JP2714194B2 - 複数カセット装着装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本発明は、大小複数のカセットを選択的に装着できる
時期記録再生装置におけるカセット装着装置に関する。

（ロ） 従来の技術 大小複数のカセットを選択的に装着できる構成とし
て、大カセットと同形状の小カセット用アダプタを大カ
セットのかわりに装着し、アダプタ挿入口と別の個所に
小カセット装着口を設けた、いわゆる標準カセットテー
プとｃ−カセットテープを選択的に装着できるようにし
たコンパチブルメカニズムが例えば特開昭59−193502
G11B1/00に提案されている。

（ハ） 発明が解決しようとする課題 上述のようなコンパチメカニズムでは、大カセットを
装置に装着するに際して、既に装置に装着されている小
カセット用アダプタを装置から取り出して装置外で保管
しなければならないといった煩わしさがある。

（ニ） 課題を解決するための手段 本発明は、上述の問題点を解決した大小カセットを選
択的に装着できるようにした標準カセット/c−カセット
用コンパチメカニズムを提供するもので、その構成は大
小複数のカセットを選択的に装着できる磁気記録再生装
置において、待機状態の第１の位置と、大カセット装着
／排出可の第２の位置と、演奏可の第３の位置に移動す
る第１のホルダーと、該第１のホルダーの移動通路から
退避した第４の位置と、前記第１の位置近傍で前記第１
のホルダーに接近して小カセット用アダプタを該第１の
ホルダーに受け渡し後再び前記第４の位置へ移動して待
機するアダプタ保持用の第２のホルダーと、前記第１及
び第２のホルダーをそれぞれ駆動する駆動手段とで構成
し、第１ホルダーに大カセット保持手段を設け、第２ホ
ルダーにはアダプタ保持手段と、前記大カセット保持手
段を解除する解除手段を設けると共にシャーシに前記ア
ダプタ保持手段と、前記解除手段の作動とを制御する手
段を設けた構成とした。

（ホ） 作用 上述の構成によって、大カセットを装着する場合は、
通常の操作で、第１のホルダーに大カセットを装着して
テープ演奏が可となり、又、小カセットを装着する場合
は、外部操作によって、第２のホルダーに載置されてい
る小カセット用アダプタが第１のホルダーに受け渡しさ
れて小カセットの装着が可能となる。

（ヘ） 実施例 以下本発明の大小セット装着装置の一実施例について
図面を参照しながら詳述する。

第１図は、本発明の主要部分の外観斜視図、第２図、
第３図は本発明を説明するための各状態における模式
図、第４〜第11図は各状態における平面図及び側面図を
それぞれ示す。先ず、本発明装置の構成について第１図
及び第４〜11図を参照して、説明する。

カセットトレイ（第１のホルダー）（１）は、前面板
（２）と左右のレール（３）（３）、及び左右のラック
（４）（４）とコ字状のホルダー（５）で構成され、前
面板（２）にレール（３）（３）の先端部が貫通され、
スプリング（６）（６）によって互いに連結されてい
る。コ字状ホルダー（５）には左右のラック（４）
（４）が固着されると共に開放端にカセット（10）保持
用のフックレバー（７）（７）が回動自在に且つ一方向
にバネ付勢されて取着されている。前記ラック（４）に
はＬ字状（水平ラック（4a）と垂直ラック（4b）が連続
して設けられている）のラック歯と垂直方向に鉤状突起
（4c）（4d）が設けられ、一方レール（３）には該突起
（4c）（4d）に嵌合する鉤状凹部（3a）（3b）及び水平
方向に鉤状突起（3c）が一体形成されている。（８）は
カセット押えで、一方向へ回動付勢された状態でラック
（４）に取着されている。

（９）はキャビネットで前記カセットトレイ（１）が
開口部（9a）に出没自在に設けられている。（11）はレ
ールで水平方向に鉤状凹部（11a）が設けられ、該レー
ル（11）を支えている２本の脚部にも鉤状凹部（11c）
（11d）が設けられている（第５図参照）。鉤状凹部（1
1a）には前記レール（３）の鉤状突起（3c）が嵌合し、
鉤状凹部（11c）（11d）には前記ラック（４）の鉤状突
起（4c）（4d）がそれぞれ嵌合する。

（12）は駆動モータで側板（13）に取着されている。
側板（13）にはウォームホイール（14a）とギア（14b）
が一体形成されたギア（14）及び前記ラック（４）を駆
動するギア（15）が取着されている。モータ（12）に取
着されたウォーム（12a）からギア（14）、ギア（15）
を介してモータ（12）の回転トルクをラック（４）に伝
達する（16）はカセットアダプタ（17）を保持するため
のアダプタホルダー（第２のホルダー）で、アダプタ保
持用レバー（18）と、アダプタ（17）を受け取り時作動
するレバー（19）が該ホルダー（16）の両側面に回動自
在且つ一方向付勢されて取着されている。アダプタホル
ダー（16）は断面コ字状で一方向開放の箱形に形成され
ていて、天板（16a）に２条の鉤状突起（16b）（16b）
と、直線ラック（16c）が一体形成されている。（第1
0、11図参照）（20）はシャーシで、前記ホルダー（1
6）の鉤状突起（16b）（16b）が嵌合する鉤状凹部（20
a）（20a）と、制御突起（20b）（20b）、制御突起（20
c）（20c）が一体形成されている。（21）はモータでブ
ラケット（22）に取着され、モータプーリ（23）、ベル
ト（24）、プーリーギア（25）を介してモータ（21）の
回転トルクが直線ラック（16c）に伝達される。尚（2
6）はメカシャーシ、（27）は小カセットを示す。

