物の架橋の程度を示すパラメーターとして使う
ことが出来る。THF不溶分とは、以下の様に測定された
値をもって定義する。
即ち、トナーサンプル0.5〜1.0gを秤量し(W1g)、円
筒濾紙(例えば、東洋濾紙製No.86R)に入れてソックス
レー抽出器にかけ、溶媒としてTHF100〜200ミリリット
ルを用いて6時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶
成分をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥
し、THF可溶樹脂成分量を秤量する(W2g)。トナー中の
磁性体或は顔料の如き樹脂成分以外の成分の重量を(W3
g)とする。THF不溶分は、下記式から求められる。
本発明において、GPC(ゲルバーミエーションクロマ
トグラフィ)によるクロマトグラムのピーク値及び/又
はショルダーの分子量は次の条件で測定される。
即ち、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化さ
せ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF(テト
ラヒドロフラン)を毎分1ミリリットルの流速で流し、
試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂のTHF試
料溶液を50〜200ミクロンリットル注入して測定する。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分
布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成され
た検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例え
ば、Pressure Chemical Co.製或は東洋ソーダ工業社製
の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104
5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106
4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポ
リスチレン試料を用いるのが適当である。又、検出器に
はRI(屈折率)検出器を用いる。
尚、カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を適
確に測定する為に、市販のポリスチレンゲルカラムを複
数組み合わせるのが良く、例えば、Waters社製のμ−st
yragel 500、103、104、105の組み合わせや、昭和電工
社製のshodex KF−80Mや、KF−802、803、804、805の組
み合わせ、或は東洋曹達製のTSKgel G 1000H、G 2000
H、G 2500H、G 3000H、G 4000H、G 5000H、G 6000H、G
7000H、GMHの組み合わせが好ましい。
一方、本発明のトナーに用いられるバインダー樹脂の
分子量分布曲線のSA、SB及びSdはGPCによるクロマトグ
ラムを切り抜き重量比を計算し、THF不溶分の重量%を
減じ、その面積比を計算した。
又、本発明において離型剤の分子量分布は、GPC(ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィ)によって次の条
件で測定される。
(GPC測定条件)装置 LC−GPC 150C (ウオーターズ社) カラムGMH6(東洋ソーダ)60cm カラム温度 140℃ Solv. o−ジクロロベンゼン 以上の条件で測定し、試料の有する分子量分布は、ポ
リエチレン標準試料により作成された検量線の対数値と
カウント数との関係から算出した。
本発明において、離型剤の融点はDSC−7(Perkin El
mer社製)示差走査型熱量計を用いて、そのDSCの吸熱ピ
ークを測定し、その最高融解ピーク値とした。
本発明のトナーにおける樹脂組成物は、スチレン類、
アクリル酸類、メタクリル酸類及びその誘導体から選ば
れる1種以上のモノマーを重合して得られるものが現像
特性及び帯電特性等から好ましい。
使用出来るモノマーの例としては、スチレン類として
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロ
ルスチレン等が挙げられる。
アクリル酸類、メタクリル酸類及びその誘導体として
は、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸n−テトラデシル、アクリル酸n−ヘキサデシル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノ
エチル等のアクリル酸エステル類が挙げられ、同様にメ
タクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリ
ル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウ
リル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ステ
アリル等のメタクリル酸エステル類が挙げられる。
前述のモノマー以外に、本発明の目的を達成し得る範
囲で少量の他のモノマー、例えば、アクリロニトリル、
2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、ビニルカル
バゾール、ビニルメチルエーテル、ブタジエン、イソプ
レン、無水マイレン酸、マイレン酸、マイレン酸モノエ
ステル類、マイレン酸ジエステル類、酢酸ビニル等が用
いられてもよい。
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、2官能
の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリ
ロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリ
コールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジア
クリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5
−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリ
エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#20
0、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレング
リコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジ
アクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MAND
A、日本化薬)及び以上のアクリレートをメタクリレー
トに変えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラ
メチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステル
アクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4
−メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、
ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリア
リルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、
トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート
等が挙げられる。
これらの架橋剤は、THF不溶分を10重量%未満とする
為に全く含有させないことが好ましいが、含有させる場
合はバインダー樹脂基準で1重量%未満、好ましくは0.
