JP2756285B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP2756285B2 JP63296735A JP29673588A JP2756285B2 JP 2756285 B2 JP2756285 B2 JP 2756285B2 JP 63296735 A JP63296735 A JP 63296735A JP 29673588 A JP29673588 A JP 29673588A JP 2756285 B2 JP2756285 B2 JP 2756285B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は電子写真,静電記録,静電印刷などにおける
静電荷像を現像するためのトナーに関し、特に粉砕によ
る製造方法で得られた熱ローラー定着に適する静電荷像
現像用トナーに関する。
〔従来の技術〕
従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明
細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公
報等に記載されている如く多数の方法が知られている
が、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により
感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナー
を用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画
像を転写した後、加熱,圧力,加熱加圧或いは溶剤蒸気
などにより定着し複写物を得るものであり、そして感光
体上に転写せず残ったトナーは種々の方法でクリーニン
グされ、上述の工程が繰り返される。
近年このような複写装置は、単なる一般にいうオリジ
ナル原稿を複写するための事務処理用複写機というだけ
でなく、コンピユーターの出力としてのプリンターある
いは個人向けのパーソナルコピアという分野で使われ始
めた。
従来の事務処理用複写機やプリンターは、主に、より
高速出力,高信頼性が望まれ、個人向け、あるいは小事
業所などではより軽量,小型が主に望まれるようになっ
てきた。
このような、2分極化の中で、高速複写機はより高
速、より高信頼性の両立が厳しく追求されてきており、
機械は種々な点でよりシンプルな要素で構成されるよう
になってきている。その結果、トナーに要求される性能
はより高度になり、トナーの性能向上が達成できなけれ
ばよりすぐれた機械が成り立たなくなってきている。
例えば、トナー像を紙などのシートに定着する工程に
関して種々の方法や装置が開発されているが、現在最も
一般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方式である。
加熱ローラーによる圧着加熱方式はトナーに対し離型
性を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に被
定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せ
しめることにより定着を行うものである。この方法は熱
ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で
接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際
の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことが
でき、高速度電子写真複写機において非常に有効であ
る。しかしながら上記方法では、熱ローラー表面とトナ
ー像とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像の
一部が定着ローラー表面に付着,転移し、次の被定着シ
ートにこれが最転移して所謂オフセツト現象を生じ、被
定着シートを汚すことがある。熱定着ローラー表面に対
してトナーが付着しないようにすることが熱ローラー定
着方式の必須条件の1つとされている。
従来、定着ローラー表面にトナーを付着させない目的
で、例えば、ローラー表面をトナーに対して離型性の優
れた材料、シリコンゴムや弗素系樹脂などで形成し、さ
らにその表面にオフセツト防止及びローラー表面の疲労
を防止するためにシリコンオイルの如き離型性の良い液
体の薄膜でローラー表面を被覆することが行われてい
る。しかしながら、この方法はトナーのオフセツトを防
止する点では極めて有効であるが、オフセツト防止用液
体を供給するための装置が必要なため、定着装置が複雑
になること等の問題点を有している。
従来、高速機というジヤンルに属する機種は、センタ
ーマシンというイメージがあったため、重く、大きな機
械であることが当然であるという印象を持っていた。そ
のため、上記のような複雑な定着装置をのせることが可
能であった。
しかしながら、これは高信頼性、シンプル化と逆方向
であり、しかもシリコンオイルなどが熱により蒸発し、
機内を汚染する場合がある。そこでシリコンオイルの供
給装置などを用いないで、かわりにトナー中から加熱時
にオフセツト防止液体を供給しようという考えから、ト
ナー中に低分子量ポリエチレン,低分子量ポリプロピレ
ンなどの離型剤を添加する方法が提案されている。充分
な効果を出すために多量にこのような添加剤を加える
と、感光体へのフイルミングやキヤリアやスリーブなど
のトナー担持体の表面を汚染し、画像が劣化し実用上問
題となる。そこで画像を劣化させない程度に少量の離型
剤をトナー中に添加し、若干の離型性オイルの供給もし
くはオフセツトしたトナーを巻きとり式の例えばウエブ
の如き部材を用いた装置でクリーニングする装置を併用
することが行われている。
しかしながら巻きとり式は、コストが高い上、より高
速機になるほど使い終った部材の交換をひんぱんに行わ
なければならず、そのような交換はユーザーが簡単に行
えるわけではないので場合によっては複写機,プリンタ
ーなどが使用できないという状態がたびたび生ずること
になる。
したがって、巻きとり部材の交換時期をより長くする
か、場合によっては、よりシンプルなクリーニング装置
が使えるようにトナーを改良する必要が生じてきた。
また他方、より高速化、特に1分間にA4で50枚以上さ
らに60枚,70枚あるいはそれ以上を実現しようとすると
複雑なオイル供給機構のない定着器では、オフセツト現
象と同時に定着ローラへのコピー紙の巻き付き現象が急
激に悪化してくる。これは、より高速機になるにしたが
って定着ローラなどの耐久性を伸ばすため、ローラの径
をより大きくすることに1つは原因としている。すなわ
ち、ローラの径が大きくなるとローラの曲率が小さくな
るため、紙の弾性(こし)だけでは定着ローラとコピー
紙が離れにくくなってくるのである。さらに、高速化す
ることにより定着ローラとコピー紙の密着を瞬間的には
