JPH0762898B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0762898B2
JPH0762898B2 JP1688885A JP1688885A JPH0762898B2 JP H0762898 B2 JPH0762898 B2 JP H0762898B2 JP 1688885 A JP1688885 A JP 1688885A JP 1688885 A JP1688885 A JP 1688885A JP H0762898 B2 JPH0762898 B2 JP H0762898B2
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俊一 沼田
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孝栄 池田
徳幸 金城
和悦 吉田
則和 積田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は有機高分子フイルム上にCo−Ni,Co−Cr等の強
磁性金属薄膜を形成した磁気記録媒体に係り、特にカー
ル、しわが少なく、かつ寸法安定性が極めて優れた高密
度記録に適した磁気テープ、または磁気デイスクに関す
る。
〔発明の背景〕
磁気記録の高密度化に伴い、記録媒体は従来のγ−Fe2O
3に代表される磁性粉微粒子を有機バインダーで混練し
基体上に塗布した、いわゆる塗布型磁気記録媒体から、
Fe,Co,Ni等を主成分とした強磁性金属をスパツタリング
法、真空蒸着法あるいはめつき法で基体上に形成したい
わゆる連続磁性薄膜媒体へと移動しつつある。この種の
磁気記録媒体に関しては、例えば、磯崎真、電子通信学
会誌,67、No.11,1197(1984)に記載されている。
特に、最近においては記録密度の飛躍的向上が期待でき
る垂直磁気記録媒体用の媒体としてCo−Cr膜の研究が精
力的に行われている。通常このCo−Cr膜で優れた磁気特
性を得るためには基体を100℃以上に加熱する必要があ
り、特に真空蒸着法では基体温度を200℃まで加熱する
必要がある。したがつて、磁気テープあるいは磁気デイ
スク用として、Co−Cr膜媒体を作製するにはその基体と
して真空蒸着法では耐熱性の優れたポリイミド系フイル
ムが用いられており、また基体温度がやや低いスパツタ
リング法においては、主にポリエチレンテレフタレート
系フイルムが用いられている。しかし、通常市販されて
いるポリイミドフイルムあるいはポリエチレンテレフタ
レートフイルムでは、熱膨張係数が披着金属の熱膨張係
数よりかなり大きく、フイルムを加熱した状態で金属を
披着すると、熱膨張係数の差によつてカールやしわが発
生し、記録媒体の平坦性を著しく損う。
また、実際に記録媒体として使用する場合、外気温の変
動により、記録媒体自体に寸法の変化が起こる。そのた
め、それをカバーし得る記録のトラツク幅を広くしなけ
ればならず、結果として記録密度を高くできない。従つ
て、高密度磁気記録媒体を実現するには、寸法安定性と
磁性薄膜との熱応力の問題から、耐熱性の優れた低熱膨
張性樹脂材料が不可欠である。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、Co−Cr等の磁気記録媒体として用いら
れる金属磁性薄膜と熱膨張係数の点でマツチングしてお
り、かつ外気温の変動による寸法変化が極めて少ない特
定の高分子フイルムを基体として用いられることによ
り、高密度に記録可能な磁気テープあるいは磁気デイス
クを提供することにある。
〔発明の概要〕
上記目的を達成する本発明の磁気記録媒体は金属と同程
度以下の線熱膨張係数(2.0×10-5k-1以下)を有する特
定の化学構造を有する低熱膨張性高分子フイルムを基体
として用いている。この有機高分子材料は、特願昭59−
180549号(特開昭61−60725号公報参照)に示したポリ
イミドを始めとする不飽和環状炭化水素または複素環か
ら構成され、かつ分子軸の折れ曲り角度が40度以内であ
る低熱膨張性樹脂材料からなつている。
本発明の低熱膨張性ポリマーとしては、ポリイミド、ポ
リオキサジアゾールがある。
本発明に用いる低熱膨張性樹脂材料は、1ケ以上の芳香
環を有し、該芳香環は分子軸を中心として回転容易であ