5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下含有させ
る。
本発明に使用されるトナー中には、数平均分子量Mn
1.0×103以下、重量平均分子量Mwが2.5×103以下、Mw
Mn=3.0以下、融点(m.p.)が60〜120℃の範囲である離
型剤を少なくとも一種以上、トナーに対して0.1〜20重
量%の添加量で用いられる。
本発明のトナーにおいて好ましく用いられる離型剤と
しては、例えば、パラフィンワックス、低分子量ポリエ
チレンワックス及び不飽和脂肪酸、スチレン誘導体或い
は不飽和脂肪酸エステルによりグラフト変性されたポリ
オレフィンワックス等が挙げられる。このなかでも特に
グラフト変性されたポリオレフィンワックスが、現像剤
及び該現像剤を使用した複写機等の機械の長寿命化、サ
ービスメンテナンスフリーの点から好ましい。
グラフト変性ポリオレフィンを合成する為に使用され
る不飽和脂肪酸或いは不飽和脂肪酸エステルとしては、
メタクリル酸及びメチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタク
リレート、イソブチルメタクリレート、n−オクチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラ
ウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ド
デシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、メタ
クリル酸グリシジル等のメタクリレート類、アクリル酸
及びメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチル
アクリレート、n−オクチルアクリレート、ラウリルア
クリレート、ステアリルアクリレート、ドデシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、フェニルア
クリレート、2−クロルエチルアクリレート、アクリル
酸−2−ヒドロキシエチル、シクロヘキシルアクリレー
ト、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミ
ノエチルアクリレート、ジブチルアミノエチルアクリレ
ート、2−エトキシアクリレート、1,4−ブタンジオー
ルジアクリレート等のアクリレート類、マイレン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びモノエチルマレ
ート、ジエチルマレート、モノプロピルマレート、ジプ
ロピルマレート、モノブチルマレート、ジブチルマレー
ト、ジ−2−エチルヘキシルマレート、モノエチルフマ
レート、ジエチルフマレート、ジブチルフマレート、ジ
−2−エチルヘキシルフマレート、モノエチルイタコネ
ート、ジエチルイタコネート、モノエチルシトラコネー
ト、ジエチルシトラコネート等の不飽和二塩基酸エステ
ル等を挙げることが出来、これらの1種或いは2種以上
を同時に用いることが出来る。
又、芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、o−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−te
rt−ブチルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−
フェニルスチレン、p−クロルスチレン等を挙げること
が出来、これらの1種又は2種以上を同時に用いること
が出来る。
グラフト変性する方法としては、従来公知の方法を用
いることが出来る。例えば、前記ポリオレフィンと芳香
族ビニルモノマー及び不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エ
ステルとを溶融状態或いは溶融状態で大気下又は加圧下
でラジカル開始剤の存在下で加熱して反応させることに
よりグラフト変性ポリオレフィンが得られる。芳香族ビ
ニルモノマー及び不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステ
ルによるグラフト化は、両者を同時に行うこともよく、
個々に行うこともよい。
グラフト化反応に用いる開始剤としては、例えば、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキ
サイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド、tert−ブチルパーフェニルアセテー
ト、クミンパーピバレート、アゾビス−イソブチロニト
リル、ジメチルアゾイソブチレート、ジクロミルパーオ
キサイド等を挙げることが出来る。
本発明に使用されるトナーは、上記構成材料からな
り、数平均分子量Mnが1.0×103以下、重量平均分子量Mw
が2.5×103以下、Mw/Mn3.0以下、融点(m.p.)60〜120
℃の範囲である離型剤以外に融点120℃を上回る上記構
成材料と同様な離型剤を一種以上混合して使用してもよ
い。
本発明のトナーに使用する荷電制御剤としては、従来
公知の正或いは負の荷電制御剤が用いられる。今日、当
該技術分野で知られている荷電制御剤としては以下のも
のが挙げられる。
(1)トナーを正苛電性に制御するものとして下記物質
がある。
ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン
