JP2742913B2 - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

垂直磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2742913B2
JP2742913B2 JP62173451A JP17345187A JP2742913B2 JP 2742913 B2 JP2742913 B2 JP 2742913B2 JP 62173451 A JP62173451 A JP 62173451A JP 17345187 A JP17345187 A JP 17345187A JP 2742913 B2 JP2742913 B2 JP 2742913B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
perpendicular magnetic
magnetic recording
base film
polyimide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62173451A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6417219A (en
Inventor
広作 永野
仁志 野尻
幸治 斎木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP62173451A priority Critical patent/JP2742913B2/ja
Publication of JPS6417219A publication Critical patent/JPS6417219A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2742913B2 publication Critical patent/JP2742913B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、ポリイミドフィルムを基板とし、高密度記
録の可能な垂直磁気記録媒体に関する。更に詳しくは、
特にフレキシブルディスクに好適な垂直磁気記録媒体に
関する。 「従来の技術」 極めて密度の高い磁気記録の可能な方式として垂直磁
気記録方式が提案されて以来、多くの精力的な研究が行
われている。とりわけ、下地に軟磁性層を設け、垂直ヘ
ッドを用いた方式は、特に高密度記録が可能であり、現
在までに100KFRPI(Flux Reversal Per Inch)程度の記
録が可能になっている。この値は、従来の塗布型の記録
媒体が10KFRPI程度の記録密度で使用されていることを
考えれば、10倍もの記録密度であり、極めて高密度記録
になっているが、更に密度の高い記録の実現が切望され
ていた。 「発明が解決しようとする問題点」 著者岩崎俊一他、日本応用磁気学会誌第10巻、2号、
105〜108頁(1986)に記載されているように、垂直磁気
記録の高密度記録化においては、ヘッドと媒体が極めて
密着している必要があり、例えば70KFRPIでは、ヘッド
と媒体のスペーシングが0.05ミクロンまで広がると、再
生出力が低密度領域での出力の約半分になることが報告
されている。従って、100KFRPI以上の記録を行おうとす
れば、極めて微小なスペーシングが要求され、例えば0.
02ミクロン以下というスペーシングが要求されることに
なる。このような微小なスペーシングは媒体のしなやか
さの不足と媒体表面の凹凸のため、これまで実現されて
おらず、従って100KFRPI以上という高い密度の記録は未
だ達成されていない。また一方、媒体にしなやかさを付
与する目的で媒体のベースフィルムとして柔らかいもの
を用いると、従来の技術では、必然的にこのベースフィ
ルムは蒸着層の金属に較べ、その線膨張係数は非常に大
きなものとなり、この結果、生成する媒体は大きなカー
ル(反り)を示し、実用上大きな阻害となる他、加熱下
での歪みが生じ、この結果媒体表面のフラット性が悪く
なり、このため、微小なスペーシングが実現できなかっ
た。 「問題点を解決するための手段」 本発明はかかる実情に鑑み、上記問題点を解決する垂
直磁気記録媒体を提供するものである。 即ち、本発明は一般式 (Rは水素原子、水酸基、メチル基及びメトキシ基から
選ばれる1種又は2種以上の基、n=1,2又は3)で表
される反復単位を含有するポリイミド共重合体よりな
り、引張弾性率が250kg/mm2〜600kg/mm2、破断時の伸度
が30%以上で、且つ線膨張係数が2.0×10-5/℃以下のポ
リイミドフィルムの片側または両側に磁性層を設けた垂
直磁気記録媒体を内容とするものである。 先ず、本発明の媒体のベースフィルムとして用いるポ
リイミドフィルムについて説明する。ポリイミドフィル
ムは、ポリエステルフィルム等の他のプラスチックに較
べ、特に耐熱性に優れているので、スパッタ法、蒸着法
等で媒体を製膜する場合に好適であることが知られてい
る。特にCo−Cr合金のように基板ホルダー側から加熱し
