JP2619673B2 - 農業用積層フイルム - Google Patents

農業用積層フイルム

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JP2619673B2
JP2619673B2 JP63004809A JP480988A JP2619673B2 JP 2619673 B2 JP2619673 B2 JP 2619673B2 JP 63004809 A JP63004809 A JP 63004809A JP 480988 A JP480988 A JP 480988A JP 2619673 B2 JP2619673 B2 JP 2619673B2
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康二 石原
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は強靭性が極めて優れ、しかも良好な保温性、
防曇性等を兼ね備えた農業用施設の被覆フイルムに関す
るものである。
(従来の技術) 農業上の促進栽培を目的としたハウス栽培、トンネル
栽培およびマルチ栽培などでは、一般に被覆材として各
種熱可塑性樹脂フイルムが多量に使用されている。代表
的なものに、例えばポリ塩化ビニルフイルム、ポリエチ
レンフイルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フイルム
等があり、なかでもポリ塩化ビニルフイルムは、保温
性、透明性、強靭性等に優れており最も多く使用されて
いる。しかし、ポリ塩化ビニルフイルムは展張作業性お
よび防塵性が若干劣る上、焼却廃棄時に有害ガスを発生
する等の問題点があり、その代替品が望まれている。
一方、ポリエチレンフイルムは価格、展張作業性、防
塵性および廃棄処理の点でポリ塩化ビニルフイルムに比
し、利点はあるものの、保温性、強靭性等は劣る。
また、線状エチレン−α−オレフイン共重合体を主成
分とする単層フイルムでは、強靭性は改良されても保温
性は依然として劣るなどの理由でこれらの利用範囲はポ
リ塩化ビニルフイルムに比べて少ない。
さらに、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とす
る単層フイルムを農業用フイルムに適用した場合、上記
ポリエチレン系フイルムに比べ、保温性は改善されるも
のの、線状エチレン−α−オレフイン共重合体とポリ塩
化ビニルフイルムよりも強靭性は劣る。なお、保温性と
は、昼間に太陽熱を吸収して温度の上昇した大地から夜
間に放出される輻射線を吸収、反射してトンネル、ハウ
ス等の内部の温度(気温および地温)を保持する性能の
ことである。また、防塵性とは、ある一定期間使用後の
塵埃付着等によるフイルムの透明性の低下度の良否であ
る。さらに、展張作業性とは、フイルムのべたつきによ
る取扱い易さの良否である。
ポリオレフイン系樹脂フイルムの保温性を添加剤によ
り改良した被覆用フイルムとしては、特公昭47−13853
号公報に見られるように低密度ポリエチレ又はエチレン
−酢酸ビニル共重合体に酸化硅素を添加してなる被覆用
フイルムがある。しかしこの方法はポリエチレン系樹脂
の保温性は改良されているものの、ポリ塩化ビニルフイ
ルムに比べると強靭性、透明性において不充分である。
このようなポリエチレン系樹脂フイルムの強靭性を改
善するため、近年では線状低密度ポリエチレンの強靭性
を利用する農業用フイルムが考案されるようになつてき
ている。例えば特開昭58−160146号公報では、線状低密
度ポリエチレンを主体とする基材層と界面活性剤を含む
従来の製造法によるポリエチレン系樹脂等からなる層と
を積層した流滴性の良好な農業用フイルムが提案されて
いるが、この場合には強靭性の改善は見られるが、保温
性のより高い樹脂または添加材料の利用を検討していな
いためポリ塩化ビニルフイルムに比べると保温性はかな
り劣る。
また一方、特開昭58−128853号公報では、アルミノシ
リケートゲルを含むオレフイン系樹脂層の内外面にアイ
オノマー樹脂またはオレフイン系樹脂層を積層させて透
明性、保温性、摩擦強度の改善された農業用フイルムが
提案されているが、引張強度、衝撃強度、引裂強度等の
フイルムの強靭性と保温性を兼ね備えるという点から見
ると未だ不充分である。