系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料、例え
ば、 C.I.Basic Yellow 2(C.I.41000)、 C.I.Basic Yellow 3、 C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、 C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、 C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、 C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、 C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、 C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、 C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、 C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、 C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、 C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、 C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、 C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、 C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、 C.I.Basic Blue 26(C.I.44025)、 C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、 C.I.Basic Green 4(C.I.42000)等、これらの塩基性染
料のレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン
酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タ
ンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、
フェロシアン化物等)、C.I.Sovent Black 3(C.I.2615
0)、ハンザイエローG(C.I.11680)、C.I.Mordant Bl
ack 11、C.I.Pigment Black 1等。
又は、例えば、ベンゾルメチル−ヘキサデシルアンモ
ニウムクロライド、デシル−トリメチルアンモニウムク
ロラロイド或いはジブチル、ジオクチル等のジアルキル
チン化合物、高級脂肪酸の金属塩、ガラス、雲母、酸化
亜鉛等の無機微粉末、EDTA、アセチルアセトンの金属錯
体等、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基
を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特に分
散性等の面から、ニグロシン、高級脂肪酸の金属塩、ア
ミノ基を有するビニル系ポリマー等が好ましい。
(2)トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質
がある。特公昭41−20153号公報、同42−27596号公報、
同44−6397号公報及び同45−26478号公報等に記載され
ているモノアゾ染料の金属錯塩が挙げられる。
特開昭50−133338号公報に記載されているニトロフミ
ン酸及びその塩或にはC.I.14645等の染顔料、特公昭55
−42752号公報、特公昭58−41508号公報、特公昭58−73
84号公報及び特公昭59−7384号公報等に記載されている
サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸のZn、Al、C
o、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシア
ニン顔料、ニトリル基、ハロゲンを導入したスチレンオ
リゴマー、塩素化パラフィン等、特に分散性の面等か
ら、モノアゾ染料の金属錯塩、サリチル酸、アルキルサ
リチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属錯体が好
ましい。
本発明のトナーは、必要に応じて添加剤を混合した場
合にもよい結果が得られる。添加剤としては、例えば、
テフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリ弗化ビニリデンの如
き滑剤、中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい。或は酸
化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の
研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。或