て、必要な保磁力を得ようとする場合、特に耐熱性が高
いことが望ましく、300℃以下にガラス転移温度や熱軟
化点を持たないポリイミドフィルムが特に好適である。
しかし乍ら、従来知られている一般のポリイミドフィル
ムでは、耐熱性は充分であるが、スペーシングが充分に
小さくならず、また反りやカールの問題を解決すること
ができず、従って100KFPRI以上の高密度記録媒体は実現
されていない。本発明者等はこのスペーシングを改良
し、同時に実用上の反りや、カールの問題を克服せんと
して、ポリイミドフィルムの物性に着目し、鋭意研究の
結果、本発明に到達した。 スペーシングを決定するのは、媒体のしなやかさとフ
ラット性である。先ず媒体のしなやかさについては、一
般に硬すぎる媒体においてはヘッドの媒体への均一な接
触が実現できず、安定した出力は得られない。一方、柔
らかすぎると、当然のことながらディスクを安定に回転
させることが難しくなる。最適なるしなやかさ及び柔ら
かさに関して、本発明者らは鋭意検討の結果、ベースフ
ィルムの引張弾性率及び破断時の伸度に最適値が存在す
ることを見出した。本発明者らの検討によれば、ベース
フィルムの引張弾性率が250kg/mm2〜600kg/mm2、好まし
くは300kg/mm2〜400kg/mm2程度で、破断時の伸度が30%
以上の場合に、高密度における大きな出力が得られる。 次に、媒体のフラット性について述べる。媒体のフラ
ット性を大きく阻害する要因はベースフィルムと磁性層
金属の線膨張係数の差によるものである。即ち、ベース
フィルムの線膨張係数が磁性層金属に較べて大きいこと
により、前述の如き高温加熱処理されるような工程を経
ると、バイメタル効果により、媒体に反りやカールが発
生し、実用上問題となるのみならず、媒体表面に微小な
凹凸を形成する。こうして形成された媒体表面の凹凸は
媒体の寸法精度を低下させるとともに、更に重要なこと
は、前述の極めて微小なスペーシングの実現を妨げる大
きな要因となることである。それゆえ、ベースフィルム
の線膨張係数は2.0×10-5/℃以下であることが必要であ
る。 さて、これまで述べてきたように本発明を構成する要
件として、使用されるベースフィルムの特性が非常に重
要である。即ち、引張弾性率が250kg/mm2〜600kg/mm2
好ましくは300kg/mm2〜400kg/mm2程度、破断時の伸度が
30%以上であり、且つ線膨張係数が2.0×10-5/℃以下の
ベースフィルムを用いることが必要である。 そこで、上記の要件を満足するポリイミドフィルムに
ついて詳しく説明する。先ず、このポリイミドフィルム
の化学的構成は、一般式 (Rは水素原子、水酸基、メチル基及びメトキシ基から
選ばれる1種又は2種以上の基、n=1,2又は3)で表
されるポリイミド組成物で構成される。 一般式(B)における としては 等の基の1種或いは2種以上を導入することが特に有
効であり、とりわけ 基を導入することが最も効果的である。更には各種の有
機物添加剤或いは無機のフィラー類或いは各種の強化剤
等を複合強化することにより、効果を増幅させることも
可能である。 また、一般式(A)及び(B)で表される反復単位の
モル比は(A)/(B)が20/80〜99/1の範囲にあるこ
とが好ましく、更に好ましくは50/50〜99/1の範囲であ
ることが本発明の効果を得るために望ましい。 次に、このポリイミドベースフィルムの製造方法につ
いて詳説する。このベースフィルムはこれまで述べてき
たように、主として芳香族ポリイミド組成物よりなる有
機絶縁フィルムであり、この芳香族ポリイミド組成物よ
りなるベースフィルムは、その前駆体であるポリアミド
酸溶液組成物より得られる。このポリアミド酸溶液組成
物は公知の方法で製造することもできるが、本発明の効
果を更に高めるための製造方法としては、 (1)無水ピロメリット酸(a)と、これに対し過少モ
ル量の芳香族ジアミン化合物(b)とを有機極性溶媒中
にて反応させ、分子両末端に酸無水物基を有するプレポ
リマーを得る。続いて、ここに芳香族ジアミン化合物
(c)を、全量の芳香族ジアミン成分〔(b)+
(c)〕が無水ピロメリット酸(a)と実質的に等モル
となるように添加反応する共重合体による方法。 (2)無水ピロメリット酸(a)と、これに対し過剰モ
ル量の芳香族ジアミン化合物(b)とを有機極性溶媒中
にて反応させ、分子両末端にアミノ基を有するプレポリ
マーを得る。続いて、ここに芳香族ジアミン化合物
(c)を追加反応後、全量のジアミン成分〔(b)+
(c)〕と実質的に等モルになるように不足分の無水ピ
ロメリット酸(a)を添加反応する共重合法による方
法。 (3)芳香族ジアミン化合物(b)及び(c)の混合物
を有機極性溶媒中に溶解し、この総量〔(b)+
(c)〕と実質的に等モル量となる無水ピロメリット酸
(a)とを反応させる共重合法による方法。 (4)〜(6)上記(1)〜(3)項において無水ピロ
メリット酸を芳香族ジアミンに、芳香族ジアミンを無水
ピロメリット酸に読み替えた共重合による方法。 (7)上記(1)〜(6)の方法によって得られた2種
以上のポリアミド酸溶液を混合して製造する方法。 等の方法が本発明の効果を発現させるのに有効である