るが他の方向には柔軟性がない構造(分子構造が、分子
軸を中心に0±40゜の範囲でほぼ直線状を呈する)を有
する芳香族基であつて、該ポリイミド分子が少なくとも
一軸方向に配向されている部分を含むことを特徴とす
る。
配向の程度はオーダーパラメータ(S)にして0.07以上
が好ましい。尚、Sは次式にて示される。
〔式中、Eは試料の弾性率、E0は均一系(Free cure
後)の弾性率、E∞は無限延伸時の弾性率で約4.0×10
11dyn/cm2である。〕 熱膨張係数比(α/αFREE)で見ると、上記のS値とα
/αFREEとは相関性があり、S値が0.07(7%)程度で
αが約半分になる。本願発明者らは、ポリマー弾性率と
配向との関係を検討してこれを確認した。なお、αは試
料の熱膨張係数、αFREEは均一系(Free cure後)の熱
膨張係数を示す。
本発明の要旨は次のとおりである。即ち、有機高分子フ
ィルムの表面に、形成した一層以上の金属薄膜層に記録
される磁気記録媒体において、前記有機高分子フィルム
は、その主鎖が下式〔1〕〜〔7〕に示す構造単位の少
なくとも一つを有し、その線膨張係数が2×10-5k-1
下のものから選択されることを特徴とする磁気記録媒体
にある。
式中、Rはアルキル基,フッ素化アルキル基,アルコキ
シ基,フッ素化アルコキシ基,アシル基またはハロゲン
原子であり、lは0〜4、mは0〜2、nは0〜3、k
は0〜3の整数である。)本発明の低熱膨張性樹脂材料
は、分子配列がランダムでも他ポリマーに比べ低熱膨張
性、高強度、高弾性、高耐熱性であるが、何らかの分子
配向処理を行うことによつて格段にその性質が顕著にな
る。
ポリフエニレンなどの芳香族ポリマーは、一般に剛直で
あるが脆いという欠点があり、芳香環と芳香環の間、−
O−,−S−,CH2 P, −SO2−, CF2 P, などのフレキシブルな結合を導入して、ポリマ全体を可
撓化されている。また、芳香環の結合位置も、o−やm
−位にすると可撓化される。ポリイミドも同様であり、
現在工業化されているポリイミドはすべてが、これらの
中から選ばれた結合を有している。それ故に、本発明に
用い得る低熱膨張性ポリマーは見出されていなかつた。
低熱膨張性ポリイミドは、芳香族アミノジカルボン誘導
体の単独重合、または芳香族ジアミンあるいは芳香族ジ
イソシアナートと、芳香族テトラカルボン酸誘導体の反
応によつて得ることができる。テトラカルボン酸誘導体
としてはエステル、酸無水物、酸塩化物がある。酸無水
物を用いると、合成上好ましい。合成反応は、一般的に
は、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチ
ルスルホキサイド(DMSO)、硫酸ジメチル、スルホラ
ン、ブチロラクトン、クレゾール、フエノール、ハロゲ
ン化フエノール、シクロヘキサノン、ジオキサンなどの
溶液中で、0〜200℃の範囲で行われる。
上記に用いられるアミノジカルボン酸誘導体として具体
例を挙げると、4−アミノフタル酸、4−アミノ−5メ
チルフタル酸、4−(p−アニリノ)−フタル酸、4−
(3,5−ジメチル−4−アニリノ)フタル酸など、ある
いはこれらのエステル、酸無水物、酸塩化物などが挙げ
られる。
本発明に用いられる芳香族ジアミンとしては、次のもの
が挙げられる。
p−フエレンジンアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,5
−ジアミノキシレン、ジアミノデユレン(2,3,5,6−テ
トラメチル−p−フエニレンジアミン)、2,5−ジアミ
ノベンゾトリフルオライド、2,5−ジアミノアニソー
ル、2,5−ジアミノアセトフエノン、2,5−ジアミノベン
ゾフエノン、2,5−ジアミノジフエニル、2,5−ジアミノ
フルオロベンゼン、ベンジジン、o−トリジン、m−ト
リジン、3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン、3,3′
−ジメトキシベンジジン、3,3′−ジ(トリフルオロメ
チル)ベンジジン、3,3′−ジアセチルベンジジン、3,
3′−ジフルオロベンジジン、オクタフルオロベンジジ
ン、4,4″−ジアミノターフエニル、4,4−ジアミノク
オータフエニル。
また、これらのジイソシアナート化合物も同様に使用で
きる。
本発明に用いるテトラカルボン酸誘導体としては、ピロ
