JP2603644Y2 - 自動車のバックドア上縁のシ−ル構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、自動車のバックドアの
シ−ル構造に関し、特に、モジュ−ルガラス式のバック
ドアの上縁部分のシ−ル構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車の走行時における風音防止、ある
いはドア縁部と車体の開口部の縁部との間隙からの水、
埃、音の車内への浸入防止機能を有するドアのシ−ル
は、ウエザストリップ等により行っていた。図４により
従来のシ−ル構造を説明する。ドアフレ−ム３にガラス
５を取付るモ−ルデイング７と共にドア側に取り付けた
ウエザストリップ９よりシ−ルリップ８を延設して、車
体側に設けたモ−ルデイング１０に当接させ、車体の開
口部とドアとの間隙Ｇをシ−ルしていた。あるいは、図
５に示すように、ドアフレ−ム３を被覆した被覆層３１
とグラスラン３３とシ−ルリップ３５とを一体的に成形
し、シ−ルリップ３５を車体側のモ−ルデイング３６に
当接させてシ−ルを実行する構造が実開平２−２１０３
２号公報に開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術に記載した前者のシ−ルは車体とドアフレ−ムとの間
隙部分にシ−ルリップ８があって、見映えが悪い上、ウ
エザストリップ９の製造にバラツキが生じ、耐久性に問
題があった。また、後者のシ−ル構造は被覆層３１、グ
ラスラン３３、シ−ルリップ３５との一体成形が困難で
あった。さらに、車両用開閉扉（トランクル−ム等）の
シ−ル構造が実開昭６３−１７９２２６号公報、特開昭
５８−１２２２３９号公報に開示されている。これらの
シ−ル構造は車体とウエザストリップが当接する構成と
なっており、雨水が直接車体の端部に当たり、錆が発生
する不都合があった。そこで、本考案は製造が簡単で確
実に間隙のシ−ル効果を果たし、かつ、車体の端部を雨
水から保護すると共に装飾効果を有するバックドアの上
縁部のシ−ル構造を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案の自動車のバック
ドア上縁のシ−ル構造は、ル−フパネルの端縁に装着さ
れるウエザストリップと、バックドアの開口部にフレ−
ムに支持されて配設されるモジュ−ルガラスの端縁を挾
持する挾持部と、溝部と、ウエザストリップ方向に延び
る板状の接触部とを備えたモ−ルデイングとよりなる。
モジュ−ルガラスを支持するフレ−ムは、バックドアモ
ジュ−ルガラスに平行した接着面と、バックドアモジュ
−ルガラスの端縁に沿って接着面に垂直に形成される係
止部を備え、モ−ルデイングは挾持部をモジュ−ルガラ
スの端縁を挾持させ、溝部にフレ−ムの係止部を係止さ
せると共に、接触部をウエザストリップ方向にしてドア
の端縁に配設される構成を具備する。

【０００５】

【作用】自動車のバックドアを閉塞したとき、バックド
ア側のモジュ−ルガラスに装着するモ−ルデイングの接
触部は、車体側の中空部を変形させて対応するウエザス
トリップの側面に線接触して車体とバックドアとの間隙
をシ−ルすると共に、モ−ルデングの接触部は溝部に係
止されるフレ−ムの係止部により補強されて外力による
接触部の変形を阻止する。

【０００６】

【実施例】本考案の実施例を図面を参照して説明する。
図１は本考案によるバックドアを装着した自動車の斜視
図、図２は図１における線Ａ−Ａの断面図、図３はバッ
クドアの上縁部分の断面図である。

【０００７】自動車本体２０の後部開口部分にはバック
ドアが装着されている。この実施例に示す２枚のバック
ドア２１、２２はバックドア２１の左側縁をヒンジによ
り車体に連結し、バックドア２２の右側縁をヒンジによ
り車体に連結して、観音開きに開閉するドアである。バ
ックドア２１、２２はドアの開口部にドアフレ−ム４０
によりモジュ−ルガラス２５が支持されている。モジュ
−ルガラス２５の周縁にはモ−ルデイング３０が装着さ
れる。モ−ルデイング３０は合成樹脂製の長尺体であっ
て、一側にガラス２５の端縁を挾持する挾持部３１を有
し、他端は溝部３２を隔てて先端を湾曲させた接触部３
３を形成する。そして、モ−ルデイング３０は一端の挾
持部３１にモジュ−ルガラス２５の縁部を挾持し、他端
の接触部３３をル−フパネル５０に接触するように配設
する。 端縁にモ−ルデイング３０を取り付けたモジュ−
ルガラス２５は接着剤３５を介してドアフレ−ム４０に
固着されている。

【０００８】ドアフレ−ム４０は車体内側に位置する閉
断面部分４１を有し、モジュ−ルガラス２５に平行した
接着面４２と、接着面４２の反対方向であるモ−ルデイ
ング３０方向に延設しガラス２５の端縁に沿って垂直に
配設する係止部４３とを有し、ロ−ル成形で形成してい
る。ドアフレ−ム４０の係止部４３は、接着面４２を接
着剤３５を介してガラス２５面に接着させたとき、その
端部はガラス２５の端縁方向に曲折して、先端をモ−ル
デイング３０の溝部３２に係止する。車体２０のル−フ
パネル５０の端部分にはパネルカバ−２７が装着されて
いる。パネルカバ−２７はル−フパネル５０に連続して
配設され、内側はヘッドライニング２８の端部に連結さ
れる。また、パネルカバ−２７の端縁の曲折部分にはウ
エザストリップ６０を固着具６１により装着する。ウエ
ザストリップ６０は合成樹脂製の弾性体で形成された、
自由状態で実線で示す形状の中空部６２を有する長尺体
であって、相手側の接触によって破線で示す形状に変形
する。

