JP2689661B2 - 光干渉フィルタを含む薄膜エレクトロルミネセンス装置 - Google Patents

光干渉フィルタを含む薄膜エレクトロルミネセンス装置

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、薄膜エレクトロルミネセンス装置に関し、
特に、OA機器の情報端末に用いられる薄型平板ディスプ
レイへの利用等に適している。
従来の技術 薄膜エレクトロルミネセンス(以下薄膜ELと略す)装
置を用いたディスプレイとして以下に示すような構成が
提案されている。第2図は、発光体層5の両側に誘電体
層4、6を設け、さらにそれを透明電極2と背面電極7
で挟み込んだ構造をしている。発光体層5として緑色発
光するZnS:Tb,F、黄橙色発光するZnS:Mnを用いた薄膜EL
ディスプレイがある。いづれも、発光の取出は、透明電
極が設けられた側のガラスの面より行っており、発光中
心より放出される光強度の約10%以下しか取り出せてい
ない。
これは、フレネルの法則に従っており、蛍光体層内の
発光中心より放出される光が発光体層と誘電体層あるい
は透明電極層の界面で反射してしまう量が90%以上ある
ことを表わしている。言い換えれば、発光波長に対する
全反射角が約25度と大変狭いためである。
一方、幅広い発光波長を持つ光源の波長選択を行うた
めにファブリー・ペロー型干渉計を用いることが知られ
ている。このファブリー・ペロー型干渉計は、第3図に
示すように2枚の反射鏡8を平行に配置し、この両間隔
をLとし、反射鏡内の波数をqとするときの光の干渉条
件である。
L・q=K・π(πは円周率) という条件を満足する光だけがこの干渉計を透過する。
但し、Kは、正の整数である。ここで同図(a)は空気
間隙の場合、同図(b)は透明固体間隙の場合を示す。
実際には反射鏡の反射率Rが大きくなると第4図のよう
に光のスペクトルの反値幅は、狭くなることがわかって
いる。同図(a)はファブリ・ペローの干渉計における
光の行路を示す図であり、同図(b)は反射面の間隙L
または入射角Qを変えたときの透過率の変化(D=0.98
−Rのとき)を示す図である。同図においてKは整数、
Dは透過率、Rは反射率を示す。これに関しては霜田光
一著レーザー物理入門(1983年4月22日、岩波書店発
行)の51頁から56頁に記載されている。
またさらに、この干渉計の中にレーザー媒体を挿入す
るとレーザー共振器になることも知られている。
一方、繰り返し多層膜ではさまれた薄膜の干渉(いわ
ゆる、多層膜光干渉フィルタ)は、第5図に示した構造
をしているが、この様な構造を持ちしかも高い反射層を
両面にもつ薄膜の干渉特性は、第6図に示したように前
述のファブリー・ペロー干渉計と同様の効果が得られる
ことが明らかにされている。これは、屈折率の異なる光
学薄膜を発光波長λに対し反射防止の条件(n・d=
(1/4+m/2)・λ;nは屈折率、dは膜厚、m=0,1,2
…)を満たす膜厚で積層し、形成される。このことに関
して例えば、藤原史郎編光学薄膜(1985年2月25日、共
立出版株式会社発行)の30頁から34頁や98頁から129頁
に記載されている。
発明が解決しようとする課題 第2図に示した薄膜EL装置では、製法が容易である利
点を有し、輝度一電圧特性が急に立ち上がる性質を利用
してマトリックス型の電極構造を持つ薄膜ELディスプレ
イが実用化されている。一方、この薄膜EL装置の発光色
は、発光体層にZnS:Mnを用いた黄橙色とZnS:Tbを用いた
緑色しか実用化されていない。3原色を持つ薄膜EL表示
装置を製造しようとするには、赤色と青色の発光色を持
ち発光効率の高い蛍光体層用材料が各々必要であるが実
用化できるまでには至っていないのが現状である。発光
効率の向上が非常に大きな問題点である。
さらに、屈折率の異なる誘電体薄膜を多層構造にした
多層膜光干渉フィルタ3を第2図に示した薄膜EL装置に
挿入しようとすると第7図に示したように第1誘電体層