(発明が解決しようとする課題) 市場の農業用フイルムでこれまでのところ強靭性、保
温性、防曇性、防塵性、透明性、耐候性等で良好な物性
を多く兼ね備えたものは見当たらないが、本発明者は、
ポリオレフイン系の農業用フイルムにおいて、良好な保
温性、防曇性、透明性、耐候性、防塵性、展張作業性を
損うことなく強靭性に優れたポリオレフイン系積層フイ
ルムを得るべく鋭意検討した結果、特定のポリオレフイ
ン系樹脂を選択使用することによつて、極めて強靭性の
優れた農業用フイルムを見出し、本発明に到達した。
(課題を解決するための手段) 本発明は、積層フイルムの一層(外層)が、線状エチ
レン−α−オレフイン共重合体を主成分とするポリエチ
レン系樹脂100重量部に対して無機化合物0.5〜5重量部
を含有してなるものであり、他の一層(内層)がエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(以下EVAという。)を主成分
とするポリエチレン系樹脂100重量部に対して無機化合
物1〜10重量部及び防曇剤0.5〜3重量部を含有してな
るものであることを特徴とする強靭性、保温性、防曇性
等の良好な農業用積層フイルムを新規に提供するもので
ある。
以下本発明を更に詳細に説明する。
本発明において外層に使用する線状エチレン−α−オ
レフイン共重合体とは、エチレンが50%以下、望ましく
は70%以上を含め、α−オレフインが炭素数6〜10のも
のを言う。
α−オレフインとしては、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、デセン−1、4−メチルペンテン−
1、4−メチルヘキセン−1、4−4−ジメチルペンテ
ン−1等がある。
これ等エチレン−α−オレフイン共重合体は、周期律
表において、第IV〜VIII族の遷移金属化合物と、第1〜
III族の有機金属化合物の組合せにより生成する接触、
所謂チーグラー触媒を用いて気相又は溶相、スラリー相
で製造され、製造条件は従来の高圧法ポリエチレンに比
較すると低温・低圧であり、従来の高圧法低密度ポリエ
チレンとは異るものである。
α−オレフインが炭素数6未満であると、これにより
製造した積層フイルムの衝撃強さ、引裂強さなどの強靭
性が不十分である。α−オレフインの炭素数が10より大
であると、価格の上昇に伴なうだけの長所が得られな
い。一方、この線状エチレン−α−オレフイン共重合体
のメルトインデツクス(以下MIという。)は0.3〜2g/10
minの範囲のものが好ましい。MIが0.3より小さいとフイ
ルム成形の際、押出機に負荷がかかりすぎ生産性が上ら
ないという欠点がある。また、MIが2より大きいと外層
フイルムの引張強さなどの強靭性が十分に発揮されな
い。また、この線状エチレン−α−オレフイン共重合体
の密度は農業用フイルムとして通常用いられているもの
とほぼ同等のフイルムの腰の感触から0.910〜0.930g/cc
の範囲にあるものが好ましい。
本発明において、線状エチレン−α−オレフイン共重
合体を主成分とする外層用ポリエチレン系樹脂とは、上
記した線状エチレン−α−オレフイン共重合体100重量
部と、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密
度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体、アイオノマー又はEVAから
選択されたエチレン系重合体5〜20重量部からなる混合
物である。
上記エチレン系重合体で低密度ポリエチレンおよびEV
Aは好ましく、そのMIは0.3〜2g/10minの範囲のものが特
に好ましい。添加するエチレン系重合体が5重量部以下
であると主として外層に起因する積層フイルムの透明性
が低下するので望ましくない。また、添加するエチレン
系重合体が20重量部以上であると積層フイルムの強靭性
が低下するので望ましくない。
本発明におい上記外層用ポリエチレン系樹脂に混合さ
れる無機化合物とは、酸化硅素、タルク、ゼオライト、
酸化硅素を含むハイドロタルサイト類等の酸化硅素分を
含む複合酸化物であり、ポリエチレン系樹脂100重量部
に対して0.5〜5重量部である。無機化合物が0.5重量部
以下であると、保温性の点で不十分であり、5重量部以
上であると外層の透明性が低下するほか、一般に外層の