メリツト酸、メチルピロメリツト酸、ジメチルピロメリ
ツト酸、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリツト酸、3,
3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸、5,5′−ジメ
チル−3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸、p
−(3,4−ジカルボキシフエニル)ベンゼン、またはこ
れらの酸無水物、酸塩化物、エステルなどが挙げられ
る。
上記ポリイミドは、特に分子配高させなくても他のポリ
マーに比較して低熱膨張性で、高強度、高弾性である
が、分子鎖を配向させることにより格段にその威力を発
揮することが出来る。例えば、フイルム状の成形品を一
軸または二軸延伸することによつて分子鎖を配列するこ
とが出来る。芳香族ポリイミドは一般に配向処理によつ
て低熱膨張性、高弾性、高強度になることは知られてい
るが、上記ポリイミドに比較し、その効果は全く少な
い。ポリマー鎖の配向させ方は、通常のフイルムを延伸
機で延伸させるだけでなく、ポリイミドまたはその前駆
体ワニスからポリイミド成形体にする過程で、その硬化
反応や溶剤の揮発による収縮を利用しても出来る。すな
わち、ワニスを塗布し、硬化させる際に、収縮を抑制す
ることによつて、分子鎖を配向させることが可能であ
る。硬化収縮による延伸量は、従来の延伸法に比較して
非常に少ないが、本発明のポリイミドにおいてはその程
度の配向処理でも十分効果がある。
また、フイルム状成形体を延伸させる場合、完全に硬化
したものを延伸しようとすると、ポリイミドのガラス転
移温度は極めて高いため、非常に高い温度で延伸しなけ
ればならず、また高温で延伸するにしても分子間凝集力
が非常に強いため配向し難い。容易に配向させるために
は溶剤をある程度含んでいる状態あるいはガラス転移温
度が低いポリアミド酸の状態で延伸して分子を配向さ
せ、その後完全硬化することが好ましい。
本発明に用い得るポリイミドがこのような従来のポリマ
の常識から全くはずれた挙動を示す理由は、次のように
考えられる。すなわち、本発明のポリイミド主鎖はほぼ
直線構造を有する。しかし、ポリアミド酸またはポリイ
ミドワニスの状態では溶媒和してランダムコイル状にな
つており、硬化しても直線状構造はとれない。これが、
配向処理が加えられると、このポリイミド分子にとつて
最も安定な直線状の構造をとられるようになつたと考え
られる。
上記の低熱膨張性ポリイミドは、低熱膨張性でないポリ
マーをかなりの量ブレンドまたは共重合させても、その
性質をあまり失わない。本発明のポリイミドの中には多
少機械的に脆いものも含まれるが、そのようなものに対
して、フレキシブルな低熱膨張性でないポリマーをブレ
ンドあるいは共重合させることは好ましい場合もある。
ブレンドあるいは共重合し得るポリマーとしては、例え
ば次のようなジアミンとテトラカルボン酸誘導体から得
られるポリイミドがある。芳香族ジアミンの具体例を挙
げると、m−フエニレンジアミン、4,4′−ジアミノジ
フエニルメタン、1,2−ビス(アニリノ)エタン、4,4′
−ジアミノジフエニルエーテル、ジアミノジフエニルス
ルホン、2,2−ビス(p−アミノフエニル)プロパン、
2,2−ビス(p−アミノフエニル)ヘキサフルオロプロ
パン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニルエ
ーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフエニル
メタン、ジアミノトルエン、ジアミノベンゾトリフルオ
ライド、1,4−ビス(p−アミノフエノキシ)ベンゼ
ン、4,4′−ビス(p−アミノフエノキシ)ビフエニ
ル、2,2−ビス{4−(p−アミノフエノキシ)フエニ
ル}プロパン、ジアミノアントラキノン、4,4′−ビス
(3−アミノフエノキシフエニル)ジフエニルスルホ
ン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、
1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5−ビ