がせなくなってきている。その結果、定着ローラへのコ
ピー紙の巻き付き防止については定着ローラの分離用ツ
メなどにコピー紙がひっかかりジヤムを生じたり、ひっ
かからない場合でも、ツメが画像面をこする形になって
排出されるため、著しく画質を低下させることがある。
これらの問題を解消するためにはトナーのバインダー
樹脂のさらなる改良がなければ実現することが困難であ
る。トナーのバインダー樹脂の改良に関する技術とし
て、例えば特公昭51−23354号公報に結着樹脂として架
橋された重合体を用いたトナーが提案されている。その
方法に従えば耐オフセツト性及び耐まきつき性の改良に
は効果があるが、反面架橋度をますと定着点が上昇して
しまい、定着温度が低くて耐オフセツト性及び耐まきつ
き性が良好で且つ十分な定着特性のものは得られていな
い。特に、高速機は熱エネルギー的にギリギリのところ
にきている。一般的に定着性を向上させるためには、バ
インダー樹脂を低分子量化して軟化点を低下させねばな
らず、耐オフセツト性の改善処理とは相反することにな
り、また低軟化点とするために必然的に樹脂のガラス転
移点が低下し保存中のトナーがブロツキングする、ある
いは感光体へのフイルミングという好ましくない現象も
おこる。
これに対して、特開昭56−158340号公報に低分子量重
合体と高分子量重合体とよりなるトナーが提案されてい
るが、このバインダー樹脂は実際には架橋成分を含有さ
せることが難しく、より高性能に耐オフセツト性及び巻
き付き性を向上させるためには、高分子量重合体の分子
量を大きくするか比率を増す必要がある。この方向は粉
砕性を著しく低下させる方法であり、実用上満足するも
のは得られにくい。さらに低分子量重合体と架橋した重
合体とをブレンドしたトナーに関し、例えば特開昭58−
86558号公報に低分子量重合体と不溶融性高分子量重合
体を主要樹脂成分とするトナーが提案されている。その
方法に従えば定着性及び粉砕性の改良は行われる傾向に
あるが、低分子量重合体の重量平均分子量/数平均分子
量(Mw/Mn)が3.5以下と小さいこと及び不溶不融性高分
子量重合体の含有量が40〜90wt%と多量であることによ
り、耐オフセツト性と粉砕性を供に高性能で満足するこ
とが難かしく、実際上はオフセツト防止用液体の供給装
置をもつ定着器用でなければ定着性(特に高速定着),
耐オフセツト性,耐巻き付き性,粉砕性を充分満足する
トナーを生成することは極めて困難である。
さらに、不溶不融性高分子重量合体が多くなると、ト
ナー作成時の熱混練の溶融粘度が非常に高くなるため通
常よりはるかに高温で熱混練するか、あるいは高いシエ
アで熱混練しなければならず、その結果前者は他の添加
剤の熱分解によるトナー特性の低下、後者はバインダー
樹脂の分子の過度な切断が起こり、当初の耐オフセツト
性能が出にくいという問題を有している。
また特開昭60−166958号公報に、数平均分子量(Mn)
500〜1,500である低分子量のポリα−メチルスチレンの
存在下で重合して得られる樹脂組成分からなるトナーが
提案されている。
特に該公報では、数平均分子量(Mn)が9,000〜30,00
0の範囲が好ましいとあるが、耐オフセツト性をより向
上させるためMnを大きくしていくと定着性及びトナー製
造時の粉砕性が実用上問題となり、故に高性能に耐オフ
セツト性と耐巻き付き性と粉砕性を満足することは難し
い。
このようにトナー製造時における粉砕性の悪いトナー
は、トナー製造時の生産効率が低下する。
また特開昭56−16144号公報にGPCによる分子量分布に
おいて、分子量103〜8×104及び分子量105〜2×106
それぞれの領域に少なくとも1つの極大値をもつ結着樹
脂成分を含有するトナーが提案されている。この場合、
粉砕性,耐オフセツト性,定着性,感光体へのフイルミ
ングや融着,画像性などすぐれているが、さらに高速化
にともないトナーにおける耐オフセツト性,耐巻き付き
性及び定着性の向上が要望されている。特に定着性をよ
り向上させて他の種々の性能を保つか、あるいは向上さ
せつつ今日の厳しい要求、すなわち、より高速化の要求
に対応するのは該樹脂ではむずかしい。
このように定着に関わる性能と粉砕性を供に高性能で
実現することは極めて困難である。特にトナー製造時に
おける粉砕性は、複写画像の高品位化,高解像化,高細
線再現性の要望によりトナーの粒径をより小さくしてい
く今日の方向に重要な因子であり、また粉砕工程をひじ
ょうに大きなエネルギーを要するため粉砕性の向上は省
エネルギーの面からも重要である。
また粉砕装置内壁へのトナーの融着現象も定着性能の
良いトナーに発生しやすく、そのため粉砕効率を悪くす
る。さらに別な側面として他の複写工程において、転写
後の感光体上に残ったトナーをクリーニングする工程が
ある。今日、装置の小型化,軽量化,信頼性の面からブ
レードによるクリーニング(ブレードクリーニング)が
一般的になっている。感光体の高寿命化と感光体ドラム
などの小径化及びシステムの高速化に供い、トナーに要
求される感光体に対する耐融着,耐フイルミング性など
が厳しくなっている。特に最近実用化されてきたアモル
フアスシリコン感光体は非常に高耐久性であり、またOP
C(有機感光体)も寿命が延びてきており、そのためト
ナーに要求される諸性能はより高度になってきた。特に
このような融着,フイルミングなどの現象は高速化にと
もない、急激に悪化し高速化の1つの課題となってい
る。
このような問題を解消する方法として、特開昭48−47
345号公報,特開昭60−32060号公報などで、トナーに種
々の物質を添加することが提案されているが、実用上高
速機では不充分で、本質的なトナーバインダーの改良が
必要である。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決したトナー
を提供するものである。
以下に本発明の目的を列挙する。
本発明の目的は、高速システムにおいてブレードを用
いたクリーニング方式に適したトナーを提供することに
ある。
本発明の目的は、高速システムにおいて低い温度で定
着し得、且つ耐オフセツト性,耐巻き付き性のすぐれた
トナーを提供することにある。
本発明の目的は、低い温度で定着し、感光体への融
着,フイルミングが高速システムにおいても、また長期
間の使用でも発生しないトナーを提供することにある。
本発明の目的は、低い温度で定着し且つ耐ブロツキン
グ性がすぐれるトナーを提供することにある。
本発明の目的は、低い温度で定着し且つトナーの製造
時における粉砕工程での装置の内壁へ粉砕物が融着しな
いため、効率よく連続で生産できるトナーを提供するこ
とにある。
本発明の目的は、耐オフセツト性,耐巻き付き性がす
ぐれ且つ粉砕性がすぐれているため、生産効率が良いト
ナーを提供することにある。
本発明の目的は、耐オフセツト性,耐巻き付き性がす
ぐれ、トナーの熱混練工程で変質,劣化しないトナーを
提供することにある。
〔発明の構成および構成の説明〕
すなわち、本発明の目的は、トナー中のバインダー樹
