JP2590920Y2 - 電磁流量計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、測定管内を流れる導電
性流体の流量を測定する電磁流量計に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】電磁流量計は、電磁誘導現象を利用して
測定管内を流れる導電性流体の流量を電気信号に変換し
て測定するもので、一般に図３および図４に示すように
構成されている。すなわち、１は両端にフランジ１ａ、
１ｂを有し、被測定流体２が流れる配管３の途中にフラ
ンジ接続された測定管で、この測定管１の外周には被測
定流体２の流れ方向と直交する方向の磁界を形成する一
対の鞍型励磁コイル４Ａ、４Ｂが対向して設けられてい
る。また、測定管１の中央部外周には一対の電極５Ａ、
５Ｂ（５Ｂは図示せず）が前記磁界と直交するよう対向
して貫設されており、その内端が管路６内に臨み被測定
流体２に接液されている。一方、電極５Ａ、５Ｂの外端
は、前記測定管１の外周にカバー７を介して設けられた
変換器８に信号リード線９によってそれぞれ接続されて
いる。測定管１の内壁およびフランジ外側面は、電気的
絶縁性と耐食性をもたせるため弗素樹脂、ネオプレン等
からなるライニング材１０が内張りされており、被測定
流体２と絶縁されている。そして、測定管１と配管３と
は、互いのフランジ面がアースリング１１とガスケット
１２を介して接合されている。

【０００３】アースリング１１は、測定管１と被測定流
体２を接地して同電位にすることにより、被測定流体２
の電位が不安定によることによって発生するノイズを消
去する機能と、ライニング材１０を保護する機能を備え
ている。このようなアースリング１１としては、通常ス
テンレス３１６等で製作されるが、耐食性、耐摩耗性が
要求される場合には白金、チタン、モネル、ハステロイ
等の貴金属により製作される。なお、アースリング１１
の外周にはねじ取付孔１５を有する一対の固定付部１４
ａ、１４ｂが一体に延設されており、この固定部１４
ａ、１４ｂが止めねじ１６によって測定管１のフランジ
面もしくはフランジ部１ａ外周面に固定され、これによ
ってアースリング１１と測定管１を電気的に接続してい
る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上記したように、従来
の電磁流量計１７においては、耐食性、耐摩耗性が要求
される場合、アースリング１１の材質として白金、チタ
ン、モネル、ハステロイ等の特殊金属を使っているが、
これら貴金属は高価であり、特に大口径のアースリング
を製作する場合には電磁流量計自体がきわめて高価にな
り、そのため板厚を薄くし、必要以外の部分をカット
し、材料費の節約を図っているが、強度が弱く、配管３
に対して電磁流量計１７を脱着した時、アースリング１
１の固定部１４ａ、１４ｂに力が加わると、固定部１４
ａ、１４ｂの基部に亀裂１８を生じたり、固定部１４
ａ、１４ｂが破損するという不具合があった。

【０００５】したがって、本考案は上記したような従来
の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、固定部の破損を防止でき、またガスケットを
確実に位置決めし得るようにした電磁流量計を提供する
ことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は上記目的を達成
するためになされたもので、測定管の少なくとも一端に
装着され導電性被測定流体に接液するアースリングを備
えた電磁流量計において、耐食性金属からなり内径が接
液する第１リングと、この第１リングの内径よりも大き
くて第１リングの外径よりも小さい内径をもつ金属製の
第２リングとを備え、前記第１リングと第２リングを互
いに積層固定し、第２リングの内径内にガスケットを装
着可能にしたものである。

【０００７】

【作用】本考案において、第１リングは第２リングに接
合されることで、接液に必要な最小の大きさ、板厚であ
ればよく、使用材料を節約する。ガスケットは、第２リ
ングの内径内にはめ込まれて位置決めされ、第１リング
に密接する。