ス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(ア
ニリノ)テトラデカフルオロヘプタン、一般式 または (R5,R7は2価の有機基、R4,R6は1価の有機基、p,qは
1より大きい整数)で示されるジアミノシロキサン、2,
2−ビス{4−(p−アミノフエノキシ)フエニル}ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(3−アミノ
フエノキシ)フエニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス{4−(2−アミノフエノキシ)フエニル}ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフ
エノキシ)−3,5−ジメチルフエニル}ヘキサフルオロ
プロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフエノキシ)
−3,5−ジトリフルオロメチルフエニル}ヘキサフルオ
ロプロパン、p−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロ
メチルフエノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミ
ノ−2−トリフルオロメチルフエノキシ)ビフエニル、
4,4′−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフ
エノキシ)ビフエニル、4,4′−ビス(4−アミノ−2
−トリフルオロメチルフエノキシ)ジフエニルスルホ
ン、4,4′−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチ
ルフエノキシ)ジフエニルスルホン、2,2−ビス{4−
(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフエノキシ)フ
エニル}ヘキサフルオロプロパン、などのジアミン類、
並びにこれらのジアミンとホスゲンなどの反応によつて
得られるジイソシアナート例えばトリレンジイソシアナ
ート、ジフエニルメタンジイソンシアナート、ナフタレ
ンジイソンシアナート、ジフエニルエーテルジイソンシ
アナート、フエニレン−1,3−ジイソンシアナートなど
の芳香族ジイソシアナート類がある。また、テトラカル
ボン酸並びのその誘導体としては次のようなものが挙げ
られる。ここではテトラカルボン酸として例示するが、
これらのエステル化物、酸無水物、塩酸化物ももちろん
使用出来る。2,3,3′,4′−テトラカルボキシジフエニ
ル、3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフエニルエーテ
ル、2,3,3′,4′−テトラカルボキシジフエニルエーテ
ル、3,3′,4,4′−テトラカルボキシベンゾフエノン、
2,3,3′,4′−テトラカルボキシベンゾフエノン、2,3,
6,7−テトラカルボキシナフタレン、1,4,5,7−テトラカ
ルボキシナフタレン、1,2,5,6−テトラカルボキシナフ
タレン、3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフエニルメ
タン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフ
エニルスルホン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレ
ン、2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフエノキシ)
フエニル}プロパン、2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボ
キシフエノキシ)フエニル}ヘキサフルオロプロパン、
ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボ
ン酸などがある。また、反応性官能基を有する化合物で
変性し、架橋構造やラダー構造を導入することも出来
る。例えば、次のような方法がある。
(i)一般式(III)で表わされる化合物で変性するこ
とによつて、ピロロン環やイソインドロキナゾリンジオ
ン環などを導入する。