脂のTHF不溶分が61〜86wt%(バインダー樹脂を基準)
であり、THF可溶分のGPCによる分子量分布において、重
量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)≧3.5であり、分
子量1,000〜10,000の領域に少なくとも1つのピークを
有し、15,000〜100,000の領域にはピークまたは肩を持
たず、分子量10,000以下の成分の含有量がバインダー樹
脂を基準にして1〜39wt%含有されており、分子量1万
以下の成分のガラス転移点(Tg1)とトナーのガラス転
移点(Tgt)との差(Tg1−Tgt)が0℃以上であること
を特徴とする静電荷像現像用トナーを提供することにあ
る。
本発明について以下の詳細に説明する。
本発明者らは、前記のような目的を同時に達成するた
めに種々のバインダー樹脂を用い、その構成と性能につ
いて鋭意検討した。
特に、より高速機、すなわち100V電源においてA4 50
枚以上、さらには70枚以上を通紙できるシステムにおい
ては、通常考えられる必要性能以外に耐巻きつき性,耐
オフセツト性が急激にきびしくなり、実用上ある程度使
用できるものはあるものの、さらなる改良が必要であ
る。
種々の定着システムにおいて、実用上充分使用できる
トナーのバインダー構成がTHF不溶分10〜60wt%,THF可
溶分の分子量分布において、2,000〜10,000に少なくと
も1つのピーク、且つ15,000〜100,000にピーク又は肩
を少なくとも1つ有するものに見いだした。これは、定
着性,耐オフセツト性,粉砕性,耐ブロツキング性など
実用上必要な性能を総合的に満足するものである。しか
しながら、さらなる高速システムにおいてはこの構成で
も実用上は使用できるものの、さらなる改良が必要であ
る。
本発明者らは、よりきびしくなる巻き付き性,オフセ
ツト性をかんがみ、THF不溶分61wt%〜86wt%において
生じる問題点がある定着性の低下と熱混練時の分子切断
による性能の低下がTHF可溶分の分子量分布を1,000〜1
0,000に少なくとも1つのピークを有し、15,000〜100,0
00にはピークを有しないことで解決できることを見出し
た。すなわち、THF不溶分が61〜86wt%のとき15,000〜1
00,000にピークもしくは肩を有すると、定着性が低下す
るだけでなくトナー全体の粘度が高くなりすぎ、熱混練
でジエアがかかりすぎて必要以上に分子切断を起し、性
能の低下をまねくのである。
しかしながら、同時にTHF可溶分のMw/Mnは、3.5以上
が必要で、3.5未満では耐オフセット性が低下する。好
ましくは、Mw/Mn≧5である。また、同時に、10,000以
下の成分がトナーバインダー樹脂全体の1〜39wt%が必
要で、1wt%未満では定着性,粉砕性が悪く、39wt%を
越えるとオフセット性が低下する。さらに、好ましくは
10,000以下の成分のガラス転移点Tg1とトナーのガラス
転移点Tgtとの差(Tg1−Tgt)が0℃以上であると耐オ
フセット性及び耐ブロッキング性が向上する。
また、THF不溶分は、後述の実施例で示す如く、好ま
しくは61〜86wt%であり、この範囲であると耐オフセッ
ト性,耐巻き付き性及び定着性が向上する。また、THF
可溶分のピークが1,000以下にあり、1,000〜10,000にピ
ークがないとき、耐オフセツト性,耐ブロツキング性,
耐巻き付き性が低下する。また、10,000以下にピークが
なく,15,000〜100,000にピークのある時は定着性が低下
する。
また、THF不溶分は多くなるほど粉砕性が良くなる傾
向で、これは衝撃に対してエネルギーを吸収する部分が
減少し、粉砕されやすくするためと考えられる。
ここでいうTg1とは次の方法により測定されたもので
ある。温度25℃にてTHFを毎分7mlの流速にて流し、樹脂
組成物中のTHF可溶成分の濃度約3mg/mlのTHF試料溶液を
3ml程度分子量分布測定装置に注入し、分子量1万以下
の成分を分取する。分取の後、溶媒を減圧留去し、さら
に90℃雰囲気中減圧で24時間乾燥する。分子量1万以下
の成分が20mg程度得られるまで上記操作を行い、50℃で
48時間のアニーリングを行い、この後に示差走査熱量測
定法によりTgを測定し、この値をTg1とする。
分取用カラムとしては、TSKgel G2000H,TSKgel G2500
H,TSKgel G3000H,TSKgel G4000H(供に東洋曹達工業
(株)等が用いられる。
本発明ではTSKgel G2000HとTSKgel G3000Hを組み合せ
て用いた。
また、樹脂のTgであるTgtは樹脂を50℃、48時間アニ
ーリングし、その後示差走査熱量測定法により求める。
本発明でのTHF不溶分とは、トナー中の樹脂組成物中
のTHF溶媒に対して不溶性となったポリマー成分(実質
的に架橋ポリマー)の重量割合を示し、架橋成分を含む
樹脂組成物の架橋の程度を示すパラメーターとして使う
ことができる。THF不溶分とは、以下のように測定され
た値をもって定義する。
すなわち、トナーサンプル0.5〜1.0gを秤量し(W
1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に入れてソ
ツクスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF100〜200mlを
用いて6時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶成分
をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥し、THF
可溶樹脂成分量を秤量する(W2g)。トナー中の磁性体
あるいは顔料の如き樹脂成分以外の成分の重量を(W
3g)とする。THF不溶分は、下記式から求められる。
本発明において、GPC(ゲルパーミエーシヨンクロマ
トグラフイ)によるクロマトグラムのピークの分子量は
次の条件で測定される。
すなわち、40℃のヒートチヤンバー中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHF(テ
トラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度
として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を
50〜200μ注入して測定する。試料の分子量測定にあ
たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリ
スチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカ
ウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポ
リスチレン試料としては、例えばPressure Chemical C
