JP2684437B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方法

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JP2684437B2 JP2188129A JP18812990A JP2684437B2 JP 2684437 B2 JP2684437 B2 JP 2684437B2 JP 2188129 A JP2188129 A JP 2188129A JP 18812990 A JP18812990 A JP 18812990A JP 2684437 B2 JP2684437 B2 JP 2684437B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料及びそれを
用いたカラー画像形成方法に関するものである。詳しく
は、短時間の迅速現像処理に於いても色濁り少ない優れ
た画像を提供することの出来る超迅速化に適したハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料及びそのカラー画像形成方法
に関するものである。
(従来の技術) 芳香族第一級アミン化合物を現像主薬として露光され
たハロゲン化銀粒子を現像させ、これによって生成した
現像主薬の酸化体とカラーカプラーとのカップリングに
よってカラー画像を形成させる方法は従来よく知られた
技術であり所謂銀塩写真として広く利用されている。
写真業界において写真感光材料の現像処理を出来るか
ぎり迅速に行なうことは、現像所の生産性を向上と顧客
の待ち時間を短くする必要から常に重要な課題の一つで
あった。
写真感光材料の現像処理を迅速に行なうための最も容
易な方法は処理温度を上げて反応を活性化させることで
あり、既にこの方法で大幅な現像処理の時間短縮が実施
されてきた。
これに対して近年高塩化銀ハロゲン化銀粒子を使って
迅速に現像処理を行なう技術が多数公開されている(例
えば特開昭58−95345号、同59−232342号、同60−19140
号)。この高塩化銀ハロゲン化銀粒子を用いることによ
って従来3分以上必要とされた発色現像処理時間が1分
以下にまで短縮された。
また同じく塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤を用
いて更に短時間の処理を実現するための技術が公開され
ている(特開平1−196044号、同2−28642号、同2−5
4261号)。これらの技術では迅速処理によって損なわれ
易い未露光部の最低濃度や色素画像の保存安定性、感光
材料表面の力学的強度などの改善方法が開示されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、種々検討の結果、発色現像処理時間を
45秒以下の如くに短時間の超迅速処理を行なう際の大き
な課題として、得られる画像に色濁りが生じてしまうと
いう問題のあることが判明した。しかも、発色現像処理
の迅速化を進めようとする色濁りの問題もまた大きくな
るにも拘らず、前記従来技術においてはこの問題の解決
方法が何ら示されていなかった。
一方、特公昭36−21592号には感色性の異なるハロゲ
ン化銀乳剤層の間に耐拡散性発色カプラーを含有する中
間層を介在せしめることによって乳剤層間の混色を防止
するとともに、むしろある程度混色させることで発色色
素の見掛けの色相を調節する方法が開示されている。し
かしこの様な方法では特定の色を好ましく変えることは
出来ても種々の色全体で見れば色濁りを増加させること
に他ならず好ましくない。
また、上記先行技術の内、故意に色濁りを起こさせて
見掛けの色相改良や調子再現性の改良を実現するための
技術が特公昭54−41896号、特開昭56−109345号、特開
昭61−91657号および特開平2−100046号に開示されて
いる。しかしこれらの技術はハロゲン化銀乳剤層間に故
意に混色を起こさせることが基本となっており、従って
種々の色全体で見れば色濁りを増加させる点で好ましく
ないことは前述の通りである。
これに対して本発明はハロゲン化銀乳剤層間の混色を
無くしながら、かつ高い発色濃度を得るための方法を提
供することを目的とする。
従って本発明の第一の目的は、色濁りの少ない良好な
カラー画像を得ることの出来る、特に迅速発色現像に適
した、ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びそれを用い
たカラー画像形成方法を提供することにある。
本発明の第二の目的は、ハロゲン化銀乳剤の現像によ
って生成するカラー現像液主薬酸化体の、利用効率を上
げることによって、より少ない銀量で高い濃度の色素画
像を得ることの出来るハロゲン化銀カラー写真感光材料
及びそれを用いたカラー画像形成方法を提供することに
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明は前記の目的を達成すべく研究を重ね結果、以
下のハロゲン化銀カラー写真感光材料及びそれを用いた
カラー画像形成方法を発明するに至った。
(1)反射性支持体上に互いに分光感度の異なる少なく
とも3層のハロゲン化銀乳剤層を有するカラー写真感光
材料において、該カラー写真感光材料が耐拡散型シアン
カプラー含有層、耐拡散型マゼンタカプラー含有層およ
び耐拡散型イエローカプラー含層を少なくとも一層ずつ
有し、そのうち少なくとも一つのカプラー含有層に、発
色現像時にこのカプラー含有層に対して現像主薬の酸化
体を供給することのできるハロゲン化銀乳剤層が実質的
に別層として隣接するように構成されており、かつ該ハ
ロゲン化銀乳剤が実質的に沃化銀を含有せず95モル%以
上が塩化銀よりなる単分散の塩臭化銀もしくは塩化銀粒
子から成ることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感
光材料。
(2)発色色相の異なるカプラー層の間に少なくとも1
層の、現像主薬酸化体の移動を実質的に阻止し得る混色
防止層を有することを特徴とする上記(1)記載のハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料。
(3)少なくとも1つのハロゲン化銀乳剤層において、
該ハロゲン化銀が分光感度を有する光に対して吸収係数
の高い色素を形成するカプラーを含有する層が、該乳剤
層の少なくとも一方に実質的に別層として隣接すること
を特徴とする上記(2)記載のハロゲン化銀カラー写真
感光材料。
(4)ハロゲン化銀カラー写真感光材料を露光後、芳香
族第一級アミン発色現像主薬を含有する現像液にて現像
することにより色素画像を得るカラー画像形成方法にお
いて、該カラー写真感光材料が上記(1)記載の感光材
料であり、かつ該発色現像工程の所要時間が5秒以上45
秒以下であることを特徴とするカラー画像形成方法。
(5)前記発色現像液が少なくとも一種のN−ヒドロキ
シアルキル置換パラフェニレンジアミン発色現像主薬を
含有することを特徴とする上記(4)記載のカラー画像
形成方法。
発明者は種々検討の結果、前記の如き超迅速化に伴な
う色濁り発生の問題は、発色現像時間を45秒以下にしよ
うとするとハロゲン化銀乳剤層において短時間の間に多
量の発色現像主薬酸化体が発生し、これが他層に拡散し
て不要な色素を形成し色濁りを生じ易いことに起因する
ことの想定のもと、上記の如き本発明に至ったものであ
る。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、互いに
分光感度の異なる少なくとも3層のハロゲン化銀乳剤層
(例えば赤感性、緑感性、青感性乳剤層、更には赤外ま
で含めた領域で3種の異なる分光感度を有する乳剤層)
と、シアンカプラー含有層、マゼンタカプラー含有層及
びイエローカプラー含有層とはそれぞれ同一層であって
も別々の層であってもよく、少なくともいずれか1つの
カプラー含有層に、該カプラーに対応するハロゲン化銀
乳剤層(該乳剤層中に該カプラーを別個に含有していて
もいなくてもよい)を実質的に別層として隣接させるも
のである。
即ち、本発明によれば、前記の如く、乳剤層中におい
て、とくに短時間の間に多量に発生することにより、他
層に拡散して不要な色素を形成し得る発色現像主薬酸化
体を、隣接して設けた別層中のカプラーが捕捉して色濁
りの発生を抑制すること、更には該酸化体を捕捉したカ
プラーが、色素画像形成にも有効を寄与することが判明
した。
従って、発色現像主薬酸化体が多量に発生しないかあ
るいは他層への拡散が起こりにくい態様の場合であって
も、本発明の構成をとることにより、発色濃度を増加さ
せ得ることが判った。これは隣接層近傍に発生する現像
主薬酸化体が有効に発色濃度に寄与するためと推定され
る。更には、いわゆる中間層に混色防止剤を多量に用い
て色濁りの防止を図る場合でも、本発明の構成をとるこ
とにより、最高濃度の低下を効率よく防ぐことができ
る。
ここで「実質的に別層」とはカプラー含有層が明確な
別層として塗布される場合の他、油滴としてゼラチン水
溶液中に乳化分散されたカプラーと微小固体のコロイド
溶液としてゼラチン過溶液中に存在するハロゲン化銀粒
子とが混合された状態で塗布された後、分離して、場合
により不明確な境界をもって、別層を形成する場合も含
まれる。
更に、本発明の感光材料は、上記構成において、発色
色相の異なるカプラー層の間に少なくとも1層の、現像
主薬酸化体の移動を実質的に阻止し得る混色防止層を有
することが好ましい。
現像主薬酸化体の移動を実質的に阻止し得るとは、発
色現像処理した際に発色色相の異なるカプラー層間で混
色が認められないことを意味し、前述の先行技術におい
て記載される様な現像主薬酸化体の移動を制御して適切
な混色を起こすための層とは明確に区別されるものであ
る。
現像主薬酸化体の移動を実質的に阻止するためには通
常の0.1〜1ミリモル/m2の所謂色カブリ防止剤を用いる
が、本発明においてハロゲン化銀乳剤層とは別にカプラ
ー層を有する場合には上記色カブリ防止剤の使用量は、
0.1ミリモル/m2以下でもよい。即ち、色カブリ防止剤の
使用量は、カプラー層の配置の仕方に依存するため、本
発明では使用量を限定することは出来ない。
一方、高感度ハロゲン化銀乳剤層と低感度ハロゲン化
銀乳剤層の2層ハロゲン化銀乳剤層、および耐拡散型カ
プラーを含有する非感光層を有するハロゲン化銀感光材
料に関する技術が公開されている(特開昭53−58236、
同50−155226号)。これらは撮影用のハロゲン化銀感光
材料に関して、感度および/またはシャープネスの改良
を目的とした発明であり、該明細書によればハロゲン化
銀としては沃臭化銀を用い、適用しようとする現像時間
も本発明と比べて数倍も長いものである。従って、これ
らの先行技術から本発明におけるような迅速処理におけ
る色濁りの改良効果を類推することは全く出来なかっ
た。これらの技術が本発明と全く無縁である理由は用い
られ得るハロゲン化銀のハロゲン組成、現像処理の時
間、現像液の組成などが大きく異なることに加えて、色
素画像の観察あるいは利用の仕方が全く異なることにも
よると考えられる。即ち、上記先行技術の感光材料は透
明な支持体上に色素像を形成して透過光で観察あるいは
利用するものであるのに対して、本発明の感光材料は反
射支持体上の色素画像を反射光で観察する感光材料であ
る。後者では実用的に色濁りの影響が著しく大きいのに
対して、前者ではこの影響がはるかに小さいため、全く
問題に成らなかったものと考えられる。
本発明においては、とくにハロゲン化銀乳剤が実質的
に沃化銀を含有せず95モル%以上が塩化銀よりなる単分
散の塩臭化銀もしくは塩化銀粒子から成る本発明に従う
カラー写真感光材料を用いて、温度が30度以上50℃以
下、かつ所要時間が5秒以上5秒以下、とくに5秒以上
30秒以下の超迅速発色現像処理を施すのが好ましい。
とくに発色現像液として、少なくとも1種のN−ヒド
ロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン発色現像主
薬を含有させた場合に、本発明の効果が顕著となり、迅
速処理適性が増大し、好ましい。
本発明におけるカプラー含有非感光層の設置方法の具
体例について以下に述べるが、本発明の実施態様はこれ
らに限定されるものではない。
(1) シアンカプラーを含有する赤感性ハロゲン化銀
乳剤層(以下C−R層と略記す)、マゼンタカプラーを
含有する緑感光性ハロゲン化銀乳剤層(以下M−Gと略
記す)およびイエローカプラーを含有する青感性ハロゲ
ン化銀乳剤層(以下Y−Bと略記す)の3感光層を有す
るカラー写真感光材料に対して少なくとも一つの感光層
に隣接して該感光層と同一のカプラーを含有し、感光性
ハロゲ化銀を含まない非感光層(以下シアンカプラーを
含有する非感光層をC層、マゼンタカプラーを含有する
非感光層をM層、イエローカプラーを含有する非感光層
をY層と略記する)を設置する方法。上記の略記法に加
えて、混色防止剤を含有しカプラーを含有しない非感光
性中間層をI層、保護層をP層としてさらに具体的な構
成例を以下に記す。
P層/C−R層/C層/I層/M−G層/I層/Y−B層/支持体 P層/C−R層/I層/M層/M−G層/I層/Y−B層/支持体 P層/C−R層/I層/M−G層/M層/I層/Y−B層/支持体 P層/C−R層/I層/M−G層/M層/Y層/Y−B層/支持体 (2) 上記(1)の方法でカプラーを含有する非感光
層を対応するハロゲン化銀乳層の両側に設置する方法。
即ち、具体的構成例を以下に記す。
P層/C層/C−R層/C層/I層/M−G層/I層/Y−B層/支
持体 P層/C−R層/I層/M層/M−G層/M層/I層/Y−B層/支
持体 P層/C−R層/I層/M−G層/I層/Y層/Y−B層/Y層/支
持体 (3) 上記(2)の方法で、カプラー含有非感光層に