次に本発明の構成の動作について説明する。

（１） 大カセット（標準カセット）使用時の動作 第４、５図はイジェクト状態を示すもので、カセット
トレイ（１）は、最初、キャビネット（９）の開口部
（9a）に収納された状態であって、図示しないイジェク
ト釦を押圧すると、第４図に示すようにカセットトレイ
（１）が外部へ突出する。この状態でカセット（10）を
ホルダー（５）内に装着し、操作釦（図示せず）をプッ
シュするか、或いはカセットトレイ（１）を押すことに
よって、スイッチ（図示せず）がONされ、モータ（12）
が回転する。ウォーム（12a）ウォームホイール（14a）
ギア（14b）、ギア（15a）（15b）を介して水平ラック
（4a）に回転伝達され、カセットトレイ（１）が、図面
右方向へ水平移動を始める。

レール（３）とラック（４）は一体となって該レール
（３）の鉤状突起（3c）がレール（11）の鉤状凹部（11
a）内を摺動案内される。ラック（４）の水平ラック（4
a）に連続して垂直ラック（4b）が設けられているの
で、水平移動の終端で引き続きモータ（12）の回転トル
クが伝達され、該ラック（４）は、垂直方向に移動す
る。その場合ラック（４）の鉤状突起（4c）（4d）がレ
ール（11）の鉤状凹部（11c）（11d）に対向する位置に
なり、コ字状ホルダー（５）と一体のラック（４）のみ
がレール（３）の鉤状凹部（3a）（3b）を垂直方向へ摺
動移動すると共にレール（11）の鉤状凹部（11c）（11
d）内を垂直方向へ摺動してカセット（10）を演奏位置
へもたらす。（第10、11図参照）。即ち、上述の一連の
動作は、第２図（ａ）〜（ｃ）に示す状態である。カセ
ット（10）が演奏位置に至ったことをスイッチ（図示せ
ず）で検出してモータ（12）をOFFする。

大カセット（10）を排出するには、モータ（12）を逆
回転させることによりカセットトレイ（１）が第４図の
状態となり、カセット（10）の取り出しが可となる。
尚、カセットトレイ（１）の前面板（２）とレール
（３）とはスプリングコイル（６）で連結しているの
で、トレイ（１）が右方向へ移動すると、前面板（２）
はキャビネット（９）の開口部（9a）で停止するが、そ
の後スプリングコイル（６）が伸張し、コ字状ホルダー
（５）がラック（４）と一体でさらに右方向へ移動する
ことができる。

（２） 小型カセット（ｃ−カセット）使用時の動作 カセットアダプタ（17）を保持するアダプタホルダー
（16）は、大カセット使用時或いは装置を使用しないス
タンバイ（待機）状態では第４、５図に示すように同図
右端に後退した位置にある。この位置を第４の位置とす
る（第３図（ａ）参照）。

小型カセット使用のための選択釦（図示せず）を押す
ことにより、モータ（21）が回転し、直線ラック（16
c）を介してホルダー（16）は第６、７図に示す第５の
位置へ移動する（第３図（ｂ）参照）。ホルダー（16）
は前記第４の位置では、該ホルダー（16）に取着されて
いるアダプタ保持レバー（18）が、時計方向に付勢され
ていて、該レバー（18）の先端（18a）がアダプタ（1
7）の切欠部（図示せず）に係合して該アダプタ（17）
をホルダー（16）に保持しているが、第５の位置（第３
図（ｂ））までホルダー（16）が移動する過程でアダプ
タ（17）がホルダー（５）のフックレバー（７）の先端
（7a）を押し下げるので、アダプタ（17）は支障なくホ
ルダー（５）内へ収納される。該アダプタ（17）がホル
ダー（５）内に完全に収納された時点でフックレバー
（７）がスプリングの付勢力によって復帰し、アダプタ
（17）を先端（7a）で保持する。又、第５の位置でアダ
プタホルダー（16）のレバー（18）は、シャーシ（20）
の制御突起（20c）に当接して反時計方向へ回動し、ア
ダプタ（17）との係合が外れる。かくして、アダプタ
（17）はホルダー（16）からコ字状ホルダー（５）へ転
送され該ホルダー（５）に保持される。この第５の位置
からホルダー（５）をイジェクト方向へ移動し、一方ア
ダプタホルダー（16）は元の位置、即ちモータ（21）の
逆回転によって図面右端の第４の位置へ移動する。