o.製或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102,2.1
×103,4×103,1.75×104,5.1×104,1.1×105,3.9×105,
8.6×105,2×106,4.48×106のものを用い、少なくとも1
0点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当であ
る。また検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
なお、カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を
適確に測定するために、市販のポリスナレンゲルカラム
を複数組合せるのが良く、例えばWater社製のμ−styra
gel 500,103,104,105の組み合わせや、昭和電工社製のs
hodexKF−80Mや、KF−802,803,804,805の組合せ、ある
いは東洋曹達製のTSKgel G1000H,G2000H,G2500H,G3000
H,G4000H,G5000H,G6000H,G7000H,GMHの組合せが好まし
い。
本発明の分子量10,000以下のバインダー樹脂に対する
重量%はGPCによるクロマトグラムの分子量10,000以下
を切りぬき、分子量10,000以上の切りぬきとの重量比を
計算し、前記のTHF不溶分の重量%を使い、全体のバイ
ンダー樹脂に対する重量%を算出する。
本発明のトナーにおける樹脂組成物は、スチレン類、
アクリル酸類、メタクリル酸類及びその誘導体から選ば
れる1種以上のモノマーを重合して得られるものが現像
特性及び帯電特性等から好ましい。使用できるモノマー
の例としては、スチレン類としてスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどがあげ
られる。アクリル酸類、メタクリル酸類及びその誘導体
としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸n−テトラデシル、アクリル酸n−ヘキサデシ
ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチル
アミノエチルなどのアクリル酸エステル類があげられ、
同様にメタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、
メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドテシル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸フエニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸ステアリルなどのメタクリル酸エステル類があげら
れる。前述のモノマー以外に、本発明の目的を達成しう
る範囲で少量の他のモノマー、例えばアクリロニトリ
ル、2−ビリルピリジン、4−ビチルピリジン、ビニル
カルバゾール、ビニルメチルエーテル、ブタジエン、イ
ソプレン、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モ
ノエステル類、マレイン酸ジエステル類、酢酸ビニルな
どが用いられても良い。
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、2官能
の架橋剤として、ジビニルベンセン、ビス(4アクリロ
キシポリエトキシフエニル)プロパン、エチレングリコ
ールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアク
リレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−
ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエ
チレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200,
#400,#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコ
ールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアク
リレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日
本化薬)、ビスフエノール型ジアクリレート及び以上の
アクリレートをメタクリレートにかえたものが挙げられ
る。
多官能の架橋剤としてペンタエリスリトールトリアク
リレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロ
ールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリ
レート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタ
クリロキシ,ポリエトキシフエニル)プロパン、ジアリ
ルフタレート、トリアルシアヌレート、トリアリルアソ
シアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリ
ルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等があげ
られる。
本発明に係るバインダー樹脂の合成方法は、基本的に
2種以上の重合体を合成する方法が好ましい。
すなわち、THFに可溶で且つ重合モノマーに可溶な第
1の重合体を重合モノマー中に溶解し、モノマーを重合
して樹脂組成物を得る方法である。この場合、前者と後
者の重合体が均一に混合している組成物が形成される。
THFに可溶な第1の重合体は、溶液重合もしくはイオ
ン重合などが好ましく、THFに不溶な成分を生成するた
めの第2の重合体は、第1の重合体を溶解している条件
下で架橋性モノマー存在下で懸濁重合もしくは塊上重合
で合成することが好ましい。第1の重合体は第2の重合
体を生成するための重合性単量体100重量部に対して10
〜120(好ましくは20〜100重量部)重量部使用するのが
好ましい。
また、トナーのTHF可溶分のGPCにおいて、分子量30万
以上(好ましくは50万以上)に明確なピークを有するも
のがより耐オフセツト性及び耐巻き付き性の改良という
点で好ましい。
本発明のトナーに使用する荷電制御剤としては、従来
公知の正あるいは負の荷電制御剤が用いられる。今日、
当該技術分野で知られている荷電制御剤としては以下の
ものがあげられる。
(1)トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質
がある。
ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン
系染料(特公昭42−1627号)、塩基性染料(例えば、C.