が、特に(1)の方法を用いると、更に大きな効果が得
られる。 次に、上記のポリアミド酸溶液組成物を得るために用
いられる芳香族ジアミン成分としては、4,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテルと、一般式 で表される芳香族ジアミン化合物を前述の成分(b)
及び(c)として用いる。 一般式 で示される芳香族ジアミン化合物としては、パラフェ
ニレンジアミン、3,3′−ジメトキシ4,4′−ジアミノビ
フェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニ
ル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,
4″−ジアミノ−パラターフェニル等を挙げることがで
きる。更には、その他の芳香族ジアミン化合物、例え
ば、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3′−ジ
アミノジフェニルスルフォン、ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕スルフォン、ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル〕スルフォン、ビス〔4−
(2−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフォン、1,4
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−
アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ
フェニル)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕エーテル、4,4′−ジアミノジフェニル
メタン、ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)メタ
ン、ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)メタン、
ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)メタン、ビス
(3−クロロ−4−アミノフェニル)メタン、3,3′−
ジアミノジフェニルスルフォン、4,4′−ジアミノジフ
ェニルスルフォン、2,2′,5,5′−テトラクロロ−4,4′
−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノジフェニルス
ルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′
−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−オ
クタフルオロビフェニル、2,4−ジアミノトルエン、メ
タフェニレンジアミン、2,2′−ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス〔4−アミノフェニル)プロパン、
2,2′−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−アミ
ノフェニル)−10−ヒドロ−アントラセン、オルトトリ
ジンスルフォン等や、更には3,3′,4,4′−ビフェニル
テトラミン、3,3′,4,4′−テトラアミノジフェニルエ
ーテル等の多価アミン化合物の一部使用も可能である。 ここで該ポリアミド酸組成物の生成反応に使用される
有機極性溶媒としては、例えばジメチルスルフォキシ
ド、ジエチルスルフォキシド等のスルフォキシド系溶
媒、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジエチルフォ
ルムアミド等のフォルムアミド系溶媒、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセト
アミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニ
ル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒、フェノー
ル、o−,m−、又はp−クレゾール、キシレノール、ハ
ロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール系溶
媒、或いはヘキサメチルフォスフォルアミド、γ−ブチ
ロラクタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等
を挙げることができ、これらを単独又は混合物として用
いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのよう
な芳香族炭化水素の混合使用も可能である。また、この
ポリアミド酸組成物は各々前記の有機溶媒中に5〜40重
量%、好ましくは10〜30重量%溶解されているのが取り