はさまれたハロゲン化銀乳剤層にカプラーを含有させな
い方法。即ち、カプラーを含有しない、赤感性ハロゲン
化銀乳剤層、緑感性乳剤層及び青感光性乳剤層をそれぞ
れR層、G層及びB層として、具体的構成例を以下に記
す。
P層/C層/R層/C層/I層/M−G層/I層/Y−B層/支持体 P層/C−R層/I層/M層/G層/M層/I層/Y−B層/支持体 P層/C−R層/I層/M−G層/I層/Y層/B層/Y層/支持体 (4) 上記(1)〜(3)の〜を組み合わせた方
法。
(5) 上記(1)〜(3)の〜における感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層の位置を自在に入れ替え、同時に対応
するカプラー含有非感光層を上記と同様に設置する方
法。
(6) 上記(1)〜(5)における感光性ハロゲン化
銀乳剤層が赤感性、緑感性、青感性ではなく、赤外まで
含めた領域で3種の異なる分光感度を有するいわゆるフ
ォールスカラー感光材料であること以外は(1)〜
(5)と同様のカプラー含有非感光層を設置させる方
法。
(7) 上記(1)〜(6)の態様でカプラーを含有し
ない非感光性中間層の少なくとも一層を省略する以外
は、(1)〜(6)と同じ方法。
尚、上記(3)の方法では、カプラーの利用率が高ま
り、総カプラー使用量を減らしても十分な濃度を得るこ
とができるという更なる利点を有する。
以下、本発明について詳しく述べる。
本発明のカラー写真感光材料は、支持体上に青感性ハ
ロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および赤
感性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層ずつ塗設して
構成することができる。一般のカラー印画紙では、支持
体上に前出の順で塗設されているのが普通であるが、こ
れと異なる順序であっても良い。また、赤外感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層を前記の乳剤層の少なくとも一つの替り
に用いることができる。これ等の感光性乳剤層には、そ
れぞれの波長域に感度を有するハロゲン化銀乳剤と、感
光する光と補色の関係にある色素−すなわち青に対する
イエロー、緑に対するマゼンタそして赤に対するシアン
−を形成する所謂カラーカプラーを含有させることで減
色法の色再現を行うことができる。ただし、感光層とカ
プラーの発色色相とは、上記のような対応を持たない構
成としてもよい。
本発明に用いるハロゲン化銀剤としては、実質的に沃
化銀を含まない塩臭化銀もしくは塩化銀よりなるものを
好ましく用いることができる。ここで実質的に沃化銀を
含まないとは、沃化銀含有率が0.1モル%以下、好まし
くは0.02モル%以下のことを言う。乳剤のハロゲン組成
は粒子間で異なっても等しくても良いが、粒子間で等し
いハロゲン組成を有する乳剤を用いると、各粒子の性質
を均質にすることが容易である。また、ハロゲン化銀乳
剤粒子内部のハロゲン組成分布については、ハロゲン化
銀粒子のどの部分をとっても組成の等しい所謂均一型構
造の粒子や、ハロゲン化銀粒子内部のコア(芯)とそれ
を取り囲むシェル(殻)〔一層または複数層〕とでハロ
ゲン組成の異なる所謂積層型構造の粒子あるいは、粒子
内部もしくは表面に非層状にハロゲン組成の異なる部分
を有する構造(粒子表面にある場合は粒子のエッジ、コ
ーナーあるいは面上に異組成の部分が接合した構造)の
粒子などを適宜選択して用いることができる。高感度を
得るには、均一型構造の粒子よりも後二者のいずれかを
用いることが有利であり、耐圧力性の面からも好まし
い。ハロゲン化銀粒子が上記のような構造を有する場合
には、ハロゲン組成において異なる部分の境界部は、明
確な境界であっても、組成差により混晶を形成して不明
確な境界であっても良く、また積極的に連続的な構造変
化を持たせたものであっても良い。
本発明に用いる高塩化銀乳剤の塩化銀含有率は95モル
%以上であり、98モル%以上が更に好ましい。
こうした高塩化銀乳剤においては臭化銀局在相を先に
述べたような層状もしくは非層状にハロゲン化銀粒子内
部および/または表面に有する構造のものが好ましい。
上記局在相のハロゲン組成は、臭化銀含有率において少
なくとも10モル%のものが好ましく、20モル%を越える
ものがより好ましい。そして、これらの局在相は、粒子
内部、粒子表面のエッジ、コーナーあるいは面上にある
ことができるが、一つの好ましい例としては、粒子のコ
ーナー部にエピタキシャル成長したものを挙げることが
できる。
一方、感光材料が圧力を受けたときの感度低下を極力
抑える目的で、塩化銀含有率95モル%以上の高塩化銀乳
剤においても、粒子内のハロゲン組成の分布の小さい均
一型構造の粒子を用いることも好ましく行われる。
また、現像処理液の補充量を低減する目的でハロゲン
化銀乳剤の塩化銀含有率を更に高めることも有効であ
る。この様な場合にはその塩化銀含有率が98モル%〜10
0モル%であるような、ほぼ純塩化銀の乳剤も好ましく
用いられる。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン
化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投影面積と等価な塩
の直径を以て粒子サイズとし、その数平均をとったも
の)は、0.2〜1.0μmが好ましい。
また、それらの粒子サイズ分布は変動係数(粒子サイ
ズ分布の標準偏差を平均粒子サイズで除したもの)20%
以下、望ましくは15%以下の所謂単分散なものが好まし
い。このとき、広いラチチュードを得る目で上記の単分
散乳剤を同一層にブレンドして使用することや、重層塗
布することも好ましく行われる。この様に粒子サイズの
異なるハロゲン化銀粒子を感光材料中に複数用いる時に
は、それらが同一感光層内に共存する場合でも異なる感
光層にある場合でも、該ハロゲン化銀粒子の平均粒子サ
イズの比が0.63以上1.6以下であることが好ましく、0.7
7以上1.3以下であればさらに好ましい。
写真乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の形状は、立法
体、十四面体あるいは八面体のような規則的な(regula
r)結晶形を有するもの、球状、板状などのような変速
的な(irregular)結晶形を有するもの、あるいはこれ
らの複合形を有するものを用いることができる。また、
種々の結晶形を有するものの混合したものからなっても
良い。本発明においてはこれらの中でも上記規則的な結
晶形を有する粒子を50%以上、好ましくは70%以上、よ
り好ましくは90%以上含有するのが良い。
また、これら以外にも平均アスペクト比(円換算直径
/厚み)が5以上、好ましくは8以上の平均板状粒子が
投影面積として全粒子の50%を越えるような乳剤も好ま
しく用いることができる。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、その乳剤粒子形
成もしくは物理熟成の過程において種々の多価金属イオ
ン不純物を導入することができる。使用する化合物の例
としては、カドミウム、亜鉛、鉛、銅、タリウムなどの
塩、あるいは第VIII族元素である鉄、ルテニウム、ロジ
ウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金など
の塩もしくは錯塩を挙げることができる。特に上記第VI
II族元素は好ましく用いることができる。これ等の化合
物の添加量は目的に応じて広範囲にわたるハロゲン化銀
1モルに対して10-9〜10-2モルが好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、通常化学増
感を施される。
化学増感法については、不安定硫黄化合物の添加に代
表される硫黄増感、金増感に代表される貴金属増感、あ
るいは還元増感などを単独もしくは併用して用いること
ができる。化学増感に用いられる化合物については、特
開昭62−215272号公報明細書の第18頁右下欄〜第22頁右
上欄に記載のものが好ましく用いられる。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、通常分光増
感を施される。
分光増感は、本発明の感光材料における各層の乳剤に
対して所望の光波長域に分光感度を付与する目的で行わ
れる。本発明においては目的とする分光感度に対応する
波長域の光を吸収する色素−分光増感色素を添加するこ
とで行うことが好ましい。このとき用いられる分光増感
色素としては例えば、F.M.Harmer著Heterocyclic compo
unds−Cyanine dyes and related compounds(John Wil
ey & Sons〔New York,London〕社刊、1964年)に記載
されているものを挙げることができる。具体的な化合物
の例ならびに分光増感法は、前出の特開昭62−215272号
公報明細書の第22頁右上欄〜第38頁に記載のものが好ま
しく用いられる。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製
造工程、保存中あるいは写真処理中のかりを防止する、
あるいは写真性能を安定化させる目的で種々の化合物あ
るいはそれ等の全躯体を添加することができる。これら
の化合物の具体例は前出の特開昭62−215272号公報明細
書の第39頁〜第72頁に記載のものが好ましく用いられ
る。
本発明に用いる乳剤は、潜像が主として粒子表面に形
成される所謂表面潜像型乳剤、あるいは潜像が主として
粒子内部に形成される所謂内部潜像型乳剤のいずれのタ
イプのものであっても良い。
本発明に用いられるカラー感光材料には芳香族アミン
系発色現像薬の酸化体とカップリングしてそれぞれイエ
ロー、マゼンタ、シアンに発色するイエローカプラー、
マゼンタカプラー及びシアンカプラーが通常用いられ
る。
本発明において好ましく使用されるシアンカプラー、
マゼンタカプラーおよびイエローカプラーは、下記一般
式(C−I)、(C−II)、(M−I)、(M−II)お
よび(Y)で示されるものである。
一般式(C−I) 一般式(C−II) 一般式(M−I) 一般式(M−II) 一般式(Y) 一般式(C−I)および(C−II)において、R1、R2
およびR4は置換もしくは無置換の脂肪族、芳香族または
複素環基を表し、R3、R5およびR6は水素原子、ハロゲン
原子、脂肪族基、芳香族基またはアシルアミノ基を表
し、R3はR2と共に含窒素の5員環もしくは6員環を形成
する非金属原子群を表してもよい。Y1、Y2は水素原子ま
たは現像主薬の酸化体とのカップリング反応時に離脱し
うる基を表す。nは0又は1を表す。
一般式(C−II)におけるR5としては脂肪族基である
ことが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンタデシル基、tert−ブチル基、シ
クロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、フェニルチ
オメチル基、ドデシルオキシフェニルチオメチル基、ブ
タンアミドメチル基、メトキシメチル基などを挙げるこ
とができる。
前記一般式(C−I)または(C−II)で表わされる
シアンカプラーの好ましい例は次の通りである。
一般式(C−I)において好ましいR1はアリール基、
複素環基であり、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アシル基、
カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル
基、スルホニル基、スルファミド基、オキシカルボニル
基、シアノ基で置換されたアリール基であることがさら
に好ましい。一般式(C−I)においてR3とR2で環を形
成しない場合、R2は好ましくは置換もしくは無置換のア
ルキル基、アリール基であり、特に好ましくは置換アリ
ールオキシ置換のアルキル基であり、R3は好ましくは水
素原子である。
一般式(C−II)において好ましいR4は置換もしくは
無置換のアルキル基、アリール基であり、特に好ましく
は置換アリールオキシ置換のアルキル基である。
一般式(C−II)において好ましいR5は炭素数2〜15
のアルキル基および炭素数1以上の置換基を有するメチ
ル基であり、置換基としてはアリールチオ基、アルキル
チオ基、アシルアミノ基、アリールオキシ基、アルキル
オキシ基が好ましい。一般式(C−II)においてR5は炭
素数2〜15のアルキル基であることがさらに好ましく、
炭素数2〜4のアルキル基であることが特に好ましい。
一般式(C−II)において好ましいR6は水素原子、ハロ
ゲン原子であり、塩素原子およびフッ素原子が特に好ま
しい。一般式(C−I)および(C−II)において好ま
しいY1およびY2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ス
ルホンアミド基である。
一般式(M−I)において、R7およびR9はアリール基
を表し、R8は水素原子、脂肪族もしくは芳香族のアシル
基、脂肪族もしくは芳香族のスルホニル基を表し、Y3
水素原子または離脱基を表す。R7およびR9のアリール基
(好ましくはフェニル基)に許容される置換基は、置換
基R1に対して許容される置換基と同じであり、2つ以上
の置換基があるときは同一でも異なっていてもよい。R8
は好ましくは水素原子、脂肪族のアシル基またはスルホ
ニル基であり、特に好ましくは水素原子である。好まし
いY3イオウ、酸素もしくは炭素原子のいずれかで離脱す
る型のものであり、例えば米国特許第4,351,897号や国
際公開WO88/94795号に記載されているようなイオウ原子
離脱型は特に好ましい。