I.Basic Yellow 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yellow
3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9
(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.
I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10
(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、
C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3
(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.
Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.5
2015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic
Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.4402
5)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Gre
en 4(C.I.42000)など、これらの塩基性染料のレーキ
顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸,りん
モリブデン酸,りんタングステンモリブデン酸,タンニ
ン酸、ラウリン酸,没食子酸,フエリシアン化物,フエ
ロシアン化物など)、C.I.Sovent Black 3(C.I.2615
0)、ハンザイエローG(C.I.11680)、C.I.Mordlant B
lack 11、C.I.Pigment Black 1等。
または、例えばベンゾルメチル−ヘキサデシルアンモ
ニウムクロライド、デシル−トリメチルアンモニウムク
ロライド、あるいはジブチル,ジオクチルなどのジアル
キルチン化合物、高級脂肪酸の金属塩、ガラス、雲母、
酸化亜鉛等の無機微粉末、EDTA、アセチルアセトンの金
属錯体等、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミ
ノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂。特
に分散性などの面から、ニグロシン、高級樹脂酸の金属
塩、アミノ基を有するビニル系ポリマーなどが好まし
い。
(2)トナーを負荷電性を制御するものとして下記物質
がある。特公昭41−20153号公報、同42−27596号公報、
同44−6397号公報、同45−26478号公報など記載されて
いるモノアゾ染料の金属錯塩が挙げられる。
特開昭50−133338号公報に記載されているニトロフミ
ン酸及びその塩あるいはC.I.14645などの染顔料、特公
昭55−42752号公報、特公昭58−41508号公報、特公昭58
−7384号公報、特公昭59−7384号公報などに記載されて
いるサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸のZn,Al,
Co,Cr,Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニ
ン顔料、ニトロ基、ハロゲンを導入したスチレンオリゴ
マー、塩素化パラフイン等。特に分散性の面などから、
モノアゾ染料の金属錯塩、サリチル酸、アルキルサリチ
ル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属錯体が好まし
い。
本発明のトナーは、必要に応じて添加剤を混合した場
合にもよい結果が得られる。添加剤としては、例えばテ
フロン,ステアリン酸亜鉛,ポリ弗化ビニリデンの如き
滑剤、中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい。あるいは
酸化セリウム,炭化ケイ素,チタン酸ストロンチウム等
の研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。
あるいは例えばコロイダルシリカ,酸化アルミニウム等
の流動性付与剤、中でも特に疎水性コロイダルシリカが
好ましい。ケーシング防止剤、あるいは例えばカーボン
ブラック,酸化亜鉛,酸化アンチモン,酸化スズ等の導
電性付与剤、あるいは低分子量ポリエチレン,低分子量
ポリプロピレン、各種ワツクス類などの定着助剤等また
は耐オフセツト剤がある。また、逆極性の白色微粒子及
び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもで
きる。
さらに本発明のトナーは、二成分系現像剤として用い
る場合にはキヤリヤー粉と混合して用いられる。この場
合には、トナーとキヤリアー粉との混合比はトナー濃度
として0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さら
に好ましくは3〜5重量%が望ましい。
本発明に使用しうるキヤリヤーとしては、公知のもの
がすべて使用可能であり、例えば鉄粉,フエライト粉,
ニツケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及
びこれらの表面をフツ素系樹脂またはシリコン系樹脂等
で表面処理したものなどがあげられる。
さらに本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ磁性
トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は着色
剤の役割をかねている。本発明の磁性トナー中に含まれ
る磁性材料としては、マグネタイト,ヘマタイト,フエ
ライト等の酸化鉄又は二価金属と酸化鉄との化合物;
鉄,コバルト,ニツケルのような金属あるいはこれらの
金属のアルミニウム,コバルト,銅,鉛,マグネシウ
ム,スズ,亜鉛,アンチモン,ベリリウム,ビスマス,
カドミウム,カルシウム,マンガン,セレン,チタン,
タングステン,バナジウムのような金属の合金およびそ