ここでは、R′は2+x価の芳香族有機基、ZはNH
2基、CONH2基、SO2NH2基から選ばれた基であり、アミノ
基に対して、オルソ位である。xは1または2である。
(ii)重合性不飽和結合を有するアミン、ジアミン、ジ
カルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸の誘導
体で変性して、硬化時に橋かけ構造を形成する。不飽和
化合物としては、マレイン酸、ナジツク酸、テトラヒド
ロフタル酸、エチニルアニリンなどが使用できる。
(iii)フエノール性水酸基、あるいはカルボン酸を有
する芳香族アミンで変性し、この水酸基またはカルボキ
シル基と反応し得る橋かけ剤を用い網目構造を形成す
る。
本発明において、低熱膨張ポリイミド無機質材料と一体
化する場合、接着性が重要である。無機質材料の表面を
粗化したり、シランカツプリング剤、チタネートカツプ
リング剤、アルミウムアルコレート、アルミニウムキレ
ート、ジルコニウムキレート、アルミニウムアセチルア
セトンなどにより表面処理することが好ましい。これら
の表面処理剤を前記低熱膨張ポリイミドに添加してもよ
い。
本発明において、より熱膨張係数を下げたり、弾性率を
上げたり、流動性をコントロールとしたりするために、
無機質、有機質、または金属などの粉末、繊維、チヨツ
プトストランドなどを混合することも出来る。
本発明のポリマーの中には多少機械的に脆いものも含ま
れるが、そのようなものに対して、フレキシブルな低熱
膨張性でないポリマーをブレンドあるいは共重合させる
ことは好ましい場合が多くある。
例えば、(i)低熱膨張性を示すものには機械的に脆い
ものもあるが、フレキシブルなポリマーをブレンドまた
は共重合すると、格段にタフなポリマーになる、(ii)
塗膜などとして使用する場合、金属や無機物に対して接
着し難いものがあるが、シロキサン骨格を導入したり、
アルコキシシラン基を導入することにより接着性を大幅
に向上できる、(iii)複合する相手の無機物に熱膨張
係数を一致させる、など多くのメリツトが挙げられる。
従来、ポリフエニレンなどの芳香族ポリマーは、一般に
剛直であるが脆いという欠点があり、主鎖中に、−O
−,−S−,CH2 P, CF2 P,−SO2−, などのフレキシブルな結合を導入したり、直線性を有さ
ない、o−結合や、m−結合の芳香環を導入するなどの
工夫をして使用している。これまでに工業化されている
耐熱ポリマーは全てこれらの結合を含んでいるといつて
も過言ではない。それ故、本発明のような低熱膨張性ポ
リマーは発見されておらず、本発明のような磁気記録媒
体もなかつた。
〔発明の実施例〕
以下、本発明を実施例によつて詳細に説明する。
実施例1 下記の化学構造を有するポリイミドフイルムをその前駆
体であるポリアミド酸ワニスから、流延法にて作製し
た。ポリプロピレン製キヤリア上にワニスをキヤストし
た後、120℃/10分の条件で乾燥してフイルム化した。キ
ヤリアより剥離した後フイルムの硬化収縮を起させない
ようにフイルムを前後、左右から引張りながら、120→3
50℃/20分,350℃/5分,350℃→室温/20分のスケジユール
のトンネル炉を通し、ポリイミドフイルムとした。
[但し、 フイルムの膜厚は、50μmの平滑なフイルムであり、そ
の線熱膨張係数は長尺方向が0.9×10-5k-1,横方向が1.0
×10-5k-1であつた。
このようにして得たポリイミドフイルムを100mm×70mm
の大きさに切り出し、第1図に示したごとく両端をステ
ンレス製の金具2で固定し、約3kg/cm2の張力をかけて
フイルム1を一様に引張り、真空蒸着装置内に設置し
た。ベルジヤ内を1×10-6Torrの真空度にした後、フイ
ルム裏側からヒーター5で加熱し、フイルム温度を200
℃に保ち、電子線加熱方式蒸着源4を用いてCo−Cr合金
を蒸発させ、Cr組成23重量%、膜厚0.35μmのCo−Cr膜
を作製した。
このようにして作製したCo−Cr蒸着フイルムのカールの
大きさは曲率半径を測定することにより求めた。その結
果、Co−Cr薄膜を内側に多少湾曲した。その曲率半径は
290mmであつた。
次に、フイルムを裏返して、同様にして裏側にも磁性薄
膜をほぼ同じに膜厚になるように蒸着した。その結果、
フイルムの湾曲はほとんどなくなり、平滑な両面蒸着フ
イルムが得られた。