一般式(M−II)において、R10は水素原子または置
換基を表す。Y4は水素原子または離脱基を表し、特にハ
ロゲン原子やアリールチオ基が好ましい。Za、Zbおよび
Zcはメチン、置換メチン、=N−又は−NH−を表し、Za
−Zb結合とZb−Zc結合のうち一方は二重結合であり、他
方は単結合である。Zb−Zc結合が炭素−炭素二重結合の
場合は、それが芳香環の一部である場合を含む。R10
たはY4で2量体以上の多量体を形成する場合、またZa、
ZbあるいはZcが置換メチンであるときはその置換メチン
で2量体以上の多量体を形成する場合を含む。
一般式(M−II)で表わされるピラゾロアゾール系カ
プラーの中でも発色色素のイエロー副吸収の少なさおよ
び光堅牢性の点で米国特許第4,500,630号に基のイミダ
ゾ〔1,2−b〕ピラゾール類は好ましく、米国特許第4,5
40,654号に記載のピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリア
ゾールは特に好ましい。
その他、特開昭61−65245号に記載されたような分岐
アルキル基がピラゾロトリアゾール環の2、3又は6位
に直結してピラゾロトリアゾールカプラー、特開昭61−
65246号に記載されたような分子内にスルホンアミド基
を含んだピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−147254
号に記載されたようなアルコキシフェニルスルホンアミ
ドバラスト基をもつラゾロアゾールカプラーや欧州特許
(公開)第226,849号や同第294,785号に記載されたよう
な6位にアルコキシ基やアリールオキシ基をもつピラゾ
ロトリアゾールカプラーの使用が好ましい。
一般式(Y)において、R11はハロゲン原子、アルコ
キシ基、トリフルオロメチル基またはアリール基を表
し、R12は水素原子、ハロゲン原子またはアルコキシ基
を表す。Aは−NHCOR13、−NHSO2−R13、−SO2NHR13
−COOR13を表わす、但し、R13とR14はそれぞれアルキル基、アリ
ール基またはアシル基を表す。Y5は離脱基を表す。R12
とR13、R14の置換基としては、R1に対して許容された置
換基と同じであり、離脱基Y5は好ましくは酸素原子もし
くは窒素原子のいずれか離脱する型のものであり、窒素
原紙離脱型が特に好ましい。
一般式(C−I)、(C−II)、(M−I)、(M−
II)および(Y)で表わされるカプラーの具体例を以下
に列挙する。
一般式(C−I)、(C−II)で表わされるカプラー
の具体例を以下に列挙する。
一般式(M−I)、(M−II)で表わされるカプラー
の具体例を以下に列挙する。
一般式(Y)で表わされるカプラーの具体例を以下に
列挙する。
上記一般式(C−I)〜(Y)で表されるカプラー
は、感光層を構造するハロゲン化銀乳剤層中に、通常ハ
ロゲン化銀1モル当たり0.1〜1.0モル、好ましくは、0.
1〜0.5モル含有される。
このようなカプラーの分散媒としては誘電率(25℃)
2〜20、屈折率(25℃)1.5〜1.7の高沸点有機溶媒およ
び/または水不溶性高分子化合物を使用するのが好まし
い。
高沸点有機溶媒として、好ましくは次の一般式(A)
〜(E)で表される高沸点有機溶媒が用いられる。
一般式(A) 一般式(B) W1−COO−W2 一般式(C) 一般式(D) 一般式(E) W1−O−W2 (式中、W1、W2及びW3はそれぞれ置換もしくは無置換の
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリー
ル基又はヘテロ環基を表わし、W4はW1、OW1またはS−W
1を表わし、nは、1ないし5の整数であり、nが2以
上の時はW4は互いに同じでも異なっていてもよく、一般
式(E)において、W1とW2が縮合環を形成してもよ
い)。
本発明に用いうる高沸点有機溶媒は、一般式(A)な
いし(E)以外でも融点が、100℃以下、沸点が140℃以
上の水と非混和性の化合物で、カプラーの良溶媒であれ
ば使用できる。高沸点有機溶媒の融点は好ましくは80℃
以下である。高沸点有機溶媒の沸点は、好ましくは160
℃以上であり、より好ましくは170℃以上である。
これらの高沸点有機溶媒の詳細については、特開昭62
−215272号公開明細書の第137頁右下欄〜144頁右上欄に
記載されている。
また、これらのカプラーは前記の高沸点有機溶媒の存
在下でまたは不存在下でローダブルラテックスポリマー
(例えば米国特許第4,203,716号)に含浸させて、また
は水不溶性且つ有機溶媒可溶性のポリマーに溶かして新
水性コロイド水溶液に乳化分散させる事ができる。
好ましくは国際公開WO88/00723号明細書の第12頁〜30
頁に記載の単独重合体または共重合体が用いられ、特に
アクリルアミド系ポリマーの使用が色像安定化等の上で
好ましい。
本発明の感光材料には、種々の退色防止剤を用いるこ
とができる。即ち、シアン、マゼンタ及び/又はイエロ
ー画像用の有機退色防止剤としてはハイドロキノン類、
6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクマラン
類、スピロクロマン類、p−アルコキシフェノール類、
ビスフェノール類を中心としたヒンダードフェノール
類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類、ア
ミノフェノール類、ヒンダードアミン類およびこれら各
化合物のフェノール性水酸基をシリン化、アルキル化し
たエーテルもしくはエステル誘導体が代表例として挙げ
られる。また、(ビスサリチルアルドキシマト)ニッケ
ル錯体および(ビス−N,N−ジアルキルジチオカルバマ
ト)ニッケル錯体に代表される金属錯体なども使用でき
る。
有機退色防止剤の具体例は以下の特許の明細書に記載
されている。
ハイドロキノン類は米国特許第2,360,290号、同2,41
8,613号、同2,700,453号、同2,701,197号、同2,728,659
号、同2,732,300号、同2,735,765号、同3,982,944号、
同4,430,425号、英国特許第1,363,921号、米国特許第2,
710,801号、同2,816,028号などに、6−ヒドロキシシク
ロマン類、5−ヒドロキシクマラン類、スピロクロマン
類は米国特許第3,432,300号、同3,573,050号、同3,574,
627号、同3,698,909号、同3,764,337号、特開昭52−152
225号などに、スピロインダン類は米国特許第4,360,589
号に、p−アルコキシフェノール類は米国特許第2,735,
765号、英国特許第2,066,975号、特開昭59−10539号、
特公昭57−19765号などに、ヒンダードフェノール類は
米国特許第3,700,455号、特開昭52−72224号、米国特許
第4,228,235号、特公昭52−6623号などに、没食子酸誘
導体、メチレンジオキシベンゼン類、アミノフェノール
類はそれぞれ米国特許第3,457,079号、同4,332,886号、
特公昭56−21144号などに、ヒンダードアミン類は米国
特許第3,336,135号、同4,268,593号、英国特許第1,326,
889号、同1,354,313号、同1,410,846号、特公昭51−142
0号、特開昭58−114036号、同59−53846号、同59−7834
4号などに、金属錯体は米国特許第4,050,938号、同4,24
1,155号、英国特許第2,027,731(A)号などにそれぞれ
記載されている。これらの化合物は、それぞれ対応する
カラーカプラーに対し通常5ないし100重量%をカプラ
ーと共乳化して感光層に添加することにより、目的を達
成することができる。シアン色素像の熱および特に光に
よる劣化を防止するためには、シアン発色層およびそれ
に隣接する両側の層に紫外線吸収剤を導入することがよ
り効果的である。
紫外線吸収剤としては、アリール基で置換されたベン
ゾトリアゾール化合物(例えば米国特許第3,533,794号
に記載のもの、4−チアゾリドン化合物(例えば米国特
許第3,314,794号、同3,352,681号に記載のもの)、ベン
ゾフェノン化合物(例えば特開昭46−2784号に記載のも
の)、ケイヒ酸エステル化合物(例えば米国特許第3,70
5,805号、同3,707,395号に記載のもの)、ブタジエン化
合物(米国特許第4,045,229号に記載のもの)、あるい
はベンゾオキシドール化合物(例えば米国特許第3,406,
070号、同3,677,672号、同4,271,307号に記載のもの)
を用いることができる。紫外線吸収性のカプラー(例え
ばα−ナフトール系のシアン色素形成カプラー)や、紫
外線吸収性のポリマーなどを用いてもよい。これらの紫
外線吸収剤は特定の層に媒染されていてもよい。なかで
も前記のアリール基で置換されたベンゾトリアゾール化
合物が好ましい。
また前述のカプラーと共に、特に下記のような化合物
を使用することが好ましい。特にピラゾロアゾールカプ
ラーとの併用が好ましい。
即ち、発色現像処理後に残存する芳香族アミン系現像
主薬と化合結合して、化学的に不活性でかつ実質的に無
色の化合物を生成する化合物(F)および/または発色
現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現像主薬の酸
化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的に無
色の化合物を生成する化合物(G)を同時または単独に
用いることが、例えば処理後の保存における膜中残存発
色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反応による発
色色素生成によるステイン発生その他の副作用を防止す
る上で好ましい。
化合物(F)として好ましいものは、p−アニシジン
との二次反応速度定数k2(80℃のトリオクチルホスフェ
ート中)が1.0/mol・sec〜1×10-5/mol・secの範
囲で反応する化合物である。なお、二次反応速度定数は
特開63−158545号に記載の方法で測定することができ
る。
k2がこの範囲より大きい場合、化合物自体が不安定と
なり、ゼラチンや水と反応して分解してしまうことがあ
る。一方、k2がこの範囲より小さければ残存する芳香族
アミン系現像主薬と反応が遅く、結果として残存する芳
香族アミン系現像主薬の副作用を防止することができな
いことがある。このような化合物(F)のより好ましい
ものは下記一般式(F I)または(F II)で表すことが
できる。
一般式(F I) R1−(A)n−X 一般式(F II) 式中、R1、R2はそれぞれ脂肪族基、芳香族基、または
ヘテロ環基を表す。nは1または0を表す。Aは芳香族
アミン系現像薬と反応し、化学結合を形成する基を表わ
し、Xは芳香族アミン系現像薬と反応して離脱する基を
表わす。Bは水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環
基、アシル基、またはスルホニル基を表し、Yは芳香族
アミン系現像主薬が一般式(F II)の化合物に対して付
加するのを促進する基を表す。ここでR1とX、YとR2
たはBとが互いに結合して環状構造となってもよい。
残存芳香族アミン系現像主薬と化学結合する方式のう
ち、代表的なものは置換反応と付加反応である。
一般式(F I)、(F II)で表される化合物の具体例
については、特開昭63−158545号、同62−283338号、欧
州特許公開298321号、同277589号などの明細書に記載さ
れているものが好ましい。一方、発色現像処理後に残存
する芳香族アミン系現像主薬の酸化体と化学結合して、
化学的に不活性でかつ無色の化合物を生成する化合物
(G)のより好ましいものは下記一般式(G I)で表わ
すことができる。
一般式(G I) R−Z 式中、Rは脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表
わす。Zは求核性の基または感光材料中で分解して求核
性の基を放出する基を表わす。一般式(G I)で表わさ
れる化合物はZがPearsonの求核性nCH3I値(R.G.Pearso
n,et al.,J.Am.Chem.Soc.,90,319(1968)が以上の基
か、もしくはそれから誘導される基が好ましい。
一般式(G I)で表わされる化合物の具体例について
は欧州公開特許第255722号、特開昭62−143048号、同62
−229145号、特願昭63−136724号、特開平1−57259
号、欧州特許公開298321号、同277589号などに記載され
ているものが好しい。
また前記の化合物(G)と化合物(F)との組合せの
詳細については、欧州特許公開277589号に記載されてい
る。
本発明に用いられる感光材料は、色カブリ防止剤とし
て、ハイドロキノン誘導体、アミノフェノール誘導体、
没食子酸誘導体、アスコルビン酸誘導体などを含有して
もよい。
本発明に用いられる感光材料には、親水性コロイド層
にフィルター染料として、あるいはイラジエーションや
ハレーションの防止その他種々の目的で水溶性染料や写
真処理によって水溶性となる染料を含有していてもよ
い。このような染料には、オキソノール染料、ヘミオキ
ソノール染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シア
ニン染料及びアゾ染料が包含される。なかでもオキソノ
ール染料、ヘミオキソノール染料及びメロシアニン染料
が有用である。
本発明の感光材料の乳剤層に用いることのできる結合
剤または保護コロイドとしては、ゼラチンを用いるのが
有利であるが、それ以外の親水性コロイド単独あるいは
ゼラチンと共に用いることができる。
本発明においてゼラチンは石灰処理されたものでも、