5と透明電極2の間あるいは、第2図の第1誘電体層4
自身に用いる場合が考えられる。第7図の場合は多層膜
光干渉フィルタの電気容量が電気回路として直列接続さ
れ、全体の電気容量が小さくなるために蛍光体層に有効
に電界が印加されない。そのために駆動電圧が上昇し、
この薄膜EL装置が絶縁破壊し破損してしまい安定に発光
しない問題点があった。また、第1誘電体層に多層膜光
干渉フィルタを用いる場合でも誘電体膜を多層構造にす
るために全体の電気容量が低くなり同様な絶縁破壊の問
題があった。
課題を解決するための手段 本発明は、このような問題点を解決するために、光透
過性を有する電極層と光反射電極層により、蛍光体層あ
るいは蛍光体層と誘電体層の構造体に電圧が印加される
ように構成されるとともに、前記構造体内における、光
の取出側に、前記蛍光体層より放射される発光波長の任
意の波長λを選択的に透過する多層膜の光干渉フィルタ
を、前記構造体に屈折率の低い誘電体膜1と屈折率の高
い誘電体膜2を交互にλ/4=膜厚・屈折率の式に従って
誘電体膜2、誘電体膜1の順に2層以上積層し、さらに
誘電体膜1より高い屈折率を有する蛍光体層をλ/2・N
(Nは1以上の整数)=膜厚・屈折率の式に従って積層
し、さらに誘電体膜3をλ/4・正数=膜厚・屈折率の式
に従って誘電体膜3を積層した構成にしたことを特徴と
する光干渉フィルタを含む構成にする。
作用 上記構成によれば、薄膜EL装置内にファブリー・ペロ
ー光干渉計と同様の作用をする手段を設けたことにな
り、蛍光体層より自然放出される光がこの干渉計により
任意の発光波長に対して、方向が揃えられて取り出され
る。従って、蛍光体層内の発光中心から放出される所望
の発光波長の光を効率良く表示面から取り出させるの
で、所望の発光波長に対する発光効率が10倍以上の値が
得られる。また、多層膜光干渉フィルタの構成をこのよ
うに限定し蛍光体層に有効に電界が印加できるようにな
る。
実施例 本発明の一実施例を図に基づいて説明する。第1図
は、本発明の薄膜エレクトロルミネセンス装置の基本構
成断面図である。
ガラス基板1の上に透明電極2を成膜し、その上に、
発光波長に対する屈折率n1が2.4程度 で誘電率ε1、
膜厚d1の第1誘電体層(a)4aとして成膜する。次に、
この上に、屈折率n2が1.5程度の光学薄膜(例えば、MgF
2(n1=1.38)、SiO2(n1=1.52))を膜厚d2で第1誘
電体層(b)4bとして成膜し、再び第1誘電体層(a)
と同じ誘電体薄膜を第1誘電体層(c)4cとして順に積
層し、再び屈折率n2で膜厚d2の第1誘電体層(d)4dを
順に積層し、さらにこの上に、屈折率n3が2.4程度で膜
厚d3の蛍光体層5を成膜し、屈折率n4の値がn3に似かよ
った2.4±0.2程度の膜厚d4の誘電体薄膜を第2誘電体層
6として成膜し、反射鏡層と電極層を兼ねた背面電極7
を形成する。ここで、第1誘電体層(a)、(b)、
(c)、(d)と蛍光体層と第2誘電体層の発光波長λ
0に対する屈折率n1とn2とn3とn4は、エリプソメータに
よって測定した。さらに、それぞれの誘電体層の膜厚d
1、d2、d4と蛍光体層の膜厚d3は多層膜光干渉フィルタ
の設計法に従って、 ni・di=λ0/4 …(1) (i=1、2) n3・d3=λ0/2・N …(2) n4・d4=λ0/2・N …(3) (Nは、正数(1、2、3…)) なる式が満足されるように決定された。
すなわち、エレクトロルミネセンスと光干渉多層膜フ
ィルタを兼ね備えたEL素子を形成したことになる。
この第1図に示した本発明の一実施例の薄膜EL装置の
電圧一輝度特性は、第8図のようになり、蛍光体層から
の輝度を発光面より効率的に取り出せることができるこ
とが確かめられた。
さらに、蛍光体層に用いる蛍光体材料としては、主な
発光波長が580nmで、黄橙色に発光するZnS:Mnのほか
に、主な発光波長が544nmで緑色発光するZnS:Tb,Fある
いは、ZnS:Tb,P、主な発光波長が650nm近傍で赤色発光
