JP2624343B2 - クロメン化合物及びその製造方法 - Google Patents

クロメン化合物及びその製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、太陽光もしくは水銀灯の光のような紫外線
を含む光で無色から着色もしくは濃色した形態に変化
し、その変化が可逆的に優れた耐久性を示す新規なクロ
メン化合物に関する。
(従来技術および発明が解決しようとする課題) フォトクロミズムとは、ここ数年来注目をひいてきた
現象であって、ある化合物に太陽光あるいは水銀灯の光
のような紫外線を含む光を照射すると速やかに色が変わ
り、光の照射をやめて暗所におくと元の色にもどる可逆
作用のことである。この性質を有する化合物は、フォト
クロミック化合物と呼ばれ従来から色々な化合物が合成
されてきたが、その構造には特別な共通の構造は認めら
れない。
フォトクロミック化合物としては、クロメンの骨格を
有する化合物が知られている。例えば、米国特許第3567
605号明細書には、下記式 で示されるベンゾクロメン化合物が、また、ヨーロッパ
特許公開第250193号公報には、下記式 で示されるフェナンスロピラン化合物が示されている。
さらに、特開昭63−66178号公報には下記式 で示されるスピロアダマンタン化合物が記載されてい
る。これらの化合物は、紫外線を照射した際の発色濃度
は上がるものの、その着色形が比較的安定であり、周囲
温度による退色速度があまり速くない。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記した化合物のフォトクロミック性
を更に向上させるために鋭意研究を重ねた結果、新規な
クロメン化合物の合成に成功し、該クロメン化合物は紫
外線の照射後の発色濃度が高く且つ退色速度が速いこと
を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、一般式(I) で示されるクロメン化合物である。
前記一般式(I)中R1及びR2で示される基は、夫々、
同種又は異種のアルキル基、アリール基又はアラルキル
基である。上記のアルキル基は特に限定されないが、一
般には炭素数1〜20、好ましくは1〜6のアルキル基が
好適に使用される。これらアルキル基をより具体的に例
示すると、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等である。アリール基としては、一般には炭素数6〜10
であることが好ましく、例えば、フェニル基、トリル
基、キシリル基、ナフチル基等が好適である。アラルキ
ル基は、一般に炭素数7〜16、好ましくは7〜10のもの
が好適である。これらアラルキル基をより具体的に例示
すると、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル
基、フェニルブチル基等である。さらに、R1及びR2が互
いに連結して環を形成していてもよい。この場合、形成
される環としては、R1及びR2が結合した炭素原子を含め
た2価の基 の名称で、例えば、シクロプロピリデン基、シクロヘキ
シリデン基、ノルボルニリデン基、ビシクロ〔3.3.1〕
9−ノニリデン基、アダマンチリデン基等が好適であ
る。
前記一般式(I)中、R3で示される基は、水素原子、
アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ
基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲノアルキル基、ハロゲ
ン原子又はアリーロキシ基である。上記のアルキル基
は、その炭素数に特に制限されるものではないが、一般
には1〜20の範囲から採用される。具体的にはメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタ
デシル基、オクタデシル基、エイコシル基等が挙げられ
る。アリール基としては、炭素数が6〜10であることが
好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル
基、ナフチル基等が好適である。アラルキル基として
は、炭素数7〜16、好ましくは7〜10のものが好適であ
る。これら、アラルキル基をより具体的に例示するとベ
ンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニ
ルブチル基等があげられる。アルコキシ基としては、そ
の炭素数に特に制限されるものではないが、一般には1
〜20の範囲から採用される。具体的にはメトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ
基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオ
キシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシル
オキシ基、ドデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、
オクタデシルオキシ基、エイコシルオキシ基等が挙げら
れる。また、ハロゲノアルキル基としては、その炭素数
に特に制限されるものではないが、一般には1〜10の範
囲から採用される。また、そのハロゲン原子としては、
フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の各原子が採用される。
具体的には、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル
基、トリブロモメチル基、トリイオドメチル基、ペンタ
フルオロエチル基、ペンタクロロエチル基、ペンタブロ
モエチル基、ペンタイオドエチル基、ノナフルオロブチ
ル基、ノナクロロブチル基、ノナブロモブチル、ノナイ
オドブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、ウンデカ
クロロペンチル基、ウンデカブロモペンチル基、ウンデ
カイオドペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ト
リデカクロロヘキシル基、トリデカブロモヘキシル基、
トリデカイオドヘキシル基、ヘプタデカフルオロオクチ
ル基、ヘプタデカクロロオクチル基、ヘプタデカブロモ
オクチル基、ヘプタデカイオドオクチル基、ウンエイコ
サフルオロデシル基、ウンエイコサクロロデシル基、ウ
ンエイコサブロモデシル基、ウンエイコサイオドデシル
基等があげられる。また、そのアルキル基上に異種のハ
ロゲン原子があってもなんら制限されるものではない。
また、一般式(I)中のR3であるハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の各原子が採用され
る。一般式(I)中のR3であるアリーロキシ基として
は、炭素数は6〜10であることが好ましく、例えば、フ
ェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフ
チルオキシ基等が好適である。
本発明の上記した一般式(I)で示される化合物は、
一般に常温常圧で無色、あるいは淡黄色の固体または粘
稠な液体として存在し、次の(イ)〜(ハ)のような手
段で確認できる。
(イ)プロトン核磁気共鳴スペクトル(H1−NMR)を測
定することにより、分子中に存在するプロトンの種類と
個数を知ることができる。R3が水素原子である時には、
δ7〜8.5ppm付近にアロマティックなプロトンに基づく
ピーク、δ1.2〜2.5ppm付近にジュロリジン環に基づく
ピーク、δ5.5〜7.0ppm付近にピラン環の二重結合のプ
ロトンに基づくピークが、R1、R2のアルキル基、アラル
キル基のときには、δ0.7〜2.5ppm付近にそれらの水素
に基づくピークが、R1、R2がアリール基、アラルキル基
のときには、δ7〜8.5ppmにアロマティックなプロトン
に基づくピークが現れる。
また、それぞれのδピーク強度を相対的に比較するこ
とにより、それぞれの結合基のプロトンの個数を知るこ
とができる。
(ロ)元素分析によって炭素、水素、窒素、ハロゲンの
各重量%を求めることができる。さらに、認知された各
元素の重量%の和を100から減ずることにより、酸素の
重量%を算出することができる。従って、相当する生成
物の組成を決定することができる。
(ハ)13C−核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を測定
することにより、分子中に存在する炭素の種類を知るこ
とができる。δ27〜52ppm付近にジュロリジン環の脂肪
族炭素に基づくピークが、δ110〜150ppm付近に芳香族
炭化水素基に基づくピークが、R1、R2がアルキル基及び
アラルキル基の場合にはδ15〜35ppm付近にアルキル基
の炭素に基づくピークが、R1、R2がアリール基、アラル
キル基の場合には、δ110〜150ppm付近に芳香族炭化水
素基に基づくピークが現れる。
本発明の一般式(I)で示される化合物の製造方法
は、特に限定されず如何なる合成法によって得ても良
い。一般に好適に採用される代表的な方法を以下に説明
する。
下記の一般式(II) (式中、R3は一般式(I)と同様である。) で示される化合物と一般式(III) (式中、R1及びR2は一般式(I)と同様である。) である化合物とを縮合剤の存在下に反応させることによ
って下記一般式(III) (但し、R1,R2及びR3は一般式(I)と同様である。) で示されるクロマノン化合物を得ることができる。