の混合物等が挙げられる。
これらの強磁性体は平均粒子が0.1〜2μm、好まし
くは0.1〜0.5μm程度のものが好ましく、特に球形のも
のは好ましい。トナー中に含有させる量としては樹脂成
分100重量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹
脂成分100重量部に対し40〜180重量部が良い。
さらに本発明のトナーには必要に応じて着色剤を添加
しても良い。
本発明のトナーに使用する着色剤としては、任意の適
当な顔料または染料が使用される。トナー着色剤は周知
であって、例えば顔料としてカーボンブラツク,アニリ
ンブラツク,アセチレンブラツク,ナフトールイエロ
ー,ハンザイエロー、ローダミンレーキ,アリザリンレ
ーキ,ベンガラ,フタロシアニンブリー,インダンスレ
ンブルー等がある。これは定着画像の光学濃度を維持す
るのに必要充分な量が用いられ、樹脂100重量部に対し
0.1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の添加量が良
い。また同様の目的で、さらに染料が用いられる。例え
ばアゾ系染料,アントラキノン系染料,キサンテン系染
料,メチン系染料等があり、樹脂100重量部に対し0.1〜
20重量部、好ましくは0.3〜3重量部の添加量が良い。
本発明に係る静電荷像現像用トナーを作成するには前
記本発明に係る樹脂組成物及び荷電制御剤、必要に応じ
て磁性材料及び着色剤としての顔料または染料、添加剤
等をボールミルその他の混合機により充分混合してから
加熱ロール,ニーダー,エクストルーダー等の熱混練機
を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せ
しめた中に顔料または染料を分散または溶解せしめ、冷
却固化後粉砕及び分級して平均粒径3〜20μmのトナー
を得ることが出来る。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これ
は本発明をなんら限定するものではない。なお以下の配
合における部数は重量部である。
合成例1 反応器にクメン150重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。下記混合物をクメン還流下で4時間かけて滴下し
た。
さらにクメン還流下(146℃〜156℃)で重合を完了し
クメンを除去した。得られたポリスチレンは、Mw=630
0,Mw/Mn=2.4,分子量6400の位置にメインピークを有
し、Tg=70℃であった。
上記ポリスチレン40重量部を下記単量体混合物に溶解
し、混合溶液とした。
上記混合溶液にポリビニルアルコール部分ケン化物0.
1重量部を溶解した水170重量部を加え懸濁分散液とし
た。水15重量部を入れ窒素置換した反応器に上記分散液
を添加し、反応温度70〜95℃で6時間反応させた。反応
終了後、濾別、脱水、乾燥し、ポリスチレンとスチレン
−アクリル酸n−ブチル共重合体の組成物を得た。
この組成物のTHF不溶分は65wt%であった。またTHF可
溶分の分子量分布を測定したところ0.72万にピークを有
し、Mn=0.38万、Mw=3.3万、Mw/Mn=8.7、分子量1万
以下が32wt%であった。さらに樹脂のTgは59℃であり、
GPCにより分取された1万以下の成分のガラス転移点Tg1
は67℃であった。
尚、各樹脂及び樹脂組成物の分子量に関わる特性は下
記方法で測定した。
GPC測定用カラムとしてShodex KF−80Mを用い、GPC測
定装置(ウオーターズ社製150CALC/GPC)の40℃のヒー
トチヤンバーに組み込みTHF流速1ml/min、検出器はRIの
条件下、試料(THF可溶分の濃度約0.1重量%)を200μ
注入することでGPCを測定した。分子量測定の検量線
としては分子量0.5×103、2.35×103、10.2×103、35×
103、110×103、200×103、470×103、1200×103、2700
×103、8420×103の10点の単分散ポリスチレン基準物質
(ウオーターズ社製)のTHF溶液を用いた。
合成例2 反応器に酢酸セロソルブ200重量部を入れ、還流温度
まで昇温した。これにスチレンモノマー100重量部及び
ジ−tert−ブチルパーオキサイド8重量部の混合物をク
メン還流下で4時間かけて滴下した。さらに酢酸セロソ
ルブ還流下(約150℃)で重合を完了し酢酸セルソルブ
を除去した。得られたポリスチレンはTHFに溶解し、Mw
=3900、Mw/Mn=2.75、GPCのメインピークの位置する分
子量は3700、Tg=58℃であった。
上記ポリスチレン30重量部を下記単量体混合物に溶解
し、混合溶液とした。
上記混合溶液にポリビニルアルコール部分ケン化物0.
1重量部を溶解した水170重量部を加え懸濁分散液とし
た。水15重量部を入れ窒素置換した反応器に上記分散液
を添加し、反応温度70〜95℃で6時間懸濁重合反応させ
た。反応終了後、濾別、脱水、乾燥し、ポリスチレンと
スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体の組成物を得
た。該組成物はTHF不溶分とTHF可溶分が均一に混合して
おり、且つポリスチレンとスチレン−アクリル酸n−ブ
チル共重合体が均一に混合していた。得られた樹脂組成
物のTHF不溶分(25メツシユパス、60メツシユオンの樹
脂組成物粉体を使用)は、70wt%であった。またTHF可
溶分の分子量分布を測定したところ0.45万の位置にピー
クを有し、Mn=0.30万、Mw=2.4万、Mw/Mn=8.0、分子
量1万以下が22wt%であった。さらに樹脂のTgは、60℃
であり、GPCにより分取された1万以下の成分のガラス
転移点Tg1は57℃であった。
合成例3 反応器にクメン200重量部を入れ、還流温度まで昇温
し、下記混合物をクメン還流下で4時間かけて滴下し
た。
更にクメン還流下(146℃〜156℃)で重合を完了しク
メンを除去した。得られたスチレン−α−メチルスチレ
ン共重合体はMw=4500,Mw/Mn=2.8,GPCのチヤートにお
いて分子量4400の位置にメインピークを有し、Tg=63℃
であった。
上記スチレン−α−メチルスチレン共重合体30重量部
を下記単量体混合物に溶解し、混合溶液とした。
上記混合溶液にポリビニルアルコール部分ケン化物0.