扱いの面からも望ましい。 次いで、この芳香族ポリアミド酸溶液組成物から本発
明のベースフィルムである、主として芳香族ポリイミド
組成物からなるベースフィルムを製造する方法について
は、従来公知のあらゆる方法を用いることができる。即
ち、i)熱的にポリイミドに転化する、ii)脱水剤及び
触媒を用いて化学的にポリイミドに転化する方法、のい
づれかが採用される。ここで言う脱水剤としては、例え
ば無水酢酸等の脂肪族酸無水物、フタル酸無水物等の芳
香族酸無水物等が挙げられる。また触媒としては、例え
ば、トリエチルアミン等の脂肪族第3級アミン類、N,N
−ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジ
ン、ピコリン、イソキノリン、キノリン等の複素環式第
3級アミン類等が挙げられる。 こうして得られたポリイミド組成物よりなるベースフ
ィルムは、引張弾性率が250kg/mm2〜600kg/mm2、線膨張
係数が2.0×10-5/℃以下で且つ、破断時の伸度が30%以
上のものである。 尚、ベースフィルムの膜厚としては、通常25ミクロン
乃至75ミクロンのものが使用される。本発明においても
この範囲である限り特に問題はない。 次に、前記ベースフィルムの片側又は両側に設けられ
る磁性層について説明する。 垂直磁気記録媒体としては、垂直異方性膜の単層膜又
は下地として軟磁性層を敷いた2層膜の両者が検討され
ている。多くの場合、前者においては狭ギャップ高感度
のリングヘッドが、後者の場合には補助磁極励磁型、主
磁極励磁型の垂直ヘッドが使用される。後者の方式にお
いて極めて高密度記録が可能になるので、ここでは2層
膜媒体について述べる。 下地の軟磁性層としては、初透磁率が大きいこと、異
方性が小さいこと等の性質を持っている必要がある。た
だ、垂直磁気異方性膜としてCo−Crのように結晶性の材
料を使用する場合には、下地の影響を受けるので結晶の
配向についても考慮する必要がある。パーマロイ系材料
とCo系又はFe系非晶質が検討されている。パーマロイと
しては、Cu,Mo,Nb等添加したものも使用される。非晶質
材料としては、Co−Zr−Nb合金に代表される材料であ
る。製膜はスパッタリング、蒸着等で行うことができ
る。多成分系材料の場合にはスパッタリングの方が容易
である。一般的にスパッタリングガス圧が低い方が結晶
配向的にも抗磁力的にも好ましい。 軟磁性層の厚みは、前述の如く軟磁性層の飽和磁化の
大きさにより異なるが、0.5ミクロン前後が普通であ
る。 垂直磁気異方性膜についてはCo−Crを代表とするCo系
合金、バリウムフェライト等が知られているが、Co−Cr
が垂直異方性が大きいこと、飽和磁化、保磁力が大幅に
替えることができる等の理由で最も多く研究されてい
る。飽和磁化はCr濃度により、保磁力はスパッタリング
時基板温度により、垂直異方性は結晶の配向性により制
御される。Co−Crもスパッタリング法、蒸着法により容
易に製膜される。 磁性層の全厚みは0.1〜2ミクロンが好ましい。磁性
層の厚みが0.1ミクロン未満程度になると、記録再生感
度が低くなるので好ましくない。磁性層を2ミクロン程
度を越える厚みにすることは、磁気記録媒体としての特
性上無意味であるばかりでなく、不経済であり、好まし
くない。代表的媒体例としては、パーマロイの飽和磁化
600emu/cc、膜厚0.5ミクロン、Co−Crの飽和磁化550emu
/cc、膜厚0.1ミクロン、磁性層のトータル厚み0.6ミク
ロン程度である。 「実施例」 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。ま
た実施例中で、ODAは4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ルを、p−PDAはパラフェニレンジアミンを、PMDAは無
水ピロメリット酸を、BPDAは3,3′,4,4′−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物を、DMAcはジメチルアセトア
ミドを指す。 比較例1 DMAc中でODAとPMDAを重合し、15.0重量%のポリアミ
ド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液をガラス板上に
流延塗布し、約100℃にて約60分間乾燥した後、生成し
たポリアミド酸塗膜をガラス板より引き剥し、これを支
持枠に固定した。その後、約100℃で約30分間、続いて
約200℃で約60分間、続いて約300℃で約60分間加熱し、
脱水閉環、乾燥した後、上記の支持枠より取り外し約50
ミクロンの厚みを有するポリアミドベースフィルムを得
た。このベースフィルムの線膨張係数は2.5×10-5/℃で
あり、引張弾性率は280kg/mm2、破断時の伸度は55%で
あった。 次に、このフィルムをスパッタ中にもフィルムのダレ
が起こらない程度までテンションをかけて高周波スパッ
タ機の基板ホルダーへ張り付けた。先ず軟磁性層として
パーマロイを堆積した。ターゲットは直径30cmのCu5at.