は、例えば、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム等の
流動性付与剤、中でも特に疎水性コロイダルシリカが好
ましい。ケーキング防止剤、或は、例えば、カーボンブ
ラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ等の導電
性付与剤、或は低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプ
ロピレン、各種ワックス類等の定着助剤等又は耐オフセ
ット剤がある。又、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子
を現像性向上剤として少量用いることも出来る。
更に本発明のトナーには必要に応じて着色剤を添加し
てもよい。
本発明のトナーに使用する着色剤としては、任意の適
当な顔料又は染料が使用される。トナー着色剤は周知で
あって、例えば、顔料としてカーボンブラック、アニリ
ンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロ
ー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレ
ーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレ
ンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持
するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100重量部に対
し0.1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の添加量が
よい。又、同様の目的で更に染料が用いられる。例え
ば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系
染料、メチン系染料等があり、樹脂100重量部に対し0.1
〜20重量部、好ましくは0.3〜3重量部の添加量がよ
い。
本発明に係る静電荷像現像用トナーを作成するには、
前記本発明に係る樹脂組成物及び荷電制御剤、必要に応
じて着色剤としての顔料又は染料、添加剤等をボールミ
ルその他の混合機により充分混合してから、加熱ロー
ル、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて
溶融、混和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめた中
に顔料又は染料を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕
及び分級して平均粒径3〜20μmのトナーを得ることが
出来る。
(実施例) 以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これ
は本発明をなんら限定するものではない。尚、以下の配
合における部数は重量部である。
(磁性粉の製造例) 製造例1 4リットルの三口フラスコ中で0.8MのFeSO4水溶液1
リットルと0.03Mの硫酸アルミニウム水溶液1リットル
と、0.90Mの苛性ソーダ水溶液1リットルとを混合した
系に、蒸気を酸素とを吹き込みながらおよそ70℃にて酸
化する。
得られた黒色粉を濾過、水洗して乾燥し、アルミニウ
ム元素を1重量%含む磁性酸化鉄粉が得られた。(磁性
粉A) 製造例2 4リットルの三口フラスコ中で0.8MのFeSO4水溶液1
リットルと0.90Mの苛性ソーダ水溶液1リットルとを混
合した系に、蒸気と酸素を吹き込みながら約70℃で酸化
する。酸化が終了したところで、0.01Mの硫酸アルミニ
ウム水溶液1リットルを系に加え、更に反応させる。
得られた黒色粉を濾過、水洗、乾燥し、アルミニウム
元素を0.4重量%含む磁性酸化鉄粉を得た(磁性粉B) (バインダー樹脂の合成例) 合成例1 反応機にクメン200部を入れ還流温度まで昇温した。
これにスチレンモノマー100部及びジ−tert−ブチルパ
ーオキサイド6部の混合物を135℃で4時間かけて滴下
した。更にクメン還流下(146℃〜156℃)で溶液重合を
完了しクメンを除去した。得られたポリスチレンはTHF
に可溶であり、重量平均分子量7,800で、分子量のピー
ク値(MA)7,200であり、Tg=67℃であった。これを本
発明のトナーに係るバインダー樹脂の重合体A−1とす
る。
合成例2〜5 下記第1表に示す単量体組成物、重合開始剤及び溶媒
を用いて合成例1と同様に溶液重合を行ない、本発明の
トナーに係るバインダー樹脂の重合体A−2〜A−5を
得た。
合成例6 ポリビニルアルコール部分ケン化物0.1部を溶解した
脱気水200部を反応器に加え、上記第2表の単量体組成
物を添加し、懸濁分散液とした。窒素雰囲気下において
上記懸濁分散液を加熱し80℃とする。その温度にて24時
間保持し重合反応を完了した。室温まで冷却後、重合反
応により生成した球状の重合体粒子を濾別し、充分に水
洗した後に脱水及び乾燥することにより本発明のトナー
に係るバインダー樹脂の重合体B−1を得た。尚、重量
平均分子量45.2万、ピーク分子量43.3万、Tg=57℃であ
った。
合成例7〜10 下記第3表に示す単量体組成物及び重合開始剤を用い
て合成例2と同様に懸濁重合を行ない、本発明のトナー
に係るバインダー樹脂の重合体B−2〜B−5を得た。
次に本発明のトナーに係るバインダー樹脂の製造例に
ついて述べる。