上記一般式(II)で示される化合物と一般式(III)
で示される化合物との反応は、次のようにして行なわれ
る。これらの2種の化合物の反応比率は、広い範囲から
採用されるが、一般には1:10〜10:1(モル比)の範囲か
ら選択される。反応温度は、通常0〜200℃が好まし
く、溶媒としては、極性非プロトン溶媒、例えば、N−
メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、トルエン、
ベンゼン、テトラヒドロフラン等が使用される。この反
応に於いては、N−エチルアミン、N−プロピルアミン
等の第1アミン又はピロリジン、ピペリジン、モルホリ
ン等の第2アミンに代表される縮合剤が一般式(II)で
示される化合物1モルに対して通常0.1〜10モルの範囲
で使用され、反応中生成する水を取り除くことによって
反応を完結させることができる。水を取り除く方法とし
ては、ディーンースタークの装置を使って、水を反応系
外へ取り除く方法と、反応系内に塩化カルシウム、酸化
カルシウム、塩化亜鉛等の脱水剤を添加しておき、これ
らの脱水剤によって系内に生じる水を取り除く方法があ
り、いずれの方法を採用してもよい。
次に、上記のクロマノン化合物を水素化ホウ素ナトリ
ウムや水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤と反応
させて、下記式(IV) (但し、R1,R2及びR3は前記一般式(I)と同様であ
る) で示されるクロマノール化合物を得て、次いで、無水硫
酸銅などの脱水剤を用いて脱水する事により前記一般式
(I)で示されるクロメン化合物が得られる。
又、別の合成法として、下記一般式(V)で示される
化合物 (但し、R3は前記一般式(I)と同様である)と、下記
一般式(VI)で示される化合物 (但し、R1及びR2は前記一般式(I)と同様である。) とを縮合剤の存在下で反応させ、前記一般式(I)で示
されるクロメン化合物が得られる。
上記一般式(V)で示される化合物と一般式(VI)で
示される化合物との反応は次のようにして行なわれる。
これらの2種の化合物の反応比率は、広い範囲から採用
されるが、一般的には1:10〜10:1(モル比)の範囲から
選択される。反応温度は、通常0〜200℃が好ましく、
溶媒としては極性非プロトン溶媒、例えば、N−メチル
ピロリドン、ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼ
ン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、四塩化炭素等
が使用される。この反応に於いては、チタニウム(IV)
エトキシド、チタニウム(IV)イソプロポキシド、チタ
ニウム(IV)クロライド等の4価のチタニウム化合物;
ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、塩化
マグネシウム等のマグネシウム化合物;アルミニウムメ
トキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソ
プロポキシド、塩化アルミニウム等のアルミニウム化合
物;塩化スズ(IV)等のスズ(IV)化合物等の金属化合
物が縮合剤として、一般式(V)で示される化合物に対
して通常0.1〜10モルの範囲で使用される。
本発明の上記一般式(I)で示されるクロメン化合物
は、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の
一般の有機溶媒に良く溶ける。このような溶媒に一般式
(I)で示されるクロメン化合物を溶かしたとき、一般
に溶媒はほぼ無色透明であり、太陽光あるいは紫外線を
照射すると発色あるいは濃色にすみやかに変化し、光を
遮断すると速やかに元の無色にもどる良好な可逆的なフ
ォトクロミック作用を呈する。このような一般式(I)
の化合物におけるフォトクロミック作用は、高分子固体
マトリックス中でも起こり、可逆スピードは秒のオーダ
ーである。かかる対象となる高分子マトリックスとして
は、本発明の一般式(I)で示されるクロメン化合物が
均一に分散するものであればよく、光学的に好ましく
は、例えばポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチ
ル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチ
ル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニル
アルコール、ポリアクリルアミド、ポリ(2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート)、ポリジメチルシロキサン、