酸を使用して処理されたものでもどちらでもよい。ゼラ
チンの製法の詳細はアーサー・ヴァイス著、ザ・マクロ
モレキュラー・ケミストリー・オブ・ゼラチン(アカデ
ミック・プレス、1964年発行)に記載がある。
本発明に用いる支持体としては通常、写真感光材料に
用いられているセルロースナイトレートフィルムやポリ
エチレンテレフタレートなどの透明フィルムや反射型支
持体が使用できる。本発明の目的にとっては、反射支持
体の使用がより好ましい。
本発明に使用する「反射支持体」とは、反射性を高め
てハロゲン化銀乳剤層に形成された色素画像を鮮明にす
るものをいい、このような反射支持体には、支持体上に
酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム等の光反射物質を分散含有する疎水性樹脂を被覆した
ものや光反射性物質を分散含有する疎水性樹脂を支持体
として用いたものが含まれる。例えば、バライタ紙、ポ
リエチレン被覆紙、ポリプロピレン系合成紙、反射層を
併設した、或は反射性物質を併用する透明支持体、例え
ばガラス板、ポリエチレンテレフタレート、三酢酸セル
ロースあるいは硫酸セルロースなどのポリエステルフィ
ルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニル樹脂等がある。
その他の反射型支持体として、鏡面反射性または第2
種拡散反射性の金属表面をもつ支持体を用いることがで
きる。金属表面は可視波長域における分光反射率が0.5
以上のものがよく、また金属表面を粗面化または金属粉
体を用いて拡散反射性にするのがよい。該金属としては
アルミニウム、錫、銀、マグネシウムまたはその合金な
どを用い、表面は圧延、蒸着、或いはメッキなどで得た
金属板、金属箔、または金属薄層の表面であってよい。
なかでも、他の基質に金属を蒸着して得るのがよい。金
属表面の上には、耐水性樹脂とくに熱可塑性樹脂を設け
るのが好ましい。本発明の支持体の金属表面をもつ側の
反対側には帯電防止層を設けるのがよい。このような支
持体の詳細については、例えば、特開昭61−210346号、
同63−24247号、同63−24251号や同63−24255号などに
記載されている。
これらの支持体は使用目的によって適宜選択できる。
光反射性物質としては、界面活性剤の存在下に白色顔
料を充分に混練するのがよく、また顔料粒子の表面を2
〜4価のアルコールで処理したものを用いるのが好まし
い。
白色顔料微粒子の規定された単位面積当りの占有面積
比率(%)は、最も代表的には観察された面積を、相接
する6μm×6μmの単位面積に区分し、その単位面積
に投影される微粒子の占有面積比率(%)(Ri)を測定
して求めることが出来る。占有面積比率(%)の変動係
数は、Riの平均値()に対するRiの標準偏差sの比s/
によって求めることが出来る。対象とする単位面積の
個数(n)は6以上が好ましい。従って変動係数s/は によって求めることが出来る。
本発明において、顔料の微粒子の占有面積比率(%)
の変動係数は0.15以下とくに0.12以下が好ましい。0.08
以下の場合は、実質上粒子の分散性は「均一である」と
いうことができる。
本発明に用いる塩臭化銀乳剤は、P.Glafkides著Chimi
e et Phisique Photographique(Paul Montel社刊、196
7年)、G.F.Duffin著Potograpic Emulsion Chemistry
(Focal Pree社刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著Ma
king and Coating Photographic Emuldion(Focal Pres
s社刊、1964年)などに記載された方法を用いて調整す
ることができる。すなわち、酸性法、中性法、アンモニ
ア法等のいずれでも良く、また可溶性銀塩と可溶性ハロ
ゲン塩を反応させる形式としては、片側混合法、同時混
合法、およびそれらの組み合わせなどのいずれの方法を
用いても良い。粒子を銀イオン過剰の雰囲気の下におい
て形成させる方法(所謂逆混合法)を用いることもでき
る。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成
する液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわち所謂コン
トロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均一
に近いハロゲン化銀乳剤を得ることができる。
本発明において、前記カプラーを感光層に添加するた
めには、公知の種々の技術を適用することができる。通
常、オイルプロテクト法として公知の水中油滴分散法に
より添加することができ、溶媒に溶解した後、界面活性
剤を含むゼラチン水溶液に乳化分散させる。あるいは界
面活性剤を含むカプラー溶液中に水あるいはゼラチン水
溶液を加え、転相を伴って水中油滴分散物としてもよ
い。またアルカリ可溶性のカプラーは、いわゆるフィッ
シャー分散法によっても分散できる。カプラー分散物か
ら、蒸留、ヌードル水洗あるいは限外濾過などの方法に
より、低沸点有機要媒を除去した後、写真乳剤と混合し
た。
本発明のカラー写真感光材料は、カラー現像、漂白定
着、水洗処理(または安定化処理)が施されるのが好ま
しい。漂白と定着は前記のような一浴でなくて別個に行
ってもよい。
本発明に使用されるカラー現像液中には、公知の芳香
族第一級アミンカラー現像主薬を含有する。好ましい例
はp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例を以下
に示すがこれらに限定されるものではない。
D−1 N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン D−2 4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニ
リン D−3 4−アミノ−N(β−ヒドロキシエチル)N−
メチルアニリン D−4 4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキ
シエチル)アニリン D−5 4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキ
シエチル)−3−メチルアニリン D−6 4−アミノ−N−エチル−N−(3−ヒドロキ
シプロピル)−3−メチルアニリン D−7 4−アミノ−N−エチル−N−(4−ヒドロキ
シブチル)−3−メチルアニリン D−8 4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンス
ルホンアミドエチル)−3−メチルアニリン D−9 4−アミノ−N,N−ジエチル−3−(β−ヒド
ロキシエチル)アニリン D−10 4−アミノ−N−エチル−N−(β−メトキシ
エチル)−3−メチル−アニリン D−11 4−アミノ−N−(β−エトキシエチル)−N
−エチル−3−メチルアニリン D−12 4−アミノ−N−(3−カルバモイルプロピル
−N−n−プロピル−3−メチルアニリン D−13 4−アミノ−N−(4−カルバモイルブチル−
N−n−プロピル−3−メチルアニリン D−14 N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3
−ヒドロキシピロリジン D−15 N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3
−(ヒドロキシメチル)ピロリジン D−16 N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3
−ピロリジンカルボキサミド 上記p−フェニレンジアミン誘導体のうち例示化合物
D−3〜D−8及びD−12が好ましいが、本発明の効果
を得るのに特に好ましくは例示化合物D−3〜D−7の
ようなN−ヒドロキシアルキル置換パラフェニレンジア
ミン発色現像主薬を少なくとも1種用いることである。
また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体と硫酸
塩、塩酸塩、亜流酸塩、ナフタレンジスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸などの塩であってもよい。該芳香族
第一級アミン現像主薬の使用量は現像液1当たり好ま
しくは0.002モル〜0.2モル、さらに好ましくは0.005モ
ル〜0.1モルである。
本発明の実施にあたっては、実質的にベンジルアルコ
ールを含有しない現像液を使用することが好ましい。こ
こで実質的に含有しないとは、好ましくは2ml/以下、
更に好ましくは0.5ml/以下のベンジルアルコール濃度
であり、最も好ましくは、ベンジルアルコールを全く含
有しないことである。
本発明に用いられる現像液は、亜硫酸イオンを実質的
に含有しないことがより好ましい。亜硫酸イオンは、現
像主薬の保恒剤としての機能と同時に、ハロゲン化銀溶
解作用及び現像主薬酸化体と反応し、色素形成効率を低
下させる作用を有する。このような作用が、連続処理に
伴う写真特性の変動の増大の原因の1つと推定される。
ここで実質的に含有しないとは、好ましくは3.0×10-3
モル/以下の亜硫酸イオン濃度であり、最も好ましく
は亜硫酸イオンを全く含有しないことである。但し、本
発明においては、使用液に調液する前に現像主薬が濃縮
されている処理剤のキットの酸化防止に用いられるごく
少量の亜硫酸はイオンは除外される。
本発明に用いられる現像液は亜硫酸イオンを実質的に
含有しないことが好ましいが、さらにヒドロキシルアミ
ンを実質的に含有しないことがより好ましい。これは、
ヒドロキシルアミンが現像液の保恒剤としての機能と同
時に自身が銀現像活性を持ち、ヒドロキシルアミンの濃
度の変動が写真特性に大きく影響すると考えられるため
である。ここでいうヒドロキシルアミンを実質的に含有
しないとは、好ましくは5.0×10-3モル/以下のヒド
ロキシルアミン濃度であり、最も好ましくはヒドロキシ
ルアミンを全く含有しないことである。
本発明に用いられる現像液は、前記ヒドロキシルアミ
ンや亜硫酸イオンに替えて有機保恒剤を含有することが
より好ましい。
ここで有機保恒剤とは、カラー写真感光材料の処理液
へ添加することで、芳香族第一級アミンカラー現像主薬
の劣化速度を減じる有機化合物全般を指す。即ち、カラ
ー現像主薬の空気などによる酸化を防止する機能を有す
る有機化合物類であるが、中でも、ヒドロキシルアミン
誘導体(ヒドロキシルアミンを除く。以下同様)、ヒド
ロキサム酸類、ヒドラジン類、ヒドラジド類、フェノー
ル類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、
糖類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級
アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール
類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類な
どが特に有効な有機保恒剤である。これらは、特開昭63
−4235号、同63−30845号、同63−21647号、同63−4465
5号、同63−53551号、同63−43140号、同63−56654号、
同63−58346号、同63−43138号、同63−146041号、同63
−44657号、同63−44656号、米国特許第3,615,503号、
同2,494,903号、特開昭52−143020号、特公昭48−30496
号などに開示されている。
その他保恒剤として、特開昭57−44148号及び同57−5
3749号に記載の各種金属類、特開昭59−180588号記載の
サリチル酸類、特開昭54−3532号記載のアルカノールア
ミン類、特開昭56−94349号記載のポリエチレンイミン
類、米国特許第3,746,544号等の記載の芳香族ポリヒド
ロキシ化合物等を必要に応じて含有しても良い。特にト
リエタノールアミンのようなアルカノールアミン類、ジ
エチルヒドロキシルアミンのようなジアルキルヒドロキ
シルアミン、ヒドラジン誘導体あるいは芳香族ポリヒド
ロキシ化合物の添加が好ましい。
前記の有機保恒剤のなかでもヒドロキシルアミン誘導
体やヒドラジン誘導体(ヒドラジン類やヒドラジド類)
が特に好ましく、その詳細については、特開平1−9795
3号、同1−186939号、同1−186940号、同1−187557
号などに記載されている。
また前記のヒドロキシルアミン誘導体またはヒドラジ
ン誘導体とアミン類を併用して使用することが、カラー
現像液の安定性の向上、しいては連続処理時の安定性向
上の点でより好ましい。
前記のアミン類としては、特開昭63−239447号に記載
されたような環状アミン類や特開昭63−128340号に記載
されたようなアミン類やその他特開平1−186939号や同
1−187557号に記載されたようなアミン類が挙げられ
る。
本発明においてカラー現像液中に塩素イオンを3.5×1
0-2〜1.5×10-1モル/含有することが好ましい。特に
好ましくは、4×10-2〜1×10-1モル/である。塩素
イオン濃度が1.5×10-1〜10-1モル/より多いと、現
像を遅らせるという欠点を有し、迅速で最大濃度が高い
という本発明の目的を達成する上で好ましくない。ま
た、3.5×10-2モル/未満では、カブリを防止する上
で好ましくない。
本発明において、カラー現像液中に臭素イオンを3.0
×10-5モル/〜1.0×10-3モル/含有することが好
ましい。より好ましくは、5.0×10-5〜5×10-4モル/