樹脂は内層より加工樹脂温度が高いため発泡の危険性が
高くなる。
外層を構成するポリエチレン系樹脂には、外層が通常
農業用フイルムとして、ハウス、トンネル等の外側に用
いられ、耐候性および耐熱性が要求されるため、紫外線
吸収剤、光安定剤および酸化防止剤等を添加した方がよ
い。
本発明の積層フイルムの内層用として用いるEVAはMI
が0.3〜2g/10minの範囲にあるものが望ましい。MIが0.3
より小さいとフイルム成形の際、押出機に負荷がかかり
すぎて生産性が上らないという欠点がある。また、MIが
2より大きいとフイルムの引張強さなどの強靭性が十分
に発揮されない。
また、内層用EVAの酢酸ビニル含有量は5〜20重量%
の範囲内にあることが好ましい。5重量%より小さいと
本積層フイルムの保温性が不十分である。20重量%より
大きいと、内層の軟化点および融点が低くなり、積層フ
イルムのブロツキングおよびハウス、トンネル等のパイ
プ等との接触部分の耐熱性が不十分である。
本発明の内層に用いるEVAは、融点(MP)と酢酸ビニ
ル含有量(VA)との関係が、 MP=114−1.44VA (MPの単位は℃、VAの単位はwt%) で表わされ、分子量分布(w/n)が4未満(ここで
wは重量平均分子量、nは数平均分子量であり、ゲ
ルパーミエーシヨンクロマトグラフイー(GPC)で測
定)であるものが特に好適である。その理由は、同一の
VA%で比較すると、融点が一般のEVAより、上記特定のE
VAは2−5℃高いため、ハウス、トンネルのパイプ等と
の接触部分の耐熱性が特に良好であるからである。w/
nが4未満であると特別に強靭性のあるフイルムが得
られる。
本発明において内層用のEVAを主成分とするポリエチ
レン系樹脂とは上記したEVA100重量部、高温度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低
密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレート共重
合体、線状低密度ポリエチレン、上記した本発明の線状
エチレン−α−オレフイン共重合体及びアイオノマー等
から選択されたエチレン系重合体0〜20重量部からなる
混合物である。エチレン系重合体の添加量が20%を超え
ると保温性または強靭性またはコストメリツトが低下す
る等の理由で望ましくない。
上記のエチレン系重合体のうち、前記した線状エチレ
ン−α−オレフイン共重合体を使用することが本発明に
おいては、特に好ましい。その理由は、耐熱性、強靭性
を付与するからである。
線状エチレン−α−オレフイン共重合体を使用する場
合のEVA100重量部に対する添加量は、5〜20重量部が好
適である。5重量部以下であると積層フイルムの強靭性
が十分発揮されず、好ましくない。また、20重量部以上
であると積層フイルムの保温性が不十分であり好ましく
ない。
本発明の内層用のEVAを主成分とするポリエチレン系
樹脂100重量部に対し無機化合物1〜10重量部を添加す
るが、この無機化合物は、外層用ポリエチレン系樹脂に
混合した、酸化硅素、タルク、ゼオライト、酸化硅素を
含むハイドロタルサイト類等の酸化硅素分を含む複合酸
化物と同じものである。添加量が1重量部より少ない
と、保温性が不十分であり、10重量部より大きいと、内
層の透明性または強靭性が低下する。
一般にEVAの方が線状エチレン−α−オレフイン共重
合体を主成分とするポリオレフイン系樹脂よりも透明性
が良好のため、酸化硅素等の無機化合物をより多くの割
合で、混合できるが、外層に対する内層への無機化合物
の配合量の比は2〜7の範囲にあるものが好ましい。比
が2未満であると外層での透明性の低下が著しくなり比
が7をこえると内層での透明性の低下が著しくなり、い
ずれも透明性のバランスが悪くなり望ましくない。
本発明の内層用のEVAを主成分とするポリエチレン系
樹脂100重量部に対して防曇剤を0.5〜3重量部混合する
ことが必要である。添加剤が0.5重量部以下であると防
曇性の長期持続性が不十分であり望ましくない。また、
3重量部をこえると透明性の低下あるいはフイルムのべ
たつきまたはブロツキングが発生するなど好ましくな
い。
上記防曇剤としては、グリセチン脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、およびこれらのエチレンオキ