%,Mo4at.%,Fe14at.%,のパーマロイを使用した。ス
パッタアップ方式である。到達真空度7×10-7Torrの状
態からアルゴンガスを導入して5mTorrとし、200Wで90分
間スパッタした。基板ホルダーは水冷した。膜厚みは約
0.5ミクロンであった。裏面にも同様の方法でパーマロ
イを堆積した。次にCo−Cr合金を堆積した。Co板上に1c
m角のCrチップを並べ、スパッタ膜でCr15at.%になるよ
うにした。アルゴンガス圧を2mTorrとして、基板温度12
0℃、400Wで20分間スパッタした膜厚みは約0.15ミクロ
ンであった。裏面にも同様の方法でCo−Cr合金を堆積し
た。 得られた媒体の磁気特性は、軟磁気特性に関しては、
飽和磁化約650emu/cc、トラック方向の初透磁率80−120
0、保磁力約0.5−1エルステッド、Co−Cr層に関しては
飽和磁化550emu/cc、垂直抗磁力500−600エルステッ
ド、垂直異方性磁界3.4−3.6kOeであった。 得られたシートから直径5インチのフレキシブルディ
スクを切り出し、記録再生特性を調べた。ヘッドは主磁
極励磁型垂直ヘッドを使用した。ヘッドの曲率半径50m
m、膜厚み0.3ミクロン、トラック幅100ミクロン、コイ
ル巻数50ターンである。トラック走行速度2m/sで同一ヘ
ッドを使用して再生した。記録電流は10mAであった。ヘ
ッド膜厚に基づく損失のため、周期的に出力を失うが、
この損失を無視して包絡線を引き、低密度領域での出力
の半分となる記録密度をD50と定義した。このときのD50
の値は140KFRPIであった。 比較例2 DMAc中でp−PDAとBPDAを重合し、15.0重量%のポリ
アミド酸溶液を得た。以下比較例1と同様の操作によ
り、約50ミクロン厚みを有するポリイミドベースフィル
ムを得た。このベースフィルムの線膨張係数は1.7×10
-5/℃であり、引張弾性率は700kg/mm2で破断時の伸度は
15%であった。 次に、このベースフィルムに比較例1と同様の操作を
施し、D50を求めた結果、その値は170KFRPIであった。 実施例 DMAc中でODAとp−PDAをモル比67/33の割合で用い、
これとPMDAとを重合し、15重量%のポリアミド酸共重合
体溶液を得た。以下比較例1と同様の操作により、約50
ミクロン厚みを有するポリイミドベースフィルムを得
た。このベースフィルムの線膨張係数は1.5×10-5/℃で
あり、引張弾性率は320kg/mm2で、破断時の伸度は45%
であった。 次に、このベースフィルムに比較例1と同様の操作を
施し、D50を求めた結果260KFRPIであった。 以上の比較例1,2及び実施例の結果を第1表にまとめ
た。 「作用・効果」 本発明による、特定の構造を有し、引張弾性率が250k
g/mm2〜600kg/mm2、破断時の伸度が30%以上で、且つ線
膨張係数が2.0×10-5/℃以下のポリイミドフィルムをベ
ースフィルムとして用いることにより、100KFRPI以上の
高密度域での再生出力の高いフレキシブル垂直磁気ディ
スクの作成が可能となる。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.一般式 (Rは水素原子、水酸基、メチル基及びメトキシ基から
    選ばれる1種又は2種以上の基、n=1,2又は3)で表
    される反復単位を含有するポリイミド共重合体よりな
    り、引張弾性率が250kg/mm2〜600kg/mm2、破断時の伸度
    が30%以上で、且つ線膨張係数が2.0×10-5/℃以下のポ
    リイミドフィルムの片側または両側に磁性層を設けた垂
    直磁気記録媒体。 2.磁性層が軟磁性膜と垂直磁気異方性膜からなる特許
    請求の範囲第1項記載の垂直磁気記録媒体。 3.軟磁性膜がパーマロイ、垂直磁気異方性膜がコバル
    ト・クロム合金からなる特許請求の範囲第2項記載の垂
    直磁気記録媒体。
JP62173451A 1987-07-10 1987-07-10 垂直磁気記録媒体 Expired - Lifetime JP2742913B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62173451A JP2742913B2 (ja) 1987-07-10 1987-07-10 垂直磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62173451A JP2742913B2 (ja) 1987-07-10 1987-07-10 垂直磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6417219A JPS6417219A (en) 1989-01-20