である。臭素イオン濃度が1×10-4モル/より多い
場合、現像を遅らせ、最大濃度及び感度が低下し、3.0
×10-5モル/未満である場合、カブリを生じやすくな
る。
ここで塩素イオン及び臭素イオンは現像液中に直接添
加されてもよく、現像処理中に感光材料から現像液に溶
出してもよい。
カラー現像液に直接添加される場合、塩素イオン供給
物質として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アン
モニウム、塩化リチウム、塩化ニッケル、塩化マグネシ
ウム、塩化マンガン、塩化カルシウム、塩化カドミウム
が挙げられるが、そのうち好ましいものは塩化ナトリウ
ム、塩化カリウムである。
また、現像液中に添加されている蛍光増白剤から供給
されてもよい。
臭素イオンの供給物質として、臭化ナトリウム、臭化
カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウム、臭化カル
シウム、臭化マグネシウム、臭化マンガン、臭化ニッケ
ル、臭化カドミウム、臭化セリウム、臭化タリウムが挙
げられるが、そのうち好ましいものは臭化カリウム、臭
化ナトリウムである。
現像処理中に感光材料から溶出する場合、塩素イオン
や臭素イオンは共に乳剤から供給されてもよく、乳剤以
外から供給されても良い。
本発明に使用されるカラー現像液は、好ましくはpH9
〜12、より好ましくは9〜11.0であり、そのカラー現像
液には、その他の既知の現像液成分の化合物を含ませる
ことができる。
上記pHを保持するためには、各種緩衝剤を用いるのが
好ましい。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸
塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、
N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン
塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン
塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン
塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを
用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸
塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、溶解性、pH9.0以上の恒p
H領域での緩衝能に優れ、カラー現像液に添加しても写
真性能面への悪影響(カブリなど)がなく、安価である
といった利点を有し、これらの緩衝剤を用いることが特
に好ましい。
これらの緩衝剤の具体例としては、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リ
ン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリ
ウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カ
リウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリ
ウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸
ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−
スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スル
ホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキ
シ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)
などを挙げることができる。しかしながら本発明は、こ
れらの化合物に限定されるものではない。
該緩衝剤のカラー現像液への添加量は、0.1モル/
以上であることが好ましく、特に0.1モル/〜0.4モル
/であることが特に好ましい。
その他、カラー現像液中にはカルシウムやマグネシウ
ムの沈殿防止剤として、あるいはカラー現像液の安定性
向上のために、各種キレート剤を用いることができる。
例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホ
スホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメ
チルスルホン酸、トランスシロヘキサンジアミン四酢
酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテ
ルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシ
フェニル酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカル
ボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレン
ジアミン−N,N′−ジ酢酸等が挙げられる。
これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用して
も良い。
これらのキレート剤の添加量はカラー現像液中の金属
イオンを封鎖するのに充分な量であれば良い。例えばカ
ラー現像液1当り0.1g〜10g程度である。カラー現像
液には、必要により任意の現像促進剤を添加できる。
現像促進剤としては、特公昭37−16088号、同37−598
7号、同38−7826号、同44−12380号、同45−9019号及び
米国特許第3,813,247号等に表わされるチオエーテル系
化合物、特開昭52−49829号及び同50−15554号に表わさ
れるp−フェニレンジアミン系化合物、特開昭50−1377
26号、特公昭44−30074号、特開昭56−156826号及び同5
2−4329号等に表わされる4級アンモニウム塩類、米国
特許第1,494,903号、同3,128,182号、同4,230,796号、
同3,253,919号、特公昭41−11431号、米国特許第2,482,
546号、同2,596,926号及び同3,582,346号等に記載のア
ミン化合物、特公昭37−16088号、同42−25201号、米国
特許第3,128,183号、特公昭41−11431号、同42−23883
号及び米国特許第3,532,501号等に表わされるポリアル
キレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリ
ドン類、イミドゾール類、等を必要に応じて添加するこ
とができる。
本発明においては、必要に応じて、任意のカブリ防止
剤を添加できる。カブリ防止剤としては、塩化ナトリウ
ム、臭化カリウム、沃化カリウムの如きアルカリ金属ハ
ロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使用できる。有機カ
ブリ防止剤としては、例えばベンゾトリアゾール、6−
ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソインダゾー
ル、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾ
トリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−
チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チアゾリルメチ
ル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキシア
ザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテロ環化合物
を代表例としてあげることができる。
本発明に適用されうるカラー現像液には、蛍光増白剤
を含有するのが好ましい。蛍光増白剤としては、4,4′
−ジアミノ−2,2′−ジスルホスチルベン系化合物が好
ましい。添加量は0〜5g/好ましくは0.1g〜4/であ
る。
又、必要に応じてアルキルスルホン酸、アリールスル
ホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各種
界面活性剤を添加しても良い。
本発明に適用されうるカラー現像液の処理温度は30℃
〜50℃好ましくは35℃〜50℃である。処理時間は5秒〜
30秒好ましくは5秒〜20秒である。補充量は少ない方が
好ましいが、感光材料1m2当たり20〜600mlが適当であ
り、好ましくは30〜100mlである。
補充量を低減する場合には処理槽の空気との接触面積
を小さくすることによって液の蒸発、空気酸化を防止す
ることが好ましい。処理槽での写真処理液と空気との接
触面積は、以下に定義する開口率で表わすことができ
る。即ち、 開口率=処理液と空気との接触面積(cm2) /処理液の容量(cm3) 上記開口率は0.1以下であることが好ましく、より好
ましくは0.001〜0.05である。
このように開口率を低減させる方法としては、処理槽
の写真処理液面に浮き蓋等の遮蔽物を設けるほかに、特
開平1−82033号に記載された可動蓋を用いる方法、特
開昭63−216050号に記載されたスリット現像処理方法等
を挙げることができる。
開口率を低減させるには、発色現像及び黒白現像の両
工程のみならず、後続の諸工程、例えば、漂白、漂白定
着、定着、水洗、安定化等のすべての工程において適用
することが好ましい。
また現像液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用
いることにより補充量を低減することもできる。
次に本発明に適用されうる脱銀工程について説明す
る。脱銀工程は、一般には、漂白工程−定着工程、定着
工程−漂白定着工程、漂白工程−漂白定着工程、漂白定
着工程等いかなる工程を用いても良い。
以下に本発明に適用されうる漂白液、漂白定着液及び
定着液を説明する。
漂白液又は漂白定着液において用いられる漂白剤とし
ては、いかなる漂白も用いることができるが、特に鉄
(III)の有機錯塩(例えばエチレンジアミン四酢酸、
ジエチレントリアミン五酢酸などのアミノポリカルボン
酸類、アミノポリポスホン酸、ホスホノカルボン酸およ
び有機ホスホン酸などの錯塩)もしくはクエン酸、酒石
酸、リンゴ酸などの有機酸;過硫酸塩;過酸化水素など
が好ましい。
これらのうち、鉄(III)の有機錯塩は迅速処理と環
境汚染防止の観点から特に好ましい。鉄(III)の有機
錯塩を形成するために有用なアミノポリカルボン酸、ア
ミノポリホスホン酸、もしくは有機ホスホン酸またはそ
れらの塩を列挙すると、エチレンジアミン四酢酸、ジエ
チレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢
酸、プロピレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、シク
ロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸、イミ
ノ二酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、などを
挙げることができる。これらの化合物はナトリウム、カ
リウム、リチウム又はアンモニウム塩のいずれでも良
い。これらの化合物の中で、エチレンジアミン四酢酸、
ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン
四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、メチルイミノ
二酢酸の鉄(III)錯塩が漂白力が高いことから好まし
い。これらの第2鉄イオン錯塩は錯塩の形で使用しても
良いし、第2鉄塩、例えば硫酸第2鉄、塩化第2鉄、硫
酸2鉄、硫酸第2鉄アンモニウム、燐酸第2鉄などとア
ミノポリカルボン酸、アミノポリポスホン酸、ホスホノ
カルボン酸などのキレート剤とを用いて溶液中で第2鉄
イオン錯塩を形成さててもよい。また、キレート剤を第
2鉄イオン錯塩を形成する以上に過剰に用いてもよい。
鉄錯体のなかでもアミノポリカルボン酸鉄錯体が好まし
く、その添加量は0.01〜1.0モル/、好ましくは0.05
〜0.50モル/である。
漂白液、漂白剤定着液及び/またはこれらの前浴に
は、漂白促進剤として種々の化合物を用いることができ
る。例えば、米国特許第3,893,858号明細書、ドイツ特
許第1,290,812号明細書、特開昭53−95630号公報、リサ
ーチディスクロージャー第17129号(1978年7月号)に
記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化
合物や、特公昭45−8506号、特開昭52−20832号、同53
−32735号、米国特許第3,706号、561号等に記載のチオ
尿素系化合物あるいは、沃素、臭素イオン等のハロゲン
化物が漂白力に優れる点で好ましい。
その他、本発明に適用されうる漂白液又は漂白定着液
には、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウ
ム、臭化アンモニウム)または塩化物(例えば、塩化カ
リウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム)または沃
化物(例えば沃化アンモニウム)等の再ハロゲン化剤を
含むことができる。必要に応じ硼砂、メタ硼酸ナトリウ