1重量部を溶解した水170重量部を加え懸濁分散液とし
た。水15重量部を入れ、窒素置換した反応器に上記分散
液を添加し、反応温度70〜95℃で6時間反応させた。反
応終了後、濾別、脱水、乾燥し、スチレン−α−メチル
スチレン共重合体とスチレン−アクリル酸2−エチルヘ
キシル共重合体の組成物を得た。
この組成物のTHF不溶分は80wt%であった。またTHF可
溶分の分子量分布を測定したところ0.5万の位置にピー
クを有し、Mn=0.29万、Mw=2.7万、Mw/Mn=9.3、分子
量1万以下が21wt%であった。さらに樹脂のTgは57℃で
あり、GPCにより分取された1万以下の成分のガラス転
移点Tg1は59℃であった。
ここで、ビスフエノール型ジアクリレートは次の構造 を有し、m+n=4を主成分とするものである。
合成例4 反応器にクメン150重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。下記混合物をクメン還流下で4時間かけて滴下し
た。
さらにクメン還流下(146〜156℃)で重合を完了しク
メンを除去した。得られたポリスチレンは、Mw=6900、
Mw/Mn=2.3、Mwピーク=7100、Tg=75℃であった。
上記ポリスチレン30重量部を下記単量体混合物に溶解
し、混合物とした。
上記混合物にポリビニルアルコール部分ケン化物0.1
重量部を溶解した水170重量部を加え懸濁分散液とし
た。水15重量部を入れ窒素置換した反応器に上記分散液
を添加し、反応温度70〜95℃で6時間反応させた。反応
終了後、濾別、脱水、乾燥し、ポリスチレンとスチレン
−アクリル酸n−ブチル共重合体の組成物を得た。
この組成物のTHF不溶分は90wt%であった。またTHF可
溶分の分子量分布を測定したところ0.8万の位置にピー
クを有し、Mn=0.70万、Mw=10.1万、Mw/Mn=14、分子
量1万以下が25wt%であった。さらに樹脂のTgは63℃で
あり、GPCにより分取された1万以下の成分のガラス転
移点Tg1は61℃であった。
比較合成例1 上記混合物にポリビニルアルコール部分ケン化物0.1
重量部を溶解した水170重量部を加え懸濁分散液とし
た。水15重量部を入れ、窒素置換した反応器に上記分散
液を添加し、反応温度70〜95℃で6時間反応させた。反
応終了後、濾別、脱水、乾燥しスチレン−アクリル酸n
−ブチル共重合体を得た。
この組成物のTHFT不溶分は27wt%であった。またTHF
可溶分の分子量分布を測定したところ1.1万に唯一のピ
ークを有し、Mn=0.60万、Mw=10.41万、Mw/Mn=17、分
子量1万以下が9wt%であり、樹脂のTgは60℃であり、G
PCにより分取された1万以下の成分のガラス転移点は45
℃であった。
比較合成例2 反応器にクメン200重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。これにスチレン100重量部及びジ−tert−ブチル
パーオキサイド8重量部の混合物をクメン還流下で4時
間かけて滴下した。さらにクメン還流下(146℃〜156
℃)で重合を完了しクメンを除去した。得られたポリス
チレンは、Mw=3700、Mw/Mn=2.64、分子量3500の位置
にメインピークを有し、Tg=57℃であった。
上記ポリスチレン30重量部を下記単量体混合物に溶解
し、混合溶液とした。
上記混合溶液にポリビニルアルコール部分ケン化物0.
1重量部を溶解した水170重量部を加え懸濁分散液とし
た。水15重量部を入れ、窒素置換した反応器に上記分散
液を添加し、反応温度70〜95℃で6時間反応させた。反
応終了後、濾別、脱水、乾燥し、ポリスチレンとスチレ
ン−アクリル酸n−ブチル共重合体の組成物を得た。
この組成物のTHF不溶分は25wt%であった。またTHF可
溶分の分子量分布を測定したところ0.4万の位置にピー
クを有し、Mn=0.63万、Mw=10万、Mw/Mn=16、分子量
1万以下が25wt%であった。さらに樹脂のTgは58℃であ
り、GPCにより分取された1万以下の成分のガラス転移
点Tg1は47℃であった。
比較合成例3 反応器にクメン200重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。これにスチレン80重量部、アクリル酸n−ブチル
20重量部及びジ−tert−ブチルパーオキサイド8重量部
の混合物をクメン還流下で4時間かけて滴下した。さら
にクメン還流下(146℃〜156℃)で重合を完了しクメン
を除去した。得られたスチレン−アクリル酸n−ブチル
共重合体は、Mw=3900、Mw/Mn=2.69、分子量3900の位
置にメインピークを有し、Tg=43℃であった。
上記スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体30重量
部を下記単量体混合物に溶解し、混合溶液とした。
上記混合溶液にポリビニルアルコール部分ケン化物0.