【０００９】このように構成するバックドアの上縁部に
装着されるシ−ル構造はドア２１、２２を閉塞した状態
で、モ−ルデイング３０はモジュ−ルガラス２５の端縁
に装着されてドアの端縁を被覆し、モ−ルデイング３０
の接触部３３は、車体側２０のル−フパネル５０のパネ
ルカバ−２７端縁に取り付けたウエザストリップ６０の
側部に線接触で圧接する。ウエザストリップ６０は中空
部６２を変形させて対応する。そして、ウエザストリッ
プ６０の反力とドア側のモ−ルデイング３０のドア閉じ
方向である矢印Ｃ方向の力とによりモ−ルデイング３０
の接触部３３は、ウエザ−ストリップ６０面に圧接し、
車体２０とドア２１、２２上縁との間隙をシ−ルする。
このとき、ドア２１，２２のモ−ルデイング３０の接触
部３３は溝部３２に係止されているフレ−ム４０の係止
部４３に補強されて外力による変形が防止される。そし
て、溝部３２内側方向への移動を阻止され、確実に接触
状態を維持する。 また、接触部３３の先端はウエザスト
リップ６０の変形時の追従性を考慮して滑らかな形状で
あることが要求される。

【００１０】以上説明したように、この実施例に示すバ
ックドアのシ−ル構造は、モジュ−ルガラス２５の先端
に装着したモ−ルデイング３０と、車体２０のル−フパ
ネル５０の端縁に取り付けたウエザストリップ６０とが
当接して確実なシ−ルを達成させた構成であって、部品
点数を減少させたシ−ル構造である。また、モ−ルデイ
ング３０の接触部３３はウエザストリップ６０の表面に
線接触状態で圧接して外観の見映えが良く、外力に対し
て変形することがなく確実な接触状態を維持する。さら
に、ドア２１，２２の上端縁はモ−ルデイング３０に被
覆されているので、直接ドア端部に雨水が当たることが
無く、ドア本体の錆の発生が防止できる。

【００１１】

【考案の効果】本考案のバックドアの上縁部分のシ−ル
構造は、ドア側のモ−ルデイングと車体側のウエザスト
リップのみの簡単な構造で確実なシ−ル効果を達成す
る。さらに、ウエザストリッップは中空部分でモ−ルデ
イングの接触部の圧接に適宜対応でき、また、モ−ルデ
イングの板状の接触部は溝部に係止されるフレ−ムの係
止部によってその運動を阻止され、確実にウエザストリ
ップの側面に線接触して、ドアとル−フパネルとの間隙
を閉塞する。このように、本考案のシ−ル部分は従来の
シ−ルのようにモ−ルデイングとウエザストリップとの
間にシ−ルリップが見えて体裁の悪かった構造に対し
て、モ−ルデイングの接触部がウエザストリップに線接
触した状態でシ−ルするので、外観上装飾効果を向上さ
せると共に、ドアの上端縁はモ−ルデイングで被覆され
ているので、ドアは直接雨水に接触することがなく、錆
の発生を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を実施した自動車の斜視図。

【図２】図１の線Ａ−Ａの断面図。

【図３】バックドアの上部の断面図。

【図４】従来のシ−ル構造の説明図。

【図５】従来のシ−ル構造の説明図。

【符号の説明】

２０ 車体 ２１、２２ バックドア ２３ ル−フパネル ２５ モジュ−ルガラス ３０ モ−ルデイング ３１ 挾持部 ３２ 溝部 ３３ 接触部 ３５ 接着部 ４０ フレ−ム ４１ 閉断面 ４２ 接着面 ４３ 係止部 ６０ ウエザストリップ ６２ 中空部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B60J 10/08 B60R 13/06

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ル−フパネルと、ル−フパネルの端縁に
   装着する形状変形可能な中空部を有するウエザストリッ
   プと、バックドアの開口部に配設するモジュ−ルガラス
   と、モジュ−ルガラスの端縁に装着するモ−ルデイング
   と、モジュ−ルガラスを支持するフレ−ムとよりなる自
   動車のバックドア上縁のシ−ル構造において、 フレ−ムは、バックドアモジュ−ルガラスに平行した接
   着面と、バックドアモジュ−ルガラスの端縁に沿って接
   着面に連続して垂直に形成される係止部を備え、 モ−ルデイングはモジュ−ルガラスの端縁を挾持する挾
   持部と、フレ−ムの係止部を係止する溝部と、ウエザス
   トリップ方向に延びる板状の接触部とを有し、 バックドアを閉塞したとき、バックドア側のモジュ−ル
   ガラスに装着するモ−ルデイングの接触部が、ル−フパ
   ネルのウエザストリップに圧接してル−フパネルとバッ
   クドアとの間隙をシ−ルすると共に、モ−ルデングの接
   触部は溝部に係止されるフレ−ムの係止部により補強さ
   れて、車内方向への移動が阻止されてなる自動車のバッ
   クドア上縁のシ−ル構造。