サイド付加物等が使用される。これらのエステルを構成
する脂肪酸としてはC12〜C18のもの、例えば、ラウリン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸およびリ
ノール酸等が代表的なものである。
本発明の実施の方法は、積層フイルムの各層で使用す
る樹脂、無機化合物および添加剤等の成分をそれぞれ混
合し、バンバリーミキザーまたはロールミル等で溶融混
合し、ついで共押出インフレーシヨン成形または共押出
Tダイ成形により外層および内層を積層させる。
なお、バンバリーミキサー等の混合機および上記の成
形機で加工する際の劣化防止のための酸化防止剤または
熱安定剤を、あるいは、フイルムへの滑性付与、ブロツ
キング防止などのための滑剤、ブロツキング防止剤等を
それぞれ必要に応じて配合することが好ましい。
一方、本発明の積層二層フイルムを成形加工するに
は、共押出インフレーシヨン成形または共押出Tダイ成
形により行なわれるが、二層フイルムのそれぞれの層の
厚さの割合は外層/内層の比で30〜70%/70〜30%であ
る。
外層の厚さが30%に満たないと積層フイルムの強靭性
が十分でなく、また逆に外層の厚さが70%を越えると保
温性が良好ではない。
なお、本発明の積層フイルム全体の厚さは、一般的に
使用されている農業用フイルムと同じ40〜150μ程度で
ある。
本発明における農業用二層フイルムは、以上詳述した
ように、外層に所定の線状エチレン−α−オレフイン共
重合体を主成分とする樹脂を使用し、なおかつ内層にも
特定のEVAを主成分とする樹脂を使用することにより、
積層フイルムの引張強さ、引裂強さ、衝撃強さ等の強靭
性が極めて良好になつたものである。また、内層にはEV
Aを使用することにより保温性を改善するだけでなく、
さらに内外両層に酸化硅素等の無機化合物を配合するこ
とにより、この農業用積層フイルムの保温性がより強化
されたものとなつた。また内外層への配合比を2〜7の
範囲にすることで、両層の透明性のバランスがとれ、積
層フイルム全体として透明性が良好となつた。この他、
内層はEVAを主成分としたために、EVAと防曇剤の相溶性
が非常に良好であるので防曇剤の外層への移行が少な
く、防曇性の長期持続性が良好となつた。
試験法: 本発明の文中に用いられる樹脂の特性および農業用フ
イルムとしての特性を表わす各試験法は次のような方法
を採用した。
メルトインデツクス:JIS K 6760に準拠した。
密 度:JIS K 6760に準拠した。
融 点:示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。
酢酸ビニル含有量:JIS K 6730に準拠した。
分子量分布:ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイー
(GPC)を用いて測定した。
全光線透過率:JIS K 6714に準拠した。
曇 価:JIS K 6714に準拠した。
引張強さと伸び:JIS Z 1702に準拠した。
引張強さ:JIS Z 1702に準拠した。
衝撃強さ:ASTM D 1709A法に準拠した。
赤外線吸収率:IRチヤートにより波長が6〜15μの領域
で吸収した面積を全体の面積で割つて吸収率(%)を求
めた。
防曇性:上下を開口した木製箱(縦60cm、横80cm、高さ
90cm、木板の厚さ1.5cm)を地面の上に置き、この上部
開口部を切り口のなす面が地面に対して45゜に傾くよう
に斜めに切り落して(箱の最高部の高さ90cm、箱の最低
部の高さ30cm)作成した開口面(縦84cm、横80cm)に試
験用のフイルムを張つて密閉する。(二層フイルムは外
層を箱の外側、内層を箱の内側に向ける)このフイルム
面が南面を向くようにして箱を置き、下部開口部を1cm
地中に埋める。この小型の試験箱を小型ハウスとして試
験フイルムを5ケ月間(昭和61年10月下旬〜昭和62年3
月下旬、於川崎市浮島町)展張し、5ケ月後のフイルム
の有滴部分を肉眼で観察し、防曇性の評価をした。
防曇性の判定基準はフイルム全体の面積に対する水滴
付着の面積の割合で判定した。
A:20%以下、B:20〜50%、C:50%以上 保温性:防曇性を調べた同じ小型ハウス内の気温および
地温を夜間にハウス外の気温および地温と比較しつつ測
定した。