1重量部を溶解した水170重量部を加え懸濁分散液とし
た。水15重量部を入れ窒素置換した反応器に上記分散液
を添加し、反応温度70〜95℃で6時間反応させた。反応
終了後、濾別、脱水、乾燥し、スチレン−アクリル酸n
−ブチル共重合体とスチレン−アクリル酸n−ブチル共
重合体の組成物を得た。
この組成物のTHF不溶分は51wt%であった。またTHF可
溶分の分子量分布を測定したところ0.4万にピークを有
し、Mn=0.33万、Mw=2.9万、Mw/Mn=8.8、分子量1万
以下が22wt%であった。さらに樹脂のTgは59℃であり、
GPCにより分取された1万以下の成分のガラス転移点Tg1
は44℃であった。
比較合成例4 上記混合物にポリビニルアルコール部分ケン化物0.1
重量部を溶解した水170重量部を加え、懸濁分散液とし
た。水15重量部を入れ、窒素置換した反応器に上記分散
液を添加し、反応温度70〜95℃で6時間反応させた。反
応終了後、濾別、脱水、乾燥しスチレン−アクリル酸n
−ブチル共重合体を得た。
この組成物のTHF不溶分は78wt%であった。またTHFT
可溶分の分子量分布を測定したところ、1.6万に唯一の
ピークを有し、Mn=0.7万、Mw=11万、Mw/Mn=15.7、分
子量1万以下が16wt%であった。さらに樹脂のTgは57℃
であり、GPCにより分取された1万以下の成分のガラス
転移温度はTg1は49℃であった。
実施例1 上記材料をヘンシエルミキサーで前混合した後、150
℃に熱した2本ロールミルで20分間混練した。混練物を
放冷後、カツターミルで粗粉砕した後、ジエツト気流を
用いた微粉砕機を用いて粉砕し、さらに風力分級機を用
いて分級し、体積平均粒径11.5μmの黒色微粉体を得
た。
該黒色微粉体100重量部に対してコロイダルシリカ微
粉体0.4重量部を乾式混合し、現像剤(トナー)を得
た。
トナーの粉砕性は、単位時間当りに粉砕できるトナー
の処理量で表わすことができ、このトナーの場合、エア
ー圧5.5kg/cm2で13kg/hrであり、非常に良かった。また
粉砕機内に融着など起こらなかった。
また、ブロツキング性は、約10gのトナーを100ccのポ
リコツプに入れ、50℃で1日放置した時の凝集度の変化
で調べた。凝集度は、細川ミクロン製のパウダーテスタ
ーにより測定した。室温放置品50℃1日放置品とでは10
重量%と12重量%でほぼ同じ値を示し、差(ΔG)が2
%であることから実質的にブロツキングしていないこと
を確認した。
クリーニング性については、キヤノン製高速複写機NP
−8570(毎分70枚,100V)改造機を用いて調べた。特に
スピードアツプし毎分80枚とした。
特にオフセツト性は、定着ローラのクリーニング機構
を取りはずし、何枚の複写で画像が汚れるかあるいはロ
ーラが汚れるかということを耐複写枚数で評価した。巻
き付き性は全面黒画像を出し、その時のジヤム性あるい
は画像上のツメ跡の程度で見た。
定着性は、画像をシルボンC紙で往復10回約100g荷重
でこすり、画像のはがれを反射濃度で評価した。評価画
像は連続5000枚目で見た。
また、画像面積率約5%の画像を用いて約50,000枚の
耐久テストを行ったが、画像は良好であり、感光体など
への融着,フイルミングなどもなかった。
改造の内容は感光体への融着,フイルミング等の促進
試験のため、クリーニングブレードの線圧を7/5倍と
し、かつ、磁気ブラシ,クリーニングローラの線速を感
光体線速に対して従来の3/2倍とした。
実施例2,3及び比較例1〜5 実施例1の樹脂組成物のかわりに、合成例3及び4の
樹脂組成物を使用して実施例2及び3のトナーを調製
し、一方、合成例2の樹脂組成物及び比較合成例1〜4
で調製された樹脂組成物を用いて比較例1〜5とした。
トナーの評価は実施例1と同様に行い表1に示した。
また、実施例1〜3及び比較例1〜5で用いたトナー
の物性を表2に示した。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バインダー樹脂及び着色剤を少なくとも有
    する静電荷像現像用トナーにおいて、バインダー樹脂の
    THF不溶分が、61〜86重量%(バインダー樹脂基準)含
    有されており、バインダー樹脂のTHF可溶分のGPCによる
    分子量分布において重量平均分子量/数平均分子量(Mw
    /Mn)が3.5以上であり、分子量1×103〜1×104の領域
    にピークを少なくとも1つ有し、分子量15,000〜100,00
    0の領域にはピークもしくは肩を持たず、かつ分子量1
    万以下の成分がバインダー樹脂に1〜39重量%含有され
    ており、分子量1万以下の成分のガラス転移点(Tg1
    とトナーのガラス転移点(Tgt)との差(Tg1−Tgt)が
    0℃以上であることに特徴を有する静電荷像現像用トナ
    ー。
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