JP2742913B2 true JP2742913B2 (ja) 1998-04-22

Family

ID=15960710

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62173451A Expired - Lifetime JP2742913B2 (ja) 1987-07-10 1987-07-10 垂直磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2742913B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2007083526A1 (ja) * 2006-01-20 2009-06-11 株式会社カネカ ポリイミドフィルムおよびその利用

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61143434A (ja) * 1984-12-15 1986-07-01 Nitto Electric Ind Co Ltd 耐湿性ポリイミド
JPS61143435A (ja) * 1984-12-15 1986-07-01 Nitto Electric Ind Co Ltd 耐湿性ポリイミド
JPH0762898B2 (ja) * 1985-01-31 1995-07-05 株式会社日立製作所 磁気記録媒体
JPS62236827A (ja) * 1986-04-09 1987-10-16 Nitto Electric Ind Co Ltd ポリイミドフイルムおよびその製法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6417219A (en) 1989-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS63108038A (ja) 芳香族ポリイミドフィルム
JPS60127523A (ja) 高密度記録媒体用ベ−スフイルム
JPH0655491B2 (ja) 芳香族ポリイミドフィルムの製造方法
JP2742913B2 (ja) 垂直磁気記録媒体
JP2615542B2 (ja) 高密度記録媒体用ベースフイルム
US4673612A (en) Magnetic recording medium
JP2722333B2 (ja) 粗面化ポリイミドフィルムの製造法
KR100561133B1 (ko) 방향족 폴리아미드 필름 및 그를 사용한 자기 기록 매체
JPS62236827A (ja) ポリイミドフイルムおよびその製法
TW202041370A (zh) 覆金屬積層板及電路基板
JPH0762898B2 (ja) 磁気記録媒体
JPS60129920A (ja) 磁気記録媒体
JP2844505B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2019104233A (ja) 金属張積層板及び回路基板
JP2007179680A (ja) 磁気記録媒体
JP2002322297A (ja) 芳香族ポリアミドフィルムおよびその製造方法
JPH08297829A (ja) 磁気記録媒体
TWI762725B (zh) 覆金屬層疊板及電路基板
JP2007177117A (ja) ポリアミドベンゾオキサゾールフィルムおよび磁気記録媒体
JPH1067851A (ja) ポリイミドフィルム
JPS6015436A (ja) 磁気記録体用ポリイミドフイルム
EP0287834A1 (en) Perpendicular magnetic recording media
JPS61296034A (ja) ポリイミドフイルム
JP2000057558A (ja) 記録媒体用ベ−スフィルム及びそれを用いた磁気記録媒体
JP2002053678A (ja) 芳香族ポリアミドフィルムおよび磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080206

Year of fee payment: 10