ム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、クエン酸、クエ
ン酸ナトリウム、酒石酸などのpH緩衝能を有する1種類
以上の無機酸、有機酸およびこれらのアルカリ金属また
はアンモニウム塩または、硫酸アンモニウム、グアニジ
ンなどの腐食防止剤などを添加することができる。
漂白定着液又は定着液に使用される定着剤は、公知の
定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウ
ムなどのチオ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウムなどのチ
オ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アン
モニウムなどのチオシアン酸塩:エチレンビスチオグリ
コール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどの
チオエーテル化合物および尿素類などの水溶性のハロゲ
ン化銀溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上混
合して使用することができる。
また、特開昭55−155354号に記載された定着剤と多量
の沃化カリウムの如きハロゲン化物などの組み合わせか
らなる特殊な漂白定着液等も用いることができる。本発
明においては、チオ硫酸塩特にチオ硫酸アンモニウム塩
の使用が好ましい。1あたりの定着剤の量は、0.2〜
2モルが好ましく、更に好ましくは0.3〜1.0モルの範囲
である。漂白定着液又は定着液のpH領域は、3〜9が好
ましく、更に、4〜8が特に好ましい。
又、漂白定着液には、その他各種の蛍光増白剤や消合
剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノ
ール等の有機溶媒を含有させることができる。
漂白定着液や定着液は、保恒剤として亜硫酸塩(例え
ば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモ
ニウム、など)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸塩アン
モニウム、重亜硫酸塩ナトリウム、重亜流酸塩カリウ
ム、など)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カ
リウウ、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモ
ニウム、など)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有する
のが好ましい。これらの化合物は亜硫酸イオンに換算し
て約0.02〜1.0モル/含有させることが好ましく、更
に好ましくは0.04〜0.6モル/である。
保恒剤としては、亜硫酸塩の添加が一般的であるが、
その他、アスコルビン酸や、カルボニル重亜硫酸付加
物、あるいは、カルボニル化合物等を添加しても良い。
更には緩衝剤、蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防
カビ剤等を必要に応じて添加しても良い。定着又は漂白
定着等の脱銀処理後、水洗及び/又は安定化処理するの
が一般的である。
水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えばカ
プラー等使用素材による)や用途、水洗水温、水洗タン
クの数(段数)、交流、順流等の補充方式、その他種々
の条件によって広範囲に設定し得る。このうち、多段向
流方式における水洗タンク数と水量の関係は、ジャーナ
ル・オブ・ザ・ソサエティ・オブ・モーション・ピクチ
ャー・アンド・テレヴィジョン・エンジニアズ(Jounal
of the Society of Motion Picture and Television E
ngineers)第64巻、p.248〜253(1955年5月号)に記載
の方法で、もとめることができる。通常多段向流方式に
おける段数は2〜6が好ましく、特に2〜5が好まし
い。
多段向流方式によれば、水洗水量を大巾に減少でき、
例えば感光材料1m2当たり0.5以下が可能であり、本発
明の効果が顕著であるが、タンク内での水の滞留時間増
加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光
材料に付着する等の問題が生じる。この様な問題の解決
策として、特開昭62−288838号に記載のカルシウム、マ
グネシウムを低減させる方法を、極めて有効に用いるこ
とができる。また、特開昭57−8542号に記載イソチアゾ
ロン化合物やサイアベンダゾール類、同61−120145号に
記載の塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺
菌剤、特開昭61−267761号に記載のベンゾトリアゾー
ル、銅イオンその他堀口博著「防菌防黴の化学」(1986
年)三共出板、衛生技術会編「微生物の減菌、殺菌、防
黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編
「防菌防黴剤事典」(1986年)、に記載の殺菌剤を用い
ることができる。
更に、水洗水には、水切り剤として界面活性剤や、硬
水軟化剤としてEDTAに代表されるキレート剤を用いるこ
とができる。
以上の水洗工程に続くか、又は水洗工程を経ずに直接
安定液で処理することも出来る。安定液には、画像安定
化可能を有する化合物が添加され、例えばホルマリンに
代表されるアルデヒド化合物や、色素安定化に適した膜
phに調製するための緩衝剤や、アンモニウム化合物があ
げられる。又、液中でのバクテリアの繁殖防止や処理後
の感光材料に防黴性を付与するため、前記した各種殺菌
剤や防黴剤を用いることができる。
更に、界面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤を加えること
もできる。本発明の感光材料の処理において、安定化が
水洗工程を経ることなく直接行われる場合、特開昭57−
8543号、同58−14834号、同60−220345号等に記載の公
知の方法を、すべて用いることができる。
その他、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホ
ン酸、エチレンジアミン四メチレンホスホン酸等のキレ
ート剤、マグネシウムやビスマス化合物を用いることも
好ましい態様である。
脱銀処理後用いられる水洗液または安定化液としてい
わゆるリンス液も同様に用いられる。
本発明においては、水洗及び/又は安定化水は逆浸透
膜で処理したものを用いてもよい。逆浸透膜の材質とし
ては酢酸セルロース、架橋ポリアミド、ポリエーテル、
ポリサルホン、ポリアクリル酸、ポリビニレンカーボネ
ート等が使用できるが特に透過水量の低下が起こりにく
いことから、架橋ポリイミド系複合膜、ポリサルホン系
複合膜が好まいし。
また装置のイニシャルコストダウン、ランニングコス
トダウン、小型化、ポンプの騒音防止等の上から、2〜
15kg/cm2の低い送液圧力で使用できる低圧逆浸透膜が好
ましい。さらに膜の構造はスパイラル型と呼ばれる平膜
をのり巻状に巻き込んだ形のものが、透過水量の低下が
少なく好ましい。
これらの膜の使用における送液圧力は前記のごとくの
範囲であるが、ステイン防止効果と透過水量の低下防止
により好ましい条件は2〜10kg/cm2、特に好ましい条件
は3〜7kg/cm2である。
水洗及び/又は安定化工程は複数のタンクによる多段
向流方式に接続するものが好ましいが、特には2〜5個
のタンクを用いることが好ましい。
逆浸透膜による処4理は、このような多段向流式水洗
及び/又は安定化の第2タンク以降の水に対して行うの
が好ましい。具体的には2タンク構成の場合は第2タン
ク、3タンク構成の場合は第2または第3タンク、4タ
ンク構成の場合は第3または第4タンク内の水を逆浸透
膜で処理、透過水を同一タンク(逆浸透膜処理のために
水を採取したタンク;以下採取タンクと記す)またはそ
の後に位置する水洗及び/又は安定化タンクに戻すこと
により行われる。更に、濃縮された水洗及び/又は安定
化液を採取タンクよりも上流側の漂白定着浴に戻すこと
も一つの対応である。
水洗工程又は安定化工程の好ましいphは4〜10であ
り、更に好ましくは5〜8である。温度は感光材料の用
途・特性等で種々設定し得るが、一般には20〜50℃好ま
しくは25〜45℃である。時間は任意に設定できるが短か
い方が処理時間の低減の見地から望ましい。好ましくは
10秒〜60秒更に好ましくは15秒〜45秒である。補充量
は、少ない方がランニングコスト、排出量減、取扱い性
等の観点で好ましい。
具体的な好ましい補充量は、感光材料、単位面積あた
り前浴からの持込み量の0.5〜50倍、好ましくは3倍〜4
0倍である。また感光材料1m2当り500ml以下、好ましく
は300ml以下である。また補充は連続的に行っても間欠
的に行ってもよい。
水洗及び/又は安定化工程に用いた液は、更に、前工
程に用いることもできる。この例として多段向流方式に
よって削減して水洗水のオーバーフローを、その前浴の
漂白定着浴に流入させ、漂白定着浴には濃縮液に補充し
て、廃液量を減らすことがあげられる。
本発明に使用可能な乾燥工程について説明する。
本発明の超迅速処理で画像を完成するために乾燥時間
も5秒から40秒が望まれる。
この乾燥時間を短くする手段として、感材側の手段と
しては、ゼラチンなどの親水性バインダーを減量するこ
とで膜への水分の持込み量を減じることでの改善が可能
である。また持込み量を減量する観点から水洗浴らでた
あとすぐにスクイズローラーや布などで水を吸収するこ
とで乾燥を早めることも可能である。乾燥機からの改善
手段としては、当然のことではあるが、温度を高くする
ことや乾燥風を強くすることで乾燥を早める事が可能で
ある。さらに、乾燥風の感材への照射角度の調整や、排
出風の除去方法によっても乾燥を早めることができる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略
化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵しても良い。
内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレカーサーを
用いるのが好ましい。例えば米国特許第3,342,597号記
載のインドアニリン系化合物、同3,342,599号、リサー
チ・ディスクロージャー15,850号及び同15,159号記載の
シッフ塩基型化合物、同13,924号記載のアンドール化合
物、米国特許第3,719,492号記載の金属錯体、特開昭53
−135628号記載のウレタン系化合物を挙げることができ
る。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、必要に応じ
て、発色現像を促進する目的で、各種の1−フェニル−
3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型的な化合物
は特開昭56−64339号、同57−144547号および同58−115
438号等に記載されている。
また、感光材料の節銀のため***特許第2,296,770号
または米国特許第3,674,499号に記載のコバルト補力も
しくは過酸化水素補力を用いた処理を行ってもよい。
本発明のカラー画像形成方法において、更に好ましい
態様を以下に示す。
(1) 本発明のカラー画像形成方法において発色現像
液が実質的にベンジルアルコールを含有しないことを特
徴とするカラー画像形成方法。
(2) 本発明のカラー画像形成方法において発色現像
液が実質的に亜硫酸イオンを含有しないことを特徴とす
るカラー画像形成方法。
(3) 本発明のカラー画像形成方法において発色現像
液が実質的にヒドロキシルアミンを含有しないことを特
徴とするカラー画像形成方法。
(4) 本発明のカラー画像形成方法において発色現像
工程の所要時間が5秒以上20秒以下であることを特徴と
するカラー画像形成方法。
(5) 本発明のカラー画像形成方法において発色現像
工程に引き続いて漂白定着した後、水洗および/または
安定処理して乾燥することによりカラー画像を得ること
を特徴とするカラー画像形成方法。
(6) 前記(5)カラー画像方法において発色現像の
温度が30℃以上50℃以下、所要時間が5秒3以上30秒以
下、引き続く漂白定着の温度が30℃以上50℃以下、所要
時間が5秒以上30秒以下、引き続く水洗および/または
安定処理の温度が25℃以上50℃以下、所要時間が15秒以
上40秒以下、引き続く乾燥工程の温度が40℃以上80℃以
下、水切り工程を含めた所要時間が5秒以上30秒以下で
現像開始から乾燥終了までの総処理時間が30秒以上130
秒以下であることを特徴とするカラー画像形成方法。
(実施例) 以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 支持体の調製 写真用印画紙用LBKP(広葉樹晒、硫酸塩パルプ)100
%(秤量175g/m2、厚み約180μm);白色原紙の表面に
下記の組成の耐水性酸化チタンからなる白色顔料含有樹
脂層を設けて支持体を作成した。即ちポリエチレン組成
物(密度0.920g/cm3、メルトンインデックス(MI)5.0g
/10分)の90重量部に、酸化ケイ素と酸化アルミニウム
で表面処理した酸化チタン白色顔料の16重量部を添加
し、更に青味染料(群青)を加えて混練した後に熔融押
出しコーティングにより30μmの耐水性樹脂層を得た。
他方白色原紙の裏面に他のポリエチレン組成物(密度0.