なお、この測定は昭和62年2月〜3月川崎市浮島町に
おいて実験したものであり、昼間によく晴れた日の翌朝
の午前4時に4回測定した平均時である。
同時に測定したハウス外の気温は−2.3℃、地温は−
0.8℃であつた。
防塵性:保温性の測定用に作成したハウスに展張した積
層フイルムについて展張5ケ月後の全光線透過率の展張
初期のそれに対する減少率で判定した。
A:5%以下、B:5〜10%、C:10%以上 (実施例) 実施例1 使用した積層フイルム用原材料は次の通りであつた。
線状エチレン−ヘキセン−1共重合体〔商品名TUFTHE
NE,MI 1.0g/10min、密度0.920g/cc、日本ユニカー
(株)製〕、 高圧法低密度ポリエチレン〔商品名NUC ポリエチレ
ン、MI 0.8g/10min、密度0.923g/cc、日本ユニカー
(株)製〕、 EVA〔商品名NUC コーポリマーMI 1.5g/10min、酢酸
ビニル含有量15%、融点93℃、分子量分布3.3、日本ユ
ニカー(株)製〕、 酸化硅素〔商品名アエロジル300 1次粒子の平均径7
mμ日本アエロジル(株)製〕、 紫外線吸収剤(2−ヒドロキシ−4−オクトキシ−ベン
ゾフエノン)、 酸化防止剤〔商品名イルガノツクス1010、チバガイギー
(株)製〕、 滑剤(エルカ酸アマイド)、 防曇剤(グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステルおよびこれらのエチレンオキサイド付加物との
混合物)、 これらを用いて、下記の配合にて、外層および内層用
の混合物としてそれぞれ別々にバンバリーミキサーにて
混練後、ペレツト化した。
外層用配合 線状エチレン−ヘキセン−1共重合体 100 重量部 高圧法低密度ポリエチレン 10 重量部 酸化硅素 1 重量部 紫外線吸収剤 0.4 重量部 滑 剤 0.07重量部 酸化防止剤 0.02重量部 内層用配合 EVA 100 重量部 酸化硅素 2 重量部 防曇剤 2 重量部 酸化防止剤 0.02重量部 50mmφ押出機2基を設けた2層共押出インフレーシヨ
ンフイルム成形機にて、全厚76μ(外層A/内層B=30μ
/46μ)の二層フイルムを得た。
このようにして得た積層フイルムについて第1表のよ
うに諸特性の結果が得られた。
実施例2 実施例1において、外層の酸化硅素1重量部の代りに
酸化硅素を含むハイドロタルサイト類〔Mg4.5Al2(OH)
13S1O3・mH2O:m=0〜3.5、平均2次粒子径0.65μ協和
化学(株)製〕1.5重量部に変更し、紫外線吸収剤0.4重
量部を光安定剤〔商品名キマソーブ944LDチバガイギー
(株)製〕0.4重量部に変更し、また、内層の酸化硅素
2重量部の代りに、上記のハイドロタルサイト類を6重
量部に変更し、ブロツキング防止剤として市販のゼオラ
イトを0.8重量部追加した。
その他は実施例1と全く同様にして積層フイルムを製
造し、且つ各種特性を調べた。その結果を第1表に示
す。
実施例3 実施例2において外層の線状エチレン−ヘキセン−1
共重合体100重量部を、線状エチレン−オクテン−1共
重合体〔メルトインデツクス1.0g/10min、密度0.920g/c
cユニオンカーバイド社製〕100重量部に変更し、高圧法
低密度ポリエチレン10重量部の代りにEVA10重量部に変
更した。
また内層の配合は変更せず、積層フイルムの各層の厚
さ割合を外層/内層=38μ/38μに変更した。
その他は、実施例2と全く同様にして積層フイルムを
製造し且つ各種特性を調べた。その結果を第1表に示
す。
比較例1 実施例1において、外層の高圧法低密度ポリエチレン
10重量部と酸化硅素1重量部を除いた配合に変更し、内
層の酸化硅素2重量部を除いた配合に変更した他は実施
例1と全く同様の方法で行つた。結果を第1表に示す。
比較例2 実施例1において、外層の線状エチレン−ヘキセン−
1共重合体100重量部を線状エチレン−ブテン−1共重
合体〔商品名NUCポリエチレン−LL メルトインデツク
ス1.0g/10min密度0.921g/cc日本ユニカー(株)製〕100
重量部に変更した他は実施例1と全く同様の方法で行つ
た。結果を第1表に示す。
比較例3 実施例1において、内層に用いたEVAを融点が低く分
子量分布の広いEVA〔商品名NUCコーポルマーMI=2g/10m
in、酢酸ビニル含有量15%、融点90℃、分子量分布5.