トレイ（１）がイジェクトされた状態（第３図
（ｃ））で、小型カセット（27）を装着し、操作釦（図
示せず）を押すか或いは、トレイ（１）を手で押すと、
前述の動作によって小型カセット（27）をアダプタ（1
7）に装着した状態でホルダー（５）が演奏位置へもた
らされる（第３図（ｄ）参照）。

次に小型カセット（27）の取り出しについて説明す
る。カセットインの状態では、大カセット装着時の第1
0、11図に示す状態と同じである。

今イジェクト釦（図示せず）を操作することにより、
ホルダー（５）がイジェクトの位置（第３図（ｅ））ま
で移動して小カセットの取り出しが可となる。小カセッ
ト取り出し後、引き続き操作釦（図示せず）を押すかト
レイ（１）を手で押すと、大カセット（10）または小カ
セット（27）の何れも装着されていないので、ホルダー
（５）は前述のカセットアダプタ（17）の受け渡しの位
置即ち第５の位置より、少し右へ移動した位置で停止す
る。このときアダプタホルダー（16）は前述のホルダー
（５）の停止位置の手前まで左方へ移動し、この移動過
程でシャーシ（20）の制御突起（20b）に作動レバー（1
9）が当接し、該作動レバー（19）が、反時計方向へ回
動して、ホルダー（５）のフックレバー（７）の突片
（7b）を押圧する。その為該フックレバー（７）は時計
方向へ回動し、カセットアダプタ（17）の係止が解か
れ、該アダプタホルダー（16）は水平方向への移動が可
能になる。アダプタホルダー（16）が左方向へ移動する
過程でアダプタホルダー（16）のアダプタ保持用レバー
（18）の先端（18a）が、ホルダー（５）内にあるカセ
ットアダプタ（17）の天面に当接押圧されて、反時計方
向へ一旦回動してカセットアダプタ（17）をフリーにし
た後、該レバー（18）の先端（18a）がアダプタ（17）
の切欠きに入り込み、アダプタ（17）はホルダー（５）
からアダプタホルダー（16）に返還保持される。この状
態からアダプタホルダー（16）は右端の位置（第３図
（ａ））まで移動する。このときホルダー（５）は第１
の位置にありスタンバイ状態となっている。上述の大カ
セット及び小カセットのカセットイン及びインジェクト
動作において、モードスイッチ（図示せず）でホルダー
（５）及びアダプタホルダー（16）がそれぞれのポジシ
ョンを検出するように設計することは言うまでもない。
本発明の装置では、小型カセットを装着排出するように
構成したが、小型カセット（27）をカセットアダプタ
（17）内に装着した状態で、該アダプタ（17）をアダプ
タホルダー（16）に保持待機させる構成にすることも可
能である。

（ト） 発明の効果 上述の如く本発明装置は、大型カセット用の第１のホ
ルダーと小型カセット用アダプターを保持する第２のホ
ルダーを設け、大型カセット使用時は、アダプターを保
持した第２のホルダーを待機させ、小型カセット使用時
は、アダプターを第２のホルダーから第１のホルダーへ
転送保持させる構成にしたので、従来のようにアダプタ
ーを使用しない時、装置から取り出して別の場所に保管
するといった手間が省かれアダプターの紛失・破損等が
なくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の主要部分の外観斜視図、第２、３図は
各動作モードを説明するための模式図、第４、５図はイ
ジェクト状態の平面図と側面図、第６、７図はアダプタ
をトレイへ受け渡す状態の平面図と側面図、第８、９図
はトレイ内のアダプタをアダプタホルダーへ受け渡す平
面図と側面図、第10、11図は演奏状態の平面図及び側面
図をそれぞれ示す。 （１）……カセットトレイ、（３）……レール、（４）
……ラック、（５）……第１のホルダー、（７）……大
カセット保持手段、（10）……大カセット、（16）……
第２のホルダー、（17）……アダプタ、（20）……シャ
ーシ、（27）……小カセット。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】大小複数のカセットを選択的に装着可能な
   磁気記録再生装置であって、待機状態の第１の位置と、
   カセット装着又は排出可の第２の位置と、カセット装着
   操作で演奏可の第３の位置に移動する第１のホルダー
   と、該第１のホルダーの移動通路から退避した第４の位
   置から前記第１の位置近傍で前記第１のホルダーに接近
   して小カセット用アダプタを該第１のホルダーに受け渡
   した後再び前記第４の位置に移動して待機するアダプタ
   保持用の第２のホルダと、前記第１及び前記第２のホル
   ダーをそれぞれ駆動する駆動手段とからなり、前記第１
   のホルダーには大カセット保持手段を、前記第２のホル
   ダーには前記アダプタ保持手段と前記大カセット保持手
   段を解除する解除手段を、更にシャーシには前記アダプ
   タ保持手段と前記解除手段の作動を制御する制御手段を
   それぞれ設けることを特徴とする複数カセット装着装
   置。