製造例1 重合体A−1 68部及び重合体B−4 32部をキシレン20
0部の中に撹拌しながら添加する。次に約60℃まで加熱
し、添加した重合体A−1及びB−4を完全に溶解す
る。約2時間撹拌を続けた後にキシレンを除去した。こ
れを本発明のトナーに係るバインダー樹脂1とする。
製造例2〜10 下記第4表に示す重合体を用いた以外は製造例1と同
様にして本発明のトナーに係るバインダー樹脂2〜10を
得た。
実施例1 バインダー樹脂1 100部 磁性粉A 60部 負荷電性制御剤 2部 低分子量ポリエチレン 3部 上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、150
℃に熱した2本ロールミルで20分間混練した。混練物を
放冷後、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を
用いた微粉砕機を用いて粉砕し、更に風力分級機を用い
て分級し、体積平均粒径11.2μmの黒色微粉体を得た。
該黒色微粉体100部に対してコロイダルシリカ微粉体
0.4部を乾式混合し、現像剤(トナー)を得た。これを
本発明のトナー1とする。
トナーの粉砕性は、単位時間当りに粉砕出来るトナー
の処理量で表わすことが出来、このトナーの場合、エア
ー圧5.6Kg/cm2で16Kg/hrであり、非常に良かった。又、
粉砕機内に融着等は起こらなかった。
又、ブロッキング性は、約10gのトナーを100ccのポリ
コップに入れ、50℃で1日放置した時の凝集度の変化で
調べた。凝集度は細川ミクロン製のパウダーテスターに
より測定した。室温放置品と50℃1日放置品とでは10重
量%と13重量%でほぼ同じ値を示し、差(ΔG)が3%
であることから実質的にブロッキングしていないことを
確認した。
定着性とオフセット性、巻き付き性及び画像性、耐久
性については、キヤノン製複写機のNP−6650改造機を用
いて調べた。
特にオフセット性は定着ローラのクリーニング機構を
取り外し、何枚の複写で画像が汚れるか或はローラが汚
れるかということを耐複写枚数で評価した。
定着器の設定温度を5℃下げテストした。定着性は画
像をシルボンC紙で往復10回約100g荷重で擦り、画像の
剥れを反射濃度の低下率(%)で表した。評価画像は連
続200枚とった時の200枚目で見た。
巻き付き性は全面黒画像を3枚出し、その時画像上に
つく定着ローラの剥離用の爪の跡の様子で、爪にどの位
頼っているかで判断した。
高温オフセット性は定着ローラのクリーニング機構を
取り外し、A4サイズの紙の縦送りで100枚連続で複写を
行い、その直後にA3サイズの紙で複写を行い、画像上に
汚れがないかという事で評価した。
その結果、定着性は低下率3%で非常に良く、オフセ
ット性は50,000枚時でも画像上ローラの汚れ等なく良好
であり、巻き付き性も画像上に爪に頼った跡が僅かに付
くが、非常に良好であった。
又、画像面積率約5%の画像を用いて約10,000枚の耐
久テストを行ったが、画像は良好であり、感光体等への
融着やフイルミングが僅かにあったが、コピー画像への
影響は全くなかった。又、高温オフセットも全く発生し
なかった。
尚、本実施例で用いた低分子量ポリエチレンは数平均
分子量880、重量平均分子量1,900、重量平均分子量/数
平均分子量=2.2であり、融点95℃であった。
又、本トナーのTHF不溶分は4重量%であり、THF可溶
分のGPCによる重量平均分子量/数平均分子量=38.2、
分子量ピークMA=7,700、分子量ピークMB=76.5万、MA
/MB=99、分子量分布曲線の面積SA:SB:Sd=1:0.36:
0.60であった。
実施例2 バインダー樹脂2 100部 磁性粉A 80部 正荷電性制御剤 2部 グラフト変性ワックス 4部 上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、150
℃に熱した2本ロールミルで20分間混練した。混練物を
放冷後、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を
用いた微粉砕機を用いて粉砕し、更に風力分級機を用い
て分級し、体積平均粒径8.7μmの黒色微粉体を得た。
該黒色微粉体100部に対してコロイダルシリカ微粉体
0.4部を乾式混合し、現像剤(トナー)を得た。これを
本発明のトナー2とする。
トナーの粉砕性は、単位時間当りに粉砕出来るトナー
の処理量で表わすことが出来、このトナーの場合、エア
ー圧5.6Kg/cm2で5.8Kg/hrであり、非常に良かった。
又、粉砕機内に融着等起こらなかった。
又、ブロッキング性は、約10gのトナーを100ccのポリ
コップに入れ、50℃で1日放置した時の凝集度の変化で
調べた。凝集度は細川ミクロン製のパウダーテスターに
より測定した。室温放置品と50℃1日放置品とでは15重
量%と19重量%でほぼ同じ値を示し、差(ΔG)が4%
であることから実質的にブロッキングしていないことを
確認した。
定着性とオフセット性、巻き付き性及び画像性、耐久
性については、キヤノン製複写機のNP−4835改造機(定
着設定温度200℃)を用いて調べた。
特にオフセット性は定着ローラのクリーニング機構を
取り外し、何枚の複写で画像が汚れるか或はローラが汚
れるかということを耐複写枚数で評価した。
定着器の設定温度を10℃下げテストした。定着性は画
像をシンボルC紙で往復10回約100g荷重で擦り、画像の
剥れを反射濃度の低下率(%)で表した。