実施例2〜5,比較例1〜3 実施例1と同様に種々のポリイミドフイルムを作製し
た。得られたフイルムの熱膨張係数は、表に示した通り
である。
また、実施例1と同様にまず片面のみCo−Cr膜を蒸着し
た。蒸着後室温に冷却し、フイルムを取出しその湾曲の
度合を表1に併記した。熱膨張係数が1.0×10-5k-1前後
のものはほぼフラツトであつたが、それより小さいもの
はCo−Cr膜を内側にして多少湾曲し、それより大きいも
のは、その逆に湾曲した。そして、2.5×10-5k-1以上の
ポリイミドフイルムは、カールの度合が極めて大きいこ
とが分る。
さらに、画面にCo−Cr膜を蒸着すると、片面の蒸着のと
き湾曲度合が小さかつたものは、ほぼフラツトにもどつ
たが、比較例の3種についてはいずれも内部の熱応力の
ためフイルムにしわがよることが分つた。熱膨張係数が
大きくなるほどこの傾向は大きくなつた。
実施例7 実施例1と同じポリイミドフイルム1を用いて、蒸着時
のフイルム温度を200℃とし、真空蒸着法で膜厚0.5μm
のパーマロイ(Ni−20wt%添加Fe)膜7を両面に形成し
た後、その上に厚さ0.2μmのCo−Cr膜8を両面に形成
し二層膜媒体を作製した。その結果、試料はほぼフラツ
トなものが得られた。
次いで、試料の両面にフツ素系潤滑油9を塗布して、第
2図に示す断面構造を有するフレキシブル磁気記録媒体
を得た。これを第3図の形状に打抜き、ジヤケツト11に
収納して、第4図の形状、第5図の断面構造を有するフ
ロツピーデイスクを得た。尚、各図中、符号7は軟磁性
膜、8は垂直磁化膜、9は潤滑油層、10は磁気媒体、11
はジヤケツト、12は潤滑油のライナである。
実施例8 熱膨張係数が1.2×10-5k-1の下記の化学構造を有するポ
リオキサジアゾールのフイルムを用いて、実施例1と同
様にCo−Cr膜を蒸着した。
片面に蒸着した結果、フイルムを内側にしてわずかに湾
曲した。その曲率半径は、250mmであつた。
〔発明の効果〕 本発明が用いたポリマーは、線膨張係数が小さく、か
つ、そのフィルムは磁性膜を形成してもほとんどカール
しないと云う優れた効果があり、高密度記録が可能な磁
気記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実験に用いた電子線加熱型真空蒸着装
置の概略図、第2図は本発明の実施例に係る磁気記録媒
体の断面図、第3図は磁気記録媒体の外観図、第4図は
ジヤケツトに収納したフロツピーデイスクの外観図、第
5図はフロツピーデイスクの断面図である。 1……フイルム、2……金具、4……蒸着源、5……ヒ
ーター、7……パーマロイ膜、8……Co−Cr膜、9……
潤滑油層、10……磁気媒体、11……ジャケット、12……
潤滑油のライナ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤崎 康二 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 池田 孝栄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 金城 徳幸 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 吉田 和悦 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 積田 則和 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機高分子フィルムの表面に、形成した一
    層以上の金属薄膜層に記録される磁気記録媒体におい
    て、前記有機高分子フィルムは、その主鎖が下式〔1〕
    〜〔7〕に示す構造単位の少なくとも一つを有し、その
    線膨張係数が2×10-5k-1以下のものから選択されるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。 (式中、Rはアルキル基,フッ素化アルキル基,アルコ
    キシ基,フッ素化アルコキシ基,アシル基またはハロゲ
    ン原子であり、lは0〜4、mは0〜2、nは0〜3、
    kは0〜3の整数である。)
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