950g/cm3、MI8.0g/10分)のみコーティングして20μm
の耐水性樹脂層をえた。
ハロゲン化銀乳剤層(A−1)調製 石灰処理ゼラチン25gを蒸留水800mlに添加し、40℃に
て溶解後、硫酸でpHを3.8に調節した。この水溶液に、
更に塩化ナトリウム1.2gとN,N′−ジメチルエチレンチ
オ尿素0.02gを溶解させたものを水溶液(I)とした。
次に硝酸銀100gを蒸留水400mlに溶解したものを水溶液
(II−a)とし、塩化ナトリウム34.5gを蒸留水400mlに
溶解したものを水溶液(III−a)とした。次に硝酸銀2
5gを蒸留水100mlに溶解したものを水溶液(II−b)と
し、塩化ナトリウム8.5gと黄血塩10mgおよび6塩化イリ
ジウム2カリウム塩0.015mgを蒸留水500mlに溶解したも
のを水溶液(III−b)とした。次に52℃に保温した水
溶液(I)の中に水溶液(II−a)と水溶液(III−
a)を同時に40分間にわたって添加混合した後、引き続
いて水溶液(II−b)と水溶液(III−b)を同時に10
分間にわたって添加混合した。以上の操作によって得ら
れたハロゲン化銀粒子の分散液から凝集沈降法により過
剰の塩類を除去した後、石灰処理ゼラチン76gを加えて
再び分散した。この分散液に下記分光増感色素(V−
1)をハロゲン化銀1モル当たり4.6×10-4モルを加え
て分光増感し、更にハロゲン変換法により既に形成され
ている塩化銀粒子上に臭化銀を形成させながらN,N,N′
−トリエチルチオ尿素を用いて硫黄増感を施した。
以上の様にして、平均粒子サイズ0.54μm、変動係数
0.09、塩化銀含量99.6モル%の立方体、塩臭化銀乳剤
(A−1)を調製した。
ハロゲン化銀乳剤(B−1)の調製 ハロゲン化銀乳剤(A−1)の調製に用いた分光増感
色素(V−1)の代わりに下記分光増感色素(V−2)
および(V−3)をハロゲン化銀1モル当たりそれぞれ
4.2×10-4モル、および7.2×10-5モル用いる他は乳剤
(A−1)と同様の方法で、但し乳剤(A−1)の調製
法における水溶液(I)、(II−a)、(II−b)、
(III−a)および(III−b)の添加混合の時間、温
度、撹拌方法の調節によって平均粒子サイズ0.50μm、
変動係数0.08、塩化銀含量99.6モルの立方体ハロゲン化
銀乳剤(B−1)を調製した。
ハロゲン化銀乳剤(C−1)の調製 ハロゲン化銀乳剤(A−1)の調製に用いた分光増感
色素(V−1)の代わりに下記分光増感色素(V−4)
をハロゲン化銀1モル当たり7.4×10-5モル用いる他は
乳剤(A−1)と同様の方法で、但し乳剤A−1の調製
法における水溶液(I)、(II−a)、(II−b)、
(III−a)および(III−b)の添加混合の時間、温
度、撹拌方法の調節によって平均粒子サイズ0.49μm、
変動係数0.07、塩化銀含量99.6モル%の立方体、塩臭化
銀乳剤(C−1)を調製した。
感光材料(101)〜(105)の作成 先に調製した耐水性紙支持体上に塗布液を塗布するこ
とによって、以下に示す層構成の多層カラー印画紙を作
製した。塗布液は下記のようにして調製した。
第1層塗布液調製 イエローカプラー(ExY)19.1gおよび色像安定剤(Cp
d−1)4.4g及び色像安定剤(Cpd−7)0.7gに酢酸エチ
ル27.2mlおよび溶媒(Solv−1)5.5gおよび溶媒(Solv
−3)2.7gを加えて溶解し、この溶液を10%ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム8mlを含む10%ゼラチン水
溶液185mlに乳化分散させた。
この乳化分散物と前記乳剤(A−1)とを混合溶解
し、以下に示す組成となるように第一塗布液を調製し
た。
第2層から第7層用の塗布液も第1層塗布液と同様の
方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤としては、1−
オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩
を用いた。
赤感性乳剤層に対しては、下記の化合物をハロゲン化
銀1モル当たり2.6×10-3モル添加した。
また青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感性乳剤層に対
し、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカ
プトテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀1モル当たり
8.5×10-5モル、7.7×10-4モル、2.5×10-4モル添加し
た。
また、青感性乳剤層と緑感性乳剤層に対し、4−ヒド
ロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンをそ
れぞれハロゲン化銀1モル当たり、1×10-4モルと2×
10-4モル添加した。
イラジエーション防止のために乳剤層に下記の染料を
添加した。
(層構成) 以下に各層の組成を示す。数字は塗布量(g/m2)を表
す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算塗布量を表す。
支持体 先に調製したポリエチレンラミネート紙〔第1層側の
ポリエチレンに白色染料(TiO2と青味染料(群青)を含
む〕 第1層(青感層) 前記乳剤(A−1) 0.25 ゼラチン 0.98 イエローカプラー(ExY) 0.72 色像安定剤(Cpd−1) 0.17 溶媒(Solv−1) 0.21 溶媒(Solv−3) 0.10 色像安定剤(Cpd−7) 0.05 第2層(混合防止層) ゼラチン 0.75 混合防止剤(Cpd−5) 0.08 溶媒(Solv−1) 0.16 溶媒(Solv−4) 0.08 第3層(緑感層) 前記乳剤(B−1) 0.13 ゼラチン 0.94 マゼンタカプラー(ExM) 0.26 色像安定剤(Cpd−2) 0.05 色像安定剤(Cpd−3) 0.08 色像安定剤(Cpd)4) 0.02 色剤安定剤(Cpd−9) 0.02 溶媒(Solv−2) 0.40 第4層(紫外線吸収層) ゼラチン 1.13 紫外線吸収剤(UV−1) 0.47 混合防止剤(Cpd−5) 0.05 溶媒(Solv−5) 0.24 第5層(赤感層) 前記乳剤(C−1) 0.21 ゼラチン 0.80 シアンカプラー(ExC) 0.32 色像安定剤(Cpd−6) 0.17 色像安定剤(Cpd−7) 0.32 色像安定剤(Cpd−8) 0.04 溶媒(Solv−6) 0.20 第6層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.38 紫外線吸収剤(UV−1) 0.16 混合防止剤(Cpd−5) 0.02 溶媒(Solv−5) 0.08 第7層(保護層) ゼラチン 1.06 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度
17%) 0.08 流動パラフィン 0.02 の2:1混合物(容量比) (Solv−3) 溶 媒 O=PO−C9H19(iso)〕 以上のようにして感光材料(101)を作成した。次
に、感光材料(101)の作成方法において第1層と第2
層の間に下記のY−カプラー層(YL−1)、または同
(YL−2)および/または第4層と第5層の間にCカプ
ラー層(CL−2)または同(CL−2)を第1表に示すよ
うに設置することによって感光材料(102)〜(105)を
作成した。
Yカプラー層(YL−1) ゼラチン 0.25 イエローカプラー(ExY) 0.18 色像安定剤(Cpd−1) 0.04 溶媒(Solv−1) 0.05 溶媒(Solv−3) 0.03 色像安定剤(Cpd−7) 0.012 Yカプラー層(YL−2) ゼラチン 0.50 イエローカプラー(ExY) 0.36 色像安定剤(Cpd−1) 0.08 溶媒(Solv−1) 0.11 溶媒(Solv−3) 0.05 色像安定剤(Cpd−7) 0.025 Cカプラー層(CL−1) ゼラチン 0.20 シアンカプラー(ExC) 0.08 色像安定剤(Cpd−6) 0.04 色像安定剤(Cpd−7) 0.08 色剤安定剤(Cpd−8) 0.01 溶媒(Solv−6) 0.05 Cカプラー層(CL−2) ゼラチン 0.40 シアンカプラー(ExC) 0.16 色像安定剤(Cpd−6) 0.08 色像安定剤(Cpd−7) 0.16 色剤安定剤(Cpd−8) 0.02 溶媒(Solv−6) 0.10 感光材料の評価 前記感光材料(101)〜(105)に感光計(富士写真フ
ィルム株式会社製、FWH型、光源の色温度3200゜K)を使
用し、センシトメトリー用のRGB3色分割フィルターを通
して階調露光を与えた。この時の露光は0.1秒で露光時
間で250CMSの露光量になる様になった。露光の終了した
試料を、下記現像処理(I)の手順に従い処理した。 処理工程 現像処理(I) カラー現像液 38℃20秒 漂白定着 38℃20秒 リンス 38℃ 5秒 リンス 38℃ 5秒 リンス 38℃ 5秒 リンス 38℃ 5秒 リンス 38℃ 5秒 乾燥 65℃15秒 (リンスへの5タンク向流式とした。) (上記の各工程処理時間は、感光材料が一つの処理液に
侵入した後、この処理液から出て次の処理液に侵入する
までの空中時間を含めた値を言う)。
各処理液の組成は以下の通りである。
上記補充液の補充量は感光材料1m2あたり30mlとし
た。
上記補充液の補充量は感光材料1m2あたり30mlとし
た。
リンス液:タンク液、補充液ともイオン交換水を使用
し、補充量は55ml/m2とした。
本実施例の現像処理は自動現像機を用いて行なった。
この場合の自動現像機の特徴としては、各処理浴とも
感光材料の感光層面の向かって毎分2以上の吐出量で
タンク液を吹き付ける様な液循環の機構を有しているこ
と、カラー現像浴の現像液が空気と接している表面の
面積の現像浴層容量に対する比率が0.05m2/ml以下と成
る様な構造を有していること、カラー現像浴および漂
白定着浴に感光材料が侵入してから空中を経て次の浴に
侵入する過程において各浴の空中時間と液中時間の比率
が0.7以下となる様な構造を有していること、最終リ
ンス浴と乾燥部との間に感光材料の表面に付着した液を
ぬぐい取るための複数の除液ローラーを配置してあるこ
と、感光材料の感光層面に多孔板あるいはスリットを
介して3m/秒以上の風速で乾燥風を吹き付けかつ水分を
含んだ所謂リターン風を感光材料表面から迅速に取り去
る様な空気の循環機構を持った乾燥部を有すること、な
どを挙げることが出来る。以上の様な現像機を用いるこ
とによって極めて短時間の処理が可能となり、その結果
本発明の効果が一層顕著となる。
現像処理(I)によってC、M、Yの3色分解色素画
像の形成された感光材料(101)〜(105)について、イ
エロー発色部のBフィルター濃度2.0の時のGフィルタ
ー濃度(すなわちイエロー色像のマゼンタ濁り成分、以
下DG/Yと略記する)、およびシアン発色部のRフィル
ター濃度2.0の時のGフィルター濃度(すなわちシアン
色素のマゼンタ濁り成分、以下DG/Cと略記する)を測
定した。その結果を第2表に示す。
以上の結果から、本発明のカプラー含有非感光層を設
置することによって色濁りを大きく改善出来ることが明
らかである。
実施例2 実施例1の感光材料(101)の作成方法において、第
2層と第3層の間、および/または第3層と第4層の間
に、下記のMカプラー層(ML−1)または(ML−2)を
第3表に示すように設置することによって感光材料(20
1)〜(204)を作成した。
Mカプラー層(ML−1) ゼラチン 0.24 マゼンタカプラー(ExM) 0.065 色像安定剤(Cpd−2) 0.013 色像安定剤(Cpd−3) 0.02 色像安定剤(Cpd−4) 0.005 色像安定剤(Cpd−9) 0.005 溶媒(Solv−2) 0.10 Mカプラー層(ML−2) ゼラチン 0.47 マゼンタカプラー(ExM) 0.13 色像安定剤(Cpd−2) 0.025 色像安定剤(Cpd−3) 0.04 色像安定剤(Cpd−4) 0.01 色像安定剤(Cpd−9) 0.01 溶媒(Solv−2) 0.20 次に、上記の感光材料(101)および(201)〜(20
4)の作成方法における第2層(混色防止層)および第
4層(紫外線吸収層)に用いた混色防止剤(Cpd−5)