【０００８】

【実施例】以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。図１は本考案に係るアースリングを備
えた電磁流量計の一実施例を示す断面図、図２はアース
リングの正面図である。なお、図中図３および図４と同
一構成部品のものに対しては同一符号を以て示し、その
説明を省略する。これらの図において、本実施例は測定
管１と配管３とのフランジ面間にガスケット１２と共に
介挿されるアースリング２０を、材質および大きさが異
なる２つのリング、すなわち第１、第２リング２１、２
２で形成したものである。第１リング２１としては、耐
食性、耐摩耗性に優れた白金、チタン、タンタル、ハス
テロイ等の貴金属により製作され、板厚が０．１〜０．
２ｍｍ程度、内径が測定管１の内径と略等しく設定され
ている。第２リング２２は、機械的強度が大きくて安価
な材料、例えばステンレス３１６によって製作され、板
厚が３ｍｍ程度、内、外径が第１リング２１の内、外径
より大きく、また外周にはねじ取付孔１５を有する固定
部１４ａ、１４ｂがそれぞれ一体に延設されている。第
１リング２１と第２リング２２は、互いに同軸に重ね合
わされて溶接もしくはシーム溶接されることにより一体
的に接合されている。この場合、第１リング２１の内径
は、第２リング２２の内径より小さく、このため第１リ
ング２１の第２リング側面の中心側は、第２リング２２
が接合されず、ガスケット１２の当接面２３として残さ
れる。ガスケット１２は、ゴム等によってリング状に形
成されて、適宜な板厚と、第１リング２１の内径と略等
しい内径と、第２リング２２の内径と略等しい外径を有
し、第２リング２２の中心孔２４に嵌合されることで位
置決めされ、第１リング２１の前記ガスケット当接面２
３に密接される。そして、このように構成されたアース
リング２０は、第１リング２１を測定管１側に向けてガ
スケット１２と共に測定管１と配管３とのフランジ面間
に介挿され、第２リング２２の固定部１４ａ、１４ｂが
それぞれ止めねじ１６によって測定管１のフランジ部１
ａに固定される。

【０００９】このように本考案においては、アースリン
グ２０を高価な貴金属からなる第１リング２１と、安価
で機械的強度の大きい材料からなる第２リング２２とで
構成し、第２リング２２を測定管１に固定しているの
で、第１リング２１に機械的強度が要求されず、薄肉に
して、接液に必要な最小の大きさとすることができる。
また、第２リング２２は、機械的強度が大きく、配管３
からの測定管１の脱着時に固定部１４ａ、１４ｂが破損
したり、亀裂を生じたりするのを防止することができ
る。また、第１リング２１の穴径を第２リング２２の穴
径より小さく設定し、ガスケット１２を第２リング２２
の中心孔２４に嵌合して第１リング２１の中心孔周縁部
表面、すなわちガスケット当接面２３に当接させるよう
にしているので、アースリング２０とガスケット１２の
中心を簡単かつ確実に一致させることができる。

【００１０】

【考案の効果】以上説明したように本考案に係る電磁流
量計によれば、第１リングと第２リングを互いに接合し
てアースリングを構成し、第１リングを接液させ、第２
リングを測定管に固定したので、第１リングに機械的強
度が要求されず、薄肉にして、接液に必要な最小の大き
さとすることができ、従来の貴金属製アースリングと比
べて材料費を大幅に低減することができる。また、第２
リングを強度が大きい材料で形成することにより、配管
に対する脱着時に力を受けても固定部に亀裂が生じた
り、固定部が破損したりする虞れがなく、アースリング
の耐久性を向上させることができる。さらに、第２リン
グの内径によってガスケットを確実に位置決めすること
ができるため、精度よい流量計測を可能にするなど、そ
の実用的効果は大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るアースリングを用いた電磁流量計
の一実施例を示す断面図である。

【図２】本考案に係るアースリングの正面図である。

【図３】従来のアースリングを備えた電磁流量計の従来
例を示す断面図である。

【図４】従来のアースリングの正面図である。

【符号の説明】

１ 測定管 １ａ、１ｂ フランジ ４Ａ、４Ｂ 励磁コイル ５Ａ 電極 ８ 変換器 １０ ライニング材 １１ アースリング １２ ガスケット １７ 電磁流量計 ２０ アースリング ２１ 第１リング ２２ 第２リング ２３ ガスケット当接面

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 測定管の少なくとも一端に装着され導電
   性被測定流体に接液するアースリングを備えた電磁流量
   計において、耐食性金属からなり内径が接液する第１リングと、この
   第１リングの内径よりも大きくて第１リングの外径より
   も小さい内径をもつ金属製の第２リングとを備え、前記
   第１リングと第２リングを互いに積層固定し、第２リン
   グの内径内にガスケットを誌着可能にしたことを特徴と
   する電磁流景計。