0、日本ユニカー(株)製〕に変更した以外は実施例1
と全く同様の方法で行つた。結果を第1表に示す。
比較例4 実施例1において、外層はそのままで、内層の配合の
うち防曇剤2重量部を除いた配合樹脂を中間層とし、実
施例1の外層のうち紫外線吸収剤0.4重量部を実施例1
と同じ防曇剤2重量部に変更した配合樹脂を最内層にし
て三層共押出インフレーシヨンフイルム(全厚76μ、各
層の厚さ割合20μ/36μ/20μ)を得た。結果を第1表に
示す。
参考例 市販の75μの厚さの農業用ポリ塩化ビニルフイルムに
ついて実施例と全く同様にその特性を調べた。その結果
を第1表に示す。
第1表から明らかなように、本発明に基づく実施例1
〜3は、参考例にあるポリ塩化ビニルフイルムと比べ
て、保温性(赤外線吸収率、ハウス内の温度)と防曇性
はほぼ同等で良好なレベルである一方で、引張強さ、引
裂強さ、衝撃強さ等の強靭性と防塵性は非常に優れてい
る。曇価は実施例の中で実施例1がやや悪いが実用上に
は支障のないレベルであり、本発明が極めて優良な農業
用積層フイルムを提供するものであることが判る。これ
に反して、比較例1では、酸化硅素等の無機化合物が配
合されていないため、保温性が悪く(赤外線吸収率が低
く、ハウス内温度が低い)、なおかつ外層に高圧法低密
度ポリエチレンまたはEVAを配合していないために透明
性が悪い(曇価が高い)、また、比較例2では外層に線
状エチレン−ヘキセン−1共重合体ではなく、線状エチ
レン−ブテン−1共重合体を使用したために強靭性が劣
る。比較例3では内層に融点が低く分子量分布の巾が広
いEVAを使用したため強靭性が劣る。さらに、比較例4
では3層構造で中間層のみをEVA主体としたため、保温
性と防曇性が不充分である。
(発明の効果) 以上の通り、本発明によれば良好な保温性、防曇性、
防塵性、展張作業性、透明性、耐候性を兼ね備え、しか
も極めて優れた強靭性を有するため、強風地帯や悪天候
下でも耐久性を発揮する優良な農業用施設の被覆フイル
ムを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01G 13/00 302 A01G 13/00 302Z (56)参考文献 特開 昭58−160146(JP,A) 特開 昭56−84955(JP,A) 特開 昭58−128853(JP,A) 特開 昭60−104141(JP,A) 特開 昭61−218646(JP,A) 特開 昭63−182146(JP,A) 特開 昭63−149148(JP,A) 特開 昭63−115743(JP,A) 特開 昭63−286343(JP,A) 特公 昭61−44091(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】積層フィルムの外層がメルトインデックス
    0.3〜2g/10minであるα−オレフィンの炭素数6〜10の
    線状エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部と他
    のポリエチレンまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体5
    〜20重量部との混合物であるポリエチレン系樹脂100重
    量部に対して無機化合物0.5〜5重量部を含有してなる
    ものであり、かつ、内層がメルトインデックス0.3〜2g/
    10min酢酸ビニル含有量5〜20重量%であり、融点(M
    P)と酢酸ビニル含有量(VA)との関係が MP=114−1.44VA (MPの単位は℃、VAの単位はwt%) で表わされ、分子量分布(w/n)が4未満(ここで
    wは重量平均分子量、nは数平均分子量)であるエ
    チレン−酢酸ビニル共重合体か、または該エチレン−酢
    酸ビニル共重合体100重量部と線状エチレン−α−オレ
    フィン共重合体5〜20重量部との混合物であるポリエチ
    レン系樹脂100重量部に対して無機化合物1〜10重量部
    及び防曇剤0.5〜3重量部を含有してなるものであるこ
    とを特徴とする強靭性、保温性、防曇性等の良好な農業
    用積層フィルム。
  2. 【請求項2】内層及び外層に配合される無機化合物が酸
    化硅素、タルク、ゼオライト、酸化硅素を含むハイドロ
    タルサイト類の中から選ばれる少なくとも1種からな
    り、外層に対する内層の配合量の比が2〜7の範囲にあ
    ることを特徴とする第1項記載の農業用積層フィルム。
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