巻き付き性は、全面黒画像を3枚出し、その時画像上
につく定着ローラの剥離用の爪の跡の様子で、爪にどの
位頼っているかで判断した。
高温オフセット性は定着ローラのクリーニング機構を
取り外し、A4サイズの紙の縦送りで100枚連続で複写を
行い、その直後にA3サイズの紙で複写を行い、画像上に
汚れがないかという事で評価した。
その結果、定着性は低下率6%で非常に良く、オフセ
ット性は1,000枚時でも画像上ローラの汚れ等なく良好
であり、巻き付き性も画像上に爪に頼った跡が僅かに付
くが、非常に良好であった。又、高温オフセットは全く
発生しなかった。
又、画像面積率約5%の画像を用いて、約30,000枚の
耐久テストを行ったが、画像は良好であり、感光体等へ
の融着やフイルミング等もなかった。
尚、本実施例で用いたグラフト変性ワックスはスチレ
ン変性ポリエチレンワックスで数平均分子量530、重量
平均分子量820、重量平均分子量/数平均分子量=1.5で
あり、融点91℃であった。
又、本トナーのTHF不溶分は2重量%であり、THF可溶
分のGPCによる重量平均分子量/数平均分子量=24.7、
分子量ピークMA=14,000、分子量ピークMB=68万、MA
MB=48.6、分子量分布曲線の面積SA:SB:Sd=1:0.40:
0.59であった。
実施例3 実施例2で製造したトナーを用いて、キヤノン社製複
写機のFC−5改造機により未定着画像を得た。
未定着画像の定着試験は、加熱体に対向圧接し、且つ
フイルムを介して記録材を該加熱体に密着させる加圧部
材とからなる第2図に示す如き外部定着機を用いて行っ
た。定着フイルム5の材質として、ポリミドフイルムに
弗素樹脂と導電剤を添加した離型層を10μmコートした
エンドレスフイルムを使用した。加圧ローラー8として
はシリコンゴムを使用し、ニップ3.5mm、プロセススピ
ード50mm/secで行った。フイルム駆動は駆動ローラー6
と従動ローラー7による駆動とテンションにより矢印方
向に皺がなく移動する(加熱体1は低熱容量線状加熱体
であり、パルス状にエネルギーを与え温調した)。温調
温度はFC−5改造機の定着機(定着設定温度180℃)と
同一温度及び15℃下げテストした。その結果、定着性は
低下率で2%、3,000枚耐久後でも画像上及び定着フイ
ルム上共に汚れはなく良好であった。
又、高温オフセットテストとして、ハガキサイズの紙
を100枚連続通紙を行った直後にA4サイズの紙で未定着
画像を通紙し、画像上に汚れが発生するかテストした。
その結果画像上には汚れは全くなかった。
実施例4 磁性粉を前記磁性粉Bに変更した以外は実施例2と同
様にして本発明のトナー3を得た。
このトナーを実施例2と同様のテストを行った。その
結果は下記第6表に示す。
実施例5〜8 バインダー樹脂と離型剤とを第5表に示すものに変更
した以外は実施例1と同様にして本発明のトナー4〜7
を得た。
実施例9〜11 バインダー樹脂と離型剤とを下記第5表に示すものに
変更した以外は実施例2と同様にして本発明のトナー8
〜10を得た。
比較例1 実施例2で用いたバインダー樹脂2を重合体A−2 10
0部及び重合体B−5 0部に変更した以外は同様にして比
較用トナー1を得た。
この比較用トナーの場合、エアー圧5.6Kg/cm2で粉砕
した場合には、多量の微粉トナー粒子が生成し、粒度分
布はブロードとなり、明らかに生産性は劣るものであっ
た。
実施例2と同様にしてFC−5改造機を用いて定着性と
オフセット性、巻き付き性及び画像性、耐久性について
調べた。
その結果、オフセット性は20枚時で画像上及びローラ
上共に汚れが発生した。巻き付き性は画像上に爪に頼っ
た跡が明確に残り、定着機より排紙されない場合もあっ
た。
尚、本トナーのTHF不溶分は0重量%であり、THF可溶
分のGPCによる重量平均分子量/数平均分子量=2.1、分
子量ピークMA=8,900であった。
比較例2〜4 第5表に示す重合体及び離型剤を用いた以外は実施例
2と同様にして比較用トナー2〜4を得た。これらの比
較用トナーの評価をもって、本発明の比較例2〜4と
し、その結果を下記第6表に示す。
比較例5 磁性粉としてアルミニウム元素を含まない磁性酸化鉄
を用いる以外は実施例2と同様にして比較用トナー3を
得た。
このトナーを実施例3と同様のテストを行った。
(発明の効果) 本発明は、とりわけ、トナーに含有されるバインダー
樹脂のTHF不溶分の量、THF可溶分のGPCにおける分子量
分布に着目したもので、低い温度で定着し、低温から高
温までの広い温度範囲で耐オフセット性に優れ、感光体
等への融着がなく、又、粉砕性にも優れ、長期の使用で
も安定した良好な現像画像を与えることが出来る。
【図面の簡単な説明】 第1図はGPCによる分子量分布曲線の説明図、第2図は
未定着画像の定着試験に用いる定着器の説明図である。 第2図中 3:発熱体 4:温度センサー 9:画像支持体 10:トナー 11:搬送ガイド
フロントページの続き (72)発明者 藤原 雅次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 土井 信治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バインダー樹脂及び磁性粉を少なくとも含
    有する静電荷像現像用トナーにおいて、 該磁性粉は、鉄元素を酸素元素と結合した状態で含有
    し、且つアルミニウム元素を酸素元素と結合した状態で
    含有しており、該アルミニウム元素は、該磁性粉中に0.