ポリカーボネート、ポリ(アリルジグリコールカーボネ
ート)などのポリマー、あるいはこれらのポリマーを形
成するモノマー相互または該モノマーと他のモノマーと
を共重合してなるポリマーなどが好適に用いられる。
従って、本発明のクロメン化合物はフォトクロミック
材として広範囲に利用でき、例えば、銀塩感光材に代る
各種の記憶材料、複写材料、印刷用感光体、陰極線管用
記録材料、レーザー用感光材料、ホログラフィー用感光
材料などの種々の記録材料として利用できる。その他、
本発明のクロメン化合物を用いたフォトクロミック材
は、フォトクロミックレンズ材料、光学フィルター材
料、ディスプレイ材料、光量計、装飾などの材料として
も利用できる。例えば、フォトクロミックレンズに使用
する場合には、均一な調光性能が得られる方法であれば
特に制限がなく、具体的に例示するならば、本発明のフ
ォトクロミック材を均一に分散してなるポリマーフィル
ムをレンズ中にサンドウィッチする方法、あるいはこの
化合物を例えばシリコーンオイル中に溶解して150〜200
℃で10〜60分かけてレンズ表面に含浸させ、さらにその
表面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミックレンズに
する方法などがある。さらに、上記ポリマーフィルムを
レンズ表面に塗布し、その表面を硬化性物質で被覆し、
フォトクロミックレンズにする方法なども考えられる。
このようなフォトクロミックレンズに用いる場合、常
温付近で太陽光で濃く発色するフォトクロミック材が好
ましい。このようなフォトクロミックレンズに好ましい
化合物は前記一般式中、R1及びR2が共にメチル基、ノル
ボルニリデン基、ビシクロ〔3.3.1〕9−ノニリデン
基、アダマンチリデン基である化合物である。これらの
化合物は特に濃く発色する。また、本発明の化合物は、
ジュロリジン環の窒素の効果であろうと思われるが退色
速度が速いという特徴を有する。
(効果) 本発明の一般式(I)に示したクロメン化合物は、高
分子固体マトリックス中で、そのマトリックスの種類に
は、ほとんど影響を受けず、一般的状態では安定な無色
を呈しているが、紫外線の照射を受けると直ちに濃く発
色し、紫外線の照射をやめると秒のオーダーという速い
退色速度でもとの無色にもどり、かつ、これらの変色を
耐久性よく繰り返す特性を有している。
(実施例) 以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 9−アセチル−8−ヒドロキシジュロリジン10g(0.0
433mol)と2−アダマンタノン9.76g(0.0650mol)とピ
ロリジン1.54g(0.0217mol)をトルエン100mlに溶解し
た溶液を調製した。この混合物を10時間沸騰させ、水を
分離した。反応終了後、トルエンを減圧下で除去し、残
ったクロマノン化合物をメタノール100mlに溶解させ、
水素化ホウ素ナトリウムを徐々に添加してクロマノール
化合物にした。このクロマノール化合物5.5gを二酸化炭
素気流中で無水硫酸銅3.8gと共に150〜160℃で10分間加
熱し、茶色の粘稠な液体をシリカゲル上でのクロマトグ
ラフィーにより精製することにより、下記式のクロメン
化合物3.4gを得た。
この化合物の元素分析値はC:82.89%、H:8.47%、N:
3.99%、O:4.65%であって、C24H29NOに対する計算値で
あるC:82.95%、H:8.41%、N:4.03%、O:4.61%に極め
てよく一致した。またプロトン核磁気共鳴スペクトルを
測定したところ、δ1.0〜3.0ppm付近にジュロリジン環
の脂肪族水素及びアダマンタン環の水素に基づく多重線
の26Hのピーク、δ5.3ppm付近とδ6.2ppm付近にクロメ
ンの3位と4位にそれぞれ結合したプロトンの二重線の
ピーク、δ6.4ppm付近にジュロリジン環中に含まれるベ
ンゼン環に結合したプロトンに基づくピークが認められ
た。さらに13C−NMRを測定したところ、δ14〜40ppm付
近にジュロリジン環の窒素に結合していない炭素及びア
ダマンタン環の炭素に基づくピーク、δ50ppm付近にジ
ュロリジン環の窒素と結合した脂肪族炭素のピーク、80
ppm付近にクロメンの2位の炭素に基づくピーク、δ115
〜135ppmにジュロリジン環中に含まれるベンゼン環の炭
素に基づくピーク、δ145ppm付近にジュロリジンの窒素
に結合したベンゼン環の炭素に基づくピークが現れる。
上記の結果から、単離生成物は上記の構造式(I)で示
される化合物であることを確認した。
実施例2 8−ヒドロキシジュロリジン10g(0.0528mol)をトル
エン100ml中に溶解し、室温でテトラエトキシチタン2.1
7g(0.0132mol)を加え、共沸によりエタノールを除去
する。次にトルエンを加え反応液を500mlとし、3−メ