するCaS:Eu、あるいはZnS:Sm、480nm近傍で青色発光す
るSrS:Ce、あるいはZnS:Tmを用いた。また、各第1誘電
体層(a)、(b)、(c)、(d)、第2誘電体層と
しては、酸化イットリウム膜、酸化タンタル膜、酸化ア
ルミニウム膜、酸化けい素膜、窒化けい素膜や、チタン
酸ストロンチウム膜で代表されるペロブスカイト形酸化
物誘電体膜やタンタル酸バリウム膜等のなかから発光波
長に対する屈折率を考慮にいれ選択して用いた。第1表
に本発明に用いた誘電体膜の特性を示した。
また、実施した本発明の誘電体層と蛍光体層の膜厚の
決定は、発光波長λ0と、エリプソメータや光の透過率
の測定により決定された誘電体層と蛍光体層の発光波長
に対する屈折率nの値を用いて第(1)、(2)、
(3)式より決定された。
本発明により所望の発光波長を持つ高発光効率を薄膜
EL装置が製造できることを確認した。
この時、選択する発光波長の半値幅を狭くしたほうが
発光効率の増加が顕著に現れた。さらに、光干渉多層膜
フィルタを用いた反射鏡層の反射率を発光を取り出す側
として背面電極の反射率に比べて低く設定した。
発明の効果 本発明によれば、高い発光効率で所要の発光波長で発
光する薄膜エレクトロルミネセンス装置ができ、OA機器
用端末、テレビジョン用画像表示装置、ビューファイン
ダ装置としてのフルカラーフラットディスプレイが実現
できる。
なお、本発明は、薄膜エレクトロルミネセンス装置の
みならず発光材料に電荷注入型で発光する有機材料を用
いた場合においても光干渉条件を満たした場合は、本発
明の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の薄膜エレクトロルミネセン
ス装置の基本構成断面図、第2図は、従来例である薄膜
EL素子の断面構造図、第3図は、ファブリー・ペロー型
干渉計の構成図、第4図は、ファブリー・ペロー型干渉
計の動作原理説明図、第5図は、多層膜光干渉フィルタ
の構成図、第6図は、多層膜光干渉フィルタの基本特性
図、第7図は、多層膜光干渉フィルタを挿入した薄膜EL
素子の例の断面構造図、第8図は、本発明の一実施例の
薄膜EL装置の輝度一電圧特性図である。 1……ガラス基板、2……透明電極、4a……第一誘電体
層(a)、4b……第1誘電体層(b)、4c……第1誘電
体層(c)、4d……第1誘電体層(d)、5……蛍光体
層、6……第2誘電体層、7……反射鏡層と電極層を兼
ねた背面電極。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過性を有する電極層と光反射電極層に
    より、蛍光体層あるいは蛍光体層と誘電体層の構造体に
    電圧が印加されるように構成されるとともに、前記構造
    体内における、光の取出側に、前記蛍光体層より放射さ
    れる発光波長の任意の波長λを選択的に透過する多層膜
    の光干渉フィルタを、前記構造体に屈折率の低い誘電体
    膜1と屈折率の高い誘電体膜2を交互にλ/4=膜厚・屈
    折率の式に従って誘電体膜2、誘電体膜1の順に2層以
    上積層し、さらに誘電体膜1より高い屈折率を有する蛍
    光体層をλ/2・N(Nは1以上の整数)=膜厚・屈折率
    の式に従って積層し、さらに誘電体膜3をλ/4・正数=
    膜厚・屈折率の式に従って誘電体膜3を積層した構成に
    したことを特徴とする光干渉フィルタを含む薄膜エレク
    トロルミネセンス装置。
  2. 【請求項2】誘電体層として可視域において屈折率が2
    以上の値を持つペロブスカイト形酸化物あるいはタンタ
    ル酸化物と可視域において屈折率が1以上2未満の酸室
    化物を用いることを特徴とする請求項(1)記載の光干
    渉フィルタを含む薄膜エレクトロルミネセンス装置。
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