の使用量を何れも2倍に増量する以外は感光材料(10
1)および(201)〜(204)と全く同様にして第4表に
示す感光材料(205)〜(209)を作成した。
次に、以上の様にして作成した感光材料(201)〜(2
09)および実施例1の感光材料(101)について実施例
1と全く同様の露光、現像処理を行なった。この結果得
られたC、M、Yの3色分解色素画像について反射濃度
をの測定を行ない、実施例1の評価法における色濁りの
指標DG/Y、DG/Cおよびイエロー、マゼンタ、シアン各
色の最高濃度▲Dma Y、▲Dma M、▲Dma C
を求めた。それらの値を第5表に示す。
以上の結果から明らかなように、本発明のMカプラー
層(ML−1)あるいは(ML−2)を設置することによっ
て、まずマゼンタ色像の最高濃度の上昇を見ることがで
きる(感光材料(201)〜(204)の結果)。次いで混色
を防止して色濁りを抑えるために中間層(第2層および
/または第4層)の混色防止剤(Cpd−5)を増量した
ときの最高濃度の低下を効率良く防ぐことができる(感
光材料(205)と感光材料(206)〜(209)との比
較)。従って、本発明は色像の最高濃度を低下させるこ
となく色濁りを改善する方法を提供するものである。
本発明の実施例においては第3層(緑感層)の塗布銀
量が他の感光層と比べて大幅に少ないため、この第3層
で現像が起こったときの他層への現像主薬酸化体の拡散
(即ち混色、色濁り)は無視できる程小さいことが特徴
であるが、カプラーの違いなどの理由で塗布銀量が多い
場合には前記M−カプラー層の設置そのものに混色防止
効果があることを確かめた。
実施例3 実施例2における感光材料(204)および(209)の作
成方法において第3層(緑感層)を下記のものに変更す
る以外は感光材料(204)および(209)と全く同様にし
て感光材料(324)および(329)を作成した。
第3層 前記乳剤(B−1) 0.13ゼラチン 079 次に、実施例2における感光材料の評価と同じ方法で
感光材料(324)および(329)を評価したところ、実施
例2における感光材料(204)および(209)と同様、本
発明の方法が色濁りが少なくかつ最高濃度の高いカラー
画像を提供するものであることを確かめた。
この結果は即ち、発色層であるカプラー層とこれに現
像主薬の酸化体を供給するハロゲン化銀乳剤層を分離し
て隣接せしめる態様によって本発明の効果を実現出来る
ことを示すものである。
実施例4 実施例1の現像処理(I)のカラー現像液に用いたカ
ラー現像主薬例示化合物(D−6)のかわりにこれと等
モルの例示化合物(D−7)を用いる他は実施例1と全
く同様(これを現像処理(II)とする)にして実施例1
の感光材料(101)〜(105)および実施例2の感光材料
(201)〜(209)および実施例3の感光材料(324)〜
(329)の評価を行なった。その結果、実施例1、実施
例2および実施例3と同様、本発明の感光材料において
色濁りの改良効果を認めることができる。
実施例5 実施例1における現像処理(I)の代わりに下記現像
処理(III−1)および(III−2)を施す以外は実施例
1、実施例2および実施例3と同様の方法にて実施例1
の感光材料(101)〜(105)および実施例2の感光材料
(201)〜(209)、および実施例3の感光材料(32
4)、(329)を評価したところ、実施例1、実施例2お
よび実施例3と同様、本発明の感光材料において色濁り
の改良効果を認めることができた。
各処理液の組成は以下の通りである。
ここで漂白定着液およびリンス液は実施例1の現像処
理(I)と同じものを用いた。
実施例6 実施例1における現像処理(I)の代わりに下記現像
処理(IV−1)および(IV−2)を施す以外は実施例1
と同様の方法にて感光材料(101)〜(105)を評価した
ところ、第6表に示す結果を得た。
(リンス→への5タンク向流方式とした)上記現像
処理(IV−1)と(IV−2)の処理液の組成は同じで以
下の通りである。
カラー現像液 水 800ml エチレンジアミノ四酢酸 2.0g 5,6−ジヒドロキシベンゼン−1,2,4−トリルホン酸0.3g トリエタノールアミン 8.0g 塩化ナトリウム 1.4g 炭酸カリウム 25g 例示化合物D−8 5.0g ジエチルヒドロキシアミン 4.2g蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチレベン系) 2.0g 水を加えて 1000mlpH (25℃) 10.05 漂白定着液 水 400ml チオ硫酸アンモニウム(70%) 100ml 亜硫酸ナトリウム 17g エチレンジアミン四酢酸(III)アンモニウム 75g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム 5g氷酢酸 9g 水を加えて 1000mlpH (25℃) 5.8 リンス液 イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3ppm以
下) 以上、特に明記しなかった現像処理の条件は実施例1
と同じとした。
以上の結果から明らかなように、本発明の効果は極め
て短時間の発色現像を行なう場合に顕著である。一方、
比較的長い発色現像処理においてはその効果は小さくな
るが、基本的には同じ効果をもつことが分かる。
実施例7 実施例1のハロゲン化銀乳剤(A−1)の調製方法に
おいて、分光増感色素(V−1)を用いる代わりに下記
分光増感色素(V−5)および(V−6)をハロゲン化
銀1モル当たり各々1.3×10-4モルおよび1.0×10-4モル
加える以外は(A−1)と同様にしてハロゲン化銀乳剤
(A−2)を調製した。
次に実施例1のハロゲン化銀乳剤(B−1)の調製方
法において、分光増感色素(V−2)および(V−3)
を用いる代わりに下記分光増感色素(V−7)をハロゲ
ン化銀1モル当たり4.5×10-5モルを加える以外は(B
−1)と全く同様にしてハロゲン化銀乳剤(B−2)を
調製した。
次に実施例1のハロゲン化銀乳剤(C−1)の調製方
法において、分光増感色素(V−4)を用いる代わりに
下記分光増感色素(V−8)をハロゲン化銀1モル当た
り5×10-4モル加える以外は(C−1)と全く同様にし
てハロゲン化銀乳剤(C−2)を調製した。
次に実施例1の感光材料(101)の作成方法におい
て、感光層のハロゲン化銀乳剤を使い方を下記第7表の
様に変え、更に第3層に対して、下記化合物をハロゲン
化銀1モル当たり2.6×10-3モル添加する以外は感光材
料(101)と全く同様にして感光材料(611)を作成し
た。
さらに、実施例2の感光材料(201)〜(209)の第1
層(イエロー発色)、第3層(マゼンタ発色)、第5層
(シアン発色)を感光材料(611)と同様、上記第7表
のハロゲン化銀乳剤を使用する処方に変える以外は感光
材料(201)〜(209)と全く同様にして感光材料(62
1)〜(629)を作成した。
これらの感光材料は赤外線感光性のカラー感光材料で
ある。各感光層の機能を感光材料(101)の感光層と対
比させて第8表に示す。
その他の層は感光材料(101)と感光材料(611)で同
じ。
感光材料の評価 以上の様に作成した感光材料(611)および感光材料
(621)〜(629)に、感光計(富士写真フィルム株式会
社製、FWH型、光源の色温度3200゜K)を使用し、下記第
9表に示す3種類の色分解フィルターを通して階調露光
を与えた。尚、これらのフィルターには干渉フィルター
を用いた。
この時の露光量は上記の各色分解フィルターを通した
状態でいずれも500エルグ/cm2なる様に行なった。露光
時間は0.1秒であった。
露光の終了した感光材料(611)および感光材料(62
1)〜(629)に、実施例1における現像処理(I)、実
施例4における現像処理(II)、実施例5における現像
処理(III−1)および(III−2)、更に実施例6にお
ける現像処理(IV−1)および(IV−2)を施して評価
を行なった結果、実施例2、実施例4、実施例5、実施
例6と同様、本発明の画像形成方法に色濁り改良効果が
認められた。
実施例8 実施例7の感光材料の評価において、感光計を用いて
露光を行なう代わりに下記第10表に示す半導体レーザー
(以下LDと称する)を用いて像用の露光を行なった。こ
の場合の露光とは、下記3種のLDから得られた3本の光
線を1本に合成した後、回転多面体により感光材料上に
走査露光したものである。この際、各レーザー光線は感
光材料上で輝点の直径が約0.03mmとなる様に絞り等を調
節し、且つ必要な画像濃度に応じてその強度と照射時間
を電気的に調節した。感光材料は前記走査方向に対して
垂直方向に一定速度で移動させながら像様露光するが、
この露光に要する時間は縦420mm、横297mmの大きさの画
像で約10秒であった。
露光の終了した感光材料(611)および感光材料(62
1)〜(629)に、実施例1における現像処理(I)、実
施例4における現像処理(II)、実施例5における現像
処理(III−1)および(III−2)、更に実施例6にお
ける現像処理(IV−1)および(IV−2)を施して評価
を行なった結果、実施例2、実施例4、実施例5、実施
例6と同様、本発明の画像形成方法の色濁り改良効果が
認められた。
本実施例では露光波長と発色色相が第8表記載の様に
対応しているが、この組み合わせは本発明の効果を得る
ために必須ではない。
(発明の効果) 本発明によれば、色濁りの少ない良好なカラー画像を
得ることの出来る、特に迅速発色現像に適したハロゲン
化銀カラー写真感光材料及びそれを用いたカラー画像形
成方法を得ることができる。
更に、ハロゲン化銀乳剤の現像によって生成するカラ
ー現像液主薬酸化体の、利用効率を上げることによっ
て、より少ない銀量で高い濃度の色素画像を得ることの
出来るハロゲン化銀カラー写真感光材料及びそれを用い
たカラー画像形成方法を得ることができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反射性支持体上に互いに分光感度の異なる
    少なくとも3層のハロゲン化銀乳剤層を有するカラー写
    真感光材料において、該カラー写真感光材料が耐拡散型
    シアンカプラー含有層、耐拡散型マゼンタカプラー含有
    層および耐拡散型イエローカプラー含有層を少なくとも
    一層ずつ有し、そのうち少なくとも一つのカプラー含有
    層に、発色現像時にこのカプラー含有層に対して現像主
    薬の酸化体を供給することのできるハロゲン化銀乳剤層
    が実質的に別層として隣接するように構成されており、
    かつ該ハロゲン化銀乳剤が実質的に沃化銀を含有せず95
    モル%以上が塩化銀よりなる単分散の塩臭化銀もしくは
    塩化銀粒子から成ることを特徴とするハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料。
  2. 【請求項2】発色色相の異なるカプラー層の間に少なく
    とも1層の、現像主薬酸化体の移動を実質的に阻止し得
    る混色防止層を有することを特徴とする請求項(1)記
    載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】少なくとも1つのハロゲン化銀乳剤層にお
    いて、該ハロゲン化銀が分光感度を有する光に対して吸
    収係数の高い色素を形成するカプラーを含有する層が、
    該乳剤層の少なくとも一方に実質的に別層として隣接す
    ることを特徴とする請求項(2)記載のハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料。
  4. 【請求項4】ハロゲン化銀カラー写真感光材料を露光
    後、芳香族第一級アミン発色現像主薬を含有する現像液
    にて現像することにより色素画像を得るカラー画像形成
    方法において、該カラー写真感光材料が請求項(1)記
    載の感光材料であり、かつ該発色現像工程の所要時間が
    5秒以上45秒以下であることを特徴とするカラー画像形
    成方法。
  5. 【請求項5】前記発色現像液が少なくとも一種のN−ヒ
    ドロキシアルキル置換パラフェニレンジアミン発色現像
    主薬を含有することを特徴とする請求項(4)記載のカ
    ラー画像形成方法。
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