チル−2−ブテナール6.66g(0.0792mol)をトルエン30
0mlに溶解した溶液を加え、8時間還流した。反応後、
飽和塩化アンモニウム水溶液中に反応液を加え、エーテ
ル抽出後溶を減圧下で除去し、残った生成物をシリカゲ
ル上でのクロマトグラフィーにより精製する事により、
下記式のクロメン化合物5.8gを得た。
この化合物の元素分析値C:79.89%、H:8.35%、N:5.4
6%、O:6.30%であって、C17H21NOに対する計算値であ
るC:79.96%、H:8.29%、N:5.49%、O:6.26%に極めて
よく一致した。また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを
測定したところ、δ1.5〜3.0ppm付近にジュロリジン環
の脂肪族の水素に基づく12Hのピーク、δ1.4ppm付近に
クロメンの2位のメチル基に基づく6Hのピーク、δ5.3p
pm付近とδ6.2ppm付近にクロメンの3位と4位にそれぞ
れ結合したプロトンに基づくピーク、δ6.4ppm付近には
ジュロリジン環中に含まれるベンゼン環上の水素に基づ
くピークを示した。さらに13C−NMRを測定したところ、
δ14〜40ppmにジュロリジン環の脂肪族炭素及びクロメ
ンの2位に結合したメチル基のピーク、δ50ppm付近に
ジュロリジン環の窒素に結合した脂肪族炭素のピーク、
δ80ppm付近にクロメンの2位の炭素に基づくピーク、
δ115〜135ppm付近にクロメンの3,4位の炭素とジュロリ
ジン環中に含まれるベンゼン環に基づくピーク、δ145p
pm付近に窒素に結合したジュロリジン環の芳香族炭素に
基づくピークが現れる。
上記の結果から、単離生成物は上記の構造式(2)で
示される化合物である事を確認した。
実施例3〜26 実施例1〜2と同様にして第1表に示した原料から種
々のクロメン化合物を合成した。
得られた生成物について、実施例1と同様な構造確認
の手段を用いて構造解析した結果、第1表に示す構造式
で示される化合物であることを確認した。また、第2表
にこの化合物の元素分析値及び各化合物の構造式から求
めた計算値を示した。
実施例27 実施例1で合成した下記の化合物を ポリメタクリル酸メチル中にベンゼンを用いて溶解分解
させ、スライドグラス(11.2×3.7cm)上でキャストフ
ィルムをつくった。このフィルム中に含まれる上記化合
物の濃度は、1.0×10-4mol/gに調整し、厚みは0.1mmに
なるようにした。このフォトクロミックフィルムに東芝
(株)製の水銀ランプSHL−100を25℃±1℃で距離10cm
で60秒間照射し、このフィルムを発色させ、フォトクロ
ミック特性を測定した。フォトクロミック特性は次のよ
うなもので表した。結果を第3表に示した。
最大吸収波長(λmax);(株)日立製作所の分光光度
計220Aを用いてこの発色フィルムのλmaxを求めた。
ε(60秒);最大吸収波長における、このフィルムの上
記条件下での光照射60秒間後の吸光度。
ε(0秒);光照射時の最大吸収波長における、未照射
フィルムの吸光度。
半減期t1/2;60秒間の光照射後に照射をやめ、このフィ
ルムの吸光度が{ε(60秒)−ε(0秒)}の1/2まで
低下するのに要する時間。
実施例28〜52 実施例27と同様にして、実施例2〜26で製造した化合
物のフォトクロミック特性を測定した。結果を第3表に
示す。なお、比較のために下記の(27)及び(28)で示
されるクロメン化合物のフォトクロミック特性について
も同様にフィルムを作成し測定した。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例2で得られたクロメン化合物の1H−核磁
気共鳴スペクトルのチャートである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 で示されるクロメン化合物。
  2. 【請求項2】一般式 で示される化合物と一般式 で示される化合物とを縮合剤の存在化に反応させ、次い
    で還元反応を行ない、さらに脱水反応させることを特徴
    とする特許請求の範囲第(1)項記載のクロメン化合物
    の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式 で示される化合物と一般式 で示される化合物とを縮合剤の存在下に反応させること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載のクロメン
    化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第(1)項記載のクロメン
    化合物よりなるフォトクロミック材。
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