    05〜10重量%含有されており、 該バインダー樹脂は、該バインダー樹脂のTHF不溶分の
    含有量がバインダー樹脂基準で10重量%未満であり、該
    バインダー樹脂のTHF可溶分のGPC(ゲルパーミエーショ
    ンクロマトグラフィー)における分子量分布において、
    重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が18以上であ
    り、分子量3,000〜2万の間に1つの分子量ピーク値
    MA、分子量38万〜100万の間に1つの分子量ピーク値
    MB、分子量2万〜38万の間に分子量極小値Mdをそれぞれ
    有し、MB/MAが30〜150であり、分子量400からMdまでの
    分子量分布曲線の面積をSA、分子量Mdから500万までの
    分子量分布曲線の面積をSB、分子量ピーク値MAの頂点と
    分子量ピーク値MBの頂点を結ぶ直線と分子量分布曲線に
    より囲まれた面積をSdとしたとき、SA、SB及びSdは、下
    記関係 SA:SB:Sd=1:0.3〜0.8:0.35〜0.8 を満足することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】該磁性粉は、アルミニウム元素を酸素元素
    と結合した状態で含有している磁性酸化鉄を有してお
    り、該アルミニウム元素は、該磁性酸化鉄中に0.05〜10
    重量%含有されている請求項1に記載の静電荷像現像用
    トナー。
  3. 【請求項3】数平均分子量が1,000以下であり、重量平
    均分子量が2,500以下であり、重量平均分子量/数平均
    分子量(Mw/Mn)が3.0以下であり、融点が60〜120℃で
    ある離型剤を、バインダー樹脂基準で0.1〜20重量%含
    有する請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】該バインダー樹脂は、重量平均分子量5,00
    0〜3万の重合体Aと重量平均分子量40万〜150万の重合
    体Bとを溶媒中で混合後、溶媒除去により製造されたも
    のである請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現
    像用トナー。
  5. 【請求項5】固定支持された加熱体と、該加熱体に対向
    圧接し且つフイルムを介して記録材を該加熱体に密着さ
    せる加圧部材とにより、トナーの顕画像を記録材に加熱
    定着する加熱定着方法において、 上記トナーは、バインダー樹脂及び磁性粉を少なくとも
    含有しており、 該磁性粉は、鉄元素を酸素元素と結合した状態で含有
    し、且つアルミニウム元素を酸素元素と結合した状態で
    含有しており、該アルミニウム元素は、該磁性粉中に0.
    05〜10重量%含有されており、 該バインダー樹脂は、該バインダー樹脂のTHF不溶分の
    含有量がバインダー樹脂基準で10重量%未満であり、該
    バインダー樹脂のTHF可溶分のGPC(ゲルパーミエーショ
    ンクロマトグラフィー)における分子量分布において、
    重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が18以上であ
    り、分子量3,000〜2万の間に1つの分子量ピーク値
    MA、分子量38万〜100万の間に1つの分子量ピーク値
    MB、分子量2万〜38万の間に分子量極小値Mdをそれぞれ
    有し、MB/MAが30〜150であり、分子量400からMdまでの
    分子量分布曲線の面積をSA、分子量Mdから500万までの
    分子量分布曲線の面積をSB、分子量ピーク値MAの頂点と
    分子量ピーク値MBの頂点を結ぶ直線と分子量分布曲線に
    より囲まれた面積をSdとしたとき、SA、SB及びSdは、下
    記関係 SA:SB:Sd=1:0.3〜0.8:0.35〜0.8 を満足することを特徴とする加熱定着方法。
  6. 【請求項6】該磁性粉は、アルミニウム元素を酸素元素
    と結合した状態で含有している磁性酸化鉄を有してお
    り、該アルミニウム元素は、該磁性酸化鉄中に0.05〜10
    重量%含有されている請求項5に記載の加熱定着方法。
  7. 【請求項7】数平均分子量が1,000以下であり、重量平
    均分子量が2,500以下であり、重量平均分子量/数平均
    分子量(Mw/Mn)が3.0以下であり、融点が60〜120℃で
    ある離型剤を、バインダー樹脂基準で0.1〜20重量%含
    有する請求項5又は6に記載の加熱定着方法。
  8. 【請求項8】該バインダー樹脂は、重量平均分子量5,00
    0〜3万の重合体Aと重量分子量40万〜150万の重合体B
    とを溶媒中で混合後、溶媒除去により製造されたもので
    ある請求項5乃至7のいずれかに記載の加熱定着方法。
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